冤罪の代償(SO2&テイルズより:キール/アシュ、共演パロ)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。『冤罪』とリンクしています。その点をご了承の上でお読み下さい)


 (僕の馬鹿・・・!!何てこと・・しちゃったんだろ・・・!!)
アシュトンは頭を抱え、自分を責めずにはいられなかった。
(キールはやってないって言ってたのに・・・。全然話聞かないで・・)
何もしていないにも関わらず、キールにお仕置きをしたことに、アシュトンはたまらなく罪悪感が沸いてくる。
(ちゃんと・・謝らなきゃ・・・)
キールとのことを思い返し、アシュトンはそう思わずにはいられなかった。


 それから数日後、ギルド会館内の図書室にキールの姿があった。
「く・・・・!!」
キールは思わず顔を顰めると、座ったままお尻をさする。
 (たかが・・お尻の痛みくらいで・・!!)
そう思うが、たっぷりと叩かれたお尻はいまだに痛む。
おかげで論文やロイドのテキスト作成もままならない。
(これもあれも・・・元はといえば・・・・!!)
キールはアシュトンの顔を思い浮かべながら、思わず怒りを覚える。
怒りと苦痛がない交ぜになった表情で、執筆作業をしていたときだった。
 「あ・・あの・・」
不意におずおずと誰かが声をかけてくる。
思わず顔を上げると、途端にキールは不機嫌な表情になった。
 「何をしに来たんだ?」
キールは声をかけてきたアシュトンに、不機嫌を隠さない表情で答える。
「あ・・うん・・。あの・・その・・・」
(ど・・どう・・切りだせば・・いいんだろう・・?)
アシュトンはおずおずと考え込む。
おのずと、言葉が切れてしまう。
 「おぃ!何か用があるならさっさと言ったらどうなんだ!?」
そんなアシュトンの態度にムッとして、キールは言い放つ。
(し、しまった!?怒らせちゃった!?)
「あ・・あの・・その・・そのの・・あの・・・」
慌てて言い繕うとするも、もつれて全然言葉が出ない。
 「何なんだ!?用も無いのに話しかけないでくれ!全く・・・!!」
すっかり不機嫌になってしまったキールは、本や書きかけの論文を抱えて、図書室を出て行こうとする。
 「あ・・ま、待って・・!!」
アシュトンは思わず呼び止めようとする。
「用も無いなら話しかけないでくれって言ってるだろう!く・・!!」
不意にキールはお尻に痛みを覚え、思わずお尻をさする。
 「あ・・あの・・?大丈夫?」
心配になり、思わずアシュトンは話しかける。
だが、それに対してキールは思い切り睨みつける。
 「『大丈夫か?』だって?そもそもアシュトンがやったんだろう?」
「う・・そ・・それは・・ゴメン・・」
「自分でやっておいて『大丈夫か?』だって?人を馬鹿にしてるのか!?」
「そ・・そういう・・わけじゃ・・ただ・・・」
「そもそも人にあんなことをしておいて、よくも僕の前に顔なんか出せたものだな?神父の癖に恥ってものを知らないのか?」
キールの言葉に、アシュトンは何も言えなくなってしまう。
「全く・・少しは恥を知ってるなら僕の前に顔なんか出さないでくれ」
そういうと、シュンとしているアシュトンを尻目にキールは出て行ってしまった。


 (どうしよう・・怒ってるなんて・・ものじゃ・・ないよ・・・)
教会に帰ってきたアシュトンは、シュンとした様子で落ち込んでいた。
(当たり前だよね・・。あんなひどいことしちゃんだから・・・)
自分がしたことを思い返し、キールがあんなことを言うのも無理は無い、アシュトンはそう思う。
 (でも・・どうしたらいいんだろう・・。謝ろうにも・・あれじゃ・・・)
ちゃんと謝りたい、そう思うものの、取りつく島の無いキールの態度では、謝ることも出来ない。
(困ったなぁ・・・。どうしたら・・・いいんだろう・・・)
キールに謝る方法を考えながら、アシュトンはため息をつかずにはいられなかった。


