お行儀の悪い子には・・・(SO2&テイルズより:ガイ/キール、共演パロ)
(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。許容出来る方のみご覧下さい)
廊下の片隅にキールはジッと立っていた。
キールはジッと学術書らしい本を読んでいる。
「おい、キール、何をしてるんだ?」
たまたま通りかかったガイが思わずキールに声をかける。
「見ればわかるだろう?本を読んでるんだ」
わかりきったことを聞くな、と言いたげな口調でキールは答える。
「それはわかるさ」
「じゃあ何なんだ?邪魔をしないでくれ」
キールは不機嫌そうな表情で言う。
「あのな、キール、ここは廊下だろう?そんなところで突っ立って本なんか読んでたら行儀が悪いし、迷惑だろう?」
「大丈夫さ、ここは人にぶつからないところだ。それでもぶつかるのはぶつかった方が不注意なんだ」
「そういう問題じゃないだろう?行儀とかマナーの問題だろう?」
「うるさいなぁ。別に迷惑かけてるわけじゃないだろう?放っておいてくれ」
ガイの注意に、キールはあくまでも抗弁する。
「キール・・あんまりわからず屋だと・・・」
ガイはわざと手に息を吐きかける。
「わ、わかったよ!どけばいいんだろう!どけば!」
下手をするとお仕置きされると思ったのだろう、渋々キールはその場を立ち去る。
だが、本を読むのを邪魔されたからか、立ち去りながら、見えなくなるまでジッとガイの方を睨んでいた。
それからしばらくしたある日、休憩フロアにキールの姿があった。
食事中なのだろう、サンドイッチの詰まった弁当箱を広げ、片手にサンドイッチを手にしている。
サンドイッチを食べつつ、もう片方の手で、分厚い本を開いている。
本を読みつつ、サンドイッチをかじり、ページを片手で器用に捲っては食べる。
そんなことを繰り返していたときだった。
不意にグイッと上から引っ張られたかと思うと、本が取り上げられてしまう。
思わず上を向くと、ガイの姿があった。
「こ~ら、何をやってるんだー?」
ガイは本を手にして、ちょっと怖そうな顔を浮かべてみせる。
「ガイッ!何をするんだっ!返してくれっ!」
本を取り上げられ、キールは思わずそう言う。
「返してくれじゃないだろう?キール、何をやってるんだ?」
本を取り上げたまま、ガイはキールに尋ねる。
「見てわかるだろう?一々聞かなくてもいいじゃないか?」
キールは不機嫌そうな声で言い返す。
「キール、そういう態度はよくないだろう?ちゃんと言ってみろ」
「うるさいなぁ。なんでイチイチそんなこと・・」
「キール?」
ガイの表情や声の調子が変わる。
さすがにキールもこのままではマズイと思ったのか、渋々答えた。
「昼食中さ。あと本を読んでる。これでいいだろう?」
キールは不平そうに答える。
「なるほどな」
「答えたんだからいいだろう?さぁ、返してくれ!」
キールはガイに本を返すよう要求する。
「その前に・・キール、ちょっと話するか?」
「はぁ?どうしてそんなことしなきゃいけないんだ!?僕には話なんてない!!」
「そっちには無くてもこっちにはあるんだ。さぁ、ちょっとこっち来てくれ」
「話なんか無いって言ってるだろう!それより早く返してくれ!!」
ガイが本を返そうとしないので、キールは強引に本を取り返そうとする。
「キール・・・あんまり聞きわけが無いと・・・」
ガイは怖い顔を浮かべると、キールを掴まえて引き寄せる。
「あんまり聞きわけが無いと、ここでお尻叩くぞ?いいのか?」
「く・・・!!」
ガイの言葉にキールは悔しそうな表情になる。
「わ・・わかったさ!言う通りにすればいいんだろう!すれば!」
「やれやれ・・。やっとわかってくれたな・・・」
ようやく言う通りにする気になってくれたキールにガイはホッとすると、キールを連れて空いている部屋へと入っていった。
「それで?一体何なんだ?話っていうのは?」
部屋に入ると、キールは不平極まりないと言いたげな表情を浮かべて尋ねる。
「キール、食事しながら本読んでただろう?」
「それがどうしたんだ?」
「どうしたんだじゃないだろう?本読みながら食事なんてするものじゃないだろう?」
「うるさいなぁ、こう見えても僕は忙しいんだ。論文をまとめなきゃいけないんだぞ?」
「それはわかってるさ。だからって食事中まで本を読むことは無いだろう?」
「何を言ってるんだ。一秒だって惜しいんだぞ?そうしてもまだ時間が足りないんだぞ」
「あのなぁ、食べるなら食べる、本を読むなら読む、食べながら本読むとかするものじゃない」
「どうしてだ?別に迷惑はかけてないだろう?」
ガイの注意に、キールは不満げに言う。
「迷惑をかけるかけないじゃない。マナーの問題だって。そういうのは一般常識だろう?それに・・・この前も廊下でジッと立ちながら本読んでただろう?」
