マルコ神父18(BL要素あり)
(BL要素ありです。許容出来る方のみご覧下さい)
「ぶっはぁ~~っ。暑っちぃぃ~~~!!」
「何そんなだらしない格好をしてるんですか!さっさとしまったらどうなんです!」
ボタンを外し、胸元や腹を思い切り露出し、うちわで自身を煽いでいるネド神父に、マルコ神父は顔を顰めながら言う。
「そうは言ってもよ、暑いだろうが。こうでもしなきゃどうにもならねえだろ?」
汗だくになり、ペットボトルを傾けながら、ネド神父はそう言いやる。
ここ数日、もの凄い猛暑が続いていて、ネド神父もすっかり音を上げてしまっている。
そのため、神父服を思い切り開け、半脱ぎ状態になっていたのである。
「だからといってそんな格好しててどうするんですか!みっともないでしょう!」
マルコ神父はだらしない格好のネド神父に、苦々しい表情を浮かべて言う。
真面目できちんとした性格のマルコ神父にとって、乱れた服装はとても許容出来るものではない。
実際、マルコ神父は暑い日にも関わらず、きちんとボタンを締めている。
「そんなこと言ったって暑いモンは暑いって。マルコだってそうだろう?」
「そんなの理由になりませんよ。暑かろうが、神父らしくきちんとしたらどうなんです!」
マルコ神父はそう言うや、強引にネド神父の服を整える。
「おぃおぃ、何すんだよ?」
「見てわかるでしょう?どうせ口で言ってもやりそうにないですから、整えただけですよ」
「たはは、手厳しいねぇ。まぁ、世話女房なマルコもたまらんけどなぁ」
「な・・!変なこと言わないで下さいっっ!!」
マルコ神父は思わず顔を真っ赤にしてしまう。
「ん?何だ?嬉しかったのか?」
「そ、そんなわけないでしょう!男が世話女房なんて言われて嬉しいわけないでしょうに!」
「そうか~?俺の世話するのが本当は好きなんじゃないのか~?」
ネド神父はニヤニヤしながら、そう問いかける。
「そ、そんなわけないと言ってるでしょう!よ、用を思い出したから戻ります!!」
そう言うや、マルコ神父は部屋を飛び出してしまった。
「たはは・・・ちょっとからかいすぎたかなぁ」
部屋を出ていってしまったマルコ神父に、ネド神父はちょっと反省する。
「全く・・・下らないことばかり・・・言うんですから・・!」
ネド神父の『世話女房』発言に、マルコ神父は呆れと怒りが混じったような表情を浮かべながら呟く。
(いつもいつも・・本当にだらしないんですから!少しはシャンとしたらどうなんです!)
ネド神父の普段の様子を思い出しながら、マルコ神父は心の中でそう叫ぶように言う。
(でも・・・。私が世話すると・・本当に嬉しそうなんですよねぇ・・・)
同時に自分が世話を焼くときのネド神父の表情を思い返す。
そのときのネド神父は嬉しくてたまらない、そんな表情や素振りをいつも浮かべている。
それを見ると、普段のだらしない態度もついつい許してしまうし、そういう姿を見たくて、やはり世話を焼いてしまう。
(やっぱり・・ネド神父の世話を焼くのが・・好き・・なんでしょうか?)
自分の普段の行動に思わずそう考えてしまう。
(ち、違います違いますっ!た、ただあまりにもだらしないから見かねてるだけですっっ!!)
すぐに否定しにかかるが、だが完全には否定しきれないものがある。
「ああもうっ!!」
考え事を断ち切るように叫ぶと、そのままマルコ神父はさらに急ぎ足で立ち去った。
「ハァ・・・・」
箒を動かす手を一旦止め、マルコ神父は汗を拭う。
(やっぱり・・暑いですね・・・)
カンカンと照りつける太陽を見上げながら、マルコ神父はそう思わずにはいられない。
ペットボトルで水分補給をするも、容赦なく照りつける太陽は、ジンワリと汗を噴き出させる。
(こうも暑いと・・・脱ぎたくなりますね・・・)
そう思ってボタンに手をかけようとするが、そのときハッとした表情になる。
(何を考えてるんですか!?ネド神父にあんなこと言っておいて!)