 さらにしばらく経ったある日・・・。
「どうしたのだ?アシュトン?」
「え?何が?どうかしたの?ルシフェル?」
心配そうに問いかけるルシフェルに、アシュトンは思わず問い返す。
 「どうかしたではないだろう?最近、何だかため息をよくついているではないか」
「そ・・そうかな?」
「そうかなではない!それに・・心なしか痩せたような・・。徹夜などせずちゃんと寝ているか?」
「だ、大丈夫だよ。ちゃんと寝てるし」
「ならばよいが・・・。はっ!まさかあのポニーテイルのツンツン術師のせいかっ!小僧共に騙されて尻を叩いたことを根に持って嫌がらせでもしたのか!?」
「そ・・そういうわけじゃ・・」
「おのれ~~~!!!許さんっっ!!生きたまま天ぷら鍋に放り込んで人間天ぷらにしてくれるわ~~~~~~~!!!!!」
「うわああ~~~~っっ!!ちょ、ちょっと待ってってば~~~!!!!」
今にもキールを人間天ぷらにしかねないルシフェルにアシュトンは慌てて止める。
 「全然違うってば!キールにいじめられてなんてないからっっ!!」
「ほ、本当か!?」
必死に止めるアシュトンに、ルシフェルはようやく落ち着く。
 「うん、大丈夫だよ。だから・・落ち着いてよ」
「そうか・・。ならばよいのだが・・・」
アシュトンの言葉にようやくルシフェルは落ち着く。
 「ちょっと・・最近忙しくて疲れちゃってるんだよ・・。ちょっと・・一休みしてくるから」
「そ・・そうか。何かあったらすぐに呼ぶのだぞ」
そう言うルシフェルを尻目に、アシュトンは寝室に行く。
 「ダメだなぁ・・僕って・・。また心配させちゃった・・・」
ルシフェルのことを思い返し、アシュトンは思わずため息をつく。
(ルシフェルにも心配かけないようにちゃんと謝らないと・・。でも・・・どうしたら・・)
アシュトンが考えあぐねていると、不意にガイの姿が思い浮かぶ。
 (そうだ!何で今まで思いつかなかったんだろう!ガイに相談してみよう!!)
アシュトンは心の中でそう叫ぶ。
ガイならうまく取り持ってくれるかもしれない。
そう思うと、少しだがアシュトンは気が軽くなってきた。


 「なるほど、そういうわけだな」
話を聞いたガイは、そう呟く。
「うん。ガイならキールにうまく取り持ってくれるかなって・・・」
「わかった。何とかしてみよう。ただ・・・」
「何?」
「アシュトン、キールがかなり怒ってるのはわかってるよな?」
「あ、うん。それは・・見てわかるから・・・」
「元々プライドが高い性格だし、それだけにあんなに恥ずかしい目に遭わされたのは本当に屈辱的なはずだ。生半可なことじゃ絶対に許してもらえないぞ?」
「う・・うん・・。だから・・僕から・・ちゃんとお仕置きを受けるつもりだよ。キールが許してくれるまで・・・」
「そうか・・・。そういう覚悟なら、俺も出来る限りのことはしよう」
「ありがとう、ガイ」
「別にいいさ。それより、これ以上くよくよ悩んだりはするんじゃないぞ?大船に乗ったつもりで安心してくれ」
「わかってるよ。今日はありがとうね、ガイ」
そう礼を言うと、ホッとしたような表情でアシュトンは出ていった。


