ボーマン先生のルシアシュ語り(SO2より:ルシ/アシュ、悪魔&神父パロ)
(SO2を題材にした二次創作で、ルシアシュ悪魔&神父パロです。許容出来る方のみご覧下さい)
はあ~っ・・・。今日も平和そうだなぁ・・。
おっ!こんちはってところかな?
まぁ知ってる奴も多いから、何を今さらって感じだろうが、一応自己紹介しとくな。
俺はボーマン・ジーン、ある街で診療所&薬局をやってる、医者&薬剤師だ。
ん?何で俺が話してるんだ?アシュトンやレオンに替われって?
おぃおぃ、そんなこと言うなって。
そりゃあこんなもっさい野郎の語りなんて聞きたくないだろうよな、悔しいけど。
世のご婦人方は俺よりディアスやアシュトン、あの悪魔みたいな美形連中の方が好きだろうからなぁ。
ってこのままじゃ話が脱線しっ放しだな。
まあとにかく、今日は何で俺がこんな話してるかっていうとな、俺の目から見た、アシュトンとあの悪魔についてのことを話せっていうことなんだよ。
まぁとにかく・・・そうだなぁ・・・何日か前の日のことでも話すとするかねぇ・・。
その日も、いつもとそんな変わらない日だったねぇ。
いつもみたいにうちに来る患者をその日も診てたんだよ。
いい陽気で平和だなぁと思ってたんだが・・・そのうち何だか待合室の方が慌ただしくなってきたんだ。
何だと思ったら、聞き覚えのある声がギャンギャン叫んで、患者やスタッフの怯えたような声まで聞こえてきたんだよ。
これでもうすぐにわかったよ、厄介な奴が来たなって。
いきなり乱暴に診察室のドアが開いたかと思うと、案の定、ズカズカと入り込んできたんだよ。
そう、俺の話を聞いてるお前さん方にはお馴染みの、あの悪魔、ルシフェルさ。
入って来るなり、ちょうど俺が診てた患者は、若いお姉ちゃんだったんだがな、まぁ結婚してなきゃあ俺が口説きたいくらいの美人だったよ。
ってここはオフレコな、ニーネにバレたら殺されるからな。
あの悪魔・・・ディアスばりに顔はいいからな、入って来るなり、診察してた患者が一瞬で目を奪われてポーッとしてたよ。
悔しくなるよなぁ、一目見ただけで世のお姉様方やご婦人方のハートを持っていっちまうんだからなぁ。
こういうときは美形連中を恨みたくなるねぇ。
まぁもっとも・・あいつの方は患者なんか目もくれてなかったね。
あの悪魔、知っての通り凄まじいアシュトンバカだからな。
「おぃ・・・。何だその嫌そうな顔は・・」
俺の顔を見るなり、あいつはムッとしながらそう言ったな、確か。
まあ自分では気づかなかったが、露骨に嫌そうな顔をしてたみたいだな。
そうなるのも無理は無いんだがな、あの悪魔のやってることを考えればな。
あの悪魔が俺のところに来る理由はたった一つ・・・すぐに想像はついたんだが、それでも一応尋ねたよ。
「何の用だってね?」
そうしたらあいつはこう言ったよ。
「ふん!そんなこと決まっているだろう!貴様には学習能力が無いのか!?さっさと往診鞄を用意して教会まで来い!!」
最初からわかりきっちゃいたんだけどな、さすがにムッとするな。
こっちは患者を診てるんだよ、普通だったら患者を診てからにしないとな。
だけど、あいつにはそういうのは関係無いんだよ、まあ俺の話聞いてくれてるお前さん方の方がよくわかってるだろうからな。
「そういうわけにはいかねえって。まだ患者診てるんだしな」
無駄なのは分かりきってたが、やっぱりこれくらいは言わねえとだし、ていうか言ってやりたかったよ。
ん?そうしたらどうなったって?