思わずボタンを外そうとした自身を、マルコ神父は叱咤する。
自分で言ったことは破ってはならない。
マルコ神父は自分にそう言い聞かせると、きちんと着込んだまま、庭掃除を続けようとしたそのときだった。
「こんにちは~!すみませ~んっ!」
不意に声をかけられ、マルコ神父は思わず顔を上げる。
直後、何だか嫌そうな表情になった。
「ちょっとー!そんな顔しないで下さいよー!ひどいなー!久しぶりに会ったのにー!」
「す、すみません・・・」
拗ねたような表情を浮かべるミハエル神父に、思わずマルコ神父は謝る。
「そ、それより何か用ですか?」
平静を装いながら、マルコ神父は尋ねる。
「ええ、ちょっと用事で近くまで来たんですけど~、せっかくだから挨拶でもして行こうかな~~って」
「そ・・そうですか・・・」
マルコ神父は複雑な表情を浮かべる。
「大丈夫ですよ~、もうネド神父のことなんて狙ってませんから~」
「べ、別にそんな心配なんかしてませんっ!!」
思わずムキになってしまうが、直後後悔する。
(私の馬鹿・・!これじゃあ・・自分で認めてるみたいじゃないですか・・・!?)
そう思うが、言ってしまった以上、どうにもならない。
「ふふふ。ライバルのことが気になるんですか~?意外と可愛いんですねぇ、マルコ神父って」
「ですからそんなこと考えてませんよ!さぁ、早く入って下さい!」
「はいは~い、わかってますってば~」
クスクスと面白そうな笑みを浮かべるミハエル神父に、マルコ神父は思わずムッとしかける。
だが、ここで感情的になったら大人げない、そう必死に自身を抑えながら、ミハエル神父を中へ招き入れた。
「おお、ミハエルか。久しぶりだなぁ」
「お久しぶりです~、元気してました~?」
ミハエル神父はネド神父と顔を合わせるや、人懐っこい感じで挨拶する。
「あぁ、ミハエルの方は仕事先には慣れたのか?」
「ええ。皆さん結構可愛がってくれますし~」
「ははは、お前さんならそうだよなぁ。心配しなくて大丈夫だったか」
ミハエルの返事に、ネド神父はそう言う。
研修期間を終えたのち、ミハエル神父はパリ市内の別の教会へと赴任していた。
「まあせっかく来たんだ、少しはゆっくりしてってくれ」
「ええ。お言葉に甘えて。せっかく、久しぶりにネド神父に会えましたからね~」
ニコリと人懐っこい笑みを浮かべ、紅茶のカップを手にしながら、ミハエル神父はそう言った。
(随分・・楽しそうですね・・・)
窓の向こうに見えるネド神父とミハエル神父のやり取りに、マルコ神父は表情が険しくなる。
二人の様子が気になるのだろう、庭の掃除をしつつ、窓から部屋の様子を伺っていた。
見ていると、二人は何とも楽しそうに談笑している。
ミハエル神父は相変わらず馴れ馴れしい感じで、ネド神父も、それを許容しているように見えた。
「く・・・!!」
見ているうちに、マルコ神父はだんだんと不快になってくる。
耐えきれなくなったのだろう、マルコ神父は不機嫌そうな表情を浮かべてその場を後にした。
「さよなら~。また今度~」
「ああ。いつでも遊びに来な」
互いにそう挨拶をすると、ミハエル神父は教会を後にし、ネド神父がそれを見送る。
「帰ったんですか?」
「ああ。ん?どうしたんだ?そんな仏頂面して?」
マルコ神父の顔を見やるや、思わずネド神父はそう尋ねる。
不機嫌そうな表情を浮かべていたからだ。
「別に・・何でもありませんよ・・・」
「そうは見えないがな?どうしたんだよ?」
ネド神父は思わず心配そうな表情で尋ねる。
「別に何でもありませんと言っているでしょう?」
だが、そんなネド神父に、マルコ神父はそう返す。
「そんな顔してるのに何でも無いわけないだろう?どうしたんだ?」
ネド神父はマルコ神父に問いかけるが、それがさらにマルコ神父の神経を逆撫でし、頑なにさせてしまう。
「別にどうってことないと言っているでしょう!?放っておいて下さい!」
思わず感情を爆発させ、マルコ神父はネド神父を突き飛ばしてしまう。
(しまった!?)
