悪魔姫の祝杯・番外編2 奸計の果てに



 バチィンッ!バシィンッ!バッチィンッ!
「いやああっ!ごめんなさいっ!許してごめんなさいっ!!」
「ダメでしょうっ!!全くっ!ワガママ言うなんて、悪い子なんだから!!」
仮設闘技場に、レティッツイアの悲鳴と、ルフトハンザの叱る声が響き渡る。
レティッツイア軍ではお馴染みの祝杯の儀。
名誉ある執行役に選ばれたのは、ルフトハンザ。
ルフトハンザは容赦なく、女主人のお尻に、赤い花びらを刻みつける。
お尻を真っ赤に染め上げ、幼児のように泣き叫ぶ悪魔姫の姿に、会場に集まった将兵たちは熱狂する。
 「・・・・・・・」
そんな中、一人、不機嫌な表情を浮かべる女の姿があった。
女は黒曜石のような長い黒髪と尖った耳、褐色の肌を持つ、手の込んだ衣装と鎧を着た、高貴な雰囲気を纏った、美しいダークエルフ。
トゥエイの森を根拠とするダークエルフ・スガハラ族の族長、レドベルグである。
 レドベルグは、苦々しげにルフトハンザを見つめる。
(くそ・・・!!また・・奴に・・・先を越された!!)
レドベルグは、憎しみの籠った視線をルフトハンザに向ける。
レドベルグとルフトハンザは、しばしば手柄を巡って、競争する立場にあった。
だが、いつもあと一歩というところで、ルフトハンザに先を越されてしまう。
今回も、もう少しで敵の城へ一番乗り出来るはずだったのを、ルフトハンザに先乗りされてしまったのだ。
 (おのれ・・・!?絶対に・・タダでは済まさんぞ!!)
勝利の余韻に浸り、女主人のお尻を真っ赤に染め上げるルフトハンザを見つめながら、レドベルグはそんな決意を固めていた。


 「なるほど・・。それで私を呼んだわけですね」
魔導士のような黒いローブに身を包んだ、眼鏡の似合う知的な美貌のダークエルフが、レドベルクに、そう言う。
彼女はルドベルグの参謀兼相談役を務めるネルスベルクス。
憎いルフトハンザを痛い目に遭わせる策を考えるように、と呼び出されたのだ。
 「そうだ!お前なら何かいい考えがあるだろう!!」
「無いこともありませんが・・・。ご主人様はルフトハンザをどういう目に遭わせたいのですか?」
「そうだな・・。この間の贖罪の儀・・。あれは素晴らしかった。久しぶりに・・胸が晴れた!!」
レドベルグは、贖罪の儀で公開お仕置きされたルフトハンザの姿を思い返し、溜飲の下がった表情を浮かべる。
「つまり・・ご主人様は、ルフトハンザが公開お仕置きされるような策を考えろ、ということですね?」
「そうだ!出来るか!?」
「ええ。策はあります。ですが・・・」
「何だ?嫌だというのか?」
部下が拒否するのかと思い、レドベルグは不機嫌な表情になる。
 「ご命令とあらば、策を実施します。しかし・・もしこのもくろみがばれれば・・・贖罪の儀に出るのは我々ということにもなりかねません。それでも・・やりますか?」
「聞くまでも無い!!で、どのようにやるのだ!?」
「わかりました。では・・・」
ネルスベルクスは策の内容を、女主人に説明する。
 「なるほど!?それは良い策じゃ!!それならば必ずや・・あの憎き眼鏡女の尻は真っ赤に染まることになろう!!」
「では・・策を実行してよろしいですね?」
「もちろんだ!!ふふふ・・。ザマを見ろだ!ルフトハンザ!!」
部下の問いに、レドベルグは邪悪な笑みを浮かべて、答えた。


 それからしばらく経ったある日・・・・。
ルフトハンザが、自身の陣地内で部下達と軍議をしていたときだった。
「第9親衛隊である!!」
突然、レティッツイアの紋章に数字の9を組み合わせた独特の紋章を身に着けた女悪魔兵達が、踏み込んできた。
彼らはレティッツイア直属の兵士達。
ルフトハンザら古参の将軍達でも、遠慮を迫られる存在である。
 「これは第9親衛隊の皆様、どうなされました?」
ルフトハンザは冷静な態度で応対するも、緊張を隠せない。
親衛隊の中でも、第9親衛隊は、軍内の取り締まりにあたる、いわゆる憲兵隊。
彼らがやって来る、ということは、何らかの違法行為や失態を疑われているということ。
現に、以前贖罪の儀を受けることになったときも、彼らがやって来て、姫からの呼び出しや、闘技場への連行が行われたのだ。
 「ルフトハンザ将軍!!貴官を敵勢力との内通の疑いにより、連行します!!」
「な・・何かの間違いではありませんか!?私がそのようなこと・・するはずが!!」
「言い分があれば、取り調べで聞きましょう。まずは、我々に同行してもらいます」
「わかり・・ました・・」
ここで歯向かうのは得策ではない。
やむなく、ルフトハンザは手早く部下に指示をして動揺を抑えると、親衛隊の兵士達に連行されていった。
 数時間後・・・。
「そうか。ルフトハンザは親衛隊に連行されたか」
部下からの報告に、レドベルグは笑みを浮かべる。
「ネルスベルクスよ、さすがだな。見事にお前の策が当たったな」
「それほどでもございません。ただの偽手紙ぐらいですから」
レドベルグの褒め言葉に、ネルスベルクスはそう返す。
ネルスベルクスの策。
それは、ルフトハンザが敵対勢力と内通している精巧な偽手紙を作り上げること。
それによって、ルフトハンザに敵との内通という罪をかぶせること。
 「これで・・奴は再び、公開尻叩きの刑になるのは決まったな」
「それだけではすまないでしょう。内通の罪ともなれば」
「どう転ぶにせよ、目障りなヤツが消えるのは、喜ばしいことだ。やつさえいなければ、これからは私の一番手柄は言うまでもない。ハハハ!!」
レドベルグは今後のことを想像し、勝利の笑いを上げる。
 「ところで・・偽手紙を書いたやつはどうする?」
「ご心配なく。既に手は打ってあります。もう既に永遠に黙っているは・・・・」
ネルスベルクスがそう言いかけたところに、部下のダークエルフ兵が駆け込んでくる。
 「どうしたのです?」
部下の慌てた様子に、ネルスベルクスは不審を覚える。
「た、大変です!!口封じの為に派遣した兵士が・・・しくじりました!?」
「どういうことです!?」
「実は・・」
兵士の説明によれば、刺客役の兵士が標的を襲おうとしたそのとき、待ち伏せていた第9親衛隊の兵士達に、捕えられたという。
どうやら標的は別件で第9親衛隊に既に逮捕されており、その際、ネルスベルクスの一件も白状していたという。
 「ネルスベルクス!?どういうことだ!?」
「そんな!?私が失敗するはずが・・!!」
二人が愕然としていると、複数の足音が近づいてくる。
ハッとして入口の方を振り向くや、第9親衛隊の兵士達が踏み込んできた。


