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少年憲兵4



 「どうしたんだい?キョロキョロしてさ?」
不意にあたりを見回したオオガミに、一緒に歩いていた青年神父が、怪訝な表情を浮かべて尋ねる。
神父は20歳くらい、腰まで届く金髪の持ち主で、明るい感じの整った面立ちをしている。
彼の名はエルヴィン。
オオガミの管轄区域内に教会がある縁で、オオガミと親しい間柄であった。
 「いや・・。気のせいのようです。すみません」
「そ、そう?なら、いいんだけどさ」
「それより、早く教会に戻りましょう。これから、用意もありますでしょう?」
「そ、そうだね!皆も待っているし!!」
エルヴィン神父はハッとした表情を浮かべると、買い物袋を抱えて、急ぎ足になる。
オオガミも、買い物袋を抱え、あとへついていった。
 「いやぁ、いつもすみませんねぇ。色々とお世話になってしまって」
「いいのです。これも憲兵の職務の内ですから。すみません。巡回がありますので、失礼いたします」
オオガミは敬礼をしながら、神父に言う。
そして、その場を去っていった。
 「あれ・・?」
エルヴィンは、何かが落ちていることに気づく。
「これは・・」
拾ったものをエルヴィンはジッと見つめる。
拾ったのは、憲兵隊のマークが入ったボタン。
恐らく、制服から取れてしまったのだろう。
 (届けてあげないと!?まだそんな遠くには行ってないはずだし!!)
神父はそう呟くと、ボタンを持って、道路の方へと出る。
すると、少し距離はあるものの、オオガミの後ろ姿を発見する。
思わず、エルヴィンが声をかけようとしたときだった。
 突然、オオガミ目がけて、車が突っ込むように走って来る。
気付いたオオガミは、脇へ避けようとする。
だが、車はオオガミに対し、さらに勢いを増して迫って来る。
直後、鈍い音と共に、オオガミの小柄な身体が吹っ飛ばされた。
 「!!!???」
目の前で起こった事態に、神父は愕然とする。
思わず声を上げようとするが、あまりの驚きに声が出ない。
その間に、車から目出し帽をかぶった男が降りたかと思うと、呻いているオオガミの頭を、砂を詰めた革製の棍棒で殴りつける。
オオガミが完全に気を失うと、放り込むように、後部座席へと乗せる。
そして、そのまま猛スピードで走り去った。
ようやく神父が我に返ったときには、車は完全に姿を消してしまっていた。


 「ぅう・・・・」
オオガミは目を覚ますと、ガンガンと頭が割れるような感覚を覚える。
(この痛みは・・?そうだ!?確か・・・)
オオガミは車にはねられた上、降りて来た男に、棍棒で殴りつけられたことを思い出す。
(つまり・・・私はさらわれた・・誰に・・?何の為に?)
そのことを考えていた、まさにそのときだった。
 不意に、扉が開く音が聞こえてきた。
思わずオオガミは顔を上げる。
なお、オオガミはうつ伏せの状態で、台に拘束されている。
 「お前は・・・!?」
現れた男の顔を見るなり、思わずオオガミは声を上げる。
「フフ・・覚えていてくれましたか?オオガミ分隊長殿?」
「忘れるものか・・!?そうか・・お前だったか!?ヤッツイオ!?」
オオガミは不快感を込めて、ヤッツイオを見つめる。
ヤッツイオはオオガミの部下の一人だった。
だが、犯罪組織に、金銭と引き換えに、捜査情報を流していた。
その不正がバレ、当然のことながら、懲戒免職となった。
 「その台詞・・そっくりお返ししましょう・・・」
ヤッツイオは鞭を舌なめずりしながら、言う。
その目には、憎しみの炎が宿り、キャンプファイヤーのように燃え上がっていた。
 「そうか・・・。私への・・復讐か・・!?」
「そうです・・!!ふふふ・・。今から・・あなたに・・この上もなく・・恥ずかしくて、惨めな思いをさせてあげましょう!!」
ヤッツイオはオオガミの背後に回る。
そして、オオガミのズボンに手をかけると、おもむろに引き下ろす。
おかげで、オオガミの小ぶりなお尻があらわになってしまった。
 「ふふ・・!!無様ですなぁ。己がクビにした男の前で、こんな恥ずかしい格好とはねぇ」
元部下の嘲笑に、オオガミは顔を赤らめる。
だが、言い返したりはしない。
ヤッツイオを喜ばせるような真似はしない。
そう考えているからだ。
 「さてと・・。では・・ショータイムと行きましょう!!」
ヤッツイオはそう言うと、鞭を振り上げる。
そして、オオガミのお尻目がけ、振り下ろした。


 バッシィーンッッ!!
「・・・!!」
鞭の強烈な打撃が、オオガミのお尻に叩きつけられる。
思わずオオガミは、苦痛に顔を歪める。
同時に、声を押し殺す。
ヤッツイオなどに、屈服しない。
そう決意しているからだ。
ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!
「クク・・!フフ・・!ヌフフ・・!!」
ヤッツイオは、オオガミの小さなお尻に、容赦なく鞭を叩きつける。
 ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!
「どうだ・・!どうだ・・!どうだ・・!小僧・・!!」
怒りと憎しみを込めて、ヤッツイオは、鞭を振るい続ける。
鞭はオオガミの小さなお尻に、容赦なく蚯蚓腫れを刻みつけてゆく。
やがて、蚯蚓腫れは幾重にも重なり、オオガミのお尻を赤く染めはじめる。
 ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!
「・・ぅ・・・ぁ・・・っ・・・か・・・ぁ・・っく・・あ・・っ・・う・・!?」
さすがに、耐えきれなくなり、オオガミの口から、苦痛の声が漏れ始める。
だが、声を漏らしてしまいながらも、オオガミは耐えようとする。
 ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!
「苦しいか!?痛いか!?ならば・・無様に泣き叫んで、許しを乞うてみるがいい!!」
ヤッツイオは憎悪に満ちた声で、鞭を叩きつけるように振るう。
 ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!
「くっ!あっ!くぅああ!だ、誰が・・お・・お前などに・・!?くっ!あくっ!ううくぅ!?」
狂ったように叩きつけられる鞭の嵐に、オオガミは苦悶の声を上げ続ける。
だが、それでも、必死に耐える。
憲兵としての誇りが、オオガミを支えていた。
ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!ビシッ!
「くそっ!くそくそくそっ!くそくそくそっ!!」
怒りに任せ、ヤッツイオは鞭を振るい続ける。
鞭の音と、オオガミの苦悶の声が、部屋に響き続けた・・・。


 「くっ!強情なガキめが!!」
ヤッツイオは怒りに任せ、床に鞭を叩きつけるように投げ捨てる。
オオガミのお尻は皮膚が破れて血が滲み、惨憺たる有様になっている。
捨てられた鞭も、血で赤く染まっていた。
オオガミは目尻に涙を浮かべ、荒い息を吐いている。
だが、それでも、ヤッツイオに、許しを乞うことはしていない。
 「クソ!クソッ!?イチイチ癇に障るガキだぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!」
ヤッツイオは完全にキレてしまい、口調も変わる。
「泣きもしねぇ!許しも乞わねえ!!ムカつく!ムカッツク!イケすかねええええ!!!!!!!!!!!」
ヤッツイオは床を何度も何度も踏みつけ、叫ぶ。
「こうなったら・・・!!」
ヤッツイオは狂気に駆られた表情で、拳銃を取り出す。
拘束されたオオガミに狙いを定め、引き金を引こうとする。
 ドンッッ!!
突然、ドアが開く音が聞こえてきた。
ハッとして、ヤッツイオはドアの方を振り向く。
同時に、乾いた音が部屋に響く。
 「ぐ・・・!?」
右腕を撃ち抜かれ、ヤッツイオは銃を取り落し、膝をついて、床に座り込む。
直後、拳銃を構えたロッテンマイヤーが、武装した憲兵達を引き連れ、突入してきた。
 「ほ・・本部・・長・・」
「よかった・・。生きていたか・・・」
ロッテンマイヤーはオオガミの方を見て、安堵の表情を浮かべる。
直後、ヤッツイオの方を振り向くが、そこには鬼気迫るロッテンマイヤーの姿があった。
 「貴様・・!逆恨みの挙句に・・このような所業・・・。ただで・・済むと思うなよ」
その表情と声に、ヤッツイオは恐怖を覚える。
咄嗟に、腕の苦痛も忘れ、逃げ出そうとする。
だが、ロッテンマイヤーの出した足に引っかかり、転んでしまう。
 「どこへ行く?そうだ。お前が牢に行く前に・・・・はなむけだ!!」
ロッテンマイヤーはヤッツイオを立たせた直後、ボクシングの構えを取る。
「ドラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ!!!!!!!!!!」
どこぞの少年漫画のような、裂帛の、長い掛け声と共に、ロッテンマイヤーの両拳が、嵐となって、ヤッツイオに襲いかかる。
「や・・ヤッダバア――――――ッッッッッッ!!!!!!!!!!」
漫画チックな断末魔と共に、ヤッツイオは壁に叩きつけられ、気絶する。
ヤッツイオの顔面は、拳の嵐で滅茶苦茶に腫れ上がっており、実の親が見ても、判別不可能かと思うほど、変わり果てていた。
「ふん・・!下種め!!」
ボコボコにされたヤッツイオに怒りと侮蔑の目を一瞬くれると、ロッテンマイヤーはオオガミの元へと向かう。
 「分隊長・・・大丈夫か?」
「ほ、本部長・・申し訳・・ぐ・・!?」
「無理をするな。それにしても・・ひどい目に・・」
拘束を外しながら、ロッテンマイヤーは、オオガミが力尽きて、気を失ったことに気づく。
ロッテンマイヤーはブランケットでオオガミを包み込み、安堵の息を吐きながら、抱きかかえて、その場を後にした。


