依頼の中身は・・・(SO2&テイルズより:ロイド・リッド/アシュ、共演パロ)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロで、『板挟みの末に』の続編です。その点をご了承の上で、許容出来る方のみご覧下さい)


 「僕は寝るが・・ちゃんと傍にいないと怒るからなっ!!」
キールはそう言うと、お尻を出したまま寝入る。
「トホホ・・しばらく財布が辛いぜ・・」
「俺も・・しばらくはあまりメシ食えねえかも・・・」
タダ働きを約束させられ、ロイドもリッドも泣きたくなりそうな表情を浮かべる。
 「でも・・・よかったぜ・・病気とかじゃなくってよ」
キールの寝顔を見つめながら、ロイドはホッとした表情を浮かべる。
「だよなぁ、嘘だったのは腹立つけどよ。でもよかったぜ」
リッドも同意するように言う。
 「元はといえば・・俺らが喧嘩とかしたのが悪かったしな」
「だよなぁ、俺らのせいで困らせちまってたな・・・。キールも辛かっただろな・・・」
普段は鈍感なロイドも、キールの困惑を思い、そう呟く。
 「これからは二人でキールの事支えていけばいいんだよ。俺もロイドもキールのこと好きなのは同じなんだしよ。キールが幸せならな」
「そうだな。リッドの言う通りだぜ!色々あったけど・・これからはよろしくな!」
「ああ、こっちこそ、色々頼むぜ」
焼きもちで喧嘩をしたりしたものの、二人ともキールのことが好きな気持ちに変わりは無い。
お互い通じるものがあるからか、すっかり打ち解けたようだった。
 (よかった・・。仲良くなってくれたみたいで・・・)
アシュトンはドアに耳をつけた体勢で、ホッとする。
二人の剣幕に出ていったものの、気になってたまらず、様子を伺っていたのだ。
(もう大丈夫だよね・・・。よかった・・・)
安堵しつつ、アシュトンはその場を離れる。
三人の邪魔をしたくなかったからだ。
 (ロイドもリッドも仲良くなってくれてよかった。これでキールも安心だよね)
当初の目的が果たせたことに、アシュトンはホッとする。
(でも・・二人には悪いことしちゃったよね・・・)
ホッとしつつも、アシュトンは罪悪感に駆られる。
キールのためとはいえ、嘘をついて二人を騙すことをさせたのだ。
嘘をついて大切な人達を騙すようにそそのかしたり、その嘘で大きな心配をさせたりした。
神父として、いや人としてやってはいけないことばかりだ。
 (僕だって立派な共犯だし・・・二人に怒られたって文句は言えないよね)
自分のしたことを振り返れば、そう考えずにはいられない。
(今日は邪魔しちゃ悪いけど・・でも・・ちゃんと後で謝らなきゃ・・・)
今日の事を振り返りつつ、アシュトンはそう決意していた。


 後日・・・・。
「あれ?リッドじゃんかよ?どうしたんだよ?」
アシュトンの教会へやって来たロイドは、リッドの姿を見かけ、思わず声をかける。
 「ん?ロイドこそどうしたんだよ?」
対して、リッドも怪訝な顔で問い返す。
「いやさ、何か依頼ないかなと思ってナールさんに聞いてみたんだよ、そうしたらちょうどアシュトンから指名で依頼があるって聞いてよ」
「そうなのかよ。俺もだぜ」
二人がそんな会話をしていると、アシュトンがやって来る。
 「二人とも来てくれたんだね、ありがとう」
「別にこれくらいいいって。それより依頼って何なんだよ?」
アシュトンと顔を合わせると、ロイドはそう尋ねる。
「とりあえずこっち来てよ。詳しいことはそこで話すから」
アシュトンはそう言うと、二人を奥のリビングへと案内する。
 「とりあえず座ってお茶でも飲んでよ」
リビングへ案内した二人にそう言うと、アシュトンはお茶を出す。
「なぁ、依頼って何なんだよ?」
お茶を飲みながら、リッドはそう尋ねる。
「あ・・うん・・。それなんだけど・・その前に・・あの・・キール、大丈夫かな?この間・・うんと二人に怒られちゃってたみたいだけど・・」
「ん?キールなら多分大丈夫だぜ。なぁロイド?」
「ああ。相変わらずビシビシ勉強教えまくってるしよ。おかげで大変だぜ・・・」
個人指導での厳しさを思い出し、ロイドは思わずため息をつく。
「それにもう毎日って感じであっちこっちに調査で行ってるぜ。この前のことで責任取れってことで、タダで護衛引き受けてんだけど・・おかげでメチャクチャきついぜ・・」
「そ・・それは大変だね・・」
二人の苦労を察し、思わずアシュトンは苦笑する。
自分の研究には熱心なキールのことだ、本当に毎日どこかへ調査へ行っているのだろう。
体力自慢なロイド達にしても、毎日あちこちのダンジョンへ連れ回されては音を上げるのも無理は無い。
喧嘩で困らせたり、お仕置きをした責任を取ってタダ働きとなれば、尚更だろう。
 「で、でもそれならキールの方は本当に大丈夫みたいだね。よかった・・・」
二人を連れて調査に行ける体力があるのだ、お尻の方はもう大丈夫なのだろうとアシュトンは判断する。
 「まぁ元気なのはいいけどよ・・。それより・・依頼って何なんだよ?」
「そうだぜ。早く聞かせてくれよ」
依頼内容が気になるのだろう、二人とも急かすように言う。
 「あ、うん、そうだったね。その前に・・・・二人ともごめんっっ!!」
依頼内容を話す前に、いきなりアシュトンは謝った。
「ん?何だよ?いきなり謝ったりしてよ?」
突然のアシュトンの行動に、リッドは怪訝な表情を浮かべる。
 「いきなりじゃわからないよね・・。この前のことだよ・・。ほら、キールの仮病の件」
「あ・・!!」
アシュトンの言葉に思いだしたリッドは思わず声を上げる。
 「あのときは・・本当にごめん・・。僕まで一緒になって騙してて・・」
「ゴメンじゃねえよ!俺ら、マジで心配したんだぜ!?」
「そうだぜ!アシュトンまで一緒になって、ヒデぇじゃんかよ!!」
先日の事を思い出し、リッドもロイドも怒ったような表情になる。
 「二人とも・・怒ってるよね・・やっぱり・・」
「当たり前だっての!!」
「でもよ、それと今日の依頼が何か関係あるのかよ?」
「うん、そのことで二人に依頼したいんだ。ロイド、リッド、二人で僕のこと・・お仕置きして欲しいんだ」
「「え・・?」」
アシュトンの頼みに、二人とも耳を疑う。
 「な、なぁ、聞き違いかよ?俺らに・・お仕置きしてくれって聞こえたんだけどよ?」
恐る恐る、リッドは問い返す。
「聞き間違いじゃないよ。僕の事お仕置きして。それが依頼だよ」
アシュトンの言葉に、リッドとロイドは互いに顔を見合わせる。
 「アシュトン、もしかしてお仕置きされるのが好きなのかよ?」
「そ、そんなわけないでしょっ!?痛いし恥ずかしいし!お仕置きなんて嫌いだよっ!?変なこと聞かないでよっ!!」
「わ・・悪い・・」
空気を読めていないロイドの発言に、思わずアシュトンも叫んでしまう。
 「でも・・それじゃあ何でお仕置きしてくれなんて言うんだよ?」
リッドは頭に?マークを浮かべる。
そういう趣味でも無いのに、お仕置きしてほしいなどと頼むのがわからない。
 「うん・・。リッド達には本当に悪いことしちゃったでしょ?だから、ちゃんとロイドとリッドに謝りたい、本当に心から反省して、もうあんなことしないってきちんと約束したいんだ。だから・・お願いだよ、二人で僕をお仕置きしてくれないかな?」
「本当にいいのかよ?お仕置きなんだからよ、ちょっとやそっとじゃ許してやれねえぜ?」
確認するように、リッドは尋ねる。
「うん・・それでいいよ。もう心底しませんって思わなきゃ・・意味が無いから」
「わかったぜ!アシュトンがそうしてほしいっていうんならよ。リッドもいいよな?」
アシュトンの意思を確認したロイドは、リッドにそう問いかける。
「ああ、俺も構わねえぜ」
「じゃあ、どっちからにするか?」
「そうだな~。面倒だからジャンケンにしようぜ」
リッドの提案で、二人がジャンケンすると、ロイドが勝利する。
 「ってことは・・俺からだな。アシュトン、それでいいかよ?」
「うん、僕はいいよ」
「そんじゃあ、わかってるよな?」
ロイドは軽く膝を叩きながら、アシュトンを促す。
アシュトンはロイドの傍に立つと、そのまま素直に膝の上に乗る。
ロイドは片手でアシュトンの身体を押さえると、神父服の裾を捲り上げ、下着ごとズボンを降ろす。
あっという間に、お尻があらわになった。
 「うぅ・・・・」
お尻に外気を感じるや、アシュトンは顔を赤らめる。
自分から望んだこととはいえ、やはり裸のお尻を出されるのは恥ずかしい。
覚悟はしていても、恥ずかしさを感じずにはいられない。
 「じゃあ行くぜ、アシュトン。いいよな?」
「う・・うん・・。大丈夫・・だよ・・」
恥ずかしさに顔を赤くしつつも、アシュトンはそう答える。
ロイドはそれを聞くと、ゆっくりと手を振り上げた。


 バッシィィィィ~~~~~~ンッッッッ!!!!
「くぅ・・・・!!」
最初から思い切りお尻を叩かれ、思わずアシュトンは苦痛に顔を歪める。
パアンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッッ!
弾けるような音とともに赤い手形がアシュトンのお尻に浮かび上がる。
 パアンッ!ピシャンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「ったく・・何やってんだよっ!!」
お尻を叩きながら、ロイドはキールをお仕置きしているときのようにお説教を始める。
 パンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「・・ぁ・・・ぅ・・・ぁ・・・ぁ・・・ぁ・・・」
アシュトンは堪えようとするも、声を漏らしてしまう。
 ピシャンッ!パアアンッ!パアアンッ!パアチィンッ!ピシャンッ!
「キールと一緒になって嘘つくなんてヒデぇじゃんかよ!?俺もリッドもマジで病気だと思ったんだからなっっ!!」
バンッ!バシッ!バアアンッ!バシッ!ビダンッ!バアンッ!
お仕置きしているうちに怒りがだんだん出てきたのか、声のトーンが変わり、平手の音もより痛そうなものへと変わってゆく。
 バシッ!バンッ!ビダァンッ!バアンッ!バジィンッ!ビダァンッ!
「く・・!ひっ・・!あっう・・!ひっうぅう・・!!」
アシュトンはソファを両手で必死に握りしめ、耐えようとする。
 ビダンッ!バァンッ!バンッ!バンッ!バシッ!バァンッ!
「本当にキールがヤバイと思ったんだぜ!?それなのに・・嘘なんてねえだろうっっ!!」
「ご・・ごめん・・なさぁぁい・・。ロイド達の仲が悪くて・・キールが・・困ってたからぁぁ・・・・」
「だからってあんなことするなんてねえだろ!?本当にキールが病気だって思って心配したんだからなっっ!!」
「ご・・ごめんなさぁぁい・・・」
「謝るのは当たり前じゃんかよ!嘘ついて騙して、人に心配なんかさせてよ!!そういうのは悪い子がすることじゃんかよっっ!!神父のやることじゃねえだろう!!」
「うう・・・」
ロイドの言葉に、アシュトンは穴があったら入りたい気持ちになる。
 「うぅ・・本当に・・ごめんなさい・・」
罪悪感から震えながら謝るアシュトンだが、怒りを燃やしているロイドは収まらない。
「馬鹿ッ!『ごめんなさい』は当たり前って言ってるじゃんかよ!?俺、マジで怒ってきたからな・・・。アシュトンでも・・今日はちょっとやそっとじゃ勘弁してやらねえからな!!」
ロイドはそういうと、膝を組む。
おかげで、アシュトンは赤く色づいたお尻を突き上げた体勢になる。
 「うわっ!ちょ、ちょっと待ってってばっっ!!」
お尻を突き上げた体勢に、アシュトンは慌てる。
ルシフェルからのお仕置きの経験で、どれほど痛いかは身を以って知っているからだ。
同時に、怒りが大きいことも。
 慌てるアシュトンを尻目に、ロイドは思い切り手を振り下ろす。
ビッダァァァ~~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~!!!!!!!!
「うっわぁああああああああ!!!!!!!!!!」
ロイドの容赦ないお仕置きにアシュトンは絶叫する。
 「うわぁぁああんん!!ロイドぉぉ!!ごめんなさぁぁぁいぃぃいい!!!」
必死に謝るアシュトンだったが、一度怒りに火のついたロイドは容赦なく手を振り下ろす。
バアッジィィィ~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~!!!!!!!!!!!
「ごめんなさぁぁぁいいい!!二度としませぇぇぇんんん!!!約束するからぁぁ!!お願いだから許してぇぇぇぇ!!!!」
必死に許しを乞うアシュトンを尻目に、平手の嵐が容赦なくアシュトンのお尻に降り注いだ。


