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ミハエル神父の日常(『マルコ神父』より、BL)



(『マルコ神父』のミハエル神父を主役にしたスピンオフ作品です。BLありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「さよなら~、ミハエル神父様~」
「さよなら、気をつけて帰ってね~~」
夕日の下で、家路へと向かう子供達に、ミハエル神父は手を振りながら、そういう。
 「皆楽しそうに帰ってくれたよね~。よかった~」
帰ってゆく子供達の様子を振り返りながら、ミハエル神父は安堵の表情を浮かべる。
人懐っこい性格のミハエル神父にとって、子供と遊んだりするのはとても楽しいし面白い。
ミハエル神父のそういう気持ちのせいか、近所の子供達もよく教会に遊びに来てくれる。
今日もそうで、幸い仕事が忙しくなかったため、子供達と遊んでいたのである。
 (マルコ神父と同じ職場だったら、こうはいかなかったよね~。あの人、優秀だけど凄くお固いし)
以前、研修で世話になった教会で顔を合わせた、マルコ神父の顔を思い浮かべながら、ミハエル神父はそう思う。
よく言えば真面目、悪く言えば堅物で融通が利かないマルコ神父の性格だと、教会を子供達の遊び場になど、とんでも無いと言うかもしれない。
そんな風に思うからだ。
(まぁネド神父はよかったけどね~。話分かりそうだし・・それに・・男らしい感じで、すごく僕の好みだったよね~)
ネド神父のことを思い浮かべ、ミハエル神父はニヤけてしまいそうになる。
同性にそういう感情を抱くミハエル神父にとって、ネド神父は理想のタイプな人物だった。
 (ネド神父も男好きだから、ウマく行くと思ったのにな~。失敗したよね~)
ネド神父に相手がいるのかマルコ神父に確かめた際、マルコ神父に自分の感情に気づかせてしまい、藪蛇をやってしまったことを思い出し、少し悔しそうに表情を浮かべる。
 (まぁもういいけどさ。ネド神父もマルコ神父の事好きみたいだから、幸せになってほしいし。でも・・惜しかったな~~。ネド神父に抱かれてみたかったな~~)
ネド神父の男らしい雰囲気や姿を思い返し、ミハエル神父はそんなことを考える。
 (あ・・何か・・したくなって来ちゃった・・・)
ミハエル神父は下半身が熱くなってきたのを感じる。
どうやら、想像が性欲に訴えかけたらしい。
 (ううん・・!!我慢出来ない・・!!そうだ・・!!)
ミハエル神父は何かを思い立った表情を浮かべると、携帯を取り出し、どこかへ電話をかけ始めた。


 それから少し経った頃・・・。
「へいっ!お待ちっ!!」
威勢のいい声と共に、男はカウンターの向こうの客に寿司の盛り合わせを差し出す。
男は日本のヤクザ映画で主役として出てきそうな、男らしい野性味と精悍さに満ちた、なおかつ整った、いかにもミハエル神父好みの面立ちをしている。
板前の服に身を包んでいるが、その下に隠れた、ドーベルマンを思わせる無駄なく引き締まった、しなやかで強靭な身体は只もので無いと感じさせる。
だが、男はそんな雰囲気などおくびに出さず、カウンターの客と応対する。
 「さすがツバキさんだねぇ、相変わらずウマいねぇ」
「そうスか?ありがとうございます」
客の褒め言葉に、ツバキと呼ばれた板前は、礼を言う。
「酒も欲しいなぁ。何かイイの無いかい?」
「日本酒にしますかい?それとも、ワインとかにしますかい?」
「せっかくこういう店なんだから、日本酒にしとくよ。お勧めのあるかい?」
「わかりやした」
男は日本酒の中から、料理に合いそうなものを選んで出す。
 ここはパリの繁華街の一角にある『スシバー椿』
スシバーという言葉が示すように寿司や酒を出す店である。
先ほど客に料理を出していたのが、この店の主&板前である椿欣二(つばききんじ)である。
 「オヤジ、椿のオヤジ!!」
「何だ?お客さんがビックリするだろ、邪魔すんじゃねえや」
奥から現れた若いスタッフに、椿は顔を顰める。
 「すいません、電話が・・緊急だそうです」
「わかった。すいません、ちょっといいスか?」
椿は客に断ると、奥へ入って受話器を受け取る。
 「もしもし・・。何だ・・ミハエルか・・。え?」
声の主に、椿は表情が変わる。
「馬鹿!まだ店やってんだよ!店長の俺が空けるわけ・・クソ!わかった!わかったって!!行くよ!!」
電話を切ると、椿は思わず舌打ちする。
 「悪い、出来るだけ早く戻る。それまでお客さんの相手頼めるか?」
「わかりました」
椿はそう言うと、出前の準備をする。
 「すいませんね、どうしても俺じゃなきゃ嫌だっていうお客さんなもんで・・」
椿は客にそう言って詫びると、急いで店を後にした。


 「ふふ~。待ってたよ~。あれ?どうしたの、そんな仏頂面して?」
ミハエルは現れた椿の様子に、怪訝な表情で尋ねる。
「待ってたよじゃねえ・・!!仕事中は電話かけるなってあれほど言っただろう!?」
椿は露骨に不機嫌な表情で言う。
 「だって~、椿としたくなっちゃんだもん」
「『したくなっちゃっただもん』じゃねえだろ・・!!ったく・・」
「椿、僕とするの嫌なの?僕の事嫌い?」
椿の態度に、ミハエルは悲しそうな表情を浮かべる。
 「い・・いや・・。そういう・・わけじゃ・・」
ミハエル神父の様子に、椿は困ってしまう。
ミハエルのことは好きだし、抱くのももちろんだ。
 「じゃあいいじゃない!ねぇ!早くしようよ!!」
「わかったよ・・」
諦めたように言うと、椿はミハエルに連れられて奥へと入っていった。
 「ふふ・・。よかったな~~」
「そうか・・。なら、よかったぜ」
心底よかったと言わんばかりのミハエル神父に、椿はそう呟く。
 「そんじゃあ俺はそろそろ失礼するぜ」
「ええ~。もう1ラウンドくらいしようよ~~」
さっさと着替えて帰ろうとする椿に、ミハエルは不満そうに言う。
 「あのなぁ、俺には店があるんだよ!若いモンに無理言って出てきたんだ!早く帰ってやらなきゃ・・。ちょっと待て!!」
不意に携帯が鳴り、椿は慌てて出る。
 「もしもし、椿です。あっ!はいっ!旦那ですか!ヘイ・・!はっ!わかりました!!すぐに取りかかります!!」
携帯をしまうと、すぐに椿は出て行こうとする。
 「ねぇ、どこ行くの~。しようってばぁ!!」
「そういうわけにはいかねえんだよ!仕事が入ったんだ!『本業』の方のな!!」
「また・・しばらくどっか行くの?」
椿の言葉に、ミハエル神父は不満げな表情になる。
 「ああ。出来るだけ早くこっちに戻って来るよ」
「本当、嘘ついたら怒るからね」
「ああ。約束するよ。だけどな・・。ミハエル・・お前も約束しろよ?」
「何を?」
「何を・・じゃねえだろう?この前のときのを・・忘れたのか?」
椿は怖い顔を浮かべてミハエル神父に言う。
「わかってるよ~。寂しいからって、他の人引っ張り込んだりなんてしないよ~」
ミハエル神父はそう言う。
「本当だろうな?」
「本当だよ、約束するよ」
「わかった。なら信じよう。ただし・・破ったら承知しねえからな!!」
そういうと、椿は急いで教会を後にした。


 数日後・・・フランス南部の港湾都市マルセイユ。
そのビジネスホテルの一室に椿の姿があった。
短く息を吐きながら、椿はスクワットをしている。
無駄な肉が一切そぎ落とされ、引き締まったその背中には、見事なまでの刺青が彫り込まれている。
椿は元ヤクザ。
訳あって現在はパリで表向きスシバーを営みながら、ある組織のお抱え殺し屋・用心棒として暮らしている。
こちらが椿の『本業』だった。
 スクワットを終えると、椿は服を着、バッグから拳銃を取り出す。
取り出したのは、日本の暴力団でよく使用されているマカロフ拳銃と予備のマガジン。
さらにヤクザのシンボルといえる短刀も出した。
それらの武器を、椿は入念にチェックする。
チェックを終え、武器を身につけ、それらを隠すように上着を着込んだそのとき、不意に携帯が震動した。
 「何だ・・!?」
思わず携帯を開くも、椿は表情が変わる。
「あんの・・ガキィィィ!!あれほど言うとった癖にぃぃぃ!!!」
画面を見やりながら、椿は怒りの声を上げる。
 送られてきたのは写メール。
よりにもよって、ミハエル神父が他の男に抱かれている姿のもの。
抱いている男の様子から、自分の目を盗んで同性愛者向けの出張サービスを利用しているのだろう。
 「堂々と・・約束破りやがって・・・!!」
思わず怒りをかき立てられるも、椿は自分を取り戻す。
今、自分は『仕事』をしに来ているのだ。
それを放り出して浮気を咎めにパリにもどることなど許されない。
 (クソ・・!!まずはやることやってからだ・・!!)
腸が煮えくりかえるのを押さえつつ、椿はホテルの部屋を後にした。
 ドンッッ!!
激しい音と共に男達はハッとした表情でドアに目を向ける。
反射的に男達は立ち上がり、懐やズボンの中から拳銃を引き抜こうとする。
だが、それよりも先に椿の姿が現れ、手にしたマカロフがたて続けに火を噴いた。
 男達は発砲する間もなく、身体を痙攣させ、あるいは死のダンスを踊りながら倒れ、或いは床に崩れ落ちる。
銃声が鎮まったときには、立っていたのは椿だけだった。
 椿は予備のマガジンを装備し、奥へと進んでゆく。
再びドアの前に立つと、椿は脇に引いて、ドアをノックする。
その返事は銃撃だった。
 銃撃が途切れると同時に、再びドアを蹴っ飛ばして椿は飛び込む。
飛び込みながら、椿は目の前の動くものに発砲する。
一つはボディーガードらしい屈強な男、もう一人は中年の脂ぎっただらしない風貌の中年男。
二人とも床に倒れ伏すと、椿は脂ぎった男の方へと向かう。
 「ルイだな?」
「た・・助けてくれっ!!金なら倍・・いや3倍納める!!」
ルイと呼ばれた中年男は必死に命乞いする。
彼は椿が仕える組織の下部団体の長。
だが、上納金に関する不正が発覚したため、椿が派遣されたというわけである。
 「そうはいかない。十字でも切れ」
非情にそういうと、椿は標的の身体や頭に銃弾を撃ち込み、絶命させた。
直後、椿は死を確認する。
その僅かな隙に、まだ死んでいなかった標的のボディーガードが背後から覆いかぶさるように襲いかかった。
 だが、今にも掴みかかろうとしたところで、ボディーガードの男の動きが止まる。
男はゆっくりと視線を落とす。
すると、後ろを向いて立ったまま、椿が銃を持つ手と反対側の手に短刀を逆手に握り、腹に突き刺しているのが見えた。
 「俺の・・背後に・・立つな!!」
ダメ押しに椿は短刀をさらに深く押し込む。
刃が引き抜かれると共に、男は床に崩れ落ちた。


 それから数日後・・。
ミハエル神父の教会の寝室に、二人の姿があった。
 「あれ?どうしたの?そんな怖い顔して」
ミハエル神父は、苦虫を噛み潰したような椿に、怪訝な表情を浮かべる。
「こんな顔にもなるぜ・・。ミハエル・・何だコイツは?」
椿は携帯を開き、画面に映っているものを突きつける。
その画面には、例の写メールがアップされていた。
 「あれ?これ僕~?わぁ、スゴイエッチだね~」
自分のあられもない姿に、ミハエル神父は臆面もなく言う。
「エッチだろじゃねえだろ・・!!何してんだよっ!!お前は!!」
「え?エッチだけど?」
「そりゃあ見りゃわかる・・・。仕事で留守にする前に・・何て言ったか覚えてるか?」
「あれ?何だっけ?」
「何だってじゃねえ!俺がいない間に他の男引っ張り込まねえって約束しただろうが!!」
「あっ!そうだった!?ゴメンね、忘れてた」
「忘れてたじゃねえ・・!!お前はニワトリかっっ!!」
恋人の態度に、椿は呆れる。
 「もしかして・・怒ってる?」
「たりめえだっ!!約束破りやがって・・・!!」
椿はミハエル神父の手首を掴むと、グッと引き倒す。
気づいた時には、ミハエル神父はベッドの縁に腰かけた椿の膝に載せられていた。
 ミハエル神父を膝に乗せると、椿は神父服の裾を捲り上げ、ズボンを降ろしてお尻をあらわにする。
「あれ?何するの?新しいプレイ?」
「んなワケねえだろ!!お仕置きだ・・!!」
椿はそういうと、片方の手でミハエル神父の身体を押さえ、手を振り上げた。


