闘技大会(SO2より:ディ&ルシ/アシュ、悪魔&神父パロ)



(SO2を題材にした二次創作で、悪魔&神父パロです。許容出来る方のみご覧下さい)


 ビュンッ!ビュンッ!ビュンッ!
空気を切り裂く鋭い音と共に剣が振り下ろされる。
ディアスが黙々と素振りをしていたときだった。
「ディアスさーん」
聞き慣れた声に思わず振り返ると、アシュトンが風呂敷包みを提げてやって来るのが見えた。
思わずディアスは優しい笑みを浮かべかけるが、ピッタリとついてきた人物の姿に表情が険しくなる。
 「どうしたんだ、アシュトン?」
「ちょうどお昼だし、そろそろお腹減ってくる頃じゃないかなって思って。それでお弁当用意してきたんですよ」
「そうか。それは済まなかったな。だが、大丈夫か?あいつの嫉妬はかなりひどいだろうに?」
ルシフェルの嫉妬深さとそこから来るお仕置きの凄さはディアスもよく知っているから、自分のせいでアシュトンがまた叩かれるのではないかと、思わず心配になる。
 「確かに嫉妬とか凄いですけど、でもディアスさんも僕にとって大事な人なのはルシフェルも本当はわかってくれてますし。だから大丈夫ですよ。それより・・・闘技大会頑張って下さいね!絶対応援に行きますから!!」
アシュトンは意気込んで言う。
 ファンシティでまた大きな闘技大会が開かれるため、ディアスが出場するために街にまた帰ってきていた。
ここで素振りをしているのもそれに向けてである。
もっとも、毎日の日課なので、特に大会があるからというわけでもないのだが。
「ああ。お前のためにも・・・全力を尽くそう」
「それじゃあ僕はもう帰らないと。頑張って下さいね!」
アシュトンはそう言うと、教会へと帰っていった。


 大会当日の朝・・・・・。
「うぅぅ~~~~っっっ!!!」
アシュトンは悔しくてたまらないと言いたげな表情で呻いた。
 「おぃ!大丈夫なのだろうな!?」
ベッド脇では、ルシフェルが噛みつかんばかりの形相でボーマンに尋ねる。
「静かにしろって。大丈夫だよ。熱は高めだが、普通の風邪だ。しっかり休ませれば大丈夫だよ」
「そうか・・・よかった・・・・」
ホッとするルシフェルとは対照的に、アシュトンは悔しそうにボーマンに尋ねる。
 「ボーマンさぁん・・。それじゃあ・・闘技大会・・行けないんですか?」
「そいつは無理だ。残念だけどな」
「そ・・そんなぁぁ~~~っっ!!ディアスさんの・・応援・・したかったのに~~!!」
アシュトンは悔し涙を流す。
 「うぅ・・こ・・こうなったら・・・」
「馬鹿者っ!何をしているのだ!!」
無理に起き上がろうとするアシュトンをルシフェルは慌てて止める。
「馬鹿っ!無茶して応援に行くつもりかよ!」
「だ・・だって・・・絶対に・・行くって・・言ったのにぃ・・・」
「そんな身体で応援に行ったって、却ってディアスに心配させるだけだろうが!そうしたら勝てる試合も勝てなくなっちまうだろ!!」
「う・・うぅ・・・」
ボーマンの言葉にアシュトンは涙を流す。
 「アシュトン・・・悔しいだろうがとにかく今は休むのだ。そうしなければずっとこのままだぞ?」
「わ・・わかったよ・・・うぅう・・・・」
ルシフェルの言葉に渋々ベッドに横になるアシュトンだったが、その顔には未練や悔しさがありありと浮かんでいた。
 それからしばらく経った頃・・・。
「アシュトン!おじやを用意したぞ!」
ルシフェルは声を上げて部屋に入るが、入るなり、おじやを載せたお盆を取り落としてしまった。
 「な・・な・・な・・・」
目の前の状況にルシフェルはまともに言葉も出ない。
いつの間にか、ベッドは空っぽ、窓は開けっぱなしという状況になっている。
慌てて窓に駆けつけて庭の土を見てみれば、靴の跡。
さらに私服も無くなっている。
(病気をおしてファンシティに行ったのか!?)
そのことに気づくや、ルシフェルは顔から血の気が引く。
「こうしてはおれんっっ!!!」
慌ててルシフェルは紅翼を広げると、窓から飛び出し、ファンシティ目がけて一目散に飛んで行った。