「あれか・・・。あれがどうしたんだ?」
本を読むのを邪魔されたことを思い出したからか、キールはムッとした表情を浮かべる。
「どうしたじゃないだろう?あれだって行儀が悪いだろう?」
「別にいいじゃないか。ちゃんと通る邪魔にならないところで読んでるんだ。それでもぶつかるならぶつかる方が悪いんだ」
「だからそういうことじゃないんだよ。廊下は本を読む場所じゃないだろう?マナーってものをもう少し考えろって」
「イチイチうるさいなぁ!別に他人に迷惑かけてるわけじゃないんだからいいじゃないか!?」
「そういうことじゃないだろう?もう少しマナーってものを・・・」
「うるさいっ!うるさいって言ってるだろう!どうしてそんなことでイチイチお説教なんてされなきゃいけないんだ!?」
そう叫ぶと、キールは出て行こうとする。
「おい、キール。待てって」
出て行こうとするキールを、ガイは止めにかかる。
「うるさいな!僕には話なんか無いっ!!イチイチうるさいんだっっ!!」
カッとなったキールは、思わず別の本をガイめがけて投げつける。
運動神経は文句なしなガイのため、難なく受け止めたが、同時にガイの表情は厳しいものになる。
「キール・・・?」
「そ・・そっちが悪いんだろう!イチイチうるさいことを言うからっ!」
「やれやれ・・。仕方ないな・・・」
あくまでも抗弁するキールの態度に、ガイはため息をついたかと思うと、手を伸ばす。
「こらっ!何するんだっ!?」
手首を掴まれ、思わずキールは抵抗する。
だが、非力なキールの抵抗など、ガイには無意味なもの。
あっという間に引き倒されたかと思うと、室内のソファに腰を降ろしたガイの膝にうつ伏せに載せられてしまった。
「やめろっ!やめないかっ!」
あくまで抗議するキールだったが、ガイがそれを聞くわけもない。
いつものようにガイはキールを左手で押さえると、右手を振り上げた。
パアアンッッッ!!
「う・・・!」
ローブ越しとはいえ、お尻に痛みが走り、思わずキールは声を漏らす。
パンッ!パシンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「こらっ!やめろっ!何をやってるんだっ!やめないかっ!」
お尻を叩かれながらも、キールは抗議をやめない。
「何ってお仕置きに決まってるだろう?見てわからないのか?」
お尻を叩きながら、ガイはそう言う。
「馬鹿にするなっ!それくらいわかるさっ!僕が言いたいのは何でお仕置きなんかされなきゃいけないんだってことだっ!!」
キールは叫ぶように言う。
パンッ!パアンッ!パチィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「だから言ってるだろう?廊下で本なんか読んだり、食事しながら本読んだりするんじゃないってな?」
平手を振り下ろしながら、ガイは言い聞かせるように言う。
「く・・!やめろっ!そ・・それで・・どうしてお尻なんか叩かれなきゃいけないんだっ!冗談じゃないっ!」
お尻を叩かれる痛みに顔をしかめながら、キールはそう言う。
「あのな、キール、そういうのは行儀が悪いことなんだぞ?」
「う・・うるさいなぁ!前にも言ったじゃないか!ちゃんと邪魔にならないところに立ってるって!通行の邪魔にはなってないっ!他人に迷惑をかけてるわけじゃないんだからいいだろうっ!」
キールは納得がいかないと言いたげな口調で言う。
「キール、迷惑をかけなければいいってものじゃないんだぞ?世の中にはマナーとか一般常識とかっていうのもあるんだぞ?」
お仕置きをしながら、ガイはそう言う。
マナーや常識というのは、めんどくさかったりうっとおしいもの。
しかし、きちんとわきまえていないと困ってしまうものでもある。
「別にいいじゃないか!誰にも迷惑はかけてないと言ってるだろう!僕には一秒だって時間は惜しいんだ!論文をまとめなきゃいけないんだからな!それなのに何でこんな目にあわなきゃいけないんだ!!」
反省するどころか、そんなことを言うキールに、ガイは思わずため息をつく。
「やれやれ・・・仕方ないな・・・」
そういうとガイはローブを捲り上げ、いつものようにお尻をあらわにした。
「うわっ!やめろっ!馬鹿ッ!何をしてるんだっ!」
お尻をむき出しにされ、キールはさらに声を上げる。
「仕方ないだろう?素直に反省してくれれば俺も許したかったんだがな・・。もう少し厳しくいくぞ」
そういうと、再びガイは手を振り上げる。
バシィィィンッッッッ!!
「くぅぅ・・・!!」
今までよりももっと強い平手に、キールは苦痛の声を漏らす。
バシッ!バンッ!ビダァンッ!バアアンッ!
「く・・!痛っ!やめ・・やめないかっ!」
より強力な痛みに顔を顰めつつも、キールはあくまでも抵抗を続ける。
バンッ!バシッ!ビダァンッ!バアアンッ!バシッ!バアンッ!