 数日後・・・。
陣地内の仮設闘技場に、レドベルグとネルスベルクスの姿があった。
二人並んで、うつ伏せでお尻を突き出した姿で、台に拘束されている。
もちろん、お尻はTバック式の下着で大事なところを隠した以外は、むき出しにされている。
拘束台の脇には、二人がルフトハンザを罠にかけた罪状を書いた札が立てられている。
 「皆の者!よく集まってくれた!感謝するぞ!!」
レティッツイアがマイクで皆に呼びかけると、将兵らから歓声が上がる。
「さて・・・。本日集まってもらったのは他でもない!!この者達のことだ!?」
レティッツイアは台に拘束されている二人を指さす。
 「こやつらは・・・ある罪を犯した!!裏切りの罪だ!!奴らは・・嫉妬から・・ルフトハンザ将軍に、いわれなき内通の罪をかぶせようとしたのだ!!」
姫の言葉に、会場は怒りの声に包まれる。
「裏切りの罪は・・何よりも重い!!よって・・・今より、この二人の贖罪の儀を執り行う!!」
レティッツイアの言葉に、観客達は興奮の渦に包まれる。
同時に、大きなパドルを手にした、第9親衛隊の兵士達が現れた。
 兵士達は、パドルを構えて、レドベルグとネルスベルクスの脇に立つ。
「ちょっと!待ちなさいよ!?そんなもので叩くつもり!?」
兵士達の持つパドルを見て、レドベルグは恐怖に駆られる。
パドルは非常に大きく、コブなどの苦痛をより強める附属品もこれ見よがしについているからだ。
 「当然であろう。そなたの罪は軽くは無い。しっかりと、罪を贖うがよい」
「ふ、ふざけないでよ!?わ、私は悪くないわ!?あの眼鏡女が悪いのよ!?」
「ご主人様・・。それは逆効果ですわ・・・」
レティッツイアの言葉に、レドベルグは抗議の声を上げる。
主人の言葉に、ネルスベルクスは、ため息をつきながら言う。
 「反省の色なしか・・。その方がやりやすいがな・・。始めよ」
レティッツイアは手を振り下ろして、兵士達に合図を送る。
それを見た兵士達は、パドルを振りかぶった。


 バッシィー―ン!!
「きゃあああ!!」
「ひぃぃぃん!?」
パドルが容赦なく、ダークエルフ主従のお尻に叩きつけられる。
ビダァンッ!ババジィンっ!バッジぃンッ!ビッダァンッ!
 「な、何をするのよっ!?やめなさいよっ!!痛あっ!!きゃああ!!」
「ひいいぃんっ!ご、ご主人様!お、お助け下さいいい!!」
お尻を叩かれる苦痛に、レドベルグは悲鳴を上げ、ネルスベルクスは主人に助けを求める。
 「この馬鹿!何が『お助け下さい』よ!?お前のしくじりのせいで、こうなってるのよ!?」
「ご、ご主人様の命令では・・ひぃん!?ありま・・せんかぁぁ!!私は・・命令に・・従っただけ・・!!す、全てはご主人様の罪です!!わ、私は悪くありません!!」
「ネ、ネルスベルクスううう!!!あ、あなた主人を売るつもりいいい!!!」
部下の言葉に、レドベルグは怒りの声を上げる。
 バシィンッ!ビダァンッ!バビィンッ!ビッダァンッ!バアッジィンッ!
「そもそもご主人様のせいじゃないですかああ!!きゃあああ!!わ、私ごときが・・逆らえるわけが・・!!ご、ご主人様が命令しなければ・・私だって・・しませんでしたああ!!ですから・・私の罪じゃ・・無いですうう!!!」
「貴様ああああ!!家来の癖に・・主人を売る気いいいい!!!わ、私は族長なのだぞ!!!い、生きて帰ったら、し、死ぬまで尻叩きの刑にしてやるからあああ!!!」
「どうぞご自由にいいいい!!ど、どうせあなたなんか族長でなんかいられないんだからあああ!!!い、今更だけど、あ、あんたなんかに仕えた私が馬鹿だったわあああ!!ど、どうせならルフトハンザ様に仕えればよかったわあああ!!!!」
ネルスベルクスは、お尻を叩かれながら叫ぶ。
 「そなた・・・本心か?ルフトハンザに仕えればよかった、と思うのは?」
レティッツイアはネルスベルクスに尋ねる。
「お、思います!!こ、これからはルフトハンザ様の為に尽くしますうう!!で、ですから、お、お許し下さいいい!!」
「ふぅむ・・・。よかろう。私に考えがある・・・。お前はこれ以上の贖罪を免じてやろう。台から降ろしてやれ」
「あ・・ありがとうございますうう!!!」
ネルスベルクスは台から解放され、歓喜の涙を流す。
 「ど、どうしてあなただけ!?ず、ずるいわ!!!」
懲罰から解放されたネルスベルクスに、レドベルグは憤慨する。
「あの愚かな策士ぶった眼鏡娘には・・ルフトハンザの手で報いを与えてやった方が面白かろうからな。それだけだ。貴様は・・私自身の手で、罪を贖わせてやる」
レティッツイアは微笑を浮かべる。
次の瞬間、レティッツイアは兵士からパドルを受け取る。
そして、自ら、レドベルグのお尻に、パドルを叩きつけた。
 バッジィィィンンン!!!
「いったあああああいいいいい!!!!」
パドルの容赦ない一撃に、レドベルグは絶叫する。
 ビダァンッ!バアジィンッ!ビッダァンッ!バアジぃンッ!
「ひぃんっ!も、もう嫌あああ!姫様あああ!!お、お許し下さいいいい!!も、もうルフトハンザに悪だくみなんかしませんからああ!!」
「そのようなこと、当然だ。貴様の行為は・・・何よりも許しがたい!!貴様は・・族長の地位を取り上げてやる!!領土の森も没収だ!!そして・・お前自身は、私の尻叩き奴隷にしてやる!!」
「そ・・そんなああああ!!」
レドベルグは絶望の声を上げる。
尻叩き奴隷。
その名の通り、主人の気晴らしの為に、尻を叩かれる姿を見せる奴隷である。
レティッツイア軍では、大きな罪を犯した将兵に対し、贖罪の儀を受けた上で誰かの尻叩き奴隷にするという罰があった。
 「領地も兵士も献上しますうう!!ですから尻叩き奴隷だけは・・・!!」
「ダメだ。私が何よりも信頼するルフトハンザを罠にかけようなどと・・!!貴様の尻には、私が生きている限り、地獄を味あわせてやる!!」
悪魔姫の怒りの強さに、レドベルグは絶望の淵に落とされる。
「ああ、安心しろ。お前一人ではないぞ。お前の配下のあの眼鏡のダークエルフ。あやつも後で尻叩き奴隷にしてやる。まぁ・・あやつのほうはルフトハンザにくれてやるがな。直接、ルフトハンザをはめようとしたのはあやつじゃ。ちょうどルフトハンザに仕えればよかったと言っておったしな。だから、ルフトハンザに仕えさせてやろう、尻叩き奴隷として」
絶望を感じさせる笑みを浮かべて、レティッツイアは言う。
そんな悪魔姫に、レドベルグは戦慄する。
バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!バジィン!
その後、長い長い間、闘技場にパドルの音と、レドベルグの悲鳴が響き続けた。


 その後・・・。
バシィンッ!バジィンっ!ビッダァンッ!
「きゃあああ!ルフトハンザ様ああ!お許し下さいいいい!!」
肌を打つ音と共に、ネルスベルクスの悲鳴が響き渡る。
ネルスベルクスはお尻がむき出しになった尻叩き奴隷専用の衣装を着せられ、ルフトハンザの膝に乗せられて、お尻を叩かれている。
 「ダメよ。今日はあなたの真っ赤なお尻と泣き顔がとっても見たい気分なのよね。もっと私を楽しませなさい」
ルフトハンザは非情な笑みを浮かべて言う。
尻叩き奴隷は、尻を叩かれることで、主を楽しませるのが務め。
主人の気分次第で叩かれるのだ。
 「おお!やっているな!!」
そこへ、レティッツイアが現れる。
レティッツイアは鎖付きの首輪を付けられ、尻叩き奴隷専用の衣装を着せられたレドベルグを連れている。
 「姫様、いかがなさいました?」
「ふむ、そこの尻叩き奴隷と一緒に、こやつの尻を叩いて楽しもうと思ってな。どうだ?」
「それはよい考えかと。さぁ、姫様こちらに」
ルフトハンザは、自身の場所を女主人に譲り、自分はネルスベルクスを膝に乗せて、脇に座る。
レティッツイアはルフトハンザがいた場所に腰を降ろし、レドベルグを膝に乗せる。
「よし・・。では二人で悲鳴のハーモニーを聞かせてもらうぞ」
レテッッツイアはそういうと、レドベルグのお尻に手を振り下ろす。
同時に、ルフトハンザもネルスベルクスのお尻を叩きはじめる。
その後、部屋には二人のダークエルフの悲鳴とお尻を叩く音がこだましていた。