 バッシィィィ~~~ンッッッ!!
「うわあっ!?痛ああっ!!」
思い切りお尻を叩かれ、ミハエル神父は悲鳴を上げる。
 バシッ!バンッ!バシッ!ビダンッ!バンッ!バシッ!
「この・・馬鹿ッ!何やってんだ・・お前はっっ!!」
お尻を叩きながら、椿はお説教を始める。
 バシッ!ビダンッ!バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!
「うわ・・!ちょ・・!痛っ!痛ぁぁ・・!!」
思い切りお尻を叩かれ、ミハエル神父は悲鳴を上げる。
 バシッ!ビダンッ!バンッ!バシッ!バンッ!バシッ!
「椿ッ!痛いってばっ!!」
「たりめえだろっ!!お仕置きだっつったろうが!!」
お尻を叩きながら、椿はさらにお説教する。
 「何でさぁ!?僕っ!お仕置きされるようなこと・・してな・・!うわっ!痛あっ!!」
抗議するミハエル神父だが、お尻の痛みに顔を顰める。
「してない?何言ってんだっ!?俺の目盗んで他の男引っ張り込んでただろうがっ!!」
ミハエル神父のお尻に平手を叩きつけながら、椿はそう言う。
 「あれ・・ただのデリヘルだよぉ・・!!フーゾクだから浮気じゃないよっ!椿だって風俗で抱いたりしてるんでしょ!?」
「お前とこうなってからはしてねえよ!!ってか風俗だって浮気だろうが!!この尻軽神父っ!!」
「ナニナニ、僕が他の男に抱かれたくらいでヤキモチなの~?何だ、椿って心狭いんだね~」
椿の言葉に、ミハエル神父はそんなことを言いだす。
 「おい・・!!何言ってんだテメェは!?」
「だってそうでしょ~?僕が他の男に抱かれたのが悔しくて、それで怒ってるんでしょ~?それってどう見てもヤキモチだよね~」
「テメェ・・少しは反省してんのか!?」
ミハエル神父の態度に、椿は思わず叫ぶ。
 「ええ~?どうして僕が反省しなきゃいけないの?」
椿の言葉に、ミハエル神父は首を傾げて言う。
「あのなぁ・・・。お前は俺に約束したよなあ?仕事に行ってる間、絶対の他の男を引きこまないってな?」
「したけど、それがどうしたの?」
「どうしたのじゃねえだろ!それなのにお前は!どう見ても約束破りだろうが!テメェそれでも神父か!?ヤクザの俺に説教されてどうする!?」
「むぅ・・。だって、寂しかったんだもん」
「寂しかったんだもんじゃねえ!ガキかお前は!?」
「だってさぁ、何日も留守にする椿が悪いんじゃないか!椿こそ僕に謝ってよ!仕事仕事で何日も余所に出かけて寂しい思いさせてさぁ!?メール送ったのに帰って来ないし!!」
「は・・?おいっ!今何つった!?」
ミハエル神父の言葉に、椿は思わず問い返す。
 「え?何が?」
「何がじゃねえ!メール送ったとか言っただろ!あの写メールか!?」
まさかと思いつつ、椿は尋ねる。
 「うん、そうだよ~。あのメール、僕が送ったんだよ~」
「おま・・何を考えてんだーーー!!!」
まさか堂々と浮気の証拠を自分に送って来るとは。
予想外の事態に椿は思わず叫ぶ。
 「だってさ、そうすれば怒って椿帰ってくると思ったんだよ~。でも帰って来なかったからアテが外れちゃったなぁ」
「当たり前だぁ!!ってかそんな真似出来るかぁ!?」
思わず椿は叫ぶ。
「ええ~、何で~。僕の事愛してるならあんな写真見せられたら、すっ飛んで帰って来るものじゃないの~?ひどいよ~。僕より仕事が好きなの~?」
「そういうんじゃねえよ・・・」
椿は頭が痛くなってくる。
そりゃあ本音を言えば帰ってとっちめてやりたかった。
だが、そんなことは許されない。
この稼業、私情を優先しようものなら、命が無いのだから。
 「だったらすぐに帰って来てよ!ひどいよ~。僕より仕事取るだなんて・・」
「だから違うって言ってるだろ・・。それより・・俺に謝れよ・・」
「ええ~。やだよ!元はといえば椿が悪いんじゃないか!椿こそ謝ってよ!!」
「おい・・お前、それ、本気で言ってんのか?」
ミハエル神父の態度に、さすがにイラッとしながら椿は尋ねる。
「そうだけど?椿が仕事で寂しい思いなんかさせなきゃ僕だって講師無かったんだし!椿のせいなんだから謝ってよね!!」
「そうか・・。あくまで・・そう・・言うか・・・。いい加減にしやがれっ!!」
バアッジィィィィ~~~~~~ンッッッッッ!!!!
「うっわああああああ!!!!!!」
渾身の一撃に、ミハエル神父は思わず絶叫する。
 「な・・何するのぉ!?痛すぎるよっ!?」
「痛すぎるよじゃねえ!!この馬鹿神父っ!!徹底的に躾け直してやるっっ!!」
そう叫ぶや、椿は手を振りかぶる。
ビッダァァァァ~~~~~ンッッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッ!!!!
「うっわぁああああああ!!!!!」
豪雨のような平手打ちの嵐に、ミハエル神父は絶叫する。
 バアッジィィィィィ~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~ッッッ!!!
「ひっ・・!ひいっ!ひぃひっ!ひっひぃっひいい~~んっっ!!」
あっという間にミハエル神父のお尻は真っ赤に染め上がってゆく。
さすがに苦しいのだろう、ミハエル神父は両脚をバタつかせる。
 「この・・!!馬鹿神父っ!!反省・・しろや・・!!」
バアッジィィィ~~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~ッッッッ!!
「うわあっ!わああっ!痛ああっ!うわああっ!ひっ!ひあああっ!!わあああっ!!ちょ・・痛ああっ!!わああっ!!うわあああ!!ひぃぃんっ!!ひっひっ!!ひっいいぃぃんんんん!!!」
その後、激しい平手打ちの音とミハエル神父の悲鳴がしばらくの間、響きわたった。


 「ハァ・・ハァ・・ハァ・・・」
ミハエル神父は両肩を上下させ、荒い息を吐く。
お尻は見事なまでに濃厚なワインレッドに染め上がっており、触ると熱した石炭のように熱い。
 「ミハエル・・ちっとは・・反省した・・ん?」
椿は足に妙な感覚を覚える。
まさかと思い、椿は一旦振り上げた手を降ろし、ミハエル神父の腹の下に差し入れる。
すると、ミハエル神父自身が、固くなっているのに触れた。
 「おい!?何だコイツは!?」
「テヘ・・勃っちゃったみたいだね」
「テヘ・・じゃねえよ!何してんだよっ!?」
ミハエル神父の反応に、椿は思わず叫ぶ。
 「だってぇ、椿にお尻ぶたれるの、凄く嬉しいんだもん」
「ハァ!?何言ってんだ!?」
ミハエル神父の言葉に、椿は思わず素っ頓狂な声を出す。
 「だって椿、僕が浮気したのが許せなくて、こうしてお尻叩いてるんでしょ?」
「ああ、それがどうかしたかよ?」
「それって、本当に僕の事好きだから、許せなくて、悔しくて、だからこうしてるんでしょ?椿がそうして心底僕の事愛してくれてる。お尻叩きの一発一発に僕への愛が詰まってるんだ、そう思うと・・すごく嬉しくて・・だから・・お尻ぶたれてるのが・・凄く・・嬉しいんだ・・」
「お前はマゾか・・・」
椿は思わず呆れる。
 「ふふ、やっぱり写メール送ってよかったぁ。椿にこうしてお仕置きしてもらえてんだもん」
「あのなぁ・・。俺はお前を喜ばせるためにケツ叩いてるんじゃねえぞ!!ケツ叩いて欲しけりゃSMクラブにでも行けよ!!」
ミハエル神父の態度に椿は思わず叫ぶ。
 「椿、本当に行っていいの?」
「う・・!そ・・そいつは・・!」
「椿がそうしろって言うんなら、SMクラブで発散してきてもいいけど。でも椿、僕のお尻、他の人に叩かせてもいいの?」
「わかった!わかったよ!俺の負けだ・・!!頼むから他の奴にはやらせるな・・!!お前が尻叩いて欲しいなら、俺がいつでも叩いてやる!!俺の愛が籠ったやつをな!!」
「本当!?」
「ああ・・。その代わり・・俺以外の奴とはするんじゃないぞ。例え風俗でもな・・。あと・・さすがに俺に謝ってくれ・・」
「わかったよ、ごめんね。約束破って」
「ったく・・もうすんじゃねえぞ・・」
「わかってるよ~。でも、椿も僕に寂しい思いさせないでよ」
「まぁ・・努力はする・・」
「ふふ、だったら仲直りに・・しよ?」
ミハエル神父は真っ赤なお尻を出したまま、そういうと椿にキスをする。
 「・・ったく・・しょうがねえな・・」
そう言いつつも、椿もキスを返して抱きしめると、そのままベッドに横になった。


 「・・ったく・・・幸せな顔して寝てやがって・・・」
自分の隣で、満足と言わんばかりの寝顔を浮かべているミハエル神父に、椿はそう呟く。
「どうしてこんなヤツに・・惚れちまったのかねぇ・・・」
自分の目を盗んで堂々と他の相手に抱かれたり、お仕置きされたくて浮気の証拠の写メールを送ってきたり。
よく考えてみれば思い切り振りまわされている。
 だが、どうしようもないヤツと思いつつも、そんなミハエル神父が可愛くてたまらないのも事実。
「惚れた・・弱みってヤツか・・・」
タバコをふかしつつ、椿は思わずそう呟いた。


 ―完―

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マルコ神父19(BL)



(BLありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「はぁ・・寒い寒い・・」
白い息を吐きつつ、ネド神父はそうぼやきながら、ストーブに当たっていた。
(・・・ったく・・こんな寒いのに大掃除なんてよぉ・・ついてねぇなぁ・・)
寒さに思わず震えつつ、ネド神父はそう愚痴る。
新年を迎え、一年は始まりが肝心と、年始の大掃除をと、マルコ神父が言いだしたからだ。
その提案にズボラなところがあるネド神父は、掃除なんていつもやってるからいいだろうと暗に拒否したものの、マルコ神父の押しに負け、大掃除に取りかかっているところだった。
しかし、掃除などやりたくないため、サボっているのである。
 「ネド神父・・・こんなところで何をしてるんですか?」
不意にマルコ神父が現れ、ムッとした表情で声をかける。
「ん?見りゃわかるだろ?一休み中だよ」
「一休みじゃないでしょう!?今は私達だけなんですよ?あなたがサボればその分作業も遅れるし、来てくれる人にも迷惑がかかるんですよ!?わかってるんですか?」
マルコ神父は思わず厳しい顔になる。
新年になる少し前からから、急な異動や年配の神父の引退などがあり、教会はマルコ神父とネド神父の二人だけになっていたからである。
それだけに、ネド神父のサボりには以前よりも厳しくなっていた。
「だからもう少ししたらまたやるって。それより・・俺らしかいねえし、寒いのにわざわざ大掃除なんてやらなくていいじゃんかよ」
フアアとあくびをしながらネド神父は言う。
「何を言うんですか!また一年、信者の皆さんにお世話になるんですよ!!汚い教会で皆さんをお迎えできますか!!そんないい加減なことでどうするんです!!」
「でもよぉ、寒いしよぉ・・・」
「ネド神父・・いい加減にしないと私も怒りますよ?」
中々腰を上げないネド神父に、マルコ神父も思わずイラッとしかける。
 「わかったわかった。ちゃんとやるよ、それでいいだろ?」
「だったらすぐに動いて下さい!全く・・いつもサボってばかりなんですからっ!!」
マルコ神父はそういうと、作業へ戻っていく。
 「たはは・・相変わらずお堅いんだからなぁ。まぁそこがらしくて可愛いんだけどなぁ」
ネド神父はニヤニヤと笑みを浮かべる。
「ネド神父!何をもたもたしてるんですか!!早く来て下さい!!」
「わかったわかった。今行くって」
再び聞こえてきたマルコ神父の声に、慌ててネド神父はその場を後にした。


 「はぁ~~・・・。疲れたぜぇぇ・・・」
「何言ってるんですか、これくらいで。まだ残っているでしょう?」
「そうは言ってもよぉ、マジで疲れたって。ったく・・・何だって俺らだけなんだよ・・・」
マルコ神父と二人きりで色々な作業をしなければならず、ネド神父は思わず愚痴を言う。
「いつまでもぼやいていてどうするんですか!さぁ、まだ残ってるんですからいつまでも座ってないで起きて下さい!!」
マルコ神父はぼやいているネド神父にハッパをかける。
 「え~。マジ疲れたぜ。なぁマルコ、少し休もうぜ?」
「何言ってるんですか!?まだ残っているのにそんなこと出来ますか!!さぁ!早く起きて下さい!!」
ネド神父の言葉に、マルコ神父は無理にも立たせようとする。
 「そうは言ってもよ~、このままじゃマジでへたばっちまうよ。少し休ませてくれよ」
あくまでもそう言うネド神父に、マルコ神父も観念する。
「仕方ありませんね・・。少しだけですよ!全く・・・」
呆れたように言うマルコ神父に、ネド神父はホッとした。


 「おぅマルコ、せっかくだからコレ開けようぜ」
ネド神父はワインの瓶を差し出しながら言う。
「な・・何を言ってるんですか!?まだ、日も高いですし・・それより・・仕事中でしょう!?そんなこと出来ますか!!」
ワインの瓶を出してきたネド神父に、マルコ神父はそう言う。
生真面目なマルコ神父にとっては、昼間から酒など、許容出来ることでは無い。
 「そう固いこと言うなって。せっかく、俺ら二人だけでやってるんだしよ」
「だからってそんな不真面目な真似・・・出来ませんっ!!・・ったく・・何だってあなたと二人きりで・・・」
「そうか?俺は嬉しいけどな。愛するマルコといつも二人きりなんだからな」
「な・・!!だ、だだだからそういうことは言わないで下さいっっ!!」
ネド神父の言葉に、マルコ神父は顔を真っ赤にする。
 「何だ?マルコは俺と二人きりが嬉しくないのか?」
「いえ・・そ・・そういう・・わけでは・・・」
「だったらたまにはいいだろ?せっかく新年なんだしよ。それとも・・・堅物優等生なマルコは酒飲むのが怖いのか?」
ネド神父は挑発するように言う。
 「ば・・馬鹿にしないで下さいっ!!そ、そんなことが怖いわけないでしょう!?」
言ってしまうと同時に、マルコ神父は後悔する。
こんなことを言えば、自分も飲まねばならなくなる。
ネド神父はしてやったりと言わんばかりにニヤニヤしている。
(や・・やられ・・ました・・!!)
プライドを刺激され、まんまと乗せられたことにマルコ神父は歯噛みする。
 だが、今さら拒否できない。
無意味なプライドだとわかっていても、取り消すのは嫌だった。
 「だったらいいだろ?」
「い、いいでしょう!い、幾らでも付き合いますよ!!」
ニヤニヤ笑みを浮かべているネド神父にそう言いきるや、ネド神父はワインの瓶を開ける。
そして、二人のグラスに見事な深紅の液が注ぎ込まれた。