床に座り込むように倒れ、思わずビックリした表情を浮かべるネド神父に、マルコ神父は一瞬後悔する。
同時に、バツが悪くなってしまう。
衝動的に、マルコ神父は教会から飛び出してしまっていた。
「おいっ!待てって!?」
思わず追いかけようとするネド神父だったが、マルコ神父の勢いは相当なもので、あっという間に引き離されてしまった。
数時間後・・・・。
(ど・・どうしましょう・・)
通りを歩きながら、マルコ神父は後悔に駆られていた。
(私の馬鹿・・・!!何だってあんなことしたんですか!?)
教会を出てきた際の行動を振り返り、そう思わずにはいられない。
(やはり・・・戻った方が・・・)
歩きながらそう考えるが、同時にミハエル神父と楽しそうにしていたネド神父の姿が思い浮かぶ。
(随分楽しそうでしたよね・・・。私がいながら・・・あんなだらしない・・!!)
楽しそうで、鼻の下を伸ばしただらしないネド神父の表情を思い出すと、苛立ちが募って来る。
(そうですよ!元はといえば、ネド神父のせいでしょうに!それなのに・・)
ネド神父の態度が原因だと思うと、帰りたくない。
(しかし・・そうはいっても・・・)
ハンカチを取り出し、汗を拭きながら、マルコ神父はふと空を見上げる。
頭上では太陽がこれでもかと言わんばかりに、さんさんと照り輝いている。
(このままでは・・・参ってしまいそうですね・・・)
額に浮かぶ汗を拭きながら、マルコ神父はそう思わずにはいられない。
(少し・・緩めた方が・・。何を言ってるんですか!暑いからってだらしない格好をするなんて、もっての外です!)
暑さに思わずボタンを外し、着崩そうかと思ったが、持ち前の真面目さがそれを拒否する。
おかげで、マルコ神父はいつものようにきちんとボタンを締めたまま、夏の暑い通りを歩き続ける。
(仕方ありません・・。どこかで一休み・・・)
そう思ってポケットを探るが、あることに気づく。
(しまった・・!財布が・・!!)
感情的になって飛び出してしまったため、財布も何も持たずに出てきてしまったのだ。
カフェで一休みと思ったが、財布が無くてはどうにもならない。
(どう・・しましょう・・。やはり・・戻るしか・・・。って何を馬鹿なことを!今さらどの面下げて教会に帰れますか!恥を知りなさい!!)
