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マルコ神父8(BL要素あり)



(BL要素ありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「うぅぅ・・・畜生ぉぉぉ・・・」
ベッドの上でネド神父は冷たいタオルを額に載せ、口に体温計を咥えながら唸っていた。
「全く・・・だらしない日常生活を送っているからですよ・・・。自業自得というものです」
冷ややかな口調で言いながら、マルコ神父はネド神父の看病をする。
「って・・しょうがねえだろ・・。まさか風邪でぶっ倒れるなんてな・・。クソ・・体力には自信があったのによ・・・」
ネド神父は体温計を咥えながらボヤく。
 「そういうのだから風邪なんか引くんですよ。自分の体力を過信してるんですから。これだから体育会系はダメなんですよ」
マルコ神父はまた冷ややかな口調で言う。
「ひっでえな~。それが病人に対して言うことかよ」
「病人なら病人らしくしてて下さい・・・全く・・・」
そういうと、マルコ神父は看病を続ける。
 「ん?何ですか?そんな顔して?」
マルコ神父はふと、ネド神父がいつものニヤニヤ笑いを浮かべて、こちらを見ていることに気づく。
「いやぁ、お前さんに世話してもらえんのが嬉しくてなぁ」
「何馬鹿なことを言ってるんですか。仕方ないでしょう、私しか手が開いてる人間がいないんですから。全く・・・忙しい時に病気になるなんて・・・」
クリスマスや年末が近く、忙しい時期だからか、思わずマルコ神父はそんなことを呟く。
 「わーるかったって。しっかし・・・・こうして見てると・・・お前さん、いい奥さんになれそうだよなぁ」
「何を言ってるんですか!私は男ですよ!」
「男だって関係ねえよ。いっそのこと、どこぞの国のオタク連中みたいに『マルコ神父は俺の嫁』とでも言いてぇくれえだからな」
「って何馬鹿なこと言ってるんですか!!」
思わずマルコ神父は冷たいタオルをネド神父の顔に投げつける。
そして、そのまま出て行ってしまった。
 「おやおや・・ちょいとからかいすぎちまったな・・・」
ネド神父は苦笑しながらそう呟く。
「まぁ・・そんなところが可愛いんだよなぁ・・グヘッ!グフグヘッ!」
ニヤけかけていたところへ、ネド神父を咳が襲う。
「ち・・畜生ぉぉ・・・。は・・・早く・・・治さねえと・・・。クソォォ・・・」
そんなことを呟きながら、ネド神父はベッドの中でウンウン唸っていた。


 それからしばらく経ったある日・・・・。
「おぃ?大丈夫か?」
マルコ神父の顔を見るなり、ネド神父は思わずそう尋ねる。
「は?どうかしましたか?」
対して、マルコ神父は怪訝そうな表情を浮かべて問い返した。
 「いや・・・何か顔色があんまよくないみてぇだと思ってな・・・」
「これくらいどうということはありませんよ」
「なら・・・いいんだがな・・。だがなぁ・・・無理はすんなよ?少しでも調子が悪いと思ったらな」
少し前まで自分が風邪でダウンして倒れていたせいか、ネド神父はそう言う。
 「そんなことはわかっていますよ。まさか・・・私がそれくらいのこともわからないような人間だとでも思っているんですか?」
「いや・・。そういうワケじゃねえが・・。ちょいと・・・心配になっただけだって・・」
「あなたに心配してもらわなくても大丈夫ですよ。それより・・・・溜まってる仕事は終わったんですか?」
「あ・・それはだなぁ・・・」
「全く・・・まだ終わっていないんですか?病気だったから仕方ないとはいえ、早くして下さい。皆の仕事にも支障が出るんですからね」
「わかってるって。ん?どこ行くんだ?」
立ち去ろうとするマルコ神父に対し、ネド神父は怪訝そうに尋ねる。
 「仕事を片付けに行くんですよ。誰かのおかげで、私の分も溜まってしまいましたので」
そう言い置くと、マルコ神父は出て行ってしまう。
「たはは・・・さすがに手厳しいな・・・」
ネド神父は苦笑すると、風邪で寝込んでいる間に溜まってしまった仕事に再び取りかかり始めた。


 「くふ・・こほ・・ごっほ・・・」
部屋に入るなり、マルコ神父は咳き込む。