 「ふぅぅ~~。飲んだ飲んだ~~」
ネド神父は顔を赤らめながら言う。
「全く・・・何で私まで・・。昼間なのに・・!!」
満足そうなネド神父に対し、マルコ神父は嘆かわしいと言いたげな表情を浮かべる。
昼間から酒を、しかもネド神父の挑発にまんまと乗って飲んでしまった。
 「まぁいいじゃねえかよ。いつもお固いんじゃ疲れるぜ?たまにはこうダラけるのも悪くないぜ?」
「あなたがだらしなさ過ぎるんでしょう!全く・・ん?ネド神父?」
ネド神父の様子がおかしいことに気づき、マルコ神父は顔を近づける。
すると、酔いが回ったのか、ネド神父はいつの間にか寝入っていた。
 「何してるんですか!?まだ仕事が残っているんですよ!!起きて下さい!!」
起こしにかかるマルコ神父だったが、ネド神父は全然起きる気配が無い。
「全く・・・・!!だから嫌だったんですよ!!」
憤慨するマルコ神父だったが、そうも言っていられない。
やむなく、自分より体格のいいネド神父を引き起こすと、寝室へと連れていった。
 「はぁ・・はぁぁ・・・」
ようやくネド神父をベッドへ押し込むように寝かせると、マルコ神父はホッとする。
「たはは・・マルコぉぉ・・・・」
「全く・・人の苦労も知らないで・・・」
ニヤけた表情で寝ているネド神父に、マルコ神父は渋ったい表情になる。
 (疲れましたけど・・・とはいえ・・・まだ掃除がありますからね・・)
残っている仕事を片付けようと、マルコ神父は部屋を後にしようとする。
「う・・く・・・!!」
突然、バランスを崩しかけ、慌ててマルコ神父は体勢を立て直す。
 「まさか・・・酔ってるんですか?この・・私が・・」
そんな馬鹿なと思いつつ、だが、酒を飲む前と比べて、何だか身体が重いしだるい。
(だから何だと言うんですか!!例え酔っていようが、仕事はきちんと済ませるのが筋というものでしょう!!酔いなんかに負けてサボるなんて・・!!)
マルコ神父は自身を叱咤すると、慎重な足取りでネド神父の寝室を後にした。


 (やはり・・身体が・・重いですね・・)
片付け作業をしながら、マルコ神父はだるさを感じずにはいられなかった。
やはり酒が回っているのだろう。
 (だからといって・・やめるわけには・・。酒なんかに負けませんよ!!)
自身のプライドにかけて、マルコ神父は片付け作業を続ける。
しかし、だるさや足元の不安定さは隠せない。
(やはり・・まずいですね・・。しかし・・・)
自身の状態に不安を覚えつつ、それでもマルコ神父は片付けを続ける。
そもそも年始の大掃除は自分が言いだしたこと。
自分が言いだしたのに、酒に酔っ払ったくらいで仕事を投げ出すことなど、マルコ神父にとっては絶対にプライドが許さないことだったからだ。
だが、プライドを優先したことで、マルコ神父は代償を支払うことになってしまう。
 壁の窪みに安置されている聖人像を掃除のために取りだそうとしたそのときだった。
聖像を手にしたまま、マルコ神父は身体が傾ぐ。
(ま・・まずい・・!!)
慌てて踏ん張ろうとするも、時すでに遅し。
マルコ神父はそのまま倒れ込み、同時に像も弧を描いて宙へ飛び出してしまう。
放り出された像はそのまま床へ落下し、鈍い音と共に砕けてしまった。
 「な・・・!!」
マルコ神父は思わず愕然とする。
(ど・・どどどうしましょう!!)
突然の事態にマルコ神父も動揺する。
酒が入っているせいか、すっかりパニック状態になってしまっていた。
(な・・何とか隠さないと!?)
混乱した状況では、それしか考えられない。
慌てて破片を集めると、マルコ神父は急いでどこかへと持っていった。


 「ん・・・?」
「やっと起きたんですか?全く・・・」
ようやく目を覚ましたネド神父に、マルコ神父は呆れたように言う。
 「ん?何だマルコか?んん?俺の部屋のようだが・・?」
「あなたがだらしなくも酔って寝込んでしまったんでしょう?覚えてないんですか?」
「あ?そうだったか?」
「そうだったじゃありませんよ!全く・・・」
「悪かった悪かった。謝るからよ、機嫌直してくれって」
ネド神父は拝み倒すように謝る。
 「全く・・・次はちゃんと仕事して下さいよ?」
「わかってるって」
そういうネド神父に、マルコ神父はやれやれとため息をつきつつ、ネド神父の部屋を後にする。
 「たはは・・・。失敗失敗・・・。でも・・ああやって小言言うマルコも・・可愛いよなぁ・・・・」
ネド神父はニヤニヤとだらしない表情を浮かべる。
「ってここで油売ってっとまたマルコが怒るからな。危ない危ない」
ネド神父はそう呟くと、自分も部屋を出ていった。
 「あん?おかしいな?」
「何おかしな声を出してるんですか。口じゃなくて手を動かして下さい」
変な声を出したネド神父に、掃除を続けながらマルコ神父はそう言う。
 「いやよ、ここにあったはずの像が無くなってるからよ」
ネド神父は空になった窪みを指し示しながら言う。
「あ、あぁ、そこの像ですか。どうも汚れがひどかったので片付けたんですよ」
「そうか。いや、無いからおかしいと思ってよ」
「わかったのならもういいでしょう?それより・・そんなことを気にしてる暇があったら掃除をして下さい!」
「わかったって。ちゃんとやるから怒るなよ」
そういうと、ネド神父は再び手を動かす。
 (あ・・危なかったですね・・・)
平静を装いつつ、マルコ神父はホッとする。
(しかし・・どうしましょう・・)
マルコ神父は困惑する。
思わず隠してしまったが、いつまでもそのままというわけにはいかない。
 (ちゃんと・・話さないと・・ですが・・・・)
自分のしたことを振り返れば、あまりにも大人げない、子供っぽい。
そう思わずにはいられない。
それをネド神父に話したらどうなるか?
子供っぽいと思われてしまうのは明らかだろう。
プライドの高いマルコ神父にとっては、そちらの方が辛い。
 (ああもう・・!!私の馬鹿っ!!どうして・・・!!)
今さらながら、マルコ神父は挑発に乗って酒を飲んだこと、酒が入っているのを押して無理に掃除を続けたことを悔やまずにはいられなかった。


 数日後・・・。
「はぁ・・・。つまんねぇなぁ・・・」
ネド神父は暇を持て余していた。
マルコ神父は朝から別の教会へとヘルプに出てしまっている。
おかげで今は一人だった。
 「どうすっかなぁ・・。のんべんだらりとしてりゃあ帰って来たときにまたマルコがヘソ曲げるしな・・・」
ネド神父は考え込む。
真面目で仕事には厳しい性格のマルコ神父は、出かけるときに「くれぐれもサボらないで下さい。一人でもちゃんと仕事して下さいよ」と念を押していった。
そう言われたのにのんべんだらりとしていては、マルコ神父がまた不機嫌になる。
ヘソを曲げたマルコ神父も可愛いのだが、機嫌を治してもらうのが大変だ。
 「仕方ねえ・・。掃除でもすっか・・・」
そんなことをぼやきつつ、ネド神父は腰を上げようとしたときだった。
 不意に呼び鈴が鳴った。
「へいへーい、今行きますよっと」
気の無い返事をしながら、ネド神父は玄関へとゆく。
「へいへーい、どなた・・ってん?」
ネド神父は玄関で出会った人物に怪訝な表情を浮かべる。
教会で使われる様々な品を扱う、出入りの業者だったからだ。
 「あれ?どうしたんだよ?」
「はい、マルコ神父に修理を頼まれた像をお届けにあがったんですが・・」
「修理?」
「あれ?知らなかったんですか?」
「ああ。まあいい。悪かったな。幾らだ?」
「ああ。大丈夫です。お題は頂いてあるので。それじゃあ失礼します」
梱包された像を渡すと、業者は帰ってゆく。
(どういうことだ?)
像の入った段ボールを抱えながら、ネド神父は思わず考え込んだ。


 「マルコ、ちょっといいか?」
「何です?」
帰って来るなり、マルコ神父はネド神父に呼び止められる。
 「ちょっと話がある。いいか?」
「何ですか?他の仕事もありますから手短にして欲しいんですが」
「わかってるよ。とにかく来てくれ」
マルコ神父はネド神父の部屋へと行く。
 「で、何ですか?手短に済ませて下さい」
これからデスクワークにかかろうとしていたせいか、マルコ神父は不機嫌そうに言う。
「わかってるって。実はこんなモンが届いてな・・・」
ネド神父が差し出したダンボールにマルコ神父の表情が強ばる。
 「マルコ・・覚えがあるのか?」
「は・・はい・・」
証拠の品がある以上、もう誤魔化せない。
「どういうことだ?話してもらうぞ」
「わ・・わかりました・・。実は・・・」
マルコ神父は観念した表情で言う。
酒が残ったまま掃除を続け、その結果聖像を壊してしまったこと、動揺のあまりに隠してしまい、こっそり修理を業者に頼んだことなどを話す。
 「なるほど・・・。そういうわけかよ・・・・」
ネド神父はため息をつく。
「も・・申し訳・・ありません・・・」
「謝りゃあいいってもんでもないだろ?どうりで無いと思ったら・・・。まぁそれより・・こんなことした以上・・・覚悟はいいよな?」
「わ・・わかって・・います・・!!」
マルコ神父は羞恥に顔を赤らめつつ言う。
 「ならわかってるな?」
ネド神父はそういうと、ベッドの縁を腰かけたまま、軽く膝を叩く。
その合図にマルコ神父はネド神父の脇に立ち、ジッと膝を見つめる。
 (の・・乗らないと・・ですが・・・)
ジッと膝を見つめつつ、マルコ神父は躊躇う。
言う通りにしなくてはいけない。
だが、その後で待っている屈辱的な事態を想像すると、中々素直には従えない。
 「マルコ・・。何してるんだ?」
中々膝に乗らないマルコ神父に、ネド神父は業を煮やしたように言う。
「わ・・わかっています・・・!!」
「だったら早くしろって。それとも・・・自分のしたことの責任も取れないのか?」
「ば・・馬鹿にしないで下さいっ!!わ、私はそんな子供じゃありませんっ!!」
挑発的なネド神父の言葉に、マルコ神父は思わず言い返す。
だが、同時に後悔した。
こんなことをいえば、言う通りにするしかないからだ。
 「だったら早くしろ」
「わ・・わかっていますっ!!」
悔しさにそう言うと、マルコ神父は膝にうつ伏せになる。
 「さ・・さぁ!こ、これで文句は無いでしょう!!」
うつ伏せのまま振り返り、マルコ神父はそういう。
「おぃおぃ、それがお仕置きを受ける態度かよ?」
「う・・うるさいですよ!や、やるのならさっさと始めたらどうなんです!?」
墓穴を掘るのを承知で、マルコ神父はせめてもの意地を張る。
 (相変わらずだな。まぁそこがらしくて可愛いんだけどな)
ネド神父は苦笑しつつ、慣れた手つきでマルコ神父の神父服を捲り上げ、ズボンを降ろしてお尻をあらわにする。
「く・・・」
お尻に外気を感じ、マルコ神父は屈辱に顔を真っ赤にする。
(私の・・馬鹿・・!!)
今さらながら、マルコ神父は己の馬鹿さ加減を罵りたくなる。
屈辱感と自身への怒りで、マルコ神父は全身を震わせる。
 (悔しくてたまんねえんだろうなぁ。無理もねえが。まぁそこがイイんだよなぁ)
自身の膝の上で震えるマルコ神父の姿に、ネド神父はそんなことを思う。
「いくぞ。覚悟はいいよな?」
「い・・言われるまでもありませんよ・・!!やるんなら・・もったいつけないで・・さっさとやったらどうです!!」
プライドを保つためにマルコ神父はそう言い放つ。
ネド神父は苦笑しつつも、マルコ神父の身体を押さえ、もう一方の手を振り上げた。


 バシィィィィ~~~~ンンンッッッッ!!!
「く・・・!!」
(やめなさいっ!!みっともないでしょう!!)
思わず声を漏らしてしまい、マルコ神父は自身を叱咤する。
 パシッ!パアンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パシィンッ!
弾けるような音と共に、お尻にジィンと痛みが走る。
そのたびごとにマルコ神父の表情が変わり、或いは身体が強ばる。
 ピシャッ!パアンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!
幾度も平手が振り下ろされ、痛みがだんだん重なってゆくが、それでもマルコ神父は口を閉じ続ける。
 「・・ったく・・お前さんともあろう者が何してんだよ?」
パシッ!ピシャンッ!パアアンッ!パアシィンッ!パンッ!
お尻を叩きながら、ネド神父はお説教を始める。
 ピシャンッ!パアアンッ!パアシィンッ!パンッ!ピシャンッ!
「ぅ・・も・・申し訳・・ありま・・く・・!・・せん・・」
お尻を叩かれる苦痛に顔を顰めながら、マルコ神父は謝る。
 「謝りゃいいってもんじゃねえだろ?気まずいのは仕方ねえだろうがよ、壊したんなら、ちゃんと言えよな」
ピシャンッ!パアアンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!パアシィンッ!
「く・・!す・・すみません・・・!!で・・ですが・・。い・・言え・・なくて・・・」
「お前さんの性格はわかってるけどよ。大事なことなんだからよ。ちゃんと言えよ。それに、酒飲んでるのに無理して仕事なんかするなよ。そんな状態でまともに仕事なんて出来るわけねえだろ?」
「す・・すみません・・・」
(ってそもそもあなたのせいでしょう!!)
謝りつつも、マルコ神父は少し反感を覚える。
 ネド神父が酒なんて飲みたいと思い、挑発して自分にも飲ませた、そう思うとどうも素直には受け入れたくない。
(何を考えてるんですか!?安い挑発に乗った自分が悪いのでしょう!?)
一方で理性がそう責める。
 パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!ピシャンッ!パアシィンッ!
「く・・!う・・!く・・!!」
「今回はまあ聖像くらいで済んだけどよ、下手したらお前さんも怪我してたかもしれないんだぞ?全く・・・」
「わ・・わかってますよっ!!だ、だからこうして恥ずかしいのを堪えてお仕置きを受けてるんじゃないですかっ!!そ・・それで十分でしょう!?なのにイチイチ傷口に塩をすりこむようなこと言わないで下さいっっ!!」
(私の馬鹿!!何を言いだすんですかっ!!)
安い挑発に乗った自己嫌悪や、挑発したネド神父への不平に、思わずマルコ神父はカッとなってしまう。
 「マルコ・・・。本当に反省してるのか?」
マルコ神父の態度に、ネド神父は厳しい表情になる。
(く・・・!!こ・・こうなったら・・どうとでもなれですっ!!)
マルコ神父は半ばヤケになる。
謝らないとマズい。
そうわかっていても、頭を下げたくは無い。
無意味なプライドだとわかっていても、そうせずにはいられなかった。
 「こ・・こうしてお尻を差し出してるんですからいいでしょう!!それに・・元はといえばあなたも悪いでしょうが!!い、いい加減にして下さいっ!!わ、私だって本気で怒りますよっっ!!」
「そうか・・。よくわかった・・。反省してねえみたいだな・・。なら、こっちも本気で行くぜ」
「す・・好きにすればいいでしょう!!そ、そんなので私が怖がるとでも思ったら大間違いです!!」
墓穴を掘ることをマルコ神父が言うや、ネド神父は膝を組む。
おかげでマルコ神父は既に真っ赤になったお尻を突き上げた体勢になった。
 ビッダァァァァァ~~~~~ンンンッッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~!!!!!!
「う・・うっわぁあああああ!!!!」
どしゃ降りの雨さながらの平手打ちにマルコ神父は絶叫する。
 バアッジィィィィ~~~~~ンンンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~ッッッッッ!!!
「うわあああ!!痛っ!痛ぁあああ!!やめ・・やめて・・!!うわぁぁ!!やめて・・下さ・・・うわあああああ!!!!」
激しい平手打ちの轟音と悲鳴が部屋に長い間響き続けていた。


