スパーダの悪だくみ(SO2&テイルズより:ガイ/スパーダ、共演パロ・BL)
(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにした、SO2&テイルズ共演パロです。BLもあります。許容出来る方のみご覧下さい)
「ルカ・・・」
「兄さん・・・」
ルークとルカは熱い目でジッと向き合い、呼びかけあう。
互いを抱きしめると、キスをかわす。
互いの舌が絡み合い、身体の芯から熱くなってくる。
相手の服を脱がしにかかろうとしたそのときだった。
「ルカーーーっっ!!いるかよーーっっ!!」
突然聞こえてきた声に二人とも慌てて離れ、服を整えて、何事も無かったかのように取り繕う。
直後、勢いよくドアが開き、何者かが入って来た。
現れたのはルカやイリアと同年代らしい少年。
緑をベースにした服やベレー帽を身につけており、両腰にそれぞれ下げた剣が双剣士であることを示している。
少年の名はスパーダ・べルフォルマ。
ルカとイリアの幼馴染で、最近この街のギルドに移籍して来たのだ。
「な、何、ど、どうしたの?スパーダ?」
「何だよ、何しに来やがったんだよ?」
突然現れたスパーダに、ルカは慌てながら、一方ルークは不機嫌な様子で尋ねる。
「あれぇ?オジャマだったかよ?」
「う、ううん、だ、大丈夫だよ。何でもないから」
ルカは不機嫌なルークを尻目に、取り繕う。
「ならいいや。実はちょっと手伝ってくんねえ?宿題すっかり忘れててよぉ。このままじゃあケツ叩かれちまうからよ。なぁ助けてくれよ~、ルカ~」
「わ、わかったよ。に、兄さん。悪いけど僕らの部屋で待っててくれる?」
「わーったよ。でも、さっさと済ませろよな」
「う、うん」
ルカはそういうと、不機嫌なルークを尻目に、スパーダと共に部屋を後にした。
「クソッ・・!!また邪魔しやがって!!」
一人きりになったルークは、不機嫌な表情を浮かべ、ゴミ箱を蹴っ飛ばす。
ここ最近、ことあるたびにスパーダがルカをクエストや遊びに誘い、上手いこと引き離されてしまう。
特に二人がいい雰囲気なときほど、邪魔するように現れる。
おかげで全然恋人らしいことも出来ない。
使われていない部屋を探し、せっかく二人でたっぷりと愛し合おうと思っていたのに、今日もまた邪魔されてしまった。
「あーもうっ!!イライラするぜっ!!」
苛立ちを吐きだしながら、ルークはルカを待とうと、自分達が普段使っている部屋へと向かう。
その途中、ティア・リフィル・イリアが向こうからやって来るのが見えた。
探し物でもしているのか、キョロキョロしている。
「おい?何してんだよ?」
「ちょっと探しものをしてるのよ」
「探しもの?何だよ?」
「そ・・それは・・その・・あ・・あまり言いたくないものよ、特に男性にはね」
ルークの問いにティアは何だか口ごもる。
「あん?何だよそれ?」
「ルーク、お願いだからこれ以上聞かないでくれるかしら?女性には色々あるのよ」
リフィルの言葉に続けるように、イリアもつっけんどんな態度で言う。
「そうよっ!相変わらず鈍すぎるってのよ!馬鹿兄貴っ!!」
「んだよっ!テメェッ!それが兄貴に言う言葉かよっ!!」
イリアの言葉に思わずルークが喧嘩腰になる。
「二人とも喧嘩はやめなさい。迷惑でしょう?」
喧嘩になりかけた二人をティアがそう止める。
不満そうな二人だったが、逆らえばお尻がどうなるかわからないので、しぶしぶ従う。
「くそ・・!何だよ・・気分悪ぃ・・!!」
そう言うと、ルークはその場を離れた。
(あ~くそっ!ムカつくからフテ寝でもすっか)
そんなことを思いながら、ルークは部屋へと入る。
一眠りしようと、ベッドに横になろうとしたときだった。
「あん?何だコレ?」
ルークはベッドの下に何かが押し込まれていることに気づく。
怪訝に思って引っ張り出すと、何かが詰まった袋。
「何だよコリャ!?」
思わず中身を開けてみると、ルークは驚く。
中に詰まっていたのは女性用の下着。
「何でこんなモンがあるんだよ!?ん・・!?」
中に詰め込まれていた下着に、ルークはあることに気づく。
「これ・・ティアのか?ん?コッチはイリアのじゃねえかよ!?」
以前、洗濯物として外に干されているのをたまたま見かけたことがあるから、間違えようが無かった。
ようやく、ルークはティア達が探していたものを理解する。
(ちょっと待て!?ヤベエじゃんかよ!?)