 ―完―

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後輩社員の躾け方(M/M)



 「ハァ~~ッ、疲れたぁぁ・・・・」
そんなボヤキを呟きながら、貴広(たかひろ)は店のテーブルに突っ伏す。
「お疲れ様、面倒な客で大変だったよな」
疲れ果てた様子の貴広に、匠(たくみ)は頭を撫でながら、労いの声をかける。
 「うー!子供扱いしないで下さいよ、匠先輩―!!」
先輩である匠の振る舞いに、思わず貴広は口をとがらせて不満の声を上げる。
160センチ程度という、成人男性としては小柄な体格、童顔っぽい顔立ちが災いして、子供のように見えてしまっていた。
 「悪かった悪かった、ついつい見た目が子供っぽいっていうか、小動物っぽいからさ」
「うう~~っ!?悪かったですねー!!匠先輩とはどうせ違いますよー!!」
貴広は匠を恨めし気な目で見つめながらぼやく。
学生時代、剣道部のエースとして鳴らしただけあり、180センチもの長身に無駄なく引き締まった身体、男らしさを感じさせる顔つき、どれも貴広とは対照的だ。
ついつい、コンプレックスを刺激させてしまいそうになる。
 「それは悪かった。俺が謝る。この通り」
「まぁ・・匠先輩がそう言うなら、許してあげますよ」
手を合わせて謝る匠に、ようやく貴広は機嫌を直す。
 「まぁともかく、今日はお疲れ様。無事終了を祝って、一杯といくか」
「さんせーい!!」
そんなやり取りを交わしながら、二人は飲み始めた。
 数時間後・・・・。
「匠先輩、お疲れ様でした~」
タクシーを降りて、手を振りながら、貴広は匠に挨拶する。
「お疲れ様、遅くなって悪かったな」
「イイんですよ~。匠先輩と飲むの好きですし~」
「それより・・明日は大事な取引があるのは忘れてないよな?」
「わかってますよ~。匠先輩、心配性なんだから~」
「それならいいんだけどな。遅刻するんじゃないぞ」
「だーいじょーぶですって。じゃあ、失礼します~」
まだ、酒が残っている声や表情で返しながら、貴広はアパートへと向かっていった。


 翌日・・・・。
「くぅぅぅ・・・すーぴぃぃぃ・・・・」
貴広は寝息を立てて、すっかり寝入っていた。
布団は横へ吹っ飛んでおり、手足をだらんと伸ばしている。
「んん・・匠せんぱぁい・・。もう・・飲めない・・ですぅぅ・・・」
横へ転がりながら、匠と飲んでいる夢でも見ているのか、そんな寝言を言う。
そんなところへ、傍に置いているスマホから、着信メロディが鳴り出した。
 「あ~、匠先輩からだー!?」
メロディから着信の相手を察するなり、すぐに出る。
「はい、もしもし、貴広です~。どうしたんですか?匠先輩?」
『どうしたんですか、じゃないだろう?今、何時だと思ってるんだ?』
スマホの向こうの匠の声に、最初は笑顔で出た貴広だったが、すぐ表情が変わる。
思わず目覚まし時計を見てみると、遅刻確定の時刻になっていた。
 「ど、どどどどどうしよ!?す、すすすみません!!今から行きます!!」
『何を言ってる!!今から出てきても間に合わないだろ!事故でも起こされたらそれこそ一大事だ!!取りあえず・・○○時にいつもの喫茶店に来い!!』
「わ、わかりました!!」


 その日の夕方・・・・。
貴広は匠のマンションにいた。
あの後、言われた時刻に、外回りで休憩に使う喫茶店で、匠と合流した。
幸い、匠のおかげで取引は無事に済み、会社の方にも、貴広の失態がバレずに済んだ。
だが、仕事が終わって退社した後、話があると、匠のマンションへ連れて行かれたのだ。
怒られるのは間違いない。
そう思い、貴広は戦々恐々としていた。
 「貴広・・」
「は・・はいっ!?何です!?匠先輩!?」
思わずビクッと飛び上がりそうになりながら、貴広は返事をする。
 「自分のしたことが・・・わかってるか?」
「す・・すみません!?寝坊して・・・匠先輩に・・迷惑・・かけました・・!?」
「俺だけじゃないだろ?会社にも大きな損害を与えるところだったんだ。下手すれば責任問題になるところだったんだぞ?」
「う・・ごめんなさい・・・」
貴広はシュンとなりつつ、謝る。
 「謝ればいい、ってもんじゃない。それなりの罰は受けてもらうからな」
「ば、罰?な・・何ですか?」
貴広は恐る恐る尋ねる。
非常に嫌な予感がしたからだ。
 「そうだなぁ・・・。お尻ペンペンって、どうだ?」
「え?じょ、冗談ですよね?」
思わず表情が強ばりながら、貴広は尋ねる。
「冗談だと思うか?」
匠は真剣そのものの表情で尋ねる。
その表情に、貴広は本気だと悟る。
 「ま、待ってくださいよ!?た、確かに俺が悪かったですけど・・。でも・・そんな・・子供じゃあるまいし・・!?」
「貴広・・。さすがに俺も怒ってるんだぞ?素直に来ないと・・かなりヒドイ目に遭うぞ?」
「ひ・・!?」
匠の雰囲気に、貴広は恐怖で飛び上がりそうになる。
同時に、冗談では無く、本気だとも悟る。
 「さてと・・。貴広・・俺の膝に来い」
「そ・・そんな!?む、無理です!?」
「やれやれ・・。仕方ないな・・」
ため息をつきながら、匠は貴広ににじり寄る。
貴広は逃げようとするが、匠は先手を打って、貴広を取り押さえてしまう。
 「うわあっ!?匠先輩っ!?は、離して下さいっっ!!」
「馬鹿を言うな。お仕置きだって言っただろう?しっかり、反省しろよ」
貴広を押さえて膝の上に乗せながら、匠はそう宣告する。
そして、貴広のお尻目がけ、手を振り下ろした。


 バッシィィィーーーンンンンッッッ!!!
「うわああっっっ!!!!」
ズボンの上からでも強烈な衝撃に、思わず貴広は悲鳴を上げる。
 パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「わあっ!?匠先輩っ!?痛っ!?痛いですってばー!!」
お尻を襲う痛みに、思わず貴広は悲鳴を上げる。
 「おぃおぃ、言ったはずだぞ。お仕置きだって」
パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
そう言いながら、匠は後輩のお尻に手を振り下ろし続ける。
「そ、そんなこと言ったってっ!?ひいっ!ひゃあっ!痛ああっ!ひゃああっっ!!」
貴広は悲鳴を上げながら、両足をバタつかせる。
 パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「全く・・。貴広・・昨日、ちゃんと言ったはずだぞ?今日は大事な取引だから、遅刻するなって」
貴広のお尻を叩きながら、匠はお説教を始める。
パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「ひぃん・・!ごめんなさい・・!忘れてた・・わけじゃ・・ないんで・・・すぅぅ!!」
「なら、余計悪いだろう!!そんな悪い子は、こうだ!!」
匠はそう言うと、貴広のズボンを降ろしてしまう。
おかげで、貴広のお尻はボクサーパンツ一丁になってしまう。
 バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!
「うわっ!?ひっ!?匠せんぱぁいっ!?さっきより痛いんですけど~~!!??」
「お仕置きなんだから、痛いのは当たり前だろ?さっきまでのは序の口だ。これからドンドン行くからな!」
「そ・・そんな~~っっ!!ひっ!痛っ!?痛ああっ!!」
パンツの上からのさらに強烈な平手打ちに、貴広は背をのけ反らせる。
 バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!バシッ!
「俺が何とか取り繕ったから、何とかなったけどな、下手したら退職モノかもしれなかったんだぞ!?全く・・!!」
「ひぃん・・!ごめんなさぁい!?も・・もう・・しません・・からぁぁ!!」
「『もうしない』のは当然だろう。こういうのは最初が肝心だからな。仕上げと・・行こうか」
そういうと、匠はパンツに手をかける。
 「せ、先輩っ!?そ、それだけはっ!?は、恥ずかしいですぅぅぅ!!」
「恥ずかしいのもお仕置きのうちだ。身に沁みて、反省しろよ」
匠は非情にもそう宣告すると、パンツを降ろしてしまう。
おかげで、赤く染まった、貴広の裸のお尻がむき出しにされる。
 「いやぁぁぁ!?」
貴広は悲鳴と共に、両手で顔を覆う。
ちょっとかわいそうにも思ったが、ここで手を抜けば却ってよくない。
同じ過ちをしないように、しっかりと躾けなければいけない。
その考えと共に、匠は手を振り下ろす。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「ひいいっ!?ごめんなさいっ!ひいいーっ!ごめんなさいっ!?匠先輩っ!?やめてぇぇーーっ!!ひぃぃーーっっ!!ごめんなさーいっっ!!」
裸のお尻に容赦ない平手打ちが振り下ろされる中、必死に貴広は謝り続ける。
その後、長い間、貴広の悲鳴とお尻を叩く音が、部屋に響いていた・・・。