 ―完―


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悪魔姫の祝杯・番外編 ルフトハンザの贖罪



 切り立った崖が左右から迫る狭い峡谷。
左右の崖上では、ルフトハンザ率いる女悪魔軍が、待ち構えていた。
「もうすぐですわ・・・。私の計算通りならば」
ルフトハンザは指で眼鏡の位置を直しながら、笑みを浮かべる。
間もなく、敵軍の大将とその護衛達が、この峡谷を通るはず。
戦場から敗走する途中の彼らを、ここで待ち伏せ、仕留める。
そうすれば、彼女たち悪魔軍の勝利。
 「ふふ・・・。一番手柄は私のもの・・・。祝杯の儀に出るのは・・私・・ですわ!!」
ルフトハンザは、祝杯の儀で主のお尻を叩く自身の姿を思い浮かべ、興奮する。
だが、その栄誉を得るためには、何としても敵軍の大将を討ち取るか、捕えねばならない。
ルフトハンザは興奮を押さえ、ジッと、通り道の様子を双眼鏡で伺う。
やがて、馬を必死に走らせる一団の姿があった。
全員、敵軍の印を鎧や上着に描いている。
その中でも、ひときわ立派な鎧を着た敵を、じっとルフトハンザは見つめる。
 「あの鎧・・・。間違いないわ!!」
ルフトハンザは笑みを浮かべる。
事前の調査で、敵軍の大将のものだとわかっているからだ。
「十分・・引き寄せるのです・・・・。そして・・・今です!!」
ルフトハンザの命令と共に、崖上から、丸太や石が転がり落ちてゆく。
丸太や石は、敵軍に向かって襲いかかる。
鈍い音や悲鳴と共に、敵軍は落とされた丸太や石の下敷きになった。
 「よし・・・!!行きなさい!!」
ルフトハンザの命令と共に、峡谷に兵士達が降りてゆく。
ルフトハンザ自身、護衛の兵士達と共に、罠の犠牲になった敵の元へと向かう。
 「間違いなく・・事切れております」
部下の報告に、ルフトハンザは頷く。
ルフトハンザは慎重に、敵軍の大将に近づく。
自ら剣を取り、ルフトハンザは、自身で敵の鎧の隙間に切っ先を突き入れた。
 「確かに・・絶命していますね。では・・・」
ルフトハンザは敵将のマスクに手をかける。
(これで・・今回の祝杯の儀は私のもの・・!!)
勝利を確信した笑みを浮かべつつ、ルフトハンザは敵将のマスクをはぎ取る。
だが、直後、表情が変わった。
 「違う!?誰なのコイツは!?」
顔を見るや、ルフトハンザは叫ぶ。
敵将ではない、全然別の者の顔だったからだ。
 「他の死体も確認しなさい!!今すぐ!?」
部下達は主の命令に、急いで他の死体のマスクや兜をはぎ取る。
だが、どれも敵将のものではない。
せめてその側近のものでは無いかと、必死に顔を確認するが、側近のものらしい顔も無い。
 「どういう・・こと・・?」
思わぬ事態に、ルフトハンザの表情が強ばる。
そのとき、伝令役の悪魔が駆けつけて来た。
伝令の報告に、ルフトハンザの表情が、まるでこの世の終わりでも来たかのようなものになっていた。


 レティッツイアの天幕・・・。
ルフトハンザは女主人の目の前に、正座させられていた。
「ルフトハンザよ。本当なのか?敵にまんまと出し抜かれ、逃げられたというのは?」
静かな、だが怒りを隠せないレティッツイアの声に、ルフトハンザは震えあがりそうになるのを必死に堪え、答える。
 「はい・・!申し訳ありません!!敵は影武者を使い・・我らの罠から逃げおおせました」
ルフトハンザは脂汗が出そうになりながら、答える。
伝令からの報告。
それは、敵はルフトハンザの罠を事前に察知していたこと。
それを逆用し、影武者達を用いて罠にかかったように見せかけ、ルフトハンザ達が気を取られているうちに、変装して戦場から逃げ出していたこと。
つまり、罠にかけるつもりが、逆にこちらが罠にかかってやられてしまったのだった。
 「ルフトハンザよ。勝利は目前であった・・・。だが・・・そなたの失態で・・・今日の勝利は叶わぬものとなった・・・」
静かだが、沸々と湧き上がる怒りを滲ませる声に、ルフトハンザは身を震わせそうになる。
目前にした勝利を逃すことほど、悪魔姫の怒りを燃え上がらせるものは無いからだ。
 「申し訳ございません!!私の失態にございます!!どんな・・罰でも・・覚悟しております!!」
ルフトハンザは土下座して、謝る。
「その言葉・・・。本心か?」
「はい・・!!誓って・・!!」
「ならば・・・。今夜、贖罪の儀を執り行う。もちろん、主役はそなたじゃ。良いな?」
「贖罪の儀・・・!?そんな・・!!」
「嫌か?」
「いえ!贖罪の儀・・確かに・・行います!!」
「ならば・・・今は戻ってよい。せいぜい・・・儀式に備え、覚悟をしておくことじゃ!!」


 その日の夜・・・・。
以前、祝杯の儀が行われたときと同じように、仮設の闘技場が陣地内に設置されていた。
だが、祝杯の儀のときとは違い、観客席には怒りのオーラが満ちている。
闘技場中央の椅子の傍らには、ルフトハンザの姿があった。
 ルフトハンザは両手に水の入ったバケツを持たされ、首から札を下げさせられている。
札には『勝利を逃す失態をした悪い子』と、ラテン文字で書かれていた。
 やがて、花道から、レティッツイアが現れる。
レティッツイアの姿に、観客である将兵たちの興奮が高まる。
レティッツイアはゆっくりと、ルフトハンザと椅子の方へ進んでゆく。
やがて、レティッツイアは椅子の前までやって来ると、将兵たちを見回した。
 「皆の者!!いつも勝利の為に奮闘、感謝するぞ!!」
主人の声に、観客達は興奮の声を上げる。
「今夜・・・本来なれば、祝杯の儀を執り行うはずであった。そなた達に・・この私の血のように赤く染まった尻を・・・私の涙を捧げられるはずであった!!だが・・・」
レティッツイアは怒りと悲しみのない交ぜとなった声で叫ぶ。
 「ある者の失態により・・その勝利は遠のいた!!皆の者!!勝利が・・・叶わなかったのじゃ!!これほどの恥が・・あろうか!!」
悪魔姫の演説に、将兵たちの同意と怒りの籠った声が観客席を覆い尽くす。
 「その失態をしたのは・・他でもない!!幾度もわが軍の勝利に貢献してきたはずの・・ルフトハンザ将軍じゃ!!」
自身の名を呼ばれ、ルフトハンザはギクリとする。
観客席からは、怒りの籠った視線が、嫌というほど投げつけられる。
 「ルフトハンザ・・・」
「は・・はい・・!!」
主君の呼びかけに、ルフトハンザは必死に応える。
 「自身が失態を犯したのは・・認めるな?」
「み、認めます・・!!勝利を逃し・・姫様とわが軍の栄光を飾れず・・申し訳・・ございません・・!!」
「ならば・・・贖罪の儀を受ける覚悟があるな?」
「あります・・!!どうか・・姫様の手で・・私の失態を・・罰して・・下さいませ」
「良い覚悟じゃ。ならば・・これより・・贖罪の儀を執り行うぞ!!」
そう宣告すると、レティッツイアはルフトハンザを引き寄せる。
直後、椅子に腰かけ、ルフトハンザを膝の上にうつ伏せに乗せる。
ルフトハンザはTバック式のパンツを履かされているため、お尻は既に丸出し状態だった。
「さぁ・・・。そなたの罪・・いまより、たっぷりと償わせてやる」
冷徹な声でレティッツイアは宣告する。
同時に、ゆっくりと手を振り上げた。