(わ・・・私と・・した・・ことが・・・)
ゆっくりと立つと、マルコ神父は机の上に置いてある小さな鏡を見やる。
鏡に映る自身の顔は上気して赤く染まっている。
息づかいも苦しそうで、実際、吐息に熱気を感じていた。
 「ふ・・あぅ・・・」
不意にマルコ神父は自身の両腕を身体に回して抱きしめる。
「さ・・寒いぃぃ・・・」
寒気が走り、耐えきれずに両膝をついて座り込んでしまったのだ。
 (私の・・馬鹿!?何だって・・・私まで・・・風邪なんかに・・・)
熱や寒気を堪えながらマルコ神父は自身を罵る。
ネド神父が治りだした頃、今度はマルコ神父の方がかかってしまったのだ。
 「く・・はく・・・・」
マルコ神父は苦しそうな息を吐きながら、机の方へ歩み寄ると、引き出しに手をかける。
引き出しから取り出したのは、市販の風邪薬と水のペットボトル。
ブルブルと震える手で口に放り込むと、ペットボトルの水で流し込む。
 (こんなのじゃ・・・気休めにしか・・・なりませんがね・・・)
マルコ神父は自嘲する。
市販の風邪薬でどうにかなるレベルでは無いのは、自分自身がわかっていた。
すぐにでも病院に行くべきなのも。
 (ですが・・・。そんなこと・・したら・・・。風邪なんかで・・・私が・・・。そんな・・姿は・・・絶対に・・・見せたく・・・ないぃぃ・・・)
自嘲しつつ、マルコ神父はそう呟く。
自分の考えがつまらない意地やプライドに過ぎないことはよくわかっている。
しかし、それでも自分が風邪なんかでへたばっているなどということを他人に知られたくはない。
(それに・・・医者に・・・は・・・あまり・・・行きたくは・・)
病院や医者の姿を思い起こすや、マルコ神父は寒気とは別の理由で身体を震わせる。
昔から医者が苦手だったからだ。
風邪なんかにかかっていることを知られたくないというプライドと、医者への恐怖心、それらが共になって、マルコ神父が病院へ行くのを頑強に足止めしていた。
 (で・・でも・・もぅ・・・)
マルコ神父は机によりかかったまま、どこか虚ろな目をしている。
熱に浮かされる中、視界はボヤけ、映るものが複数に重なり合って見える。
やがて、ズルズルと滑り落ちるようにして、机に寄りかかったまま、床に座り込み、そのまま気を失ってしまった。
 「マルコ・・・いるのか?」
ネド神父はそう声をかけながら、ドアを開ける。
必死になって否定していたものの、マルコ神父の様子がおかしいのは明らかだったからだ。
 「!!!!」
中へ入るなり、机に寄りかかるようにして倒れているマルコ神父の姿に、ネド神父は驚いてしまう。
「おい!大丈夫か!?」
慌てて駆け寄るや、呼びかけながら額に手をやる。
「何つう熱さだ・・・こりゃ・・ヤバイぞ!!」
ネド神父はマルコ神父を抱きあげると、慌てて部屋を後にした。


 マルコ神父が目を覚ますなり、視界に飛び込んで来たのは真っ白な天井だった。
(え・・?どこですか・・ここは?)
見慣れない光景に、思わず目を瞬かせてしまう。
 「ん・・・気がついたのか・・」
傍らで、ネド神父がホッとした表情を浮かべながら呼びかける。
「あれ・・?ネド神父・・ここは・・?」
怪訝に思ったマルコ神父があたりを見回すと、腕に点滴の針が刺してある。
さらによく見てみれば医療用のベッドに横になっていた。
 「病院だ・・。部屋でぶっ倒れてたのを見つけたんでな。急いで運んで来たんだよ」
「そ・・そう・・ですか・・・」
「とにかく・・今は休んどけ・・・」
「は・・はい・・・」
マルコ神父はそう返事をすると目を閉じる。
しばらくすると、再び眠りに落ちていった。


 それから数日後・・・。
いつものように教会にマルコ神父の姿があった。
すっかり回復したのか、風邪の面影は全く見られない。
「その様子だともう大丈夫のようだな」
マルコ神父がいつものように作業をしていると、背後からネド神父が声をかけてくる。
「ええ、もう大丈夫です。その節は・・・お手数おかけしました」
「元気で何よりだ。だが・・・おい、ちょいと話したいんだが、いいな?」
「は・・はぃ・・・」
いよいよ来たと言いそうな表情になりながらマルコ神父は答える。