 「うぅぅう・・痛ぃぃ・・・・」
ソファの上でうつ伏せになった姿で、貴広は呟く。
真っ赤に腫れ上がったお尻は、冷たいタオルで冷やされている。
 「痛いよな?この痛み・・忘れるなよ?」
「忘れようったって、忘れられませんってばー!!」
「それでいいんだ。もう・・二度とやるなよ?さすがに俺だって、二度目はかばえないからな」
「うう・・。すみません・・。匠先輩に迷惑・・かけました・・・」
「わかってくれればいいんだ。尻の痛みが少し落ち着いたら、何か食いに行くか?」
「やったぁ!さすが匠先輩―!大好きです~~!!」
お尻の痛みも吹っ飛んだような笑顔の貴広に、匠は安堵の表情を浮かべていた。


 ―完―

少年憲兵2(女上官・女医/少年憲兵・痴漢描写あり)



(少年に対する痴漢描写があります。許容できる方のみご覧ください)


 まだ冬の最中のある日のこと・・・。


 ラッシュ時の満員電車。
すし詰め状態の電車の中に、オオガミの姿もあった。
オオガミは普段の憲兵姿ではなく、登校中の学生の姿をしている。
 (ううむ・・・!?さすがにコレは・・)
四方八方からの圧迫に、思わずオオガミは顔を顰める。
(学生やサラリーマンはいつもこんな思いをしているのか!?)
職業柄車を使うことが多いため、慣れない満員電車には苦労していた。
 (しかし・・これも任務だ!贅沢など・・!?)
オオガミが自身に言い聞かせていたそのときだった。
突然、オオガミはお尻に手の感触を覚える。
 (来たか!?)
待っていたものが来ていたことに、オオガミの緊張感は高まる。
オオガミがここにいるのは、痴漢の捜査。
ここ最近、通勤電車内で少年を狙う痴漢が出没していた。
その犯人を捕らえるため、オオガミが変装し、囮捜査をしているのである。
オオガミはそのままジッとしている。
やがて、手はオオガミのお尻を撫でまわし始める。
(な・・何て・・気持ち悪い!?)
お尻に感じる厭らしい感触に、オオガミは吐き気がこみ上げてきそうになる。
頭上から、痴漢の興奮した息遣いが聞こえ、それが嫌悪感をさらに強める。
(くそ・・早く・・ダメだ!?早すぎては・・!?)
痴漢行為の逃れようもない現場を押さえなくてはならない。
嫌悪感を必死に抑え、オオガミは痴漢の思うままになる。
やがて、調子に乗った痴漢は、オオガミの股間へと手を伸ばす。
そして、ズボンに手を突っ込んだ。
 (今だ!!)
オオガミは痴漢の手首を押さえ、同時に手錠をかけてしまう。
「憲兵だ!!痴漢の現行犯で逮捕する!!」
オオガミの言葉に痴漢はハッとする。
逃げようとするが、手錠でしっかりと両手を拘束され、さらにオオガミが急所を押さえているため、逃げられない。
やがて、電車が停車し、ドアが開くと、通報を受けて待ち構えていた憲兵隊が現れる。
 「待っていたぞ。ヒンデンブルク南分隊分隊長のユール・オオガミだ。痴漢の現行犯を逮捕した!ご苦労だが、あとはよろしく頼みたい」
憲兵手帳(いわゆる警察手帳)を見せて身分を証明し、オオガミは憲兵隊へと痴漢を引き渡し、電車を降りて行った。


 『少年憲兵お手柄!!痴漢を逮捕!!』
新聞の見出しを見ながら、ロッテンマイヤーは上機嫌な表情を浮かべる。
「痴漢を見事逮捕したそうだな。新聞にも出ているぞ」
「当然のことをしたまでです。新聞で騒がれるほどのことではありません」
上官の言葉に、敬礼しながら、オオガミは返事をする。
 「まぁ報告書は読ませてもらった。どうやらだいぶ余罪がありそうだな」
「はっ!目下取り調べ中です!今日もこれから私自ら調べる予定です!!」
「ほほぅ。熱心なことで感心だな。だが・・・その前に、コレを受けてきたまえ」
そういうと、ロッテンマイヤーはオオガミに何かの紙を渡す。
 「何です・・・!?」
紙には『インフルエンザ予防接種』と書かれている。
その文字を見るや、オオガミの表情が強ばる。
「ほ、ほほほほ本部長!?こ、ここここれは!?」
普段の冷静な様子などみじんも見られない、恐怖に満ちた表情で、オオガミは歯の根も合わない声で尋ねる。
「見ての通りだよ。インフルエンザの予防接種の予約を取っておいた。受けてきたまえ」
「で・・ですが・・取り調べも残っていますし・・・」
「それは部下に任せておけばよいだろう?オオガミ分隊長・・・。君のことが心配なのだよ。インフルエンザが心配な時期だからねぇ。まさか・・私の顔を潰すつもりかね?」
「い、いえ!そんなことは決してありません!!」
そう答えると同時に、オオガミは心の中で後悔する。
こんなことを言えば、受けないわけにはいかないからだ。
 「そう言ってくれると思っていたよ。では、言ってきたまえ。分隊には私の方から連絡しておくから安心しなさい」
「わ、わかりました。では、失礼いたします」
オオガミはすっかり気落ちした様子で、本部長室を後にする。
そんなオオガミの後ろ姿を、ロッテンマイヤーはニヤニヤ笑みを浮かべて見つめていた。


 それから30分ほど経った頃・・・。
市内のある小児科診療所。
患者やその親に交じって、オオガミの姿もあった。
憲兵の制服のままだからか、非常に目立っており、幼児の患者が思わず指を指したり、それを親がたしなめている。
だが、オオガミにはそれらの光景に気づく余裕など無かった。
 (マズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイマズイ!!!!)
オオガミは全身が熱病にでもかかったかのように震え、ダラダラと脂汗を流している。
(逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい逃げたい!!!!!!!!!!!)
オオガミは頭の中でそう叫んでいた。
(どうしてよりによって、予防接種などあるのだ!!!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!)
待合室の片隅で、ガチガチに固まった姿で、オオガミはそんなことを心の中で叫ぶ。
そう、オオガミは注射が大嫌いだった。
ずっと幼いころ、予防接種で恐ろしい思いをして以来、注射がトラウマになっているのである。
銃弾やナイフ相手には全く恐怖を感じないのに、注射針には、恐怖しか感じなかった。
 (しかし・・逃げるわけには・・!?)
健康管理も憲兵としての務めの一環。
上司の顔を潰すわけにもいかない。
恐怖と、憲兵としての立場やプライドとで、オオガミは板挟みになっていた。
 「オオガミさーん!ユール・オオガミさーん、診察室へどうぞー」
「あっ!?は、はいっ!!」
呼ばれたことに気づき、オオガミはハッとして立ち上がる。
ガチガチに固まった、まるで昔のロボットのようなぎこちない姿で、オオガミは診察室へと入っていった。
 「あら、あなたが今噂の少年憲兵さんね。可愛いわねぇ」
診察室に現れたオオガミに、女医は笑顔を浮かべて言う。
「本当、可愛いわぁ。可愛すぎて・・食べちゃいたいくらい・・なんてね」
冗談めかして言う女医だったが、オオガミは言葉を返す余裕も無い。
 「まぁ冗談はさておいて・・・。では、やりましょうか。さぁ、腕を出して」
言われた通り、オオガミは腕を差し出す。
だが、腕はまるで鉄棒と化したかのように、ガチガチに強ばってしまっている。
「あらあら~?だいぶ緊張気味ね~。それじゃあ・・・」
女医はニヤリと笑みを浮かべるなり、何とオオガミにキスをした。
 「なっ!?何を・・・!!!!」
思わずオオガミは驚く。
「緊張をほぐしただけよ。すっかり固いのも取れたようね」
「え?あ・・・!?」
オオガミは全身のこわばりが無くなっていることに気づく。
そんなオオガミを尻目に、女医はオオガミの腕の殺菌を済ませ、注射器を構える。
 「では、行くわよ~。ちょっとだけ我慢してね~」
そう言って、女医が注射をしようとしたそのときだった。
「や・・やはり無理だーーーーー!!!!」
叫ぶと同時に、オオガミは女医の手首を取る。
次の瞬間、オオガミは一本背負いの要領で、女医を投げ飛ばしてしまっていた。


