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嘘の代償3(封神より:楊/玉、神父兄弟パロ)



(注:封神を題材にした二次創作で、玉鼎と楊ゼンが神父で兄弟という設定になっていたり、キャラのイメージが原作とかなり異なっています。許容出来る方のみご覧下さい)


 (ううう・・・寒いぃぃ・・・)
ベッドの中で、玉鼎は寒さにブルブルと縮こまっていた。
寝返りを打ちながら窓の外を見てみると、白いものが降っている。
雪だ。
 (うわ・・雪が降ってるのか・・。なら寒いわけだ・・)
ジッと見てみると、路上には雪がうっすらと積もっている。
(こうも寒いと・・・出たくなくなるな・・)
そんなことを思ったそのときだった。
 突然、ドアが開く音がしたかと思うと、既に神父服に着替えた楊ゼンが入って来る。
「兄さん、いつまで寝てるんですか?起きて下さい!」
楊ゼンはまだベッドに入っている兄にそう呼びかける。
「いやだ・・・起きたくない・・」
玉鼎は布団をかぶったままそういう。
 「何言ってるんですか、兄さん。もうとっくに朝なんですよ」
「だって・・雪降ってて寒いじゃないか・・。こんな寒い日に仕事なんてしたくない・・」
玉鼎はそういうと布団を身体に巻きつける。
「ワガママ言わないで下さい・・。もう・・そんなこと言うんでしたら・・・」
楊ゼンは布団をはいでしまったかと思うとあっという間に玉鼎をうつ伏せにひっくり返す。
直後、パアンッ!という音と共に玉鼎のお尻に軽い痛みが走った。
 「何するんだ!楊ゼン!」
「あんまりワガママ言うならお尻叩いてあげましょうか、兄さん?」
ニコリと、だが目は全く笑っていない笑顔を浮かべ、楊ゼンはそう言った。
「わ・・わかったよ・・。お・・起きるから・・・」
玉鼎は渋々といった様子でようやく起きだす。
下手にワガママを通そうとしたら間違いなくお尻を叩かれるとわかっていたからだ。
「わかってくれればいいんですよ。じゃあ、僕はご飯あたため直しますから」
そういうとようやく楊ゼンは出て行く。
玉鼎はため息をつくものの、モゾモゾと身体を動かしながらようやくベッドから抜け出した。


 「うぅぅ・・。やっぱり・・寒い・・」
白い息を吐き、手をさすりながら玉鼎はそう呟く。
ただでさえ雪が降っていて寒いのだ。
そんな中で礼拝堂の長椅子を拭く作業をするのはきつい。
小さい教会とはいっても、礼拝堂内はそこそこの広さはあるし、暖房等も入っていないから冷えるというもの。
 (やっぱり・・仕事なんかしたくないなぁ・・。でも・・そんなこと言ったら・・)
無意識に玉鼎はお尻に手を伸ばす。
寒いから仕事したくないなどとワガママなことを言えば楊ゼンが怒るのは間違いないからだ。
サボりやワガママには厳しい楊ゼンのことだからお尻を叩くのは確実だ。
(何か・・いい方法はないかな・・)
お仕置きされずに寒い中で仕事しないで済む方法は無いか、そう考えたそのときだった。
 不意に玉鼎は神父仲間で、隣町の教会で主任司祭をしている普賢から聞いた話を思い出す。
普賢の親友の太公望がサボり魔な性格のせいか、太公望から色々とサボりのテクニックを聞いたりしたらしい。
そのうちのあるものをたまたま一緒に茶飲み話をしたときに聞いたことがあったのだ。
(よし・・!善?は急げだ!)