 「はぁ・・はぁ・・はっ・・」
両肩を上下させ、荒い息を吐いてアシュトンはグッタリとしていた。
お尻は満遍なく濃厚なワインレッドに染め上がっている。
熱した石炭のように熱くなっており、触ると火傷するかと思うほどだった。
 「はぁ・・は・・はぁぁ・・」
一方、ロイドも肩を上下させ、息を吐きだす。
全力で叩いたのだろう、じっとりと汗ばんでいた。
 「アシュトン・・・反省したかよ?」
お尻を叩く手を止めて、ロイドは尋ねる。
「うぅ・・し・・したよぉぉ・・。キールと一緒になって・・騙して・・ごめんなさぁぁいぃぃ・・・・」
目尻に涙を浮かべながら、アシュトンは謝る。
「もうあんなことしねえよな?」
「うぅ・・約束するよぉ・・・」
「ならいいぜ。俺からは終わりな。リッド」
ロイドはリッドの方を向いて呼びかける。
 「ああ、わかってるって」
一旦アシュトンを膝から降ろし、入れ替わりにリッドが座ったかと思うと、今度はリッドの膝の上に乗せられる。
 「アシュトン、今度は俺からな。いいよな?」
「う・・うん・・。わかってる・・。ちょっと・・辛いけど・・」
ぐったりしつつも、アシュトンはソファを両手でしっかりと握りしめ、既に赤いお尻を差し出し、お仕置きを受ける準備をする。
 「早めに終わらせっからさ、最初っから思い切り行くぜ。いいかよ?」
「う・・うん・・。リッドがそれで・・いいなら・・・」
再び問いかけたリッドにアシュトンはそう返事をする。
それを聞いたリッドは、アシュトンをしっかりと片手で押さえると、もう片方の手を振り上げた。
 ビッダァァァァ~~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッッ!!!!!!!!
「ひっ・・!ひぃぃぃーーーーっっっっっ!!!!」
ロイドに勝るとも劣らない激しい平手に、アシュトンは絶叫する。
 バアッジィィィ~~~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~ッッッッ!!!!
「うわぁぁあ!!痛っ!!痛あああっっ!!痛いっ!痛いよっ!リッドぉぉぉ!!!!」
既にロイドにたっぷりとお仕置きされたお尻にはとても耐えきれず、アシュトンは両脚をバタつかせながら訴えかける。
 「お仕置きなんだから痛いに決まってんだろ?もう少し我慢してくれよな」
リッドはそういうと、さらにスパートをかける。
バアッジィィィ~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッッ!!!!!!!!
「ひぃぃぃぃ!!ごめんなさぁぁぁいぃぃぃ!!!二度としませぇぇんんんん!!!!約束するからぁぁぁぁ!!!!」
アシュトンが必死に謝る中、リッドのお仕置きは続く。
「やめてぇぇ!!お願いだからやめてぇぇぇ!!ごめんなさぁぁいぃぃぃ!!!」
泣きながら謝る声が響く中、リッドの平手の音が豪雨のようにアシュトンの真っ赤なお尻へと降り注ぎ続けた。


 「くっ・・うぅうう・・・・!!!!」
「わ、悪い!し、沁みたかよ!?」
呻き声と共に顔を顰めたアシュトンに、ロイドは思わず謝る。
 「だ・・大丈夫・・ちょ、ちょっと・・沁みたけど・・・大したこと・・ないから・・」
「そ、そっか・・。よかった・・」
ホッとしつつ、ロイドはアシュトンのお尻に薬を塗る。
お仕置きが終わったため、二人で手当てしているところだった。
 「でもよ、マジで痛そうじゃねえ?」
「そうだよなぁ、さすがに・・やりすぎちまったかもな・・・」
アシュトンのお尻をロイドとリッドはそう言う。
二人にたっぷりとお仕置きされたお尻は、ワインレッドどころか、紅蓮というにふさわしい色を呈していた。
この状態では歩くのも辛いだろう。
 「俺らこそゴメン、叩いてるうちに・・何か感情的になっちまってさ・・。本当、ゴメン!!」
手当てしながらロイドは謝る。
「いいんだよ、そんなこと。僕が悪かったんだし。二人とも、本当にキールの事心配したんでしょ?」
「ああ、あのときはマジでヤバイって思ったぜ」
アシュトンの問いにリッドはそう答える。
「だから、嘘だって知って、凄く許せないって思ったんでしょ、二人とも。僕のこと叩いてるうちに、そのこと思い出して、許せないって気持ちになったからあんなに叩いたんでしょ?」
「そうだよなぁ。キールにあんなことさせて、心配したんだからな!!って気持ちだったぜ。なぁ、リッド?」
「ああ、そういう感じかなぁ」
「そうなんだ。それじゃあ、よかった・・」
「何がよかったなんだよ?こんな痛い思いしたのによ?」
アシュトンの言っていることがわからず、リッドは思わず怪訝な表情を浮かべる。
 「二人とも本気で怒って僕の事叩いたでしょ?それは、二人ともそれだけキールのことが大事だって思ってるからでしょ?凄く痛かったけど・・でもそれだけキールの事大切に二人とも思ってるってわかったから、安心したんだ。そんなに愛されて・・キール、本当に幸せだよ。よかった」
アシュトンはそういうとホッとした表情を浮かべる。
 「アシュトンってイイヤツだよな。見直したぜ!!」
「そんなことないよ、ロイド達こそ僕のお願い聞いてくれてありがとう。これからも、キールのこと、大事にしてあげてよ」
「そんなの言われるまでもねえって。なぁロイド?」
「ああ。キールは俺達で幸せにしてみせるぜ!!」
「よかった。きっとキールも喜ぶよ」
「ん~?そうかな?余計なお節介はするなー!とか言いそうだけどな」
誰よりもよくキールの事を知っているだけに、リッドはそんなことを言う。
 「まぁキールは素直じゃないからね。でも本当は嬉しいと思うよ」
「まぁそこがキールなんだけどよ」
「そうだよなぁ。素直なキールって、あんま想像出来ねえよなぁ」
アシュトンの手当てをしながら、三人はそんな会話を交わす。
 「あ・・何か・・安心したら・・眠くなってきちゃった・・・」
「無理しないで休んだ方がいいぜ。メチャクチャ尻叩かれて疲れてんだからよ」
「でも・・ロイド達の膝で寝たら・・キールにヤキモチ妬かせちゃうよ・・」
「何言ってんだよ!アシュトンに痛い思いさせたのに、放っておくなんて真似出来るかよ!なぁリッド!!」
「ああ、アシュトン、無理はしねえで休みなって。俺らに気を使わなくていいからさ」
「そう・・。じゃあ、お言葉に甘えて・・・」
ロイドとリッドが見守る中、アシュトンは静かに目を閉じた。


 ―完―

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心配かけた子は・・・(マイソロ2より:リフィル/ゲーデ)



 (マイソロ2を題材にした二次創作です。クリア後でゲーデが仲間入りしているという設定です。許容出来る方のみご覧下さい)


 「あらあら、おかえりなさい」
「あ・・あぁ・・・」
甲板で出迎えたパニールに、ゲーデは歯切れの悪い口調で返事をする。
 「どこも怪我していないようでよかったわ。皆さんにお知らせしてきますね」
「さぁ、入ろう、ゲーデ」
「あ、あぁ・・・・」
ロアに促されつつ、ゲーデはパニールらと共に艦内へと降りていった。


 「どこ行ってたんだよ!探したんだぜ!」
「大丈夫かい?どこも怪我してないかい?」
ホールへやってくると、ロイドやスタンをはじめとして、メンバー達が現れる。
 「皆、大丈夫だよ。それより、今は落ち着かせてあげて。色々言いたいこともあるかもしれないだろうけど」
話しかけようとする皆に対し、ロアはそう言う。
 「そうだね。今はゲーデだって動揺してるだろうし」
「ありがとう、皆。さぁ、行こう、ゲーデ」
皆を説得すると、ロアはゲーデを連れて自分達の部屋に行った。
 「あったかいココアを淹れましたわ。これで落ち着いて下さいね」
「ありがとう、パニール。さぁ、ゲーデ。これでも飲んで」
ロアはそういうと、パニールが用意したココアをゲーデに差しだす。
「あ・・あぁ・・」
ゲーデはそう呟くと、ココアを受け取って口につける。
 「それにしても、どうしたの?船を出ていっちゃったりして」
「それは・・・・・」
ゲーデは思わずロアの顔を見る。
ロアは無邪気な微笑みを浮かべている。
 (この顔・・・他のやつにも・・向けていた・・・)
ゲーデはロアがこの微笑みを他のメンバーにも向けていたことを思い出す。
すると、もやもやしたものが、ゲーデの心に沸き上がってきた。
 「う・・・・・」
嫉妬心に苛まれ、ゲーデは苦しげな表情を浮かべる。
「どうしたの?どこか痛いの?」
ゲーデの表情に、ロアは思わず心配そうな表情になる。
 「何でも・・ない・・」
「でも・・その顔・・」
「何でもないって言ってるだろう!!一人にしてくれっっ!!!!」
これ以上ロアの顔を見ていたくなくて、ゲーデは思わず叫ぶ。
 「わ、わかった。でも、何かあったら呼んで」
ロアはゲーデの様子に、そう言うと、心配そうな表情で部屋を後にした。
 「く・・・・・!!!」
ロアが出ていくと、ゲーデは表情を歪める。
(俺の馬鹿・・・!!)
ゲーデは自分を罵らずにはいられなかった。
ロアが自分を心配しているだけなのはわかっている。
だが、一方でロアを見ていると、別の感情が沸き起こる。
 (嫌だ・・・!取られたくない・・!他の・・やつなんかに・・!)
ずっと一人ぼっちだったゲーデにとって、ロアはかけがえのない存在。
それだけに、ロアが他人と仲良くしているのが、たまらない。
 (嫌だ・・・妬ましい・・俺以外の・・やつなんかと・・・!!くぅぅ・・・!!)
嫉妬心がゲーデを苛み、胸が痛くなってくる。
「うう・・痛い・・!くそ・・くそぉぉぉ!!」
ネガティブな感情の嵐に、ゲーデが思わず叫んだときだった。
 「ゲーデ?いいかしら?入るわよ」
そう声をかけると、今度はリフィルが入ってきた。
「何の・・用だ・・」
リフィルの姿に、ゲーデは不機嫌な表情になる。
 「ロアに頼まれたの。ゲーデを診てやって欲しいって」
「ディセンダーが・・・?」
そう呟くも、すぐにゲーデは強ばった表情に戻る。
 「いらない・・出ていけ・・」
「そうはいかないわ。怪我をしているなら放っておくわけにはいかないわ。それに・・ロアも皆も心配したのよ」
「うるさいっ!うるさいうるさいうるさいっ!一人にしてくれっていってるだろぉぉぉ!!!!」
思わずゲーデは癇癪を起こし、傍にあったものをリフィル目がけて投げつける。
 「ゲーデ・・・。強情やワガママもいい加減にしなさい・・!!」
ゲーデの態度に、さすがにリフィルも表情が厳しくなる。
「うるさいっ!出ていけよっっ!!」
そう叫ぶゲーデに、リフィルは厳しい表情のまま近づく。
おもむろにゲーデの左手を掴んだかと思うと、思い切り手を引っ張った。
 気づいた時には、ゲーデはベッドの縁に腰かけたリフィルの膝の上にうつ伏せにされていた。
「何をするっ!降ろせっ!!」
「ダメよ。今のあなたには手当てや治療よりも・・こっちの方が必要だわ」
そういうと、リフィルは左手でゲーデの身体を押さえ、同時に右手を振り上げた。


