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カラスとくノ一(KOFより:キング/不知火舞)



(KOFを題材にした、二次創作です。許容できる方のみご覧下さい)


 「ハァ・・ハァ・・!」
荒い息を吐きながら、不知火舞は、目の前の相手をジッと睨みつける。
視線の先には、何とも異様な存在の姿。
空手着風の忍者服に鉤爪を仕込んだ手甲、首には髑髏を連ねた数珠もどきを身に着けた、首から下は屈強な男性。
だが、その頭は鳥だった。
しかも、信じられないことだが、仮面ではない。
本当に鳥の頭なのである。
彼?の名はジャズウ。
邪呀(じゃが)と呼ばれる、闇の忍者組織のボスであり、独自の忍術と妖術を使う、謎の存在である。
理由は分からないが、突然、乱入してきたのである。
 「クク・・!?もう・・終わりか?」
ジャズウは嘲るような声で挑発する。
「馬鹿にしないで・・!お化けカラスのくせに!?龍炎舞!?」
舞は思わずカッとなって、得意技の龍炎舞を繰り出す。
だが、ジャズウが受けた直後、ドロンと姿が消えてしまう。
ハッとした舞は思わず頭上を見上げる。
直後、急降下してきたジャズウの一撃に、舞は意識を失った。


 「悔しい~~~~っっっ!!!!」
舞はジョッキをテーブルに叩きつけるように置きながら、叫ぶように言う。
(あんな変なのに負けるだなんて・・!!屈辱だわ!?)
同じ忍術使いとして、あんなイロモノに敗北したのが、何よりも悔しくてたまらなかった。
 「舞、その辺にしておきな。飲み過ぎだよ」
女性格闘家仲間で、酒場の経営者であるキングが、舞のヤケ酒ぶりを見かねて忠告する。
「何よ~!キングさん、もう一杯くらい・・・」
「ダメだって。これ以上やったら完全に潰れるよ。アンディに迷惑かけてもいいのかい?」
「う・・。わかり・・ました・・」
アンディの名前を出され、舞は渋々、帰り支度を始める。
 「ちょっと待ちな。タクシー呼ばなくていいのかい?」
「平気です・・!歩いて・・ホテルまで帰れ・・ます・・!!」
思わず声をかけたキングに、舞はムッとした声と表情で返す。
「わかったよ。でも・・本当に気をつけなよ」
「わかって・・ますよ~~。じゃあ、さよなら~~」
不安が残るキングを尻目に、舞は店を後にした。


 「うう・・・。ちょっと・・気持ち・・悪く・・なって・・きた・・かも・・」
ホテルへ戻る途中、舞は公園で一休みする。
気分が落ち着くまで、一息つこうと思ったそのときだった。
不意に何やら騒がしい声が聞こえ、思わず舞は振り向く。
すると、カラスの群れが園内のごみ箱を漁っているのが見えた。
(何でこんなときに・・!?)
カラスを見ると、嫌でもジャズウを思い出す。
舞がさらに不快感を感じたそのときだった。
 (あら?)
ふと舞は、あるカラスがこちらを見つめていることに気づく。
(何かしら・・?気持ち悪い・・)
覗かれているような感覚に、舞は思わず薄気味悪くなる。
一刻も早くホテルへ帰ろう。
その思って、立とうとしたときだった。
 不意に、舞は例のカラスがいないことに気づく。
直後、頭上から石が落ちてきた。
とっさにかわすが、もし頭にまともに命中していたら。
そう思うとゾッとする。
だが、コトはこれで終わらなかった。
避けたところへ、今度は何か粘っこいものが顔に落ちてきたのだ。
 「な・・何よコレ!?鳥のフン!?いや!?汚・・!?」
思わず顔を顰め、頭上を見上げる。
すると、あのカラスが空中を旋回して、飛んでいるではないか。
飛びながら、カラスはこちらを馬鹿にした目で見下ろしている。
そして、見下ろしながら、立て続けに、フンを落としてくる。
「な・・何なのよ!?馬鹿にしてるわね!?鳥のくせに!?」
カラスのフン攻撃に、舞も頭に血が上ってしまう。
「食らいなさい!花蝶扇!!」
舞は扇子を投げつけるが、カラスはヒョイッとかわしてしまう。
それどころか、さらにもう一度、フンを落とされてしまう。
「ちょ・・!?コレ、アンディに買ってもらったのに!?よくも・・やってくれたわね!!!」
服を汚され、舞は完全に頭に血が上ってしまう。
からかうように逃げるカラスを追って、舞は元来た道を、走っていった。


 (大丈夫かねぇ・・?)
キングは舞の様子を思い返し、不安に駆られる。
(無理にでもタクシーを・・でも、そうしたら怒り出すかもしれないしねぇ・・。舞の知り合いも・・あいにく近くにはいないからねぇ・・・)
一段落したら、様子を見に行ってみよう。
そう考えたときだった。
 不意に、ドアが開いたかと思うや、何とカラスが飛び込んできた。
直後、それを追うように、舞も飛び込んでくる。
舞は見るからに興奮した状態で、店内にカラスの姿を見つけるや、問答無用で花蝶扇を繰り出す。
カラスは難なくかわし、その背後にいた客の顔面に、扇子が命中する。
扇子を食らった客は衝撃で倒れ込む。
だが、舞にはそれは目に入らない。
カラスを打ち落そうと、舞はさらに躍起になって、扇子を繰り出す。
そんな舞をからかうように、扇子をかわしながら、カラスは店内を飛び回る。
ますます舞はいきり立ち、さらに扇子を繰り出すが、全てかわされ、客やスタッフが犠牲になる。
これ以上見逃すわけにはいかない。
キングは興奮した舞の背後に回る。
舞は完全にカラスに気を取られているため、キングの接近に気づかない。
キングは舞の背後を取ると、渾身の蹴りを繰り出す。
鈍い音と共に、舞は床へ崩れ落ちた。


 「さて・・・随分、派手にやってくれたねぇ・・・」
腕を組み、仁王立ちした姿で、キングはジッと舞を見下ろす。
舞は気まずそうな様子で、床に正座させられている。
「う・・。あ・・あのカラスが悪いのよ!ひ、人のこと色々馬鹿にするから!?」
「カラスのせいにするんじゃないよ。カラスを追いかけ回すなんて、大人げないと思わないのかい?」
「う・・!?だけど・・!?」
「いい加減にしなよ。舞、アンタがカラス相手に暴れたせいで、どれだけ迷惑かけたか、わかってんのかい?たっぷりお仕置きしてやるから、覚悟しなよ」
その言葉を聞くや、舞は逃げ出そうとする。
 「ま~い~、どこ行くつもりだい?」
「キ、キングさん!?は、離して!!
「ダメだよ。こんなことした以上、お仕置きだ。子供みたいに、たっぷり尻叩いてやるから、覚悟しなよ」
目が笑っていない、恐ろしい笑顔で言うと、キングは舞を膝の上に乗せてしまう。
同時に、舞のお尻をあらわにすると、思いきり手を振りかぶった。


 バッチィィィーーーーンンンンッッッ!!!
「んっ・・!!??」
キングの本気の平手打ちが、舞のお尻に叩きつけられる。
 バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「く・・!う・・!く・・!くぅ・・!」
プロの格闘家である舞でも耐えがたい、強烈な平手打ちが、舞のお尻を容赦なく襲う。
バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「全く・・何やってんだいっっ!!」
お尻を叩きながら、キングはお説教を始める。
バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「く・・!う・・!キ、キングさん・・!や・・やめて・・!?」
お尻に与えられる痛みに顔を顰めながら、舞は懇願する。
 バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「やめて、じゃないだろう!?恥ずかしいと思わないのかい!?カラスを追っかけまわして、店であんなことやらかして、迷惑かけて!!」
「そ・・それは・・悪かったわ・・!?で・・でも・・あのカラス・・本当に・・」
「いい加減にしないかい!!何されたか知らないけど、動物のせいにするんじゃないよ!!舞が相手にしなきゃいいだけの話だろう?」
言い訳をする舞に、キングは厳しい表情で叱りつける。
 バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「だ・・だからって・・こんな・・子供・・みたいな・・ううっ!?ひいっ!?」
「舞が子供みたいなことして、皆に迷惑かけるからだろう?ははーん、どうやら反省が足りないみたいだねぇ」
キングはそう言うと、足を組む。
おかげで、舞はお尻を突き上げた体勢になる。
 「ま、待って!?キングさん待って!?」
舞は慌てる。
以前、クリスや包といった子供メンバーが、この体勢でキングにお仕置きされて、大泣きしたのを見ているからだ。
「ダメだよ。しっかり、反省しな」
キングは非情な声で言うと、手を再び振り下ろす。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「きゃあああああ!!い、痛ったぁぁぁいいいい!!」
本気モードのキングの平手打ちに、舞は絶叫する。
バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「いやぁぁぁぁ!!キングさんっ!!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!わ、私か悪かったからっっ!!許してぇぇぇ!!ごめんなさぁぁぁいいい!!」
「ダメだよ。悪い子だったんだから、たっぷりお仕置きだよ」
「そ・・そんなぁぁぁ!!!いやぁぁぁl!!!」
その後、小一時間に渡り、舞の悲鳴がバーに響いていた・・。