そのテクニックを思い出すと、玉鼎は一目散にキッチンの方へいった。
 「うぅ・・・楊ゼン・・」
パソコンでの作業を自室で楊ゼンがしていると、不意に玉鼎が入ってきた。
「あれ?どうしたんです、兄さん?」
ノックもせずに入ってきた兄に楊ゼンは怪訝な表情を浮かべる。
 「あぁ・・何だか・・熱があるみたいなんだ・・・」
玉鼎は辛そうに息を吐きながら顔を弟の方へ向ける。
顔は赤らんでおり、いかにも熱がありそうだった。
 楊ゼンはすぐにも兄の元へ歩み寄ると、手で玉鼎の額を触り、また自分の額も当ててみる。
すると、確かに熱が感じられた。
「確かに熱いですね、体温計ではかってみた方がいいかもしれないですね」
「そ・・そうだと思って・・はかってみたんだ・・・」
玉鼎はそう言うとあらかじめ持っていた体温計を差し出す。
すると、体温計は37度以上を示していた。
 「これは・・。兄さん、すぐにベッドまで連れてってあげますからね」
楊ゼンはそういうと肩を兄に貸して支える。
「あ・・あぁ・・頼むよ・・・」
苦しそうにそういうと、辛そうな足取りで楊ゼンに支えられながら玉鼎は自室まで歩いて行った。
 「大丈夫ですか、苦しくないですか?」
兄をベッドに寝かせると、楊ゼンは心配そうに玉鼎の顔を見つめる。
「あぁ・・大丈夫だよ・・」
「ゆっくり休んで下さい。スポーツドリンク置いておきますから喉が乾いたら飲んで下さいね」
「あ・・あぁ・・。すまないな・・」
「いいんですよ、これくらい。まだ仕事が残ってるんで看てあげられませんけど、ときどき様子見に来ますから」
「あぁ・・。それじゃあ・・休ませてもらうよ・・」
「おやすみなさい。ゆっくり休んで下さいね」
そういうと楊ゼンは出てゆく。
ベッドに潜り込んだ玉鼎は楊ゼンが出て行き、足音が遠ざかってゆくのを確かめると、ホッと一息つく。
 「ふぅ・・上手くいったな・・・」
呟くように言うと、玉鼎はゆっくりと身体を起こした。
(それにしてもタオルとお湯でこんなに上手くいくとは・・)
玉鼎はあまりにうまく行ったことに思わず感心する。
熱くしたタオルを顔に当てて上気させると同時に額を合わせた時に熱があるように思わせる。
さらにお湯に体温計を入れて熱があるように偽装する。
それが以前、普賢が茶飲み話の際に話してくれた太公望のサボりテクニックの一つだった。
(さすがサボり魔の太公望だな・・・。おかげでこれで丸一日、寒い中で仕事しなくてすむ・・楊ゼンにはすまないけどな・・)
弟にちょっぴり罪悪感を覚えつつも、雪で冷え込む寒い日に仕事しないですんだことにホッとすると、そのまま玉鼎は布団に潜り込むようにして寝に入った。


 その日、太乙がいつものように自宅の病院で仕事をしていたときだった。
「先生、お電話ですよ」
不意に看護師が電話を持ってきた。
 「はい、もしもし。ああ、楊ゼンかい?」
太乙は電話に出るなり、楊ゼンからだと気づく。
「え・・。そうかい。そりゃ心配だろうねぇ。わかったよ。すぐ行くから」
太乙は電話を切ると、看護師に言う。
「悪いけど往診鞄出してくれるかい?これから往診に行くから」
やがて往診鞄を手にして太乙は病院を後にした。
 玉鼎は布団の中でぐっすりしていたが、ふとドアが開く音を聞きつけ、目を覚ます。
「兄さん、具合はどうですか?」
「あぁ、楊ゼン。少しは・・・」
途中まで言いかけて玉鼎は言葉が止まる。
太乙が弟の後から入ってきたからだ。
 「やぁ、玉鼎」
「た・・太乙・・何で・・?」
「楊ゼンに頼まれてね。往診に来たんだよ」
太乙の言葉に玉鼎は愕然とする。
 「よ・・楊ゼン・・。太乙を・・呼んだのか?」
恐る恐る尋ねる兄に対し、楊ゼンは答える。
「ええ、念のために太乙様に診ていただいた方がいいと思いましたから」
「そ・・そんなこと・・しなくても・・」
「何言ってるんですか!もしインフルエンザとかだったらどうするんです!?ちゃんと太乙様に診てもらって下さい」
楊ゼンはそういうと、太乙用の椅子を用意する。
 (し・・しまった・・・)
玉鼎は目の前の事態に呆然としてしまいそうになる。
楊ゼンが兄である自分のことをどれほど大事に思っているかを考えれば、太乙を呼ぶこともあり得たのだ。
自分の方からは行きたがらないから、そうなると往診に来てもらうことになる。
それを計算に入れなかったのはうかつだった。
 (まずいぞ・・!!かなり・・まずい!!)
