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言ったことは・・・(鋼より:ロイ/アイ)



(鋼の錬金術師を題材にした二次創作です。許容出来る方のみご覧下さい)


 バシーンッ!バシーンッ!バアーンッ!バシーンッ!
「ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!ごめんなさーいっ!」
お尻を叩く音と共に、フュリー曹長の声が響きわたる。
 「ダメでしょう?体調が悪いのに、無理して出勤するだなんて」
ホークアイ中尉は、平手を振り下ろしながら、フュリー曹長にお説教をする。
数日前、体調が悪いのに、それを隠して出勤し、倒れてしまったことに対するお仕置きをしているところだった。
 「ご・・ごめんなさいっ!忙しいときで・・休んで迷惑かけたら・・・」
「無理して出勤して、それで倒れても迷惑をかけてしまうでしょう?それに・・・」
お尻を叩きながら、ホークアイ中尉は厳しい表情になる。
 「フュリー曹長が倒れて、皆がどれほど心配したと思っているのかしら?」
「ご・・ごめんなさいっ!は、反省してますからっ!」
「ダメよ。今日は本当に怒っているわ。まだまだ反省しなさい」
ホークアイ中尉はそういうと、さらに平手の勢いを強める。
 「うわああああんっっ!!ごめんなさいっ!ごめんなさーいっ!ごめんなさぁぁいい!!」
泣きながら必死に謝るフュリー曹長の声、容赦なく叩きつけられる平手の音、それらがない交ぜになって部屋に響きわたった。
 「ううっっ!!」
「ごめんなさい、沁みたかしら?」
声を上げたフュリー曹長に謝りながら、ホークアイは薬を塗る。
ようやくお仕置きが終わり、手当てをしているところだった。
 「い・・いえ、だ、大丈夫です。それより・・・ごめんなさい・・。心配かけて・・」
「わかってくれればいいわ。フュリー曹長、体調管理は基本よ。しっかり管理しなくてはダメよ。皆にも迷惑や心配をかけるし、曹長自身のためでもあるのよ」
「わ、わかりました・・・。うぅ・・・痛いぃぃ・・・」
お尻の痛みに、フュリー曹長はうつ伏せのまま顔をしかめる。
「今はゆっくり休みなさい。大佐には私から言っておくわ」
「あ、ありがとうございます。そ、それじゃあお言葉に甘えて・・・」
フュリー曹長はそう言うと、静かに目を閉じる。
やがて、そのまま寝息を立て始めた。
 しばらく経った頃、ドアが開いたかと思うと、ロイが現れる。
「ホークアイ中尉、フュリー曹長の具合はどうかね?」
「ええ、今一休み中です」
ホークアイ中尉は、お尻を出したまま膝の上で寝ているフュリー曹長の頭を撫でながら答える。
 「見事なまでに真っ赤なお尻だな。相当厳しく叱ったようだね」
濃厚なワインレッドのお尻に、ロイはそう言う。
「ええ、皆に心配をかけましたから。二度として欲しくはないですから」
「まぁ君らしいがね。しかし・・・」
大佐は一旦言葉を切る。
しばらく時間を置いて、ロイは口を開いた。
 「最近はたちの悪いウィルスなども流行っているし、体調を崩しやすい季節だ。ホークアイ中尉、君も気をつけたまえ」
「わかっています。私より、エドワード君に言った方がいいのではないのですか?」
「当然鋼のにも言うつもりだよ。まぁ素直に聞くことは思えないがね」
そういうと、ロイは立ち去った。


 数日後・・・。
「まずい・・わね・・・」
苦しげな息を吐きながら、ホークアイ中尉は鏡を見つめる。
鏡に映る顔は真っ赤で、いかにも苦しそうだった。
 (私としたことが・・・何をやっているの!?)
ホークアイ中尉は自分を責めずにはいられない。
今度は自分が病気になってしまったからだ。
 (今の体調では・・・。でも・・・)
受話器を取ろうとして、ホークアイ中尉はためらう。
今の自分の体調では、業務に支障をきたしてしまう。
だが、自分がいないことで、もっと迷惑をかけてしまう。
(ばれないように・・するしかないわ・・・)
そう決意すると、ホークアイ中尉は家を後にした。


 「あ・・あの・・・」
フュリー曹長は恐る恐る声をかける。
「何かしら?フュリー曹長?」
平気な振りをして、ホークアイは尋ねる。
 「あの・・、だ、大丈夫ですか?」
「何がかしら?」
「いえ。その・・何だか苦しそうな顔をしてるみたいですし・・・」
「何でも無いわ、フュリー曹長の見間違いよ」
「で・・でも・・・」
「見間違いと言っているでしょう?信じられないのかしら?」
ホークアイ中尉は苛立った様子で言う。
 「す、すみませんっ!ぼ、僕の勘違いでしたっ!!」
危ないと思ったのか、フュリー曹長は慌てて謝り、逃げるように去る。
(何をしているの・・・。そんなことをしてはダメでしょう?)
危うくバレそうになり、フュリー曹長に苛立ってしまいそうになった自身を、ホークアイは叱咤する。
(これではバレてしまうわ。もっと冷静にならないと・・・)
体調のせいか、普段とは違った態度になりそうな自身を戒めつつ、ホークアイはその場を後にした。
 (ああは言ってたけど・・・)
ホークアイ中尉の顔を思い返し、フュリー曹長は心配げな表情になる。
(あの様子だと・・絶対に調子悪いだろうし・・。でも・・・)
フュリーはためらう。
先日、自分も同じことをしただけに、ホークアイ中尉の気持ちがよくわかる。
自分が欠勤して、皆に迷惑をかけてはいけない。
そう思うからだ。
(でも・・やっぱり・・辛いだろうし・・。でも・・どうしたら・・)
フュリー曹長が思わず悩んでいたそのときだった。
「フュリー曹長、何をしているのかね?」
突然、ロイが現れ、声をかけてきた。
「あれ?大佐、どうかしましたか?」
「いや、なにやら百面相しているのでね。何かあったのかね?」
「いえ・・。あの・・・」
フュリー曹長はためらう。
ホークアイ中尉の様子を考えれば、話した方がいいだろう。
だが、迷惑をかけまいとしているホークアイ中尉の気持ちもわかる。
それだけに、言うに言えない。
 「おや?まさか私に言えないことなのかね?」
「いえ。そ・・その・・・」
「ふむ。では、仕方が無い。口に聞いてもダメなようだから、お尻に聞くことにするかね」
「そ、それだけは許して下さいっっ!!」
フュリーは思わずお尻を押さえて言う。
ロイのお尻叩きはホークアイ中尉に負けず劣らず痛くて辛いのを知っているからだ。
 「では、正直に話してくれるかね?」
「わ、わかりました・・。じ、実は・・・」
ため息をつきながら、フュリー曹長はホークアイ中尉の体調が悪いらしいことを話す。
 「それは・・確かなのかね?」
「ええ・・。この前の僕とそっくりでしたから・・・」
「ふむ・・。フュリー曹長、よく話してくれた。すまないがホークアイ中尉に、執務室へ来るよう伝えてくれたまえ」
「わかりました」
そう返事をすると、フュリー曹長はホークアイ中尉のもとへと向かう。
その間にロイは執務室へと戻っていった。


 「大佐、お呼びですか?」
平気な振りをしつつ、ホークアイ中尉は執務室へ入る。
「ふむ、実は聞きたいことがあってね」
「何ですか?」
「うむ、ホークアイ中尉、体調はどうかね?」
「別に問題ありませんが」
そう答えつつ、心の中では焦る。
気づかれたかもしれないと思ったからだ。
 「本当かね?少し顔色が悪いようにも見えるが?」
「そんなことはありません。大佐の見間違いではないですか?」
ホークアイ中尉は必死に平静を装う。
「ホークアイ中尉、何か焦っているのかね?」
中尉の様子がおかしいと思ったのか、ロイはさらに尋ねる。
 「べ、別に焦ってま・・!?」
冷静に答えようとしたところで、ホークアイ中尉は一瞬グラついてしまう。
ハッとしたロイが駆け寄る間もなく、ホークアイ中尉はそのまま床に崩れ落ちてしまった。
 目を覚ましたホークアイ中尉の目に最初に飛び込んで来たのは、ホッとしたようなロイの表情だった。
 「気がついたかね?」
「大佐?ここは・・医務室ですね・・・」
ホークアイ中尉は天井や壁の様子から、そう察する。
「その通りだよ。執務室で倒れたのでね。運ばせてもらったよ」
「も、申し訳ありません。迷惑をかけて・・・」
「いや、いいのだよ。とにかく、今はしっかり休みたまえ。君についていたいのだが、そうもいかないのでね。すまないが、これで失礼するよ」
ロイはそう断ると、医務室の救護兵にホークアイ中尉のことを頼みこんだ上で部屋を後にした。


 数日後・・・。
「失礼します」
そう声をかけ、ホークアイ中尉は執務室へと入る。
 「大佐、お呼びですか?」
「うむ。その前に・・・体調はどうかね?」
「はい、もう問題ありません」
「そうか。それは何よりだ」
中尉の返事に、ロイは安堵の表情を浮かべる。
だが、直後、厳しい表情になる。
 「ホークアイ中尉・・何の件で呼ばれたか、わかっているかね?」
「はい・・。病気で倒れた件ですね?」
「そうだ。そのことで話がある。まずは・・そこに正座したまえ」
「は・・はい・・」
逆らえない雰囲気のロイに、ホークアイ中尉は言われた通り、ロイの目の前に正座する。
 「ホークアイ中尉・・・君ともあろう者が何をやっているのかね?」
「も・・申し訳ありません・・・・」
ホークアイ中尉は謝るも、ロイの表情は厳しい。
 「謝ればよいというものではないよ。中尉が倒れたために、皆にどれほど迷惑や心配をかけたと思っているのかね?」
「ほ・・本当に申し訳ありません・・・」
「それに・・・本当はわかっていたのではないのかね?自分の体調を?」
ロイの問いに一瞬ホークアイ中尉は言葉に詰まりそうになる。
だが、勇気を振り絞り、答える。
「はい・・。わ・・わかっていました・・・」
「全く・・・。それならどうして休まなかったのかね?」
ため息をつきつつ、ロイは尋ねる。
 「も・・申し訳ありません。や、休めばより・・迷惑をかけると・・思いまして・・」
「それは理由にはならないだろう?君自身、フュリー曹長に言ったことを忘れたかね?」
「も、申し訳ありません」
かわいそうなぐらい縮こまって謝るホークアイだったが、ロイの表情は険しいまま。
 「ダメだ。今回の事は許すわけにはいかないよ。お仕置きだよ、私の膝に乗りたまえ」
「た・・大佐・・。ま、まさか・・・」
恐る恐るホークアイ中尉は尋ねる。
「そうだよ。たっぷりと君のお尻を叩いてあげよう。フュリー曹長に君がしたようにね」
ロイはニコリと、だが目は笑っていない笑みで宣告する。
 「た、大佐。そ、それだけは・・お願いです・・。ゆ、許して下さい・・」
「ダメだよ。自分が他人を叱ったのと同じことをするなどと、それが大人のすることかね?」
「そ・・それは・・」
ホークアイ中尉は言い返せなくなってしまう。
「そうだろう?それでは子供と同じだよ。だから、子供のお仕置きで反省したまえ」
「わ・・わかりました・・」
ホークアイ中尉は諦めた表情になる。
自分が悪いのは明らか、何を言われても文句が言えないのはわかっていたからだ。
 ホークアイ中尉は立ち上がると、言われた通り、ロイの膝にうつ伏せになる。
ホークアイを膝に載せると、ロイは片手で身体を押さえる。
「では、行くぞ。しっかり反省したまえ」
「は・・はい・・」
恥ずかしさに顔を赤らめつつ、ホークアイ中尉は頷く。
それを見たロイはもう片方の手を振り上げた。