 「うう・・!?」
舞は羞恥に顔を顰めながら、店前にジッと立っていた。
真っ赤に腫れ上がったお尻をさらし、背中に『私はカラスを追い回して、店内で暴れた悪い娘なので、お尻ペンペンのお仕置きをされました』という恥ずかしい札を下げさせられていた。
(どうして・・こんな羽目になるのよ~~!!??)
通行人の好奇の目を感じながら、舞は涙が出そうになるのを必死に堪えていた。


 「クク・・!?上手く・・行った・・・」
近くの屋根に止まっていたカラスが、ほくそ笑みながら、何と人語で呟いた。
カラスの正体はジャズウ。
得意の妖術でカラスに化け、舞をからかったのである。
「クク・・。面白いモノ・・見れた・・・。もう・・用は無い・・」
そう言うと、ジャズウはカラスの姿のまま、飛び去った。


 ―完―

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マチュアの受難(ルガール/マチュア、KOFより)



(KOFを題材にした二次創作です。時雨三世様のGRORY GROUNDとリンクしています。許容できる方のみご覧下さい)


 日本と中国に近い公海域を航行する巨大な空母ブラックノア。
その執務室に、持ち主であるルガール・バーンシュタインの姿があった。
傍らには、秘書であるマチュアの姿もある。
マチュアはスケジュール表を片手に、今週の取引や商談の予定を主人に説明している。
 「明日、中継基地用の島にて日本の芹沢組組長との商談がAM10:00より入っております・・・」
「明日か・・。ならばもう島には入っているな?」
「はい。先ほど島の管理者に確認したところ、既に部下やボディーガードらと共に入島しております。接待役の者らが対応しております」
「そうか・・。芹沢組は日本での重要な取引相手だ。粗相のないように丁重にもてなすのだ」
「はっ。承知しております」
「ならばよい。そういえば・・同じ日にチャイニーズマフィアとの取引も入っていたはずだな?」
「はい。現在、芹沢組と対立・抗争関係にある組織です」
「わかっているだろうが・・くれぐれも芹沢組との間でトラブルが起こるようなことが無いようにするのだ」
「それも承知しております」
「ならばよい。任せたぞ・・」


 当日・・・・ルガール所有の島・・。
島の一等地にある大きなホテル。
商談用の応接室へと向かう廊下に、その男の姿があった。
男は日本人で、岩のようにがっしりした身体を和服に包んでいる。
その傍らでは、スーツ姿の男が秘書のように控えていた。
和服の男は芹沢鴨継(せりざわかもつぐ)。
日本屈指の広域暴力団・芹沢組の組長である。
傍らに控えているスーツの男は、組織のナンバー2である新見錦助(にいみきんすけ)だった。
ボディーガード役の組員達に取り囲まれながら、芹沢と新見は、応接室へと向かってゆく。
ボディーガード達は言うまでもなく、芹沢らも、廊下を進みながら、油断なく周囲を見回す。
裏社会の住人である彼らにとって、裏切りや騙し討ちは日常茶飯事。
また、ここには対立組織も取引に訪れている可能性もある。
もしもに備え、一行は警戒しながら、目的の場所へと進んでゆく。
やがて、T字路へとさしかかった、そのときだった。
 まさに曲がろうとしたそのとき、向かうの廊下から、やってくる一団の姿があった。
「あいつら・・!?」
護衛役の組員、そして新見の表情が険しくなる。
芹沢達の前に現れたのは、中国系の男達。
彼らはいわゆるチャイニーズマフィア。
それも、芹沢組と対立関係にある組織だった。
 「貴様ら・・・。どこに行くつもりだ?」
「貴様らに答える義理など無い。どけ!」
芹沢組、チャイニーズマフィア、双方とも喧嘩腰な態度で、相手に言う。
 「そうはいかん。貴様らに・・邪魔をされるわけにはいかんのでな・・・。それに・・貴様ら相手に引いたとなれば・・・極道商売は終わりなんでな・・!!」
「そいつは・・こっちの台詞だ!?」
芹沢組、マフィア双方とも、拳を構える。
トラブルを予防するため、入島する際に、武器類は全て取り上げられているからだ。
やがて、双方から雄たけびのような声が上がる。
直後、互いに相手目がけ、襲いかかっていった。


 「あら・・・!?」
商談の予定を確認していたマチュアは、一瞬目を疑う。
芹沢組と対立組織のチャイニーズマフィアが、同じ時刻に入っているからだ。
(まさか・・・そんな・・・)
すぐに手を打たねば大変なことになりかねない。
机上の電話を取ろうとした、まさにそのときだった。
 「た、大変です!!??」
乱暴にドアが開くと同時に、息せき切って、部下が駆け込んできた。
「どうしたのかしら?」
冷静な口調で尋ねるマチュアだが、本人も気が気ではない。
「いいい、一大事です!?芹沢組とチャイニーズマフィアが、廊下で大喧嘩しています!!」
部下の報告に、マチュアが目の前が一瞬真っ暗になる。
だが、すぐに我に返る。
「武装兵を至急集めなさい!ルガール様にもすぐに報告を!!」
マチュアは部下に命令を下す。
そして、部下の後を追うように、部屋を後にした。


 武装兵と共に駆けつけたマチュアの目の前には、地獄絵図が広がっていた。
廊下の至るところに、チャイニーズマフィア達の遺体が転がっている。
対して、芹沢組側は、負傷した者はいるものの、全員が生きていた。
 「や・・やへ・・やへれく・・!?」
必死に命乞いをするチャイニーズマフィア側の頭目を、芹沢は頭を踏みつけたまま、冷ややかな目で見下ろす。
直後、何のためらいもなく、それこそハエや蚊をハエ叩きで潰すように、男の頭を踏み砕いた。
その周囲でも、新見やその他の部下達が、次々とマフィア側に素手で止めを刺している。
 「何をしているの!?やめなさい!!」
武装兵達を背後に控え、マチュアが命令する。
そんなマチュアに対し、芹沢が振り向く。
「貴様・・・。ルガールの秘書だな?」
「ええ。それがどうかしましたかしら?」
芹沢の身体から発せられる怒気と殺気に、マチュアは背筋が寒くなりそうになる。
「ルガールに伝えろ。取引は・・キャンセルだ。おい、貴様ら。帰るぞ」
芹沢はそう言い捨てると、マチュアたちに背を向け、部下達と共に立ち去ってゆく。
マチュアは声をかけようとしたが、芹沢の怒気と殺気に、完全に気圧されてしまう。
そのまま、呆然と去りゆく芹沢一行を見送ることしか出来なかった・・・。


 一時間後・・・・。
執務室に呼び出されたマチュアは、ルガールの全身から、怒気がキャンプファイヤーのように噴き出しているのを察する。
 「何故、呼ばれたか、わかっているな?」
「はい・・!芹沢組との取引の件ですね・・!?」
「さすがにわかっているか・・。一体、どういうつもりだ?対立組織同士をバッティングさせるなど・・!?」
怒りがにじみ出ている口調で、ルガールは尋ねる。
 「も・・・申し訳ございません!?て・・手違いを・・してしまいました・・!?」
「『手違い』?それで済むと思っているのか?重要な商談が、台無しになったのだぞ?」
「本当に・・申し訳ございません!!どのような・・処分も・・お受け・・いたします!!」
「よい覚悟だ・・。ふぅむ・・どうしてやろうか・・」
ルガールは考え込む素振りを見せる。
そんな主の様子を、マチュアは緊張した面持ちで伺う。
 「ふむ・・。良いことを思いついた・・。マチュア・・」
「は・・はい・・!?」
ルガールの微笑に、マチュアは緊迫する。
「自分でズボンを降ろして・・尻を出せ。そして・・私の膝の上に来るのだ」
「な・・何故・・そのようなことを?」
マチュアは恐る恐る尋ねる。
嫌な予感がこれでもかとする。
そして、その予感は最悪な形で当たった。
「何故だと?今から君の尻をたっぷり叩いてやるからだ」
「そんな・・!?まさか・・・本気なのですか!?」
マチュアは思わず言う。
まさか、そんな子供のような罰だとは思わなかったからだ。
 「私が冗談を言うと思うか?それとも・・・剥製にされたいか?」
笑顔で言うルガールに、マチュアはゾッとする。
ルガールには倒した相手を、男ならば銅像に、女性ならば剥製にする、という猟奇的な趣味があるのを知っているからだ。
だから、本気で剥製にしかねない。
そんなおぞましい目に遭うくらいなら、自分のお尻を差し出す方がまだマシだった。
 「わ・・わかりました・・!?お、仰るとおりに・・いたします・・!!」
マチュアは言われた通り、自分でズボンを降ろす。
そして、下半身は下着のみの姿になると、主のそばへと行く。
 「さて・・・。まず、最初に自分で仕置きのお願いをするのだ。『どうか、ミスをした私の尻を叩いて下さい』とな」
「そんな・・・!?」
あまりに恥ずかしい命令に、マチュアは拒否しそうになる。
だが、ルガールの身体から発せられる殺気に、その言葉も立ち消える。
「ル、ルガール様・・!ど・・どうか・・ミスをした・・わ、私の・・お尻を・・た・・叩いて・・下さい・・!!」
マチュアは恥辱に顔を赤らめながら、命令通りにする。
「いいだろう・・。では・・膝に乗れ」
「は・・はい・・!?」
マチュアはおずおずと、膝に乗る。
 「ふふ・・。無様だな。30近くになって、幼稚園児のように尻を叩かれることになるとはな」
「ル、ルガール様が・・させているのでは・・ないですか・・!?」
「君がミスをしたからだろう。フフ・・では、行くぞ」
ルガールはそういうと、ゆっくりと手を振り上げた。