 「うっ・・!うっうっ・・!うっうぅうう・・・」
マルコ神父は泣いていた。
お尻は今や倍近く腫れ上がり、火が燃え盛っているかと思うほどに熱い。
 「やめ・・やめて・・ゆ・・許して・・下さい・・・。わ・・私が・・悪かった・・・です・・から・・・」
プライドをかなぐり捨てて、マルコ神父は謝る。
 「反省したか?」
一旦お尻を叩く手を止めて、ネド神父は尋ねる。
「し・・してます・・・。聖像を壊したり・・・酒を飲んだのに・・無理に仕事して・・す・・すみません・・でした・・」
「わかってくれりゃあいいんだよ。お仕置きは終わりだ」
ネド神父はそういうと、手を降ろした。


 「くぅ・・!!」
「沁みたか?」
声を漏らしたマルコ神父に、ネド神父は思わず尋ねる。
 「へ・・平気ですよ・・。こ・・これく・・うぅ!!」
「おぃおぃ。ケツが腫れてんだから無理すんなって」
薬を塗りながら、ネド神父はそう言う。
 「あ・・あなたが・・したのでしょう・・・!!よくも・・ぬけぬけと・・・」
痛みに顔を顰めながら、マルコ神父はそう言い返す。
「仕方ねえだろ。マルコが悪い子だったんだからよ。まぁ今日は責任取って一日面倒見てやっから安心しろって」
「そ・・そんなので・・ご、誤魔化されませんからね!!」
「まったまた~。本当は嬉しいんだろ~」
「ち・・違いますっ!!き、気分が悪いから寝ますっ!!ちゃんといないと承知しませんからねっ!!」
マルコ神父はそう言うと、ネド神父の膝の上でうつ伏せのまま眠りに落ちる。
 「相変わらず素直じゃねえな~。まぁそこが可愛いんだけどな」
お尻を出したまま、自分の膝の上でうつ伏せに寝ているマルコ神父を見やりながら、ネド神父はそう呟いた。


 ―完―

マルコ神父18(BL要素あり)



(BL要素ありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「ぶっはぁ~~っ。暑っちぃぃ~~~!!」
「何そんなだらしない格好をしてるんですか!さっさとしまったらどうなんです!」
ボタンを外し、胸元や腹を思い切り露出し、うちわで自身を煽いでいるネド神父に、マルコ神父は顔を顰めながら言う。
 「そうは言ってもよ、暑いだろうが。こうでもしなきゃどうにもならねえだろ?」
汗だくになり、ペットボトルを傾けながら、ネド神父はそう言いやる。
ここ数日、もの凄い猛暑が続いていて、ネド神父もすっかり音を上げてしまっている。
そのため、神父服を思い切り開け、半脱ぎ状態になっていたのである。
 「だからといってそんな格好しててどうするんですか!みっともないでしょう!」
マルコ神父はだらしない格好のネド神父に、苦々しい表情を浮かべて言う。
真面目できちんとした性格のマルコ神父にとって、乱れた服装はとても許容出来るものではない。
実際、マルコ神父は暑い日にも関わらず、きちんとボタンを締めている。
 「そんなこと言ったって暑いモンは暑いって。マルコだってそうだろう?」
「そんなの理由になりませんよ。暑かろうが、神父らしくきちんとしたらどうなんです!」
マルコ神父はそう言うや、強引にネド神父の服を整える。
 「おぃおぃ、何すんだよ?」
「見てわかるでしょう?どうせ口で言ってもやりそうにないですから、整えただけですよ」
「たはは、手厳しいねぇ。まぁ、世話女房なマルコもたまらんけどなぁ」
「な・・!変なこと言わないで下さいっっ!!」
マルコ神父は思わず顔を真っ赤にしてしまう。
 「ん?何だ?嬉しかったのか?」
「そ、そんなわけないでしょう!男が世話女房なんて言われて嬉しいわけないでしょうに!」
「そうか~?俺の世話するのが本当は好きなんじゃないのか~?」
ネド神父はニヤニヤしながら、そう問いかける。
 「そ、そんなわけないと言ってるでしょう!よ、用を思い出したから戻ります!!」
そう言うや、マルコ神父は部屋を飛び出してしまった。
 「たはは・・・ちょっとからかいすぎたかなぁ」
部屋を出ていってしまったマルコ神父に、ネド神父はちょっと反省する。
「全く・・・下らないことばかり・・・言うんですから・・!」
ネド神父の『世話女房』発言に、マルコ神父は呆れと怒りが混じったような表情を浮かべながら呟く。
(いつもいつも・・本当にだらしないんですから!少しはシャンとしたらどうなんです!)
ネド神父の普段の様子を思い出しながら、マルコ神父は心の中でそう叫ぶように言う。
 (でも・・・。私が世話すると・・本当に嬉しそうなんですよねぇ・・・)
同時に自分が世話を焼くときのネド神父の表情を思い返す。
そのときのネド神父は嬉しくてたまらない、そんな表情や素振りをいつも浮かべている。
それを見ると、普段のだらしない態度もついつい許してしまうし、そういう姿を見たくて、やはり世話を焼いてしまう。
 (やっぱり・・ネド神父の世話を焼くのが・・好き・・なんでしょうか?)
自分の普段の行動に思わずそう考えてしまう。
(ち、違います違いますっ!た、ただあまりにもだらしないから見かねてるだけですっっ!!)
すぐに否定しにかかるが、だが完全には否定しきれないものがある。
「ああもうっ!!」
考え事を断ち切るように叫ぶと、そのままマルコ神父はさらに急ぎ足で立ち去った。


 「ハァ・・・・」
箒を動かす手を一旦止め、マルコ神父は汗を拭う。
(やっぱり・・暑いですね・・・)
カンカンと照りつける太陽を見上げながら、マルコ神父はそう思わずにはいられない。
ペットボトルで水分補給をするも、容赦なく照りつける太陽は、ジンワリと汗を噴き出させる。
 (こうも暑いと・・・脱ぎたくなりますね・・・)
そう思ってボタンに手をかけようとするが、そのときハッとした表情になる。
(何を考えてるんですか!?ネド神父にあんなこと言っておいて!)
思わずボタンを外そうとした自身を、マルコ神父は叱咤する。
自分で言ったことは破ってはならない。
マルコ神父は自分にそう言い聞かせると、きちんと着込んだまま、庭掃除を続けようとしたそのときだった。
 「こんにちは~!すみませ~んっ!」
不意に声をかけられ、マルコ神父は思わず顔を上げる。
直後、何だか嫌そうな表情になった。
 「ちょっとー!そんな顔しないで下さいよー!ひどいなー!久しぶりに会ったのにー!」
「す、すみません・・・」
拗ねたような表情を浮かべるミハエル神父に、思わずマルコ神父は謝る。
 「そ、それより何か用ですか?」
平静を装いながら、マルコ神父は尋ねる。
「ええ、ちょっと用事で近くまで来たんですけど~、せっかくだから挨拶でもして行こうかな~~って」
「そ・・そうですか・・・」
マルコ神父は複雑な表情を浮かべる。
「大丈夫ですよ~、もうネド神父のことなんて狙ってませんから~」
「べ、別にそんな心配なんかしてませんっ!!」
思わずムキになってしまうが、直後後悔する。
(私の馬鹿・・!これじゃあ・・自分で認めてるみたいじゃないですか・・・!?)
そう思うが、言ってしまった以上、どうにもならない。
 「ふふふ。ライバルのことが気になるんですか~?意外と可愛いんですねぇ、マルコ神父って」
「ですからそんなこと考えてませんよ!さぁ、早く入って下さい!」
「はいは~い、わかってますってば~」
クスクスと面白そうな笑みを浮かべるミハエル神父に、マルコ神父は思わずムッとしかける。
だが、ここで感情的になったら大人げない、そう必死に自身を抑えながら、ミハエル神父を中へ招き入れた。


 「おお、ミハエルか。久しぶりだなぁ」
「お久しぶりです~、元気してました~?」
ミハエル神父はネド神父と顔を合わせるや、人懐っこい感じで挨拶する。
 「あぁ、ミハエルの方は仕事先には慣れたのか?」
「ええ。皆さん結構可愛がってくれますし~」
「ははは、お前さんならそうだよなぁ。心配しなくて大丈夫だったか」
ミハエルの返事に、ネド神父はそう言う。
研修期間を終えたのち、ミハエル神父はパリ市内の別の教会へと赴任していた。
 「まあせっかく来たんだ、少しはゆっくりしてってくれ」
「ええ。お言葉に甘えて。せっかく、久しぶりにネド神父に会えましたからね~」
ニコリと人懐っこい笑みを浮かべ、紅茶のカップを手にしながら、ミハエル神父はそう言った。
 (随分・・楽しそうですね・・・)
窓の向こうに見えるネド神父とミハエル神父のやり取りに、マルコ神父は表情が険しくなる。
二人の様子が気になるのだろう、庭の掃除をしつつ、窓から部屋の様子を伺っていた。
見ていると、二人は何とも楽しそうに談笑している。
ミハエル神父は相変わらず馴れ馴れしい感じで、ネド神父も、それを許容しているように見えた。
 「く・・・!!」
見ているうちに、マルコ神父はだんだんと不快になってくる。
耐えきれなくなったのだろう、マルコ神父は不機嫌そうな表情を浮かべてその場を後にした。


 「さよなら~。また今度~」
「ああ。いつでも遊びに来な」
互いにそう挨拶をすると、ミハエル神父は教会を後にし、ネド神父がそれを見送る。
 「帰ったんですか?」
「ああ。ん?どうしたんだ?そんな仏頂面して?」
マルコ神父の顔を見やるや、思わずネド神父はそう尋ねる。
不機嫌そうな表情を浮かべていたからだ。
 「別に・・何でもありませんよ・・・」
「そうは見えないがな?どうしたんだよ?」
ネド神父は思わず心配そうな表情で尋ねる。
「別に何でもありませんと言っているでしょう?」
だが、そんなネド神父に、マルコ神父はそう返す。
 「そんな顔してるのに何でも無いわけないだろう?どうしたんだ?」
ネド神父はマルコ神父に問いかけるが、それがさらにマルコ神父の神経を逆撫でし、頑なにさせてしまう。
 「別にどうってことないと言っているでしょう!?放っておいて下さい!」
思わず感情を爆発させ、マルコ神父はネド神父を突き飛ばしてしまう。
(しまった!?)
床に座り込むように倒れ、思わずビックリした表情を浮かべるネド神父に、マルコ神父は一瞬後悔する。
同時に、バツが悪くなってしまう。
衝動的に、マルコ神父は教会から飛び出してしまっていた。
 「おいっ!待てって!?」
思わず追いかけようとするネド神父だったが、マルコ神父の勢いは相当なもので、あっという間に引き離されてしまった。


 数時間後・・・・。
(ど・・どうしましょう・・)
通りを歩きながら、マルコ神父は後悔に駆られていた。
(私の馬鹿・・・!!何だってあんなことしたんですか!?)
教会を出てきた際の行動を振り返り、そう思わずにはいられない。
 (やはり・・・戻った方が・・・)
歩きながらそう考えるが、同時にミハエル神父と楽しそうにしていたネド神父の姿が思い浮かぶ。
 (随分楽しそうでしたよね・・・。私がいながら・・・あんなだらしない・・!!)
楽しそうで、鼻の下を伸ばしただらしないネド神父の表情を思い出すと、苛立ちが募って来る。
(そうですよ!元はといえば、ネド神父のせいでしょうに!それなのに・・)
ネド神父の態度が原因だと思うと、帰りたくない。
(しかし・・そうはいっても・・・)
ハンカチを取り出し、汗を拭きながら、マルコ神父はふと空を見上げる。
頭上では太陽がこれでもかと言わんばかりに、さんさんと照り輝いている。
 (このままでは・・・参ってしまいそうですね・・・)
額に浮かぶ汗を拭きながら、マルコ神父はそう思わずにはいられない。
(少し・・緩めた方が・・。何を言ってるんですか!暑いからってだらしない格好をするなんて、もっての外です!)
暑さに思わずボタンを外し、着崩そうかと思ったが、持ち前の真面目さがそれを拒否する。
おかげで、マルコ神父はいつものようにきちんとボタンを締めたまま、夏の暑い通りを歩き続ける。
 (仕方ありません・・。どこかで一休み・・・)
そう思ってポケットを探るが、あることに気づく。
(しまった・・!財布が・・!!)
感情的になって飛び出してしまったため、財布も何も持たずに出てきてしまったのだ。
カフェで一休みと思ったが、財布が無くてはどうにもならない。
 (どう・・しましょう・・。やはり・・戻るしか・・・。って何を馬鹿なことを!今さらどの面下げて教会に帰れますか!恥を知りなさい!!)
マルコ神父は持ち前のプライドから自身を叱咤し、そのまま歩き続ける。
 「はぁ・・はぁ・・」
荒い息を吐き、何だか焦点が定まっていないような目で、マルコ神父は道を歩いていた。
「うぅ・・・・」
何とも最悪な気分で、頭の中で教会の鐘が鳴っているかと思うほどの頭痛がし、吐き気がこみ上げてきそうになる。
辛うじて吐き気を堪えているものの、このままでは限界だった。
 (これ・・以上は・・・まずい・・ですね・・・)
自身の異常に、さすがにマルコ神父も危険を感じる。
(やはり・・帰った方が・・でも・・・)
帰るべきだと思うものの、あんなことをしておいて顔を合わせられない、というプライドが頭をもたげる。
 (そうですよ!どの面下げて・・しかし・・・)
自身の体調とプライド、それらがジレンマとなってマルコ神父を責めたてる。
帰らなくては危ない、しかし帰りたくない、その板挟みでマゴマゴしている間に、頭痛はさらに強くなってくる。
やがて、視界がブラックアウトしたかと思うと、マルコ神父はそのまま意識を失ってしまった。