そりゃあ決まってるよ、あの悪魔、滅茶苦茶癇癪起こしたよ。
「ええい!つべこべ言わずにさっさと言う通りにせんか!建物ごと全て吹っ飛ばしてくれるぞ!!」
そんな恐ろしいこと言いながら、手に呪紋の光浮かべたんだよ、あいつ。
こうなりゃ俺だって逆らうわけにはいかない。
患者も驚いて、慌てて逃げだしちまったよ、もちろん待合室にいた全員もな。
ああ・・・今思い出しても・・・腹が立ちそうになってくるな。
あの悪魔が押しかけてきて、俺を往診に連れ出そうとするたんびに、患者が驚いて逃げるからなぁ。
そうなるとその後は一日閑古鳥状態になっちまうんだよ・・・。
おかげで結構大変なんだよな・・。
まぁそれはとにかく・・・こうなったらあいつの望み通りにしてやるしかないからな、往診鞄とか用意して、奴と一緒に教会に行ったよ。
「ええい!何を愚図愚図している!?さっさとせんか!こうしてる間にもアシュトンがぁぁぁ~~~~!!!!!」
俺が準備してるのを見ながら、イライラしながらそう叫んでたよ。
あんまりにもイライラしてるからさ、思わずそんなにイラついてると脳卒中にでもなるぞ。カルシウム不足なんじゃねえのか?とか言ってやろうかと思ったよ。
まぁそんなこと言わなかったけどな。
あいつにそんな冗談は通じないからな、特にアシュトンが絡むときは。
そんなことしたら・・・確か『滅びの風』とか言うんだったか?あいつの最強技であの世まで吹っ飛ばされるだろうからな。
早くしろ早くしろとせっつかれながら教会に行ってみたら、案の定アシュトンが具合悪そうな感じでベッドに寝てたんだよ。
まぁアシュトンに何かあったのは想像ついたよ、あいつが俺を呼ぶのは、アシュトンに何かあるときだけだからな。
「あああ~~!?大丈夫か!?アシュトンっ!?」
具合悪そうに寝てるアシュトンを見ると、あいつ、居てもたってもいられないって状態になったよ。
「もうすぐ、もうすぐだぞ!スケベ医者を連れてきたからな!」
そういうあいつの顔は、本当にアシュトンのことが心配でたまらないって感じだな。
まああいつの溺愛ぶりは今に始まったことじゃないけどな。
まあとにかく、患者を目の前にしたら、俺もやることはちゃんとやらないとな。
往診鞄から聴診器とか取り出して、診察を始めたよ。
まぁ、それは別にいいんだがな・・・。
「おぃ!どうなのだ!?まさか悪い病気にでも罹ったのではあるまいな!!」
じれったそうな顔しながら、しつこく隣でそんなこと叫びまくるもんだから、診察どころじゃないんだよ。
「おぃ・・・静かにしろよ。お前が傍でギャーギャー叫んでたら診察なんかまともに出来ないだろ。少しは落ち着けって」
「馬鹿者がぁぁぁ!!これが落ち着いていられるかぁぁ!?貴様、アシュトンが可愛くないのかぁぁ!!」
落ち着かせようとしたら、あの悪魔、逆ギレなんかするからたまんないってな。
この街のお姉さま方やご婦人方の中には、教会の不思議な間借り人ことこの悪魔のことを、クールな感じでカッコいいなんて思ってるのもいるそうだが、こいつの本当の姿を見せてやりたいよ。
「あのなぁ、お前が心配なのはわかるけどな。お前が騒いだってアシュトンがよくなるわけじゃあないだろうが?」
「く・・・」
「それよりアシュトンが心配だったら替えのタオルとか、水とか用意してやれよ。そっちの方がズッとアシュトンのためになるだろうが」
「ぐ・・ぐぬぅぅ・・!や・・やればいいのだろうが・・・!だが・・誤診でもしたら許さんぞ!!」
そう言い捨てると、ようやく出ていったよ。
ホッとしながら、俺は診察を再開したよ。
まあどうやらそんな大したやつじゃなかったよ、診察しながら、色々と聞き出してもみたんだが、春の大事な礼拝とか祝祭の準備なんかで色々忙しかったみたいでな。
それで、起きてる間だけじゃ無理だったらしいんで、あの悪魔の目を盗んで、こっそり徹夜とかしてたんだと。