 バシィーーーーンンンッッッ!!!
「くうううっっっ!!」
強烈な打撃に、思わずマチュアは苦痛の声を漏らす。
 バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「う・・!うぅ・・!あ・・!う・・!あ・・!」
ゆっくりと、重い一撃が、着実にマチュアの成熟したお尻を捉える。
下着の上からにも関わらず、赤い手形が刻みつけられ、幾重にも重なって、お尻を赤く染めてゆく。
 バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「全く・・。無様な姿だな・・・」
お尻を叩きながら、ルガールは言葉でも秘書を責め始める。
 バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「ううっ・・!ああっ!あっ!きゃああ!ああっ!うっ!ああっ!!」
お尻に与えられる耐えがたい苦痛に、マチュアは悲鳴を上げる。
 バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「幼児のように尻を叩かれ、子供の用に悲鳴を上げるとはな。恥ずかしく無いのか?」
「うう・・!?ル、ルガール様が・・なさったのでは・・ない・・ですか・・!?」
マチュアは思わず主人に抗議する。
「君が組織に損害を与えるミスをしたからだろう?せいぜい、反省するがいい」
バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
「きゃああ!ル、ルガール様!?も・・もう・・お許し・・下さい・・!!」
マチュアは目尻に涙を浮かべながら、懇願する。
既にお尻はサルのように真っ赤に染め上がっていた。
「許す?何を言っているのだ?組織が受けた損失は大きいぞ。この程度で済むと思ったら、大間違いだ」
バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!バチンッ!
ルガールはさらにマチュアのお尻を叩く。
「いやぁぁぁぁあ!!!だ・・誰か・・きゃあああああ!!!」
その後、長い長い間、マチュアの悲鳴と、お尻を叩く音とが、執務室に響いていた・・・。


 ―完―

癇癪と家出(ドリフターズより:アナスタシア/ジャンヌ)



 (『ドリフターズ』を題材にした二次創作です。キャラのイメージが原作と異なっている可能性があります。許容出来る方のみご覧下さい)


 (私の馬鹿・・!!)
ジャンヌ・ダルクは後悔の念に苛まれていた。
(何で・・あんなこと・・・したんだよ!?)
ジャンヌは数時間前の自分の振舞いを振り返り、歯噛みせずにはいられなかった。


 数時間前・・。
「あーもうっ!違うっ!違うって言ってるだろうっっっ!!」
ジャンヌはゴブリン兵達に向かって、苛立ちのあまり怒鳴りつける。
「どうして私の言ってる通りにしないんだ!?何度言わせる!?」
オーク兵達相手に訓練をしているのだが、教えた通りに出来ないため、苛立っているのだ。
「お前ら・・!私を女だと思って馬鹿にしてるのか!?」
怒りのあまり、彼女は発火能力を発動させかける。
 「ジャンヌ、どうした?落ち着け?」
そこへ、彼女に付き従う巨漢、ジルドレが現れ、落ち着かせようとする。
「ジルッ!こいつらが私の言うことを全然聞かないんだ!?」
「落ち着け、聞いていないわけではない。こいつらは先日入ったばかりの新兵達だ。上手く出来なくても仕方が無い」
怒りを爆発させかけるジャンヌを、ジルは必死に宥める。
 「でも・・・」
「ジャンヌ、彼らは皆黒王(こくおう)様から預かった兵士たちだ。勝手に何かしていい存在では無いぞ?」
ジルは彼らの主である黒王の名を出す。
その名に、ジャンヌは渋々ながら引き下がる。
「く・・!ちょっと・・頭冷やしてくる・・・」
「わかった。後は俺が引き受ける」
ジャンヌは気まずそうに言うと、その場を後にした。
 (あれじゃ・・子供みたいじゃないか・・・)
癇癪を起こした自分の振舞いを振り返り、ジャンヌは恥ずかしくなる。
(新兵相手にあたり散らして・・・みっともない・・)
彼女とて年頃の若い女性。
それなりに羞恥心などもある。
そのとき、ふと、軍旗らしきものが目に入った。
 (あの旗・・・!?)
旗に描かれた『誠』の一文字にジャンヌの表情が険しくなる。
(何でよりによって私の軍の近くでアイツが訓練してるんだ!?)
ジャンヌは軍旗の主である土方歳三の無口な顔を思い出し、歯噛みする。
離れようとするが、気になるのだろう、無意識に土方軍の方へと近づいていってしまった。
 (やっぱり・・凄い・・!?)
訓練の様子を見ながら、ジャンヌは感嘆していた。
土方の訓練の仕方は、隅々まで統率が行きとどいている。
そして、何よりも、自分の軍よりもずっと先進的で洗練されていた。
 (凄い・・・!凄いけど・・く・・悔しいっっ!?)
ジャンヌは敗北感と悔しさがこみ上げてくる。
自分もかつて、オルレアンの乙女と呼ばれ、軍を率いて戦った。
女でありながら、兵士達を率いて戦ったからこそ、軍を率いること、組織を作ることのむずかしさがよくわかる。
 (ジルがいるのに!?何でアイツはあんなに上手いんだよ!?)
ジャンヌは悔しさで何度も地面を殴る。
ジルは確かに当時の優れた軍人だった。
その指揮・指導あって、ジャンヌの軍も強い。
だが、土方は彼女達よりずっと未来の人間。
元々組織作りに長けた人物の上、函館戦争などで近代軍隊を身を以って知っているから、ジャンヌの軍よりもずっと先進的な軍を育成することが出来る。
それが自分の素人さや未熟さを見せつけられているようで悔しくてたまらない。
 (悔しい!?悔しい悔しい悔しい悔しい悔しい!!こんな思いするなら・・全部・・全部全部燃えてしまえ!!)
悔しさのあまり、ジャンヌは発火能力を発動し、土方軍めがけて炎を放ってしまう。
 (しまった!?)
数名のゴブリン兵が炎で負傷したのを見るや、ジャンヌはハッとする。
敵かと土方軍が騒然としそうになる中、慌ててジャンヌは逃げ出した。


 (本当に・・馬鹿・・!私の馬鹿・・!!)
再び、ジャンヌは自分を罵る。
(本当に・・子供じゃないか・・これじゃ・・・)
土方の軍に悔しがり、危害を加え、慌てて逃げ出す。
癇癪を起こして家出をした子供みたいで、情けなくて恥ずかしい。
 (帰らないと・・でも・・・)
帰れば理由を聞かれるのは間違いない。
だが、こんな子供っぽい理由などと、とても言えない。
恥ずかしさと、帰らねば、という気持ちにジャンヌは板挟みになってしまう。
 「ジャンヌ・・!!ジャンヌ・・・!!」
不意に聞き覚えのある声に、思わずジャンヌはハッとする。
「ジル・・!?あ・・・!?」
思わず呼びかけ、顔を出したが、ジルと一緒にいる人物の姿に、思わず声を上げる。
 「な、何で土方がいるんだ!?」
ジャンヌは土方を指差しながら、叫ぶように言う。
「ジャンヌを探すのに協力してもらった。さぁ、ジャンヌ、帰ろう」
「い、嫌だ!わ、私は帰らない!!」
土方の姿に、ジャンヌは思わずそう言ってしまう。
 「ジャンヌ、何故そんなことを言う?皆も探しているぞ」
「う、うるさいっ!か、帰らないと言ってるだろう!?」
感情のあまり、ジャンヌは発火能力で二人を遠ざけようとする。
大人しく言うことを聞かないと判断したのだろう、土方は新撰組隊士の幻影を呼び出し、自らも斬りかかる。
 「く・・!ジルッ!?何で・・・!?」
とっさに土方の攻撃を防ごうとしたそのとき、背後からジルドレが押さえにかかる。
「すまない、言い訳は後でする」
そういうと、ジルドレはジャンヌを気絶させた。


 「目が覚めたのか」
目を覚ましたジャンヌの耳に入って来たのは、ジルの声。
安堵するジルとは対照的に、ジャンヌの表情は不機嫌になる。
 「何でいるんだ?」
「看病をしていた。先ほどはすまなかった」
力づくで押さえ、気絶させたことをジルは謝る。
「うるさいっ!言い訳なんか聞きたくないっ!!出て行けっ!出てけよっ!!」
「しかし・・・」
「うるさいっ!!放っておいてくれっ!!土方のところにでも行けっっ!!」
ジャンヌは今にも炎を出しそうになりながら、叫ぶように言う。
その様子に、自分がいるのはまずいと判断したジルは、やむなく部屋を後にした。
 「クソ・・・!」
ジャンヌは苛立つ。
(また・・これじゃ子供じゃないか!?)
ジルは悪くないのはわかっている。
だが、土方と一緒に来たこと、自分が抵抗したからとはいえ、土方に味方して一緒に自分を気絶させたことが許せないのだ。
子供っぽい癇癪、ワガママなのはわかっているが、それでも許せなかった。
 悶々としているところへ、不意にドアが開く。
「何しに来たんだ?」
現れた長髪の女性、アナスタシアを、ジャンヌは不機嫌な表情で出迎える。
 「様子を見に来たの。ジルドレに頼まれてね」
「余計な・・ことを・・!!焼いてやる!!」
思わずカッとなって、ジャンヌは言う。
 「ジャンヌ、それよりもまず、皆に言うことがあるはずよ?」
「な、何のことだ!?」
「決まっているでしょう?皆に謝りなさい」
アナスタシアの言葉に、ジャンヌは反発する。
 「ふ、ふざけるな!な、何で私が謝らなきゃいけないんだ!?」
「当然でしょう?土方軍の兵士達に怪我を負わせた上、勝手に軍を飛び出したのよ?そんなことが許されると思うの?」
アナスタシアの言葉に、ジャンヌは言葉に詰まる。
正しいのはわかっているからだ。
だが、それでも素直に従うのは嫌だった。
 「い、嫌だ!絶対に!?」
「そう・・。なら、仕方ないわね」
アナスタシアはため息をつくと、ジャンヌの手首を掴む。
「何をする!?」
とっさに抵抗しようとするが、アナスタシアは身体から吹雪を放つ。
おかげで、抵抗もままならず、そのまま膝の上に乗せられてしまう。
 「しっかり、反省しなさい」
アナスタシアはそう言うと、手を振り上げた。