 「全く・・!!君ともあろう者が・・・何をやっているのだね!?」
「も、申し訳ありません!!」
床に正座し、シュンと落ち込んだ姿で、オオガミは謝る。
あの後、当然ながら憲兵隊に通報となり、知らせを受けたロッテンマイヤーから叱られているところだった。
 「注射をしようとした医者を投げ飛ばすなど・・・。治安を守るべき憲兵が、一般市民に暴行など、何という振る舞いだ!?恥ずかしく無いのか!?」
「ほ・・本当に申し訳ありません!!責任は・・取ります・・!!」
「ふむ・・。良い覚悟だ。では・・・・こちらへきたまえ」
ロッテンマイヤーはそう言うと、オオガミをある部屋へと連れてゆく。
部屋の中では、女医が待っていた。
 「こ・・今回は本当に申し訳ありません!!」
オオガミは不機嫌な表情の女医に、必死に謝る。
「謝ればいいってものではないわよ?わかってるのかしら?少年憲兵さん?」
「わ・・わかっています!!責任は・・取ります・・!!私にできることなら・・何でもします!!」
「本当に・・何でもするのね?」
「は・・はい・・!!」
「そうねぇ・・。じゃあ・・『お尻ペンペン』でもさせてもらおうかしらねぇ」
「い・・今・・何と?」
オオガミは恐る恐る尋ねる。
 「あら?聞こえなかったのかしら?『お尻ペンペン』と言ったはずよ」
「そ・・そんな・・・!!??」
「あら?まさか憲兵が嘘を吐くのかしら?」
「いえ!そ、そんなことはありません!!」
墓穴を掘るのがわかっていても、オオガミはそう言ってしまう。
 「では・・それを証明してもらわないとねぇ」
「うう・・・」
オオガミが肩を落としたところに、さらに追い打ちをかけることをロッテンマイヤーが言いだす。
「女医殿、私も上司として、オオガミ分隊長に躾をせねばならん。どうだろう?二人一緒に、オオガミ分隊長に『お尻ペンペン』をしないかね?」
「ほ、本部長!?」
上司の言葉に、オオガミは慌てる。
 「何だね?まさか嫌なのかね?責任を取ると言ったのは、君ではないかね?」
「う・・・!?」
本部長の言葉に、オオガミは逃げ道を塞がれてしまう。
そんなオオガミを尻目に、ロッテンマイヤーと女医は話を纏め、二人で同時にお仕置きをすることを決める。
 「では・・オオガミ分隊長、こちらへ来なさい」
女性二人が互いに顔を合わせ、並んだ膝を指し示して、合図をする。
「うう・・・!?」
オオガミは恥ずかしさに顔を真っ赤にする。
だが、拒否することは出来ない。
羞恥に身を震わせながら、オオガミは二人の膝の上で、うつ伏せになる。
 「ふふふ・・・。恥ずかしいかね?」
「き、聞かないで・・下さい・・!!」
ロッテンマイヤーの問いに、オオガミは顔を赤くして答える。
 「そうよねぇ。恥ずかしいわよねぇ。でも、悪い子だったんだから、仕方ないわよねぇ。そうそう、せっかくだから、もっと恥ずかしい思いしてもらいましょう~」
女医はそういうと、オオガミの短パンを下着ごと降ろしてしまう。
「うわぁ!?ま、待って下さい!!」
お尻をあらわにされ、思わずオオガミは声を上げる。
 「恥ずかしいのもお仕置きのうちよ~。それにしても、可愛いお尻ね~」
女医はオオガミのお尻をニヤニヤ見つめながら、全体を万遍なく撫で回す。
「うわあっ!?いやああっ!やめ・・やめて下さいっっ!!!!」
お尻を撫でられ、オオガミは悲鳴を上げる。
「おほほ、可愛い声ねぇ。もっと聴いてたいけれど・・・。行くわよ。覚悟しなさい」
女医のその声と共に、二人の平手がゆっくりと振り上げられた。


 バッシィーンッ!バッシィーンッ!
「く・・・!!」
お尻の左右に同時に平手が叩きつけられる。
二倍の痛みに、思わずオオガミは声を漏らしてしまう。
 バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!
「・・・!・・・!・・・!・・・!」
二つの平手に、同時にお尻を叩かれる苦痛を、少年憲兵は必死に堪える。
 バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!
「全く・・オオガミ分隊長!君は何をしているのだね!!」
お尻を叩きながら、ロッテンマイヤーはお説教を始める。
 バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!バッシィーンッ!
「そうよ~。ひどいわよね~。いきなり投げ飛ばすなんてね~。怪我でもしたら、どうしてくれるつもりだったのかしらね~?」
ロッテンマイヤーと共に平手を叩きつけながら、女医も言葉でオオガミを攻める。
 「うう・・・!ほ、本当に申し訳ありません!!」
「謝ればいいってものじゃないわよ~?何でそんなことしたのかしら~?」
「そ・・それは・・」
オオガミは思わず口ごもる。
この年で注射が怖いなどと、あまりにも恥ずかしくて言えなかった。
 「おやおや?まさか言えないのかね。仕方ない。それではじっくりと取り調べなくてはいかんなぁ」
ロッテンマイヤーは意地悪気な笑みを浮かべると、女医と顔を合わせる。
女医も笑みを浮かべると、互いに合わせて、オオガミのお尻を連打し始めた。
 パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!
「うわあっ!あああっ!」
機銃掃射のように立て続けに振り下ろされる、二つの平手に、思わずオオガミは両足をバタつかせる。
「オオガミ分隊長、正直に話しなさい!」
「全く・・ちゃんと話も出来ないなんて・・悪い子ね!!それでも憲兵なのかしら?」
パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパン
二人の女性は、容赦なくオオガミのお尻を責め立てる。
 「うう・・!は、話しますっ!わ、私は・・ちゅ、注射嫌いなんですっっ!!!そ・・それで・・・!!ゆ、許してくださいっっ!!」
恥ずかしい事実を白状し、羞恥でオオガミは耳まで顔を赤くする。
 「あらあら~。そうだったの~。意外ね~。まぁそういうところが可愛いけれどね~」
オオガミの自白に、女医はニマニマした笑みを浮かべる。
「だからといって、人を投げ飛ばすのは理由にはならんな。立派な暴行罪だ。これは厳しくお仕置きしなくてはならんな」
「そうよねぇ。100叩きはしてあげないとね~」
本部長と女医はそんなことを言うと、再び手を振り下ろす。
パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパン
「あああーーっっ!!ゆ、許して下さいーーー!!」
オオガミは必死に許しを乞うが、二人が許すはずも無い。
パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッ!パンパンパン!
「悪い子っ!悪い子っ!悪い子っ!悪い子のお尻は真っ赤にしてあげるわ!!」
「オオガミ分隊長、恥ずかしく無いのかね?大人げない理由で人を投げ飛ばすなど!悪い子だ!悪い子だ!!」
「い、言わないで下さいーーーっっ!!ご、ごめんなさいーーー!!ごめんなさいー!!」
オオガミは羞恥と痛みで顔を真っ赤にし、目尻に涙を浮かべながら謝る。
その後、長い長い間、お尻を叩く音が響いていた・・・・。


 「うう・・・!?」
「ダメよ。もっとちゃんとお尻を上げなさい!」
真っ赤に染まったオオガミのお尻を軽く叩きながら、女医は命令する。
「くぅ・・!わ・・わかり・・ました・・!!」
オオガミは痛みに思わず涙ぐむと、四つん這いの体勢で、必死にお尻を上げる。
ようやくお尻叩きのお仕置きは終わったものの、叩かれたばかりのお尻に、予防注射をされることになったのである。
 「うう・・!!」
お尻に感じるアルコールの冷たさに、オオガミは思わずお尻を震わせる。
「あらあら~?そんなに怖いのかしら?」
「き・・聞かないで下さい!!お願いですから!!」
女医の質問に、オオガミは思わず言う。
 「図星なようね~。まぁいいわ。では・・・行くわよ~~」
陽気な声で言うと、女医はオオガミのお尻に、注射針を突き立てる。
「い・・・!!痛ぁぁぁぁああ!!!!!」
ただでされ、叩かれたお尻が痛いのだ。
そこへ注射など刺されれば、痛いなどというものではない。
「は、早く抜いて下さい!!!お願いですから!!!」
「ダメよ~。ゆっくり入れなきゃ効果無いんだから~」
女医はオオガミの反応を楽しむように、ワザとゆっくり薬を注入する。
その間、オオガミは注射の恐怖で、まるで熱病にでもかかったかのように震えている。
「は~い。終わったわよ~。ってあら?」
注射器を抜いた女医は、オオガミが恐怖で四つん這いになったまま、気絶していることに気づく。
 「あら~。怖くて気絶しちゃったのね~。そんなところが可愛いわ~~~」
「全く・・相変わらずのドSだなぁ。君は」
楽しそうな女医の口調に、ロッテンマイヤーは苦笑する。
実は二人は昔からの友人だった。
そのため、互いの性癖などもよく知っている。
 「あなたに言われたくないわよ~。あなただって、知っててこの憲兵さんを私のところに寄越したんでしょう?」
「まぁそれは認めるよ。おかげでまたオオガミ分隊長のお尻を叩けたからね。君のおかげだよ」
「ふふふ、あなたもドSねぇ。あなたも小児科医になればよかったのに。注射や手術を怖がる子供の姿は可愛いわよ~」
「私は医者は向かないよ。それに・・男の子なら誰でもよいわけではないさ」
ロッテンマイヤーはそういうと、気絶しているオオガミに、愛情と熱情の籠った視線を向ける。
「あ~。なるほどね~。でも・・・部下とはいえ、子供に手を出したらダメよ~」
「わかっているさ。では・・今日は失礼させてもらうよ」
気を失ったオオガミにちゃんとズボンを履かせ、抱き上げると、ロッテンマイヤーは診療所を後にした。