 「ディアス、調子はどうだ?」
控室で静かに試合を待っていると、ボーマン達が様子を見にやって来た。
「まぁまぁというところだ」
「そうか。まあお前さんのことだから大丈夫だろうな」
「さぁな・・。それより・・・アシュトンの姿が無いようだが・・?」
ディアスやアシュトンがいないことに怪訝な表情を浮かべる。
 「ああ、それなんだけど、アシュトン急病なんだよ」
クロードが言いにくそうに言う。
「何?大丈夫なのか?」
ディアスは思わず心配そうな表情でボーマンに尋ねる。
 「大丈夫だ。ただの風邪だしな。あいつが今頃面倒見てるよ」
「そうか・・・」
ディアスは安心しつつも複雑な表情を浮かべる。
ルシフェルの事だ、これ以上ないくらい至れり尽くせりな看病をしているだろう。
だからアシュトンのことは確かに安心だ。
 しかし、アシュトンの『お兄さん』という立場にしてみれば、ルシフェルに可愛いアシュトンを一人占めされているようで、何だか面白くない。
大人げないとは思いつつも、そんな感情を抱かずにはいられなかった。
 「おぃおぃ。アシュトン取られて悔しいのはわかるけどな。負けちまったら目も当てらんねーぞ。アシュトンだって今頃お前さんの勝ちを祈ってるんじゃねーのか?」
「そうだな・・・。ここで負けたらアシュトンに顔向け出来んな・・・」
「その意気だ。思い切り戦って・・勝ってこい。アシュトンのためにな」
「わかっている・・」
「ディアス選手!出番です!」
不意に大会スタッフが現れると、ディアスにそう告げる。
それを聞くと、ディアスは試合場へと赴く。
クロード達も観客席へ戻っていった。
 「おい!ここにいたのか!?」
観客席へ戻って来たクロード達は、突然の聞き慣れた声に思わず振り返る。
すると、全身汗だく、荒い息を吐いているルシフェルの姿があった。
 「あれ?虐待魔じゃないか?何しに来たのさ?」
レオンは突然現れたルシフェルに怪訝な表情を浮かべる。
「誰が虐待魔だ!それより・・・貴様ら!アシュトンを見ていないか!?」
「アシュトンに何かあったのかい?」
クロードはルシフェルのただならぬ様子にそう察して尋ねる。
「私の目を盗んで教会を抜け出しおったのだ!!」
「な・・・何だって!?」
ルシフェルの言葉に全員驚いた。
 「絶対ここに来ているはずだ!病気を押してでも来たがっていたからな!!」
「わ、わかった。俺達も探そう。クロード、レオンと一緒に探してくれ!」
「わかりました」
「俺はノエルと一緒に探す。見つけたらすぐ知らせるんだぞ」
互いにそういうと、それぞれ分かれてアシュトンを探し始めた。


 「う・・・うぅう・・・」
目立ちにくい観客席の奥まった片隅の席。
そこにアシュトンの姿があった。
アシュトンは苦しげな表情を浮かべ、自身を抱きしめるかのように、両腕を回して悪寒に震える自身の身体を押さえつけている。
(マズいよ・・・。だんだんひどくなってきちゃった・・・・)
そのことにアシュトンは焦燥に駆られる。
(お願いだからディアスさんの試合を見届けるまではもって!!)
必死にアシュトンが自身に言い聞かせる中、ディアスの名がアナウンスされる。
ハッとしてアシュトンが顔を上げ、眼下の闘技場を見やると、選手用入口からディアスが姿を現した。
 (ディアスさん・・・・)
アシュトンは心の中でディアスの名を呼び、食い入るようにディアスの姿を見つめる。
やがて別の名前がコールされ、今度は対戦相手が出て来た。
 対戦相手とディアスは互いにジッと睨みあったかと思うと、互いに勢いよく駆け出した。
刃と刃がぶつかり合い、甲高い音が幾重にも響く。
互いに一進一退の攻防を繰り広げる中、ディアスのケイオスソードが決まり、相手が倒れる。
司会者がディアスの優勝を宣言し、スタッフがディアスに優勝賞品を引き渡すのを見ると、アシュトンは安堵の息をついた。
 「ここにいたのか」
(え・・・?)
聞き覚えのある声にアシュトンはハッとして振り返る。
すると、そこにはルシフェルの姿。
 「ル・・ルシフェル・・!?ど・・どうし・・・」
「どうしてだと?決まっているだろう!お前が抜け出したのを見つけてすぐに来たのだ。抜け出してでも行こうとするところなど、ここしか考えられんからな」
ルシフェルの言葉にアシュトンはどんどん顔から血の気が引いてゆく。
 「さぁ・・とにかく帰・・・ど・・どうした!?」
ルシフェルが驚いた表情を浮かべたのを気づくと同時に、アシュトンは視界が暗くなるのを感じる。
(しま・・・・)
ルシフェルが呼びかける中、アシュトンの意識は暗闇の奥底へと沈んでいった。
 目を覚ましたアシュトンの目に飛び込んで来たのは、皆の安堵の表情だった。
「目が・・覚めたのか・・・」
「あれ?み・・皆?どうして?それに・・ここは?」
「ファンシティの宿屋だよ。アシュトンが倒れたのを見つけたから、ここに宿を取って休ませたんだよ」
「そ・・そうだったんだ・・。面倒・・かけちゃって・・ごめんね」
「それくらい構わんさ。とにかく・・今はゆっくり休むこった」
「す・・すいません・・」
アシュトンはそう言うと、そのまま再び眠りについた。