 パシーンッ!!
(な、何だっ!?)
突然、お尻に痛みを感じ、ジャンヌは困惑する。
パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
たて続けにお尻に痛みを感じ、ジャンヌは振り返る。
すると、アナスタシアがお尻を叩いているのが見えた。
 「な、何をしてるんだよ!?アナスタシア!?」
「決まっているでしょう?お仕置きをしているのよ」
お尻を叩きながら、アナスタシアはそう言う。
 「ふ、ふざけるなよ!?な、何で私がお尻なんか叩かれなきゃいけないんだよ!?わ、私は子供じゃない!?」
反発するジャンヌに、アナスタシアは冷ややかに言う。
「兵士達を傷つけて、勝手に軍を飛び出すのが大人のすることかしら?自分が悪いのに謝れないのなら、子供よ。子供には子供のお仕置きがふさわしいわ」
反発するジャンヌに、アナスタシアはそう言うと、平手を振り下ろす。
 パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
「くそっ!やめろっ!やめろっ!やめろって言ってるだろうっっ!!」
お尻を叩き続けるアナスタシアに、ジャンヌは反抗する。
 パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
「くそっ!やめろっ!やめろよっ!?消し炭にしてやるからな!?」
「やりたければどうぞ?でも、いいのかしら?そんなことをすれば、皆駆けつけてくるわよ?子供みたいにお尻をぶたれて叱られている姿を見られてもいいのかしら?」
「う・・・!!??」
アナスタシアの言葉に、ジャンヌは詰まってしまう。
こんな恥ずかしい姿、他人には見られたくない。
悔しいが、ばれないために、やむなくジャンヌは抵抗を諦める。
そこへ、アナスタシアは平手を振り下ろす。
 パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
「全く・・何を考えているの?」
お尻を叩きながら、アナスタシアはお説教を始める。
 パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
「土方の兵達を傷つけて、勝手に飛び出して。皆にどれだけ迷惑をかけたと思っているの?」
弾けるような音と共に、アナスタシアはお説教を続ける。
 パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
「う、うるさいっ!か、関係無いだろう!?」
パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
「そうじゃないわ。ジルドレが来たの。『ジャンヌがいなくなったらしい。探すのを手伝ってくれないか』ってね。本当にあなたのことを心配していたわよ?」
「く・・・・!?」
ジルドレのことを聞き、ジャンヌはさすがに罪悪感を覚える。
だが、それでもお仕置きをされている屈辱から、反発する。
 「う、うるさいっ!か、関係無いだろう!?そ、それにジルが勝手にしたんじゃないか!?わ、私が頼んだんじゃない!?」
ジャンヌの態度に、アナスタシアの表情が険しくなる。
 「ジャンヌ・・いい加減にしなさい。少しは反省したらどうなの?」
「う・・うるさいって言ってるだろう!?何様のつもりなんだよ!?黒王様でもないくせに!?人を馬鹿にしやがって!!」
「そう・・。この程度では足りないようね・・」
アナスタシアはそう言うと、ジャンヌのスカートを捲り上げ、下着を下ろしてお尻をあらわにしてしまう。
 「な、何をするんだっ!?」
「子供なあなたにしっかりと反省させてあげるわ。覚悟しなさい」
アナスタシアはそう言うと、裸のお尻目がけ、思い切り手を振り下ろす。
手を叩きつける瞬間、お尻に冷気を思い切り吹きつけた。
 バシーンッ!
「ぎゃあああああ!痛寒熱ぃぃぃぃぃ!!??」
人間などあっという間に凍りついてしまう冷気の平手打ちに、ジャンヌは絶叫する。
バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「ぎゃああっ!痛いっ!熱いっ!冷たぁぁいいっっ!!」
叩かれながら、凄まじい冷気をお尻に当てられ、ジャンヌは両脚をバタつかせる。
 バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「やめろっ!やめろよぉぉぉ!!やだっ!痛いっ!熱いっ!冷たぁぁいっっ!!」
あまりの苦痛に、ジャンヌは泣き叫ぶ。
バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!バシーンッ!
「やだやだあっ!やめろよぉぉぉ!熱いっ!痛いっ!痛い痛い痛い熱い寒い熱い冷たぁぁぁいいいっっ!!」
その後、泣き叫ぶジャンヌの悲鳴が響き続けた。


 「痛ぁぁい・・・寒いぃぃ・・冷たぁぁい・・熱いぃぃ・・・」
全身を震わせて、ジャンヌは泣いていた。
お尻は今や痛々しい状態になってしまっている。
「も・・もう・・やだぁぁ・・・やめて・・やめてくれよぉぉ・・」
許して欲しくて、ジャンヌは必死に懇願する。
 「何を言っているの?勝手なことをして迷惑をかけて。その上で逆ギレなんかして。そんな悪い子がこの程度で許してもらえると思ったら、大間違いよ」
相当怒っているのか、アナスタシアは容赦ないことを言う。
「う・・うえ~~んっっ!!」
もはやプライドも何も無く、ジャンヌは子供のように泣く。
 「く、悔しかったんだよ!?ひ、土方が私よりずっと凄い軍を作ってるのが!?そ、それにジルがアイツと一緒になって、私を押さえたりしたのが!?」
泣きながら、ようやくジャンヌは理由を言う。
「全く・・・。もう・・二度としないわね?」
呆れたようにため息をつきつつ、アナスタシアは尋ねる。
ジャンヌは必死に首を縦に振って約束すると、ようやくアナスタシアは手を下ろした。


 「痛っ!痛ぁぁぁ!も、もう少し優しくしろ!?」
「す、すまない。沁みたか?」
文句を言うジャンヌに、ジルは薬を塗りながら、心配そうに声をかける。
 「あ、当たり前だろ!散々冷気当てられて叩かれたんだぞ!?」
「そうだな。災難だったな」
「うう・・。元はといえばジルのせいだぞ!責任取って、土方より強い軍を造れ!!」
「わかった。ジャンヌの望み通りにしよう」
「絶対だぞ!?嘘ついたら灰にして空に飛ばしてやるからな!?」


 「全く・・・。元はといえば自分が土方の軍に嫉妬して家出したのが原因でしょう」
廊下へと聞こえてくるジャンヌとジルのやりとりに、アナスタシアは呆れたように言う。
 「おやおや?ジャンヌのことが気になりますか、皇女(アナスタシア)様?」
常にそばに控えているラスプーチンが、揶揄するように言う。
 「別に気にしてなどいないわ」
「そうですか?手のかかる妹に心配させられて、本気で怒った姉という感じでしたがね、あのお仕置きは?」
「気にしてなどいないと言っているでしょう?」
「まぁそういうことにしておきましょう」
そんな会話を交わしながら、二人は廊下を歩いていった。


 ―完―

約束破った子は・・・(那由多の軌跡より:シグナ/ナユタ)



(那由多の軌跡を題材にした二次創作です。許容出来る方のみご覧下さい)


 「お疲れさん、またな」
「うん、シグナもお疲れ様」
家の前でシグナとナユタは挨拶を交わして別れようとする。
便利屋の仕事を終えて帰って来たところだった。
 (今日は少し疲れたなぁ・・・。でも・・・・)
ナユタは疲労を感じつつも、屋根の上へと向かう。
屋根の上には天体望遠鏡が設置され、天体観測が出来るようになっていた。
(やっぱり・・いつ見てもスゴイな・・・)
望遠鏡をのぞき込み、映しだされる星空にナユタは感激を覚える。
そのまま、ナユタは一晩中、望遠鏡の前に立ち、観測をしていた。


 「ふぁぁぁぁ・・・・」
「おい、大丈夫か?」
思わずあくびをしたナユタに、シグナは声をかける。
 「うん、ちょっと眠くて」
「何だ?また天体観測してたのか?」
「うん。楽しくてついね。ちょっとだけのつもりだったんだけど・・気づいたら一晩中・・ふぁぁぁ・・・」
眠気に襲われたのだろう、ナユタは再びあくびをする。
 「おぃおぃ?『また』徹夜したのか?」
シグナはそう尋ねる。
ナユタが徹夜で天体観測するのは、初めてではないからだ。
 「う、うん。ついね・・」
「ついじゃないだろう?ナユタ、一生懸命なのはいいけどな。没頭しすぎもマズイだろ?徹夜でなんて、身体に悪いのはわかりきってるだろう?」
「ご、ごめんね。心配させて」
「別にいいさ。俺が勝手にしてるだけだからな。でも、本当に気をつけろよ」
「わかったよ。ごめんね」
「いいんだって。まあとにかく、今は仕事だ。ええと・・・・」
話を済ませると、二人は便利屋の仕事へと戻っていった。