ネド神父が声をかけて来た時点で、だいたい察していたからだ。
「なら話が早い。俺の部屋まで来てもらおうか」
そういうと、ネド神父はマルコ神父の手を掴み、半ば連行するかのように連れていった。
 「さてと・・・・」
部屋へ入ると、ネド神父はマルコ神父をジロリと見やる。
「お前さん、何で呼ばれたか、わかってるよな?」
「はい・・。先日の・・・病気の件ですね?」
平静を装いつつ、マルコ神父は答える。
「そうだ・・・・」
一言そう言うと、ネド神父は言葉を切り、マルコ神父を見つめる。
 「この・・・・・馬鹿野郎がぁぁぁぁ!!!!!!」
ネド神父は大きな声で思い切り怒鳴りつけた。
さすがにマルコ神父はビックリして後ずさってしまう。
「何考えてんだあっ!!調子が悪いなら悪いでさっさと医者に行け!!」
「す・・すみません・・・」
普段の冷静な様子をかなぐり捨てて怒鳴りつけるネド神父の迫力に押され、ついマルコ神父は謝る。
 「馬鹿野郎・・・。すみませんで・・済むか・・・。今日は・・・ちょっとや・・そっとじゃ・・・勘弁しねぇ・・・」
(な・・何なんですか?いつもと・・・何だか・・様子が・・・)
ネド神父の様子にマルコ神父は思わず引いてしまう。
そこへネド神父の力強い手がマルコ神父の手首を捉えたかと思うや、思い切り引き寄せた。
気付いた時にはベッドの縁に腰を降ろしたネド神父の膝の上に載せられてしまっている。
 いつものように、慣れた手つきでネド神父はマルコ神父のお尻をあらわにする。
だが、いつもと違って、最初から膝を組んだ。
「ちょっと・・ネ、ネド神・・・・」
最初から膝を組まれるなどと思っていなかったため、思わずマルコ神父は慌てて声をかける。
それに対して、ネド神父はマルコ神父の身体をグッと押さえつけ、右手を振り上げた。


 バッジィィィィンンンンンン!!!
「ぐぅぅぅ!!!」
思わず耳を塞ぎたくなるような強烈な打撃音が響くや、マルコ神父の表情が苦痛に歪み、声が出る。
 「この・・・馬鹿がぁぁぁ!!!」
ビッダァァ~~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッ!!!!
普段の鬼畜さを感じさせる冷静振りなどかなぐり捨てて、ネド神父は怒り心頭とばかりに激しい平手打ちを、豪雨のように降らせる。
 「あく・・!くぅ・・!うく・・!あくぅ・・・!」
マルコ神父は両手でネド神父の上着の裾を握りしめ、いつものように平手打ちを堪えようとする。
だが、普段とは違うお仕置きに、無意識のうちに声は出てしまい、時折り苦しげな表情が浮かぶ。
 「調子が悪いなら何だって医者に行くなり、誰かに話すなりしねえんだ!!」
バアッジィィ~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッ!!!
本当に怒っているからか、お仕置きを楽しむ普段の鬼畜な素振りなど微塵も感じられない態度でネド神父は平手の雨を降らせる。
お仕置きは始まったばかりだというのに、もうマルコ神父のお尻は赤く染め上がっていた。
 バアッジィィ~~~ンッッッ!!
ビダァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~ッッッ!!!
 「くぅぅ・・!あくぅ・・!す・・・すみません・・!あくぁぁ・・!!」
さすがに自分でも悪いと思っているからか、マルコ神父は素直に謝る。
「謝るのは当たり前だろうがァァ!!!何だって医者に行かねえんだ!!」
ネド神父は怒りの声を上げながらマルコ神父のお尻を叩く。
「ぎひ・・!ひぎひぃ・・!がふ・・!はぁふ・・!」
バシバシと力強い平手が叩きつけられるたびにマルコ神父の身体が震える。
マルコ神父はさらにネド神父の服の裾を握りしめ、苦痛に表情を歪める。
目尻には光るものが、額や手の甲にはジワリと汗が滲んでいた。
 「す・・すみません・・。ど・・どうしても・・・い・・医者には・・。かぁ・・がふぁ・・ひ・・・」
苦しげな息のもとで、マルコ神父は弁解しようとする。
「それが馬鹿だっつってんだろうがぁぁ!!」
バアッジィィィ~~~~~ンッッッッッ!!!!