 それから数日後・・・・。
(悪いこと・・・しちゃったなぁ・・・・)
先日の事を思い返し、アシュトンは疾しさや罪悪感で一杯になる。
そのとき、不意にドアをノックする音が聞こえた。
 「はーい、いるよー」
アシュトンが返事をすると同時に、ドアが開いたかと思うと、ルシフェルが入ってきた。
「ルシフェル、どうかした?」
「うむ・・。お前に大事な用があってな・・・」
「用?」
「うむ。とにかく私の部屋まで来てもらうぞ」
そういうと、ルシフェルは自分の部屋へアシュトンを連れてゆく。
部屋に入ると、ディアスの姿もあった。
 「あれ?ディアスさんも来てたの?」
「ああ・・・。俺も大事な話があってな・・・・」
「そ・・そう・・・」
二人の雰囲気にアシュトンは押されたような感じになる。
 「そ・・それで・・話って・・何なの?」
「それはもう察しがついているのではないか?」
ルシフェルの言葉にアシュトンは思わず表情が強ばる。
「も・・もしかして・・闘技大会の・・こと?」
「そうだ・・。アシュトン・・この・・馬鹿者がぁぁぁ!!!!!」
思い切りルシフェルに怒鳴られ、アシュトンは思わず身を縮こませる。
 「ご・・ごめん・・なさい・・・」
「ごめんなさいではないだろう!!あんな身体で無茶をしおって!」
反論できず、アシュトンは黙るしかない。
 「アシュトン・・・。あんな真似を仕出かした以上・・・覚悟はいいな?」
「や・・やっぱり・・・お仕置き・・?」
恐る恐る尋ねるアシュトンに、ルシフェルは当然といわんばかりの表情で答える。
「当たり前だろう!何のために地鶏剣士までいると思っているのだ!」
(や・・やっぱり~~~~!!??)
ルシフェルの言葉にアシュトンは顔から血の気が引く。
 いつもだったら、ディアスとルシフェルがいれば騒がしいことになりかねない。
にも関わらず、今日は一緒にいて険悪な気配が全くない。
それはディアスも怒っていて、お仕置きをするつもりだということ。
 「さぁ、わかっているな?」
ディアスはベッドの上に腰を降ろすと、膝を軽く叩いて合図をする。
「は・・はぃぃぃ・・・・」
アシュトンは今にも泣きそうになりながらも、大人しくディアスのもとへやって来ると、膝にうつ伏せになった。
アシュトンが膝に乗ると、ディアスは神父服の裾を捲り上げ、ズボンを降ろしてお尻をあらわにする。
 「アシュトン・・・」
「は・・はいっ!!」
恐怖で飛び上がりそうになるのを堪えながら、アシュトンは返事をする。
「今日は俺も怒っているからな。だから・・・今日はたっぷりと泣かせるぞ」
その言葉にアシュトンは恐怖に全身が震える。
ディアスは左手でアシュトンの身体をしっかりと押さえると、ゆっくりと右手を振り上げた。