連日徹夜で作業してたもんだから、無理が祟って倒れちまったみたいだな。
まあそれだから、ゆっくり休めば治るって言ってやったよ。
そうしたらアシュトンはホッとしてたね。
同時に、あの悪魔も戻ってきたよ。
「貴様!?どうなのだ!?」
入って来るなり、いきなり聞いてきたよ。
心配なのはわかるけどな、だからって大声はやめろって。
とにかく一旦あいつを部屋の外に連れ出して、診察結果を教えてやったよ。
過労で倒れただけだ、しばらくしっかり休めば治るって言ったら、あいつ、ようやく表情が和らいで、ホッとしてたよ。
よっぽど心配だったんだろうなぁ。
だが、その後、すぐに世にも恐ろしい顔になったな、こっそり徹夜して作業してたって話聞いたらな。
「何だと!?そんなことをしていたのか!!あれだけ徹夜など絶対にいかんといつも口を酸っぱくして言っているというのに~~~!!!???」
そう言ってるあいつは何だか全身から炎が燃え盛ってるように見えたよ。
「言いつけを破った上に、こそこそ隠れてばれないように徹夜だと!そんな悪い子に育てた覚えは絶対にないぞ!」
怒りながらそんなこと言ってたなぁ。
っていうかアシュトンだってお前に育てられた覚えはねえだろうよ。
だいたい『そんな子に育てた覚えは無い』って言葉は、俺やディアスが使うべき言葉だろうが。
あいつが使う言葉じゃねえだろ。
まあ診察は終わったし、薬もあらかじめ用意しておいた分で大丈夫そうだったから、取りあえずその日は帰ったよ。
だが、帰りながらも、アシュトンにご愁傷様と言いたくなりそうだったな。
あの悪魔、俺の診察結果を聞いたら滅茶苦茶に怒ってたからな。
無事に治った後は、絶対に泣かされるだろうからな、たっぷりとケツ叩かれて。
それから二、三日くらいして、またあの悪魔に半ば強引に連れてかれて教会へ往診に行ったよ。
もちろん、アシュトンの診察にな。
まぁ過労で倒れたんで、病気とかじゃなかったからな。
治るのも早かったな。
まぁあいつが俺に往診させたのはアシュトンのことが心配なのもあるんだろうが、別の理由もあっただろうからな。
もう大丈夫、しっかり治ってるってお墨付きが欲しかったんだよ。
案の定、もう大丈夫だって俺が太鼓判押したら、あの悪魔、雰囲気がガラリと変わったからな。
「ならばよかった・・さて・・・アシュトン・・・この馬鹿者がぁぁぁ!!!!」
思い切り叱られて、さすがにアシュトンもシュンとなっちまってたなぁ、見ててちょっとかわいそうになるくらいに。
「うぅ・・。ごめんなさい・・・」
「『ごめんなさい』ではない!突然倒れてどれほど心配したと思っている!?それに・・・どうやら私の言いつけを守っていなかったようだな?」
「あ・・あぅぅ・・・」
あいつのいう一言一言に、怯えたみたいな顔したよ、アシュトンは。
無理も無いんだろうがな。
さすがに、俺も気を利かせたつもりじゃあないけど、部屋から出てったよ。
とはいえ、ドアの前に陣取って、あいつがやるはずのお仕置きの様子を見てたけどな。
そりゃあ、いつもはそんな覗きなんてやらないからな。
でもまぁ、お前さん方が一番聞きたいのは、あいつとアシュトンのお仕置きのことだろ?
そうなりゃ見るしかないからなぁ。
とにかく、ドアの隙間からこっそり様子を見てたんだが、まぁかわいそうなくらいシュンとしてるよ、無理も無いけどな。
怖くてたまらないから、しばらくは立ったまま顔色伺ってたけど、あの悪魔が許すわけもねえし、それより心配かけたって自分でもわかってるから、素直に膝にうつ伏せになったんだよ。
いつも思うけど、本当にスゴイし、エライよ、アシュトンは。
考えてみろよ、アシュトンって二十歳(はたち)だぜ?
幾ら自分が悪いって思ってたって、尻叩きだなんて言われて、はいそうですかって素直に受けられやしねえだろ?