 バッシィィィ~~~ンッッッ!!
「くぅ・・・!!」
ズボンの上からでも十分な痛みに、ホークアイ中尉は思わず声を漏らしてしまう。
 パアンッ!パシンッ!ピシャンッ!パアンッ!
「全く・・何をやっているのかね?君ともあろう者が・・・」
お尻を叩きながら、ロイはお説教を始める。
パンッ!パアンッ!パシンッ!パンッ!パンッ!
「も・・申し訳・・ありません・・」
ホークアイは謝るが、ロイは厳しい表情を崩さない。
そのまま、お尻を叩き続ける。
 パアンッ!パシンッ!パンッ!パンッ!
「謝るのは当然だよ?体調が悪いのに、無理をして出勤すれば、倒れることくらい、君なら最初からわかっていただろう?」
パシンッ!パンッ!パンッ!ピシャンッ!
「も・・申し訳・・あっ!な、何をっ!?」
謝ろうとしたところで、ホークアイ中尉は思わず声をあげて振り返る。
ロイが、少しだけズボンを降ろしたからだ。
 「ん?ちょっとずつお尻を出しながら叩くのだよ」
「そ・・そんな・・。お、お願いです・・・。そ、それは許して下さい・・。は、恥ずかしい・・ですから・・・」
顔を赤らめながら、ホークアイ中尉は懇願する。
「ダメだよ。君が悪い子だったのだからね。恥ずかしいのもお仕置きのうちだよ」
「そ・・そんな・・・」
羞恥に顔を赤くするホークアイを尻目に、ロイは少しだけお尻を出すと、再び叩き始める。
 パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
「わかっていたのに、無理を押して出勤するなど・・全く・・君は・・」
「す・・すみませんっ!」
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
「その結果、どうなったと思っているのかね?倒れたではないかね?」
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
お尻を叩きながら、ロイはお説教を続ける。
さらに、もう少しズボンを降ろし、お尻をさらに出す。
 「も・・申し訳・・ありません・・!う・・あ・・くっ・・」
だんだん辛くなってきたのだろう、ホークアイ中尉の口から、苦痛の声が漏れだす。
「謝るのは当然だよ。わかっていながら、やるとは!そういうのは、悪い子のすることではないかね?」
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
「くぅ・・!うっ・・!す・・すみませ・・ん・・くっ!」
謝りながら、ホークアイ中尉は苦痛に顔を歪める。
 「全く・・悪い子だっ!本当に・・悪い子だっ!」
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
だんだんとズボンを脱がし、お尻があらわになる面積を増やしながら、ロイはさらに平手を振り下ろす。
同時に、子供を叱るような口調で、ロイはお説教をする。
 「く・・!あっ・・!ああっ・・!た、大佐っ!ゆ、許して・・下さいっ!」
お尻をジンワリ赤くし、目尻に涙を浮かべた姿で、ホークアイは許しを乞う。
「ダメだよ。今回の君は悪い子だったのでね。悪い子のお願いは聞けないよ」
「そ・・そんなっ!ああっ!」
「このお尻かね?皆に迷惑をかける悪い子のお尻は?うんと叩いて良い子にしてあげよう」
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
ロイはさらに平手を振り下ろす。
 「ああっ!大佐っ!ゆ、許して下さいっ!ああっ!痛あっ!あああっ!」
「まだまだ良い子にはならないようだね。それ、それそれっ!」
ロイはさらに平手を振り下ろし続ける。
しばらくの間、ホークアイ中尉の悲鳴と、平手の音が響き続けた。


 「くぅ・・ううっ・・うぅうぅう・・・」
ホークアイ中尉は唸るような声を上げる。
完全にあらわにされたお尻は、サルのように真っ赤になっている。
 「ホークアイ中尉・・・反省したかね?」
一旦お尻を叩く手を止め、ロイは尋ねる。
「し・・しました・・。迷惑と・・心配を・・かけて・・・本当に・・申し訳・・あ・・ありません・・。に・・二度と・・しま・・せん・・」
苦しい息を吐きながら、ホークアイ中尉は謝る。
 「ふぅむ。反省はしているようだね。では・・仕上げのお仕置きといこう」
「し・・仕上げ・・?」
ホークアイ中尉は恐る恐る尋ねる。
 「うむ・・。これからお尻丸出しで100回、君のお尻を叩く。一回ごとに反省の言葉と数をいいたまえ」
「わ・・わかりました・・・」
ホークアイ中尉は頷く。
自分が悪いし、逆らう気力などとうに無くなっていた。
「わかればよろしい。では、行くぞ」
そういうと、ロイは手を振り上げる。
 バシィーンッ!
「う・・!1・・ごめん・・なさい・・」
バシィーンッ!
「くぅ・・!2・・二度と・・しません・・」
ビダァーンッ!
「ああっ!3・・許して・・下さい・・」
ロイは一回ごと、ゆっくりと平手を振り下ろす。
振り下ろされるたび、ホークアイ中尉は数を数え、反省の言葉を言う。
その後、きっちり100数えるまで、平手打ちは続いた。
 「うぅ・・」
「こら。ダメだろう?身体を動かしては」
ロイは真っ赤なお尻に差し棒を当てる。
ようやくお尻叩きからは解放されたものの、真っ赤なお尻を出したまま正座させられ、反省中だった。
 「た、大佐・・。も・・もう・・・」
恥ずかしさに泣きそうになりながら懇願するが、ロイは厳しい顔で言う。
「ダメだ。まだ反省していたまえ」
「うう・・・・」
焼けるようなお尻の痛みに耐えながら、ホークアイ中尉は正座を続けた。


 「どうしたのかね?拗ねた顔をして」
真っ赤なお尻に薬を塗りながら、ロイは話しかける。
「す、拗ねてなんかいません・・・」
「ふぅむ。おかしいな?どう見ても拗ねているようだが?」
「で、ですから拗ねて・・痛たた・・!!」
抗議しようとしたところで、お尻の痛みにホークアイ中尉は顔をしかめる。
 「無理をしてはいけないよ。君のお尻は負傷中なのだよ」
「た・・大佐がしたのでしょう・・」
ホークアイは恨めしげに見つめながら言う。
「それは君が悪い子だったからだろう?」
「そ・・そうですけど・・。こ、こんな・・子供みたいな・・」
「嫌ならもうしないでくれたまえ。私も心配させられたくはないのでね」
「す・・すみません・・・」
「いいのだよ。まぁ・・子供のようにお仕置きされている君の姿も可愛かったがね」
こっそり小声で言った言葉をホークアイ中尉は聞きつける。
「何かおっしゃいましたか?」
「いや、何でも無いよ。それより今は休みたまえ」
「わかっています・・・」
疲れがドッと出たのか、ホークアイ中尉はそのまま目を閉じると、眠り込んでしまう。
ロイは手当てをしながら、起きるまで傍についていた。


 ―完―
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嫉妬の代償(鋼より:ロイ/アイ)



(鋼を題材にした二次創作です。キャラのイメージが原作と異なっている可能性があります。許容出来る方のみご覧下さい)