 数日後・・・。
島外れの浜辺。
そこでオルバスは静かに佇んでいた。
 不意に騒がしくなり、思わずオルバスは振り向く。
すると、観測用器具を抱えて逃げるシグナと、追いかけるナユタの姿があった。
「返してよっ!!シグナッ!!」
「そういうわけにはいかないな!ゲッ!?」
逃げようとしたところへ、シグナは表情が変わる。
オルバスの姿を見つけたからだ。
 「し・・師匠・・」
オルバスの姿にシグナはバツの悪い表情を浮かべる。
シグナとナユタにとって、オルバスは剣の師匠。
頭が上がらない存在なのだ。
 「何を騒いでいるのだ?喧嘩のようにも見えるが?」
「そ、そういうわけじゃ・・」
「師匠!何とか言って下さい!!シグナが僕の観測器具を取り上げようとしたんです!!」
「何?どういうことなのだ?」
「ち、ちちち違いますって!?け、決していじめてるわけじゃありませんっっ!!」
シグナは必死に弁解する。
 「ナ、ナユタが毎晩徹夜で天体観測してるんですよ!!このままじゃ倒れてヤバイと思って、そ、それで・・・」
「でもだからって僕の観測器具を取り上げるなんてヒドイよ!!」
「そうでもしないとやめないだろう!?」
「二人とも喧嘩はやめんか。みっともない」
二人揃って師に怒られ、シュンとしてしまう。
 「ご、ごめんなさい・・」
「す、すいません・・・・」
二人は素直に師に謝る。
 「シグナ、ナユタを心配するのはわかる。だが、いささか乱暴だな」
「す・・すいません・・・」
「ナユタもだ。ナユタが徹夜などしているからシグナがこんなことをしたのだぞ?心配をさせてはいかん」
「ご・・ごめんなさい・・」
「謝る相手が違うのではないか?」
「は、はい。シグナ、ごめん。心配させちゃって」
師匠に指摘され、ナユタはシグナに謝る。
 「いや、俺こそ強引過ぎた。悪かった。器具は返すよ。だけどな、これだけは約束してくれ。徹夜はしない、ちゃんと休むってな」
「わかったよ。ありがとう、シグナ、心配してくれて」
仲直りすると、シグナは望遠鏡を返す。
そして、二人で連れだってナユタの家へと戻っていった。


 その夜・・・・。
約束通り、ナユタはベッドに横になっていた。
(ダメだ・・!!やっぱり気になる・・・)
今日の夜空はどうなっているのか、それが気になって仕方ないのだ。
(何考えてるのさ!シグナと約束したじゃないか!!ちゃんと休むって!!)
ナユタは必死に自分に言い聞かせる。
(考えちゃダメだ!!寝るんだ!!)
ナユタは自分にそう言い聞かせ、寝ようとする。
 だが、考えまいとすればするほど、かえって意識してしまう。
その結果、ますます気になってしまい、眠れなくなる。
(どうしよう・・・。このままじゃ眠れないよ・・・)
ナユタは眼が冴えてしまい、困ってしまう。
 (こ・・こうなったら・・ちょ、ちょっとだけ・・でも・・シグナと約束したし・・)
約束を破りたくない。
だが、天体観測もしたい。
板挟みの状態で、ナユタは苦悶する。
(も、もう我慢出来ないっ!!い、一時間だけっ!!そ、そうしたら寝ようっっ!!)
ついに我慢出来なくなり、ナユタは起きてしまう。
そのまま、ナユタは屋根の上の観測所へ上がっていった。


 (僕の馬鹿・・・!!何で約束を守れないのさ・・!!)
ナユタは自己嫌悪と罪悪感に駆られていた。
あの後、結局また徹夜で観測してしまったのだ。
(どうしよう・・。どんな顔してシグナに会えば・・・)
便利屋の仕事で待ち合わせているはずのシグナの顔を思い浮かべ、ナユタは暗い気持ちになる。
約束を破ったことが申し訳なくてたまらないのだ。
 (またシグナに心配かけちゃう・・・あ!?)
暗い気持からまだ抜け出せていないところへ、シグナがやって来る。
「おはよ・・ってどうしたんだ?」
「な、何でも無いよ!?」
ナユタは平静を装うが、明らかに動揺している。
 「おぃおぃ。そんな素振りで何でも無いってことないだろう?」
「ほ、本当に何でも・・・あっっ!!」
必死に否定しようとしたそのとき、一瞬ナユタは崩れ落ちそうになる。
 「おい!どうしたんだ!?」
さすがに様子がおかしいと気づき、シグナの表情が変わる。
「だ、大丈夫だよ!は、早く仕事に・・」
そこまで言いかけたところで、ナユタの視界がブラックアウトする。
必死に呼びかけるシグナの声を聞きながら、ナユタの意識は薄れていった。


 目を覚ましたナユタの目に最初に飛び込んで来たのは、ホッとしたようなシグナの顔だった。
「ナユタ!目が覚めたのか!?」
「あれ?シグナ?どうして?」
「おいおい、倒れたから部屋まで運んだんだぞ?」
「え?あ・・・!!」
ナユタは意識を失う前のことを思い出す。
 「ご、ごめん・・・。迷惑かけて・・」
「いいんだって。とにかく今は休めって。俺がついてるからさ」
「うん。ありがとう。それじゃあ、お言葉に甘えて・・・」
ナユタはそういうと、再び目を閉じた。


 数日後・・・・。
「ナユタ、もう大丈夫なのか?」
家を訪ねてきたシグナは、顔を合わせるとナユタに尋ねる。
 「うん、もう大丈夫だよ」
「そうか、そいつはよかった」
シグナは安堵の笑みを浮かべる。
だが、直後シグナは怖い顔になる。
 「でもな、ナユタ、一体どうしてあんなことになったんだ?」
「ご・・ごめんなさい・・。実は・・・・」
ナユタは約束を破って、徹夜で天体観測をしてしまったことを話す。
 「馬鹿っ!!何やってるんだ!?」
「ご、ごめんなさい!!」
「だから言っただろう!!それなのに・・・・」
「ごめん・・。お、怒ってる?」
ナユタは恐る恐る尋ねる。
 「当たり前だ!どれだけ心配させられたと思ってるんだ?」
「ほ、本当にごめんなさい・・・」
謝るナユタだったが、シグナの表情は険しいまま。
 「ダメだ。今日は本当に怒ってるからな。約束破った悪い子にはお仕置きだ」
「え?うわあっっ!!??」
手首を掴まれたかと思うと、ナユタは引き倒される。
気づいた時には、ベッドの縁に腰かけたシグナの膝の上に乗せられていた。
 「うわあっ!!な、何やってるのさっ!?シグナッッ!?」
下着ごとズボンを降ろし、お尻を出そうとしているシグナに、ナユタは慌てる。
「言っただろう?お仕置きだって。しっかり反省しろよ」
(何!?一体何する気なの!?)
混乱するナユタをよそに、シグナは片手でナユタの身体をしっかり押さえる。
そして、もう片方の手を振り上げると、思い切り振り下ろした。


 バッシィィィ~~~~ンンンッッッッ!!!
「いた・・・・!!」
弾けるような音と共に痛みを覚え、ナユタは思わず声を上げる。
(何!?何が起きたの!?)
わけがわからず、ナユタは思わず後ろを振り向く。
すると、シグナの手がお尻目がけて振り下ろされるのが見えた。
 バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!バシッ!
「うわっ!?シ、シグナッ!?な、何してるのっ!?」
「言っただろ?お仕置きだって。しっかり反省しろよ」
そういうと、シグナは手を振り下ろす。
 バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!バンッ!
「うわっ!痛あっ!シグナッ!やめてっ!僕、そんな子供じゃないよっっ!!」
尻叩きなどというお仕置きに、ナユタは抗議するように言う。
 「ナユタ、約束を破るのはいいことか?」
「う・・そ・・それは・・・」
シグナの問いにナユタは言葉に詰まる。
「ごめん・・。いけない・・ことだよね・・・」
「そうだよな。自分が悪いことをしたのはわかるよな?」
「ご・・ごめんなさい・・・」
「悪いと思ってるなら、ちゃんと受けられるな?」
「わ・・わかったよ・・。は、恥ずかしいけど・・・悪いのは・・僕だから・・」
「わかってくれたみたいだな。よし、じゃあ行くぞ。覚悟はいいな?」
「う・・うん・・」
恥ずかしさを堪え、ナユタは頷く。
それを見ると、再びシグナは手を振り下ろした。


 バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!
「・・・!・・!・・・!・・!・・・!・・!」
一発一発、お尻に与えられる痛みに、ナユタは顔を歪める。
それでも、ナユタは必死に耐える。
 バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!バシッ!
「ったく・・!ダメだろう?約束破って、また徹夜で天体観測なんてしたらよ」
お尻を叩きながら、シグナはお説教を始める。
あくまでも反省してもらうことが目的。
どうして叱られているのか、なにがいけなかったのか、しっかりと理解してほしかった。
 バンッ!バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!バシッ!バンッ!
「・・・ぅ・・ぁ・・ご・・ごめん・・なさい・・う・・あ・・う・・ぁ・・」
辛くなってきたのだろう、謝る声に混じって、徐々に呻き声が漏れてくる。
 バシッ!バンッ!バンッ!バシッ!バンッ!バンッ!バシッ!バンッ!
「一生懸命なのはいいことだ。だけどな、それも限度ってものがあるだろ?身体を壊したら元も子もないだろ?」
ナユタのお尻を真っ赤に染めながら、シグナはお説教を続ける。
 バシィンッ!バア~ンッ!バシッ!バア~ンッ!バシッ!バア~ンッ!バシッ!
「ごめん・うっ!ううっ!うあっ!ああっ!あああっ!!」
苦痛がさらに強まってきたのだろう、ナユタの悲鳴がまたさらに大きくなる。
それに伴って、表情もより苦痛に満ちたものになる。
 バシィンッ!ビダ~ンッ!バア~ンッ!バシ~ンッ!バッシィ~ンッ!
「それだけじゃない。お前が倒れて、どれだけ驚いたと思う?死ぬんじゃないかと思って心配したんだぞ!!」
バッシィ~ンッ!ビッダ~ンッ!バッアア~ンッ!バッシィ~ンッ!
「うわあ~んっ!痛い~~っっ!!ご、ごめんなさい~~~っっ!!謝るから許して~~~~~~っっっ!!」
ついに耐えきれなくなり、ナユタは両脚をバタつかせて泣き叫ぶ。
「ダメだ。本当に心配したし、その分怒ってるからな。二度としないよう、心底嫌って思うほど反省しろよ」
そういうと、シグナはさらに手の勢いを強める。
 バッシィィィィ~~~~ンッッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~ッッッッッ!!!!
「うわああ~~~んんっっ!!痛いぃぃぃ~~~っっっ!!ごめんなさぁぁ~~いいっっ!!に、二度としないから~~~!!許して~~~~!!!!」
台風さながらの激しい平手の嵐がナユタのお尻に襲いかかる。
ナユタの泣き叫ぶ声、激しい平手の音、それらがない交ぜになって部屋に響きわたり続けた。


 「うっうっ・・ひぃん・・ぐっす・・・」
大粒の涙をボロボロこぼして、ナユタは泣いていた。
お尻は今や倍近く腫れ上がり、濃厚なワインレッドに染め上がっている。
 「ごめん・・なさい・・ごめんなさい・・。シグナぁぁ・・・」
泣きながら、ナユタは必死に謝る。
「ナユタ、反省したか?」
「ぐす・・したよぉ・・。ひぃん・・。約束破って・・心配かけて・・ごめんなさい・・」
「もうしないって約束するか?」
「する・・・。もう・・破ったり・・しないよぉ・・・」
「わかってくれたんだな。よかった」
シグナはそういうと、ナユタを抱き起こし、膝の上で抱きしめる。
 「ぐす・・・シグナ・・・」
「よしよし。痛かっただろ?悪い、泣かせるようなことしちまったな」
「いいんだよ。シグナは僕の事思って叱ってくれたんでしょ?シグナだって・・手、真っ赤だよ。ごめんね。シグナだって・・痛いよね」
真っ赤に染まったシグナの手に、ナユタはそう言う。
 「いいんだって。ナユタのためなら手の一つや二つくらいな。まぁ、ナユタの尻を叩く羽目になるのは勘弁してほしいけどな」
「それは僕もだよ。でも、まさか15歳になってお尻をぶたれるだなんて・・・」
ナユタは恥ずかしさに顔を赤くする。
「そうだな。でも、もしかしたら別の世界にはナユタより年上なのに尻叩かれてお仕置きされてるヤツとかいるかもしれないぞ?」
「もう、変な冗談はやめてよ~」
「まぁいいさ。とにかく・・今は休めって。お尻が痛いだろ?」
「うん。それじゃあ、お言葉に甘えて・・・」
ナユタはそう言うと、シグナが見守る中、静かに目を閉じた。


 同じ頃・・・また別の時空、別の世界・・・。
「やめろっ!やめろって言ってるだろうっ!!いい加減にしないと本気で怒るぞっ!!」
お尻を叩く音と共に、シグナそっくりの声が怒りを滲ませながら響きわたる。
 声の主は17歳の銀髪の若者。
マリントルーパーのセネル・クーリッジだ。
セネルはスタンの膝の上で、お尻をむき出しにした姿で押さえつけられている。
セネルのお尻は既に真っ赤に染め上がっていた。
 「何言ってるんだい、セネルが喧嘩したのが悪いんだろう?」
お尻を叩きながら、スタンはお説教をする。
セネルが街中で喧嘩騒ぎを起こしたため、お仕置きをしているところだった。
 「し、仕方ないだろうっ!妹へのプレゼントをあいつらが・・!!」
「だからって暴力振るっちゃダメじゃないか!!どれだけ皆が心配したと思ってるんだい?」
「だからって何でいつも尻叩きなんだ!!俺は子供じゃないっ!!いい加減にしないと本気で怒るぞ!!」
「セネル、本気でそんなこと言ってるのかい?」
「だったら何だ!!お前こそ俺に謝れ!!」
「もう・・仕方ないなぁ・・」
スタンはそう言うと、再びお尻を叩きだす。
 「やめろっ!やめろって言ってるだろうっ!!ひっ!うわっ!痛いーーーっっっ!!」
抗議の声がやがて悲鳴に、さらには泣き声へと変わってゆく。
その後、セネルが子供のようにわんわん泣きさけび、ようやく『ごめんなさい』が言えるまで、長い長いお仕置きが続くのだった・・・・。


 ―完―

ハーモニカの獅子(『ウェスタン』より、バイオレンスあり)



(セルジオ・レオーネ監督、チャールズ・ブロンソン主演の『ウェスタン』を題材にした二次創作的作品です。バイオレンス描写もあります。許容出来る方のみご覧下さい)


 1860年代末~1870年代と思しき頃、アリゾナ州の某所・・・。
『ハーモニカ』は馬を進めながら、丘の下に視線を向ける。
丘の下では、労働者達が一丸となり、線路の敷設作業に当たっていた。
やがて、家から美しい女性が食料や酒を持って出てくる。
労働者たちは作業を中断し、女性を取り囲み、彼女の振舞うパンや酒を食べ出した。
 (この街は伸びる・・きっとやれる、アンタならな・・・)
『ハーモニカ』は心の中で女性ことジルにエールを送る。
ジルは都会から、今まさに鉄道を敷設中の土地の主、マクベインに嫁いできた。
しかし、彼女がこの地の駅に降り立った時、既に夫は無くなっていた。
この土地を狙う鉄道王モートンの差し金により、手下の殺し屋一味によって家族全員虐殺されたのだ。
 だが、ジルは打ちのめされること無く、亡き夫の遺志を受け継ぎ、この西部の地で生きてゆくことを決意した。
そんな彼女に山賊のシャイアンと共に力を貸し、『ハーモニカ』は黒幕のモートン、己の兄の仇でもあった殺し屋フランクを葬り去った。
そして、彼女は今ついに夫の夢であった鉄道敷設を実現させつつある。
恐ろしい殺し屋一味にも屈せず、見事夫の遺志を実現させた彼女だ。
この強い心で、この荒野に街を作りあげ、見事に大きくしてゆくに違いない。
 (だが・・俺には関係ない・・・)
眼下のジルを心から祝福しつつ、『ハーモニカ』はそうも思う。
彼はガンマン、荒野の荒々しい世界に生きる種族。
都市・鉄道に象徴される文明世界には、彼の居場所は無い。
彼らガンマンは今まさに歴史の流れによって消え去り、滅びゆくべき種族。
だから、『ハーモニカ』は彼女の前から去った。
 『ハーモニカ』は馬を進めながら、自分が引いているもう一頭の馬を見やる。
その背には物言わぬ死体が担がれている。
共に戦い、命を落としたシャイアンだ。
だが、幸いだったのかもしれない。
ガンマンがまだガンマンでいられた時代に死ねたのだから。
これからどんどん文明が西部にも入って来る。
そうすれば、彼らガンマンは文明の秩序・理念を乱す存在として排斥されてゆくだろう。
現に、宿敵のフランク自身、その残忍さを嫌ったモートンによって買収された部下達に裏切られ、殺されかけたのだから。
自分達のような古いタイプの男達は、モートンのような新しいタイプの人種によって居場所を奪われ、やがては消えてゆくだろう。
『ハーモニカ』とシャイアンの遺体は、そんな未来へ背を向けるように共に馬首を向け、荒野の奥へと走り去っていった。