 ビッダアアアアアンンンンン!!!
「いやあああああ!!!!」
凄まじい勢いの平手がルフトハンザのお尻に命中する。
お尻の骨が砕けるかと思うほどの衝撃に、ルフトハンザは絶叫する。
 バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!
「いやあああ!!お、お許し下さい!!きゃあああ!!痛あああいいいい!!」
お尻に与えられる、とても耐えがたい打撃に、ルフトハンザは絶叫する。
当然、我慢など出来るはずも無く、両足をバタバタと動かしている。
 バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!
「許せるものか!!我らの勝利は目前だったのだぞ!!それなのに・・・そなたの失態で逃してしまったのじゃぞ!!」
レティッツイアは怒りを燃え上がらせて、ルフトハンザのお尻を叩く。
 バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!
「も、申し訳ございませんんん!!に、二度と・・このような失態は・・い、いたしません!!きゃああああ!!!痛いっ!痛い痛い痛い~~!!」
激しくお尻を叩かれる苦痛に、ルフトハンザは恥も外聞もなく泣き叫び、許しを乞う。
そんなルフトハンザの姿に、観客席では興奮の声が上がる。
 贖罪の儀。
祝杯の儀と並び、レティッツイア軍の重要な儀式。
失態を犯した部下が、その罪を贖うため、兵士達の前で、姫自身の手によるお尻叩きの罰を受けるというものだ。
 バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!
「ごめんなさいっ!ごめんなさいごめんなさい!レティッツイア様ごめんなさい!!」
皆に見られている羞恥もかなぐり捨て、ルフトハンザは許しを乞う。
既にルフトハンザのお尻は、濃厚なワインレッドに染め上がっている。
 「そう簡単には許さぬぞ!!次は・・炎にて懲らしめてやろう!!」
レティッツイアがそういうと、その手が燃え盛る炎に包まれる。
今度は炎に包まれた手が、ルフトハンザのお尻を責め立てる。
 バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!バシィィィンン!!ビダァァァンンン!!バァァァンンン!!
「痛っ!熱いっ!お、お尻が焼けちゃう!!姫様あああ!!ほ、本当に反省してますからああああ!!!お許し下さいいいいい!!!」
「ならぬ!!この程度で我の・・いや、勝利を逃した将兵らの怒りが収まると思うておるのか!?まだまだ許さぬぞ!!」
「そ・・・そんなあああああ!!!いやああああああ!!!」
絶望の声を上げるルフトハンザに、容赦なく炎をまとった平手打ちの雨が降り注ぐ。
その後、熱狂の渦に包まれる中、ルフトハンザへの地獄のお尻叩きは、長い間続けられた・・。


 数日後の朝・・・・。
 「うう・・・・・・・」
ルフトハンザは涙を堪え、レティッツイアの天幕へと向かってゆく。
数日前に叩かれたお尻は、未だ倍以上に腫れ上がり、ワインレッドを越えた色に染め上がっている。
炎によるお尻叩きも受けた為、火傷まであるから、歩くたびに布がお尻に擦れて痛い。
だが、それでもルフトハンザは女主人の元を目指す。
 「姫様・・!!ルフトハンザ・・・ただいま・・参りました・・!!」
荒い息を吐き、痛みを堪えながら、ルフトハンザは主君に言う。
「感心じゃ。今日も来ておるな。では・・贖罪カードを出すがよい」
「は・・はい・・!!」
ルフトハンザはおずおずと、カードを差し出す。
カードは一か月分の出欠表にようになっており、三日分のスタンプが押してある。
レティッツイアは今日の日付を確認すると、ハンコを押す。
 「では・・今日の贖罪を始めるぞ」
「は・・はい・・!!」
レティッツイアの言葉に、ルフトハンザは自ら服を捲り、お尻を出して、主人の膝の上にうつ伏せになる。
 「ふふ・・・。感心じゃな。さすがルフトハンザじゃ」
「わ、私は・・子供では・・ございません・・!!」
頭を撫でられ、ルフトハンザは羞恥に顔を赤らめる。
 「まぁよい。今日の贖罪を始めるぞ。良いな?」
「は・・はい・・!姫様・・・。どうか・・私の・・・お尻を叩いて・・お仕置きを・・して下さいませ・・・!!」
羞恥に顔を赤らめつつ、ルフトハンザは主君にそう言う。
 贖罪の儀は、一日では終わらない。
最初の一日だけは、公開でのお尻叩きの罰を受ける。
その後は、姫自身より言い渡された日数、姫の元へ通い、お尻叩きの罰を受ける定めとなっていた。
ルフトハンザの場合は一か月の贖罪を言い渡されている。
カードの出欠表が一か月なのは、そのためだった。
 部下の言葉に、レティッツイアは満足げな表情を浮かべる。
その後、お尻を叩く音と、ルフトハンザの『ごめんなさい』が天幕に響きわたっていた・・。


 ―完―

悪魔姫の祝杯



 魔界・・・悪魔や鬼をはじめとする、様々な魔物たちが暮らす世界・・・。
辺境の、とある岩山の中腹にそびえる石造りの館。
その大広間に、この地の支配者たちが集まっていた。
 いずれも屈強な体格をした大男。
ただし、首から上は、虎や狼、熊といった肉食の猛獣。
彼らは猛獣系獣人族の族長たち。
虎の族長を盟主として、この山を含む周辺の山岳地帯を領土として、支配していた。
 彼らは、一様に不機嫌な表情を浮かべている。
その原因は、卓上の地図にあった。
地図は彼ら獣人族の領地のもの。
領内の村が詳細に書かれており、それぞれ、赤もしくは黒のチェスの駒が置いてある。
黒の駒は彼ら族長たちの支配下にあることを、赤い駒は敵の支配下に入ったことを示している。
地図の上では、赤い駒の方が9割を占めている。
 「ったく・・どういうことだ!?」
明らかに敵方に圧倒されている状況に、虎族長は怒りをあらわにする。
「貴様ら!!何をしていた!?何故、こんなにも奴らに攻め取られてるんだ!!」
「す、すまん・・。あっという間に調略の手が伸びておったようでな・・・」
「気づいた時には・・・多くの村が寝返っておったわ・・。敵方にな・・」
仲間の他の族長たちの弁解に、虎族長の苛立ちはさらに募る。
 「馬鹿者があああ!!!それで済むかあああ!!どう見ても囲まれてるだろうがああ!!貴様ら俺を殺す気かああああ!!!!」
怒りのあまり、虎族長は声を荒げ、テーブルに激しく拳を叩きつける。
敵方に入った村は、どれも族長たちの館や砦をしっかりと包囲した状態になっている。
特に、今彼らがいる虎族長の館は、水も漏らさぬ包囲陣が敷かれていた。
もはや逃げることは叶わない。
 「くそ!くそくそくそくそくそ!!どうすりゃあいいんだ!!」
「こうなったら・・・もはや降参し・・・ごぼおっ!!」
隣にいた熊族長の顔面に、虎族長の鉄拳が叩き込まれる。
 「馬鹿野郎!!今さら降参できるか!?」
「し・・しかし・・・」
族長たちがそんな会話を交わしていたときだった。
 突然、広間のドアが乱暴に開かれる。
と同時に、鎧や槍などの武器で武装した悪魔たちが突入してきた。
全員、女である。
「き、貴様ら・・!?」
族長たちは表情をこわばらせる。
この女悪魔たちこそ、今まさに彼らの領土を攻めている敵だったからだ。
 「ふふふ、全員、揃っていますわねぇ。おあつらえ向きですわ」
女達の中から、隊長らしき悪魔が現れる。
眼鏡が似合う、いかにも頭脳派といった感じの、女だった。
「殺してはなりません。生かして捕えるのです!!後のお楽しみがありますからね」
「ふざけるな!!」
隊長の言葉に、族長たちは激高し、剣を抜き放って打ちかかる。
族長たちが悪魔達にあと一歩で切っ先が届きそうな距離まで近づいたそのとき、足元が突然、光り出す。
族長たちはハッとして、足元を見やる。
いつの間にか、足元に魔法陣が発動していたのだ。
族長たちが気づいた時には、魔法陣から現れた太く頑丈な鉄鎖により、全員、拘束されていた。
 「何の策も無く、無謀に踏み込むような愚かな真似はいたしませんわ。あなた達のような脳筋とは違ってね」
隊長の女悪魔は皮肉の籠った笑みを浮かべて、族長たちに言う。
「ふふ・・。では、参りましょう。あなた達には、今夜の宴のゲストを勤めてもらわなくてはね」
ゾッとする笑みを浮かべて、隊長は言う。
その笑みに、拘束された族長たちは、悪い予感しかしなかった。