 目を覚ましたマルコ神父の目に飛び込んで来たのは、清潔な白い天井だった。
「ここは・・!?」
上体を起こすと同時に、マルコ神父は嫌悪感や恐怖感を覚える。
入院患者用の病棟だと気づいたからだ。
医者や病院の類が苦手なマルコ神父にとっては、遠慮したい場所である。
「どうして・・こんなところに?」
思わずそう呟いたところで、医者と看護師が入って来た。
 「あら?気がつきましたか?」
「あ・・え、えぇ・・・」
看護師の問いに、マルコ神父はぎこちない表情で返事をする。
 「ふぅむ、どうやら具合は良さそうですね」
「あの・・一体どうしてここに?」
「街中で突然倒れたとの通報でね。うちへ搬送したんですよ。覚えてませんか?」
「い・・いえ・・・」
「どうやら熱中症のようです。まあ幸い重症ではないですが。念のため一日入院して下さい」
「そ・・そうですか・・・」
マルコ神父は複雑な表情になる。
幸い、ひどいことにはならなかった。
だが、熱中症なんかになって倒れてしまったかと思うと、それが何だか情けない。
 「ああ、それと連絡先を教えてもらえませんか?」
「え・・連絡先ですか?」
マルコ神父は一瞬、表情を強張らせる。
「どうかしましたか?」
「い、いえ・・何でも・・・」
(仕方ありませんね・・・)
連絡先を教えないことには不審がられてしまう。
マルコ神父は平静を装いつつも、教会の電話番号を教えた。


 翌日・・・・。
(やはり・・・怒ってますね・・・)
隣の座席に座っているネド神父の姿に、マルコ神父はそう思わずにはいられなかった。
 退院許可が下りたため、タクシーでネド神父が迎えに来たが、やって来たネド神父は、むっつりとずっと押し黙ったままだった。
迂闊に話しかけることなど出来ない雰囲気で、気まずい沈黙が支配する中、タクシーで教会まで帰って来る。
だが、教会へ帰ってきても、ネド神父はマルコ神父を連れて自分の部屋へ行くまで、ずっと黙ったままだった。
 「マルコ・・・・」
(き・・来ましたね・・・)
部屋へ入り、ようやく口を開いたネド神父に、マルコ神父は思わず身構える。
 「な・・何ですか・・?」
身構えながらも、怯えているなどと思われないよう、平静を装ってマルコ神父は問い返す。
「この馬鹿・・・!何やってんだ・・!!」
ネド神父は怒りと呆れが混じった声で言う。
「も・・申し訳ありません・・」
自分に非がある以上、マルコ神父はさすがに謝る。
「謝りゃあいいってモンでもないだろ!何だって、こんなことになった!!」
「それは・・・」
マルコ神父は思わず口ごもってしまう。
ミハエル神父と楽しそうにしているのを見ていて嫉妬したからなどと、言えるはずもない。
 「言いたく・・ありません・・」
「何?それで済むと思ってんのか?」
さすがにネド神父も険しい表情になる。
 「あなたなんかに言いたくありません。どうせ叩く気なのでしょう?だったらさっさと叩いたらどうなんです?」
墓穴を掘るのを承知で、マルコ神父は虚勢を張る。
「そうかよ。だったら望み通りにしてやる」
ネド神父は険しい表情でそう言うと、いつものようにマルコ神父を膝の上に載せ、慣れた手つきであっという間にお尻をあらわにする。
 「く・・・!!」
覚悟はしていたとはいえ、お尻に外気を感じると同時に、マルコ神父は恥辱で身体を震わせる。
ネド神父はいつものように左手でマルコ神父を押さえ、右手をゆっくりと振り上げた。


 ビッダァァァァ~~~~~~~~~ンッッッッッ!!!!!
「ぐぅ・・・!!」
最初から容赦のない、強烈な平手打ちに、マルコ神父は思わず息が詰まり、目から火花が飛んだかと思う。
 バシッ!バアアンッ!バアンッ!ビダァンッ!バッジィンッ!バアンッ!
「く・・!あっ・・!かっ・・!はっ・・!あっ・・!あく・・!」
骨にまで響くかと思うほどの平手打ちに、マルコ神父はまるで金魚のように口をパクつかせる。
 「この馬鹿ッ!何してんだっ!」
バシィンッ!バアンッ!ビダァンッ!バアンッ!バジィンッ!ビッダァンッ!
「く・・!あく・・!あっ・・!くぁ・・!かっ・・!あっ・・!」
ネド神父の上着の裾を握りしめ、必死に堪えようとするも、意思とは裏腹に声が出てしまう。
 「勝手に出て行った上に電話にも出ねえ!」
バアッジィンッ!ビッダァンッ!バアッアンッ!バジィンッ!ビッダァンッ!
「ひ・・!ぎっひ・・!ひっ・・!あっ・・!あっく・・!ひぃん・・!」
骨まで響くかと思う平手打ちが、マルコ神父のお尻を満遍なく赤く染めてゆく。
 「全然帰らねえと思ったら・・・熱中症でぶっ倒れて入院だと!?本当に何考えてんだっっ!!」
バアッジィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!バアッアア~ンッ!ビバッダァ~ンッ!
「ぎ・・!ひっ・・!ぎひっ・・!も・・申し訳・・ありま・・せん・・!」
半ば涙目になりながら、マルコ神父は謝る。
 「謝るのは当たり前だろ!何だってこんなことしたって聞いてんだ!!」
バシバシとお尻を叩きながら、ネド神父は尋ねる。
「で・・ですから・・それは・・言いたく・・ないと・・言って・・いるじゃ・・ないです・・か・・!!くぅぅ・・・!!」
平手打ちに苦悶の表情を浮かべつつ、マルコ神父は言葉を返す。
 「それで済むと思ってんのか?」
「う・・うるさいですね!こうしてお仕置きを受けてんですからいいじゃないですか!!」
どうしても言いたくないため、マルコ神父はつい反抗的な態度を取ってしまう。
 「反省の色無しか・・・。なら、仕方ねえな」
ネド神父はそういうと、足を組む。
おかげでマルコ神父は赤く染まったお尻を突き上げた体勢になる。
 「く・・・!」
この体勢が意味するものを知っているせいか、無意識のうちに身体が震える。
「どうする?話すなら今のうちだぞ?」
最後通告がされるが、マルコ神父はプイッと顔をそむける。
「そうか・・。なら容赦しねえからな」
ネド神父はそういうと、再び右手を振り上げた。


 バアッジィィィ~~~~~~ンッッッッッッ!!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッッッッ!!!!!!
 「う・・・うっわぁぁぁあああああ!!!!!!!」
豪雨のごとき平手打ちにマルコ神父は絶叫する。
あまりの苦痛に、プライドもかなぐり捨て、手足をバタつかせてしまう。
 ビッダァァァァァ~~~~~ンンンッッッッ!!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~ッッッッ!!!!
「ぎっ・・!ひっ・・!ひっひっ!ぎっひぃぃぃぃ!!!!」
悲鳴を尻目に、平手の嵐はマルコ神父のお尻をさらに濃い赤へと染め上げてゆく。
 「ひぃ・・!やめ・・!ひぃん・・!や・・やめ・・・やめて・・下さい・・!」
バアッジィィ~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~!!!!
さすがに耐えられないのだろう、涙を浮かべながら、マルコ神父は必死に許しを乞う。
だが、それを無視してネド神父は叩き続ける。
 「ひっ・・!やめ・・やめて下さいっ!ひいいっ!やめ・・やめて・・・!!うわぁぁぁああ!!!痛・・!!痛いぃぃぃ!!!」
マルコ神父の悲鳴と共に肌を打つ音が長い長い間、部屋に響きわたり続けた。


 「うぅ・・ひっ・・あっう・・えっ・・・」
プライドも何もかもかなぐり捨てて、マルコ神父は泣いていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がっている。
 「マルコ・・まだ不足か?何だったら礼拝堂に行って叩いてもいいんだぞ?」
(そ・・そんな・・!!こんな姿を・・皆に・・!?)
ネド神父の言葉に、思わずマルコ神父は皆の前でお仕置きされる姿を想像してしまう。
その間に、ネド神父はマルコ神父を担ぎあげ、部屋を出ようとする。
 (ほ・・本当に・・!?)
本気で公開お仕置きをしようとしていることに気づき、マルコ神父は慌てだす。
「わ・・わかりましたっ!言いますっ!話しますっ!で・・ですから・・み・・皆の前でだけは・・・!!」
「やれやれ・・・。ようやく素直になってくれたな・・・・」
ホッとしたようにため息をつくと、ネド神父は歩みを止めた。


 「だーはっはっはっはっ!!」
「わ・・笑わないで下さいっ!恥ずかしいんですからっ!!」
マルコ神父は顔を真っ赤にして抗議する。
 「すまんすまん。しっかし、ミハエル神父に嫉妬して家出するなんてなぁ」
ニヤニヤ笑みを浮かべながら、ネド神父は言いやる。
「だ・・だから嫌だったんですっ!そもそも・・あなたのせいでしょうが!!」
「悪かったって。別にミハエルとは何でもねえって」
「それにしては随分楽しそうだったじゃないですか!」
「まぁアイツといると楽しいけどなぁ。でも安心しろ。俺はマルコ一筋だからな」
「そ・・そんなので誤魔化されませんっ!」
拗ねているのだろう、マルコ神父は顔をそむけながら言う。
 「ふふふ、カ~ワイイなぁ~」
「ちょっと!何するんですかっ!?」
ネド神父はニヤニヤしながらマルコ神父を抱き寄せたかと思うと、思い切り濃厚なキスをする。
 「ん・・んぐ・・ん・・!!ぶっは・・・!!って何するんですかーーー!!!!」
ようやく解放されたマルコ神父は、思い切りネド神父を殴ってしまう。
「ってキスしただけだろうが?」
「何を考えてるんですか!?不謹慎な!」
「いやさ、ミハエルのことでご機嫌斜めだからな。俺の気持ちを表そうとな」
「だからってこんなことしなくてもいいでしょうに!?」
「これじゃなきゃダメなんだよ。マルコにしか、こんなこと、したくないからな」
「わ・・私はしたくありませんっ!!ネド神父の馬鹿っっ!!」
マルコ神父は顔を真っ赤にして部屋を飛び出してしまう。
 「あららら、ちょっと薬が効きすぎたか・・・」
マルコ神父の反応にネド神父は少し反省する。
「でも・・ああいうところが可愛いんだよなぁ」
だが、すぐに惚気たような表情を浮かべ、そう呟いた。


 「全く・・!何考えてるんですか!?相変わらず非常識なんですから!!」
マルコ神父はネド神父の対応に呆れずにはいられなかった。
(でも・・私にしかしたくないと言っていましたね・・・)
ネド神父の言葉と共に、先ほどの濃厚なキスの味を思い返す。
思い返すと、何だか蕩けそうになり、身体が熱くなってきそうになる。
 (私の馬鹿っ!?何考えてるんですかっ!?)
自分の反応にマルコ神父は慌て、必死に自分を落ち着かせる。
「全く・・!何なんですか・・もう・・!」
何とも言いがたい表情を浮かべ、マルコ神父はそう呟かずにはいられなかった。


 ―完―

マルコ神父17(BL要素あり)



(BL要素ありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「う・・うわあっっ!!」
思わずマルコ神父は悲鳴を上げてしまった。
「どうしたんだ!?」
悲鳴を聞きつけ、ネド神父が入ってくる。
 「あ・・あぁ、ネド神父ですか」
「ネド神父ですか、じゃねえだろ?どうしたんだ?いきなり声なんか出してよ?」
「な・・何でもありません!ちょ、ちょっとゴキブリを見かけてビックリしただけです!」
「ならいいんだが・・・。ん?何だ?珍しいな?ネットなんて見てるなんてな?」
「わ、私だってたまには見ますよ。悪いんですか?」
「別にそうは言ってねえって。そうツンツンすることはないだろう?」
「もう用が無いのなら出ていってもらえますか?仕事をしないといけないのですが?」
「わかったよ。相変わらずツレねえなぁ。まぁそこがいいんだけどな」
「さっさと行って下さい!!」
残念そうに言うネド神父に、マルコ神父はそう言う。
 「全く・・相変わらずなんですから・・・」
ネド神父の態度にマルコ神父はため息をつく。
(もう・・行きましたよね?)
マルコ神父は静かにドアを開け、ネド神父が完全に去ったことを確認する。
ネド神父がいないと確信すると、今度は安堵のため息をついた。
 (よかった・・・。いないようですね・・・)
安堵すると、マルコ神父は再びパソコンに向かう。
(それにしても・・まさか・・・こんな・・・・)
マルコ神父は画面を開くと、顔を真っ赤に染める。
画面に映っているのは、男同士の行為の画像。
男同士の恋愛や行為をテーマにしたサイトだった。
 (これ・・・入って・・ますよね・・?)
ジッと画面を見つめながら、マルコ神父はそう心の中で呟く。
さらにマルコ神父は色々と映像を見てゆく。
「う・・うわ!?」
中にはかなりスゴイことをやっているのもあり、マルコ神父は声を出しそうになるのを必死に押さえる。
 「も・・もう・・充分ですね・・!や、やめましょう!?」
マルコ神父は半ば自分に言い聞かせるように言うと、慌ててパソコンをシャットダウンした。


 (全く・・・私としたことが・・。何の気の迷いを・・・・)
一休みしながら、マルコ神父は自分に呆れかえっていた。
(男同士で・・どうやるかだなんて・・・何でそんな馬鹿なことを考えたんですか!?)
ネットを見る前の自身に、マルコ神父は腹を立てずにはいられなくなる。
先ほどマルコ神父が画像を検索していた理由、それは男同士ではどうするのか?それが気になったからであった。
 さすがに人に聞くわけにもいかず、ネットを利用して調べていたというわけである。
そうしたらあんな衝撃的な映像が出てきたので、思わず驚いて声が出てしまった、というわけだった。
冷静に考えると、何とも馬鹿なことをした、そう思わずにはいられない。
 (でも・・まさか・・あんなこと・・するだなんて・・・・)
検索中に見つけた画像を思い出しつつ、マルコ神父は顔が赤くなる。
さすがにモザイクなどはかけてあったものの、どういうことをしているのかはわかる。
 (あんなところに・・あんな・・ものを・・・・)
具体的な内容を思い出し、さらに顔が赤くなる。
(って何を考えてるんですか!?こんなことを考えてる暇があったら仕事でもしたらどうなんです!?)
馬鹿なことを考えている自身を叱咤すると、マルコ神父は休憩を切り上げる。
そして馬鹿な考えを振り払おうとするかのように、仕事をし始めた。