 ―完―

少年憲兵の災難(女上官/少年憲兵)



ヨーロッパ内陸部にある小さな王国ルートヴィヒ。
その国境沿いの都市ヒンデンブルク・・・。


 オフィスビルが立ち並ぶビル街。
その一角にあるエスニック系レストラン。
定休日の張り紙と共に閉まったシャッターの向こうには、突撃銃や手榴弾で武装し、顔を帽子とマスクで隠した男達が集まっていた。
彼らはこの国に潜伏しているテロ組織のメンバー。
市内の中心地でのテロ行為を企み、それを決行しようとしていた。
 「よし・・・。行くぞ!!」
リーダーの声と共に、テロリストたちが出発しようとした、そのときだった。
鈍い音が数回鳴り響いたかと思うや、ドアが乱暴に開く。
同時に催涙弾、その後を追うように、完全武装した特殊部隊が突入する。
 「くそ・・!?撃て!撃つんだ!?」
店内で激しい銃撃戦が始まる。
だが、催涙弾の効果で、テロリストたちはまともに行動できず、あっという間に取り押さえられてしまった。
 「おのれ・・・!!」
状況を察した過激派のリーダーは、護衛役の同志と共に、いち早く店から逃走する。
(このままでは・・済ませんぞ!!)
怒りを抑えながら、リーダーの男は、裏道を走ってゆく。
だが、目の前を走っていた護衛役が立ち止まり、銃を構える。
リーダーも、同様に銃を構え、暗がりの中に見える人影をジッと見つめる。
人影の正体は、13歳前後と思しき少年。
黒曜石を思わせる美しい黒髪と、ルビーのような見事な赤い瞳が印象的な、アイドルさながらの整った面立ちをしている。
茶色を基調にした軍帽と詰襟の軍服を纏っていることから、軍人であることが見てとれた。
ただ、少年だからか、ズボンはいわゆる短パンで、長靴と膝上丈のニーソックスを履いている。
左二の腕には腕章がついており、憲兵を意味するアルファベットが目立つ文字で書かれていた。
 「憲兵か・・・!?」
テロリスト達の表情に憎悪が現れる。
この国では、憲兵隊が警察としての役割を担っている。
その為、テロリスト達の捜査や逮捕も、主として憲兵の仕事となる。
その職務・立場ゆえ、テロリスト達にとって、不倶戴天の敵であった。
 「やはり逃走を図ったな。二人とも逮捕する。神妙にせよ!!」
少年らしい、高い整った声で、少年憲兵は命令する。
「ふざけるな小僧!!」
怒りの声と共に、テロリスト達は発砲する。
二人の銃撃を、少年憲兵は一旦横へ跳んでかわす。
着地と同時に、少年は思いきり路面を蹴った。
直後、少年は二人の傍まで踏み込んでいた。
 「「な・・・!?」」
銃口を向けようとした直後、少年の腰から流星のような閃光が迸る。
直後、切断された突撃銃の半分が路上に落ちる。
テロリスト達が驚く間もなく、リーダーの喉元に、日本刀の鋭い切っ先が突きつけられ、護衛役にはドイツ製の小型自動拳銃の銃口が向けられている。
 「まだ・・・抵抗をするか?」
刀と拳銃を両手にそれぞれ手にした少年憲兵の問いに、二人とも手を上げ、必死に首を横に振っていた。
 「これで・・全員だな?」
手錠をかけられ、連行されてゆくテロリスト達を見送りながら、少年憲兵は、敬礼をしている憲兵に尋ねる。
「はっ!これで全員です!死亡者を除けばですが!オオガミ分隊長!」
質問された憲兵は、敬礼のまま、少年憲兵に答える。
 「オオガミ・・・!ヤツが・・!?」
「まさか・・こんな小僧だったとは・・・・」
連行されるテロリスト達はそんなことを呟く。
ユール・オオガミ、それが少年憲兵の名である。
少年でありながら、憲兵分隊の隊長(いわゆる警察署長)として、ヒンデンブルクの治安を預かっている。
彼に摘発され、刑務所送りになった者達も少なくない。
車へ押し込まれるまでの短い間、テロリスト達は恐怖と憎悪の籠った目でオオガミの姿を見つめる。
そんな視線を無視しつつ、オオガミは部下達と共に、現場検証を行っていた。


 数日後・・・ヒンデンブルク市中心地にある、市憲兵隊本部(いわゆる市警本部)に、オオガミの姿があった。
「報告書は読ませてもらった。オオガミ分隊長、よくやってくれた」
「いえ、当然のことをしたまでです」
オオガミは敬礼の体勢で、目の前の人物に返答する。
執務机を挟んで、オオガミと対峙しているのは、憲兵の制服に身を包んだ女性。
市警本部長にあたる憲兵隊本部長、アーデルハイド・ロッテンマイヤーであった。
眼鏡のよく似合う知的な、だが同時に俊敏でしなやかと強さを兼ね合わせた、猫科の猛獣を思わせる雰囲気を纏っている。
 「君を分隊長に起用した甲斐があった。市内の分隊の中でも、君のところが一番成果を上げている。これからも・・期待しているぞ」
「は・・!!光栄です!!」
本部長の言葉に、思わずオオガミは頬を紅潮させる。
 「さてと・・・。分隊に戻るまでに、時間はあるのだろう?せっかくだから、帰る前にコーヒーでも飲んでいきたまえ」
「そ・・そんな・・!本部長に手ずからなどと・・!!」
「構わないよ。テロリスト逮捕という実績に対するささやかな褒美だ。私の顔を潰すつもりか?」
「そ・・そのようなことは!?も、申し訳ありません!!」
困ったような顔を浮かべ、オオガミは謝る。
「で・・では・・一杯だけ・・・」
自分を高く買ってくれている人物ゆえ、オオガミは恐縮しながら、コーヒーを受け取る。
緊張した状態でコーヒーを飲んでいるため、ロッテンマイヤーがほくそ笑むような表情を浮かべたことに気づかなかった。
 「お味はどうかね?」
「す・・すみません!き、緊張してぜ、全然わ、わかりません!?」
「ハハハ、そういうところも、らしいな。おや?どうしたのかね?」
「す・・すみません・・!な・・何・・あれ?」
猛烈な睡魔に襲われたかと思うと、オオガミはソファから滑り落ちる。
ロッテンマイヤーが何やら呼びかけてように聞こえたが、睡魔に意識を断ち切られた・・・。