 その日、いつものようにホークアイ中尉が書類を抱えてロイの執務室へ行ったときだった。
扉の前に立った中尉はノックをしようとする。
そのとき、僅かにドアが開いていること、その隙間から微かに声が聞こえてくることに気がついた。
それも何だか泣き声や鼻をすすっているような感じの声である。
 (どうしたのかしら?)
思わず中の様子が気になり、ホークアイ中尉は隙間から中の様子を伺った。
 「ひぃひぃん・・・大佐ぁぁ・・・」
「こらこら、もう怒っていないだろう?泣きやみたまえ」
ボロボロ涙をこぼし、すすり泣きをしているフュリー曹長を、マスタング大佐はそう言って慰める。
フュリー曹長のお尻は、見事なまでに真っ赤に染め上がっている。
理由は分からないが、お仕置きされたのは明らかだった。
 その真っ赤なお尻をロイは優しく撫でてやり、涙を浮かべているフュリー曹長に優しい言葉をかけてやる。
それを見ているうちに、だんだんとホークアイ中尉の表情が険しくなってくる。
やがて、ホークアイ中尉はそのままそのまま引き返してしまった。
 「あれ?どうしたんスか?」
書類を抱えたまま戻ってきたホークアイ中尉に、ハボック少尉は怪訝な表情を浮かべる。
普段だったら必ず書類を大佐に渡してくるはずだったからだ。
 「ええ、ちょっと大佐は手が離せない用があるみたいで・・また行くわ」
「そうっスか。珍しいすね」
「ええ・・・・ちょっとね・・・・」
「どうかしたんすか?」
「い、いえ。何でもないわ。ちょっと疲れてるみたいだわ・・」
そう答えると、ホークアイ中尉はオフィスを出ていく。
 「何だ・・?珍しいな・・?」
普段とは様子の異なるホークアイ中尉に、思わずハボック少尉も首を傾げていた。
 (私としたことが・・・。何をやってるのかしら・・)
オフィスを後にすると、ホークアイ中尉はため息を吐きたくなる。
(大佐がフュリー曹長を慰めてるくらいで・・・。あんなのは何でも無いことでしょうに?)
ホークアイ中尉は廊下を歩きながら、そう思わずにはいられない。
 だが、大佐が泣いているフュリー曹長を抱きしめ、お尻を撫でてやり、優しい言葉をかけているのを見て、何だか心が落ち着かない、騒がしい気持ちになって来たのだ。
ロイにそうされているフュリー曹長が羨ましくて、そして憎たらしい。
 (な・・何を考えているの!?私ったら!?)
自分に沸き上がってきた感情に、ホークアイ中尉は愕然とする。
フュリー曹長は自分達の大切な仲間。
憎たらしいなどと思うはずが無いし、あってはならない。
(全く・・・。変なことを考えている暇があったら仕事をしたらどうなの?)
ホークアイ中尉は自身にそう言い聞かせ、仕事に戻ろうとした。
 「うぅ・・!痛ぁぁ・・・!!」
椅子に座ったまま、フュリー曹長は顔をしかめ、お尻をさする。
手当てはしたとはいえ、お仕置きされたお尻で座るのはやはり辛い。
 (でも・・早く・・仕上げないと・・!!)
痛みに顔を顰めつつ、フュリー曹長は書類を必死に書きあげようとする。
だが、痛みが邪魔して書類をうまく書けない。
(ど・・どうしよう・・!)
焦って書こうとするも、ますますそれが筆先を鈍らせ、さらなる悪循環に陥る。
間に合わないと、フュリー曹長が焦っていたそのときだった。
 「フュリー曹長、ちょっといいかしら?」
「あ、ど、どうしたんですか?」
現れたホークアイ中尉に、フュリー曹長は慌てた感じで、問いかける。
「書類を回収しに来たのだけど」
「あ・・!す、すみませんっ!まだ書けていなくて・・!」
「まだ?どうしてかしら?」
フュリー曹長の様子から、察しはついていたものの、ホークアイ中尉は尋ねる。
 「す・・すみません・・・。お尻が痛くて・・。すぐに・・書きます・・から・・」
「お尻が痛いから書けないだなんて、すこしたるんでいるんじゃないのかしら?」
(な・・何を言っているの!?)
自分の口から出てきた言葉に、ホークアイ中尉は心の中で愕然とする。
どう考えても言いがかりでしかない。
すぐにフォローしようとするが、ロイに優しくされていたフュリー曹長の姿が蘇る。
同時に苦く、黒いものがホークアイ中尉の心にこみ上げてきた。
フュリー曹長に罪は無いとわかっていても止まらない。
 「す・・すみません・・!」
「謝ればいいというものではないでしょう!さぁ、机に手をついてお尻を出しなさい」
「え・・?」
ホークアイ中尉の言葉に、フュリー曹長は思わず怪訝な表情を浮かべる。
「何をしているの?聞こえなかったのかしら?」
「は・・・はいっ!!」
表情が険しくなったホークアイ中尉を見るなり、慌ててフュリー曹長は言う通りの体勢になる。
ホークアイ中尉はフュリー曹長が言ったとおりにすると、ズボンを降ろして、未だに真っ赤なお尻をあらわにする。
 「少したるんでいるようね・・。性根を入れ替えてあげるから覚悟しなさい」
ホークアイ中尉はそういうと、片手を振り上げた。


 (ん・・?何だこの音は?)
フュリー曹長の部屋から聞こえてきた音に、思わずロイは怪訝な表情を浮かべる。
足を速め、ドアを開けると共に飛び込んで来たのは、衝撃的な光景だった。
 バシッ!バアンッ!バジィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!
「ひっ・・!ごめ・・ごめんなさいっ・・!も・・もう・・許し・・うわああっ!!」
「何を言っているの?この程度ではまだ許すわけにはいかないわよ」
ホークアイ中尉はそう言いながら、手を振り下ろす。
手には金属製の大きな定規が握られ、既に真っ赤なフュリー曹長のお尻に叩きつけられる。
甲高い音と共にフュリー曹長の身体はのけ反りそうになり、悲鳴が上がる。
既にロイからのお仕置きで大きなダメージを受けているお尻は、定規でのさらなるお仕置きに、血が滲んでいた。
そんなお尻へ、ホークアイ中尉は容赦なく定規を叩きつける。
 「やめたまえ!何をしている!?」
さすがにロイも放っておけず、止めに入る。
「た・・大佐!?どうして・・!?」
ようやくロイの姿に気づいたホークアイ中尉は、愕然とした表情を浮かべる。
 「話は後だ・・・!フュリー曹長!?大丈夫かね?」
「はぁ・・ひぃん・・大佐・・ひっひ・・・」
フュリー曹長はこれでもかといじめられたお尻を出したまま、ロイにすがりつく。
 「よしよし・・。もう大丈夫だ。今、医務室に連れていくからな・・」
ロイはそういうと、フュリー曹長を抱き上げ、部屋を後にする。
 「ホークアイ中尉・・・」
「は・・はい・・!」
フュリー曹長を抱きながら、怒りを抑えかねた声でロイは声をかけ、緊張した声でホークアイ中尉は返事をする。
 「私の執務室で・・待っていたまえ・・。いいね?」
有無を言わせない口調に、さすがのホークアイ中尉も頷くことしか出来ない。
フュリー曹長を抱きかかえたまま部屋を後にするロイに、ホークアイ中尉は呆然として見送るしかなかった。


 (何てことを・・したの!?)
執務室でロイを待ちながら、ホークアイ中尉は自己嫌悪に駆られていた。
フュリー曹長への嫉妬に駆られ、言いがかりをつけて、血が出るほど叩いた。
人として絶対に許される行為ではない。
冷静さが戻って来るにつれ、罪悪感が沸いてくる。
不意にドアが開く音がし、思わずホークアイ中尉は振り返る。
すると、いつの間にかロイが戻って来ていた。
 普段ならロイの方がタジタジになるものだが、今回ばかりは違う。
ホークアイは恐る恐る、まるで全然仕事をしていないのがばれたときのロイのような態度で上司を見つめる。
 「た・・大佐・・。フュリー曹長は・・?」
「今、医務室で休ませている。幸い、ひどいものではないようだ」
「そう・・ですか・・・」
マスタング大佐の返事に、ホークアイはホッと安堵の息をつく。
 「だが・・・・・」
マスタング大佐の厳しい表情に、ホークアイは緊張した表情を浮かべる。
「ホークアイ中尉・・」
「は・・はい・・」
「あのようなことをした以上・・覚悟は出来ているな?」
「は・・はい・・・」
厳しい視線を向けてくる上司に、ホークアイ中尉はそう答える。
 「なら、来たまえ」
椅子に腰かけると、ロイは膝を軽く叩きながら言う。
ホークアイ中尉は言う通りにするも、ロイの目の前まで来ると、そのまま立ち尽くしてしまう。
 (の・・乗らないと・・。でも・・・)
ロイの膝を目の前にして、ホークアイはためらってしまう。
この後、どれほど痛くて恥ずかしい目に遭うかと思うと、中々素直には従えない。
 「ホークアイ中尉・・何をしているのかね?」
そんなホークアイの態度に業を煮やしたのか、マスタング大佐の声が険しくなる。
「は・・!す、すみませんっ!」
これ以上マゴマゴしていてはマズイと、慌ててホークアイ中尉は上司の膝にうつ伏せになる。
ホークアイ中尉がうつ伏せになると、ロイはズボンを降ろしにかかる。
あっという間に、ホークアイ中尉の女性らしい、丸みを帯びた形のよいお尻があらわになった。
 「う・・・!」
お尻をむき出しにされた恥ずかしさに、ホークアイ中尉は顔を赤らめる。
「では行くぞ。覚悟はいいかね?」
左手で身体を押さえると、ロイはそう尋ねる。
「は・・はぃ・・」
羞恥に打ち震えつつ、ホークアイ中尉がそう答えると、ロイはゆっくりと右手を振り上げた。


 バアッシィィィ~~~~ンッッッッ!!!
「・・ぅ・・!!」
力強い一撃に、思わず声が出かけるが、ホークアイ中尉は必死に声を押し殺す。
 パアンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
声を出すまいと、ホークアイ中尉は必死に我慢するが、それが苦痛をより強くする。
パアンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パシィンッ!ピシャアンッ!
一発ごとに赤い手形がお尻に浮かび上がり、ホークアイ中尉のお尻を色づかせてゆく。
同時にホークアイ中尉の表情が苦痛に歪む。
 「全く・・・君ともあろう者が・・何をしているのかね?」
パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パシィンッ!
平手を振り下ろしながら、少し呆れた口調で、ロイはお説教を始める。
 パアアンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パシィンッ!
「ぅ・・ぁ・・・ぅ・・っ・・・ぁ・・・・」
だんだん苦しくなってきたのか、ホークアイ中尉の口から微かに呻き声が漏れ始める。
 「既に私からお仕置きされた後だというのに・・・。あんな血が出るまでお尻を叩くなど・・・」
バシッ!バアンッ!バチンッ!ビダンッ!バアアンッ!バシッ!
「・・ぅ・・!っ・・!ぁ・・!ぅ・・・!ぁ・・!」
お尻の赤みが増してゆくと共に、ホークアイ中尉の表情はより苦しいものへと変わってゆく。
 バシッ!バアンッ!バチンッ!ビダンッ!バアンッ!
「う・・!あ・・!く・・!あ・・!あ・・!」
大佐の平手打ちはより強力なものになり、それに伴って中尉の声にも苦痛が増す。
 「下手をしたら大怪我をしていたところだぞ?わかっているのかね!?」
「も・・申し訳・・ありません・・!くっ・・!あっく・・!」
苦痛に悶えそうになりながら、ホークアイ中尉は謝る。
「謝るのは当然だろう?それより・・どうしてあそこまで叩くような真似をしたのかね?」
「そ・・それは・・・」
言いかけて、ホークアイ中尉は黙ってしまう。
まさかロイに慰められているフュリー曹長に嫉妬したから、などとはとても言えない。
 「も・・申し訳・・ありません・・。そ・・それだけは・・言えません・・・」
「言えない?そのようなことが通ると思っているのかね?」
ホークアイ中尉の返事に、ロイの表情が厳しくなる。
「も・・申し訳ありません・・。ど・・どうしても・・言えません・・」
より厳しいお仕置きが待っているのはわかっていても、こう言わずにはいられない。
「わかった・・。なら・・私もそれなりの対応をさせてもらおう」
そういうと、マスタング大佐は再び平手を振り上げた。
 バアッジィィィ~~~~~ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッ!!!!
「きゃ・・!きゃあああっっっ!!」
さすがのホークアイ中尉も、豪雨のような平手打ちに、悲鳴を上げる。
 ビバッダァァァ~~~~~ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~ッッッッッ!!!
「きゃあっ!あああっ!やめ・・!やめて・・やめて・・下さ・・!ひあああっ!!」
悲鳴を上げ、懇願する中尉を尻目に、ロイは平手を降らせ続ける。
「ひいいっ!やめてっ!やめてえっ!お願いですからやめてぇぇ!!ごめんなさぁぁいっ!ごめんなさあいっっ!!」
プライドも恥も構わず、ホークアイ中尉は子供のように泣き叫びながら謝る。
だが、平手は容赦なく振り下ろされ続ける。
長い間、ホークアイ中尉の悲鳴とお尻を叩く音が執務室に響きわたった。