 2,3日後・・・・。
「何のつもりなんだ?急に呼び出したりなんかして?」
ガイと顔を合わせるなり、キールは不機嫌を隠さずに言う。
 「おいおい、そんな顔しなくたっていいだろう?」
「うるさいなぁ。論文の執筆で忙しいんだ。それとも軍人ってのはいつも暇を持て余してるのか?」
「いきなり呼びだしたのは悪かったって。大事な話なんでな」
「ふん・・。だったら早く済ませたらどうなんだ?」
「その前にもう一人来るんでな。少し待っててくれ」
その言葉に、キールはますます不機嫌な表情になる。
そのとき、不意にドアが開いた。
 「こ・・こんにちは・・・・」
アシュトンは入って来るとおずおずと挨拶をする。
途端に、キールの顔はさらに不機嫌さを増す。
 「何でアシュトンがいるんだ・・・・」
「ん?決まってるだろ?もう一人って言っただろう?それがアシュトンだよ」
「ふざけるな!僕はアシュトンなんかと一緒にいたくはない!!」
そういうと、キールは立ち上がって出て行こうとする。
 「こーら。どこに行くんだ?」
「どこに行こうと僕の勝手だろう?」
「そういうわけにはいかないんだよ。人の話も聞かずに行かせるわけにはいかないしな」
「僕には用なんかない」
「こっちにはあるんだって。それとも・・アシュトンが怖いのか?」
「な・・何を馬鹿なことを言ってるんだ!!」
突然のガイの言葉に、キールはカッとなりかける。
 「いや、この前アシュトンに散々叩かれたんだろう?もしかしてアシュトンに怯え癖でもついたのかって心配になったんだが・・」
「そんなわけないだろう!アシュトンなんか怖くも何ともない!」
「それじゃあ一緒にいても平気だな?」
(しまった・・!やられた・・!)
ガイの問いかけにキールは歯噛みする。
こうなった以上、否応なしにアシュトンと一緒にいなくてはならない。
そうでなければアシュトンを怖がってると認めたようなもの。
それは何よりも屈辱的だった。
 「あ、当たり前だろう!別に何ともないさ!」
「それじゃあちゃんといてもらうぞ」
「イチイチ言われなくてもわかってるさ!」
そういうと、渋々キールは戻って腰を降ろす。
 「で・・・何の用なんだ?」
あからさまに不機嫌な表情で、キールはアシュトンに尋ねる。
「うん・・。あ・・その・・この間は・・あの・・ごめんなさい・・。何も悪いことしてないのに・・お尻・・叩いたりなんかして・・・」
「謝れば許してもらえるとでも思ってるのか?馬鹿にしないでくれ!アシュトンのせいでどれだけ恥をかかされたと思ってるんだ!しかも・・・痛みが引かないから論文を書くのにも支障が出てるんだぞ!!」
「おぃ、キール、そこまで言うことはないだろう?」
キールの剣幕に、思わずガイはそう言う。
 「ガイは黙っててくれないか。口先だけの謝罪で許す気なんて毛頭ないからな!」
「うん・・。わかってるよ・・。だから・・・」
キールの言葉に、アシュトンは持って来たバッグを取り出す。
バッグを開けたかと思うと、中から数種類のパドルや鞭を取り出した。
 「あ・・あの・・・。どれでもいいから・・キールの・・気が済むまで・・お仕置きしてくれる?」
アシュトンは持って来たパドルと鞭を差し出しながら言う。
 「本気で言ってるのか?」
「うん・・。僕が悪かったんだから・・・ちゃんと・・お仕置きは受けるよ・・」
「ふん・・。殊勝じゃないか。だが・・ちょっとやそっとじゃ許す気はないからな」
「わ・・わかってるよ・・・」
「ふん・・。なら、そこのテーブルにうつ伏せになって、お尻を突き出してもらおうか」
キールは部屋の片隅にあるテーブルを指し示しながら言う。
アシュトンは言われた通り、テーブルにうつ伏せになると、お尻を突き出した。
 「こ・・これで・・いい?」
アシュトンは恐る恐る尋ねる。
「ふん、まあいいだろう・・・。ってガイ、いつまでいるんだ?」
「ん?一応立会人として見届けないとな」
「余計なことはしないでもらおうか?これは僕とアシュトンの問題なんだぞ?」
「そうはいってもなぁ・・・・」
ガイは思わずそう呟く。
キールにしてみれば、アシュトンは自分に屈辱極まりないことをした相手。
怒りのあまり、大怪我をするまで叩くかもしれない。
万が一のときに止められるようにいた方がいいと思っているのだ。
 「ガイ、悪いけどキールと二人にしてくれる?キールもやりにくいだろうし、僕も・・恥ずかしいから・・・」
「アシュトンがそういうならわかったよ。でもな、キール、感情に任せてやり過ぎたりするんじゃないぞ?」
「そんなこと言われなくてもわかってるさ!さっさと出ていったらどうなんだ!?」
「わかったって。そこまで怒らなくてもいいだろう?」
そう言うと、ガイは部屋を後にする。
 「全く・・・人を馬鹿にしてるのか・・」
「そういう・・わけじゃ・・ないんじゃないかなぁ・・。万が一のことを心配しただけだと思うけど・・・」
不機嫌そうな表情で呟くキールに、アシュトンが思わずガイのフォローをする。
その言葉にキールはさらに不機嫌そうな表情になるが、気を取り直す。
 「まぁいいさ・・。それよりアシュトン・・・・」
「な・・何?」
机にうつ伏せでお尻を突き出した体勢のまま後ろを振り返り、おずおずとアシュトンは尋ねる。
 「自分から謝りに来たからって・・そう簡単に許してなんかやらないからな。覚悟はしてもらうぞ?」
「わ・・わかってるよ・・・・」
キールの宣告に思わず震えそうになるアシュトンだったが、必死に堪える。
そんなアシュトンを尻目に、キールはアシュトン自身が持って来たパドルと鞭からそれぞれ一番痛そうなものを一つずつ選びだす。
 (ひ・・ひぃぃぃ~~~っっ!?やっぱり・・かなり怒ってる~~!!!)
今さらながらキールの怒りの強さを思い知り、アシュトンは背筋が寒くなる。
「どうしたんだ?そんな顔をして?」
キールはアシュトンの表情に、思わずそう言う。
 「アシュトン・・・。自分からお仕置きしてくれって言ったんだろう?その癖に何だって嫌そうな顔をしてるんだ?まさか今さら逃げる気なのか?」
「ち、違うよ!そ、そういうわけじゃ・・・ごめん・・・」
「自分の言ったことをちゃんと守れなくてどうするんだ?全く・・・」
呆れたように言うキールに、思わずアシュトンはシュンとしてしまう。
さすがにキールも言いすぎたかと思うが、無実の罪で自分をお仕置きした相手に謝るのも癪なので、誤魔化すように話を変える。
 「ふん、まあいいさ。こっちでこの前の責任はしっかりと取ってもらうからな」
そういうと、キールは神父服の裾を捲り上げ、ズボンを降ろしてお尻をむき出しにする。
あっという間に、アシュトンのお尻があらわになった。
 (う・・見られてるんだ・・・)
キールの視線を感じ、アシュトンは羞恥に顔を赤らめ、身体を震わせる。
「何だ、恥ずかしいのか?」
アシュトンの羞恥を察したのか、キールがそう尋ねる。
「そ・・そりゃ・・恥ずかしいよ・・」
「お互い様だろう?僕だってあんな目に遭わされて本当に恥ずかしかったんだからな」
思い出したのか、ムッとした表情でキールが言う。
 「ご・・ごめん・・」
「ふん。まあいいさ。無駄口を叩いていても意味は無いからな」
そういうと、キールは右手にパドルを握り、左手でアシュトンの身体をおさえる。
思わずアシュトンがお尻にキュッと力を入れると同時に、パドルが振り下ろされた。