 「オオガミ分隊長・・オオガミ分隊長・・!!」
自分に呼びかける声に、オオガミはようやく目を覚ます。
目覚めると同時に、ロッテンマイヤーの顔が飛び込んできた。
 「す、すみません!急に・・寝てしまうなど・・!?」
慌てて身体を起こし、オオガミは謝る。
「それは構わないわ。職務に励んでいるということだから。とはいえ・・健康管理をきちんとしているのかね?」
「す・・すみません!!」
オオガミは恐縮する。
 「責めているワケではないよ。だが・・・少々困ったことが出来てしまったわ・・」
「ど、どういうことですか?」
オオガミは恐る恐る尋ねる。
「ふむ・・。実は、君が倒れた時にコーヒーがこぼれてねぇ。その結果・・・」
ロッテンマイヤーは書類を見せる。
重要書類の印がついたソレは、コーヒーの染みで汚れてしまっていた。
 「ま・・まさか・・!?」
「うむ。そのまさかだよ。重要な書類なのだが・・」
「ほ、本当に申し訳ありません!!」
まさに平身低頭といった様子で、オオガミは謝る。
 「オオガミ分隊長・・謝ればよい、というものではないのだよ?」
「わ・・わかっています・・!!責任は・・ちゃんと・・取ります・・!!」
「その言葉・・嘘では無いね?」
「は・・はい・・!私に出来ることでしたら・・!!」
「ふぅむ・・。実によい態度だ・・。では・・どうしたものか・・・」
ロッテンマイヤーは考え込む素振りを見せる。
上司のそんな様子を、オオガミはおずおずと見ている。
 「おお・・!イイ考えが浮かんだぞ。『お尻ペンペン』にしよう」
「本部長・・。今、何と・・?」
オオガミは聞き間違いと思って、尋ねる。
「ん?聞こえなかったかな?『お尻ペンペン』と言ったのだが」
「そ・・そんな・・そんな・・・」
「んん~?まさか嫌だというのかね?」
「本部長・・わ、私は・・そんな・・子供じゃ・・」
「年齢的には立派な子供だろう?責任を取ると言ったのは君だろう?自分の言葉を覆すのか?それでは本当に子供だぞ?」
「う・・・!?」
上司の言葉に、オオガミはぐうの音も出なくなる。
 「わ、わかりました・・!私の・・不始末です・・!罰は・・ちゃんと受けます・・!!」
羞恥に顔を赤らめつつ、オオガミは答える。
「さすがだな。素直でよろしい。では・・私の膝に来なさい」
ロッテンマイヤーは膝を軽く叩いて、オオガミに合図をする。
「うう・・!!」
オオガミは再び羞恥に顔を赤くするが、拒否は出来ない。
おずおずと上司のもとへゆき、言われた通り、膝にうつ伏せになる。
だが、覚悟を決めても恥ずかしいのだろう、ブルブルと身を震わせる。
 「おやおや?恥ずかしいのかな?」
オオガミの態度に、どこか楽しんでいる口調で、ロッテンマイヤーは尋ねる。
「と・・当然です・・!こんな・・幼児でもないのに・・!?ってうわあっ!?ほ、本部長っ!?」
突然ズボンを降ろされてしまい、オオガミは思わず声を上げる。
 「何を驚いているのかね?お尻ペンペンといったら、裸のお尻にするものだよ?」
「そんな・・!せめて・・下着だけでも・・!お願いです・・!!」
オオガミは必死に懇願する。
年頃の少年にとって、お尻を叩かれるだけでも恥ずかしいのだ。
そのうえ、お尻を丸出しにされてしまう。
「ダメだよ。恥ずかしいのも罰のうちだ。しっかりと反省しなさい」
そういうと、ロッテンマイヤーは手を振り上げた。


 バッシィィィーーーンンンッッッ!!
「!!!!」
力強い音と共に、オオガミのお尻にビリビリとした痛みが走る。
 パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「・・・!・・・!・・・!・・・!」
(ほ・・本当に・・お尻を・・叩かれてるのか・・!?)
お尻を襲う絶え間ない痛みが、その事実を否応なしにオオガミに突きつける。
 パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「全く・・。困ったことをしてくれたねぇ・・・オオガミ分隊長・・・」
お尻を叩きながら、本部長はお説教を始める。
 パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「眠気のせいとはいえ・・・コーヒーを零して、重要書類を台無しにしてしまうとは・・・。そのために・・・任務に支障が出てしまったら、どうするつもりだね?」
「も・・申し訳ありません・・・!!」
オオガミは恐縮して謝る。
 パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「謝ればよい、というものではないのだよ?たった一枚の書類が決裁されないために、全ての業務が滞ってしまう可能性もあるのだよ?わかっているのかね?」
お尻を叩きながら、ロッテンマイヤーはさらにお説教を続ける。
 「うう・・!本当に・・申し訳ありません・・・!!許して・・下さい・・・!!」
「そうはいかないな。二度とこのようなミスを許すわけにはいかないのでね。まだまだ、お仕置きはこれからだよ」
パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
オオガミの小ぶりなお尻に、ロッテンマイヤーの平手がさらに叩きつけられる。
 パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「・・・ぅ・・ぁ・・・く・・・ぁ・・・う・・ぁあ・・・・」
叩かれているうちに、辛くなってきたのだろう、オオガミの口から苦痛の声が漏れ始める。
 パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「全く・・皆に迷惑をかけて・・。悪い子だ!悪い子だ!悪い子だ!!」
幼児を叱るような口調で、ロッテンマイヤーはオオガミのお尻を叩き続ける。
 パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!パアンッ!
「うっ・・!ああーっ!申し訳ありません・・!!許して・・下さいーっっ!!」
「悪い子だ!悪い子だ!悪い子だっ!!」
許しを乞うオオガミに、ロッテンマイヤーは容赦なく平手打ちを振り下ろし続ける。
しばらくの間、オオガミの声とお尻を叩く音が響き渡っていたが、一旦、お尻を叩く手が止まる。
 「ハァ・・ハァ・・・ハァァ・・・」
平手打ちの嵐がやみ、オオガミは一息つくかのように、肩を上下させ、荒い息を吐く。
少年らしい、小ぶりで形の良いお尻は、すっかり熟れ切ったトマトのように赤くなり、痛々しい姿を晒している。
 「本当に・・・申し訳ありません!!ご迷惑を・・おかけしてしまいました・・!!許して・・下さい・・!!うう・・・!!」
オオガミは必死に謝り、許しを乞う。
「オオガミ分隊長・・反省しているかね?」
「しています・・!!重要書類を汚してしまい・・ご迷惑をおかけして・・申し訳ありませんでした・・・!!」
「なるほど・・・。反省しているようだな。では・・・・」
オオガミは許してもらえるのか、と安堵しかける。
そんな少年憲兵に、ロッテンマイヤーは非情な宣告を下す。
「仕上げのお仕置きだ。あと100回お尻を叩く。一回ごとに数を数え、『ごめんなさい』と言いなさい」
「そ・・そんな・・・!?」
「ん?まさか反省していないのか?では、最初からやり直しだな」
「い・・いえ!!わ、わかりました!!ちゃ、ちゃんと・・やります!!ですから・・!!」
「いい子だ。では・・行くぞ」
密かに楽しそうな笑みを浮かべ、ロッテンマイヤーは、オオガミの真っ赤なお尻目がけ、手を振り下ろす。
 バッシィーンッッ!
「ううっ!1・・ごめん・・なさい・・!!」
バッシィーンッッ!
「くああ!!2・・ごめん・・なさい・・・」
「声が小さいぞ?もっとはっきり言いなさい」
ロッテンマイヤーはお尻を叩きながら、オオガミにそう命令する。
バッシィーンッッ!
「あっくぅ・・!3・・ごめん・・なさい・・!!」
一発一発お尻を叩く音と共に、オオガミの数を数える声と『ごめんなさい』が執務室に響き渡る。
宣告通り、100を数えるまで、音と声は途切れることは無かった・・・。


 「う・・くぅ・・!?」
ようやく膝の上から降りることを許されたオオガミは、火事のような熱さと剣山でも押し付けられているかのような苦痛を必死に堪えて、短パンを履く。
「二度と・・・するのではないよ?」
「はい・・!不始末をしでかして・・申し訳・・・ありませんでした・・!!」
泣きそうになるのを必死に堪え、オオガミは謝る。
「すみません・・・。分隊に戻らねばなりませんので・・失礼します・・」
お尻をさすりたくなるのを我慢しながら、オオガミは出てゆこうとする。
 「オオガミ分隊長、忘れものだよ」
「は?何で・・」
思わずオオガミが振り返るや、ロッテンマイヤーはオオガミの唇にキスをする。
「な、なななななな!!!???はわ!?あわわわわーーーーっっっ!!!」
突然のことに動揺し、オオガミは矢玉のように飛び出してしまう。
 「ふふふ。子供にはさすがに刺激が強すぎたかな。しかし・・やっぱり可愛いなぁ。眠り薬を入れた甲斐があったわ」
ロッテンマイヤーは笑みを浮かべて呟く。
全てはロッテンマイヤーの策であった。
眠り薬を入れたコーヒーで眠らせ、そのコーヒーを重要書類にかけ、オオガミがミスをしたように思わせたのだ。
「本当に・・可愛い子だこと。可愛すぎて・・お尻叩いて・・泣かせたいくらい・・・」
ロッテンマイヤーはそんなことまで言う。
彼女にとって、お尻を叩くのは愛情表現だった。
 「オオガミ分隊長・・・。またいつか・・可愛がってあげるわ。私の膝の上でね」
密かに撮っておいたオオガミの写真を見つめながら、ロッテンマイヤーは愛情の籠った、同時に邪悪な笑みを浮かべていた・・。


 ―完―

少年少将の最後(女神/軍服ショタ)



(この作品はあくまでもフィクションであり、実在の国家・民族・組織とは一切関係ありません。また暴力的な描写も見られます。許容できる方のみご覧ください)