目の前の事態に玉鼎は脂汗がジッと噴き出す。
「じゃあ、楊ゼン。悪いけどリビングの方で待っててくれるかい?」
「ええ。よろしくお願いします、太乙先生」
「わかってるよ」
楊ゼンが出て行くと、太乙は聴診器等を取り出し、ベッドの脇に用意された椅子に腰かけて玉鼎と顔を合わせる。
 「さぁ、玉鼎。胸出して」
「い・・いやだ・・」
玉鼎は本能的に拒否する。
「何言ってるんだい、胸出してくれなきゃ診察できないじゃないか」
「そ・・そうは・・いっても・・・」
まさか仮病ですなどとも言えず、玉鼎は口ごもってしまう。
 「何だかおかしいねぇ・・。玉鼎・・何か隠してるんじゃないかい?」
図星を指されたことに玉鼎は思わずギクリとしてしまう。
「な・・何言ってるんだ!そ、そんなわけ・・・!!」
「それが怪しいんだよ。あ・・そうだ・・」
突然、太乙は往診鞄から何かを取り出した。
鞄の中から現れたものを見るや、玉鼎は再びギクリと身を強張らせる。
 太乙が取り出したのは注射器。
それも腕に打つのよりもずっと大きなものだった。
「た・・太乙・・。そ・・それは・・?」
玉鼎は恐怖に駆られながら尋ねる。
 「これかい?お尻用の注射器だよ」
「な・・何だって・・?」
太乙の言葉に玉鼎はさらに恐怖を覚える。
以前の経験からお尻への注射がとっても痛いことを知っていたからだ。
 「正直に話してくれないと・・・これをご馳走してあげるよ。もちろん、お尻にね。君ならわかってるよねぇ、これ・・・とっても痛いんだよねぇ」
太乙は淡々とした口ぶりで話す。
玉鼎は注射器に目を釘付けにし、やがて足元からガクガクと震えだした。
「わ・・わかった!!話す!話すから!!」
玉鼎が必死に叫ぶと、ようやく太乙は注射器をしまった。


 落ち着かない様子で楊ゼンがリビングで待っていると、太乙がやってきた。
「あ・・太乙先生、どうでした?」
顔を見せるなり、楊ゼンは太乙に尋ねる。
「あぁ、それなんだけどねぇ・・」
「何だったんです?まさかインフルエンザとかですか!?」
余程心配なのだろう、追い詰められたような表情で尋ねる。
 「大丈夫だよ、玉鼎の病気はね・・・『サボり病』と『嘘つき病』ってところかな」
「は・・?」
太乙が妙なことを言ったためか、楊ゼンは間の抜けた表情を浮かべる。
「ど・・どういう・・ことですか?」
「要するに君に嘘ついて仕事サボったってことさ」
「そ・・それ・・本当・・ですか?」
信じられないと言いたげな口ぶりで楊ゼンは尋ねる。
「嘘じゃないよ。何だったら本人に聞いてみなよ。私はこれで帰るからさ」
そういうと太乙は往診鞄を手にして出て行く。
楊ゼンはしばらく押し黙ったまま立ちつくしていたが、やがてバタバタと慌ただしくリビングを後にした。
 激しい音と共にドアが開くや、玉鼎は思わず振り返る。
ゆっくりと入ってきた弟の姿にただならぬものを感じたのか、本能的に玉鼎は後ずさる。
「に・・兄さん・・・」
「な・・何だ?」
「僕に・・・嘘ついて・・・仕事サボったそうですね・・?」