抵抗するとか逃げるとかしたっておかしくねえよ。
それなのに、いつも素直にお尻出せるんだからなぁ、本当にいい子だよ。
まあ素直に膝に載ったけど、やっぱり怖いんだろうな、震えてるよ。
でもあいつは、それにはお構いなしに、慣れた手つきで、神父服の裾を捲り上げて、下着ごとズボンも降ろしたよ。
当然、アシュトンのお尻はむき出しさ。
それにしても・・なんつうか・・・綺麗なお尻だよなぁ。
形もいいし、雪みたいに白いし。
まあアシュトン自身、本当に男かって思うほどキレイだけどな。
ああ見えても男だから身長180センチあるんだが、そうとは思えないくらいすらりとした感じだしな。
ああヤバ・・・何か妙な気持ちになりそうだ・・ってこんなこと言ったらニーネに殺される!
とにかくそれは置いといて・・・アシュトンの尻を出したかと思ったら、今度は膝を組んだよ、あいつ・・・。
やっぱりかなり怒ってんだなぁ、膝を組むと叩かれる方にとっちゃ凄く痛く感じるからな、それだけお仕置きがきつくなるんだよ。
まあお前さん方にはもうわかってるだろうけどな。
今にも泣き出しそうな表情してるけど、無理も無いな。
でも、それでも逃げ出したりしないのが本当に凄いな、レオンだったら間違いなく逃げるか暴れるところだろうしな。
「では行くぞ・・・。覚悟はいいな?」
アシュトンを左手で押さえると、あの悪魔、そんなこと言ったな。
覚悟は決めてるから、アシュトンも素直に頷いて、ベッドのシーツ掴んだよ。
それを見ると、あいつはゆっくりと右手を振り上げたんだ。
ビッダァァァァ~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッッッ!!!!
「うっわあああああんんんんんんん!!!!!!!!」
最初に滅茶苦茶痛そうな一発を叩き込んだかと思うと、次は平手の嵐だ。
神父とはいえ、ディアスにも負けず劣らずの剣士だから、アシュトンって痛みには強いんだよ、本当は。
でも、あんな平手打ちの嵐叩き込まれたら、耐えられるわけがない。
大泣きするのも無理は無いって。
っていうか、まだお仕置きが始まったばかりだってのに、もう尻全体が薄めの赤に染まってんだぞ。
優男に見えるけど、悪魔だから人間なんかよりずっと力があるのかもしれねえな。
「この・・・馬鹿者がぁぁぁぁ!!!!」
ビッダアァ~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~!!!
「うわぁぁぁあんんんん!!!痛ぁぁぁぁいいいいい!!!!!!」
うっわぁ・・・すっげぇな・・。
アシュトン、大泣きな上に両脚バタつかせてるじゃんかよ。
っていうか、あの野郎、幾ら怒ってるからって、感情的になりすぎだろうが。
あっという間に手形が何重にも重なって尻がますます赤くなっていくな。
「こっそり私に隠れて徹夜だとぉぉぉ!!!??何を考えているのだぁぁ!!」
「ひぃん・・。だ・・だってぇ~~。どうしてもやっとかなきゃいけなかったんだよぉぉぉぉぉ・・・」
「それでどうなったぁぁ!?体調を崩して倒れてしまったではないかぁぁ!!どれだけ心配したと思っているのだぁぁぁ!!??」
さすがに容赦ねぇなぁ、フルスロットルって感じで叩きまくってるよ。
俺だって格闘には自信があるから何十発でも打てるけどよ、ああはそういかねえよ。
まあそれより何より、マジギレって感じだな。
見てるこっちにも鬼気迫るってやつだ。
まああいつの気持ちもわからなくはないけどな。
倒れたりすりゃあ誰だって心配するしな。
でもよぉ、だからっつってやり過ぎじゃねえか?