 広大な原野を南北に切り分けるように滔々と流れる、血のように真っ赤な大河と、その北側に広がる大森林。
その森林を睨みつけるように、その要塞は河岸に聳え立っている。
要塞の正門には『鉄血河関 =関北軍第一駐屯地=』と大きな文字で描かれている。
鉄血河(てっけつが)とは、要塞の目の前を流れる大河のこと。
血のように赤く、また良質の砂鉄が採れるため、その名がついた、と言われている。
この大河の向こうに広がる広大な森林地帯への征服及び植民地化の為に築かれたのが鉄血河関である。
そして、この要塞を築いたのが、関北軍(かんほくぐん)である。
 関北軍は東方の島国『日輪国(にちりんこく)』が、大陸に広がる広大な関北(かんほく)の地を我が物にする為に設立し、駐屯させている軍隊である。
なお、もともとこの地は関北(かんほく)と呼ばれている。
鉄血河関は、太古の昔から、この地を支配した歴代の大陸王朝によって設置され、関所の北を意味する関北の名でこの土地が呼ばれてきたからである。
それにならって、日輪国の駐屯軍も関北軍と名乗っていた。
関北軍は十数年前の戦争によって、元々の関の持ち主であった大陸の王朝国家から、この要塞並びに周囲の土地の支配権を得ている。
それらを足掛かりに、この地の征服・植民地化を目指していた。
閲兵や訓練の為に設けられた要塞内の広場。
そこに、河関の主がちょうど姿を現していた。
 関の主は、15歳前後の少年。
少年は黒曜石のような見事な艶の黒髪とルビーを思わせる大きな赤い瞳の持ち主。
少年らしいあどけない、しかし同時に峻厳さや冷徹さ、そして高貴さを思わせる、美しい面立ちをしている。
ほっそりとして、しかし適度に肉の付いた健康的な少年らしい身体を、茶色をベースにした軍帽・詰襟の丈の短めの軍服・同色の短パン、膝上丈の白いハイソックス、白い軍用手袋、黒の軍靴に包んでいる。
軍帽や詰襟には、将官クラスであることを示す日輪の階級章がついていた。
彼こそ、この鉄血河関とその管轄下の地域を支配する、サカガミ少将であった。
 サカガミは戦場用の簡素な折り畳み椅子に座ったまま、ジッと虜囚達をジッと見下ろしている。
虜囚たちはいずれも地面に正座させられ、鉄鎖と鉄枷でしっかりと拘束されている。
彼らは姿は人間によく似ているが、赤銅色の肌に、大きさや数に個人差はあるものの、頭には角が生えている。
彼らは鬼人(きじん)と呼ばれる、関北の先住種族。
様々な部族に分かれ、部族ごとに遊牧や牧畜などの生活を送っている。
王朝国家の時代以来、人間による抑圧や侵略を受けてきたため、人間に対する反乱やテロをよく起こしていた。
今、サカガミの目の前に引き出されている彼らも、鉄血河関支配下の都市でテロを起こしたとして、捕えられた者達である。
 「蛮夷(ばんい)共・・・言い残すことは無いのか?」
サカガミの問いに、捕えられた鬼人達はジロリと目だけ見上げる。
その目には憎しみと怨みが込められていた。
「無い様だな・・・。では・・刑を執行せよ」
サカガミは静かに片手を上げて振る。
そのしぐさと共に、三脚に据えられた機関銃が火を噴く。
あっという間に、囚人達はなぎ倒されてゆく。
銃声が止まったときには、全員、地面に倒れ、あたりには血だまりが出来ていた。
 「首だけ斬り落とし、門前に晒しておくのだ。残った死体はカラスにでもくれてやるがいい」
少年のものとは思えない、冷徹な声で言うと、サカガミは奥の執務室へと引き上げていった。


 数日後・・・・・。
河の向こう側にある鬼人たちの村落。
村は轟轟と炎が燃え盛り、悲鳴や泣き声が響き渡っている。
 「一人も生かすな!!蛮夷は滅さねばならぬ!!」
サカガミは大きな声で兵士たちに命令を下す。
鬼人の村人達は、ある者は必死に抵抗し、ある者は子供や老人を連れて逃げようとする。
だが、人間側は機関銃や小銃で容赦なくなぎ倒してゆく。
少将自身も、対鬼人用の大口径拳銃と、戦場用の頑健な軍刀で、村人達をなぎ倒してゆく。
やがて、サカガミは村の奥にある、集会所のような、藁葺の大きな建物に踏み込んだ。
 建物の中では、眼鏡をかけた老人の鬼人が、分厚い年代物の書物をジッと読んでいる。
「誰じゃ・・・?む?そなた・・・人間か?」
「見ればわかるだろう?鬼人というのは、理解力が乏しいのか?」
老人に対するものとは思えない態度で、サカガミは言う。
 「無礼な上に・・罪深いな。罪も無き者たちの命を奪いおったか」
軍刀と軍服についた鬼人の血を見ながら、咎めるように老人は言う。
「国に仇なす蛮夷を打ち取っただけだ!貴様も覚悟しろ!!」
「蛮夷か・・・。そなたらから見ればそうかもしれんの・・。だが・・一つ忠告しておこう。これ以上罪を重ねれば、そなた、死より辛き目に遭うことになるぞ」
「黙れ!蛮夷風情が説教するか!!貴様も仲間たちのところへ行くがよい!!」
サカガミは横なぎに軍刀を一閃する。
直後、老鬼人の喉が切り裂かれ、そのまま老いた鬼人は息絶えた。
 一時間後・・・。
要塞に帰る途中の道筋にある、人間の村にサカガミとその軍勢の姿があった。
「ふぅ・・・・」
サカガミは一息つくと、そのまま高級椅子に腰を降ろす。
着替える暇もなかったため、血も服についたまま。
おかげで椅子にはベットリ血が付いてしまっているが、そんなことに頓着するサカガミでは無い。
 「焼き払った村ですが、何人か逃げのびた者がいる様子です」
「ならば村々に触れを出し、密偵にも探させろ。一人も逃がしてはならぬ!!」
サカガミの厳命と共に、兵士は急いで出てゆく。
「悪運の強い蛮夷共め・・!ん・・?」
サカガミは外の様子が騒がしいことに気づき、外へ出てみる。
すると、鬼人達の住む森林から、太鼓の激しい音が響いてくるではないか。
 「何だ!?あの音は!?」
思わずサカガミは村人に尋ねる。
「鬼人達の太鼓でございます」
「それはわかっている!?貴様ら、何を怯えている?何を知っている?」
村人達の尋常でない、恐怖に満ちた顔色に気づいたサカガミは村人を問い詰める。
 「あ・・あれは・・彼らの聖者が殺されたことを嘆き、その復讐を彼らの神々に訴える太鼓の響きでございます。この太鼓がなった後、その犯人には恐ろしい呪いが下るのでございます!!」
「馬鹿馬鹿しい!!おとぎ話でもあるまいし!!私に呪いが下るというか!?」
「閣下!?まさかあなた様が犯人でございますか!?」
村人の言葉に、サカガミは露骨に不快感をあらわにする。
 「私は犯罪者ではない!!国家の為、蛮夷共を討っただけだ!その中に妙な年寄りがいただけだ!!貴様ら!文明国の民が愚かなことを言うのではない!!そんな迷信に惑わされるとは!!ん!?な・・・!?」
突然、サカガミに向かって、光の柱が降り注ぐ。
光が消えたときには、サカガミは消えてしまっていた。
 「閣下!?閣下が消えた!?」
「あああ!!呪いが!?呪いが降りかかってしまったんだーーー!!」


 ドスンッッ!!
「ぐうう・・・!!」
思いきりお尻から固い石の床に落ちてしまい、思わずサカガミは苦痛で顔を歪める。
 「く・・!?何なのだ・・ここは・・!?」
片手でお尻を擦りながら、血染めの軍刀を構え、サカガミは油断なく周囲を見回す。
四方の壁には、様々な拷問を受ける罪人や、人ならざる獄卒の姿が描かれている。
また、法廷や裁判官らしいものも描かれていた。
 「ここは裁きの場じゃ。お主らが鬼人や蛮夷と呼ぶ者達のな」
不意に聞こえてきた声に、思わずサカガミは振り返る。
「貴様は・・・!?」
声の主を見るなり、サカガミの表情が怒りに歪む。
そこにいたのは、自分が斬り捨てた筈の老鬼人がいたからだ。
ご丁寧に、喉は切り裂かれたままで血が流れている。
 「もう一度成敗してやる!!」
サカガミは拳銃を発砲する。
だが、老鬼人の身体を銃弾はすり抜けてゆく。
「無駄じゃ。儂はもう死んでおる」
「おのれっ!!」
弾が切れたため、今度は血染めの軍刀で斬りつける。
だが、全く手ごたえがない。
「ええい!?何のトリックだ!?けだものめ!?」
怒りに駆られ、サカガミが軍刀を振り上げたそのときだった。
 「やめよ!人間の少年!それ以上・・我の領域で狼藉は許さぬ!!」
突然、威厳のある声が響き渡る。
同時に、サカガミは金縛りで動けなくなってしまう。
かろうじてサカガミは声のした方を振り向く。
すると、いつの間にか30代くらいの女性が立っていた。
 女性は世界中を探しても見つけられないだろうという美しい面立ちに、どんな王族でも叶いそうにない威厳や神々しさを纏っている。
額に生えた角がなければ、人間と見まがう容貌をしていた。
 「誰だ・・・!?貴様は!?」
「我らの子・・また我らを知る人間たちはドゥルガ、と呼ぶ」
「ドゥルガだと?ふざけるな!!」
サカガミは憤慨する。
ドゥルガとは、鬼人達の神話に登場する女神の名だった。
 「蛮夷のとはいえ・・神の名を騙るとは・・。化けの皮を剥いでくれるっっ!!」
女性を詐欺師と決めつけ、サカガミは心臓目がけ、真っ向から突きかかる。
サカガミにとって、鬼人は邪悪な存在。
女であろうが、殺すつもりだった。
 軍刀が深々とドゥルガの胸に突き刺さる。
だが、直後、刀はあっという間に錆びて崩れてしまった。
「何と・・・!?」
サカガミは手首を締め付けるものすごい力を感じる。
いつの間にか、ドゥルガに手首を掴まれてしまっていた。
 「離せ・・!!蛮夷め!?」
「人間よ・・。そなたには、罪なき者どもを傷つけ、殺生したその罪・・贖わせてやろうぞ」
ドゥルガはそういうと、いつの間にか現れた椅子に腰かけ、同時にサカガミを膝の上に乗せてしまう。
 「何をする!?けだもの!?やめろ!?やめぬか!?」
下着ごと短パンを降ろされ、サカガミは慌てる。
あっという間に少年らしい、形の整った、弾力のある、綺麗なお尻が姿を現した。
 「ほほぅ。恥ずかしいか?人間よ?」
「と・・当然だ!?このような恥辱・・!絶対に許さん!!」
サカガミは怒りの籠った目で睨みつける。
「お主達がしたことに比べれば、まだ軽いであろうがのう。まぁよい。我が民の恨み・・思い知るがよい」
そういうと、ドゥルガは手を振りかぶった。