静かに、だが怒りが微かに染み出している声で楊ゼンは尋ねる。
「そ・・それは・・その・・・」
玉鼎は必死に弁解しようとするが、楊ゼンはさらに畳みかける。
「そんなことした以上・・覚悟はいいですね?」
弟の言葉に玉鼎は総毛立ちそうになる。
 「よ・・楊ゼン・・!!で・出来心・・だったんだ!!さ、寒くて・・つい・・仕事したく・・なくて・・・」
「だからって嘘ついたりサボったりしていいわけないでしょう?さぁ、兄さん。お尻出して下さい」
「い・・嫌だ!!」
玉鼎はとっさに立ち上がると、本能的に手でお尻を庇う仕草をする。
 「兄さん・・。素直にお尻を出さないんでしたら・・・・」
途中まで言いかけると、不意に楊ゼンは言葉を切る。
そのまま、ジッと押し黙ってしまった。
 玉鼎はお尻を両手で押さえたまま、ジッと楊ゼンの方を見やる。
(何だ・・・何を考えてるんだ・・?)
何も言わず考え込む素振りを見せる弟の姿に玉鼎は不安を覚える。
(どうする気なんだ?素直に・・お尻出さないと・・どうするっていうんだ?)
全く口を開こうとしない楊ゼンに玉鼎の不安は否応なしにかき立てられる。
それに伴って玉鼎は勝手に悪い事態を想像する。
 (どうやら・・・きつくお仕置きされるんじゃないかと思ってるようですね)
楊ゼンは不安と恐怖を浮かべる兄の姿に心中でそう呟いた。
さらに楊ゼンは考えている振りをする。
玉鼎はさらに不安に駆られた素振りを見せるや、ついに我慢出来なくなったのだろう、叫ぶように言った。
「わ・・わかった!ちゃ・・ちゃんと・・お尻・・・出すよ・・。だから・・だから・・そんな・・怖いのは・・しないでくれ!!」
恐怖のあまり、玉鼎は叫んでしまう。
 「本当ですね、兄さん?」
「う・・嘘は・・言わない・・・」
「なら、机にうつ伏せになってお尻を出して下さい。出来ますよね?」
「す・・する・・」
玉鼎はそういうと慌てて机の方へ行き、うつ伏せになるとお尻を楊ゼンに向かって突き出す。
怖いのだろう、無意識に玉鼎の身体はブルブルと震えていた。
 (ちょっと薬が効きすぎちゃいましたかね。でも、逃げられたり暴れられたりされるのも大変ですからね)
作戦が少し効き過ぎたことに少し罪悪感を感じつつも、楊ゼンはあらかじめ持っていたおいたパドルを取り出すと、うつ伏せになってお尻を突き出している兄の方へと向かう。
兄の傍らに立つと、楊ゼンは玉鼎の神父服の裾を捲りあげてクリップで背中に留め、ズボンを降ろす。
あっという間に玉鼎の雪のように白くて綺麗な、適度に弾力があり引き締まったお尻があらわになった。
 「ひぅぅ・・・・」
お尻に冬の冷たい空気を感じ、思わず玉鼎は机の縁を掴んでいる両手に力を込める。
「兄さん・・・行きますよ、覚悟はいいですね?」
弟の宣告に玉鼎は身を強張らせると、黙って頷く。
それを見ると、楊ゼンは左手で兄の身体を押さえ、パドルを手にした右手をゆっくりと振り上げたかと思うと、玉鼎のお尻目がけて振り下ろした。


 バシンッ!!