 パアシィンッッ!!
「く・・!!」
弾けるような音と共に、お尻に鈍い痛みが走った。
思わずゲーデは痛みに声を漏らす。
 パアンッ!パチィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
(な・・何なんだ!?)
お尻にたて続けに感じる痛みに、思わずゲーデは振り返る。
すると、リフィルがお尻を叩いているのが見えた。
 「な・・何をしてるっっ!?」
「お仕置きよ。今のあなたにはこれが必要だわ」
「な・・何で・・こんな・・」
「ゲーデ?あなたが家出して、ロアの他の皆がどれだけ心配したか、わかっているかしら?」
リフィルの問いかけに、ゲーデはそっぽを向く。
 「反省の色が無いようね。なら・・仕方ないわ」
そういうと、リフィルはゲーデのお尻めがけて再び手を振り下ろした。
 ピシャンッ!パアアンッ!パチィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「く・・!くうっ!やめっ!やめろっ!馬鹿ッ!」
お尻を叩くリフィルに対し、ゲーデはひたすらそんなことを言う。
 ピシャンッ!パアアンッ!パアシィンッ!ピシャアンッ!パアシィンッ!
「く・・!やめ・・やめろ・・!くっそ・・!やめ・・!」
(くそぉ・・!何だって・・こんな目に・・!!)
お尻を叩かれながら、ゲーデは歯噛みする。
 以前、イタズラの過ぎたジーニアスやマオ、ルカいじりの過ぎたイリアやスパーダ、ワガママの過ぎたカイルなどがこのようにリフィルやスタンなどにお尻を叩かれて叱られているのを見かけたことがある。
だが、まさか自分がそういう目に遭うなんて思ってもみなかった。
 (くぅぅ・・!痛い・・だが・・それより・・・)
ゲーデはお尻を叩かれてお仕置きされていたジーニアス達の姿を思い出す。
最初は言いわけしたり、イリアやスパーダなどは暴言を吐いて抵抗していたが、最終的には恥も外聞も無く泣き叫び、許しを請うていた。
傍から見ていても、みっともなくて、恥ずかしくて、情けない。
世の中のことをあまり知らないゲーデでさえ、そう思わずにはいられなかった。
 (俺も・・そんな姿を・・・さらすのか?)
その想像に、思わずゲーデは身震いする。
(嫌だ!?絶対に!!)
そう思ったゲーデは、無意識のうちに膝の上で暴れ出した。
 「くそっ!離せっ!離せぇぇぇ!!!やめろっ!やめろぉぉぉ!!!!」
「やめろじゃないでしょう?ゲーデ、どうして怒られているのか、わかっているの?」
お尻を叩きながら、リフィルはそう尋ねる。
お仕置きはあくまでもゲーデに反省してもらうことが目的。
皆が心配していることをきちんとわかってもらいたい。
だが、その気持ちにはゲーデには通じていなかった。
 「うるさいっ!どうしてお前もイチイチ俺に構うんだっ!放っておいてくれって言ってるだろう!!!!!」
「ゲーデ!いい加減になさい!!」
思わずリフィルは強くゲーデのお尻を叩く。
 「うるさいっ!ディセンダーもお前も・・どうして・・放っておいてくれないんだっ!!顔も見たくないっ!いっそのこと・・死ねばいいんだッッ!!!」
「ゲーデ・・?本気で言っているのかしら?」
死ねなどという言葉に、リフィルの表情はより険しくなる。
「だ・・だったら何だっ!」
「そう・・よくわかったわ。全然反省していないということがね。そんな子には・・・もっと厳しいお仕置きよ」
そういうと、リフィルは膝を組む。
おかげでゲーデは既に赤く染まったお尻を突き上げた体勢になった。
 ビッダァァァ~~~~~~~ンンッッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~!!!!
「うっわあああああああ!!!!!!!」
まるで集中豪雨のような平手の嵐にゲーデは絶叫する。
 「馬鹿ぁぁあ!!やめろっ!やめろぉぉぉ!!!!」
両脚をバタつかせながら、ゲーデは必死に叫ぶ。
だが、リフィルはそれを無視して平手の嵐を降らせ続けた。


 「ひぃ・・ひぃひぃん・・・うっえ・・・」
大粒の涙をこぼしながら、ゲーデは泣きじゃくっていた。
既にお尻は濃厚なワインレッドに染め上がっており、熱した石炭のように熱くなっている。
 「やめろ・・馬鹿・・やめ・やめてぇ・・。も・・もぅ・・やだぁぁ・・・」
幼い子供のようにゲーデは泣きじゃくる。
「何を言っているの?あなたがしたことがどれだけ皆を心配させたと思っているの?この程度ではまだ許してあげられなくてよ」
ゲーデが絶望しそうなことをリフィルが言ったそのときだった。
 「リフィル・・ゲーデの具合は・・?ってええ!?」
部屋に入って来たロアはリフィルの膝の上でお尻を真っ赤にしているゲーデに思わず驚く。
「リフィル!?何をしてるの!?」
「見ての通りお仕置きよ。皆に心配かけたのですからね」
「でも・・ここまで・・。ゲーデ、ちゃんとごめんなさいした?」
「う・・うるさい・・!!」
ロアの姿に、ゲーデは思わずそう言う。
 「でも・・このままじゃずっとお尻ぶたれちゃうよ?ちゃんと謝らなきゃダメだよ」
「うるさいっ!お前なんかに言われたくないっ!!」
「ゲーデッ!いい加減にしなさいと言っているでしょう!」
お尻を叩きながら、リフィルが叱る。
 「うるさいっ!ディセンダーッ!そもそもお前のせいなんだぞっ!お前が・・お前が・・他の奴にヘラヘラ笑って・・・それを・・見せられて・・・ずっと・・ずっと・・胸が・・痛くて・・・妬ましかったんだ・・・うっう・・うわああああんっっ!!!!!」
今までのことを思い出したのか、ゲーデは泣き出してしまう。
 「ゲーデ・・・・」
泣き出してしまったゲーデに、ロアは思わず近づいて抱きしめる。
「ごめんね・・・。寂しい思い・・させちゃって・・・。大丈夫だよ。ずっと・・一緒だから・・・・」


 「ぐぅぅ・・!!」
「だ、大丈夫?」
「んなワケないだろう!もっと優しくしろ!」
「ご、ごめんね。沁みちゃった?」
お尻に薬を塗りながら、ロアはゲーデに謝る。
 「く・・・!散々だ・・・!あんな女に尻なんか叩かれて・・・子供みたいに泣かされて・・・。ディセンダーッ!全部お前のせいだからなっ!!」
「ご、ごめんね」
「ふん・・。責任とってもらうからな。俺の尻が治るまで、ずっと付きっきりでいてもらうぞ。いいな!?」
「わかったよ。責任とってお尻が治るまで、ずっとそばにいるよ」
「ふん・・・。なら・・許してやる・・・」
ロアの言葉に、ようやくゲーデは表情を和らげた。


 ―完―

恥ずかしくて・・・(マイソロ2より:スタン/セネル)



(マイソロ2を題材にした二次創作です。キャラが原作と異なっている可能性があります。許容出来る方のみご覧下さい)


 熱狂の渦に包まれた闘技場、その試合場内にセネルの姿があった。
セネルはスタン・チェスター・ガイと共に、対戦相手であるモンスターの群れをキッと睨みつける。
同時にモンスターの側もセネル達を睨み、咆哮と共に襲いかかって来た。
セネルと共にガイが斬り込み、それをチェスターとスタンがそれぞれ弓と術で援護する。
「ふっ!はっ!喰らえっ!!」
反撃する暇も無い打撃の嵐を繰り出しながら、セネルは技を繋げてゆく。
「喰らえっ!爆牙弾っ!!」
技名と共に連続蹴りをセネルは叩きこんでゆく。
そして止めの回し蹴りを決めようとしたそのときだった。
 蹴りを叩き込んでいるうちに間合いが離れてしまったのだろうか、回し蹴りが空ぶってしまう。
(え・・?)
自らの蹴りが空ぶったことに、セネルは我が目を疑う。
その勢いのまま、セネルはぐるりと片足立ちで一回りしそうになる。
 (まずいっ!?)
慌てて体勢を取り直そうとするも、それがまずかったのだろう、思い切り体勢を崩してしまう。
ドンッという音とともにお尻に鈍い痛みが走ったと思うや否や、思い切り尻餅をついていた。
 何がどうなったのかと、仲間達も観客も一瞬目を丸くする。
(う・・嘘だろう?)
あり得ない事態に、セネル自身我が目を疑う。
前衛タイプの職業においては間合いをきちんと図ることは初歩的なこと。
それをミスして技を失敗し、尻餅をつくなど、恥ずかしいどころではない。
素人と言われてしまっても仕方が無い。
 「おおっとーーーっっ!!セネル選手!?技を失敗して尻餅をついてしまったーーーっっっ!!!これは恥ずかしいーーーっっっ!!??」
悪いことにアナウンサーが恥ずかしさを倍増するようなことを言ってくれる。
同時に会場内には失笑やくすくす笑いが広がった。
 「う・・うぅ・・・・」
あまりの恥ずかしさに、セネルは思わず顔を真っ赤にし、目尻に涙を浮かべる。
やがて、羞恥に耐えきれなくなったのだろう、何とセネルはそのまま会場を飛び出してしまった。


 「セネル~、セネル~、餅は餅でも尻餅ついた~~」
「や、やめなよイリア、かわいそうだよ」
ドアの前で大声で歌うイリアを、思わずルカが止めに入る。
恥ずかしさから逃げるようにバンエルティア号へ帰って来るや、使われていない部屋に閉じこもってしまったのだ。
 「何よぉ、それじゃあまた歌ってあげようか、ルーカー、おねしょ~って」
「うわあ~んっ!お願いだからそれだけはやめてよ~~!!」
「こら!何やってるんだい!!」
セネルをからかう歌を歌っているイリアを、やって来たスタンが叱る。
 「な、何よ。ちょっとふざけてただけじゃないのよ・・」
「イリア、そういうのは悪ふざけだよ。やめてあげなよ。セネルがかわいそうじゃないか」
スタンが窘めるが、イリアは不平そうな表情を浮かべる。
「何でよ~、こんな面白そうなの・・」
「イリア・・あまり聞きわけが無いと・・・」
「わ、わかったわよ!?も、もうしないわよっ!!」
手に息を吐きかけるスタンの仕草にイリアは慌てる。
スタンがしたのはお仕置きの合図。
いじめっ子タイプでスパーダと共にルカをからかったり、その他色々な悪さをしているため、見かねたスタンが以前叱ったことがあった。
もちろん、イリアの性格では素直に聞くはずもない。
そのため、実力行使ということで、リフィルが子供メンバーを叱るときにやっているように、お尻を叩いてお仕置きをしたのである。
痛いうえに年頃の子にとってはあまりにも恥ずかしいお仕置きに、さすがのイリアもキツイものがあったのだろう、しばらくは大人しかった。
もっとも、喉元過ぎれば何とやらで、それ以来、何かやらかしては年長メンバーからお尻を叩かれてお仕置きされる、という日々を過ごしていた。
 お仕置きをされてはたまらないと急いで立ち去るイリアを尻目に、スタンはドア越しに声をかける。
「セネルー、聞こえてるかい?」
ドア越しに声をかけるが、返事が無い。
 「セネル・・皆も心配してるんだよ。恥ずかしいだろうけど、顔を見せてくれないか?それに、部屋に籠りっきりで、何も食べてないだろう?誰も笑わないから、出てきなよ。何か食べようよ。倒れちゃうよ」
出来るだけ優しい声でスタンはドア越しに呼びかけるが、相変わらず返事が無い。
 「そ、それじゃあ夕飯と飲み物置いておくからさ。ちゃんと食べるんだよ」
このまま粘っても出てこないだろうと判断したスタンは、パンと水を載せたお盆をドアの前に置いておくと、静かに立ち去った。
 (やっぱり・・・顔を見せた方がよかったか?)
スタンが置いていったパンを食べながら、セネルはそう考える。
(馬鹿!何を言ってるんだ!イリアの歌を聞いただろう!スタンやロイドはともかく・・イリアやゼロスが顔合わせたら・・何て言うか・・)
イリアやスパーダだったらあんな歌を二人して歌いかねないし、ゼロスには大笑いされるだろう。
ましてやジェイドあたりなら何と当てこすられるか。
 (うう・・!俺の馬鹿・・!!どうして・・あんな・・)
闘技場での失敗を思い返しながら、セネルはそう思わずにはいられない。
仲間達の前のみならず、公衆の面前で恥をさらしてしまった。
年頃の男の子にとっては、何よりも辛い。
 (もう・・ダメだ・・・。こんなところに・・いられない・・・!!)
すっかり思いつめたセネルは、ゆっくり立ち上がったかと思うと、部屋を後にした。