「うあああああっっっっっ!!!!」
今までよりさらに強烈な一撃をお尻に叩きつけられ、耐えきれずにマルコ神父は背をのけ反らせ、悲鳴を上げた。
 「お前のプライドはよく知ってるがなぁ、そんなモンのためにいらん無茶を身体にさせるんじゃねえっ!!この馬鹿野郎!!大馬鹿野郎っ!!」
バシバシと容赦なくお尻を叩き、叫ぶようにネド神父は言う。
「ってそんな馬鹿馬鹿言わないで下さいっっ!!」
何度も馬鹿呼ばわりされるのが耐えきれなくなったのか、思わずマルコ神父はそう叫ぶ。
 「わ・・私だって・・・自分の・・馬鹿さが・・情けないん・ですから・・・」
恥ずかしさに顔を赤らめながらマルコ神父は言う。
「おぃ、自分でも・・・馬鹿な真似してるってのは・・・わかってたのか?」
不意にお尻を叩く手を止めたかと思うと、ネド神父がそう尋ねる。
「そ・・それは・・・。多少は・・・でも・・・」
「デモもストもねえっっ!!!」
ビッダァァ~~~~~ンッッッ!!!
「ぐぅあああああ!!!!!」
また激しくお尻を叩かれ、マルコ神父は悲鳴を上げる。
 「うぅ・・ひぅぅ・・。ネ、ネド・・神父ぅ・・。ひぅ・・。お・・お願い・・です・・。ひぅく・・。も・・もぅ・・許して・・下さい・・。わ・・私が・・ひぃん・・。わ・・悪かった・・ですから・・・。は・・反省・・して・・ます・・・から・・・」
最初から容赦の無いお仕置きに身体もプライドも耐えきれないのか、マルコ神父は普段とは違って素直に許しを乞う。
「馬鹿野郎!!何言ってんだ!!」
激しく平手を叩きつける音と共に、再びネド神父が激昂しながら言う。
「ぐぁあああぅぅぅぅうう・・・・・」
マルコ神父は苦痛に表情を歪め、呻き声を漏らす。
 「反省すんのは当たり前だろうが!!」
「す・・すみません・・・・」
「それとも何か?謝りゃあ勘弁してもらえるとでも思ったのか?」
「そ・・そんなこと・・」
マルコ神父は思わず慌ててしまう。
そんなつもりは全くないからだ。
 「言ったはずだ・・。今日はちょっとやそっとじゃ勘弁しねえってな・・・」
そういうや、ゴソゴソという音が聞こえてくる。
(な・・何ですか・・?)
マルコ神父は音に恐怖を覚える。
もっと悪い事態になってしまったのはわかっていた。
 ヒュウンッッ・・・バアッジィィ~~~~ンッッッッ!!!
「うっわあああああ!!!!!!!!」
風を切る音と共にさらに強烈な痛みが襲いかかり、マルコ神父は背をのけ反らせて絶叫する。
(い、一体何で叩いたんですか!?)
思わず振り返ると、ネド神父の右手に握られた、長さ40センチ、金属製の定規が見えた。
 「ネ、ネド神父・・そ・・それは・・・」
恐怖に震えそうになるのを必死に堪えつつ、マルコ神父は尋ねる。
「見りゃわかるだろうが」
対して、ネド神父は冷ややかな口調でそう言う。
「だ・・だから・・何だって・・そんなもの・・持ってるんですか・・」
「決まってんだろ。今日はこいつで引っぱたいてやる」
ネド神父の返事にマルコ神父の顔から血の気が引く。
同時に、ネド神父が定規を振り下ろした。
 バッアジィィィィ~~~~~~~ンッッッッッ!!!!
ビダァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァンバァン~~~ッッッッッ!!!!
「ぐぁぁあああああああああ!!!!!!!!!」
定規打ちの嵐にマルコ神父の口から絶叫が上がる。
とても耐えきれないのだろう、マルコ神父は両脚をバタつかせ始めた。
 バァッジィィ~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバァンバアンバァンバアンバアンバアンバァンバアンバアンバァンバアンバアンバァンバアンバアンバアンバアンバァンバアンバアン~~ッッッッ!!!
「ひいっ!痛ああっ!痛ああっ!やめっ・・やめてっ!許して下さいっ!!」
強烈な定規打ちに耐えることなど出来ず、マルコ神父は必死になって許しを乞う。
「何言ってんだ!!お前にゃあまだまだ必要だろうが!!」
ネド神父はそう叫ぶや、容赦の無い定規打ちを降らせ続ける。
その後、長い間、激しく叩く音と悲鳴が響きわたった。


 「うぅ・・あくぅぅ・・あっううぅぅ・・・」
ボロボロと涙をこぼしてマルコ神父は泣いていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がっている。
いつもとは比べ物にならないお仕置きにすっかり疲れ果てているのか、ネド神父の膝の上でグッタリしており、全身汗でびっしょり濡れている。
 「マルコ・・・少しは・・反省したか?」
ネド神父は定規を振るう手を止めて尋ねる。
「し・・して・・います・・。ひぅぅ・・。ご迷惑・・かけて・・す・・すみません・・」
「反省はしてるようだな。いいだろう・・。だがな・・」
一旦言葉を切ったかと思うや、再びネド神父は定規を振り下ろした。
 バアッジィィィィ~~~~~~~ンッッッッッ!!!!!