自分が置かれた状況に、ルークは焦る。
もし、この状況で誰かに見られたら、間違いなく自分が下着泥棒だと思われる。
そんなことになれば、お尻が幾つあっても足りない目に遭わされるだろう。
(ヤベェって!?何とかしねえと!?)
ルークはそう考えると、下着の詰まった袋を抱え、急いで部屋を飛び出した。
「誰も・・見てねえよな?」
裏庭に現れたルークは、コソコソとあたりを見回す。
自分しかいないと確認すると、ルークは下着の詰まった袋を焼却炉に押し込もうとする。
「あっれ~?何コソコソしてんだよ?」
「な、何でテメェがいるんだよ!?ルカに宿題教えてもらってたんじゃねーのかよ!?」
突然現れたスパーダにルークは慌てる。
「ちょっと一休みしてんだよ。それより何やってんだよ?」
「な、何でもねーよ!さっさと行けよ!!」
袋の中身を見られてはマズイと、ルークは追い払おうとする。
「何か怪しいな~。その中身見せてみろよっ!エアスラストッッ!!」
スパーダは術を発動し、ルークが抱えていた袋を風の刃で切り刻む。
袋が切り刻まれ、中から女性用下着がボロボロと零れおちた。
「ゲ・・!!何だよコレ!?」
スパーダは驚いた表情を浮かべる。
「ち、違うっ!?俺じゃねえ!?」
慌てて否定するルークだが、スパーダは大きく声を張り上げる。
「皆――っ!!ルークが下着泥棒してたぜーーー!!」
「だから俺じゃねーっ!!クソッ!!黙れってんだよっ!!裂破掌っっ!!」
とっさに黙らせようとルークは掌打を叩き込み、気を爆発させる。
「ぐっわ・・い・・痛ってええええええ!!!!!ほ・・骨折れたぁぁぁ!!」
「そ、そこまでやってねーよっ!!げ・・!!」
手加減したはずなのに思い切り痛がるスパーダに突っ込みを入れるルークだったが、騒ぎを聞きつけたのか、ルカが駆けつけた。
「痛・・痛ぇぇ・・痛ってぇぇぇ・・よぉぉ・・!!」
「スパーダッッ!?どうしたのっ!?」
呆然としているルークを尻目に、地面に倒れてウンウン呻いている親友に、ルカは思わず駆けつける。
「ルカぁぁ・・!!ルークの野郎ひでぇんだよ!!下着泥棒したの俺が見つけたらよ、証拠隠滅で俺にいきなり殴りかかってきやがったんだよ!!」
スパーダは苦しげな表情を浮かべながら、ルカにそう言う。
「兄さんっ!?本当なの!?」
「違うっ!!下着泥棒なんかしてねえ!!」
「ルカッ!騙されちゃダメだ!俺は確かに見たんだぜ!ルークが下着の入った袋焼却炉に押し込んで焼こうとしてたのをよ!!」
「兄さん・・それ本当なの?」
まさかと思いつつ、ルカは尋ねる。
「そ・・それは・・本当だけどよ、で、でも下着泥棒なんてしてねえよ!!気づいたら俺のベッドの下にあったんだよ!?」
「やってねえんなら何でそんなことすんだよ?怪しいじゃねえかよ?やっぱりテメェが犯人じゃねーのかよ!?」
「だから俺じゃねーっ!!魔神拳っ!!」
犯人扱いするスパーダに、ルークは思わずカッとなり、魔神拳をスパーダに放ってしまう。
「ぎゃああ!!ま・・また・・やりやがったぁぁ・・!!」
「兄さんっ!!スパーダに謝ってよ!!」
自分の目の前で親友に暴力をふるった兄に、ルカは思わず怒りの声を上げる。
「スパーダが悪いんだよっ!!俺のこと犯人扱いしやがるからっ!!」