 「チェスター!?どうだった!?」
「ダメだぜ・・。俺らの方には見つからなかった・・。そっちは?」
「ゴメン、俺の方もだよ・・・」
「そうか・・・・」
スタンとチェスターは状況を確認し合うと、深刻な表情を浮かべる。
 「本当に・・どこ行ったんだろう・・?」
「ったく・・何考えてやがんだよ・・・!」
スタンは心配でたまらないといった表情を浮かべ、チェスターは声に怒りを滲ませる。
セネルがいなくなったことに気づき、皆で手分けして捜索中だった。
二人とも、状況確認のため、戻ってきたところである。
 「スタン、チェスター、ちょっといいか?」
「あん?ガイじゃねーか?どうしたんだよ?」
現れたガイに、チェスターは怪訝な表情を浮かべる。
 「ああ。実はセネルを粘菌の巣で見かけたって情報が入ってな。俺と一緒に探しにいってくれるか?」
「わかった。行くよ。チェスターは?」
「俺も行くぜ」
「すまないな。じゃあ、さっそく行こう」
そういうと、三人は粘菌の巣へと向かっていった。


 「セネルーーーっっ!!どこだーいっっ!!」
「いたら返事しろってんだよーーー!!」
「セネルーーー!!」
粘菌の巣内にスタン、チェスター、ガイの声が響きわたる。
 「ったく・・どこまで行ってんだよ・・?」
「大丈夫かなぁ・・?一人で・・・」
「そうだな。早いうちに見つけて連れ帰らないと・・・」
中々見つからないセネルに、三人とも焦りや不安に駆られる。
 「おい!いたぜ!!」
チェスターは不意に声を上げ、ある場所を指差す。
スタンとガイもつられて視線を向けると、セネルの姿があった。
「セネ・・・・!!」
思わず声をかけようとしたスタンだったが、途中で表情が強ばる。
セネルそっくりの黒い影のようなものが現れたからだ。
 「マジかよ・・・!!」
負が具現化した存在に、チェスターは思わず舌打ちしたくなる。
三人とも負の姿を見るなり、全速力で駆けだしていた。
 「うっう・・・!!本当に・・恥ずかしい・・・!!」
地面に蹲り、涙目でセネルは打ち沈んでいた。
「どうしたら・・どうしたら・・いいんだ・・・!!」
公衆の前であんな恥ずかしい姿をさらしてしまった事実が、否応なくセネルを打ちのめす。
 「ううぅ・・。いっそのこと・・消えたい・・・!!」
『なら・・望み通りにしてやろうか?』
「だ・・誰だっ!?」
セネルは思わず振り向く。
すると、いつの間にかまるで影のように全身真っ黒な、もう一人の自分がいた。
 「な・・何だお前は!?」
『お前なんてひどいじゃないか。俺はお前自身なんだぞ?』
ネガ・セネルとでもいうべき存在は、そうセネルに声をかける。
 「う・・うるさいっ!お、お前なんかに用は無いっ!?」
『おぃおぃ、ひどいなぁ。お前が俺を呼んだんじゃないか?観客の目の前で尻餅ついた情けないセネル・クーリッジ?』
「い・・言うなッ!!」
恥ずかしいことを指摘され、セネルは顔を真っ赤にする。
 『否定したってむだだぞ?お前はあんな失敗して、大恥をかくような情けないやつなんだ。きっとアビリビトムの奴らだって笑ってるぞ?情けない奴だって?』
「そ・・そんなこと・・!!」
『だったらどうしてこんなところに来たんだ?どうして俺がここにいるんだ?心の中ではそう思ってるんだろう?』
「う・・・・・!!」
ネガ・セネルの言葉にセネルは言葉に詰まってしまう。
目の前にいるのは自分自身のマイナスな感情。
否定や嘘など通じない。
 『認めたな・・・。ふふ・・。そうだ・・。お前は消えたくて消えたくて・・たまらないんだろう?だったら・・俺が望みを叶えてやる・・。そして・・俺がお前になる・・・』
ネガ・セネルが今にもセネルを手にかけようとしたそのときだった。
 「魔神剣っっ!!」
突然、地を這う衝撃波がネガ・セネルに襲いかかった。
「セネルッ!耳を貸しちゃいけないっ!!」
「馬鹿野郎っ!何してんだっ!!」
「そうだ!馬鹿にしてるなら、探しになんて来ないぞっっ!!
スタンとガイ、チェスターがそれぞれ剣と弓を構えながら、セネルに呼びかける。
 『ふん・・セネルにとってかわる前に・・お前達から消してやる!』
「それはこっちの台詞だぜ!!お前がセネルになんかなれるかってんだっ!!」
ネガ・セネルにチェスターがそう返すと共に、チェスター・スタンの支援を受けながらガイが斬り込んだ。


 「はぁ・・はっはっ・・・」
「手こずらせ・・やがって・・・・」
「やった・・・」
全身のあちこちにかすり傷を負った満身創痍の姿でスタン達三人は呟く。
ようやくネガ・セネルを打ち負かし、ネガ・セネルはボロボロの姿で地面に倒れている。
 『本当に・・・辛かった・・』
息も絶え絶えになりながら、ネガ・セネルが口を開く。
『あんな・・・恥ずかしい姿を・・さらして・・・。穴があったら・・入りたい・・なんてものじゃ・・無かったんだ・・・。皆も・・笑ってる・・呆れてる・・そうなんじゃないかって・・思うと・・。も・・もう・・恥ずかしい・・いや・・怖かったんだ・・・。だから・・・いっそのこと・・消えたい・・・と・・・』
「馬鹿なこと言ってるんじゃねえよ!あんなヘマしたってそんなこと思うワケねえだろ!!」
ネガ・セネルの告白に、チェスターがそう叫ぶ。
 「そうだよ!セネルは俺達の大切な仲間だよ!失敗は誰にだってあるよ!俺だってしょっちゅうルーティやリリスに怒られてるんだから!セネルが失敗したくらいで笑ったり呆れたりなんてしないよ!!」
「そうだぞ。だいたい、そんな風に思ってる相手をわざわざ探して連れ戻すようなことはしないぞ?セネル、皆お前の事を大切な仲間だと思ってるんだぞ?」
「す・・すまない、チェスター、スタン、ガイ・・・」
「おぃおぃ、謝る相手が違うだろう?」
ガイの言葉に、セネルはネガの自分と向き合う。
 「辛い・・思いをさせたな・・・。悪かった・・・」
セネルはそういうと、ネガの自分を抱きしめる。
やがて、ネガ・セネルは静かに消えていった。


 「どこへ行っていたのだ!?探したのだぞ!!」
「す・・すまない・・」
「すまないではないっ!どれほど皆に迷惑や心配をかけたと思っている!!」
バンエルティア号へ帰って来るなり、クロエに叱られ、セネルはシュンとしてしまう。
先ほどクロエも知らせを聞き、捜索から戻ってきたところだった。
 「クロエ、気持ちはわかるけど今は静かに休ませてあげなよ」
「そうだな。今のセネルには休息が必要だ」
「そ・・そうか・・。すまない、取り乱して・・・」
「いいんだよ。それだけセネルの事が心配だったってことなんだし。さぁ、セネル、取りあえずこっちへ行こう」
「あ・・あぁ・・・」
セネルはスタン達に連れられ、家出する前に閉じこもっていた部屋へと入る。
 「さてと・・・・。セネル・・・。何か言うことがあるんじゃねえのか?」
四人だけになると、チェスターは厳しい表情を浮かべて尋ねる。
「あ、あぁ・・本当に・・すまなかった・・・」
「すまなかったじゃないだろう?セネル、皆本当に心配したんだよ?」
チェスターに負けず劣らず厳しい表情でスタンが言う。
「だから・・悪かったって・・いってるじゃないか・・・」
「そういうわけにはいかないよ。セネル、今日は本当に悪い子だったからね。お仕置きだよ」
そういうと、スタンはセネルの手首を掴んで引き倒す。
セネルが気づいた時には、スタンの膝の上にうつ伏せにされていた。
 「おいっ!何をしてるんだっ!?」
ズボンを降ろし、お尻をむき出しにしようとしているスタンに、セネルは慌てる。
「さっき言ったじゃないか。悪い子はお仕置きだよって」
そういうと、スタンは左手でセネルの身体を押さえ、右手を振り上げた。