 バシィィィッッッッ!!
「ひ・・・・!!」
思い切りパドルを叩きつけられ、思わずアシュトンは悲鳴を漏らす。
非力なキールといえど、特製パドルを使っているだけに痛い。
 バシ~ンッ!バアンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!
「ひ・・!ひぃんっ・・!ぎひっ・・!ひっひぃん・・!」
パドルが幾度も振り下ろされ、そのたびにアシュトンのお尻がほんのり赤く染まる。
 「よくも・・よくも・・やってくれたな・・!!」
パドルを振り下ろしながら、キールは怒りを抑えかねたように口を開く。
バシッ!ビッダアンッ!バアッジィンッ!ビッダァァンッ!バアッシィンッ!
「痛・・!ひっ・・!痛いぁぁ・・!ひぃんっ・・!」
パドルで与えられる痛みに、思わずアシュトンは悲鳴を漏らし、モジモジとお尻を動かす。
 「僕は・・何もしてないって・・・ちゃんと・・言ってただろう!!それなのに・・・あいつらの話ばっかり聞いて・・・!!」
バアッジィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビバッジィィ~ンッ!
「ひぃん・・!ひっ・・!ご・・ごめん・・!ま・・まさか・・嘘ついてる・・なんて・・思わなくて・・!!ひぃんっ・・!!」
お尻を叩かれる苦痛に身を悶えさせながら、アシュトンは必死に謝る。
 「それだってもう少し人の話を聞いてもいいだろう!?人の事を・・・散々疑ってくれたな!!」
バシバシとパドルで叩きながら、キールは怒りを爆発させる。
「ご・・ごめん・・なさいぃ・・。ゆ・・許し・・ひぃん・・・!!」
「許してくれだって?散々叩いた癖に虫が良すぎるんじゃないのか?こんなものじゃまだまだ許さないからな!!」
キールはさらに怒りを燃え上がらせると、今度は鞭を取る。
 ヒュウンッッ!!バッシィィィ~~~~ンッッッッ!!!
「ひっぎゃあああああああああ!!!!!!」
鋭い鞭の痛みにアシュトンは絶叫する。
 ビシッ!ヒュンッ!ビシッ!バシィッ!バアアンッ!
「ひっ・・!ぎっひぃぃ!痛っ!痛ぁぁいぃぃ!!ひっぎぃぃ!!」
刃物で斬りつけられているかのような鞭の鋭い痛みに、アシュトンは泣き叫ぶ。
ビシッ!ビシィッ!バシッ!バアンッ!ビュンッ!ビシッ!
「やめてぇ!お願いだからやめてぇぇ!!ごめんなさぁぁいい!!」
必死に謝るアシュトンだったが、怒りが収まらないキールは容赦なく鞭を振り下ろし続けた。