 「ひっ・・!ひぃんっ!ひっひぃん・・!」
普段の冷静さなどどこに行ってしまったのか、子供のようにホークアイ中尉は泣きじゃくっていた。
お尻は今や見事なまでに紅蓮に染め上がっている。
 「やめ・・やめてぇ・・!ごめ・・ごめん・・なさい・・!あや・・謝り・・ます・・からぁ・・!!」
泣きじゃくりながら、ホークアイ中尉は必死に謝る。
「少しは反省したかね?」
一旦お尻を叩く手を止めて、ロイは尋ねる。
 「ひぃん・・し・・して・・ます・・。で・・ですから・・」
「ならば話してくれるかね?」
軽くヒタヒタとお尻を叩きながら、大佐は尋ねる。
「は・・話します・・。じ・・実は・・・」
観念したのだろう、ホークアイ中尉はようやく口を開いた。


 「はははは・・・何だ、そうだったのか」
「もう・・笑わないで下さい!」
理由を話し終えると同時に笑いだしたロイに、思わずホークアイ中尉はそう言う。
 「すまなかった。しかし・・まさかフュリー曹長に嫉妬とは・・いや・・はは・・」
「だから・・嫌だったんです・・・」
「だから悪かったよ。しかし・・意外に君も可愛いところがあるのだね」
「大佐?あまり冗談が過ぎますと・・・」
さすがに我慢の限界なのか、ホークアイ中尉の様子が変わる。
 「わ、悪かった。それより・・手当てをしなくてはな・・」
これ以上はさすがにまずいと思ったのか、ロイは話を変え、手当ての準備をする。
「いえ・・。私こそ大人げないことをしてしまいました・・・。後で・・謝らないといけないですね、フュリー曹長に」
「今はとにかく休みたまえ。私が傍にいるからな」
ロイはホークアイのお尻に薬を塗りながら、そう言った。


 ―完―

フュリー曹長の受難(鋼より:/フュリ)



(注:鋼を題材にした二次創作です。許容出来る方のみご覧下さい)


 「あれ?どうしたんだよフュリー曹長、そんな格好して?」
エドワードは珍しく私服姿なフュリーを見かけると、思わずそう尋ねる。
「あぁ、今日は非番なんですよ」
「あぁ。そういうことか。いつも軍服姿でばっかり見かけてるからな」
「そういえばそうですよね。僕が非番なときってエドワード君達はどこかへ出かけてたりしますしね」
「それにしても何か若々しいっていうか、制服着てないと社会人に見えないよな」
エドワードは私服姿のフュリーを見ながらそう言う。
 エドワードほどではないものの小柄な体格で、しかも童顔なせいか、制服を着ていないと社会人には見えない。
下手すると未成年に見えた。
「そうですか?スーツとかにした方がよかったかな?」
「そりゃもっとやめといた方がいいって。それじゃあ七五三になるって」
リアルに想像したのか、エドワードは引き気味になる。
「まあとにかくせっかくの休みだからゆっくり休みなよ。じゃ、俺はもう行くから」
エドワードはそういうとフュリーと別れて司令部の方へ向っていった。
フュリーもエドに別れの挨拶をすると寮の方へ向っていった。


 寮の自室で寛いだ姿で、フュリーは雑誌を見ている。
読んでいるのはアマチュア無線関係のもの。
機械関係、特に無線機器などに強いのが特技なためか、この手の本を読んだりもしていた。
 (あ・・・これ・・)
フュリーは雑誌内の広告のページに目を留める。
広告は機器の修理用工具に関するもの。
(へぇ・・・新しいやつが出たんだ・・・)
ジッと見つめているうちにだんだんと興味が沸いてくる。
(ちょうど新しいやつが欲しいと思ってたし、ちょっと見てこようかな)
フュリーはそう考えると、雑誌を置き、出かける支度をすると寮を後にした。


 繁華街にある無線機器関連の店。
「いらっしゃいませ。あれ?フュリーさん?」
店員はフュリーが入って来るなり声をかける。
フュリーが行きつけの店なのですっかり今では顔なじみだった。
 「珍しいですね、こんな早い時間に」
「あ、はい。今日は非番なんですよ」
「そうですか。今日は何をお買いに?」
「これ探してるんですけどあります?」
フュリーは一緒に持って来た雑誌を開くと、目当ての品が紹介されているページを見せる。
 「ああ。こいつですね。ありますよ。ちょっと待って下さい」
店員はそういうと奥の方へ行く。
しばらくすると商品の入った箱を抱えて戻って来た。
 「こいつですね。見てみます?」
「ええ、お願いします」
フュリーがそういうと、店員は箱を開け、商品を取りだすとフュリーに渡す。
 工具を受け取ると、フュリーはジッと見つめる。
「どうです?イイやつでしょう?」
店員が自慢げに言う。
「そうですね。じゃあこれ、お願いします」
「まいど~」
 (他に・・・何か見て行こうかな・・?)
お目当ての工具を手に入れたフュリーは立ち並ぶ店を見やりながらそんなことを考える。
(本屋でも寄ろうかな。無線関係で何かいいの見つかるかもだし)
そんなことを考えていたときだった。
 「ちょっと・・ちょっとそこのキミ・・・」
不意に誰かが声をかけてきた。
思わずフュリーが振り向くと、警官が立っている。
「え?あの、僕ですか?」
「そう。ちょっとこっちに来てもらえるかな?」
「は・・はぁ・・」
怪訝な表情を浮かべながらもフュリーは警官についていった。


 (え・・?)
警察署が見えて来るなり、フュリーは思わず怪訝な表情を浮かべる。
署内に入って行ったかと思うと、やがてやって来たのは少年課。
(ちょっと・・何で?)
さすがにフュリーも何だか様子がおかしいことに気づく。
そうこうしているうちに取調室らしいところへ連れて行かれ、自分を連れてきた警官と入れ替わりに今度は私服刑事らしい女性が現れた。
 向かいに女性刑事が座ると、フュリーの方をジッと見据える。
「さてと・・・・君・・・名前は?」
「え・・?」
「え?じゃなくて、名前を聞いてるの。名前は?」
「ええと・・け・・ケイン・フュリーです・・けど・・・」
「ケイン・フュリーね。で、学校は?」
「え・・?学校?」
「何そんな間抜けた顔してるの?学校よ。君の通ってる学校。自分の行ってる学校ぐらい言えるでしょう?」
(嘘・・・子供と・・・間違われてる・・。ってことは・・僕、補導されてるってこと!?)
想像もしていなかった事態にフュリーは思わず愕然とする。
(確かに・・僕、小柄だし、童顔だけど・・。でも・・・だからって子供と思われて補導されちゃうだなんて・・・・)
あまりな事態にフュリーは頭の中が真っ白になってしまいそうになる。
 「ちょっと、どうしたの?聞いてるのよ。君の学校はって?」
「え・・あの・・その・・・」
フュリーは動揺でしどろもどろになりつつ返事をする。
「あの・・僕・・・成人してるんですけど・・・」
恐る恐るといった口調でフュリーは答える。
「は?ふざけてるの?」
女性刑事は信じられないのか、そんな返事を返す。
「ふざけてませんよ。ちゃんと証拠だって・・・」
そう言いながらフュリーはバッグの中をまさぐる。
 (あれ?)
だが、バッグの中をまさぐっているフュリーの表情が変わる。
(嘘!身分証も免許証もない!?ちゃんと入れたはずなのに!!)
フュリーは必死になって軍の身分証と免許証を探す。
だが、幾ら探してもどちらも出てこない。
(そうだ・・・急に思い立って出てきたから入れてこなかったんだ・・・)
そのことを思い出すや、フュリー曹長の顔色が青くなる。
 「どうしたの?」
「す・・すいません。どうも・・うちに・・忘れてきちゃったみたいで・・・」
「本当なの?」
そう尋ねる女性刑事の口調には疑っている様子が見える。
(しまった・・・疑われちゃった・・・)
フュリーは刑事の口ぶりからそれを察するや、ますます顔色が青くなる。
 「まぁそれはともかく・・・。保護者の連絡先は?」
「え・・・その・・・」
フュリーはここで再び迷いを見せる。
(保護者って・・・連絡先って・・・この場合大佐のところ?でも、大佐のところに連絡してもらえば成人だって証明してもらえるかな)
そう考え、職場の電話番号を答えようとしたときだった。
 (でも・・・そうしたら子供と間違われて補導されたなんてことが皆にわかっちゃうわけだよね・・・)
ふとそのことに考えが至る。
(そんなこと・・知られたら・・・恥ずかしい・・・。ハボック少尉とかに知られようものならからかわれちゃう・・・・)
恥ずかしい事実を職場の皆に知られてしまうことに、思わずフュリーは口をつぐんでしまう。
 「す・・すみません・・・そ・・それだけは・・・」
「そういうわけにはいかないの。ケイン・フュリー君だったかしら?君、自分の立場わかってるの?」
「す・・すみません・・。でも・・」
「でもじゃないの。あのねぇ・・・ケイン君、自分がしてることがどういうことかわかってるの?あんな時間から学校にもいかないでこんなところうろついて。どんなに危ないことしてるかわかってるの?」
「だ・・だから・・僕・・子供じゃありませんってばぁ・・」
証拠が無いので幾ら言っても無駄だとは思いつつ、そう言わずにはいられない。
「まだそんなことを言うの?いい加減にしなさい。私だって怒るわよ」
「そんなこと言われたってそうとしかいいようが無いんですってば~~」
「こんな時間から学校サボった挙句に嘘までつき通そうとするなんて・・・どうやらかなり悪い子みたいね・・・」
その言葉にフュリーはイヤな予感を覚える。
直後、手を掴まれたかと思うやあっという間に膝の上に引き倒されてしまった。
 「ちょ・・!何するんですかっ!」
思わずフュリーは抗議する。
「決まってるでしょ。悪い子にはお仕置きよ」
そういうや女性刑事はあっという間にフュリーのズボンを降ろしてお尻をむき出しにする。
そしてフュリーの身体をしっかりと押さえると、片手を振り上げた。