 「うぅん・・・・」
マルコ神父は落ち着かない様子で、ベッドの上で寝がえりを打つ。
(私と・・したことが・・・)
目を閉じながらも、マルコ神父は苛立ったような表情を浮かべる。
寝ようとしているのだが、昼間にネットで見た画像が気になってしまうのだ。
 (くだらないことを考えている場合ではないでしょう!さっさと寝て明日に備えたらどうなんです!)
自身を叱咤すると、マルコ神父は寝ようとする。
だが、そうしようとすればするほど、昼間の画像がさらにチラついてしまう。
もはや頭から画像を振り払うどころではなくなってしまう。
 「し・・仕方・・ありませんね・・・・」
苦虫を噛み潰したような表情を浮かべると、マルコ神父は起き上がる。
仕事用のノートパソコンを開いたかと思うと、ネットに接続し始めた。
 「べ・・別に・・気になったから・・じゃ・ありませんよ・・。こ・・このままじゃ・・寝れない・・からですよ・・・」
自分に言い聞かせるようにそう呟きながら、マルコ神父は目的のサイトを検索する。
やがて、目当てのサイトを見つけると、マルコ神父は入室する。
 入ったのは男同士の恋愛や行為を題材にした、いわゆるBL系のサイト。
(これ・・ですね・・)
ギャラリーのR-18コーナーに、目的の画像を見つけると、マルコ神父はクリックして拡大する。
すると、裸の青年二人が絡み合っている画像が画面全体に表示された。
 (うわ・・・凄い・・ですね・・・)
マルコ神父は思わず息を呑む。
表情は蕩け、大きく足を開いて繋がり合っている姿は何ともいいようのないものだった。
(ほ・・・他にも・・あるんでしょうかね?)
不意に、そのことを考えてしまう。
 (何を考えてるんですか!もう用は済んだでしょう!さっさと閉じたらどうなんです!?)
理性がそう叱咤するが、一度疼いた好奇心は中々止まらない。
思わずマルコ神父はギャラリー内にある別の画像もクリックしてみる。
すると様々な画像が現れた。
 (うわ・・!凄い・・・!ええ・・!こんなのまで・・!?)
想像もつかない体位や行為を行っているもの、あまりにも過激で思わず目を覆ってしまいそうになるもの、そうかと思えば恋愛要素の強いものなど、男同士の恋愛や行為に関する様々な画像がクリックするたびに目の前に拡大される。
いつの間にか、時間を忘れてマルコ神父は画面に魅入っていた。


 「おい、大丈夫か?」
「な、何がですか?」
ネド神父に呼びかけられたことに気づくと、慌ててマルコ神父は返事をする。
 「いや、何か最近ぼうっとしてるみたいだからな・・」
「何を言ってるんですか。別に何ともありませんよ」
ネド神父の言葉に、マルコ神父はそう返す。
 「ならいいんだが・・・・」
そう言いつつも、納得していないのか、ネド神父はマルコ神父の方を見やる。
「何ですか?私の言うことが信用できないと?私がまともに健康管理も出来ないような人間だと思っているんですか?」
「いや、そうは言ってないって。悪かったって」
マルコ神父の機嫌を損ねたことに気づき、ネド神父はすぐにも謝る。
「ならいいんですよ。全く・・・失礼ですね・・・」
そういうと、マルコ神父はその場を立ち去る。
 「たはは・・・しくじっちまったなぁ・・・・」
マルコ神父の機嫌を損ねてしまったことに、ネド神父は思わず呟く。
「しかし・・・どうも様子がおかしいんだよな・・。ここ数日ボーッとしてたりするしな・・・」
顎をすりつつ、ネド神父はそう呟く。
ここ数日、どうも調子がよくなさそうなのに気づいていたからだ。
 (とはいえ・・・素直に話すようなマルコじゃないからな・・どうしたもんかねぇ・・?)
確かめる方法は無いものかと、ネド神父はそのまま考え込んでいた。
 (危な・・・かった・・・ですね・・・)
部屋に戻ると、マルコ神父はホッと安堵の息をつく。
だが、息をついた直後、猛烈な眠気が襲ってきた。
(何をやってるんですか!?寝るんじゃありません!まだ仕事中なんですよ!)
睡魔に襲われる自身をマルコ神父は必死に叱咤する。
だが、意思とは裏腹に、睡魔は容赦なく襲いかかり、マルコ神父を攻めたてる。
マルコ神父は頬を幾度もパチパチと叩き、眠気を追い払いにかかる。
ようやく睡魔が去ったと思えると、ホッと安堵の息をついた。
 (これで・・・ようやく・・・。それにしても・・・私としたことが・・・!!)
マルコ神父は歯噛みしたくなる。
原因はよくわかっていたからだ。
(私の馬鹿!!徹夜であんなサイトを見てるからこうなるんですよ!!)
昨夜の自身を思い返し、マルコ神父は自身を叱咤する。
BL系のサイトを見ているうちに、気が付いたらすっかり朝になっていたのだ。
 (あんな・・・あんな・・・サイトを・・徹夜で・・・。しかも・・・それで・・寝不足に・・なんて・・・)
思い出せば出すほど、マルコ神父は自分が情けなくなってきて、同時に腹が立ってくる。
そんなとき、再び睡魔が襲ってきた。
 (何をしてるんですか!寝るんじゃありません!!)
眠りそうになる自身を叱咤するが、身体は崩れ落ちそうになり、視界は暗くなる。
(寝るな・・と言ってるでしょう!!)
眠気に屈服しかけている自身に怒りを爆発させたマルコ神父は、咄嗟に机上のカッターを取るや、太もも目がけて振り下ろした。
 「ぐ・・・・!!」
太ももに痛みを覚え、眠気は完全に吹っ飛ぶ。
だが、直後、自分の太ももにカッターが突き刺さっていることに気がついた。
 「う・・うわあああっっっ!!!」
苦痛よりも驚きで、マルコ神父は悲鳴を上げる。
「どうした!?」
思わぬマルコ神父の悲鳴に、ネド神父が飛び込んで来た。
 「あ・・ネド神父・・ぐぅぅ・・!!」
足の痛みにマルコ神父は思わずカッターを引き抜こうとする。
「馬鹿っ!触るんじゃない!うかつに抜けば出血するぞ!」
ネド神父にそう言われ、マルコ神父は手を止める。
 「あ・・もしもし・・病院ですか?すみません、すぐに救急車をお願いします」
ネド神父は携帯を取り出すと、すぐにも病院に電話をかけていた。


 それからしばらく経った頃・・・・。
(私と・・・したことが・・・・)
マルコ神父はしばらく前の自分の行動を思い返し、羞恥に絶えない。
眠気に負けそうになった自分にカッとなった挙句、自分自身をカッターで刺したのだ。
あまりにも考えなしな行動に、自分でも呆れずにはいられない。
幸い、傷は大したことは無く、しばらく病院に通って完治したものの、自分の愚かさに思わず落ち込みそうになる。
 「マルコ、ちょっといいか?」
「何ですか?仕事中なんですが?」
仕事を邪魔されたからか、マルコ神父は不機嫌そうな表情を浮かべる。
 「そう言うなって。大事な話なんだよ」
「なら仕方ないですね。ただし・・・・手短に済ませて下さいよ」
「わかってるって」
マルコ神父は作業を中断すると、ネド神父の部屋へと行く。
 「で?何ですか?話というのは?」
不機嫌な表情を浮かべつつ、マルコ神父は尋ねる。
「ああ。この前、お前さんが怪我したときのことでな・・」
その言葉に、一瞬マルコ神父は表情が強ばる。
 「あ・・あのこと・・ですか・・・」
「ああ・・・。まず・・もう怪我はいいのか?」
「ええ。もう大丈夫ですよ。何ともありません」
「そうか。そいつはよかった・・・」
マルコ神父の返事に、ネド神父は心からホッとする。
その姿に、マルコ神父は少しだけ心が痛みそうになる。
 「本当に・・よかった・・・。だが・・・」
一旦言葉を切ると、ネド神父は厳しい表情になる。
「この馬鹿ッ!一体何やってんだっっっ!!!」
「す・・すみません・・!!」
思い切り怒鳴られ、思わずマルコ神父は謝る。
 「すみませんじゃないだろ・・・。それより・・わかってるだろうな?」
「は・・はい・・・・」
マルコ神父はそう返事をすると、ネド神父の傍へやって来る。
脇にマルコ神父が立つや、ネド神父は手首を掴んで引き倒し、膝の上にうつ伏せに載せた。
 「く・・・・!」
神父服の裾を捲りあげられ、ズボンと下着を降ろされると、羞恥に思わず声を上げる。
見られている、そう思うと恥ずかしさに全身を震わせずにはいられない。
 「おぃおぃ、叩きもしないうちにビビってるのか?」
「ち・・違いますっ!さ、寒いだけですっ!!」
恐怖と勘違いされたことに、マルコ神父は思わず叫ぶ。
 「まぁいい。それより・・・覚悟はいいだろうな?」
「ええ・・。いつでも・・構いませんよ・・」
恐怖心や屈辱感を押さえつつ、平静を装ってマルコ神父は返事をする。
それを聞くと、ネド神父は左手でしっかりとマルコ神父の頭を押さえ、右手を振り上げた。


 ビッダァァ~~~~ンッッッ!!
「く・・ぅ・・・!!」
最初からの容赦のない平手打ちに、思わずマルコ神父は声を漏らす。
バシッ!バアンッ!ビダンッ!バアアンッ!
骨にまで響くかと思う強烈な平手打ちに、マルコ神父は身体を強張らせ、表情を歪める。
一打ごとに濃いめの手形がお尻に浮かび上がり、それが幾重にも重なってお尻を少しずつ赤く染めてゆく。
 バシッ!ビダンッ!バジィンッ!バアンッ!バシッ!
(さ・・さすがに・・怒って・・ますね・・・)
痛みに顔を歪めつつ、マルコ神父はそう思う。
いつもは最初のときは多少弱めに叩く。
だが、今回は最初から強めに叩いている。
そこから、だいぶ怒っていることは容易に想像できた。
 ビダンッ!バシィンッ!バアアンッ!バシィンッ!バアンッ!
「・・ぁ・・ぅ・・・っ・・・ぁ・・っ・・」
(何をしているんですか!恥ずかしい真似をするんじゃありませんっっ!!)
呻き声を漏らした自分を、マルコ神父は心の中で叱咤する。
だが、身体は正直なもの。
意思とは裏腹に声が漏れてしまう。
 バジィンッ!ビダァンッ!バアアアンッ!バシィンッ!ビダァンッ!
「く・・!あっ・・!あっく・・!あっう・・!あぁあ・・・!」
力強い平手打ちに、マルコ神父の呻き声はさらに大きくなり、表情はより苦しげになる。
 「この馬鹿ッ!何やってんだっ!!」
容赦ない平手を振り下ろしつつ、ネド神父はお説教を始める。
「テメェの足に刃物なんか突き立てやがって!こっちがどれだけ驚いたと思ってんだっ!この・・大馬鹿野郎っっっっ!!!」
バアッジィィ~~~~ンッッッ!!!ビッダァァ~~~~ンッッッ!!バアッアァア~~~~ンッッッ!!ビバッジィィィ~~~ンッッッッッ!!!
「ぐ・・!ぐっうぅう・・!ひっ!も・・申し訳・・ありま・・せんっ!!ぐぅぅ!!」
さらに激しく叩かれ、マルコ神父は悶えながら謝る。
 「謝るのは当たり前だろうが!それより・・・何であんな馬鹿な真似をしやがった!!」
「そ・・それは・・・」
マルコ神父は思わず口ごもってしまう。
真夜中に18禁なサイト、それも男同士のを徹夜で見て寝不足になり、そんな自分にカッとなって眠気を追い払おうと刃物を振るったなんて、あまりにも大人げさなすぎる。
情けないし、恥ずかしくて、とても言えない。
 「い・・言いたく・・ありません・・・」
「マルコ・・それで済むと思ってんのか?」
マルコ神父の返事に、ネド神父の表情が険しくなる。
「い・・・言いたくないものは言いたくありませんっ!た・・叩きたければ叩けばいいでしょう!!」
(だからどうしてそういうんですか・・・。私の馬鹿・・・)
思わず喧嘩腰に言ってしまう自分に、マルコ神父は呆れたくなる。
 こんなことを言えばますますネド神父は怒る。
当然、お仕置きはさらに厳しくなる。
わかっているはずなのに、こう言わずにはいられなかった。
 「よくわかった・・。だったら・・こっちも手加減なんかしてやらんからな」
そういうと、ネド神父は足を組む。
おかげで、マルコ神父は既に赤くなっているお尻を突き上げる体勢になる。
同時にネド神父は再び右手を振り上げた。
 ビッダァァァ~~~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~ッッッ!!!
「ぐっ・・!うっあぁああ・・!あっ・・!あぁぁあああ!!!」
激しい平手の嵐にマルコ神父は悲鳴を上げ、背をのけ反らせては両脚をバタつかせる。
 バアッジィィィ~~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~ッッッッ!!!!
「ひっ!ひぎぃぃぃ!うぎっ!うわああっ!痛・・痛あっ・・!ひっ!痛いっ!痛いいぃぃぃ!!!」
とても耐えきれず、プライドも何もかもかなぐり捨てて、マルコ神父は悲鳴を上げる。
 「ひいいっ!やめっ!やめて・・!やめて下さ・・ひぃぃっ!痛っ!痛ぁぁぁ!!!ひいっ!やめ・・やめてぇ・・!!ひぎぃぃぃ!!!!」
両脚をバタつかせながらマルコ神父が必死に懇願するのを尻目に、ネド神父は手を振り下ろし続けた。