 バッシィィィ~~~~ンッッッ!!
「ぐ・・・!!」
突然、弾けるような音がしたかと思うと、お尻に鈍い痛みが走る。
パシィ~ンッ!パアアンッ!ピシャンッ!パアッシィ~ンッ!
(な・・何だっ!?一体っ!?)
甲高い音とともにお尻を襲う痛みに、セネルは混乱する。
思わず振り返ると、スタンの手がむき出しにされた自分のお尻に叩きつけられるのが見えた。
 「おいっ!何をしてるんだっ!?」
目の前で起きていることがわからず、セネルは思わず叫ぶ。
「さっきも言ったじゃないか?悪い子はお仕置きだよって。聞こえなかったのかい?」
スタンはそう言いながら、セネルのお尻を叩き続ける。
 「だからって何で尻叩きなんだっ!?俺はそんな子供じゃないっっ!!」
お尻を叩かれながらも、セネルはそう抗議する。
「セネル、恥ずかしいからって部屋にこもっちゃったり、家出なんかしたりして、それじゃあ子供と同じじゃないか?」
「う・・・。で、でもジーニアスやイリアじゃあるまいし・・・」
「悪い子だったのはセネルだろう?ちゃんと反省するんだよ」
そういうと、スタンはお尻を叩き続ける。
 パアシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パッアア~ンッ!パアッシィ~ンッ!
「う・・!く・・!あっ・・!く・・・!」
お尻を叩く音が響くたび、セネルの身体は強ばり、苦悶の声が漏れる。
 (く・・!な・・何で・・こんな・・ことに・・!!)
お尻を襲う痛みに悶えながら、セネルはそう思わずにはいられない。
自分が悪いことはわかっている。
皆に迷惑や心配をかけたのは否定しようのない事実。
叱られるのは仕方ないし、当然だ。
 (でも・・!だからってこれはないだろう!!)
セネルだって年頃の男の子。
年頃の子ならではのプライドや羞恥心というものがある。
 「・・ったく・・ダメじゃないか・・!!」
パアッシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パッアア~ンッ!パアッチィ~ンッ!
お尻を叩きながら、スタンはお説教を始める。
お仕置きはあくまでも反省してもらうことが目的。
何が悪かったのか、それをきちんとわかってもらわなければ意味が無い。
 「恥ずかしいからって・・部屋にこもるのはまだいいよ。でも・・家出なんかしちゃダメじゃないか!皆がどれだけ心配したと思ってるんだい!」
セネルのお尻を赤く染めてゆきながら、スタンは言い聞かせるように言う。
 「い・・言わないでくれッ!お、俺だって恥ずかしいんだっ!?」
自分でもあまりにも子供っぽい、恥ずかしくて情けない、そういう気持ちがあるだけに、セネルは顔を真っ赤にしながら言う。
 パア~ンッ!パアッシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パッアア~ンッ!
「く・・!あっ・!ひっ・・!ぎっ・・!ううっ・・!」
呻き声と共に赤い手形が幾重にも重なり、セネルのお尻をより濃い赤へと変えてゆく。
 「おい・・!スタンッ!やめろ・・!やめろって・・・!!」
スタンがお尻を叩き続ける中、セネルはそう叫び続ける。
「おいっ!やめろっ!やめろって言ってるじゃないか!いい加減にしないと俺も本気で怒るからな!!」
痛みや恥ずかしさに、セネルはそう叫ぶ。
 「セネル、反省してないのかい?」
一旦お尻を叩く手を止め、スタンはそう尋ねる。
「そ・・そうじゃないが・・。だ、だからって何だって尻叩きなんだっ!俺は子供じゃないって言ってるだろうっ!!いい加減に降ろしてくれっっ!!」
「セネル・・もう一回聞くけど、悪いことしたのは誰だい?」
「う・・うるさいっ!もういい加減にしろって言ってるだろうっ!!やっぱり馬鹿にしてるんだろうっ!!俺だって本気で怒るからなっっ!!」
我慢出来ず、セネルはそう叫んでしまう。
 「セネル・・。本気で言ってるのかい?」
今までよりずっと厳しい表情を浮かべ、スタンはそう尋ねる。
「だ・・だったら何なんだっ!!いい加減にしろって言ってるだろうっっ!!」
スタンの様子にギクリとするも、不満が上回ってセネルはそう言い返す。
 「そう・・全然反省してないんだね・・。なら・・俺も許さないよ」
そういうと、スタンは膝を組む。
おかげで、セネルは真っ赤に染まったお尻を突き上げる体勢になった。
 ビッダァァァァ~~~~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~!!!!!
「ひっ・・!ひぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」
豪雨のような凄まじい平手の嵐に、セネルは絶叫する。
 バアッジィィィィ~~~~~~~ンッッッッッ!!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~!!!!!!!!
「うわあっ!ひっ!ひぃぃ・・!やめろっ・・!やめ・・やめてくれっっ!!!」
さすがのセネルも、根を上げ、許しを乞う。
だが、完全に怒ったスタンは容赦なく平手を振り下ろし続ける。
激しくお尻を叩く音とセネルの悲鳴、許しを乞う声が長い間部屋に響きわたった。


 「ひっ・・!ひっひっ・・!ひぃぃん・・・!!」
ボロボロと大粒の涙を零し、しゃくり上げながらセネルは泣いていた。
お尻は今や、濃厚なワインレッドに染め上がっており、エクスプロ―ドを食らったかと思うくらい熱い。
 「ひぃん・・!も・・もう・・やめて・・・!もぅ・・やだぁぁ・・!!」
すっかりプライドも崩れ落ち、セネルは必死に許しを乞う。
「セネル、反省したかい?」
お尻を叩く手を止め、再びスタンは尋ねる。
 「ひぃん・・!し・・した・・!お・・俺が・・悪かった・・!!だ・・だから・・!!」
許して欲しくて、セネルは必死に謝る。
「それじゃあ何が悪かったんだい?」
きちんとわかっているか、確かめるため、スタンは尋ねる。
 「ひ・・ひぃん・・・。家出して・・迷惑・・かけた・・・」
「そうだね。でも、もっと大切なこと、忘れてないかい?」
「え・・?」
スタンの問いに、セネルは怪訝な表情を浮かべる。
それを見たスタンは、セネルを抱き起こし、膝の上に座らせたかと思うと、しっかりと抱きしめた。
 「おい・・!何をす・・!」
突然の行為にセネルは思わず声を上げようとする。
だが、そのときスタンの身体が震えていることに気がついた。
 「スタン・・?」
「こ・・怖かったよ・・」
「何?」
「セネルが・・いなくなって・・何か・・危ない目に遭ってないか・・・。思いつめて・・取り返しのつかないこと・・しちゃうんじゃないか・・。そう思ったんだ・・。やっと見つけたら・・・あんな・・ネガのセネルが出てきて・・・。よかった・・無事で・・」
震えながら言うスタンに、ようやくセネルは理解する。
 「本当に・・心配をかけたな・・。すまなかった・・・・」
「いいんだよ。わかってくれれば。さぁ、お仕置きはもう終わりだよ」


 「くぅぅ・・・!!」
「ご、ごめん!だ、大丈夫かい?」
痛みに顔を顰めたセネルに、薬を塗りながら、スタンは謝る。
 「い・・いや・・。大丈夫だ・・う・・!!」
「む、無理しない方がいいよ。お尻怪我してるんだし」
「それはスタンがやったんだろう?」
「え、あ、そ、そうだったね。ゴメンゴメン」
謝りながら、スタンは薬を塗り続ける。
 「うぅ・・・。それにしても・・まさか・・尻叩きなんて・・・うぅ・・これもこれで・・恥ずかしい・・・!!」
お仕置きを振り返り、セネルは再び顔を真っ赤にしてしまう。
 「これに懲りたらもう二度と家出なんて馬鹿な真似すんじゃねーっての!」
「そうだぞ。皆本当に心配したんだぞ?」
恥ずかしさに顔を枕にうずめるセネルに、チェスターとガイがそう言う。
 「わ・・わかってる・・!に、二度としないっ!!」
「わかってくれればいいんだよ。それより、少し休んだ方がいいよ。あっ!そうだ!」
不意にスタンもベッドに入ったかと思うと、セネルを抱きしめ、お尻を撫でてやる。
 「おいっ!スタンッ!何をしてるんだっ!?」
「え?いやさぁ、カイルがさぁ、お尻叩いた後、こうしてあげると凄く安心して寝れるし、逆にこうしないと凄く機嫌悪くなるんでさぁ。カイルを叱った時はいつも俺やルーティがこうするんだよ」
「俺はカイルじゃない・・・。一緒にしないでくれっ!!」
「ゴメンゴメン、いつもの癖でさ」
「うう・・・!尻餅ついたかと思うと・・尻叩きはされるし・・抱っこまで・・・・散々だな・・・・!!」
やり方がまずかったと反省するスタンを尻目に、セネルは再び顔を真っ赤にせずにはいられなかった。


 ―完―

暴走の代償(マイソロ2より:スタン/セネル)



(マイソロ2を題材にした二次創作です。許容出来る方のみご覧下さい)


 「何か・・意外だな・・・」
セネルは一緒にクエストをしているチェスターとスタンを見やりながら、意外そうに呟いた。
 「ん?どうしたのさ?」
そんなセネルにスタンが思わず問いかける。
「いや、いつも二人とも妹の話ばかりしてると思ってたからな・・」
「ハァ?んなもんいつでも出来るだろうがよ」
「そうだぞ。時と場所をちゃんとわきまえなきゃダメじゃないか」
「す・・すまん・・・」
二人に怒られてしまい、セネルは思わず謝る。
 「ったく・・人を何だと・・って来やがったな!!」
殺気を感じ、チェスターが弓を構える。
同時にスタンも剣を、セネルも拳を構える。
直後、モンスターが襲いかかってきた。
 数時間後・・・・。
「はぁ~っ。疲れたなぁ・・・・」
「全くだぜ・・手こずらせやがって・・・」
どっと疲れたような声と表情で、港町を歩く三人の姿があった。
 「こんなに探すのに骨が折れるとは思わなかったな・・」
「しかも・・モンスターはやたら多く出てくるし・・・。身体動かすのは嫌いじゃないけどさ。明日筋肉痛で身体がガクガクいいそうだよ」
「確かに・・。ユージーンのブートキャンプ並みにきつかったかもしれないな・・」
セネルは今日のクエストを思い返しながら呟く。
彼らが請け負ったのは採取系のクエスト。
今回は運が悪かったのか、目当ての品が中々見つからず、何度も採取用アイテムを補給しに戻ったり、長時間ダンジョン内部を探し回ったり、しかもしょっちゅうモンスターに遭遇する羽目にもなったため、さすがに体力には自信ありの彼らもヘトヘトになってしまっていた。
 「帰ったらゆっくり寝ようかなぁ・・」
「そうだな。それがいいかもしれないな」
「おぃおぃ、スタン。お前ダンジョンの中でも立ったまま寝てただろうが。まだ寝足りねえのかよ?」
「え?そうだったっけ?」
チェスターはクエストでのスタンの行動を思い出しながら突っ込み、スタンは思わずそう問い返す。
そんな会話を交わしているうちに、バンエルティア号が見えてきた。
船が見えてくると、皆ホッとした表情になる。
そのままスタンとチェスターが乗り込もうとしたときだった。
 「すまない、二人とも先に行ってくれるか?」
「いいけどよ、どうしたんだよ?」
突然のセネルの発言に、チェスターは怪訝そうな表情を浮かべる。
「ああ。せっかく街に来てるからな、妹にアクセサリーの一つでも買っていってやろうと思ったんだ。最近手紙も送ってやれてないからな」
「わかったよ。それじゃあセネルは後から来るって船長には言っておくよ」
「すまない。一時間くらいで戻る」
そういうとセネルは街の方へと戻ってゆく。
 「しっかし・・・あいつの妹愛も大したもんだよなぁ」
「まぁそれだけ可愛いってことなんだろうな」
「まぁ気持ちはわからないでもねえけどな。それより早く入ろうぜ」
そんな会話を交わすと、二人はバンエルティア号へ乗り込んだ。


 (急がないとな・・・)
通りに建つ時計台を見やると、セネルは心の中で呟く。
どの品がいいか中々決められず、考え込んでいるうちに、すっかりスタン達に言った時間をオーバーしてしまったのだ。
これはいけないと、とっさに近くにあった品に決め、ラッピングしてもらった上で急いで店を後にしたのである。
 (俺としたことが・・・。早く戻らないと迷惑をかけてしまうな)
だんだんセネルの足は速くなる。
セネルの元々の職業はマリントルーパー。
その知識と技術を買われてバンエルティア号へ招かれた。
それだけにセネルがいないと航海や普段の業務に支障が出てしまう。
早く戻ろうとセネルは急ぐ。
しかし、戻ることに気がせいていて、前から街の警備兵達がやって来るのに気付かなかった。
先頭を歩いていた兵士とセネルは正面からぶつかってしまう。
 「おぃ!どこを見ているんだ!?」
ぶつかって来たセネルに、思わず兵士は叫ぶ。
「す、すまなかった。い・・急い・・・」
謝ろうとしたところへ、セネルの視線は兵士の足元に向く。
すると、プレゼントが地面に落ちた上に、包みを兵士が思い切りふんづけているのが見えた。
 「!!!」
妹への大切なプレゼントを踏みつけられ、思わずセネルの頭に血が上る。
「幻竜拳!!」
叫ぶと同時にセネルは光を纏ったパンチを兵士に叩き込む。
モンスターですら倒せるセネルのパンチだ。
くらった兵士は数メートル吹っ飛ばされる。
 「貴様っ!捕えろっ!!」
仲間が倒され、他の兵士達が取り押さえにかかる。
同時にセネルも兵士達に向かって飛び込んでいった。