「く・・・・・」
パドルの強い衝撃に思わず玉鼎はくぐもった声を漏らす。
バシッ!バンッ!バチッ!ビシャンッ!
間髪入れずに次々とパドルが叩きつけられ、玉鼎のお尻にうっすらと長方形の赤い跡を刻んでゆく。
 「全く・・・何やってらっしゃるんですか・・・」
以前にも自分に嘘をついてお仕置きされるようなことをやらかしたせいだろう、楊ゼンは呆れたような口調でお説教を始める。
バシッ!ビダァンッ!バシッ!バッチンッ!
「また性懲りもなく嘘なんかついて、仕事サボるだなんて・・。神父がそんなことやっていいと思ってるんですか、兄さん?」
兄のお尻にパドルを叩きつけながら、楊ゼンはお説教を続ける。
 「ひぃん・・。だって・・仕方・・無いじゃないか・・・。こんなに・・雪・・降ってて・・・寒いん・・だから・・・」
辛そうな表情を浮かべながら玉鼎は窓を見やる。
すると、朝よりは弱くなったものの、雪は降り続けていた。
「雪降って寒かったら仕事サボってもいいんですか?いい加減にして下さい、兄さん」
バシィ~ンッ!バッチィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!
呆れたような溜息をついたかと思うと、突然楊ゼンは思い切り玉鼎のお尻にパドルを思いっきり叩きつけた。
 「ひっ・・!!ひぃうぅんっっ!!」
あまりに強烈だったせいだろう、玉鼎は背筋をエビぞりに反らせて悲鳴を上げる。
「ひぃん・・よ、楊ゼン・・痛いぃ・・」
思わず後ろを振り向いて玉鼎は抗議する。
「当たり前じゃないですか、お仕置きなんですから」
だが、楊ゼンは反省の色が見られない兄にお怒り気味なのか、冷ややかな口調で言う。
 「だからってこんなに思い切り叩くことないじゃないか!!私の方が兄なんだぞ!それなのに・・こんな仕打ち!鬼!悪魔!鬼畜っ!」
思い切りお尻を叩かれて腹に据えかねているのだろう、玉鼎は怒りをぶちまけるように叫んだ。
 「兄さん・・その言葉・・・本心ですか・・?」
静かに、だが有無を言わせない強い調子で楊ゼンが尋ねる。
楊ゼンが怒りかけていることに気づいた玉鼎はしまったと思うものの、既に引っ込みがつかなくなっていた。
「だ・・だったら何だって言うんだ!いつもいつもお尻叩いて!私は子供じゃない!それなのに・・・・幾らでも言ってやる!鬼畜!悪魔!人でなし!尻叩き魔!」
「そうですか・・よぅく・・わかりました・・・」
楊ゼンはそう言ったかと思うと、ゆっくりとパドルを振り上げ、思いっきり振り下ろした。
 バアッチィ~~ンンンッッ!!
バァンバチンバアンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!