もう尻、ワインレッドになっちまってるぞ。
「しかも・・しかも・・・いつもいつも徹夜などしてはいかんとあれほど厳しく言っているだろう!何のために誓いまでさせたと思っているのだ!?」
そうなんだよなぁ、もともとあいつがどうして魔界くんだりからアシュトンのところに来たかっていうと、アシュトンの生活態度を正すためなんだよなぁ。
アシュトンは確かに真面目でイイ奴なんだが、それだけに前は結構徹夜して仕事とかってことも多かったからなぁ。
それを見かねて、まぁベタぼれしたからってこともあるんだが、押しかけ居候になったからなぁ。
だから、生活態度のことには滅茶苦茶厳しいんだよな、あいつ。
「ひぃぃぃんっっっ!!ごめんなさぁぁいいいい!!!反省してるからぁぁ!!許してぇぇぇ!!ごめんなさぁぁいいい!!!」
両脚バタつかせながら必死になって謝ってんなぁ、まあ無理もねえけど。
もう尻は倍くらい腫れ上がってるしなぁ、あいつも勘弁してやりゃあいいのによ。
「馬鹿者ぉぉぉぉ!!!『ごめんなさい』は当たり前だろうが!今日は本気で怒っているのだぞ!」
そう叫びながら、何か取りだしたな。
って・・あいつの愛用の特製パドルに鞭かよ。
あっちゃあ~、こりゃあ地獄だわ。
案の定、アシュトン顔から血の気が引いてるよ。
まぁあいつが膝組んだ時点で、平手のお仕置きだけで許してやるとは思ってなかったけどな。
パドルだけじゃなくて鞭とはな、こりゃあマジギレどころじゃないな。
ビッダァァァ~~~~ンッッッッ!!!
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~!!!
「うわあああんっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい~~~~~~~!!!!!!!!」
あらら・・・・もう絶叫って感じだな。
パドルなんかで叩かれたら痛いなんてもんじゃないだろうしな・・・。
本当に苦しいんだろうな、両脚どころか、全身で、それこそまな板の上の魚って感じで暴れまくってるよ。
あれだけ暴れたら、さすがに俺だって押さえきれねえぞ。
でも左腕だけでしっかりと押さえ込んでやがる。
大人で、しかも剣士なアシュトンだぞ。
腕一本でしっかり押さえちまうなんて、やっぱり人間じゃねえんだなぁ、あいつ。
まぁあれだけ叩かれてんのに、まだあんなにももがける体力があるアシュトンも凄いけどな。
相変わらずのハイペースで叩きまくってっけど・・・ん?どうやらパドルを振り下ろすのを止めたなぁ。
アシュトンもホッとしてハァハァ一息ついてっけど・・・すげぇ顔だな。
涙と鼻水で完全にグショグショになってるし、ボロボロ泣きじゃくって必死に謝ってるよ。
もういい加減に許してやりゃあいいのによ、でもあいつ、まだ許してやらねえって顔してるな。
ああ、やっぱりそうだ、まだ勘弁してやらねえんだ。
パドルは離したけど、今度は鞭を取ったよ。
ヒュウンッ!!
ビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシィィィィィ!!!!
「!!!!!!!!!!」
うっわ・・・すっげぇ・・。
痛すぎて声にならねえんだ。
もう痛いどころじゃねえな。
口パクパクさせながら、両脚動かしたり、身体を強張らせてるだけだ。
普段過保護で甘やかしまくってんのが嘘みたいだよな。
本当に同じ人物かって思いたくなるぜ・・・。
これじゃあレオンやディアスが虐待魔なんて不名誉なあだ名つけるのも無理はねえよなぁ・・・・。
「ひぃん・・ごべ・・ごべんな・・じゃあひ・・・ごえんびゃ・・なざぁいい・・」
あららら・・・あんまりにも叩かれすぎて、呂律が全然回らなくなっちまってるよ。
尻はもう三倍くらいに腫れちまってるし、表面は蚯蚓腫れで埋め尽くされてるわ、触ったら絶対火傷しそうなくらい熱くなってるな、ありゃあ。
さすがにあいつもそろそろ勘弁してやろうって思ってるんだろうな、鞭を振るう手を止めて聞いてるよ。
「反省したか?」
「しでるぅぅ・・・じでる・・だらぁぁ・・・。心配・・かげでぇぇ・・。約束・・破ってェェ・・ごへんじゃ・・ざじゃいい・・・」
「よし・・・わかっているようだな・・」
お、あいつの顔が優しくなったぞ。
許してやる気だな。
でも・・このパターンだと確か・・あっ!やっぱり振りあげたかと思うと、思い切り引っぱたきやがった。
かわいそうに・・・・。
油断してるところ叩かれたもんだから、痛いなんてもんじゃねえぞ。
「だが・・もしまたやりおったら・・今度はこんなものではすまさんぞ!今日の倍は叩いた上にお灸も据えるぞ!いいな!」
うわぁ・・・厳しいなんてもんじゃねえな・・。
だいたい今日のだって十分どころかやり過ぎだろうが。
今日の倍叩いた上にお灸まで据えたら、虐待になるぞ?