 「遅いなぁ・・・。セネル・・・」
スタンは心配そうな声で呟く。
もう一時間どころか、夜になってしまっていた。
「ったく何やってんだ?まだ店で迷ってんのかよ?長すぎじゃねーのか?」
チェスターも不審に思い、そう呟いたときだった。
 不意にチャットとジェイドが現れたかと思うと、こっちへやって来た。
「あれ?二人ともどうしたんですか?」
現れた二人に、スタンは思わず尋ねる。
「スタンさんにチェスターさん、お二人は今日セネルさんとクエストをやって来られたんでしたよねぇ?」
「ああ、それがどうかしたかよ?」
「それでセネルさんは妹さんへのプレゼントを買うために一人街へ残ったと確か伺いましたが?」
「だからそれが何だってんだよ?」
ジェイドの相変わらずな口調と態度にチェスターは苛立ちそうになる。
 「いえ、実は先ほど港の治安当局から連絡が入りまして。セネルらしい若者が街の警備兵相手に大喧嘩、数名を怪我させたという情報が入りまして」
「な、何だって!?ジェイドさん!?それ、本当ですか!?」
思わずスタンは詰め寄る。
 「まだ本当かどうかはわかっていません。これから船長と確かめに行くところです」
そういうとジェイドはチャットと共に船を降りてゆく。
「何か・・・大変なことに・・なっちまってるな・・・」
「セネル・・一体何やってるんだよ・・・。それより・・・大丈夫かな・・・」
スタンはさらに心配そうな表情を浮かべて呟いていた。
 「全く・・・本当に何をやってるんですか・・・」
「す・・すまなかった・・・」
帰って来たセネルは、機関室へ呼ばれると、チャットに思い切り怒られていた。
「治療代等は僕の方で建て替えておきます。その分・・あなたの給料から引きますからね!」
「わ・・わかった・・」
「それと・・足りない分もしっかりと働いてもらいますから覚悟して下さいよ!まぁとりあえずはもういいです。戻っていいですよ」
ようやくチャットのお説教から解放され、機関室を後にすると、スタンとチェスターが待っていた。
セネルは二人に思い切り両脇から捕まえられたかと思うと、スタンのゲストルームへと連れて行かれてしまう。
リオン達は出払っているのか、スタン達とセネル以外には誰もいなかった。
 「な・・何をするんだ!いきなり!」
有無を言わさず部屋にさらわれ、思わずセネルは抗議する。
「何じゃねーだろ、セネル、お前こそ何やってんだよ?」
セネルの抗議に対し、チェスターはジロリと睨みつけながら言う。
「そうだぞ、兵士と喧嘩して、怪我までさせたって言うじゃないか。本当なのかい?」
「あ・・あぁ・・・。本当・・だ・・・」
事実であるため、セネルはそう言うことしか出来なかった。
 「マジかよ・・。何でそんな馬鹿な真似しやがったんだよ・・・・」
「う・・・。急いで戻ろうとしたときに・・巡回中の兵士とぶつかって・・・そのとき・・せっかく買ったプレゼントを踏みつけにされたんだ。それで・・つい・・カッとなって・・」
「んなん理由になるかよ。それで迷惑かけてどーすんだよ」
「い・・言わないでくれ!?お、俺だって恥ずかしいんだ!?」
セネルは羞恥に顔を赤らめながら叫ぶ。
自分でもとても大人げないと思わずにはいられない。
アビリビトムの皆にも迷惑をかけてしまって、申し訳ないと思わずにもいられない。
 「で?どーするんだよ、スタン?」
「んー、そうだなぁ。セネルにはきっちりと反省してもらわないといけないよなぁ」
「そーだよな。で、どっちから行く?」
「俺からでいいかな?」
「ああ。俺は別に構わねーぜ。剣士のお前の方が取り押さえるのは上手いだろうからな」
「おぃ・・。何を・・話してるんだ?」
二人の会話に、セネルはそう問わずにはいられない。
 「ん?お仕置きの話だよ」
「お、お仕置き?な、何でだ?」
「おぃおぃ、人に迷惑掛けといてタダで済むと思ってんのかよ?」
「そうだぞ。俺達怒ってるんだからな」
そういうとスタンはセネルの手首を掴み、グイッと引っ張った。


 セネルが気づいた時にはソファに腰を降ろしたスタンの膝の上にうつ伏せになっていた。
バシィィィンッッ!!
「く・・!!」
身体をしっかりと押さえられたかと思うと、不意に力強い音が響き、同時にお尻に鈍い痛みが走る。
 バシッ!バチンッ!バアンッ!ビダンッ!バンッ!バシィンッ!
(な・・何が起こってるんだ!?)
たて続けに響く弾けるような音、お尻に感じる鈍い痛み、それらにセネルは困惑する。
思わず後ろを振り向くと、スタンの平手がお尻に叩きつけられるのが見えた。
 「な・・何をしてるんだっっ!!」
思わずセネルは叫ぶ。
「お仕置きだよ、見ればわかるだろ?」
スタンはそういうと、再びセネルのお尻を叩きだす。
 「だ、だからって何だって尻叩きなんだ!?お、俺はそんな子供じゃない!!」
セネルは叫ばずにはいられない。
17歳にもなってお尻叩きのお仕置きだなんて、恥ずかしいなどというものではない。
「おぃおぃ、何言ってんだよ。後先考えずにカッとなって警備兵と喧嘩するなんて、ガキと同じだろーがよ?」
セネルの抗議に、傍で見ているチェスターが厳しい声で言う。
「そうだよ、それにセネル、悪いことしたのは誰だい?」
「そ・・それは・・・」
スタンの問いかけにセネルは言葉に詰まる。
どう考えたって、セネルに非があることは明らかだった。
それは自身がよくわかっている。
「悪いことした子には昔からお尻ペンペンって決まってるだろう?たっぷり反省してもらうよ」
(そんなこと誰が決めたんだ!?)
思わずセネルは突っ込みたかったが、そんな余裕を与えず、スタンが平手を振りかぶった。
 バアシィ~ンッ!バッチィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!バッアァ~ンッ!
「・・ぅ・・っ・・く・・ぁ・・」
力強い音が響く中、セネルはソファを両手でしっかりと握りしめ、声を漏らすまいとする。
(ぐ・・・し・・尻叩きが・・こんなに・・キツイ・・なんて・・)
声を押し殺し、スタンの平手打ちに耐えながら、セネルは心の中で呟く。
前衛だからある程度痛みに耐性があるはずなのに、スタンの平手はそれ以上に痛い。
 ビッダァァ~ンッ!バアッアァ~ンッ!バッシィィ~ンッ!バッチィィ~ンッ!
「・・く・・あ・・・うぅ・・あぅ・・・」
叩かれているうちに、だんだんセネルの苦痛の声が大きくなってゆき、表情も苦しげなものへと変わってゆく。
身体もビクンッと跳ねそうになったり、強ばっていた。
 「・・ったく・・ダメじゃないか。カッとなって、街の守備兵と喧嘩なんかしちゃあ・・」
バシバシとお尻を叩きながら、スタンはお説教を始める。
お仕置きはあくまでもセネルに反省してもらうことが目的。
である以上、どうしてお仕置きをされているのか、きちんと理解してもらわなければ意味が無い。
 ビッダァァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!バッアァ~ンッ!ビッバダァ~ンッ!
「そりゃあ妹さんが可愛いって気持ちもわかるよ?俺やチェスターにだって妹がいるからさ。でもさ、だからってあんなことをしちゃあダメだろう?」
バアッシィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!バアッアア~ンッ!ビバッダァ~ンッ!
「くぅ・・!あく・・!あぅ・・!あっ・・!」
苦痛が増してきたのだろう、セネルの声がより大きくなり、額や手の甲から脂汗がジワリジワリと滲みでる。
 (そ・・そんなことは・・わ・・わかってる・・・!!)
スタンのお説教に対し、セネルは心の中で言う。
セネルとて冷静になってから、あまりにも大人げない行為なのは気づいていた。
恥ずかしくて、穴があったら入りたい。
 「幸い怪我もそんな大したものじゃなかったみたいだし、チャット船長やジェイドさん達がうまくやってくれたからいいようなものだけど、下手をしたら逮捕されたり、皆にも迷惑がかかってたかもしれないだろう?」
「そ・・そんなこと・・言われ・・なくても・・わかっ・・ぐぅぅぅ!!」
言い返そうとしたセネルだったが、平手打ちの苦痛に思わず顔を歪める。
 「ス・・スタンッ!も、もういいだろうっ!!いい加減に降ろしてくれッ!!」
辛抱出来なくなったセネルは、振り返ってスタンに抗議する。
幾ら自分が悪いとわかっていても、お尻叩きなど恥ずかしくてたまらない。
しかも、お説教までされて、自分の過ちを再度思い出させられるのは、傷口に塩をすりこまれるようで、精神的に辛いものがある。
一刻も早く解放してもらいたかった。
 「セネル・・。もう一度聞くけど・・悪いことをしたのは誰だい?」
だが、まだ怒っているのだろう、スタンは厳しい表情で尋ねる。
「そ・・それは悪かったって言ってるだろう!でもいい加減にしてくれ!!俺は子供じゃない!何だってこんなことされなきゃいけないんだ!?俺だって本気で怒るぞ!!」
恥ずかしさとそこから来る怒りに、セネルは思わずカッとなる。
 「セネル・・・それ・・本気で言ってるのかい?」
セネルの態度に、スタンの表情がより険しくなる。
「だ・・だったら何だ!人を散々子供扱いにして!いい加減降ろしてくれ!!」
ビッダァァァ~~~~~~~ンッッッッ!!!
「ぐっ・・・!!!」
返答代わりの強烈な平手打ちに、セネルは苦痛に背をのけ反らせる。
 「よくわかったよ・・。セネルが反省してないのは・・・」
「す・・スタン・・?」
普段とは違うスタンの態度にセネルは思わず息を飲む。
「そんな悪い子・・絶対許さないからな!!」
スタンは叫んだかと思うと、膝を組む。
おかげでセネルはお尻を突き上げた体勢になる。
しかも、スタンはセネルのズボンを降ろしにかかる。
 「な、何をしてるんだ!?や、やめろ!?」
慌ててセネルは抗議するが、スタンはそれを無視して下着ごとズボンを降ろしてしまう。
あっという間にセネルの赤く染まったお尻があらわになったかと思うと、再びスタンが手を振り上げた。
 バアッジィィィ~~~~ンッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッ!!!!!
「ぐっ・・!!うわぁぁあああ!!!!」
今までとはレベルの違う、平手打ちの豪雨にセネルは絶叫する。
「うわああっ!!スタンッ!やめろっ!やめてくれっっっ!!!」
激しい平手打ちにセネルは懇願する。
だが、スタンはそれを無視して容赦なく叩き続けた。


 「う・・うぁぁ・・ぐ・・くぁぁ・・」
スタンの膝の上でセネルはグッタリしていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がり、ジンジンとよく揉んだカイロのように熱くなっている。
 「セネル・・・反省したかい?」
スタンは一旦お尻を叩く手を止めて尋ねる。
「ぐ・・・お・・俺が・・悪かった・・・。謝る・・・。だから・・・許して・・くれ・・」
さすがにもう堪えきれず、セネルは素直に謝る。
 「それじゃあ何が悪かったんだい?反省したなら言えるだろ?」
スタンはセネルに問いかける。
「あ・・あぁ・・。後先考えずに・・・暴走して・・・迷惑を・・かけた・・・。すまなかった・・・・」
「それもだけど、他にもあるだろう?」
「な・・何?」
セネルは思わず目をパチクリさせる。
スタンの言ったことがよくわからなかったからだ。
 「セネル・・・。中々帰りが遅いから・・俺もチェスターも何かあったのかと思ったんだぞ?ようやく・・知らせが来たかと思ったら・・・・街で騒ぎなんか起こして・・。幸いチャット船長達が何とかしてくれたからいいけど・・・。俺やチェスター、いや他の皆がどんなに心配したか、わかるかい?」
(そ・・そうか・・・)
セネルはようやく理解する。
スタンがこんなに怒ったのは、心配の裏返しだったのだ。
 「す・・すまなかった・・。色々と・・心配をかけた・・・」
「わかってくれればいいんだよ。それじゃあ、お仕置きは終わりだよ」
スタンはそういうと、本当にお尻を叩く手を止めた。