マルコ神父は持ち前のプライドから自身を叱咤し、そのまま歩き続ける。
「はぁ・・はぁ・・」
荒い息を吐き、何だか焦点が定まっていないような目で、マルコ神父は道を歩いていた。
「うぅ・・・・」
何とも最悪な気分で、頭の中で教会の鐘が鳴っているかと思うほどの頭痛がし、吐き気がこみ上げてきそうになる。
辛うじて吐き気を堪えているものの、このままでは限界だった。
(これ・・以上は・・・まずい・・ですね・・・)
自身の異常に、さすがにマルコ神父も危険を感じる。
(やはり・・帰った方が・・でも・・・)
帰るべきだと思うものの、あんなことをしておいて顔を合わせられない、というプライドが頭をもたげる。
(そうですよ!どの面下げて・・しかし・・・)
自身の体調とプライド、それらがジレンマとなってマルコ神父を責めたてる。
帰らなくては危ない、しかし帰りたくない、その板挟みでマゴマゴしている間に、頭痛はさらに強くなってくる。
やがて、視界がブラックアウトしたかと思うと、マルコ神父はそのまま意識を失ってしまった。
目を覚ましたマルコ神父の目に飛び込んで来たのは、清潔な白い天井だった。
「ここは・・!?」
上体を起こすと同時に、マルコ神父は嫌悪感や恐怖感を覚える。
入院患者用の病棟だと気づいたからだ。
医者や病院の類が苦手なマルコ神父にとっては、遠慮したい場所である。
「どうして・・こんなところに?」
思わずそう呟いたところで、医者と看護師が入って来た。
「あら?気がつきましたか?」
「あ・・え、えぇ・・・」
看護師の問いに、マルコ神父はぎこちない表情で返事をする。
「ふぅむ、どうやら具合は良さそうですね」
「あの・・一体どうしてここに?」
「街中で突然倒れたとの通報でね。うちへ搬送したんですよ。覚えてませんか?」
「い・・いえ・・・」
「どうやら熱中症のようです。まあ幸い重症ではないですが。念のため一日入院して下さい」
「そ・・そうですか・・・」
マルコ神父は複雑な表情になる。
幸い、ひどいことにはならなかった。
だが、熱中症なんかになって倒れてしまったかと思うと、それが何だか情けない。
「ああ、それと連絡先を教えてもらえませんか?」
「え・・連絡先ですか?」
マルコ神父は一瞬、表情を強張らせる。
「どうかしましたか?」
「い、いえ・・何でも・・・」
(仕方ありませんね・・・)
連絡先を教えないことには不審がられてしまう。
マルコ神父は平静を装いつつも、教会の電話番号を教えた。
翌日・・・・。
(やはり・・・怒ってますね・・・)
隣の座席に座っているネド神父の姿に、マルコ神父はそう思わずにはいられなかった。
退院許可が下りたため、タクシーでネド神父が迎えに来たが、やって来たネド神父は、むっつりとずっと押し黙ったままだった。
迂闊に話しかけることなど出来ない雰囲気で、気まずい沈黙が支配する中、タクシーで教会まで帰って来る。
だが、教会へ帰ってきても、ネド神父はマルコ神父を連れて自分の部屋へ行くまで、ずっと黙ったままだった。
「マルコ・・・・」
(き・・来ましたね・・・)
部屋へ入り、ようやく口を開いたネド神父に、マルコ神父は思わず身構える。
「な・・何ですか・・?」
身構えながらも、怯えているなどと思われないよう、平静を装ってマルコ神父は問い返す。
「この馬鹿・・・!何やってんだ・・!!」
ネド神父は怒りと呆れが混じった声で言う。
「も・・申し訳ありません・・」
自分に非がある以上、マルコ神父はさすがに謝る。
「謝りゃあいいってモンでもないだろ!何だって、こんなことになった!!」
「それは・・・」
マルコ神父は思わず口ごもってしまう。
ミハエル神父と楽しそうにしているのを見ていて嫉妬したからなどと、言えるはずもない。
「言いたく・・ありません・・」
「何?それで済むと思ってんのか?」
さすがにネド神父も険しい表情になる。
「あなたなんかに言いたくありません。どうせ叩く気なのでしょう?だったらさっさと叩いたらどうなんです?」
墓穴を掘るのを承知で、マルコ神父は虚勢を張る。
「そうかよ。だったら望み通りにしてやる」
ネド神父は険しい表情でそう言うと、いつものようにマルコ神父を膝の上に載せ、慣れた手つきであっという間にお尻をあらわにする。
「く・・・!!」
覚悟はしていたとはいえ、お尻に外気を感じると同時に、マルコ神父は恥辱で身体を震わせる。
ネド神父はいつものように左手でマルコ神父を押さえ、右手をゆっくりと振り上げた。
ビッダァァァァ~~~~~~~~~ンッッッッッ!!!!!