 時は流れ・・・21世紀・・・。
「うわあっっ!!」
暴れ牛の背中から振り落とされ、少年は思わず声を上げる。
 「くぅぅう・・お尻打っちゃった・・痛たた・・・・」
地面に落ちた時に打ったお尻の痛みに顔をしかめながら、少年は立ち上がる。
少年は黒曜石のように見事な黒髪の持ち主で、やんちゃさや子供っぽさを感じさせるも、整った面立ちをしている。
すらりとした細身でやや小柄の身体に今風のシャツやハーフパンツを着ているところは今どきの子という感じだが、それにミスマッチなダスターコートや帽子といった、現代っ子と西部劇が混ぜこぜになったような格好をしている。
さらには首からハーモニカをまるでお守りのように提げていた。
 「くっそ~、負けるもんかっ!!もう一回っっ!!」
少年はそういうと、再び目の前の大きな牛に飛び乗ろうとしたそのときだった。
 突然、ハーモニカの曲が聞こえてきた。
その曲に少年はハッとし、振り向く。
すると、いつの間にか男が立っていた。
 男は地味で動きやすい格好で、野性味に満ちた面立ちをしている。
目や髪の色などが少年と似通っており、血のつながりを想像させる。
男も少年同様、首に使い古したハーモニカを提げ、吹いている。
 「父さん、どうしたの?」
少年はハーモニカを吹いていた男にそう呼びかける。
二人は父子だった。
 「メシだ、マティス」
「え?も、もうそんな時間?」
昼食の時間だと知らされ、思わずマティスこと少年は慌てる。
 「メシの前にちゃんと牛を戻しとけよ」
「わかってるよー」
マティスがそう言いながら牛を厩舎へ戻すのを尻目に、父さんことチャールズは家の中へと戻る。
チャールズは15歳の息子マティスと共に、先祖伝来の牧場を営んでいた。
ちなみに、フルネームはチャールズ・ハーモニカ。
そう、『ハーモニカ』の子孫だ。
『ハーモニカ』はその後、流浪の末にこの地に牧場を作った。
そしてシャイアンが自分につけた『ハーモニカ』という呼び名を苗字とし、チャールズ・マティス父子の代に至るまで、牧場を営んでいるのである。
 「うう~~っ!悔しいな~~。もうちょっとで乗りこなせそうだったのに~~」
豆料理を食べつつ、振り落とされたことを思い出し、マティスは悔しさをあらわにする。
「ねぇ、父さん、お昼食べたらロデオの稽古つけてよ!!」
「それより宿題はちゃんとやったのか?」
「あ、後でするよ!だからいいでしょう!?」
「ダメだ。ちゃんと宿題をしろ。そうでなきゃ稽古は無しだ」
「ええ~。父さんのケチ~!」
宿題をしろという父親に、マティスは不満そうに頬を膨らませる。
そんな会話をしながら、父子が食事をしていたときだった。
 突然、車の音が聞こえてきた。
思わず窓を見やると、パトカーが止まる。
ドアが開くと同時に、中から警官達が降りてくる。
その一人の顔を見ると、チャールズの表情が渋ったいものになった。
やがて、ドアが開いたかと思うと、警官達が入って来た。
 「何の用だ・・」
「こんにちは、ジャイアンさん!」
機嫌の悪そうなチャールズとは対照的に、マティスは笑顔で警官の一人に挨拶をする。
挨拶をしたのは、ヒゲを生やした精悍で野性味のある警官。
警官よりギャングのボスの方が似合いそうな面立ちだった。
彼はシャイアン、これでもこのあたりの警察署長である。
ちなみに、ハーモニカと共にモートンやフランク一味と戦った山賊シャイアンの子孫である。
山賊の子孫が警察署長、時の流れとはいえ、先祖が見たら目を丸くするだろう。
 「おぃおぃ、俺はシャイアンだ。シャイアン。日本のマンガキャラじゃないぜ?」
「ご、ごめんなさい。また間違えちゃった」
マティスはシャイアンに謝る。
シャイアンのことを、よくマティスはジャイアンと呼び間違えるのだ。
 「ハーモニカ、お前もそんな仏頂面すんなよ。仮にも親戚だろう?」
「お前が来るとロクなことにならん・・・」
チャールズはシャイアンにそう言う。
シャイアンの一族とは、先祖の代からの付き合いだ。
実際、今は亡きチャールズの妻にしてマティスの母はシャイアン家の女性だった。
 「まァそう言うなって。チャールズ、お前の腕が借りたいんだよ」
「またか・・。お前の部下達がいるだろう?」
「仕方ねえだろ。ここ最近財政難とかで警官のリストラも多くてなぁ、それに俺の部下よりお前の腕の方が確かなんだよ。なぁ、マティス、パパのカッコイイところ見たいよな?」
「うん!俺も見たいっ!ねえ~、父さんってば~~~」
しがみついておねだりする息子に、チャールズも降参する。
 「わかった・・・。言う通りにしてやる・・」
「ハハ、そいつは頼もしい・・」
「ただし・・。マティス、お前はダメだ。家で留守番してろ」
「ええ~~!!どうしてさー!」
父の言葉に、マティスは頬を膨らませる。
 「コイツはゴッコ遊びじゃない。そういうことだ」
「あーっ!待ってよーー!!連れてってばーーっっ!!」
マティスがそういうのも構わず、チャールズはシャイアンと共に家を後にした。


 「ここか?」
チャールズは薄汚れたビルの前に立っていた。
周囲は警官達によって厳重に立ち入り禁止にされている。
 「ああ。結構腕の立つやつでな。突入した奴らが返り討ちにあったよ。犠牲者多すぎると、困るんでね」
「だからって民間人を使うか・・・」
「いいだろうが。お前だって元々撃ち合いは商売だろう?」
「言うな・・」
チャールズは苦虫を噛み潰した表情になる。
今でこそ静かに牧場を営んでいるが、若い頃は先祖代々受け継いできた銃の技を頼りに、荒っぽい仕事も色々としていた。
それゆえ、腕の立つ逃亡犯や立てこもり犯などが現れた際、助っ人としてシャイアンに駆りだされているのであった。
 「報奨金は・・色つけろよ・・・」
「わかってるって。それじゃあ頼むぜ」
「山賊の先祖の方がズッと立派だよ、お前は!」
そう言うと、ハーモニカは改めて、拳銃のチェックをする。
拳銃はコンバットマグナムと呼ばれるリボルバー。
高威力でありながら、携帯性も兼ね備えているため、アメリカ各地の警察で採用された実績のある銃だ。
かの怪盗ルパン3世の盟友で銃の達人として知られる次元大介の愛銃としても知られている。
チャールズは銃と予備弾を含めた弾薬を念入りにチェックすると、ようやく建物の中へと入っていった。


 「父さんの馬鹿ッ!いつもいつも子供扱いしてさっっ!!」
少し経った頃、同じビルの中に、マティスの姿があった。
父の言葉を不満に思い、こっそり家を抜け出して現場に来てしまったのである。
 「俺だって銃の練習してるのにさっ!!いつもああやって子供扱いしてっ!!いいもんっ!!だったら俺が捕まえてみせるんだからっっ!!」
マティスは廃ビルの廊下を歩きながら、不満をぶちまける。
父親の鼻を明かしてやろう、そう思ったのである。
 「でも・・何か不気味だよね・・・」
天井や廊下を見回しながら、マティスはそう呟く。
もう大分使われていないのだろう、汚れや傷みが激しかった。
 不意に物音がし、思わずビクッとしながら振りむき、手にした拳銃を向ける。
持っているのは小型のリボルバー、チーフスペシャル。
装弾数が5発と少ないものの、携帯するのに非常に都合がよいつくりとなっているため、本来の警察用としては無論、女性の護身用としてとしてもよく使われている。
同年代の少年達と比較してもやや小柄な身長のため、射撃競技などでマティスが使っているものだった。
 「な・・何だぁ・・ただの物音かぁ・・。ビックリし・・!!」
ホッとしかけたところで、マティスの表情が緊張に強ばる。
ゾッとするような気配を感じたからだ。
 (な・・何っ!?)
寒気や怖気のような気配に、マティスは一瞬逃げ出したくなる。
(馬鹿ッ!?捕まえるために来たんじゃないか!!逃げたら意味ないよ!!)
マティスは自身を叱咤すると、気配を感じた方へと急ぐ。
 「う・・・嘘っ!?」
やがて、見つけたのは警官の死体。
顔が血で真っ赤に染まっている。
恐らく逮捕のために突入したが、返り討ちにされたのだろう。
中には叶わないと見て逃げようとしたが、背後から容赦なく撃たれて命を落とした者もいた。
 最初考えていたのとは全然違う事態に、マティスは愕然とする。
不意にマティスはさらに強い殺気を感じた。
「あ・・・!!」
はっきりとは見えないが、マティスはずっと奥の方に人影が見えることに気づく。
がっしりとした人影は、拳銃を構えており、ゆっくりとこちらへと近づいてくる。
 距離があるにも関わらず、否応なしに感じる殺気に、マティスは鳥肌が立つ。
思わず拳銃を構え、発砲した。
だが、目測を誤り、ものの見事に外してしまう。
 (え・・!?う、嘘っ!?どうして!?練習や狩りじゃちゃんと当たるのに!?)
的や動物相手では百発百中なのに、とマティスは慌てて発砲する。
焦ったあまり、マティスは全弾あっという間に撃ち尽くしてしまった。
 「ど・・どうしよう!?」
マティスの焦りを見抜いたのだろう、ようやく相手が撃って来た。
「ひ・・・!!!」
幸い当たらなかったものの、恐怖で腰が抜けてしまう。
 「や・・やだぁぁぁ!!!」
もはや勇気など無くなり、マティスは座り込んだまま、後ずさる。
さっきは運よく外れたが、次はそうはいかないだろう。
「や・・やぁぁ・・・ひ・・ひぃぃん・・・!!!」
ゆっくりと迫りくる死に、マティスが顔を涙でグッショリと濡らしたそのときだった。
 突然、ハーモニカの音色が聞こえてきた。
その音に銃を構えた犯人はハッとすると、ハーモニカの聞こえた方へ振り向く。
すると、いつの間にかチャールズの姿があった。
 チャールズと犯人は、そのままジッと睨み合う。
あたりを静寂と緊迫した空気が包みこみ、しばらく時が流れる。
チャールズの方は冷静な感じのまま、ジッと見つめる。
だが、だんだん犯人の方の顔が汗でじっとりと濡れ出し、息が乱れてくる。
やがて、焦った犯人が発砲しようとそのとき、ハーモニカのマグナムが火を噴く。
犯人の身体がグラついたかと思うと、そのまま床に倒れ伏した。
 「と・・父さんっっ!!」
父の姿に、思わずマティスは抱きつく。
「この馬鹿・・!!何故来た!?」
「ひ・・だって・・!!」
「まぁいい。とにかく・・ここを出るぞ・・!!」
チャールズは息子を抱き上げると、急いで廃ビルを後にした。