 バッシィィィ~~~~ンンンンッッッッッ!!!!
「・・・・!!!!!!!」
この世のものとは思えない、強烈すぎる衝撃に、思わずサカガミは声にならない声を上げてしまう。
 (馬鹿者!?誇り高き関北軍の司令官が、蛮夷の女に尻を叩かれて泣き叫ぶつもりか!?)
サカガミは自分自身を叱咤し、声を漏らすまいとする。
 バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!
まるで鉄の棒で殴りつけられているかのような、そんな衝撃がサカガミのお尻を襲う。
「くぅ・・!うく・・!あぅ・・!あぅぅ・・!あく・・!くぅ・・!あぅあ・・!」
あまりの苦痛に、サカガミは声を漏らしてしまう。
だが、それでも必死に耐える。
 バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!バシィーンッ!
「ほほぅ?幼いといえどさすがに軍人じゃ。よく耐えておる。えらいのぉ、人間よ」
「馬鹿に・・く・・!するな・・!蛮夷の女・・いや、メス風情に屈する・・私・・では・・ない・・・!!」
「あくまでも我らをケダモノと見下すか?我らとて血も涙も流す。心もある。愛するものを失えば悲しむ。その犯人を憎む。姿は違っても、心はお主ら人間と変わらぬぞ?」
ドゥルガはサカガミに諭すように言う。
 「うるさい!蛮夷!いや・・ケダモノ!お前たちなど・・言葉をしゃべる獣ではないか!!獣風情が・・人に説教をするつもりか!?」
「お主・・本気でそのようなことを言っておるのか?」
「だったらどうだというのだ!?我が国にはお前たちは不要!害虫にしかすぎぬ!お前たちを駆除したのは、国家にとって、それが良いことだからだ!!」
「つまり・・我の子らを殺したことを反省しておらぬのだな?」
「何故反省などせねばならぬ!!貴様らと禽獣とて、家畜や畑を荒らす害獣を駆除するだろう!?」
「なるほど・・。我の子らは害獣か・・。よく・・わかった・・」
ドゥルガは覚悟を決めた表情を浮かべる。
 確かにサカガミは彼女の民である鬼人達を大勢殺した。
だが、彼はまだ子供だ。
少しでも反省の色が見られるのならば、一か月ほどお尻を叩いてから、帰してやるつもりだった。
しかし、残念ながら、彼は全く反省していない。
そんな彼を許すことなど出来なかった。
 「ならば人間よ。我もそなたを永遠に許さぬ。我の子らをケダモノと侮り、謂れのない悪逆を成したその罪、そなた自身の身で贖ってもらおう」
直後、ドゥルガの表情が恐ろしい、まさに鬼と呼ぶにふさわしいものに変わる。
同時に、ドゥルガの手がメラメラと燃える青い炎に包まれた。
その青い炎が燃え盛る手を、サカガミのお尻目がけ、思いきり叩きつけた。
 バァァァァァァァァンンンンンン!!!
「うわあああああああ!!!!!熱いぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
打撃と炎の熱のダブル攻撃に、サカガミは絶叫し、背をのけ反らせる。
 バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「く・・!やめろ・・!やめぬか!この・・ケダモノッ!やめぬか!?」
青い炎を纏った手で叩くドゥルガに、サカガミは命令口調で抗議する。
 バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「誰がやめるものか!?命乞いする者どもまで、無残に殺しおった悪童めが!!ほれ!こうじゃ!こうじゃ!こうじゃ!!」
怒りを込めて、ドゥルガはサカガミのお尻を叩く。
サカガミのお尻は打撃と熱で、赤どころでは無い色へと染まってゆく。
 バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「く・・!やめ・・ううっ!痛・・!熱・・!くうっ!やめ・・ああく・・!あっう・・!やめ・・うわぁ・・!うわあっ!あああっっ!!」
もはや耐えられるレベルではない。
サカガミは悲鳴を上げ、子供のように手足をバタつかせる。
 バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「痛いか!?熱いか!?苦しいか!?だが・・これが貴様のしたことじゃ!!」
「くそ・・!ケダモノめ!さっさと殺すがいい!!」
「馬鹿者!死んで許されるほど貴様の罪は軽くない!!貴様は永遠に死ねぬ!ほれ!見回りを見てみよ!!」
一旦お尻を叩く手を止めて、ドゥルガはサカガミの頭を無理矢理上げさせる。
すると、いつの間にか周囲に客席が出来ており、菓子を食べながら、お仕置きを見物している鬼人達の姿があった。
 「な・・何だコレは!?」
「見ての通りじゃ。お前の仕置きを見物しておる。皆、お前とその部下に殺された者達じゃ」
サカガミは観客らを見つめる。
確かにいずれも、身体から血を流していたり、斬られた首を自分の手で抱えていたりする。
サカガミ自身が手にかけた者達の顔もいくつか混じっていた。
 「まさか・・!?そんな・・・!?」
サカガミは身を震わせる。
自分が手にかけた者達に、幼児のようにお尻を叩かれて泣き叫ぶ無様な姿を見物される。
それこそ地獄であった。
「そうじゃ。お前は自らの仕置きを我が民に見られるのじゃ。じゃが、仕方ないのう。それだけのことをしたのじゃ。いや・・それだけではない。お前の仕置きは夢を通じて、お主らが関北と呼ぶこの地方全体に見られるのじゃ。我が民を傷つけた者がどうなるか、知らしめる為にな」
「い・・いやだ!!」
思わずサカガミは逃げようとする。
だが、すぐに押さえつけられてしまう。
 「どこへ行く?仕置きはまだ始まったばかりじゃ。この世の終わりの日まで・・ゆっくり叩いてやろう」
恐ろしい笑顔で宣告すると、再び女神は手を振り上げた。
バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!バシンッ!
「や・・やめっ!うわあああーーーー!!ご、ごめんなさーーーいいいっっ!!!!」
ようやくサカガミは女神に謝る。
「遅すぎたの。お主が出来る償いは、こうして我に尻を叩かれることだけじゃ」
女神は冷ややかな声で宣告すると、容赦なくお尻を叩く。
「そんなぁぁぁ!許してぇぇぇぇぇ!!!ごめんなさぁぁぁぁいいいいい!!!」
その後、お尻を叩く音と共に、サカガミの悲鳴が響き渡った。


 それからしばらくして、関北各地に奇妙な神像が建立されるようになった。
その神像は怒りの形相の鬼人の女神が、軍服の少年を膝に乗せ、お尻を叩いている姿のもの。
何でも関北各地で神像とたがわぬ光景を夢に見る人が続出し、夢の中でその光景を像として建立するようお告げを受けたという。
なお、関北軍は像の建立を禁止しようとしたが、実施しようとすると、必ず関係者に不幸が起こるため、苦々しく思いながらも、建立をやめさせることは出来なかった。
また軍や本国の方針も変わり、鬼人達と友好関係を築く方向へと変更されたため、鬼人達の感情を損ねないよう、像の建立は黙認されるようになった。
こうして、かつて鬼人達を虐殺した少年少将は、その恥ずかしい姿を神像として皆に見せ、悪いことをしたらどうなるか、を現地の子供に教える役割を果たしている。
そして、噂によれば、少年は未だに許してもらえず、数十年経過した今の時代も、女神の膝の上でお尻を叩かれているらしい・・・・。


 ―完―

プロフィール

山田主水

Author:山田主水
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