「ひっ!きゃあひぃんっ!ひぃぃんんっっ!!痛いぃぃっっ!!」
最初の強烈無比な一撃を皮切りに、パドルが雨嵐のようにお尻に降り注ぐ。
「全然兄さんが反省してないってことが!!」
怒りの籠った声で叫ぶように言いながら、楊ゼンはパドルを乱打するかのように振り下ろす。
 「よ・・楊ゼンっ!痛いっ!痛いって言ってるじゃないかぁ!!」
あまりの痛さに玉鼎は振り向いて叫ぶ。
だが、楊ゼンの凄味のある表情に思わず口を閉じてしまう。
「何言ってるんですか?こんなもの序の口ですよ?」
「ま・・まさか・・・」
恐怖に震える玉鼎に楊ゼンは死刑宣告でもするかのように、冷酷に言い放つ。
「悪いことしたのに全然反省しないで開き直るような兄さんには、もっともっときついお仕置きをしてあげます」
そういうと同時にパドルの雨が降り注ぐ。
「ひぃぃんんっ!!よ、楊ゼン・・も・・もぅ・・やめ・・」
「絶対に・・許しませんっっ!!」
本気で怒った楊ゼンがパドルを叩きつける音と玉鼎が泣き叫ぶ音が室内に響き渡った。


 「うぅん・・ひぅぅん・・ひぃぃん・・・」
机の上でぐったりした状態で、玉鼎はボロボロと涙を流している。
今やお尻は二回りくらいは大きく腫れ上がった上、濃厚なワインレッドに染まり、熱した石炭のように熱を発している。
「ふぅえん・・痛い・・痛いぃぃ・・・」
今やプライドも意地もかなぐり捨てて玉鼎は子供のように泣いていた。
 「兄さん、まだ僕が悪い、自分は悪くないとか言いますか?」
楊ゼンは一旦パドルを叩く手を止めて兄に尋ねる。
「い・・言わないぃぃ・・・。わ・・私が・・悪かった・・から・・だ・・だから・・」
玉鼎は必死に許してもらいたくて言う。
だが、楊ゼンは疑わしそうな表情を浮かべた。
 「本当ですか?太乙先生が兄さんの病気は『嘘つき病』だっておっしゃってましたからねぇ・・・。だからうかつに信じちゃダメですしねぇ・・・」
楊ゼンはそんなことを言う。
(そ・・そんな・・信じて・・くれない・・・)
その事実に玉鼎は目の前が真っ暗になる。
 不意に玉鼎は楊ゼンがヒタヒタとパドルで軽くお尻に触れ出したことに気づく。
「ひぃん・・!!」
本能的に玉鼎は全身を強張らせると同時に震わせる。
また叩かれるのではないかと思ったからだ。
 「ひ・・!よ、楊ゼンッ!楊ゼン!」
玉鼎は必死になって弟に呼びかける。
「何です、兄さん?邪魔をしないで下さい」
「ほ・・本当に・・すまなかった!あ・・謝るからっ!ご・・ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!」
これ以上お尻を叩かれるの怖さに玉鼎は必死に謝る。
さすがに楊ゼンも本当に反省していると思ったのだろう、やや声の調子を和らげて尋ねる。
 「本当に・・・反省してますね?」
「してる・・!!してるから!!」
「じゃあ何が悪かったかちゃんと言えますよね?」
弟の問いに玉鼎は必死に頷く。
それを見た楊ゼンは答えを促すかのようにようにヒタヒタとお尻にパドルで軽く触れる。
 「くぅ・・・寒い中・・仕事・・したくなくて・・・さ・・サボろうとした・・」
「それから?」
「け・・仮病・・使って・・う・・嘘・・つぃたぁぁ・・・」
「それだけですか?一番大事なのがあるでしょう?」
「え・・ええと・・」
玉鼎は必死に考える。
だが、中々答えが出てこない。
 「仕方ありませんね・・。もうしばらくお尻に聞いて・・・」
「やめてくれっっっっ!!!!ほ、本当にわからないんだ!!だから・・」
恐怖に玉鼎はまるで熱病にでも罹ったかのように全身を激しく震わせた。
さすがに楊ゼンもこれ以上はと思ったのだろう、パドルを置くと、兄を抱き起こした。
 「よ・・楊ゼン・・?」
怪訝な表情を浮かべる玉鼎を尻目に楊ゼンは兄の手を引いてベッドに腰を降ろしたかと思うと、お尻を出したままの玉鼎を膝の上に座らせる。