 パシィ~ンッッ!!
「あっ・・!!」
お尻の表面で痛みが弾けるや、思わずフュリーは声を上げる。
パッシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パッアア~ンッ!パッシィ~ンッ!
「あっ・・!ひゃんっ!や・・やめて下さぁいっっ!!」
「だったら君の保護者の連絡先をちゃんと言いなさい」
そういうと女性刑事はパンパンとフュリーのお尻に平手を落としてゆく。
 (何でこんなことになっちゃうの~~~~!!!!)
想像もしなかった災難にフュリーはそう叫びたくなる。
ピッシャ~ンッ!パッアア~ンッ!パッチィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!
「あ・・やっ・・うわっ・・痛あっ・・」
平手が降るたびにフュリーのお尻に赤い手形が浮かび上がる。
「痛あっ!ひゃあんっ!やめて下さいっ!お願いですから~~~」
「だったら正直に連絡先を言いなさい」
「だからそれだけは許して下さい~~~」
お尻を叩かれても皆に知られる恥ずかしさの方が先立つのか、フュリー連絡先を言うのを拒む。
「まだそんなことを言うの!強情な子ね!」
バシィ~ンッ!バッア~ンッ!
「ひっ・・!ひゃあんっ!」
女性刑事はさらにお尻を叩く手に力を込め、思い切り叩く。
その衝撃にさらにフュリーは苦しげな表情を浮かべた。
 バッシィ~ンッ!バッチィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!
「全く・・君って子は何を考えてるのっ!こんな時間からあんなところうろついてっ!それも学校サボって!悪い子ねっ!」
バシバシとフュリーのお尻に平手を振り下ろしつつ、刑事はお説教を始める。
「しかも・・・嘘までついてっ!本当に悪い子っ!悪い子っ!」
「嘘じゃないですってば~~~~!!!」
フュリーは必死に訴えかける。
だが、悲しいかな、証拠がないために信じてもらえないどころか、ますます印象を悪くしてしまう。
「まだ言うの!それなら・・こっちにも考えがあるわ!」
そういや、女性刑事は片脚を組み、フュリーはお尻を突き上げた体勢を取らされる。
(う・・・嘘っ!これっ!!)
フュリーは思わず恐怖を覚える。以前の経験からこの大勢でお仕置きされるととても痛いのを知っているからだ。
 ビッダァァ~~~ンッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!
「ひゃああああんっっっ!!痛いぃぃっっっ!!」
あまりの痛さにフュリーは悲鳴を上げ、両脚をバタつかせる。
さらにバシバシと豪雨のような勢いで平手が振り下ろされる。
「ひぃぃ~~んっ!ごめんなさい~~っ!言いますっ!ちゃんといいますから~~!!」
もはや我慢できず、本能的にフュリーはそう叫ぶ。
「本当?嘘じゃないわね?」
「本当です~っ!言いますから~~~~」
それを聞くと、ようやく刑事はお尻を叩く手を止めた。


 「はい・・・わかりました。それでは・・迎えをよこしますので」
ロイはそう答えると、電話を切る。
「ホークアイ中尉、すまんがハボック少尉を呼んでくれたまえ」
「はい、わかりました」
ロイは書類を受け取って出てゆこうとするホークアイ中尉にそう頼む。
しばらくするとハボック少尉がやって来た。
 「何か用すか、大佐?」
「ああ。実はね、某繁華街の警察署までフュリー曹長を迎えに行ってもらえないか。どうやらトラブルに巻き込まれてしまったようでね」
「いいすよ。で、トラブルって何すか?」
「それは・・いや・・現場で聞いた方がいいな」
そういうやロイは笑いをこらえるのに精いっぱいという感じになる。
「とにかく行ってきたまえ。そうすればわかる。う・・うぷぷ・・」
上司の様子に怪訝な表情を浮かべながらもハボックは執務室を後にした。


 「いや~っはっはっはっ。傑作だったな~~」
「そんなこと言わないで下さいよ~~~~~~~」
大笑いするハボック少尉に対し、フュリーは思わず抗議する。
「悪い悪い。でもまさか警察の少年課で尻真っ赤にしたフュリー曹長に会うとは思わなかったからなぁ。童顔だとは思ってたが、まさか本当に未成年に間違えられるとは・・ウプププ・・・」
話しているうちに思い出したのか、思わずハボックの口から笑いが零れる。
 大佐の言うとおりに警察署に行き、少年課に通されたかと思ったら、真っ赤なお尻に冷たいタオルを載せているフュリーに鉢合わせしたのだ。
思わず怪訝に思ったところへ、女性刑事から話を聞いて今度は笑いがこみあげてきたのである。
 「それにしてもあの刑事のビックリ顔もサイコーだったな。お前さんが成人だと知って心底驚いてたぞ?」
「だから言わないで下さいってばぁ・・・」
「悪い悪い。あ、そうだ。何だったら牛乳でも飲んで背伸ばすか?」
「もうっ!いい加減にして下さいよっ!」
思わずフュリーはカッとなってハボック少尉の股間を蹴り上げた。
 「お・・おぶうっっ!!」
さすがに予想もしていなかった行動にハボックはもろにダメージを受けてしまう。
「もうっ!そんなことばかり言うハボック少尉なんか嫌いですっ!」
そういうとフュリーはそのまま走り去る。
「あいててて・・・ちょっと・・ふざけすぎちまったな・・。それにしても・・効くぅ・・」
股間を押さえた情けないポーズで蹲りながら、ハボックはそんなことを呟いた。


 ―完―

theme : 自作小説(二次創作)
genre : 小説・文学

ヤケ酒の代償(鋼より:ロイ/アイ)



(注:鋼を題材にした二次創作です。キャラのイメージが原作とかなり異なっております。許容出来る方のみご覧下さい)


 「・・・・・・・・・・」
フュリー曹長は恐る恐るといった感じでホークアイ中尉の様子を伺う。
ホークアイ中尉はムスッとした、かなり不機嫌そうな表情を浮かべながら仕事をしていた。
 「どうしたの、フュリー曹長?」
フュリーがこちらを見ていることに気付いたのか、ホークアイはそう尋ねてくる。
「いえ・・何でもありません・・」
「ならいいけど。それより・・・書類の方は出来てるかしら?」
「は・・はぃ・・・」
恐る恐るフュリーが書類を提出すると、ホークアイは素早くチェックを入れる。
「どこも問題なしね。それにいつもちゃんと期限も守ってやってるわね。えらいわ」
「そんな・・当り前のこと・・してるだけですよ・・」
ホークアイ中尉に褒められ、思わずフュリーは言葉に詰まる。
「そうね。でも、そういうことが出来ない人もいるのよ、世の中には・・・」
そこまで言いかけたところで、再びホークアイ中尉の表情が不機嫌なものへと変わりだす。
思わずフュリー曹長がハッとした表情になりかけるのを見ると、すぐに表情を取り繕うが、それでも不機嫌さは隠せない。
皆が提出した書類を抱えて出ていくが、それをフュリー曹長は恐る恐る見送っていた。


 「失礼します」
断りを入れると同時にホークアイ中尉は執務室へと入ってゆく。
「あぁ、ホークアイ中尉かね」
机上にどっさりと積まれた書類の山に囲まれながら、マスタング大佐は顔を上げる。
「新しい書類です」
「そ・・そうかね・・・」
これまたかなりの分量の書類に思わずロイの表情はぎこちないものに変わる。
 「大佐・・終わった書類はどちらですか?担当部署の方へ回さないといけませんので」
「あ・・あぁ・・こっちだ・・・・」
恐る恐る顔色を伺うようにしてロイは決裁が済んだ書類を指し示す。
 「なんですか、これは?」
ロイが指差した書類を見やると、ホークアイの表情がさらに険しくなる。
「決裁が・・済んだ・・書類・・だよ・・」
今にも冷や汗ダラダラといった感じでロイは答える。
「それはわかってます。何ですか、この量は?終わらせて下さいと言っておいた量の三分の一も終わってないようですが?」
「いや・・その・・」
ロイはますます慌てだす。
何とか言い訳しないと中尉の雷が落ちる。
そう思っていると、あにはからんや、ホークアイ中尉は愛用の拳銃をゆっくりと取り出し始めた。
 「待った!待ちたまえ!ちゃんと仕事はする!だから落ち着きたまえ!」
「きちんと仕事をするのは当たり前ですよ。晴れの日も無能になりたいんですか?」
ニコリと、だが恐ろしい笑みを浮かべてホークアイはそう言う。
「わ、悪かった!ちゃんとデートの時間は取る!」
「デート?何をおっしゃっているんですか?」
一瞬、表情が変わりかけるが、すぐに表情を戻して尋ねる。
「だからデート出来なくなって怒っているんだろう?私が悪かった!!」
「何を寝言おっしゃっているんですか?どうやら少し頭を冷やさせて差し上げた方がいいみたいですね」
そういうとホークアイは拳銃を向ける。
直後、銃声と必死に謝り説得するロイの声が響き渡った。


 (私と・・・したことが・・・)
ホークアイは思わず落ち込んでしまう。
カッとなってマスタング大佐に対してありったけ発砲してしまったのだ。
 (本当に・・大人げないわ・・・デート出来なくて・・・それで不機嫌になったりあんなことするだなんて)
自分の行動を振り返ると、ホークアイ中尉は顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなる。
実は前々からロイとのデートの約束をしていたのだ。
ところが、最近やたら処理しなければいけない案件が増えてしまい、それで延び延びになっているのだ。
まぁ、それについては仕方がないと思ってまだ我慢できる。
だが、ロイがいつものように書類を溜めこんでしまうものだから、それでますますデート出来なくなってしまう。
それでロイの怠け癖に苛立ってしまい、先ほど図星を刺されたことに思わずカッとなってしまったのだ。
 (本当に・・情けないわ・・)
自分の大人げない行動や感情にホークアイは情けなくなってしまう。
(でも・・そもそも大佐が悪いんじゃないの。約束しておきながら仕事サボるんだから)
しかし、ロイに対する怒りや不満がそう囁く。
(何を言っているの!だからって不機嫌になったり、あんなことするのはよくないでしょう?)
(取り繕うのはやめたら?大佐がデートしてくれない、構ってくれないのが許せないんでしょう?正直になったら)
(そんな恥ずかしいこと・・)
(何よ、恋人同士なら別にいいじゃない)
理性と本音が互いに激しくホークアイ中尉の心中でぶつかり合い、激論を繰り広げる。
おかげでホークアイ中尉は苛立ちがさらに募ってしまう。
 ホークアイ中尉がイライラを募らせている中、ふと部下達が帰りの支度をしている。
時計を見ると昼間の勤務シフトの者は終わりの時刻だった。
帰ろうとしている部下達の会話に耳を傾けると、行きつけの店で一杯やっていこうとかそんなたわいもない話題が聞こえてくる。
(そうだわ・・・)
不意にホークアイ中尉にある考えが浮かんだ。
同時に他の同僚と同じように帰り支度をしていたフュリー曹長を見つける。
 「フュリー曹長!」
「な、何ですかホークアイ中尉?」
突然呼び止められた上、相当の剣幕にフュリーは思わず慌ててしまう。
「この後予定はあるの?」
「い・・いえ・・。まっすぐ寮に帰るだけですけど・・」
「なら私に付き合いなさい」
「え・・でも・・」
思わず断りそうになるが、ジロリと睨みつけられ、何も言えなくなってしまい、やむなく頷かざるを得なかった。