「やめろ・・!だから誰にも迷惑なんてかけてないって言ってるじゃないかっ!!」
「そういうことじゃないって言ってるだろう?仕方ないな・・・」
ため息をつきつつ、ガイはお尻を叩き続ける。
お尻を叩く音と、キールの抗議する声がない交ぜとなって響き続けた。
「はぁ・・はぁ・・」
キールは荒い息を吐きながら、両肩を上下させる。
目尻には微かに涙を浮かべ、顔は紅潮している。
お尻は全体が満遍なく赤く染め上がっていた。
「キール、少しは反省したか?」
一旦お尻を叩く手を止めて、ガイは尋ねる。
「う・・うるさい・・!別に・・迷惑は・・かけてないって・・言ってるじゃないか・・」
だが、あくまでもキールは強情にそう言う。
「キール、迷惑をかけなきゃ何をしてもいいってことにはならないんだぞ?世の中にはマナーとか一般常識とかっていうのもあるんだ。そりゃ面倒くさかったりするけどな。でも、そういうのをきちんとわきまえないと困るのはキールだぞ?」
「う・・うるさいなぁ!何だって一々ガイにそんなことでお説教されなきゃいけないんだっっっ!!」
「おぃおぃ、こっちは心配してるだけだぞ?」
「う・・うるさいっ!そんなのガイが勝手にしてるだけじゃないか!勝手にしてるくせに何だってこんなことするんだ!いい加減にしないか!ガイなんて・・・馬車にでも引かれて死ねばいい!!」
怒りのあまりにキールはカッとなってそんなことを言う。
「いい加減にしないか!!」
バアッジィィィ~~~~ンッッッッ!!!
「ぐぅぅ・・・!!」
強烈な平手の一撃に、キールは顔を苦痛に歪める。
「聞きわけが無いだけなのはともかく・・・人に『死ね』だなんて軽々しく言うんじゃないっっ!!」
「うるさいっ!そんなの僕の勝手だろうっっ!!」
何か言う代わりに、ガイは膝を組む。
赤く染まったキールのお尻が突き上げられると同時に、再びガイの手が振り上げられた。
バアッジィィィ~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
「うっわああああああ!!!!!!!」
容赦のない平手の豪雨にキールは絶叫する。
ビッダァァァァ~~~~~ンッッッッ!!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~!!!!!
「うわぁぁぁ!馬鹿ッ!やめろっ!やめないかぁ!!」
両脚をバタつかせながらキールは必死に抗議する。
だが、ガイの平手は容赦なく振り下ろされ続ける。
「うわああっ!痛っ!痛いぃぃぃ!やめっ!やだっ!やめて・・やめてぇぇ!!」
耐えきれなくなってきたのか、やめろがやめてに変わる。
だが、それでもガイは平手の雨を振らせ続けた。
「うっう・・ひぃん・・ひっひ・・・うぇぇん・・ひぃひぃん・・」
プライドも何もかもかなぐり捨てて、キールは泣いていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がっており、触ると火傷するかと思うくらいに熱い。
「ひぃ・・ひぃん・・。やめ・・やめて・・・頼む・・から・・・」
泣きじゃくりながら、キールは必死に許しを乞う。
「謝る・・・謝るからぁ・・・だから・・やめてぇぇ・・・」
必死に許しを乞うキールに、ガイは一旦手を止める。
「今度こそ・・・反省したか?」
「した・・した・・から・・うぅう・・・」
「じゃあもう行儀の悪いことはしないな?」
「し・・しない・・だから・・」
「約束するか?」
「するっ・・!二度と・・しないぃぃ・・!!」
必死になって約束するキールに、ガイは少し表情が和らぐ。
「よし・・。ならいいだろう。ただし・・・・」
再び表情を変えると、ガイは思い切り手を振りかぶる。
ビッダァァァァ~~~~~~~ンッッッッ!!!
「うっわああああ!!!ひぃぃぃんんんっっ!!」
油断していたところを叩かれ、キールは絶叫する。
「もしまた・・ああいう行儀の悪い真似をしたら・・・。今度は倍は叩くからな?」
ガイの言葉にキールは必死に二度としませんと言う。
それを聞くと、今度こそガイは手を降ろした。
「くぅぅ・・・!」
「沁みたか?大丈夫か?」
薬を塗る手を止め、思わずガイは尋ねる。
「って元はといえばガイのせいだろう!自分で叩いておいて今さら何を言ってるんだ!」
ガイの方を振り向き、キールはそう文句を言う。
「仕方ないだろう?キールが悪い子だったんだからな」
「く・・!う、うるさいなあっ!も、もういいだろうっ!!」
悔しげな表情を浮かべてキールは言う。
「わかってればいいんだよ。よしと・・・もういいぞ。ん?」
手当てを終えて声をかけたガイは、いつの間にかキールが寝てしまっていることに気づく。
(あらら・・。お仕置き疲れで寝たか・・・・・)
ガイは苦笑しつつ、膝の上で寝ているキールを見つめる。
「むぅぅ・・。ロイドの馬鹿ぁぁ・・・」
夢の中でロイドと喧嘩でもしたのか、キールは拗ねたような表情を浮かべる。
そんなキールに優しさの籠った表情を浮かべると、ガイは何度かキールの頭を撫でてやった。
―完―
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