 「ひっ・・ひぃん・・ぎっひ・・・ひぃぃん・・・・」
大粒の涙を零してマルコ神父は泣きじゃくっていた。
お尻は今やワインレッドを超えた色に染め上がっている。
苦痛に暴れ回ったせいか、全身汗だくで、神父服はグッショリしていた。
 「マルコ・・・・」
ヒタヒタと軽くお尻をはたきながら、ネド神父は呼びかける。
「まだ・・不足か?何なら・・パドルでたっぷり・・百叩きはしてやろうか?」
(そ・・そんな・・・!!こ・・これ以上・・されたら・・・!!)
ネド神父の宣告に、マルコ神父は背筋が寒くなる。
お尻はもはや限界を超えている。
これ以上ぶたれたら壊れてしまうかもしれない。
 「いや・・。百じゃ軽すぎるか・・。少なくとも千叩き・・待てよ・・どうせなら、皆が見てる前でしてやろうか?きっちり反省出来るようにな」
(ほ・・本気ですか?ま・・まさか・・幾ら・・ネド神父でも・・)
そう思いたかったが、次の瞬間、ネド神父はマルコ神父を肩に担いで立ち上がる。
 「な・・何をするんですかっ!?」
思わずマルコ神父は声を上げる。
「ん?決まってんだろ。これから礼拝堂に行くんだよ」
「な・・何故です!?」
「どうやら反省出来てないみたいだからな。ちゃんと反省出来るように、皆の前でお仕置きするんだよ」
「な・・・!!」
ネド神父の言葉に、マルコ神父は愕然とする。
 (そ・・そんな・・・。こんな・・姿を・・皆に・・・!!)
皆の目の前で子供のようにお尻をぶたれ、泣き叫び、許しを乞う姿をさらす。
プライドの高いマルコ神父にとって、何よりも辛いことだった。
 まさかと思いたいマルコ神父を尻目に、ネド神父は外へ出ようとする。
「お・・・降ろして下さいっ!!やめ・・やめてっっ!!」
最悪の事態を防ごうと、マルコ神父は必死に暴れる。
 「こら!暴れるな!危ないだろうが!」
だが、ネド神父はそんなマルコ神父を叱りつけ、肩に担いだまま、軽くお尻を叩く。
お尻を叩かれた痛みにマルコ神父が呻いた隙に、ネド神父はそのまま部屋を出ようとする。
 「ま・・待って下さいっ!!話しますっ!ちゃんと話しますっ!ですから・・・皆の前でだけは・・・!!」
公開お仕置きの恐怖に、マルコ神父は必死になる。
 「だったら・・ちゃんと言えるな?」
ネド神父はマルコ神父を降ろして尋ねる。
「はい・・・。実は・・・」
羞恥を必死に振りはらいつつ、マルコ神父はようやく口を開いた。


 「だ・・だっはっはっはっは!!」
「わ・・笑わないで下さいっ!!わ・・私だって・・恥ずかしいんですからっ!!」
マルコ神父は羞恥に顔を真っ赤にしながら言う。
 「わ、悪かった。しっかし・・まさか・・・男同士の・・エロサイト・・なんてな・・いや・・たはは・・」
「だ・・だから話したくなかったんです!!」
マルコ神父はそう言うと、プイッとソッポを向いてしまう。
 「悪かったって。謝るから拗ねるなよ」
「拗ねてなんかいません!」
そういうものの、どう見てもマルコ神父は拗ねていた。
そんなマルコ神父に、ネド神父は薬を塗ってやる。
 「まぁでも、別に男同士のやり方に興味があるんなら、俺に言ってくれればいいんだよ。恋人同士だろ?手取り足とり教えてやれるぞ?」
「だからどうしてどうデリカシーのないことばかり言うんですかっ!全くもう・・・」
ネド神父の態度にマルコ神父はカッとなるや、枕でバシバシとネド神父を叩きだす。
 「おいっ、ちょ、待てって」
「待ちませんっ!さっさと出ていって下さいっ!デリカシーの無い人となんか一緒にいたくありませんっっ!!」
「わかったわかった。出てくから勘弁してくれって」
ネド神父は謝りながら逃げ出すように出ていく。
 「もう・・本当にデリカシーの無い人なんですから・・」
呆れたように呟きつつ、マルコ神父はベッドにうつ伏せになると、顔を顰めながらお尻をさすりだす。
 「私も私ですね・・。何だって・・あんな馬鹿なことを・・・・」
お尻をさすりながら、マルコ神父はそう呟く。
(でも・・すごく・・気持ち良さそうでしたよね・・・。ネド神父と・・すれば・・あんなにも・・?)
サイトで見た画像をネド神父と自分に置き換え、思わずそんな想像をする。
 (私の馬鹿!なんて想像してるんですか!?)
神父にあるまじきはしたない想像に、自身を叱咤する。
だが、ネットの画像のようにネド神父に抱かれている自分を想像すると、下半身が疼いてきそうになる。
 「あああ~~っ!何なんですか!」
お尻の痛みも忘れ、マルコ神父はそう叫ばずにはいられなかった。


 ―完―

マルコ神父16(BL・アダルト要素あり)



(BL・アダルト要素ありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 (こ・・ここですね・・・)
マルコ神父は緊張した面持ちを浮かべて、ジッと目の前の店を見つめていた。
外装や看板は風俗店らしい感じのもの。
とても神父が入るにふさわしいものではない。
マルコ神父の姿も、普段と違ってスーツ姿だった。
 (は・・入らないと・・。でも・・)
マルコ神父は入ろうとしてためらう。
以前、知らずにこの手の店に関わり、ひどい目に遭いかけたことがあるのを思い出したのだ。
 (何をためらっているんですか!?今さら何を言ってるんです!?)
尻込みしそうになる自身を、マルコ神父は叱咤する。
(調査をすると自分で決めたのでしょう!?なのに今さらここで逃げる気なんですか!?恥を知りなさい!)
ためらう自身に必死でマルコ神父は発破をかける。
同時に数日前のことを思い出していた。


「マルコ、ちょっといいか?」
「何です?仕事中なんですが」
声をかけてきたネド神父に対し、マルコ神父は作業を中断すると、不機嫌そうな声になる。
 「そう露骨に嫌そうな顔すんなよ。ショックだぜ」
「これくらいでショック受けるようなネド神父じゃないでしょう?それより・・何なんですか?大したことじゃないなら怒りますよ?」
「わかってるって。大事なことなんで怒るなよ」
「ならいいでしょう。ですが、手短に済ませて下さいよ」
渋々といった感じで、マルコ神父はようやく了承する。
 「最近、教会の近くに出来た店、知ってるか?」
「あの店ですか?それくらい知ってますよ」
マルコ神父はそれを聞くと、不機嫌な、というよりも嫌悪感をあらわにした表情を浮かべる。
それも無理もないことで、その店というのは、いかがわしい商売をしている店だったからだ。
おかげで最近、胡散臭い輩が教会の近くで見かけられるようになり、治安上教会や町の方でも問題視し始めたところである。
 「その店なんだがなぁ、どうも違法な店らしいんだよ。まぁそうでなくとも場所柄ああいうのがあるのはよくねえしな」
「わかりきったことでしょう。で、どうするんです?」
「それなんで調査することになったんだわ」
「調査・・もしかして・・あの店に行くんですか?」
「当たり前だろ。行かなきゃあ調査出来ねえし。ん?どうしたんだ?そんな顔して?」
「は?何か私の顔についてますか?」
突然尋ねられ、マルコ神父は怪訝な表情を浮かべる。
 「いや、何だか凄く嫌そうな顔してたからな」
「な、何を言ってるんですか!?そ、そんな顔してません!!」
ネド神父の言葉をマルコ神父は否定する。
 「そうか~?何か凄く面白くなさそうな顔してたな。ハハ~ン、俺がそういう店行くとか言ったから妬いてるのか?」
ネド神父はニヤニヤと面白がっているような笑みを浮かべる。
「そ、そんなワケないでしょう!あなたがどういう店に行こうが妬くワケないでしょう!?」
「隠すなって。大丈夫だって。俺はマルコ一筋だからな」
「違うと言っているでしょう!!もう用は済んだんじゃないですか!!さっさと出て行って下さい!!」
カッとなったマルコ神父は強引にネド神父を追い出してしまう。
「タハハハ・・ちょっとからかいすぎたかね・・・」
マルコ神父の態度にネド神父は苦笑すると、自分の仕事へと戻っていった。
 「全く・・・呆れた人ですね・・!私が・・ヤキモチなんか・・!!」
そこまで言いかけたところで、マルコ神父はその手の店でネド神父が鼻の下を伸ばしている光景を思い浮かべる。
直後、何とも形容しがたい感覚が胸の奥底から浮かび上がって来る。
 (違います!妬いてなんか・・・!!)
そう思いつつも、ネド神父がそういう店へ行くといったことが心を乱す。
「ああもうっ!何なんですか~~~!!!」
苛立ちのあまり、マルコ神父はそう叫ばずにはいられなかった。
 (く・・・!!べ、別にネド神父がこういうところに行くのが嫌だからじゃありませんよ!!あんないい加減な人にこういうところの調査を任せたら仕事そっちのけで遊んでしまうからですよ!!し、仕方なくですからね!!)
数日前のことを思い出しながら、マルコ神父は弁解するように心の中で叫ぶ。
(とにかく・・入りましょう。そうしないことにはどうにもなりませんし)
腹をくくると、マルコ神父は店の中へと入っていった。


 (な・・何て・・格好・・ですか!?ふしだらな!!)
マルコ神父はテーブルを行き来するウェイターの姿にそう叫びたくなる。
ウェイター達が着ているのは、SMなどで使われているレザー系の服、それもかなりきわどいデザインのもの。
それを美しい青年のウェイターが着ているのだが、何ともエロスで背徳的な感じを醸し出している。
往年のセクシー女優さながらにお尻を振って歩き、鼻の下を伸ばしている客(いずれも男)にしなだれかかりながら、相手をしているその姿は、何とも背徳的だ。
 (ね・・ネド神父なんかに・・任せなくて・・よかったですね・・)
店の片隅で縮こまり、他の客同様に酒を飲む素振りをしながら、マルコ神父はそう思う。
ネド神父のことだ、こういう場所に来たら仕事そっちのけで本気になって遊ぶだろう。
それに、ネド神父が自分以外に鼻の下を伸ばしているのは嫌だ。
 (って何を考えてるんですか!べ、別にヤキモチなんか・・・!!)
マルコ神父は自身にそう言い聞かせる。
(それより・・・。肝心の調査を進めませんと・・・。しかし・・・・)
マルコ神父は考え込む。
一見すると、店員がエッチな格好をしていたり、客とふざけ合ったりしながら酒を飲んだりしているだけだ。
肝心の部分がわからない。
どうしたらいいものか、と考えていたときだった。
 不意に客の一人が、ウェイターの一人と連れあって奥の方へと消えてゆくのが見えた。
とっさにマルコ神父は立ち上がり、後を追う。
すると客とウェイターは店の奥から階段を通じて地下へと降りてゆく。
マルコ神父が後を追ってゆくと、幾つものドアが左右に並んだ廊下へとたどり着いた。
 ドアの向こうからは悲鳴や嬌声、肌を打つ音などが聞こえてくる。
(な・・なな何ですか!?)
音に思わず驚き、マルコ神父は後ずさりそうになる。
(何をしてるんですか!?目的を忘れたんですか!?調査に来たのでしょう!?)
その場から逃げ出しそうになる自身を叱咤し、マルコ神父は勇気を奮い起す。
恐る恐るマルコ神父は近くのドアの前に立つと、小窓から中を覗き込んだ。
 ビシッ!バシッ!ヒュンッ!ビシッ!
「むっ!むぅぅ!むっ!むっ!うぅうぅ!」
空を切る音や肌を打つ音と共にくぐもった声が漏れる。
声の主はレザー製ボンテージファッションの青年。
拘束台にお尻を突き出した体勢で拘束され、梨型の器具を最奥部に突っ込まれ、無理やりに広げられている。
おかげで内部が見えそうになり、出血までしていた。
 (あ・・・!!)
青年の蕾をこじ開けている客の男を見るや、マルコ神父は我が目を疑う。
男は政治関係のニュースや新聞記事で見かけたことがある市議会議員だった。
 (何てことですか!?議員ともあろう者が!!)
マルコ神父は思わず憤慨する。
まさかと思い、マルコ神父は他の部屋もドアの小窓を通して覗いてみる。
すると、いずれの部屋も実業家やタレントらしい社会的地位のある男性が若く美しい青年をなぶりものに、それもとても合意の上とは思えない行為をしている。
 (ふしだらな!いや・・そういう問題じゃありません!!)
美しい若者をいたぶり凌辱する、そんな光景にマルコ神父は背筋が寒くなる。
すぐにも警察へ訴えよう、そう決意すると、急いでその場を立ち去ろうとする。
 「おい」
不意に呼び止められ、思わずマルコ神父は立ち止まる。
振り返ろうとしたそのとき、後頭部に鈍い衝撃を覚え、そのまま気を失った。


 「くぅぅ・・・・」
頭の中でガンガン鳴り響いているかのような感覚に、マルコ神父は思わず呻き声を漏らす。
「目が覚めたか」
聞き慣れぬ声に思わずマルコ神父は顔を上げる。
すると、いつの間にか見知らぬ男が数人、部屋に入って来ていた。
 「何です、あなた方は」
マルコ神父は男達の様子に危険を感じながらも、平静を保とうとする。
「それはこっちの台詞だ。何をコソコソと嗅ぎ回ってる?」
「嗅ぎ回る?あなた方の勘違いじゃないですか?」
「しらばっくれるんじゃねえ!大人しく吐け!」
「勘違いだと言っているでしょう!そちらこそ・・後ろ暗いことでもあるんじゃないですか!?」
(しまった!?)
叫びつつ、マルコ神父は後悔する。
この手の輩にこんなことを言えば、まずい事態になることは分かりきっている。
だが、屈服などしたくない、その気持ちが先走ってしまった。
 「コイツ・・いい度胸だ!おい!上玉だから惜しいが・・余計なことされても困る。たっぷり遊んだ上で始末してやれ!」
兄貴分らしい男の言葉に、残りの連中の目の色が変わる。
マルコ神父が危険を感じたと同時に、男達が飛びかかった。
 あっという間にスーツが引きちぎられ、床に押し倒される。
「ひ・・・!!」
一人が圧し掛かり、獣欲に満ちた厭らしくおぞましい表情を近づけ、臭い息を吐きかける。
恐怖と嫌悪にマルコ神父が思わず身を震わせたそのときだった。
 突然、ドアが乱暴に開いた。
同時に何かが勢いよく飛びこんで来たかと思うと、鈍い音がたて続けに響いた。
 「大丈夫か?」
「ってネド神父!?どうして!?」
マルコ神父は、ネド神父の姿に思わず驚く。
「お前がいつの間にかいないからまさかと思ってな・・・。しっかし・・・何て格好だ・・」
「く・・・。こ・・これは・・・」
引き裂かれ、肌が露出した姿に、マルコ神父は思わず顔を赤くする。
 「まぁいい、一応念のために持ってきといた。早く着替えろ」
「す・・すみません・・・」
マルコ神父は恥じ入る声で礼を言うと、ネド神父が持ってきた神父服を受け取り、すぐに着替える。
「礼なんかいい。帰るぞ」
「ですが・・このままでいいのですか?」
ネド神父に殴られ、気絶している男達を見やりながら、マルコ神父は尋ねる。
「すぐに警察が手入れにやって来る。それとも・・・・事情聴取なんかされて、恥ずかしい目に会ったことを知られたいのか?」
「そ・・そんなわけ・・ないでしょう!」
屈辱感に顔をゆがませてマルコ神父は言う。
 「だったらさっさと帰るぞ」
「え・・ええ・・・」
マルコ神父はそう言うと、ネド神父について店を後にした。