「うぐぁぁぁああああああああ!!!!!」
油断していたところを思い切り定規で叩かれ、マルコ神父は絶叫する。
「今度またやったら・・最初から定規で百は引っぱたくからな。いいな?」
「わ・・わかり・・ました・・。に・・二度と・・しま・・せん・・」
マルコ神父がそう言うと、ようやくネド神父は定規を手放した。
 ネド神父がお仕置き終了を告げると、マルコ神父はいつものように膝から降りようとする。
だが、そのとき、不意にネド神父に抱き起こされた。
「ちょ・・!何するんですか!?」
抗議するマルコ神父を尻目に、ネド神父は膝の上にマルコ神父を座らせると思い切り抱きしめる。
抱きしめられるや、マルコ神父はネド神父の身体が震えていることに気がついた。
 「ど・・どうしたんですか?ネ、ネド神父?」
「こ・・怖かった・・・」
「え?」
突然、ネド神父が漏らした言葉にマルコ神父は怪訝な表情を浮かべる。
 「お前が・・・苦しそうな顔して・・・・倒れてるのを・・見つけたときは・・・。本当に驚いた・・・。病院で目を覚ますまで・・・気が・・・気じゃ・・・無かった。このまま・・・・お前が・・・死ぬかも・・・。そ・・そう・・思うと・・・本当に・・・恐ろしくて・・・たまらなかった・・・・・」
(こんなにも・・・・心配させて・・・しまったんですね・・・)
ネド神父が漏らすように言う言葉に、マルコ神父は罪悪感が沸いてくる。
 「お前の・・・プライドの高さは・・俺だってよく・・わかってる・・・。だがな・・・。くれぐれも・・・・無茶は・・や・・やめてくれ・・・。本当に・・・」
「私こそ・・・・怖い思いさせて・・・・すみません・・でした・・・」
ネド神父が本当に自分の事を心配していた事実に、さすがにマルコ神父も素直に謝る。
「わかってくれりゃあいいさ」
ネド神父はマルコ神父の言葉にホッとした表情を浮かべる。
「もう二度とするつもりはありませんよ。あ、ネド神父。目をつぶってくれませんか?」
「あん?何だよいきなり?」
マルコ神父の言葉にネド神父は怪訝な表情を浮かべる。
「いいから目をつぶって下さい」
「わかったわかった」
ネド神父は言われたとおりに目をつぶる。
 (ちゃんと・・・つぶってますよね・・・)
マルコ神父はネド神父が目をつぶっているのを確かめる。
しばらく、ジッと見つめたまま、ためらっているような様子を見せていたが、やがて意を決して自身の顔をネド神父の顔に近づけると、額にキスをした。
 「!!!???」
さすがにネド神父も驚いて目を開けてしまう。
「マ、マルコ・・・?」
「こ・・・今回だけですからね!!」
そういうや、マルコ神父はドアまで急いで下がる。
 「勘違いしないで下さいよ。べ、別にネド神父の事なんか好きじゃないんですから!!き、気の迷いなんですからね!!」
そういうや、脱兎のごとき勢いで出て行ってしまった。
 (マルコの方から・・・・キス・・キス・・・キス・・・)
信じられないが、微かに額に残る感触が、事実だと告げている。
普段の冷静さがまだ戻って来ないのか、ネド神父はアホの子のような表情を浮かべていた。
 (わ・・・私としたことが・・何て・・何て・・こと・・・)
急いで自分の部屋に戻って来るや、マルコ神父は羞恥で顔を真っ赤にする。
お仕置きの後、自分が感じた恐怖に身を震わせているネド神父の姿に、何故か居てもたってもいられなくなってしまった。
(だからって・・・何でキスなんか・・・・ああ~~~~)
とっさに自分がやったことにマルコ神父は頭を抱える。
 (本当に・・・ネド神父の事が・・好きに・・?そ、そんな馬鹿な!?だ、だって男じゃないですか!!そ、それに・・あんな・・意地悪で・・最低な・・・違う違う違う!絶対に違います!!)
必死にマルコ神父は否定しようとするが、そうすればするほど、却ってネド神父の姿がチラつく。
「ああああ~~~!!!一体何ですか~~!!」
苛立ちのあまり、マルコ神父はそう叫ばずにはいられなかった。


 ―完―
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