 「ひっ・・ぎっひ・・ひぃぃん・・・」
大粒の涙をぼろぼろこぼしながらアシュトンは泣いていた。
鞭でたっぷりと叩かれたお尻は大きな蚯蚓腫れが何重にも刻みつけられ、見るからに痛々しい。
 「ごめ・・ごめん・・なさい・・ごめん・・なさい・・。も・・もう・・許して・・・お願い・・だから・・・」
泣きじゃくりながらアシュトンは必死に謝る。
だが、それに対してキールは冷ややかな目を向ける。
 「『もう許して』だって?この前、全然僕の事許そうとしなかった癖に何を言ってるんだ?」
「そ・・それは・・・」
痛いところを突かれ、アシュトンは思わず言葉に詰まる。
「この程度じゃまだまだ許さないって言ってるだろう?」
キールは鞭を手放したかと思うと、愛用の杖を手にする。
同時に術の詠唱に入った。
 「ちょ・・ちょっと待・・・・」
「エアスラストッッッ!!!」
アシュトンが思わず口を開こうとしかけたその瞬間、風の刃がワインレッドに染まったお尻を切り刻む。
「ひ・・ひっぎぃぃぃぃぃ!!!!!!!!!!」
想像を超えた痛みにアシュトンは絶叫し、のけ反って悲鳴を上げた。
 「おい!何をしてるんだ!?」
お仕置きにしてはあまりにも凄まじい悲鳴に思わずガイは部屋へ飛び込む。
部屋を出たものの、やり過ぎないかと心配になり、部屋の外で待機していたのである。
 ガイの視界に飛び込んで来たのは、鋭い切り傷がついたアシュトンのお尻。
よほどの苦痛だったのだろう、アシュトンはグッタリしたまま、気を失っている。
さすがにキールもやり過ぎたと気づいたのだろう、愕然とした表情を浮かべていた。
 「おいっ!何をボーッとしてるんだ!取りあえず応急処置でファーストエイドをかけるんだっ!!」
「わ・・わかってるさ!イチイチ言わないでくれッ!」
ようやく我に返ったキールはそう反論すると、ファーストエイドをかけてお尻の傷を治す。
 「応急処置はしたが・・ちゃんと医者に見せないと・・・」
ガイはそういうとアシュトンを抱き上げ、キールを尻目に医者へと連れていった。