 「マルコ・・・怪我とかは・・してないか?」
教会に戻ると、ネド神父はマルコ神父にそう尋ねる。
「ええ。怪我なんてしてませんよ」
「そうか・・。よかった・・・」
マルコ神父の言葉に、ネド神父は心底から安堵の息をつく。
だが、すぐに険しい表情になる。
 「この馬鹿ッ!何勝手な真似してんだっっ!!」
「も・・申し訳・・ありません・・・」
「申し訳ないで済むか!覚悟は出来てんだろうな!」
ネド神父はそう言うと、有無を言わさずマルコ神父の手首を掴んで引き倒す。
マルコ神父を膝の上に載せると、ネド神父はいつものように神父服の裾を捲り上げ、ズボンを降ろしてお尻をあらわにした。
 「くぅ・・・!」
予想はしていたとはいえ、お尻をむき出しにされ、マルコ神父は羞恥に顔を赤らめる。
同時に屈辱感に全身を震わせた。
 「何だ?まだ叩いてもないのに怖いのか?」
「馬鹿なこと言わないで下さい!こんなもの、怖くも何ともありませんよ!」
「ならいい。じゃあ、いくぞ」
「叩くならさっさとやったらどうです!?蛇の生殺しなんて悪趣味ですよ!」
屈辱感を覚られまいと、そんなことをマルコ神父は言う。
ネド神父は左手でマルコ神父を押さえると、ゆっくりと右手を振り上げた。


 バシィィーーーンッッッッッ!!!
「く・・・・!!」
(何をしてるんですか!みっともないでしょう!)
最初から力強い勢いの平手に、マルコ神父は思わず苦痛の声を漏らす。
だが、すぐにそんな自身の惰弱さを心の中で叱咤する。
 バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バチィンッ!
「・・・!・・!・・!・・!」
口には出さないものの、一打ごとの痛みに、マルコ神父は顔を歪める。
打撃を堪えようと、無意識のうちに全身に力が入り、緊張で強ばった。
 バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!
(相変わらずだな・・・。まぁそこがマルコらしいが・・・)
お尻を叩かれながら、声を出すまいと必死に努力しているマルコ神父の姿に、ネド神父は無意識にそんなことを思う。
痛いなら素直に痛がったりした方が、心理的には楽だ。
耐えようとすれば、却って苦痛は増す。
(まぁそういうところが可愛いんだが・・・色ボケするわけにはいかんしな・・・)
マルコ神父の態度に思わず鼻の下を伸ばしかけるも、ネド神父は自戒する。
 バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バジィンッ!ビダァンッ!
「・・・ぁ・・・ぅ・・・・ぁ・・・っ・・・」
(だからどうして声なんか出すんです!恥ずかしいと思わないんですか!?)
無意識のうちに呻き声を出してしまう自分を、マルコ神父は叱咤する。
だが、身体は正直なもの。
意思とは裏腹に、口からは呻き声が漏れてしまう。
 ビダァンッ!バアジィンッ!バアアンッ!ビバジィンッ!バアシィンッ!
「・・ぁ・・・ぅぁ・・・・ぁぅ・・・ぁっ・・・ぁぁ・・・・」
一打ごとにマルコ神父の口から呻き声が漏れ、表情が変わる。
 バアアンッ!バアジィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バアアンッ!
「ぅ・・あ・・・ぅ・・ぁ・・・つ・・・」
ビバジィンッ!バアジィンッ!ビダァンッ!バアジィンッ!ビダァンッ!
「あぅ・・・あくぅ・・あっ・・・ひぁ・・・あっ・・・」
平手が振り下ろされるたび、マルコ神父のお尻には赤い手形が刻みつけられる。
手形が重なり、お尻の赤みが増してゆくごとに、マルコ神父の呻き声はより大きくはっきりしたものとなる。
同時に、手の甲や額から滲みでる汗が増え、表情もより苦しげなものへと変わってゆく。
 (頃合いだな・・・・)
お尻を叩きながら、ネド神父はそんなことを心中で呟く。
「ったく・・・何やってんだよ・・・」
呆れたような口調で、ネド神父はいつものようにお説教を始めた。
お仕置きはあくまでも反省させることが目的。
である以上、何故お仕置きされているのかをきちんと理解させた上で、反省してもらわなくてはいけない。
 ビダァンッ!バアジィンッ!バシィンッ!バアアンッ!ビダァンッ!
「あの手はヤバイってことは知ってんだろ?それなのに何だって勝手に調査なんかしたんだ。この馬鹿っ!」
「く・・!くぅぅ・・!くっ!ぐくぅぅ!!」
より強くなった平手打ちの苦痛に、思わずマルコ神父はさらに顔を顰める。
「それでどうなったと思ってんだ!危うく口じゃあ言えねえことされるところだったんだぞ!」
「ぐ・・!も・・申し訳・・ありま・・うぐぅぅ!」
謝ろうとするも、容赦なく叩きつけられる平手打ちに、マルコ神父は表情を歪める。
 「謝るのは当たり前だろ!それより何だってこんなことしやがった!!」
「そ・・それは・・・」
そこまで言いかけて、マルコ神父はハッとする。
(待って下さい!ネド神父が・・鼻の下伸ばしてるようなことを言ったからなんて・・そんなこと言うつもりですか!?)
思わずマルコ神父は自身にそう呼びかける。
そんなことを言ったら、まるで自分が嫉妬しているように思われてしまう。
 「言えません・・・いえ・・言いたく・・ありません・・」
「何だと?」
マルコ神父の態度に、ネド神父の表情が厳しくなる。
 「本気でそんなこと言ってんのか?」
「だったら何だと言うんですか?あなたには言いたくないと言っているでしょう!」
「そうか・・・。だったら・・・こっちも容赦なんかしてやらんからな」
そういうと、ネド神父は膝を組む。
おかげで、マルコ神父は赤く染まったお尻を突きあげる体勢になった。
 「マルコ・・どうしても・・言わない気か?」
最後のチャンスのつもりか、ネド神父はそう尋ねる。
「しつこいですよ!言わないといっているでしょう!」
(私の馬鹿・・・)
自身の態度に、マルコ神父は自嘲したくなる。
こんなことをいえば墓穴を掘ってもっと厳しいお仕置きをされるだけだ。
 だが、嫉妬したなどと思われるくらいなら、とてつもなく厳しいお仕置きを受ける方がまだいい。
無意味なプライドなのはわかっていても、そうせずにはいられなかった。
 「わかった・・。なら・・後悔するなよ」
「そんなこと・・あるわけないでしょう!叩くなら叩けばいいでしょう!」
自分の振舞いを馬鹿なことだと思いつつ、マルコ神父は虚勢を張る。
ネド神父はそれを見ると、再びマルコ神父を左手でしっかりと押さえつけ、右手を振り上げた。
 バアッジィィィ~~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッッ!!!!!
 「ぐっ!ぐぅぅぅぅ!ぎっ!うぁぁぁあ!!!」
容赦のない平手打ちの豪雨に、マルコ神父は苦痛の声をあげる。
ビバッダァァァァ~~~~~~~ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッッ!!!!!
「ぎぃぃぃ!!ひっぐぅぅ!!ううっ!ぐぅぅぅ!!」
声はより苦痛が滲み、無意識のうちにマルコ神父は両脚をバタつかせてしまう。
激しい打撃音、苦痛の声、それらがない交ぜとなって部屋に響きわたった。


 「うぅ・・あぅ・・ひっ・・あぅぅ・・・」
力尽きたような感じで、マルコ神父はネド神父の膝の上でグッタリしていた。
お尻は全体が見事な紅蓮に染め上がり、触ると火傷するかと思うほど熱を帯びていた。
(あ・・熱い・・。火が・・燃えてる・・よう・・です・・)
お尻に感じる熱に、マルコ神父はそう思わずにはいられない。
これ以上叩かれたらもう耐えられない。
 「マルコ・・・いい加減に言う気になったか?」
一旦、お尻を叩く手を止めてネド神父は尋ねる。
「い・・嫌・・ぐううっっ!!」
拒否しようとしかけたところを、ネド神父が軽くはたくように叩く。
手加減していたが、既に散々お仕置きされたお尻には、それでも過酷だった。
 「おぃ、もう限界なんだろ?いい加減素直になったらどうだよ?」
半ば呆れたような口調で、ネド神父は言う。
そんなネド神父に、マルコ神父はムッとしたような表情を浮かべる。
「嫌だと・・言って・・いるでしょう・・!叩くなら・・叩いたらどうです!!」
(ったく・・・本当に強情だな・・・)
取りつく島もないといった感じのマルコ神父に、さすがのネド神父もうんざりしたような表情になる。
 (どうする・・・。このままだと・・・気絶するまで叩く羽目になるぞ・・)
ネド神父は思わず考え込む。
確かに今回の件ではかなり怒っている。
ちょっとやそっとでは許す気は無い。
 だが、マルコ神父のお尻が限界なのもわかっている。
これ以上叩くのはマズい。
だが、お仕置きである以上、理由を話してもらえなくては、許すわけにはいかない。
(なら・・絡め手だな・・・)
すぐにネド神父は考えを纏めると、いきなりマルコ神父を肩へ担ぎあげた。
 「なっ!何をするんです!?」
いきなり肩に担がれ、思わずマルコ神父は叫ぶ。
「あん?お前さんがどうにも強情だからな。皆の前でお仕置きしてやることにした」
「な・・・!?」
ネド神父の言葉に、マルコ神父は愕然とする。
 (まさか・・そんな・・・人前で・・・!?)
思わず、以前新年パーティに招待されたときに起こした騒ぎで、後援者の前でお仕置きされたときのことを思い出す。
(あんな・・・思いを・・また・・・)
あのとき感じた羞恥や屈辱感、情けなさ、それら様々な感情が今にも蘇りそうになる。
 「ま・・待って!待って下さい!?」
「だったら話すか?」
肩に担いだまま、ネド神父は尋ねる。
「そ・・それは・・・」
マルコ神父は思わず躊躇う。
公開のお仕置きも嫌だが、事実を話すのも恥ずかしい。
 そんな躊躇には構わず、ネド神父は外へ出ようとする。
「待って下さいっ!お願いですっ!」
「あん?話す気が無いんなら無駄だ」
(そ・・・そんな・・・・!本気ですか!?)
マルコ神父は目の前が真っ暗になりかける。
このままだと本当に皆の目の前でお仕置きをするだろう。
 (いや・・・そんなのは・・嫌・・絶対!?)
マルコ神父は心底からの叫びを心の中で上げる。
嫉妬したと思われるのは恥ずかしい。
だが、公開のお仕置きの方がもっと恥ずかしいし恐ろしい。
二つの恥を秤にかければ、どちらを取るべきかは明らかだった。
 「わかりました!話しますっ!ちゃんと話しますからっ!だから皆の前でだけはやめて下さいっっっ!!!」
「やっとか・・・やれやれ・・・」
マルコ神父の言葉にネド神父はホッとする。
 「そんじゃあさっさと話してもらおうか?」
マルコ神父を肩から降ろすと、ネド神父はそう言う。
「わ・・わかっています!じ・・実は・・・」
心底嫌そうな表情を浮かべつつ、マルコ神父は重い口を開いた。


 「だ・・・だーはっはっはっはっ!!!」
「笑わないで下さいよ!だから嫌だったんです!」
笑い声をあげるネド神父に、マルコ神父は不機嫌そうな表情になる。
必死の思いで話したのに、笑われてしまったからだ。
 「悪かった悪かった。機嫌直してくれって」
「どの面下げてそんなこと言うんですか!そもそも・・あなたがあんなふざけたこと言うから悪いんでしょう!その上・・あんなに笑って!!」
マルコ神父はすっかり拗ねてしまう。
そもそも、ネド神父が鼻の下を伸ばしているかのような発言をしたからこういうことになったのだ。
それなのに、嫉妬をしたことを笑われては、怒りたくもなる。
 「からかったり笑ったのは悪かったって。頼むから機嫌直してくれよ」
「知りません!もう!」
「たはは・・・・仕方ないなぁ」
困ったような表情を浮かべたかと思うと、ネド神父は思い切りマルコ神父を抱き寄せる。
マルコ神父が気づいた時には、既にキスをしていた。
 「ん・・は・・って何するんですか!?」
カッとなったあまり、マルコ神父は思い切りビンタをしてしまう。
「いや。お前さんがあんまり可愛いからついな」
「ついじゃないでしょう!少しは場所を・・ううっ!!」
言葉を続けようとしたところへ、お尻の痛みにマルコ神父は思わず床に崩れ落ちそうになる。
 「おぃおぃ、無理するなよ。尻真っ赤っかなんだからよ」
「誰の・・せいだと・・思って・・くぅぅ・・!!」
ネド神父を睨みながらも、マルコ神父はお尻の痛みに顔を顰める。
そんなマルコ神父を、ネド神父は抱き起こすと、膝の上に座らせ、優しくお尻を撫でてやる。
 「まぁ責任取って尻が治るまではちゃんと面倒見てやるから安心しろって」
「そ・・そんなの当たり前でしょう!自慢そうに言わないで下さい!」
マルコ神父はそう言うと、プイッと顔をそむける。
ネド神父はそんなマルコ神父に愛おしい目を向けると、お尻を撫でつづけた。


 ―完―

プロフィール

山田主水

Author:山田主水
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