 「くぅぅ・・・」
「大丈夫かい、セネル?」
ソファの上でうつ伏せになり、冷やしたタオルをお尻に載せているセネルに、スタンは心配そうに尋ねる。
 「あ・・あぁ・・。だが・・この年で・・まさか・・尻叩きなんてな・・・」
「それなら大丈夫だぜ。お前だけじゃねーからな」
「は?どういうことだ?」
チェスターの言葉に、セネルは怪訝そうに尋ねる。
 「ああ。カイルもさ、ワガママを言って困らせるときとかあるんだよ。それでそういうときは俺やルーティ、ナナリーさんなんかがお仕置きしたりしてるんだよ」
「それだけじゃねーぜ。イリアとかスパ―ダもよ、ルカいじめが過ぎたときなんかリフィルとかナナリーが尻引っぱたいてたぜ」
「そ・・そうなのか・・。知らなかったな・・」
知らなかった事実に、思わずセネルが呟いたときだった。
 「クーリッジ!」
不意にドアの向こうからクロエの声が聞こえてきた。
「ま・・マズイッ!」
セネルは思わず慌てる。
「た、頼むっ!こんな恥ずかしい姿っ!見られたくないっっ!!」
「わかってるって。任せときな」
チェスターはそういうと、外へ出て、クロエをうまくあしらいにかかる。
 「す・・すまない・・・」
「いいんだよ。お仕置きされたなんて恥ずかしいだろうし。それより、休んだ方がいいよ。お尻怪我してるわけだし、体力も使ったんだからさ。俺がついてるし、チェスターがうまく皆には誤魔化してくれるから、安心して休みなよ」
「そ・・そうか・・。じゃあ・・お言葉に・・甘えさせてもらうぞ・・」
そういうと、スタンが見守る中、セネルは静かに目を閉じた。


 ―完―

三人揃って・・・(TOVSより:ティア/ルーク・ルカ・イリア)



(TOVSを題材にした二次創作です。キャラのイメージが原作と異なっている可能性があります。許容出来る方のみご覧下さい)


 「いいこと?くれぐれも騒ぎを起こすんじゃないわよ」
ティアはわざと怖い顔をしながら、ルカとイリア、そしてルークに注意する。
「わ・・わかりました・・」
「そんなこと言われないでもわかってるわよ」
「そうだぜ。何だってそんなこと言われなきゃなんねーんだよ」
素直に返事をしたルカとは違い、イリアとルークは不満そうな表情で言う。
 「前にぶつかったくらいで喧嘩をしたのは誰かしら?」
「そ・・そいつは・・・」
ルークは以前に街で額の広い弓使いと喧嘩をしたときのことを指摘され、口ごもってしまう。
「なーに、アンタそんなことで喧嘩したの?バッカじゃないの?」
いけすかない奴だと思っているからか、イリアはいい気味だとばかりに、ルークにそう言いやる。
 「何だと!お前だってチンピラにカツ上げとかしてたじゃねーか!人の事言えんのかよ!」
「言ったわね!!」
「ちょ、イリア!やめなよ!!」
慌ててルカが止めに入る。
そんな三人の姿にティアはため息をつきそうになるが、ルカの方を振り向くと、口を開いた。
 「ルカ、イリアが何かしないように頼むわね」
「わ、わかってます。それじゃあイリア、買い物に行こうよ」
「わかったわよ・・・」
ルカにそう言われ、渋々イリアはルカと共に買い出しに行く。
しばらく前からティアとルカ、ルークとイリアで組んでそれぞれ旅をしているのだが、二、三日前に街道で合流したため、四人一緒に今は旅をしていた。
 「ルーク、あなたも早く行きなさい。サボるんじゃないわよ」
「わーってるって」
そういうとルークも買い出しに出かける。
それを見届けると、ティアも自分の担当したものを買いに出ていった。


 (えーと・・薬・・だったか・・?)
ルークは渡されたメモ用紙をチェックしながら、通りを歩いている。
そのとき、不意に言い争う声や武器の打ち合う音が聞こえて来た。
(ん・・?喧嘩かよ?ったく・・どこのチンピラだよ・・)
うっとおしげな表情を浮かべると、ルークはそのまま立ち去ろうとする。
だが、その直後銃声がたて続けに聞こえた。
 (あれは・・まさか!!)
聞き覚えのある銃声にとっさにルークは駆け出していた。
「よくもやったわね!!ツインバレット!!」
イリアはそう叫ぶや、チンピラらしい連中めがけて愛用の二丁拳銃を連射する。
 「うわああ~~っ!!やめて~~!!店先で暴れないで~~!!」
イリアがチンピラ相手に銃をぶっ放すのを尻目に、食料品店の主が必死になって叫ぶ。
だが、喧嘩をしているイリアもチンピラも店主の願いなど聞くわけもなく、おかげで商品が散乱したり、或いは武器代わりに投げつけあったりしていた。
 「おい!ルカ!一体どうなってんだ!?」
オロオロしているルカを見つけると、ルークは急いで尋ねる。
「あ、あの・・二人で食料の買い出ししてたんですけど・・・あっちのガラの悪い人達がぶつかってきて、そうしたら難癖つけられちゃって・・・それを・・イリアが」
「イリアが見てカッとなってあいつらにぶっ放したってことか?」
「は・・はぃ・・。ど・・どうしましょう?」
「どうしましょうじゃねーだろ!とっととやめさせるぞ!ルカ、お前も手伝え!!」
「は、はいっ!」
ルカは慌ててルークと共に争いの中に割って入ると、イリアを取り押さえにかかる。
 「ちょ・・何すんのよ!」
「何すんのよじゃねーだろ!こんなところで喧嘩おっぱじめやがって!!」
「うるさいわね!!あいつらが悪いのよ!」
「そういうことじゃね・・・」
そこまで言いかけて不意に野菜が思い切りルークの顔面にヒットした。
 「テッメェ・・何しやがんだコラーッ!!崩襲脚!!」
ルークはカッとなるや、野菜を投げつけたチンピラ目がけて飛び上がり、急降下キックを食らわせる崩襲脚を叩き込む。
それを皮切りに、今度はルークまで喧嘩に加わり始めた。
 「ル、ルークさんまで何やってるんですか~~!!や、やめて下さいよ~~!!」
心底困った表情で呼びかけるルカだったが、完全に頭に血が上っているルークには届かない。
それどころか剣やナイフを出したチンピラ達の殺気がルカにまで向けられた。
 「う・・うわっ!」
慌てて避けるも、この状況では説得は不可能と判断したのか、やむなく背中から愛用の大剣を引き抜く。
(よくないけど・・仕方ない・・・)
出来るだけ相手を傷つけないように気を配りつつ、ルカは剣を振るって乱戦に加わった。


 「本当に・・・申し訳ありません!!」
ティアは必死になって自警団のメンバーや役人に謝る。
「あの・・・怪我人は・・・?」
「まあそれは一番ひどいのでも幸いなことに打撲程度で済んでいますが・・・。しかし街中で武器を振り回して乱闘、しかも器物破損、それなりの処分は覚悟して下さい」
「はい・・まことに申し訳ありませんでした・・・」
「とにかく・・・調書を取るのでこちらへ。身柄はその後引き渡します」
そう言われると、ティアは役人の後について別室へ入っていった。


 「・・・・・・・・・」
ルークもルカも、ジッと黙ったまま、恐る恐るティアの様子を伺っていた。
ティアはベッドの縁に腰かけ、静かに三人を見つめている。
ルーク達は三人とも床に正座させられていた。
 ティアが調書を取り、言い渡された罰金等を払ったため、ようやく釈放されたが、迎えにやって来たティアからただならぬオーラを感じ、気の強いイリアでさえ、何も言えなくなってしまっていた。
宿屋へ戻って来るなり、三人揃って正座させられ、何も言わないティアとジッと向き合っているのである。
普段はズケズケと物を言うイリアでさえ、ティアの雰囲気に押されているのか、何も言わなかった。
 「あなた達・・・」
「は・・はいっ!」
「な・・何だよっ!」
「何よ・・・」
ティアが口を開くや、ルカは怯えた顔で、ルークもそれに近い表情で、対してイリアは不貞腐れたような表情で返事をする。
 「最初に言ったはずだわ。くれぐれも騒ぎを起こさないようにって。それなのに・・」
「ご・・ごめん・・なさい・・・」
ルカは素直に謝るが、イリアは不貞腐れて何も言わない。
「ルーク、あなたまで・・何をやってるの・・」
「で・・でもよ・・向こうだって・・・」
思わず言い訳しようとしたルークだったが、ティアに思い切り睨まれ、言葉がでなくなってしまう。
「三人とも・・・こんなことをした以上・・・わかってるわね・・・」
「あ・・あの・・それって・・お・・お仕置き・・ですか?」
恐る恐るルカは尋ねる。
 「そうよ。三人とも、ベッドにうつ伏せになって、お尻を出しなさい」
「は・・はい・・・」
「わ・・わかったよ・・・」
ルカはともかく、ルークまで諦めたような表情を浮かべると、言われた通り、ベッドの縁にうつ伏せになり、床に両膝をついてお尻を差し出す。
 「何よ、アンタそんな真似して恥ずかしくないの?情けないわねぇ」
「う・・うっせーな!オメエは知らねえからそんなこと言えんだよ!悪いことぁ言わねーから大人しくこっち来てケツ出せって!!」
イリアに小馬鹿にされて恥ずかしさを感じるも、ルークは必死にイリアに言う。
ティアのお仕置きの厳しさ、怖さは誰よりも身を以って知っている。
素直に受けないとお仕置きがより厳しくなってしまう。
だからルークは必死にイリアに呼びかけた。
 「そ・・そうだよイリア、悪いのは僕たちなんだよ。だから・・・ちゃんとお仕置きを受けなきゃ・・・」
「お馬鹿ルカ!何でわざわざ痛い思いなんかしなきゃいけないのよ!そもそも言いがかりつけてきたのはあいつらじゃないの!!」
「だ、だからって喧嘩を買ったり・・・他人に迷惑かけるなんて・・間違ってるよ!」
ルカは必死にイリアを説得しようとする。
自分達が悪いことはわかっていたし、それにルカもティアのお仕置きの怖さはよくわかっていた。
素直に反省してお仕置きを受けるタイプのルカでさえ、厳しくお仕置きされるのだ。
イリアのように反抗的な態度を取り続けようとすれば、それこそ大変なことになってしまいかねない。
 だが、ルカの気持ちはイリアには通じていないのか、イリアは頑として拒否しようとする。
「イヤよ!何だってそんな情けないカッコして、お尻叩かれなきゃいけないのよ!!」
「イリア・・・本気で言ってるのかしら?」
お尻を出そうとしないイリアにティアは有無を言わせない口調で尋ねる。
 「だったらどーだって言うのよ!誰がアンタにお尻なんか出すもんですか!!」
「馬鹿野郎!!意味のねー意地なんか張るんじゃねーよ!ケツが幾つあっても足りねーぞ!!」
さすがにルークもまずいと感じ、ルカと共に説得しようとする。
「うるさいわね!皆偉そうに!!」
イリアはカッとなるや、愛用の拳銃を引き抜こうとする。
「ピコハン!」
だが、そこへティアがピコハンを投げつけた。
見事にピコハンが命中し、イリアはピヨリ状態になる。
そこへ素早くティアは接近すると、両腕を後ろに回してハンカチで拘束してしまい、
ルーク達と共にベッドに並んでうつ伏せにさせた。
 「ちょっと・・!何すんのよ!ほどきなさいよ!!」
拘束されてイリアはカッとなるが、それに構わずティアは三人のズボンを降ろしてお尻をあらわにしてしまう。
 「この変態っ!痴女っ!何すんのよっ!!」
「黙りなさい・・・イリア・・・」
静かだが有無を言わせない口調にさすがにイリアも気圧されてしまう。
 「三人とも・・・・。今日は厳しく叱ってあげるから・・覚悟なさい」
ティアの言葉にルカは恐怖に全身を震わせ、ルークも背筋が寒くなる。
イリアだけは不貞腐れていたが、微かに不安と恐怖を浮かべてもいた。
ベッドに並んだ三人のお尻の前に立つと、ティアは手に息を吐きかける。
そしてゆっくりと右手を振り上げた。