 「全く・・・晴れの日まで無能で・・本当に困るわよ!!」
ホークアイはビールのジョッキを傾けるとグイグイと飲みほしてしまう。
(うわぁ・・・かなり・・荒れてるよ・・)
普段とは全然違った上司の様子に思わずフュリーはそう呟きそうになる。
「どうしたの?飲んだらどう?」
酒で真っ赤な顔になりながら、ホークアイはフュリーにそう言う。
「え・・でも・・僕あんまりお酒は・・・」
「つべこべ言うんじゃないの。それとも・・私の酒が飲めないわけ?」
ホークアイ中尉は新しく注いだグラスを突き出しながらフュリーにそう言う。
(うわぁぁ~~~。酔っぱらってる上に絡み酒~~~!!誰か助けて・・・)
心底からそう思うが、あいにくフュリー曹長の味方になってくれるものは誰もいない。
やむなく受け取ると、必死で飲み干す。
 「う・・ううっぷ・・・・」
やっとのことで飲み干すが、身体には辛いのだろう、すぐに赤くなってしまう。
「なかなかいい飲みっぷりね」
「そ・・そう・・ですか・・・」
「もう一杯飲みなさい」
「え・・でも・・もぅ・・・」
「断る気?」
酒が入っているせいか、ホークアイは今にも怒りそうな表情になる。
「す・・すみません・・でも・・もぅ・・」
限界ですと言おうとしたところで、いきなりホークアイに片手を掴まれて引き倒される。
気付いた時にはホークアイの膝の上に載せられていた。
 パンッ!パンパンパンッ!
甲高い音と共にホークアイはフュリーのお尻に平手を振り下ろす。
「わっ!痛っ!痛いですってばホークアイ中尉!!」
「飲むまで叩くわよ。さぁ、どうするの?」
(ひぃぃ~~っ!!完全に出来あがっちゃってる・・・・)
フュリーはお尻に痛みを覚えながらそう呟く。
今のホークアイならやりかねないだろう。
「飲みますっ!飲みますからお尻叩かないで下さい~~!!お願いします~~!!」
フュリーは必死に叫ぶ。
「わかればいいのよ。さぁ、飲みなさい」
ようやく許してもらって膝から解放されるなり、フュリーはジョッキを突き出される。
覚悟を決めてフュリーはジョッキを受け取った。


 軍付属病院の入院棟。
その廊下を慌ただしい様子で進んでゆくマスタング大佐の姿があった。
目当ての病室を見つけるなり、矢玉のような勢いで飛びこむ。
 病室内のベッドでは、フュリー曹長が眠っている。
その傍らでは、ホークアイ中尉が暗い表情をしていた。
「あ・・・大佐・・・」
「ホークアイ中尉、フュリー曹長が急性アルコール中毒で倒れたと聞いたのだが・・・本当かね?」
「は・・はぃ・・・」
「それで病状は?」
フュリーの様子を見ていた医師の方を振り向き、ロイは尋ねる。
「大丈夫です、もう峠は越しましたから。数日入院して安静にしていれば大丈夫ですよ」
「そうですか・・。それはよかった・・・」
ロイはホッとする一方、ホークアイ中尉の方へ厳しい目を向ける。
「しばらくしたら司令部に戻るからついてきたまえ。話がある」
「は・・はぃ・・」


 司令部の執務室に戻って来るなり、ロイは病院で見せたのよりももっと厳しい表情を浮かべる。
「ホークアイ中尉・・・一体どうしてこんなことになったのかね?事情を聞かせてもらおうかね?」
「は・・はい・・。全て・・・私の・・せいです・・」
「どういうことかね?」
「はい・・。最近・・どうにも・・イライラして・・たまらなかったんです・・。それでヤケになって・・。それで・・一人で飲むのもアレだと思いまして、ついフュリー曹長を突き合わせた上に・・酒の勢いで無理やり飲ませてしまったんです・・」
「なるほど・・他人を巻き込んでヤケ酒の挙句に・・フュリー曹長を危うい目に・・。君ともあろう者が本当に何をやっているのかね!」
さすがにロイもとんでもない理由に怒りをあらわにする。
「も、申し訳ありません!!」
今さらながらとんでもないことをしてしまったことにホークアイはひたすら恐縮して謝る。
 「こんなことをした以上・・わかっているね?」
ロイは椅子に座ると、膝を指し示す。
既に覚悟を決めているからか、ホークアイは黙って頷くと大人しく膝にうつ伏せになる。
「いい覚悟だ・・だが、手加減はしないぞ」
ロイはそういうとホークアイ中尉のズボンを降ろす。
女性らしい、丸みを帯びた形のよいお尻があらわになると同時に、ホークアイは顔を赤らめ、ロイのズボンを裾を掴む両手をギュッと握りしめる。
右手に丹念に息を吐きかけた後、ロイはゆっくりと手を振り上げた。


 バッチィンンッッ!!
「く・・・!!」
最初から容赦のない平手打ちに、思わずホークアイは苦痛の声を漏らす。
バッシィンッ!ビッダァンッ!バッアァンッ!バッジィンッ!
「・・ぅ・・く・・・・ぁ・・っ・・・」
堪えようとするも、本気で叩いているせいか、無意識に苦痛の声が漏れてしまう。
 「全く・・!君ともあろう者が何てことをしたのかね!」
さすがに事態が事態だけにロイも呆れと怒りが混じった声でお説教を始める。
バシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!バッジィ~ンッ!
「・・・ぅ・・ぁ・・く・・・ぁ・・・」
ビッダァ~ンッ!バッジィ~ンッ!バッアァ~ンッ!ビバッジィ~ンッ!
「イライラしてるからと・・フュリー曹長を無理やり連れて・・・ヤケ酒・・」
ビッダァ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!バッジィ~ンッ!
「くぅ・・あっ・・あくぅ・・ひっ・・」
最初からフルスロットル状態で叩いているせいか、あっという間にホークアイ中尉のお尻は赤く染まってゆく。
 「も・・申し訳・・ありません・・くっ・・!ひっ・・!」
平手が叩きつけられるたびにホークアイは身体をこわばらせ、苦しげな表情を浮かべる。
「しかも・・無理やり酒を飲ませて・・・それも・・急性アルコール中毒で倒れるまで飲ませるなど!!」
ビッダァ~~~ンンンッッ!!バッアァァ~~~~ンンンッッッ!!!
「ひっ・・!!も・・申し訳ありませんっ!!ゆ・・許して・・下さいっ!!」
「謝るのは当たり前だろう!今日は本当に怒ってるからな!」
ロイは叫ぶように言うと、容赦なくホークアイ中尉のお尻に平手を降らせ続けた。


 「ひ・・ひっぐ・・ひ・・・」
目尻に涙を浮かべてホークアイ中尉はしゃくり上げそうになる。
お尻は今や痛々しいくらいに濃厚なワインレッドに染め上がっている。
 「ほ・・本当に・・申し訳ありません・・も・・もう・・許して・・下さい・・」
泣きながらホークアイ中尉は謝る。
ロイも本気でお仕置きしたせいか、両肩を上下させて荒い息を吐く。
「反省したかね?」
「し・・して・・います・・・本当に・・申し訳・・ありませんでした・・」
「では・・そもそも・・何だってヤケ酒などしたのかね・・君ともあろうものが・・」
「そ・・それは・・」
思わずホークアイ中尉は言葉に詰まってしまう。
まさかデートしてもらえなくてイライラした挙句にやりましたなどと言えないからだ。
幾ら恋人同士でもそんなこと言ったら絶対に呆れられてしまう。
 「どうしたのかね?まさか言えないような訳なのかね?」
「いえ・・その・・」
「だったら言えるだろう?早くいいたまえ」
ロイはそう促すも、さすがに恥ずかしくて言えない。
「そうか・・では・・仕方ないな・・・」
ロイはそういったかと思うと、いきなりホークアイ中尉を抱え上げる。
あれよあれよという間に机にうつ伏せにしてお尻を突き出させたかと思うと、引き出しから金属製の定規を取りだした。
 (ま・・まさか・・・)
ホークアイ中尉の想像を裏付けるかのようにロイは定規を手にしたかと思うと、思いっきり振り下ろす。
バッジィィ~~~~~~ンンンンッッッッ!!!
「きゃあああっっっっ!!!!」
散々お仕置きされたお尻には過酷すぎる痛みが駆け抜け、思わずホークアイ中尉は悲鳴を上げる。
「どうしても言わないつもりなら・・これでもっとお仕置きするが?さぁ、どうするかね?」
「わ・・わかりました・・。い・・言います・・・言いますから・・・」


 「何だ、そういうわけだったのかね」
「何だじゃありません。本当に・・恥ずかしかったんですからね」
ロイが笑う一方、ホークアイは拗ねたような表情を浮かべる。
 「それにしてもデートしてもらえなくてヤケ酒、そのことが恥ずかしくて言えないだなんて、君も可愛いところがあるのだね」
「もぅ・・からかわないで下さい・・」
「悪かった。それに・・私もすまなかった。君に寂しい思いさせてしまったな」
ロイはそう言うとホークアイを抱きよせながら口づけをかわそうとする。
「あ・・大佐・・」
「こら。二人きりのときはロイと呼べと言っただろう?」
「はい・・ロイ・・・」
二人は見ている者がいたら熱気に当てられてしまうのではというくらい濃厚なキスを交わした。


 それから数日後・・・・。
「フュリー曹長、大丈夫?」
ホークアイ中尉は外回りに行こうとするフュリーに声をかける。
「あ、ホークアイ中尉、もう大丈夫です」
「そう、よかった。ごめんなさいね、私のワガママで大変な目に合わせちゃったりして」
「いいえ。もう大丈夫ですから」
「そう、元気になったみたいでよかったわ。そうそう。これ、お詫びと退院祝いよ」
そういうとホークアイ中尉は立派なメロンの入った袋を渡す。
「わぁ、ありがとうございます」
「エドワード君達と一緒に食べるといいと思うわ。そろそろ帰って来る頃だと思うから」
「そうですね。あ!早くいかないと!ハボック少尉待たせちゃったら悪いですから」
そういうと慌ただしくフュリー曹長は去ってゆく。
その姿を見て本当に大丈夫だと確信すると、ホークアイはその場を後にした。


 ―完―

theme : 自作小説(二次創作)
genre : 小説・文学

隠し事の代償(鋼より:アイ/フュリ)



(鋼を題材にした二次創作です。許容出来る方のみご覧ください)