 その夜・・・・。
悪魔軍の陣地に設置された、仮設の闘技場。
その中に、族長たちの姿があった。
族長たちはそれぞれ、鎧や剣・槍などを身に着けて、武装している。
その前には、一人の女悪魔が立ちはだかっていた。
 女悪魔は、外見的には20代後半くらい。
燃え盛る炎のような見事な赤色の長髪に、見事な褐色の肌に、均整の取れた身体の持ち主。
ビキニ風の黒いブラとハイレグ・Tバック式のきわどいパンツに、黒いロングコートといった格好が、より煽情性を高めていた。
彼女こそ、悪魔軍の総帥にして魔王の娘たる悪魔姫・レティッツイアであった。
 「どうした?わらわがそんなに恐ろしいのか?」
レティッツイアは無防備な体勢で、族長たちに言う。
露骨に嘲弄の籠った声に、族長たちは怒りの声を上げ、一斉に打ちかかる。
レティッツイアは最初に襲ってきた族長の剣をかわすと、相手に接近し、族長の顔に手をかざす。
姫の手が光ったと思うや、光が爆発し、族長の頭はキレイに吹き飛んでいた。
 「さぁ・・・。次は誰から死にたい?」
美しいがゾッとする笑みを浮かべて、レティッツイアは問いかける。
「い、一斉にかかれ!!幾らヤツが強くても、数で押せば!!」
虎の族長の声と共に、残りの族長が、悪魔姫めがけ、一斉に襲いかかる。
 「無駄じゃ。愚か者共めが・・・・」
レティッツイアは嘲弄の笑みを浮かべる。
直後、背中に生えている、六枚の大きな蝙蝠羽が、巨大な鎌に変わる。
同時に、鎌が残りの族長たちに、まるで蛇のように動いて、襲いかかる。
次の瞬間、族長たちは全員、バラバラに切り裂かれ、闘技場の地面を自らの血で、朱に染めていた。
 「皆の者!我らに歯向かった愚か者共は、それにふさわしい末路を遂げたぞ!!」
レティッツイアの言葉に、観客の兵士達から歓声が上がる。
「さて・・・。座興は終わった。いよいよ・・・これより・・勝利の祝杯の儀を執り行う!!今回の儀の参加資格者は・・・・ルフトハンザ将軍じゃ!!」
歓声と共に、族長たちを捕えた、眼鏡の女悪魔が現れる。
 「ルフトハンザよ・・。見事な手柄じゃ。よくぞ・・・あの愚か者共を捕えた。こたびの勝利は・・・そなたの功績ぞ!!」
「姫様・・!!もったいないお言葉にございます・・!!」
レティッツイアの言葉に、ルフトハンザは感激の表情を浮かべる。
 「よって・・・そなたに最高の栄誉を今日、与える。そなたが・・・祝杯の儀を執り行うがよい!!」
「ああ・・・!!私が・・祝杯の儀を!!喜んで!!」


 一時間後・・・・・。
闘技場の中央、全ての観客席からよく見える位置に、豪奢な椅子に座った、ルフトハンザの姿があった。
そして、その前に、正座したレティッツイアの姿があった。
 「さぁ、レティッツイアちゃん、今回はどんな悪いことしたのかしら?皆に、ちゃんと言いなさい」
ルフトハンザは女主人の顎を上げて、尋ねる。
「は・・はい・・。私は・・先日・・朝・・起きなくてはいけない・・時間なのに・・・寝坊・・して・・しまい・・ました・・。しかも・・・起こしに来た・・兵士に・・・八つ当たりをして・・・怒りに任せて・・・乱暴して・・しまいました・・・」
「まぁ・・。そんな悪い子だったのねぇ。だったら・・・悪い子はどうなるか、わかってるわね?」
「は・・はい・・・。わ、私は・・悪い子・・でした・・。ですから・・皆の前で・・・お尻・・ペンペンの・・お仕置きを・・されます・・。ルフトハンザ様・・。お、お仕置きを・・お願い・・いたし・・ます・・」
「なら・・お膝の上にいらっしゃい」
ルフトハンザの言葉に、レティッツイアは羞恥に顔を赤らめる。
だが、それでも抵抗すること無く、素直に部下の膝の上に、うつ伏せになった。
 「ふふ・・・。良い子ね。でも・・・そう簡単には、許してなんかあげないわよ」
ルフトハンザは笑みを浮かべると、Tバック式の下着を履いたままの主人のお尻を撫で回す。
「あん・・!?」
お尻を撫でられ、思わずレティッツイアは身を震わせる。
 「あら?恥ずかしいのかしら?」
「は・・はい・・!恥ずかしい・・です・・!!」
部下の問いに、悪魔姫は羞恥に顔を赤らめて、答える。
「あなたが悪い子だったからでしょう?さぁ・・皆にお仕置きを見てもらって、しっかり反省するのよ」
そういうと、ルフトハンザはゆっくりと手を振り上げた。


 ビッダァアアアアンンン!!!!
「きゃあああああ!!!!」
思いきりお尻を叩かれる音と共に、レティッツイアの悲鳴が上がる。
 バシッ!バァンッ!ビダァンッ!バアンッ!バアシィンッ!
「きゃあっ!いやっ!痛あっ!痛いっ!やあああん!!」
お尻を叩かれるたび、悪魔姫は、小さな子供のように、悲鳴を上げ、両足をバタつかせる。
 バシッ!バァンッ!ビダァンッ!バアンッ!バアシィンッ!バシッ!バァンッ!ビダァンッ!バアンッ!バアシィンッ!バシッ!バァンッ!ビダァンッ!バアンッ!バアシィンッ!バシッ!バァンッ!ビダァンッ!バアンッ!バアシィンッ!
「『痛いっ!』じゃないでしょっ!!暴れるんじゃありません!!」
悲鳴を上げ、手足をバタつかせる主君を叱りながら、ルフトハンザは容赦なく、お尻を叩き続ける。
 「だ、だってえ・・。お尻・・痛い・・・」
バッチィィンンン!!!
「きゃあああ!!!」
レティッツイアが泣き言を言うや、容赦ない平手打ちが、お尻に襲いかかる。
 「痛いのは当たり前です!!あなたが悪い子だったんだから!!そんな悪い子のうちは、許してあげません!!しっかり、反省しなさい!!」
バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!
ルフトハンザは、無慈悲な平手打ちを、雨あられと、姫のお尻に叩きつける。
悪魔姫のお尻は、赤い手形が幾重にも刻みつけられ、だんだんと赤く染め上がってゆく。
 バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!
「きゃああ!!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!!」
お尻を叩かれ、両足を幼児のようにバタつかせながら、レティッツイアは必死に謝る。
バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!
「ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!もう、部下に乱暴しませんっ!!寝坊もしませんからっっ!!許してっ!!ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!!」
お尻を叩く音が響く中、レティッツイアは必死に許しを乞う。
だが、許されるはずも無く、お尻はどんどん赤く染まっていく。
 「ああ~~~っ!姫様の真っ赤なお尻・・・本当に・・綺麗だわ・・!!」
「あの普段は高慢な姫様が・・子供のようにお仕置きされてるなんて・・・。でも・・可愛いわぁ!!」
「ルフトハンザ様が羨ましい!!私もああして・・姫様をお尻ペンペンしたいわぁ!!」
「それは私よ!!次のいくさでは・・絶対に手柄を立ててやるわ!!」
観客席では、将兵たちのそんな会話が、至るところで繰り広げられている。
 祝杯の儀。
レティッツイア率いる女悪魔軍が、勝利を祝って行う儀式。
その内容は、その日の戦いで、一番の手柄を立てた者から、レティッツイアが公開でお尻叩きのお仕置きをされるというもの。
 普段は高慢なレティッツイアが、小さな子供のように、お尻を叩かれる。
そんな恥ずかしい姿を、自身の将兵たちに見られる。
何とも倒錯的な儀式だが、レティッツイア本人をはじめ、全将兵にとって、戦の後の何よりの楽しみとなっていた。
 バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バチンッ!!ビダンッ!!バアシィンッ!!
「ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!もう二度としませんからあああ!!許してっ!!ごめんなさいっ!!ごめんなさいっ!!」
お尻を叩く音と共に、レティッツイアの悲鳴と『ごめんなさい』が闘技場に響きわたる。
その姿に、観衆は大きな興奮に包まれていた・・・。