 目を覚ますと、アシュトンはボーマンの診療所にいることに気づいた。
「アシュトンッ!気がついたのか!?」
目を覚ますと同時に、ルシフェルが呼びかける。
 「あれ?どうしたの?痛ぁぁ・・・」
ルシフェルの姿に怪訝な表情を浮かべるアシュトンだが、お尻に感じた痛みに顔を顰める。
「無理をしてはいかんぞ。散々叩かれた上に術で切り刻まれたらしいからな」
「え・・あっ・・」
アシュトンはルシフェルの言葉に、キールからお仕置きを受けていたこと、そして怒りを爆発させたキールにエアスラストでお尻を切り刻まれたことを思い出す。
 「おのれれ~~~っっっ!あのツンツン学士め~~~!!!アシュトンのお尻を散々叩いた上に術で切り刻むとは・・・!!八つ裂きにしてくれるわ~~!!」
「どわわ~~~っっ!!やめてよっ!何も悪いことしてないのにキールの事お仕置きしちゃった僕が悪いんだからっ!!僕が怒られるのは当たり前だよっ!キールは悪くないからっ!だから許してあげてよっ!!」
今にもキールを八つ裂きにしそうな剣幕のルシフェルをアシュトンは必死に止める。
 「く・・・アシュトンがそう言うなら・・・仕方あるまい・・」
ようやく怒りを納めたルシフェルにアシュトンはホッとする。
「でもありがとう、心配してくれて」
「当たり前だろう。私はアシュトンの『旦那様』なのだからな!」
堂々とそんなことを言いやるルシフェルに思わずアシュトンは苦笑する。
 「とにかく今はゆっくり休むがいい。私がついているからな」
「うん・・ありがとう、ルシフェル」
ルシフェルが看病する中、アシュトンはそういうと静かに目を閉じた。


 同じ頃・・・。
バンッ!バンバンッ!バンバンッ!
「こらっ!やめろっ!やめろって言ってるじゃないかっ!!」
お尻を叩く音と共にキールの声が響きわたる。
 「何を言ってるんだ。幾らなんでもやり過ぎだろう?エアスラストを食らわせるなんて。何を考えてるんだ?」
平手を振り下ろしながら、ガイはお説教する。
「それよりちゃんとアシュトンに謝るんだぞ。いいな?」
「な・・何で僕がアシュトンなんかに謝らなきゃいけないんだ!?」
ガイの言葉に、キールは噛みつくように言う。
 「当たり前だろう?お尻にエアスラストだなんて、どう考えてもやり過ぎだ。それはわかってるだろう?」
「く・・・・!」
ガイの言うことが正しいことはわかっているだけに、キールはぐうの音も出ない。
だが、それでも素直に謝るのは嫌だった。
 「い・・嫌だ!そ・・そもそもアシュトンが悪いんじゃないか!レオン達に騙されて人の事を叩くからだ!」
「だからってお尻を叩くだけならともかく、術まで食らわせていいってことにはならないだろう?アシュトンにあとでちゃんと謝るんだ」
「嫌だ!!そんなことするくらいまでお尻が壊れた方がズッとマシだ!!」
「やれやれ・・・頑固だな・・仕方ないな・・」
ため息をつくと、ガイは再びお尻を叩きだす。
 「馬鹿ッ!やめろっ!やめろって言ってるだろー!!ぐっ・・!痛・・痛ぁぁ・・・」
その後、長い間お尻を叩く音とガイのお説教する声、キールの悲鳴が響きわたった。


 ―完―

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山田主水

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