 「フュリー曹長、どうしたの?」
フュリーはホークアイに呼びかけられるや、我に返り慌てて返事をする。
「ど、どうかしましたか?ほ、ホークアイ中尉」
「何だかボーッとしてるみたいだけど・・。夜勤続きで疲れてるの?」
「い・・いえっ!そんなことありませんっ!大丈夫ですから!」
「そう。ならいいんだけど。無理をしてはダメよ?」
「は・・はいっ。あっ!すいませんっ!これから外回りなんで、行ってきます!!」
半ば誤魔化すような感じで慌ててフュリーは出てゆく。
 (何だか様子が変ね・・・。何かあったのかしら?)
ホークアイ中尉はフュリーの振る舞いに何か違和感を感じ、そんなことを心中で呟く。
「ちわ~っ。ホークアイ中尉~」
そこへエドワードが書類を持ってやって来た。
「あら、エドワードくん、どうしたの?」
「ハボック少尉に頼まれて書類持って来たんだよ。ここ置いてけばいいのか?」
「ええ。ご苦労様、エドワードくん」
「別に構わないって。んじゃ俺はこれで・・・」
そう言うとエドはオフィスを後にしようとするが、ふと振り返るとホークアイに話しかける。
 「そういや何かフュリー曹長の様子がおかしいみたいだよな」
「ええ。エドワードくんも気づいてた?」
「何か最近やたら上の空だったり何かに気を取られてるみたいだよなぁ」
「何か知ってるかしら?」
「いや・・。たださぁ、何かときどきアルとこそこそしてるらしいんだよなぁ」
「アルフォンス君と?」
ホークアイは意外な表情を浮かべる。
フュリーだけだと思っていたからだ。
 「それならちょうどよかったわ。エドワード君、もし何かフュリー曹長のことで気付いたら知らせてくれるかしら?私もアルフォンス君のことで何かわかったら知らせるから」
「わかった。あ、ちょっと俺用事思い出したから行くわ。そんじゃ」
それだけいうとエドワードはオフィスを後にした。


 (アルフォンスくん・・アルフォンスくん・・)
フュリーは司令部内の中庭へやって来ると、気づかれないように小声でアルフォンスに呼びかける。
すると、人目を憚るようにして大きな鎧の人物が出てきた。
アルフォンスだ。
 「フュリー曹長、持ってきてくれました?」
「大丈夫。それより見つかってないよね?」
「ええ。大丈夫ですよ」
「それじゃあ行こうか。そろそろお腹すかせてるだろうし」
そういうと二人はどこかへ行く。
やってきたのは倉庫が立ち並んでいる区域。
その中でもかなり奥まったところにある倉庫へと足を運んで行った。
 二人がやって来たのは廃品を収納しておく倉庫。
用途のおかげか、あまり人が来ないところだ。
何だかコソコソと、怪しい感じで周囲を伺うと、二人は慎重に入ってゆく。
倉庫の奥の奥、滅多に人がやってこないところまでやって来ると、アルフォンスはフュリと共に暗がりに向かって呼びかけた。
 「おいで~、おいで~、ご飯だよ~~」
すると廃棄用品の向こう側からニャ~という声がして、小さなものが出てくる。
現れたのは猫が二匹ほど。
大きさなどからすると子猫のようだった。
フュリーは隠し持っていたペットフードを用意すると、それを器に出す。
食事に夢中な猫達の姿に二人とも愛情のこもった目を向けるものの、すぐにそれが変わる。
 「どうしようかねぇ・・アルフォンス君・・・」
「いつまでもここで隠れて飼うわけにもいきませんよねぇ」
「そうだよねぇ・・。でも・・僕のところは寮だし・・・」
「僕も兄さんと一緒にいつも旅して回ってる身ですからねぇ・・。ああ・・何でまた拾っちゃったんだろ・・・」
アルフォンスはため息をつくと頭を抱える素振りを見せる。
この猫達はアルが拾ってきたものだった。
自分たちでは飼えないとわかっていたにも関わらず、段ボールの中で雨に濡れて震えているのが見ていられなくて、エドには内緒で拾ってしまったのである。
しかし、エドに話すわけにもいかず、どうしようとか悩んでいるところでたまたまフュリー曹長に見つかってしまい、それで訳を話したところ、元々フュリーも人がよく、寮暮らしで飼えないにも関わらずこっそりブラックハヤテ号を拾ってきた経緯の持ち主のおかげか、困っていたアルフォンスに力を貸してくれることになり、そこで見つかりにくいこの倉庫で隠れて飼っていたのである。
 しかし、二人ともいつまでもこんな真似を続けていられるわけがないのはよくわかっていた。
「フュリー曹長、誰か引き取ってくれそうな人見つかりました?」
「ごめん、アルフォンス君。知りあいをさりげなく当たってみたんだけど皆ダメみたい」
「僕の方もダメでした・・・」
「う~ん・・。どうしよう・・・」
フュリーは悩んで表情を歪める。
アルも困惑した素振りを見せるが、ふと床を食い入るように見つめた。
 「あれ?どうかした、アルフォンス君?」
「フュリー曹長・・ね・・猫が・・」
アルの言葉にフュリーは食事中のはずの猫達の方を見やる。
いつの間にかペットフードの器は空になっており、姿が消えている。
外に向かって子猫の足跡がついていた。
事態を把握したフュリーの顔からサーッと血の気が引く。
二人は互いに顔を見合わせると、子猫達を探しに慌てて倉庫を後にした。


 「ん~~?お前さん、どっから入ってきたんだ~?」
いつものように煙草をふかしながら休憩していると、ハボックは子猫二匹がいることに気づく。
人慣れしているのだろう、呼びかけると子猫は恐れる気色も無くハボックの足元に寄って来ると、ゴロゴロと喉を鳴らして甘えるように足に身をすりよせた。
「おいおい、くすぐったいって。お前さん飼い猫だな?」
猫の反応からハボックはそう見当をつける。
 「あっ!!いたっ!いましたよ!曹長っ!」
不意に馴染みの声が聞こえてきたかと思うと、慌ただしい様子でアルフォンスとフュリーがやってくるのが見えた。
 「よかった~。こんなところにいたんだ・・」
フュリーはホッとした表情を浮かべると、猫達を抱き上げる。
「あれ?お前さん達が世話してたのかよ?」
ハボックに話しかけられ、フュリーはまずいといった表情を浮かべる。
だが、もはや隠しておけないと悟ったのだろう、二人は互いの顔を見合わせるとおずおずと口を開いた。
「そ・・そうなんです・・。す・・すいません・・」
「やたら人懐っこいから飼い猫じゃねえかとは思ったんだよな。まあそれはともかく・・二人とも・・まずはホークアイ中尉のところ行くか」
ハボックにそう言われると、すでに観念していた二人はシオシオといった感じで猫を抱えたままハボックの後をついていった。


 床に正座させられたフュリーとアルフォンスは恐る恐るといった感じで様子を伺っている。
「何ですかこれは?」
ホークアイは二匹の子猫を見やると、フュリーとアルに問いかける。
「あ・・あの・・猫です・・・」
「そういうことを聞いてるんじゃないの。何だって猫がいるかと聞いてるのよ?」
「す・・すいません・・。ぼ・・僕が・・拾って来ちゃったんです・・。それで・・曹長と・・・」
恐る恐るアルフォンスが白状するとホークアイはため息をつく。
「やっぱりそういうことだったのね・・・。アルフォンス君・・フュリー曹長・・」
「「は・・はいっっ!!」」
二人はビクッと震えながら重なり合うように返事をする。
「二人とも猫を飼えるような状況にはいないのも・・・司令部で飼うのも禁止なのはわかってるはずよね?」
「ごめんなさい・・」
「すいません・・」
「わかっててやってたのね?」
ホークアイの問いに二人は黙って頷く。
 「なら・・・覚悟はいいわね、二人とも?」
ホークアイの言葉に再び二人は黙って頷く。
元々素直な二人だ。
バレてしまった時点で叱られたりお仕置きされる覚悟は出来ていた。
 「フュリー曹長、こっちへ来なさい」
ホークアイはそういうと軽く膝を叩く。
フュリーはゆっくりと立ち上がると、オズオズとホークアイの元へゆく。
上司の傍らに立つと、フュリーはホークアイの膝を食い入るように見つめる。
見つめるうちにブルブルと全身が震え、息がだんだんと荒くなってくる。
だが、覚悟を決めたような表情を浮かべると、飛び込むようにして膝にうつ伏せになった。
 「さすが曹長ね、えらいわ・・・でも・・・」
ホークアイはそういうと、フュリーのズボンを降ろし、お尻をあらわにする。
「ひぃん・・・」
お尻をむき出しにされる恥ずかしさと、これから与えられるお仕置きの恐怖にフュリーは情けない声を出し、身を震わせる。
「手加減はしないわよ、いいわね?」
覚悟を促すような問いかけにフュリーは黙って頷く。
それを見るとホークアイは今度は正座したままのアルフォンスの方を向く。
 「アルフォンス君・・・」
「は・・はいっっ!!」
アルは飛び上がりそうになってしまうのを押さえて返事をする。
「これから・・・フュリー曹長がどんなことになるのか・・よく・・見るのよ。それが・・アルフォンス君へのお仕置きよ。わかったわね?」
「は・・はい・・・」
アルフォンスは恐る恐る、息を呑んでジッとフュリーを見つめる。
「では行くわよ、覚悟はいいわね?」
「は・・はぃぃぃ・・・」
フュリーが返事をすると、ホークアイは左手でフュリーの身体を押さえる。
同時に右手に丁寧に息を吐きかけたかと思うと、ゆっくりと振り上げ、思い切り振りおろした。