 数時間後・・・・・。
「ああ・・!こんなにも・・赤く・・そして・・熱い・・!!」
鏡に映し出された真っ赤に腫れ上がった自らのお尻と、お尻に感じる熱感に、レティッツイアはうっとりした表情を浮かべる。
 (何と・・素晴らしい赤色・・腫れ具合も・・!!思い出すだけで・・また・・興奮しそうだ・・・)
お尻を叩かれていたときのことを思い返し、レティッツイアは密かに興奮を覚える。
高慢で他人を人とも思わない彼女だが、その一方で、お尻を叩かれてお仕置きされることに悦びと興奮を覚える、被虐的な一面も持っていた。
(次のいくさでは誰が私の尻を叩くことになるのか・・楽しみだ)
鏡に映る自分の真っ赤なお尻を見つめながら、悪魔姫はそんなことを考えていた・・。


 ―完―

もしもエルレインがリフィルの学校の校長だったら3(/リフィル)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにした、SO2&テイルズ共演パロです。許容できる方のみご覧下さい)


 バチンッ!バァンッ!バシンッ!バァンッ!ビダァンッ!
「きゃああ!こ、校長っ!も、もうっ!許して下さいっっ!!」
肌を打つ音と共に、リフィルの悲鳴と許しを乞う声が、校長室に響きわたる。
リフィルは、エルレインの膝に乗せられ、お尻を叩かれている。
むき出しにされたお尻は、猿のように、真っ赤に染まっていた。
 バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「そうはいきません。以前にも叱ったのに、また採点ミスをするなど。意識が無さすぎます!!そんな悪い子は、100叩きはしますから、覚悟しなさい」
「そ・・そんなっ!?きゃ、きゃあああ!!」
絶望の声を上げるリフィルのお尻に、容赦なくエルレインの平手打ちが振り下ろされる。
バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「いやああっ!こ、校長っ!本当に二度としませんっ!ごめんなさいっ!きゃああ!いやああっ!ごめんなさいっ!いやぁぁぁあ!!」
その後、宣告通り、100回を超える平手打ちが、リフィルのお尻に降り続ける。
ようやく解放されたときには、リフィルのお尻は熟しきったトマトのようになっていた・・。


 「ううう・・!?まるで・・キャンプファイヤーだわ・・・」
家路へと向かいながら、お尻に感じる熱感に、顔を顰めて、リフィルは呟く。
あまりの熱さで、ズボンがすれるだけでも、ビリビリとした痛みが走る。
(幾ら私が悪いといっても・・これではやり過ぎではないのかしら?)
エルレインの顔を思い浮かべ、恨み言の一つも言いたくなってくる。
とにかく、帰ったらお尻を冷やしたい。
そんなことを思っていた、そのときだった。
 不意に、リフィルは誰かにぶつかってしまう。
その衝撃で、リフィルは体勢を崩し、尻もちをついてしまう。
「きゃあああああ!!!!」
叩かれたお尻には過酷な衝撃に、リフィルは思わず叫ぶ。
 「ご、ごめんなさい。大丈夫かしら?」
リフィルにぶつかられた相手が、謝りながら、手を差し出し、助け起こそうとする。
「だ、大丈夫よ。ちょっと考え事をしていて・・あら?あなたは・・・」
相手の顔を見て、リフィルは気づく。
以前、スパンキング専門店で出会った、母親役の女性だと。
「あら?こんなところで遭うだなんて・・・奇遇ですわね」
「え、ええ・・。そうね・・」
微笑を浮かべる女性に、リフィルも微笑しながら、言葉を返す。
「すみません。先を急ぐので・・・」
そう言って、リフィルはその場を去ろうとする。
 「ちょっと待って。あなた、お尻が痛いのではないのかしら?」
「そ、そんなことはなくてよ」
リフィルは否定するが、微かに声のトーンが変わる。
直後、リフィルはお尻に強い痛みが走るのを覚え、座り込みそうになってしまう。
 「う・・!」
「無理をしてはダメよ!こっちへ来て!!」
女性はそう言うと、リフィルを助け起こす。
そして、リフィルを連れて、その場を立ち去った。


 「どう?少しは落ち着いたかしら?」
リフィルのお尻をタオルで冷やしながら、女性は尋ねる。
「ありがとう・・。楽に・・なってきたわ・・」
お尻にタオルを載せ、ソファにうつ伏せになった姿で、リフィルは礼を言う。
「それより・・申し訳ないわ。こんなことをしてもらって」
「構わないわよ。こんなにお尻を叩かれた人を放っておくわけには、いかないものね」
タオルの下の、リフィルのお尻の有様に、女性はそう言う。
その言葉に、リフィルは顔を赤らめる。
 「ごめんなさい。恥ずかしい思いをさせるつもりはなかったのだけれど」
「べ、別にいいわ。元々・・私が悪いのだから」
「まぁ、それはともかく・・・もし、よかったら、今日はうちで休んでいって。今日は私は仕事も無いし、そのお尻では自分の家に帰るのも、辛いでしょう?」
「ありがとう・・」
リフィルは礼を言った直後、眠り込んでしまう。
そんなリフィルに、女性は毛布をかけた。