「ぐぅ・・・!!」
最初から容赦のない、強烈な平手打ちに、マルコ神父は思わず息が詰まり、目から火花が飛んだかと思う。
バシッ!バアアンッ!バアンッ!ビダァンッ!バッジィンッ!バアンッ!
「く・・!あっ・・!かっ・・!はっ・・!あっ・・!あく・・!」
骨にまで響くかと思うほどの平手打ちに、マルコ神父はまるで金魚のように口をパクつかせる。
「この馬鹿ッ!何してんだっ!」
バシィンッ!バアンッ!ビダァンッ!バアンッ!バジィンッ!ビッダァンッ!
「く・・!あく・・!あっ・・!くぁ・・!かっ・・!あっ・・!」
ネド神父の上着の裾を握りしめ、必死に堪えようとするも、意思とは裏腹に声が出てしまう。
「勝手に出て行った上に電話にも出ねえ!」
バアッジィンッ!ビッダァンッ!バアッアンッ!バジィンッ!ビッダァンッ!
「ひ・・!ぎっひ・・!ひっ・・!あっ・・!あっく・・!ひぃん・・!」
骨まで響くかと思う平手打ちが、マルコ神父のお尻を満遍なく赤く染めてゆく。
「全然帰らねえと思ったら・・・熱中症でぶっ倒れて入院だと!?本当に何考えてんだっっ!!」
バアッジィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!バアッアア~ンッ!ビバッダァ~ンッ!
「ぎ・・!ひっ・・!ぎひっ・・!も・・申し訳・・ありま・・せん・・!」
半ば涙目になりながら、マルコ神父は謝る。
「謝るのは当たり前だろ!何だってこんなことしたって聞いてんだ!!」
バシバシとお尻を叩きながら、ネド神父は尋ねる。
「で・・ですから・・それは・・言いたく・・ないと・・言って・・いるじゃ・・ないです・・か・・!!くぅぅ・・・!!」
平手打ちに苦悶の表情を浮かべつつ、マルコ神父は言葉を返す。
「それで済むと思ってんのか?」
「う・・うるさいですね!こうしてお仕置きを受けてんですからいいじゃないですか!!」
どうしても言いたくないため、マルコ神父はつい反抗的な態度を取ってしまう。
「反省の色無しか・・・。なら、仕方ねえな」
ネド神父はそういうと、足を組む。
おかげでマルコ神父は赤く染まったお尻を突き上げた体勢になる。
「く・・・!」
この体勢が意味するものを知っているせいか、無意識のうちに身体が震える。
「どうする?話すなら今のうちだぞ?」
最後通告がされるが、マルコ神父はプイッと顔をそむける。
「そうか・・。なら容赦しねえからな」
ネド神父はそういうと、再び右手を振り上げた。
バアッジィィィ~~~~~~ンッッッッッッ!!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッッッッ!!!!!!
「う・・・うっわぁぁぁあああああ!!!!!!!」
豪雨のごとき平手打ちにマルコ神父は絶叫する。
あまりの苦痛に、プライドもかなぐり捨て、手足をバタつかせてしまう。
ビッダァァァァァ~~~~~ンンンッッッッ!!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~ッッッッ!!!!
「ぎっ・・!ひっ・・!ひっひっ!ぎっひぃぃぃぃ!!!!」
悲鳴を尻目に、平手の嵐はマルコ神父のお尻をさらに濃い赤へと染め上げてゆく。
「ひぃ・・!やめ・・!ひぃん・・!や・・やめ・・・やめて・・下さい・・!」
バアッジィィ~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~!!!!