 バアッシィィ~~~ンッッッ!!
「い・・いったぁぁ・・・・」
甲高い平手打ちの音と共にアシュトンは苦痛の声を漏らす。
 バアッシィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!バッアァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!
「ひぃん・・!痛っ・・!痛あっ・・!やあっ・・!」
一打ごとにお尻に赤い手形が浮かび、それが幾重にも重なってアシュトンのお尻を赤く染めてゆく。
 「全く・・・お前は何を・・考えているんだ・・・・」
冷静な、だが怒っているのが明らかな声でディアスはお説教を始める。
バアシィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!バッアァ~ンッ!バッジィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!
 「ひぃん・・・。ごめんな・・さぁい・・・。だってぇ・・・どうしても・・・ディアスさんの・・・応援に・・行きた・・かった・・からぁ・・・」
ビッダァァァ~~~~~ンッッッッ!!!
「うわぁぁああああ!!!!」
思い切り叩かれ、アシュトンは背をのけ反らせて絶叫する。
 「馬鹿!だからってこんな無茶な真似をするんじゃない!!」
ディアスは冷静さをかなぐり捨てて思い切り叱りつける。
「いいか・・・。応援に来てくれた・・・お前の気持ちは・・確かに・・嬉しい・・・。だが・・・・病気を押して無理やり来たなど・・話は別だ!そんなことを・・して・・もっと大変なことになったら・・どうする気だ!前にも・・言っただろう!自分の身体は大事にしろと!そんな無茶をしてまで・・・来てもらっても・・・嬉しくは無い!却って・・心配で・・たまらないだけだ!!」
「ご・・ごめんな・・さぁぁい・・・」
心底からの反省の声に、ディアスは一旦お尻を叩く手を止める。
 「反省してるか?」
「し・・してるよぉ・・・。心配させて・・ごめんなさぁぁい・・」
「そうか。なら・・・・最後に思い切り厳しいお仕置きをするぞ。いいな?」
「う・・うん・・・」
アシュトンは頷くと、ほんのり赤くなっているお尻を叩きやすい位置にもってゆく。
それを見ると、ディアスは再び手を振り上げた。
 バアッジィィィィィ~~~~~~ンッッッッッ!!!!!
ビッダァァァァァァァ~~~~~~ンッッッッッ!!!!!
バッアァァァァァァァ~~~~~~ンッッッッッ!!!!!
ビダッアアアァァァ~~~~~~ンッッッッッ!!!!!!
ビバッジィィィィィ~~~~~~~ンッッッッッ!!!!!
「うわぁあああんんんん!!!痛ぁああいいいい!!!!ごめんなさぁぁぁいいい!!!!!!」
泣き叫びながらアシュトンが謝ると、ようやくディアスはお尻を叩く手を止めた。
 ディアスは手を止めると、アシュトンを抱き起こし、膝に座らせて抱きしめる。
「うっ・・うっ・・・痛ぁぁ・・・・」
「よしよし・・・。痛かっただろう・・・・」
ディアスは優しい声でそう言うと、アシュトンのお尻を撫でてやる。
 「すまん、痛い思いをさせて・・・。だが・・お前の事が・・・本当に大事で心配なんだ・・・。それだけは・・わかってくれ・・」
「うん・・。僕こそ・・無茶して、心配かけて・・・ごめんなさい・・・・」
「わかってくれればいい・・・」
「おぃ・・・いつまでそうやってグダグダと話しているのだ!!」
ルシフェルが苛立ちながら、二人に割って入る。
 「まさか・・・お前からも・・・お仕置きをするつもりか?」
ディアスはアシュトンを抱きしめながら、ハッとした表情で問いかける。
「当たり前だろう!お前とて今回のアシュトンが悪い子だったのは認めているのだろうが?」
「そ・・それは・・・」
ディアスは思わず言葉に詰まる。
 「だったらアシュトンを渡さぬか!二度とこんな真似させんように厳しくお仕置きしてやる!!」
「だが・・充分だろう?もうこれくらいで・・・」
「何をいうか!お前達がそうやって甘すぎるからまたアシュトンがお仕置きされるようなことをするのだろうが!!さっさと渡さんか!!」
「そうは・・いかん!!」
ディアスはそういうと片手でアシュトンを抱き抱えて剣を構える。
 「貴様!やる気か!?」
「これ以上・・・アシュトンを叩く気ならな・・・」
(ままま、マズイよ~~!?このままじゃ喧嘩になっちゃう・・・)
アシュトンは慌ててしまう。
 「ま・・待って!待ってよ、ディアスさん!」
アシュトンは必死に呼びかける。
「ディアスさん・・お願いだから・・・・ルシフェルのところに・・行かせて・・」
「アシュトン・・・。だが・・その・・お尻で・・・」
ディアスは心配でならないといった表情を浮かべる。
アシュトンのお尻は既に十分すぎるくらい真っ赤に染まってしまっている。
 普段、アシュトンにお仕置きをするなどとんでもないと思っている自分だって、怒ってこんなに叩いたのだ。
常日頃、アシュトンに容赦ないお仕置きをしているルシフェルなら、今回は相当なものになるだろう。
一週間はまともに座るのも辛いというような目には遭わせたくない。
 「いいんだ・・・・。ディアスさんの気持ちは嬉しいけど・・。でも・・・皆を心配させちゃったのは・・僕だから・・。だから・・・ちゃんと・・・ルシフェルにも謝りたいから・・・。だから・・・お願い・・・ディアスさん・・」
「わかった・・。お前が・・そこまで言うのなら・・・・」
ディアスはそういうと、アシュトンをルシフェルに引き渡す。
ルシフェルはアシュトンを抱きよせると、慣れた手つきで膝の上に載せ、膝を組んで赤く染まったお尻を突き上げる体勢を取らせる。
 「うぅう・・・・・」
覚悟はしていたが、それでもルシフェルの本気のお仕置きを示す行為に、アシュトンは思わず全身を震わせる。
 「貴様、何をしている?」
不意にルシフェルはディアスを睨みつけながら問いかける。
ディアスがアシュトンの傍に座ったかと思うと、アシュトンの手をしっかりと握りしめたからだ。
 「これくらい・・構わないだろう?アシュトン・・・俺がついているからな・・」
ルシフェルはムッと押し黙ったまま、ディアスを睨みつける。
だが、ディアスも一歩も引かずに睨み返す。
 「ふん・・。いいだろう・・。今回だけは・・・譲歩してやる・・・」
絶対にアシュトンの傍にいて、心を支えようというディアスの決意に折れたのか、ルシフェルはそう言うと、いつものようにパドルと鞭を用意する。
 「アシュトン・・・。今日は本気の本気で怒っているからな・・・。だから・・手でなど叩いてやらんからな。いいな?」
「は・・・はぃぃぃ・・・」
ルシフェルの言葉に、言葉を震わせつつアシュトンは返事をする。
「それと・・・本来ならお灸もするところだが・・・今日は地鶏剣士の分もあるからな。それだけは許してやる・・・。ただし・・・一番奥・・・蕾の部分を鞭で何度か叩くぞ。いいな?」
「わ・・わかった・・・よ・・・」
本当は怖くてたまらないが、悪かったのは自分自身と必死に言い聞かせて返事をする。
それを見てとると、ルシフェルはゆっくりとパドルを振り上げた。