 それからしばらく経ったある日・・・。
「本当に大変なのよ!何かあれば、すぐに『お仕置きです!』とか言って、お尻を叩くのよ!!この前みたいに・・!!」
「それは大変だわねぇ。あなただって、教師として、頑張っているのに」
エルレインへの不満を言うリフィルに、女性は共感を示す。
「そうなのよ!全く・・・やりきれないわよ!!他にも・・・・」
リフィルは次々と、エルレインに対する愚痴や不満を話し続ける。
女性はそれを頷いたり、共感を示しながら、聞き続けた・・・。
 「ありがとう。おかげで・・・すっきりしたわ」
話を聞かせ終わった後、リフィルは礼を言う。
「いいのよ。これくらいで、あなたの気が済むのなら」
リフィルのお礼に、女性は微笑を浮かべて返す。
先日、手当てをしてもらったことをきっかけに、リフィルは女性のところへ、遊びに行くようになっていた。
女性の方も、リフィルを快く受け入れていた。
 「ところで・・・。実は、今日はあなたに一つ、お願いがあるのよ。いいかしら?」
「何かしら?私で出来ることなら、させてもらうわ」
「実は・・・・。私に・・お尻ペンペンをして欲しいの。初めて、会ったときのように・・」
リフィルは羞恥に顔を赤らめながら、言う。
 「本気で・・言っているのかしら?」
「じょ、冗談でこんなことは言わないわ!!」
リフィルはさらに、顔を赤くして言う。
「そうよね。でも・・どうしてそんなことを、思ったのかしら?」
「あなたのお仕置きは・・校長から受けるものとは違うからよ。校長から受けるお仕置きは、辛くて痛くて恥ずかしいものだわ。でも・・・あなたから受けたお仕置きは違ったわ。確かに痛かったわ。だけど・・あなたのお仕置きには、それだけではない・・・何かがあったように思えたの。それを・・知りたいの。ワガママなことを言っているのはわかっているわ。でも、お願いしたいのよ」
「そういうことなのね。わかったわ。私なんかでいいなら、喜んで協力させてもらうわ」
「ありがとう。よろしく、お願いするわ」
「じゃあ・・リフィル、まず、こっちへいらっしゃい」
女性は自分の膝を軽く叩いて、リフィルに合図をする。
リフィルはそれを見ると、女性の膝の上に、うつ伏せになる。
リフィルがうつ伏せになると、女性はリフィルの上着を捲り上げ、ズボンを降ろして、お尻をあらわにした。
 「んん・・!?」
お尻をむき出しにされると、リフィルは思わず身を震わせる。
「恥ずかしいのかしら?」
「き・・聞かないで・・!」
「あなたが自分で望んだことでしょう?行くわよ」
女性の言葉に、リフィルは頷き、返事をする。
それを見ると、女性はゆっくりと、手を振り上げた。


 バシィンッ!!
「う・・!?」
お尻に平手が振り下ろされると同時に、乾いた音が、部屋に響く。
お尻全体に、鈍い痛みが走り、リフィルは思わず声を漏らす。
 パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!
「・・!・・・!・・・!・・・!」
弾けるような音が響くたび、リフィルの身体が強ばる。
パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!
お尻を叩く音が何度も響き、リフィルのお尻に、手形が幾つも浮かび上がる。
 パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!
「リフィル・・。あなたって子は・・いけない子ね・・」
お尻を叩きながら、女性はお説教を始める。
パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!
「く・・!う・・!?くぅ・・!う・・!あく・・!」
だんだん辛くなってきたのだろう、リフィルの口から、苦痛の声が漏れ始める。
 パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!
「自分から、お尻をペンペンされたい、なんて、そんな恥ずかしいことを言うなんて。自分がいやらしい、いけない子だと思わないのかしら?」
お尻を叩きながら、女性はリフィルに尋ねる。
 「ご、ごめんなさい・・!い、いやらしい・・ことなのは・・・わかっているわ・・!!でも・・・」
パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!パシンッ!
お尻に降り注ぐ平手の雨に、リフィルの表情は苦痛に歪む。
 「大丈夫かしら?辛いなら・・ここまでに・・・」
苦しげなリフィルの表情に、女性は心配になって尋ねる。
「い、いいえ・・・。大丈夫よ。ありがとう・・・心配してくれて・・。でも・・・続けて・・ちょうだい・・。お願い・・だから・・・」
「わかったわ。それなら・・・」
リフィルの返事に、女性もためらいを捨てる。
 バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「く・・!う・・!あ・・!く・・・!ああう・・・!」
勢いを増したお尻叩きに、リフィルは、さらに苦痛の増した声を漏らす。
「そんないやらしいことを人に頼むなんて・・・。恥ずかしいと思わないのかしら?」
「ご・・ごめん・・なさい・・・」
お尻を叩きながらお説教をする女性に、リフィルは謝る。
 「反省してるのかしら?」
一旦、お尻を叩く手を止めて、女性は尋ねる。
「し、してるわ・・・。教師なのに・・いやらしい・・お願いを・・して・・ごめん・・なさい・・・・」
「反省しているようね・・・。では・・仕上げのお仕置きをするわ。私が一回お尻を叩くごとに『ごめんなさい』するのよ。ちゃんと・・出来るかしら?」
「で、出来るわ・・・・」
「なら・・いくわよ。いいわね?」
女性の問いに、リフィルは頷く。
それを見ると、女性は再び、手を振り上げた。
 バッシィーンンッッ!!
「うう・・!!ごめん・・なさい・・」
力の籠った一撃に、リフィルは苦悶の表情を浮かべる。
だが、それでも、しっかり『ごめんなさい』を言う。
バッシィーンンッッ!!
「ああ・・!ごめんな・・さい・・」
バッシィーンンッッ!!
「い・・たぁ!ごめんなさい・・!!」
その後、しばらくの間、お尻を叩く音とリフィルの『ごめんなさい』が部屋に響き続けた・・・。


 「ハァ・・・ハァ・・・」
リフィルは肩を上下させ、荒い息を吐く。
リフィルのお尻は、熟しきったトマトのように、濃い赤に染め上がっていた。
 「あらあら・・・。随分赤くなったわね」
「うう・・。あなたが・・・したんじゃないの・・・」
女性の言葉に、思わずリフィルはそう返す。
 「そうね。でも・・・しっかりとお仕置きを受けられたわね。偉いわ。あなたは・・良い子ね」
女性はそう言うと、リフィルを抱き起す。
そして、しっかりと抱きしめた。
 「痛かったわよね。こんなにお尻叩かれて。痛い思いをさせて、許してちょうだい」
「いいのよ。私こそ・・こんな変なお願いをして、申し訳ないわ」
「別に構わないわ。あなたが何かを得られたのならば、よかったわ」
心の底から、相手を思う女性の態度に、リフィルは何かを悟った表情を浮かべる。
 「ありがとう。あなたのおかげで、何かわかった気がするわ」
「よかったわ。でも・・今はゆっくり休んで。お尻が辛いのは間違いないのだから」


 ―完―

女神の企み、戦士の受難(女神/ショタ戦士)



 我々が暮らす世界とは別の世界・・・。
そのある場所でのお話・・・・。


 かつて、神殿だったと思しき、大きな廃墟。
その中の、崩れかけた廊下を進む、小さな影があった。
影の正体は一人の少年。
 少年は12~13歳、黒曜石のように艶のある黒髪と同色の瞳の持ち主。
少年らしい細身のすらりとした身体を、動きやすい半袖の上着と短パンに身を包んでいる。
動きやすさを重視しているのだろう、身に着けた防具も、胴の正面と左右脇だけを守る腹当と額を守る鉢金といった最低限のものだけだった。
腰には、いわゆる日本刀式の刀と短い脇差を差している。
 少年の名はイクサ。
放浪の少年剣士である。
「ここだな・・・・」
イクサは一旦立ち止まり、奥をジッと見つめる。
かつては扉があったが、今はすっかり朽ち果てているため、内部の様子が、はっきりと見てとれた。
奥には、女神の像が建っているのが見える。
 イクサは慎重に周りの様子を確認する。
この手の遺跡には、自分と同様に宝物を狙う輩や、廃墟を住みかとするモンスターが潜んでいるものだからだ。
堂内に、他の気配が無いことを確認すると、ようやく、中へと足を踏み入れる。
それでも、左手は鯉口を切っており、いつでも抜き打ち出来る体勢を崩さない。
 「あれか・・・」
イクサは女神像の額をジッと見つめる。
両手を高く掲げ、右手には豊穣の象徴であるアシの束を、左手には幅広の刀を握りしめている。
その額には、真っ赤な宝石がはめ込まれている。
この宝石が、イサの目当てだった。
 「確かに・・・見事だな・・・」
宝石や装飾品にはあまり興味は無かったが、それでも感嘆の声が出るほど、素晴らしいものだ。
「いつまでも眺めてて仕方ない。さっさと済ませるか・・・」
そう呟くと、イサは脇差を抜いて、宝石を取り外しにかかる。
しっかりとはめ込まれていたため、時間がかかったが、それでも難なく取り外すことが出来た。
 「さてと・・・」
イクサは自身が入って来た、入口を見つめる。
いつの間にか、入口は光の障壁で塞がれ、出られなくなっていた。
さらに、目の前の女神像が震動し、像全体に亀裂が走る。
無意識に、イクサは後ろへ、抜き打ちの体勢のまま下がる。
 やがて、女神像の表面が全て剥がれ落ちる。
像の下から現れたのは、一匹の魔物。
形は人間の女性だが、全身が蛇を思わせる鱗に覆われている。
蛇のように縦長の瞳孔をした目に、大きく裂けた口には鋭い牙が並んでいる。
噛まれたら、間違いなく肉を引きちぎられるだろう。
右手には、トゲを植え込んだ棍棒、左手にはナタのように分厚い刀を手にしていた。
 「やっぱり出たな・・・・」
イクサは呟く。
たいてい、こういう場所には、宝を守るための番人やトラップが設置されているもの。
剣士として、各地を放浪し、己の腕を頼りに生きている以上、よく遭遇する事態だ。
だから、慌てはしない。
 「さあ・・・。さっさと来い!!早く仕事を終わらせたいんでね」
イクサは腰から刀を抜き放ちながら、怪物に言う。
バリヤーで入口が塞がれている以上、逃げることは出来ない。
怪物を倒すしか道は無かった。
 怪物は、侵入者の方を見つめると、鼓膜が破れそうな咆哮を上げる。
直後、武器を振りかぶって、襲いかかって来た。