「に、二度としませぇぇん!!!約束しますぅぅぅ!!!ごめんなさぁぁぁい!!!」
さすがにアシュトンも必死だよ。
やっと許してやったみたいだな・・・。やれやれ・・・見てるこっちの方が心臓に悪いぜ。
「痛・・・痛ったぁぁ・・!!」
「わ、悪い。沁みるか?」
薬塗ってやりながら、つい聞いちまったよ。
「おぃ!貴様!優しくやらんか!」
あれだけ叩いたのはどこ吹く風って感じで、あの悪魔、そんな風に文句つけてきたよ。
「おぃおぃ、お前さんが叩きすぎるから悪いんだろうが」
無駄なのはわかってるがな、ついそう言っちまったよ。
「何を言うか~!悪い子だったから躾けただけだろうが!!」
心外だって言わんばかりに、そんなことのたまったよ、あいつの中ではこれも躾の範囲なんだよな。
だからレオン達に虐待魔って言われんだよ。
まあこんなこと言っても通じねえし、あいつに滅びの風くらわされるのがオチだから言わねえけどな。
「アシュトン・・大丈夫か?」
自分でやったのを忘れたかのように、心配そうにあいつはアシュトンに聞いたよ。
「う・・うん、大丈夫。ちょっと・・痛いけど・・。それより・・・心配させちゃってごめんね」
尻が痛すぎて辛いだろうに、アシュトンは自分が悪いって顔してあいつに謝ったよ。
ったく・・・人が良すぎなんだよなぁ。
幾らお仕置きだって言ったって、こんだけ叩かれりゃあ恨みごとの一つも言いたくなるもんだろ?
でもアシュトンはそんなこと思わねえんだよな、それどころか自分が悪かったって思うんだよ。
「わかってくれればよいのだ。そうだ!今夜の夕飯はお前の好物のハンバーグにしよう!せっかくだから特製だ!そうと決まれば善は急げだ!食材を買ってこねば!!」
一人でそんなこと言ったかと思うと、あれよあれよって間に出てっちまったよ。
「ったく・・相変わらず一人で色々突っ走ってんなぁ・・」
「そ・・そうですねぇ・・・」
さすがにアシュトンも苦笑せずにはいられなかったみたいだな。
「なぁ・・・自分でも時々思わねえか?何であんなやつと一緒に暮らしてるんだって?」
手当てしながらつい聞いちまったよ。
「そ・・そうですねぇ・・。時々は・・・考えちゃいますねぇ」
やっぱりか、そうだよなぁ、普通は。
「でも・・・僕の事・・・本当に大切に思って・・愛してくれてるのはわかりますから。確かに・・ルシフェルのお仕置きは・・痛いし・・怖いし・・辛いですよ。でも・・・僕の事本当に大事に思ってくれてるから、叱ってくれるんですよ。それはボーマンさんだって同じでしょう?」
はは、こりゃあ一本取られたな。確かにそうだ。
俺も、こう見えてもアシュトンのお仕置きをしたことはあるからな。
アシュトンが大事だからこそ、お仕置きをするっていうのはわかるな。
「だから・・・すごく・・痛いですけど・・。でも・・その分・・・愛されてるのは感じられます。痛いし・・辛いし・・嫌だけど・・でも・・・嬉しいです。愛してくれてるって、感じられるから」
あらら~、逆に惚気られちまったな。
まあお幸せにな。
まぁ、こんなところかねぇ。
少しは楽しんでもらえたかい?
それじゃあ今日はこの辺でな。
今日も患者が待ってるからな。
お前さん方も身体には気をつけろよ。
―完―
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