 バシィンッッ!!
「く・・」
初めから容赦のない平手打ちに思わずフュリーの口から苦痛の声が漏れる。
バシッ!バアンッ!バチィンッ!ビダァンッ!
フュリーは声を出すまいと口を一文字に引き結び、中尉のズボンを両手でギュッと握りしめる。
 ホークアイの平手が叩きつけられるたびにフュリーのお尻に赤い手形が浮かび上がり、フュリーは苦痛の表情を浮かべる。
その様子を食い入るようにアルがジッと見つめていた。
 アルフォンスは必死に痛みを堪えるフュリーの姿にモジモジと落ち着かない様子を見せる。
視線をそらしてフュリーの姿を見ないようにしようとするが、それを見越したようにホークアイの視線が追ってくる。
有無を言わせない厳しい視線にさらされ、アルフォンスは否応なしにフュリーに目を釘付けにされてしまう。
 バシッ!バアンッ!ビダアンッ!バチィンッ!
「・・ぁ・・っ・・・ぁ・・ぅ・・・」
耐え切れなくなってきたのだろう、微かだがフュリーの口から苦痛の声が漏れ始めた。
 ビダンッ!バアジィンッ!ビッダンッ!バアアンッ!
「全く・・何をしているの?フュリー曹長?」
お尻を叩きながら、ホークアイはお説教を始める。
手形が幾つにも重なりあい、最初は白っぽかったフュリーのお尻はほんのり赤く染まりだしていた。
 「あ・・う・・あん・・ひぃ・・・」
さらに感じる苦痛が大きくなってきたのだろう、うめき声がより大きくなり、表情もさらに苦しげになる。
額や手の甲にもじわりと汗らしきものが浮かびだしていた。
 バチッ!ビッダンッ!バッシィンッ!バッアアンッ!
「自分が飼えないのも・・司令部内でペットを飼うのが禁止なのもわかりきっていたことでしょう?」
問いかけるようにお説教しながらホークアイ中尉はフュリーのお尻を叩き続ける。
「ひ・・ひゃん・・はひぃん・・ひぃん・・」
バシバシとお尻を叩く音と共にフュリーの口からはさらに苦痛の声が漏れる。
「それなのにどうしてまた懲りずに同じことをしたの?」
バシィンッ!ビッダァンッ!バッジィンッ!ビッシャアンッ!
「くひっ・・!そ・・それは・・ひゃあん・・・」
フュリーは口を開こうとするものの、お仕置きの苦痛のためか、つかえてしまう。
それを見てとったのか、ホークアイはある程度お尻を叩く勢いを弱めて話しやすくしてやる。
 パチィンッ!ピシャアンッ!パアアンッ!パシィンッ!
「ひぃん・・・!ア・・・アルフォンス君が・・こ・・困ってて・・それに・・猫が・・かわいそうだったんです・・。そ・・それで・・悪いとは・・わかって・・たんですけどぉ・・ど・・どうしても・・。ご・・ごめんな・・さぁい・・・」
「ごめんなさいじゃないでしょう?確かエドワード君が言わなかった?飼えないのに飼ったりして、また捨てたりする方がもっとひどいしかわいそうだって。ちゃんと最後まで責任取れないなら飼うものじゃないって言ってたの覚えてないの?」
「ひぃん・・!!ごめんなさい・・・ごめんなさぁい・・・」
フュリーは必死に謝る。
だが、ホークアイはちょっとやそっとでは許してやるつもりはないらしい。
「謝ればいいというものじゃないでしょう?全く・・」
バッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアア~ンッ!バアッシィ~ンッ!
「うわぁぁ~んっ!痛いぃ~っ!ごめんなさぁ~いっ!!」
フュリーは背をのけ反らせ、目尻に涙を浮かべて叫ぶ。
その姿にアルフォンスは息をのみ、半ば震え上がった。
 (ほ・・本気で・・怒ってるよ・・)
フュリーのお仕置きを見させられているアルフォンスにはそれがよくわかった。
確かにホークアイ中尉は厳しい人だ。
実際、ロイ相手のやり取りを見ていると、上司だというのに容赦なくやり込めたりしている。
おかげでロイも仕事が遅れている時など、中尉の怒りにさらされるのではと戦々恐々としている有様だ。
だが、同時に優しい人でもあることはよく知っていた。
ブラックハヤテ号を拾ってきてしまい、結局飼い主が見つからなくて困ったフュリーを助け、飼い主になってくれたのもホークアイだ。
フュリーや、アルやエドなど、地位や年が下の者にも確かに厳しいことも言うが、気にかけてくれたり、フォローしてくれたりする、頼りになるお姉さん的な存在でもあった。
 そんなホークアイがフュリーをお仕置きしている。
さらに、フュリーが既に謝っているのにまだ許さないでお仕置きしたり、しかもそれを自分に否応なしに見させている。
本気でホークアイが怒っていることが嫌でもわかり、それだけに戦慄せずにはいられなかった。
 バッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!バッアァ~ンッ!
「わぁ~んっ!ごめんなさいっ!ごめんなさぁい~っ!ごめんなさい~~!!」
フュリーは両足をバタつかせ、泣きながら必死に謝る。
既にお尻は真っ赤に染め上がっており、顔も涙でグショグショに濡れていた。
 アルフォンスは無意識に目を両手で隠そうとする。
だが、ホークアイはフュリーのお尻を叩きながらも、素早くそれを見てとると、鋭い視線を向ける。
マスタング大佐ですら引いてしまいかねない視線にさらされ、さすがのアルフォンスも手を引っ込めてしまう。
おかげで、否応なしに泣き叫ぶフュリーの姿を見なければならない。
 (うぅ・・・)
正座したまま、アルフォンスはモジモジと両脚を動かす。
(叩かれるより・・・辛いよ・・・)
アルフォンスはまるで熱した鉄板の上にでも正座させられているかのような感覚を味わっていた。
 自分が猫を拾ってしまい、それに手を貸してくれたがためにフュリー曹長がきつくお仕置きされている。
目の前の光景にその事実を否応なしに突きつけられ、自身の愚かさや罪悪感で胸を締めつけられる。
 本来ならばあんなに泣き叫ぶのは自分なのだ。
だが、今のアルフォンスは肉体を持たない魂のみの存在。
肉体を持たないから痛覚をはじめとする感覚が一切ない。
アルフォンスには身体へのお仕置きは出来ないのだ。
だから、ホークアイ中尉はそんなアルへのお仕置きとして、フュリーがお仕置きされる姿を見せているのである。
 (ごめんなさい・・フュリー曹長・・ごめんなさい・・)
心の中でアルフォンスはフュリーの必死で謝る。
その間にもフュリーはさらにお尻を濃厚に染められ、より激しく泣き叫ぶ。
(も・・もう・・ダメ・・我慢できない!!)
お尻を叩かれているフュリーの姿に耐えきれず、アルフォンスは叫んだ。


 「も・・もう・・許してあげて下さい!!」
必死の声でアルフォンスが叫ぶと、ホークアイはフュリーのお尻を叩きながらもアルフォンスの方を振り向く。
「アルフォンス君・・・どうして曹長がお仕置きされてるか・・わかる?」
「は・・はい・。ぼ・・僕が・・悪かったです・・。飼えないのに・・拾ったりして・・それに・・フュリー曹長まで巻き込んじゃって・・。本当に・・ごめんなさい・・・。だ・・だから・・もう・・フュリー曹長・・叩かないで・・あげて下さい・・・」
「二人とも反省してるのはよくわかったわ・・。でも・・一番大事なこと・・わかってるかしら?」
「え・・?」
「ど・・どういう・・ことですか・・?」
二人はそれぞれ怪訝な表情を浮かべ、恐る恐るといった様子でアルフォンスは尋ねる。
 「二人とも・・私はこっそり猫を拾ったり隠れて飼ってたりしたってだけで怒ってるわけじゃないの。フュリー曹長、アルフォンス君・・自分達が他から見て怪しい行動を取ってたって・・自覚ある?」
「「そ・・それは・・」」
二人は口ごもってしまう。
冷静に考えればここ数日の自分達の行動は怪しかったかもしれない。
しかし、そんなことを考える余裕など無かった。
 「気づいてないのも無理はないかもしれないわね。でもね、おかげで皆心配したりしたのよ。わかる?」
言い聞かせるように尋ねると、気まずいのか二人は黙ってしまう。
 「ご・・ごめんなさい・・心配・・かけて・・ごめんなさい・・」
「僕も・・・皆に・・心配させちゃって・・ごめんなさい・・」
しばらく沈黙が続いたあと、二人の口からそんな言葉が出る。
「わかってくれたのね。よかったわ・・」
そういうと、ホークアイはフュリーを起こし、膝の上に座らせる。
 「も・・もう・・怒って・・ないですか?」
恐る恐る尋ねるフュリーにホークアイは優しい笑みを浮かべて答える。
「怒ってないわ。それより、痛かったでしょう?」
ホークアイはフュリーを抱きしめると、真っ赤に腫れ上がったお尻を優しく撫でてやる。
「ひぃん・・うわぁ~んっ!!」
許してくれたという安心感からか、フュリーは泣き出してしまう。
「あらあら。困ったわね、また泣いたりして」
苦笑するものの、ホークアイは子供をあやすようにしてフュリーを抱きしめる。
 「アルフォンス君」
「あ・・!は、はいっ!!」
ホークアイに呼ばれ、アルフォンスは慌てて立ち上がる。
「アルフォンス君・・幾らお仕置きだからって、辛い思いさせちゃったわね。許してくれる?」
「い・・いえ!ぼ、僕が悪かったんですから!」
謝るホークアイにアルフォンスは慌てた素振りを見せる。
幾らお仕置きとはいえ、他人が自分のせいでお仕置きされているところを見せるなど、あまりいいものではないのはホークアイもよくわかっていた。
アルフォンスもホークアイのそういう気持ちはわかっているつもりだった。
 「二人とも・・・もう隠し事なんかしちゃダメよ。どんなことでもいいから、何かあったら相談してくれればいいわ。出来るだけ力になるから。皆を心配させるようなことだけはしちゃダメよ?」
「「はい・・ごめんなさい・・・」」
二人は一緒にホークアイに謝った。


 「大丈夫ですか?フュリー曹長?」
「う・・うん・・大丈夫だよ、アルフォンス君」
フュリーは医務室のベッドにうつ伏せになり、真っ赤になったお尻に氷袋を載せたまま、様子を見にきたアルフォンスに答えた。
「アルフォンス君の方こそ大丈夫?エドワード君に叱られたんじゃない?」
「ええ・・。兄さんに散々お説教されちゃいましたよ・・・」
「相当絞られちゃったみたいだねぇ・・」
アルフォンスのどよーんとした様子に、フュリーはエドワードのお説教が余程厳しかったのだろうと想像し、思わず同情する。
 「ええ。でも兄さんにも心配かけちゃいましたからね。それより曹長、僕のせいで痛い思いさせちゃってごめんなさい」
「いいんだよ、僕だって悪かったんだし。僕の方こそ力になれなくてごめんね」
そのとき、ドアが開いたかと思うとホークアイが入ってきた。
 「フュリー曹長、少しは楽になったかしら?」
「あ・・はい・・多少は・・」
「ならよかったわ。実は猫のことで話があってきたの」
「ど・・どう・・なるんですか・・?」
二人は思わず緊張した様子で尋ねる。
「知り合いにちょうど猫を飼いたいって人がいるから、その人に引き取ってもらうことになったわ」
「そうですか・・よかったぁ・・・」
二人ともホッと安堵のため息を漏らす。
「それと・・よかったら食べてくれる?この前おいしいお店見つけたから」
そういうとホークアイはお菓子の箱を置いてゆくと、医務室を後にした。


 ―完―

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