 「落ち着いたか?」
「あ・・う、うん・・な・・何とか・・・」
父が入れたココアを飲みながら、マティスはそう答える。
 「怪我は・・ないな?」
「あ・・う、うん。こ、腰が抜けただけだし・・・」
「そうか。なら・・大丈夫か」
「え?な、何が?」
チャールズの言葉に、マティスは怪訝な表情を浮かべる。
 「決まってるだろう?お仕置きだ」
「ええ!?ど、どうしてさ!?」
父の言葉にマティスは驚く。
 「当然だろう?勝手なことばかりしてな。覚悟しろ」
「や・・やだっっ!!」
マティスは咄嗟に逃げようとするが、荒くれ者相手に鳴らした父に叶うはずも無い。
あっという間に取り押さえられ、膝に乗せられてしまう。
 「やだやだっ!!離してってば~~!!!」
必死に抗議するマティスだったが、聞き届けられるわけも無く、あっという間にお尻をむき出しにされ、押さえつけられたかと思うと、チャールズの手が振り上げられた。


 バッシィィィィ~~~~~~ンッッッッ!!!!
「わぁあああんっっっ!!!」
最初から思い切り叩かれ、マティスは悲鳴を上げる。
 バシッ!バンッ!ビダンッ!バアアンッ!バシッ!
「ちょ、ちょっとっ!痛いってばあっっ!!やめてよっ!!」
「お仕置きなんだから痛いに決まってるだろ?静かにしろ」
バシバシとお尻を叩きながら、抗議する息子にチャールズはそう言う。
 「だ、だって父さんが悪いんじゃないかっ!!連れてって言ってるのに!意地悪して連れてくれないくせにっっ!!父さんがそんな意地悪しなきゃ俺だってこんなことしなかったもんっっ!!」
それなのにお尻叩かれるなんて納得できない、とマティスはこちらが被害者といわんばかりの態度で抗議する。
 「マティス・・・本気で言ってるのか?」
一旦お尻を叩く手を止めて、チャールズは尋ねる。
「だ、だったら何さ!?父さんこそ謝ってよっ!!意地悪っ!!鬼っ!悪魔っ!!」
ビッダァァァァ~~~~~~~ンッッッッッ!!!
 「わっあぁぁぁ~~~~~~んっっっ!!痛ったぁぁぁ~~~いっっ!!」
容赦ない平手打ちに、マティスは背をのけ反らせて絶叫する。
「勝手なことばかり言ってるな・・。なら・・こっちも勘弁しねえ・・・」
そういうと、チャールズはさらに容赦なく息子のお尻を叩きだす。
 ビッダァァァ~~~~~~ンッッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッ!!!!!!
「うっわあああ~~~~んっっっ!!!痛ったあぁぁいい~~~~っっっ!!!」
豪雨のような平手打ちにマティスは悲鳴を上げる。
 「うわああああ~~~~んっっ!!痛い痛い痛いよ~~~!!!やだやだっ!!やめて~~~~っっ!!」
泣き叫ぶマティスを尻目に、チャールズは激しく息子のお尻を叩き続けた。


 「ひぃひぃん・・。ひっひぃん・・」
ボロボロと涙を零して、マティスは泣いていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がり、熱した石炭のように熱くなっている。
 「痛ぁぁい・・痛いよぉぉ・・・。も・・もう・・許してよぉぉ・・・」
「痛いか?」
一旦お尻を叩く手を止めて、ハーモニカは息子に尋ねる。
「痛いに決まってるじゃないかぁっ!!痛くて熱くて死んじゃいそうだよぉぉ・・!!」
「そうだ・・。だがな・・銃で撃たれりゃ・・こんなもんじゃない・・・」
チャールズはマティスを抱き上げる。
 「いいか・・。マティス、今日、撃ちあってどうだった?」
「す・・凄く・・怖かった・・。死んじゃうんだ・・。そう思ったんだ・・」
「そうだ・・。それが撃ち合いだ。こいつはゲームじゃない。ゲームオーバーやコンティニューはない。撃たれたら一巻の終わり。そんな世界にお前を連れ出したくはないんだよ。お前は平和に静かに牧場でもやってて欲しい・・。撃つのは的と狩りの獲物だけで十分だ。それなのに・・お前は・・・」
「うぅ・・。ごめんなさい・・・・」
父親の気持ちを知り、さすがにマティスも反省する。
 「少しは反省したか?」
「う・・うん・・。危ないことして・・心配かけて・・ごめんなさい・・」
「やっとわかったようだな・・。じゃあ、始めるか」
「え?な、何を?」
怪訝な表情を浮かべる息子に、チャールズは目を丸くするようなことを言う。
 「お仕置きだ。これからな」
「ええ!?これで終わりじゃないの!?」
「当たり前だ。本当に危ないことしやがって。これくらいじゃまだまだ許さんからな」
そういうと、ハーモニカは再び息子を膝に乗せる。
 「やだやだっ!父さんっ!ごめんなさいっ!!二度としないからっ!!」
「そうしてもらえるように、身にしみて感じてくれ。じゃあ、行くぞ」
「やっだぁぁぁ~~~~っっっ!!!!」
泣き顔を浮かべるマティスを尻目に、再び平手の豪雨が降り注ぎ出した。


 「ちょっと!!もっと優しくしてよ!!沁みるってば!!」
抱っこしたまま、お尻に薬を塗る父親に、マティスはそう言う。
ようやくお仕置きが終わり、手当て中だった。
「少しくらい我慢しろ。男の子だろ?」
「うう~~!散々だよ・・怖い目には遭うし・・お尻はぶたれるし・・!!」
「これに懲りたらもう俺の仕事に連れてけなんて言わないことだな」
「え~。怖かったけど、やっぱり父さんの仕事見たいよ~。牧場のだけじゃなくてさ~」
「馬鹿言うな。またあんな目に遭わせられるか」
思わずハーモニカがそう言ったときだった。
 「お~お~、こりゃ将来有望な後継ぎちゃんじゃないかよ~」
思わず聞こえた声に、息子を抱いたまま、チャールズは振り向く。
いつの間にか、シャイアンが部屋に入って来ていた。
 「どこから入って来た・・・」
チャールズは不機嫌な顔で愛用のコンバットマグナムを向ける。
「待てって!仮にも警官に向けるなって!!」
「警官なら泥棒の真似なんかするな・・。何の用だ・・・」
「報奨金を持って来たんだよ!?返事がねえから勝手に入っただけだって!!」
「く・・!!親戚でなきゃ殺してるぞ・・・」
ハーモニカは苦虫を噛み潰した表情を浮かべる。
 「まあ今日はありがとよ。おかげで無事逮捕だぜ」
報奨金を手渡しながら、シャイアンはそう言う。
「ソイツは何よりだな。だが・・二度とお断りだぜ」
「それはどうだ~?なぁマティス、またパパのスゴイところ見たいよな~」
「うん!また見たい!」
「おい!人の息子に妙なこと吹きこむな!!」
「そいじゃあお邪魔虫は退散するぜ」
そういうと、シャイアンは何と窓から出てゆく。
 「おいっ!窓から出るな!それでも警官か!!」
チャールズは窓から出ていくシャイアンに、思わずそう叫ぶ。
「くそ・・!相変わらず人を食ってんな・・・」
「ねぇ、父さん・・」
「何だ?」
話しかけてきた息子に、思わずチャールズが尋ねる。
 「今日、一緒に寝てよ!お風呂も一緒だからね!」
「はぁ?何でだ?」
「決まってるじゃないか!お尻叩いて痛い思いさせたんだから!!責任取ってよね!!」
「おぃ・・それはマティスが悪い子だったからだろ?」
思わずそういうが、マティスには通じない。
 「何言ってるのさ!父さんが泣かせたんだからそれくらい当然じゃないっ!!馬鹿馬鹿馬鹿っ!!ひどいよっ!!」
「わかったわかった・・。言う通りにする・・」
「やったあっ!父さん大好きっっ!!」
一転して喜んだマティスは、父親に抱きついて頬にキスをする。
 (くそ・・・!!シャイアンといいマティスといい・・俺も甘いな・・)
己の甘さに、思わず自嘲するハーモニカだった。


 ―完―

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山田主水

Author:山田主水
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