さすがに耐えられないのだろう、涙を浮かべながら、マルコ神父は必死に許しを乞う。
だが、それを無視してネド神父は叩き続ける。
「ひっ・・!やめ・・やめて下さいっ!ひいいっ!やめ・・やめて・・・!!うわぁぁぁああ!!!痛・・!!痛いぃぃぃ!!!」
マルコ神父の悲鳴と共に肌を打つ音が長い長い間、部屋に響きわたり続けた。
「うぅ・・ひっ・・あっう・・えっ・・・」
プライドも何もかもかなぐり捨てて、マルコ神父は泣いていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がっている。
「マルコ・・まだ不足か?何だったら礼拝堂に行って叩いてもいいんだぞ?」
(そ・・そんな・・!!こんな姿を・・皆に・・!?)
ネド神父の言葉に、思わずマルコ神父は皆の前でお仕置きされる姿を想像してしまう。
その間に、ネド神父はマルコ神父を担ぎあげ、部屋を出ようとする。
(ほ・・本当に・・!?)
本気で公開お仕置きをしようとしていることに気づき、マルコ神父は慌てだす。
「わ・・わかりましたっ!言いますっ!話しますっ!で・・ですから・・み・・皆の前でだけは・・・!!」
「やれやれ・・・。ようやく素直になってくれたな・・・・」
ホッとしたようにため息をつくと、ネド神父は歩みを止めた。
「だーはっはっはっはっ!!」
「わ・・笑わないで下さいっ!恥ずかしいんですからっ!!」
マルコ神父は顔を真っ赤にして抗議する。
「すまんすまん。しっかし、ミハエル神父に嫉妬して家出するなんてなぁ」
ニヤニヤ笑みを浮かべながら、ネド神父は言いやる。
「だ・・だから嫌だったんですっ!そもそも・・あなたのせいでしょうが!!」
「悪かったって。別にミハエルとは何でもねえって」
「それにしては随分楽しそうだったじゃないですか!」
「まぁアイツといると楽しいけどなぁ。でも安心しろ。俺はマルコ一筋だからな」
「そ・・そんなので誤魔化されませんっ!」
拗ねているのだろう、マルコ神父は顔をそむけながら言う。
「ふふふ、カ~ワイイなぁ~」
「ちょっと!何するんですかっ!?」
ネド神父はニヤニヤしながらマルコ神父を抱き寄せたかと思うと、思い切り濃厚なキスをする。
「ん・・んぐ・・ん・・!!ぶっは・・・!!って何するんですかーーー!!!!」
ようやく解放されたマルコ神父は、思い切りネド神父を殴ってしまう。
「ってキスしただけだろうが?」
「何を考えてるんですか!?不謹慎な!」
「いやさ、ミハエルのことでご機嫌斜めだからな。俺の気持ちを表そうとな」
「だからってこんなことしなくてもいいでしょうに!?」
「これじゃなきゃダメなんだよ。マルコにしか、こんなこと、したくないからな」
「わ・・私はしたくありませんっ!!ネド神父の馬鹿っっ!!」
マルコ神父は顔を真っ赤にして部屋を飛び出してしまう。
「あららら、ちょっと薬が効きすぎたか・・・」
マルコ神父の反応にネド神父は少し反省する。
「でも・・ああいうところが可愛いんだよなぁ」
だが、すぐに惚気たような表情を浮かべ、そう呟いた。
「全く・・!何考えてるんですか!?相変わらず非常識なんですから!!」
マルコ神父はネド神父の対応に呆れずにはいられなかった。
(でも・・私にしかしたくないと言っていましたね・・・)
ネド神父の言葉と共に、先ほどの濃厚なキスの味を思い返す。
思い返すと、何だか蕩けそうになり、身体が熱くなってきそうになる。
(私の馬鹿っ!?何考えてるんですかっ!?)
自分の反応にマルコ神父は慌て、必死に自分を落ち着かせる。
「全く・・!何なんですか・・もう・・!」
何とも言いがたい表情を浮かべ、マルコ神父はそう呟かずにはいられなかった。
―完―
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