 ビッダァァァ~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~!!!!
「うっ・・・わぁぁあああああんんんんんん!!!!!」
最初から容赦の無いパドルの嵐に、アシュトンは絶叫する。
 バアッジィィィ~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~~ッッッッ!!!!!
 「わあああんっ!痛っ!痛ぁぁぁ!!痛いよぉぉぉ!!!」
アシュトンは両脚をバタつかせながら泣き叫ぶ。
「この・・・馬鹿者がぁぁぁ!!!!」
ルシフェルは怒りでゆでダコのように全身を真っ赤にしながらパドルを振り下ろす。
「病気を押してファンシティに行くだと!?何を考えているのだぁぁ!!」
額に青筋を浮かべながら、ルシフェルはお仕置きと同時にお説教をする。
 「ひぃん・・・。だ・・だってぇぇ・・。ディ・・ディアス・・さんの・・応援・・行きたかったぁぁ・・・んだよぉぉ・・・」
「それが理由になるかぁぁ!!あんな身体でいきなりいなくなる!!どれだけ心配したと思っているのだぁぁぁ!!」
「ごめんなさぁぁぁいいい!!二度としませぇぇんん!!」
「当たり前だぁぁぁ!!まだまだこんなものでは許さんっっ!!」
ルシフェルはそう叫ぶや、今度は鞭を取る。
 ビシイィィィィィィィィ!!!
ビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシィィィィィ!!!
「うわあああっっ!!うわぁぁぁんんんんん!!!!!」
既に真っ赤なお尻に蚯蚓腫れがこれでもかといわんばかりに刻みつけられ、アシュトンは両脚をバタつかせながら絶叫する。
 「くぅ・・・・・・」
その隣で、ディアスは苦しげな表情を浮かべる。
(覚悟は・・・していたとは・・・いえ・・見て・・いられん・・・)
アシュトンが受けている激しいお仕置きに、ディアスは口を挟みそうになる。
 (何を考えている!アシュトンは自分で、虐待魔からお仕置きを受けると決めたのだぞ!ここで・・幾ら・・かわいそうだからと・・・助け舟を出したら・・・アシュトンの決意を無にすることになるぞ!!)
折れそうになる自分の心にディアスは必死に言い聞かせる。
(頑張れ・・・アシュトン!俺も・・ついているぞ・・!!)
アシュトンの決意を無にしまいと、自身を必死に押さえつけつつ、ディアスは強くアシュトンの手を握りしめた。
 「ひぃ・・ひっひぃん・・・ふぅえぇえん・・・・」
アシュトンは小さな子供のように泣きじゃくっていた。
お尻は今やワインレッドどころか、青みがかってしまっている。
 「反省したか?アシュトン?」
ルシフェルは鞭を振るう手を一旦止めて尋ねる。
「して・・してる・・よぉぉ・・・。心配させて・・・ごめんなさぁぁい・・・。二度と・・しませぇぇん・・・・」
「反省はしているようだな・・。ならば・・最後に一発だけ・・・一番奥を叩くぞ。いいな?」
ルシフェルの言葉にアシュトンは黙って頷く。
それを見ると、再びルシフェルは鞭を振り下ろした。
 ビッダァァァ~~~~~~ンッッッッッ!!!!
「!!!!!!!!!!」
お尻の最奥部、もっとも敏感で弱い部分を思い切り叩かれ、アシュトンは声にならない悲鳴を上げる。
蕾への一撃を終えると、ようやくルシフェルは鞭を手放した。