 ビッダァァ~~~ンッッ!!
バッァァ~~~~ンッッッ!!
ビッダァァ~~~ンッッッ!!
「痛っ・・!!」
「ぐ・・」
「くぅぅ・・・・」
ティアの容赦ない平手打ちが三人のお尻に叩きつけられ、それぞれ苦痛の声を漏らす。
 バアッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビッダァァ~~ンッッ!バッアァ~~ンッ!ビバッダァァ~ンッッ!!
「うぅ・・くぅ・・・痛ぁ・・・」
「ティ、ティア!痛て!痛てーって!!」
ルカは平手打ちを堪えようとするも、痛みに無意識に声が漏れてしまう。
一方、ルークは後ろを振り返ると思わず抗議する。
 「お仕置きなんだから痛いのは当たり前でしょう・・。全く・・・」
バアッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!バッアァ~ンッ!ビバッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビバッジィ~ンッ!
「あなたたち・・三人とも・・何をしているの・・・」
三つ並んだお尻を順々に叩きながら、ティアはお説教をする。
 「ちょ・・!痛っ!痛いじゃないのよ!やめなさいよ!馬鹿っ!」
イリアは後ろを振り返ると必死に叫ぶが、ティアがやめるわけもなく、そのまま叩き続ける。
 「くれぐれも騒ぎを起こさないようにと言ったはずよ?それなのに・・どうして三人とも喧嘩なんかするの!!」
バシバシと三人のお尻を叩きながらティアは言う。
 「しょ・・しょうがないでしょっ!向こうからワザとぶつかって来た癖に色々と言いがかりつけてくるんだから!!あいつらが悪いのよっ!!」
「だからって暴力をふるったり喧嘩をしてもいいってことにはならないでしょう?それにルーク、あなたまで喧嘩してどうするの!」
「お、俺だって・・止めようとしたんだよ!でも・・向こうから・・痛っ!痛えって!!」
「言い訳するんじゃないの。ルークまで一緒になって喧嘩したのは事実でしょう?」
「悪かった!悪かったって!ちょ、ちょ、重点的に叩くのやめろって!!」
他の二人より重点的に叩かれ、ルークは慌てる。
 バアッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッジィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バァっアア~ンッッ!!
 「ひぃん・・ごめ・・ごめんなさいっ・・ごめんなさい・・・。迷惑・・かけて・・ごめん・・なさぁい・・・」
「ティアっ!お、俺らが悪かったっ!た、頼むから勘弁してくれ!!」
ルカとルークは必死になって謝る。
 「反省したかしら?」
ティアは一旦お尻を叩く手を止めて尋ねる。
「し・・して・ます・・」
「し・・してるって・・・だから・・・」
ルカとルークは謝るが、イリアだけは相変わらずムスッとしたまま顔をそむけている。
 「イリアはともかく・・・二人は反省してるようね・・・。それなら・・・始めましょうか・・・」
ティアの言葉にルークはギクリとする。
 「お・・おぃ・・ティア・・。まさか・・これからが本番とかいう気かよ!!」
「そうよ。今まではあなた達が反省するまでの分よ。ちゃんと反省してからでないと、お仕置きをする意味が無いわ」
「か、かかか勘弁してくれって!!これ以上叩かれたらケツ壊れちまうってーの!!」
普段のワガママさなど微塵も見られない態度でルークは必死に許しを乞う。
 「ダメよ。今回は罰金ぐらいで済んだけど・・・下手したらそんなものじゃなかったのよ。わかってるのかしら?」
「す・・すみません・・」
「そ・・そいつは・・・」
「ふん!叩きたければ叩けばいーじゃないの!この・・・虐待魔王!!」
突然、イリアがそんなことを叫んだ。
 「ば、馬鹿野郎っ!!さっさと謝れっ!!」
「ダメだよイリアっ!そんなこと言ったら!悪いのは僕たちなんだよ!!」
「イヤよ!誰がこんな性悪女なんかに頭下げるもんですか!!」
(し・・死んだ・・・俺達・・・)
ルークは絶望的になる。
恐る恐るティアの様子を伺ってみれば、ティアはバッグからパドルを取り出しているではないか。
本能的にルークは逃げようとする。
 「ルーク?どこへ行く気かしら?」
だが、呆気なくティアに捕まってしまった。
「何よ!自分だけ逃げる気?最低なやつよねぇ」
「ち・・ちちち違っ!!違げーって!!」
必死に弁解しようとするルークだったが、ティアの表情がさらに厳しくなる。
 「ルカ達の喧嘩を止めなきゃいけない立場なのに、一緒にした上に・・・逃げようとするなんて・・・悪い子ね」
(お・・終わった・・・・)
ルークは絶望に魂が抜けそうになる。
「そんな子は・・・絶対に許さないわ!!」
ティアはそう言うや、パドルを振り上げた。
 バアッジィィ~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~!!!!!
「うわああああ!!!」
「ぎゃああああ!!」
「ひぃぃぃぃぃ!!!」
並んだお尻に順々にパドルの豪雨が降り注ぎ、三人の悲鳴が上がる。
 「ごめんなさいっ!!ごめんなさぁーーーいっっっ!!!!」
「だぁぁぁ!!ティアぁぁ!!勘弁してくれってー!!」
「ちょ、な、何すんのよっ!鬼っ!悪魔ーっ!鬼畜っ!外道っ!!」
三人それぞれの声が上がる中、パドルの嵐が三人のお尻に降り注ぎ続けた。


 「ひぅ・・うぅぅ・・」
「ハァ・・ハァ・・・」
「うっくぅぅ・・・・」
三人とも、目尻に涙を浮かべ、荒い息を吐いていた。
お尻はいずれも濃厚なワインレッドに染め上がり、熟しすぎたリンゴを並べたように見えた。
 「三人とも・・・反省・・したかしら?」
ティアはお尻を叩く手を止めて尋ねる。
「し・・してますぅ・・・。ほ・・本当に・・ごめんなさぁぁい・・・」
「お・・俺らが・・わ・・悪かった・・。か・・勘弁・・してくれよぉ・・。これ・・以上・・・やられ・・たら・・マジで・・ケツ・・壊れるぅぅ・・・」
「ルカとルークは反省出来たようね。ならいいわ。さてと・・イリア・・・あなたは?」
イリアはティアの方を振り返ると、憎々しげな表情を浮かべる。
「ふざけんじゃないわよ!どうしてアタシが反省しなくちゃいけないのよ!!」
「い・・イリア!」
ルカは止めようとするが、イリアは睨みつけてルカを黙らせる。
 「何がお仕置きよ!どうしてアタシやルカがこんな目に合わなきゃいけないのよ!!言いがかりつけてきたのはチンピラ連中の方よ!!」
「だからって喧嘩をしていいって理由にはならないわ。それに忘れたの?関係無い人まで巻き込んでるのよ」
厳しい表情を浮かべながら言うティアだったが、イリアは反抗的な態度を取り続ける。
 「うるさいわよ!!どーしてアンタらに説教なんかされなきゃいけないのよ!!それにルカまで叩いて!!そんなことするアンタに死んでも頭なんか下げるもんですか!!」
「そう・・・なら・・・仕方ないわね・・・」
ティアはそういうと再びイリアにパドルを振り下ろそうとした。
 「ま、待って下さい!!」
突然、ルカが叫んだ。
「どうしたの?ルカ?」
「お、お願いです!イリアはもう許してあげて下さい!」
「そういうわけにはいかないわ。まだちゃんと反省しきれていないのよ」
「わ・・わかってます!だ・・だから・・・代わりに・・僕が受けますからっ!!」
「お馬鹿ルカ!!何言ってんのよ!そんなことしたら本当にアンタのお尻が壊れちゃうじゃないの!!」
「馬鹿なことはやめろ!お前の気持ちはわかっけどな!それ以上やったらマジでケツが壊れるぞ!!」
ルカの言葉にイリアは無論、ルークまで必死になって止める。
 (困ったわね・・・)
ティアはルカとイリアを見やりながら考える。
ルカのお尻がもう限界なのはわかっていた。
だが、気の強いイリアの事だ。
これから何十回叩いても、決して謝ろうとしないだろう。
むしろ、気絶するまで叩くことになってしまいかねないし、そうしても本当の反省は得られない。
(仕方ないわ・・。いい手じゃないけど・・・これしかないわ)
ティアは心を鬼にすると、ルカに言った。
 「ルカ・・本当に・・身代わりになるつもりかしら?」
「は・・はい・・で・・ですから・・イリアは・・・」
「わかったわ。イリアは許してあげるわ。でも・・その分あなたに受けてもらうわよ。いいわね?」
「は・・はいっ・・」
「お馬鹿ルカ!!何てこと言うの!そこの鬼女!金髪悪魔っ!叩くんならアタシを叩きなさいよ!!」
イリアは必死になって叫ぶが、ティアはそれを無視して再びルカの傍らに立つと、パドルを打ち下ろした。
 ビッダァァァ~~~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッッ!!!!
「う・・・うっわぁぁぁぁああああああんんんんんん!!!!!!」
ワインレッドに染まったお尻に再びパドルの嵐を受け、ルカは絶叫する。
 「ごめんなさぁぁぁいいいいい!!ごめんなさあああいいいいい!!!」
必死に謝るルカだが、ティアは容赦なくパドルを降らせる。
(あ・・アタシの・・せいだ・・・)
ルカの痛々しい姿にイリアは罪悪感で胸が絞めつけられる。
(一番・・悪いのは・・アタシ・・なのに・・。悪いことしたって・・・・・わかってたのに・・・意地張って・・・謝らなかった・・から・・・・)
イリアは後悔にさいなまれる。
本当は自分が悪いことはわかっていた。
だが、お尻を叩かれるなんてあまりにも恥ずかしくて悔しかった。
だから謝るのが癪で意地を張り続けた。
 (そのせいで・・また・・ルカが・・・・)
本当は自分がそうなるはずなのに、またルカが自分を庇って苦しんでいる。
もうこれ以上意地を張るわけにはいかない。
イリアは必死になって叫んだ。
 「やめてっ!もうやめてっ!!」
イリアが叫ぶと、ティアはパドルを振り下ろす手を止める。
「イリア・・・反省したかしら?」
「したわよっ!アタシが悪かったからっ!二度と喧嘩沙汰なんてやらないからっ!約束するわよっ!だから・・・だから・・・ルカを叩くのはやめて!!!」
「やっとわかってくれたようね・・・・」
ティアはそういうと、ようやくパドルを手放した。


 「うぅ・・・痛ぁぁ・・・」
「大丈夫?ルカ?」
ティアは心配そうな表情でルカに尋ねる。
身代わりに叩かれた分、一番濃厚にお尻が染め上がっていた。
 「あ・・だ・・大丈夫・・です・・」
「お馬鹿ルカ!何でまた馬鹿な真似したのよ!!」
隣から、同じようにお尻を出したままうつ伏せになっているイリアが叫ぶ。
 「だ・・だって・・これ以上・・イリアが叩かれるの・・嫌だったんだよ・・」
「だからってアンタが身代わりになることないでしょ!!そんなことされたって嬉しくないわよ!!」
「ご・・ごめん・・」
「まーこれに懲りたらもうすんじゃねーぞ・・って痛て・・・ティア・・こっちも手当てしてくれよ・・」
「わかってるわよ。少し待ちなさい」
ティアはそういうとルークのお尻にもタオルを載せてやる。
 「ちっくしょう・・相変わらず容赦ねえんだから・・・。ケツ壊す気かよ・・」
「お仕置きされるようなことをしたのはあなたでしょう?」
「そ・・そいつは・・そうだけどよぉ・・」
「バッカね~、怒られてんの~」
イリアが小馬鹿にするように言うと、ルークはムッとする。
 「元はといえばお前が喧嘩なんかしたせいだろーが!!」
「何よ!アンタだってやってたくせに!!」
「んだとーっ!」
「やる気!?」
「上等だー!」
バッチィィ~~~ンッッッ!!!
二人がいきり立ちそうになったところへ、タオルの上からティアの平手が叩きつけられる。
 「きゃああ!」
「痛ってぇぇ!!」
悲鳴を上げる二人をティアが叱りつける。
「二人ともいい加減にしなさい。またお尻叩かれたいの?」
ティアにそう言われ、二人はやむなく黙る。
「全く・・・本当に手がかかるんだから・・・・」
ティアはため息をつきながら、そう呟かずにはいられなかった。


 ―完―

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