 魔物はあっという間に、イクサの目の前に迫って来た。
同時に、右手の棍棒を思いきり振り下ろしてきた。
イクサはそれを見切って、横にかわす。
棍棒は鈍い音と共に、床に叩きつけられる。
棍棒を床に叩きつけ、伸びきった怪物の腕めがけて、イクサの刀が振り下ろされた。
 肉や骨が断ち切られる鈍い音や感触を感じた直後、棍棒を握りしめたまま、怪物の右手が肘下あたりから、ドサリと床へ落ちた。
直後、怪物は苦痛と怒りの混じった咆哮を上げる。
直後、切断された方の腕を思いきり、イクサ目がけて薙ぎ払う。
とっさのことにイクサは避けきれず、吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられる。
 「ぐ・・!!さすがに・・・効いたな・・・」
背中に受けた衝撃に顔を顰めつつ、イクサは立ち上がる。
間髪入れず、残った左腕で、魔物は刀を振り回して襲いかかって来る。
咆哮と共に振り下ろされ、薙ぎ払われる刀を、イクサは巧みに動き回ってかわす。
ときどき、完全にはかわしきれず、手傷を負うが、急所はかわし、堂内を巧みに走り回って、魔物の攻撃をかわし続ける。
魔物は完全に興奮し、激昂しているためか、右手の切断面からの出血が増えていることに気づいていない。
逃げ回り、かわし回っているうちに、だんだん、魔物の動きが鈍くなり、息遣いも荒くなってくる。
(今だ!!)
イクサは踵を返し、気合と共に、怪物目がけ、突進する。
対して、魔物も、左手の刀を振り下ろして、迎撃にかかる。
二つの刃が途中で交差し、互いに敵の身体へと襲いかかった。
 「甘いっっ!!」
魔物の刀がイクサの身体に達するより僅かに早く、イクサの刀が、魔物の肩口からヘソあたりにかけて、魔物の身体を切り裂く。
直後、魔物の刀がイクサの鉢金に命中する。
防具のおかげで頭を割られずには済んだものの、鉢金は完全に砕け散る。
その衝撃で、頭もクラクラする。
頭に受けた衝撃で倒れそうになるのをこらえ、イクサは魔物をジッと見下ろす。
魔物は、完全に絶命していた。
 イクサは入口の方に振り向く。
入口を塞いでいた、光の障壁は消えていた。
 「それじゃあ・・・さっさと・・おさらばするか」
イクサは床に落ちている宝石を取り上げようとする。
そのとき、突然、拍手の音が聞こえて来た。
 「誰だ・・・!?」
思わずイクサは拍手のした方を振り向く。
すると、古代風の裾の短い白い衣を身にまとった女の姿があった。
 「うむ・・。実に・・見事じゃ・・!!」
女は魔物の死体を見やると、笑みを浮かべて言う。
「何者だお前は!!」
イクサは魔物の血がついた刀を、謎の女に突きつける。
 「控えよ!!我こそはアシュタルテ!大地の女王であるぞ!!」
イクサの言葉に、女は怒りながら、名乗る。
アシュタルテ。
かつて、この世界にて、広く信仰を集めていた、豊穣を司る大地の女神。
だが、今は忘れ去られ、辺境地帯の少数民族の間で信仰されているのみ。
 「残念だけど・・僕はアシュタルテの信徒じゃない。この宝石を持って帰らないとならないんでね。邪魔するなら・・・容赦はしないっっ!!」
イクサはそういうと、女神に斬りかかろうとする。
 「愚か者めが・・・!!」
女神の身体から閃光が放たれた直後、イクサの鎧と刀が砕かれ、吹っ飛ばされる。
「ぐ・・!?な、何を・・した・・・!?」
「神の力で、そなたに金縛りをかけただけじゃ。さて・・・。わらわの戦士にする前に・・教育が必要じゃのう」
そういうと、アシュタルテはイクサを膝の上にうつ伏せに乗せる。
さらに、イクサの短パンを降ろし、お尻をあらわにした。
 「何をする!?やめろ!!」
「ダメじゃ。神に対する敬意というものを、教えてやろう」
女神はそう言うと、片方の手でイクサの身体を押さえつけ、もう片方の手を振り上げた。


 バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!
「く・・!な、何をする!?やめろ!!やめろって!!」
容赦なくお尻に落とされる平手の嵐に、イクサは表情を歪め、抗議する。
 「貴様、それが神に対する敬意だと思っておるのか?」
「黙れ!僕はお前に仕える気は無い!!離せ!!」
「そうはいかぬ。お前を我の戦士とする。我の復権の為、大いに働いてもらうそ」
「ふ、ふざけるな!!」
イクサは当然ながら、怒りの声を上げる。
 「そうか。ならばその強情、いつまで持つか、試してやろう」
女神は残酷な笑みを浮かべると、再び手を振りかぶった。
バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!
「く・・!くぅ・・・!だ、誰が・・お前・・などに・・!?」
バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!バッシィィィンン!!
「ぐうあ・・!うっく・・!ああっ!ぐっ!ひぃう・・!!」
激しい平手打ちに、少年のお尻はどんどん赤く染まってゆく。
 「どうじゃ?我のしもべになると、誓約するか?」
「こ・・断る!!うわああ!!ぐっ!あああああ!!!」
「強情じゃのう。まあよい、時間は幾らでもあるゆえな」
女神はそういうと、そのまま、イクサのお尻を叩き続ける。
その後、長い間、お尻を叩く音と、イクサの苦悶の声が響き続けた・・・。


 「く・・!」
イクサは荒い息と共に、目を覚ます。
お尻にたき火が燃えているような熱さを感じつつも、ようやくのことでイクサは立ち上がる。
 「本当に・・強情な童じゃ・・・。だが・・気に入った。我の・・戦士とする」
「断る!!」
「それは無理じゃ。そなたの身体を見よ」
女神の言葉に、イクサは全身を見やる。
いつの間にか、お尻や四肢に、蛇を思わせる刺青が刻み込まれている。
 「これは・・・!?」
「我との誓約の証じゃ。これで・・我のしもべ。お前は・・我に逆らうことは出来ぬ」
「く・・・!?」
気絶している間に、自分の意思とは関わりなく、誓約と結ばされ、しもべにされてしまったのだ。
こうなっては、もう彼女に従うしか無かった。
 「さてと・・・。まずはどうするかのう・・・」
困惑するイクサを尻目に、アシュタルテは楽しそうな笑みを浮かべていた。


 ―完―
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