 「うう・・痛ぁぁ・・」
「だ、大丈夫か!?沁みたのか?」
お尻に薬を塗りながら、ルシフェルは慌てて尋ねる。
「ちょ・・ちょっと・・。でも・・大丈夫だよ」
「そうか・・。ならばよかった・・・。おぃ!貴様!力の加減を間違えているのか!?アシュトンに痛い思いをさせおって!!」
アシュトンに優しい笑みを見せた直後、ルシフェルはガラリと変わった怖い顔で、ディアスにそう言いやる。
どっちもアシュトンの手当てを自分がやると一歩も譲らなかったため、二人で手当てをしているところだった。
 「それは貴様のせいだろう?パドルと鞭であんなにも叩いたからな。あれだけ叩けばどんな薬でも沁みて痛いのは当然だろう」
「何を言うか~。アシュトンが悪い子だったから躾けただけだろうが!そもそも貴様とてアシュトンを叩いただろうが!」
「だからといってここまで叩くのはやり過ぎだろう。この・・虐待魔・・・いや・・・虐待魔王の方がふさわしいか、お前には」
「『虐待魔王』だと!ふざけるなっ!その言葉、取り消さぬか~~!!!」
ルシフェルは思わずカッとなる。
お仕置きをするのは、アシュトンのことが何よりも愛おしくて大切に思っているからだ。
だから、虐待などと言われるのはルシフェルにとっては心外どころでは無かった。
 「ふん・・幾らでも言ってやろう・・・。虐待魔王・・」
だが、ディアスは不機嫌を隠さない表情でそう言いやる。
確かに今回の事ではディアスも怒っているし、大いに心配もさせられた。
だからこそお仕置きをしたし、愛すればこそお仕置きをするというルシフェルの気持ちもわからないわけではない。
とはいえ、『お兄さん』としては、アシュトンが泣き叫ぶ姿を見るのは辛いものがある。
その点は中々心の整理がつかず、それだけにルシフェルに対して色々と当たってしまうところもあった。
 「き~さ~ま~~っ!!やはり許せんっ!」
「それはこちらの台詞だ・・」
「わあ~~っ!ちょっと待って待って待ってってば~~~!!」
今にも自分のお仕置きを巡って喧嘩になりそうな二人を、慌ててアシュトンは止めに入る。
 「お願いだから・・・・喧嘩はしないでよ・・・。二人とも・・・僕の事・・・本当に大事に思ってくれてるのは・・嬉しいよ・・。でも・・だから・・・二人が喧嘩するのは・・・嫌だから・・・・」
そう言うアシュトンに、さすがに二人も何も言えなくなってしまう。
二人とも、互いに相手の顔を見やると、不機嫌そうな表情を浮かべてプイッと顔をそむけつつ、手当てを続けていた。


 ―完―

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