 「兄さん・・・」
互いに顔を見合わせると、楊ゼンは優しい声で呼びかける。
「な・・何だ・・?」
さらに叱られるのではという恐怖が抜けないのだろう、まだ怯えた様子を見せながら恐る恐る玉鼎は尋ねる。
 「兄さんが仮病使ったとき・・僕・・本当に病気だと思ったんですよ。それで・・僕がどんな気持ちになったか・・考えました?」
「し・・心配・・してくれたのか・・?」
「当たり前じゃないですか、僕達兄弟なんですから」
ここまで言われて、ようやく玉鼎は弟が言いたいことに気づく。
 「す・・すまない・・。嘘ついたり・・ズルしたりしたせいで・・お前に大変な思い・・させてしまったんだな・・・・・・」
さすがに悪いと思ったのだろう、玉鼎は落ち込んだような表情を浮かべる。
「いいんですよ、わかってくれたんですから。兄さん、お願いですから僕を心配させるようなことはしないで下さいね」
「ああ・・約束するよ・・」
玉鼎がそう言うと楊ゼンは兄を抱きしめる。
 「そうだ、兄さん。太乙先生のところに行かないと」
「え・・。別にいいじゃないか、病気じゃないんだし」
「何を言うんですか!兄さんだってお尻痛いでしょう?ちゃんと太乙先生に診てもらわないと」
「え・・でも・・そんなことしたら・・」
玉鼎は思わず嫌そうな表情を浮かべる。
以前、火傷をした際に医者にかかるのが嫌さに結局行かず、そのことで楊ゼンにお仕置きされてしまい、火傷した手と叩かれたお尻の手当のために太乙のところに行ったのだが、その際に予約をすっぽかしたお仕置きとして沁みる薬をたっぷりとお尻に塗られたのだ。
今回も仮病で嘘をついて太乙に手間をかけさせたり楊ゼンに心配させたりした以上、太乙からも何かお仕置きをされてしまうかもしれないと思ったのである。
「とにかく行きますよ。さぁ、いいですね」
「わ・・わかったよ・・・」
半ば強引に玉鼎は楊ゼンに連れられて太乙の診療所へと向かっていった。


 「うくぅ!!た・・太乙・・もうちょっと優しく・・!!」
玉鼎はベッドの上にうつ伏せになった状態で思わず声を上げる。
「何言ってるんだい、これぐらいでヒーヒー言うもんじゃないよ」
太乙は苦笑しながら真っ赤に腫れ上がった玉鼎のお尻に薬を塗ってやる。
 「た・・太乙・・もしかして・・ワザと沁みる薬・・使ってないかい?」
「あはは、やっぱりわかったかい。そうだよ」
「ひ・・ひどいなぁ・・。何だって・・そんなこと・・・」
思わず玉鼎は恨めしげな表情を浮かべる。
「君が悪いんだろう。楊ゼンに頼まれてわざわざ往診したら嘘でしたじゃねぇ」
「だ・・だから・・それは・・悪かったって言ってるじゃないか・・・」
「太乙先生、そのことは僕からも謝りますから許してあげて下さい」
太乙の塗る薬に痛がる兄に思わず楊ゼンは助け船を出す。
 「冗談だよ。それにしても楊ゼンもご苦労様だねぇ」
「ええ・・でも・・大事な兄さんですからね」
二人は互いに顔を合わせると苦笑する。
玉鼎は子供扱いされていると思ったのだろう、不満げな表情を見せる。
 「もう・・大丈夫ですか?」
手当が終わると恐る恐る楊ゼンは太乙に尋ねる。
「ああ、もう平気さ。しばらくすれば腫れも引くよ」
「そうですか。よかったですね、兄さん」
楊ゼンはホッとして話しかけるが、お尻を叩いたり痛い薬を塗る楊ゼンや太乙に対してヘソを曲げているのだろう、玉鼎は不機嫌な表情のまま顔をそむけている。
そんな玉鼎に楊ゼンと太乙は苦笑するものの、愛情のこもった目を向けた。


 ―完―
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theme : 自作小説(二次創作)
genre : 小説・文学

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