「だからって暴力振るうことないじゃないか!!謝ってよっ!!」
親友を傷つけられたからか、普段とはガラリと異なり、ルカは容赦なく兄を責める。
「な・・・何で俺が謝らなきゃいけねえんだよ!!お・・俺・・悪くねえっ!!」
下着泥棒扱いしたスパーダに謝るのが癪で、ルークは思わずそう言ってしまう。
「ひどい・・!!兄さんがそんな最低な人だなんて知らなかったよっ!!もう怒ったからねっ!!行こうっ!スパーダっ!!」
「お・・おいっ!ちょっと待てよ!!」
スパーダを連れてその場を去ろうとするルカに、思わずルークは声をかけようとする。
だが、騒ぎを聞きつけて現れたリフィル達に邪魔されてしまう。
「おいっ!どけよっ!!」
「そうはいかないわ。ルーク、話があるわ」
「だから俺じゃねーっての!?おいっ!!どこ連れてくんだーーーっっっ!!」
ルークは必死に抗議するが、女性陣に強引に連行されてしまった。
バシッ!バンッ!バンバンバンッ!バンバンバンバンッ!
「だああっ!痛っ!痛えええっ!!馬鹿ッ!やめろっ!やめろってんだろーーがぁぁぁ!!」
容赦なくパドルをお尻に叩きつけるティアに、ルークは悲鳴を上げながら抗議する。
「やめろじゃないでしょう?全く・・何をやっているの?」
呆れたような声を漏らしながら、ティアはパドルを振るう。
「だから俺は下着ドロなんてしてねーーーっっっ!!!何でケツ叩くんだよっっ!!」
「下着の件はルークだとは言ってないわ。でも、スパーダに暴力を振るったのは事実でしょう?」
パドルを振りながら、ティアはそう言う。
さすがにティアやリフィルも、ルークが下着泥棒をしたとは考えていない。
喧嘩などはしても、そういうハレンチなことはしないと知っているし、信じているからだ。
だが、スパーダに暴力を振るったのは事実。
そのことで叱っているのである。
「あ・・あいつが悪いんだよっ!?お、俺の事犯人扱いしやがるからっ!!」
「だからって暴力を振るっていい理由にはならないでしょう?」
「何だよ何だよ!皆して俺の事悪者扱いしやがってよ!!そんなにスパーダの方がいいのかよ!?」
「ルーク?そういうことじゃないでしょう?スパーダに暴力を振るったのは事実なのだから、ちゃんと反省して謝りなさいと言っているのよ?」
「う・・うっせえよ!!どいつもこいつも!!皆死んじまえばいいんだよっ!!」
「ルーク!いい加減にしなさい!!」
ビッダァァァ~~~~~ンッッッッッ!!!
見逃せないことを言いだしたルークに、ティアは本気でパドルを叩きつける。
「だぁぁぁ!!何すんだよっ!?馬鹿女っっ!!」
「ルーク・・・。スパーダに暴力を振るった上に反省するどころか、皆に死ねだなんて・・。しっかり反省しなさい」
そういうと、ティアはさらに容赦なくパドルを振り下ろす。
「ぎゃああああ!!やめろっ!やめろってんだろーがぁあああ!!ちっくしょ・・!!何でこうなんだーーーっっ!!!」
パドルが叩きつけられる中、ルークの悲鳴が響きわたった。
「ヘッヘッヘッ・・。上手くいったぜ!!」
ティアに容赦なくお尻を叩かれるルークの姿に、スパーダは悪人チックな笑みを浮かべる。
「ザマぁ見やがれだぜ!!ルカを変な道に目覚めさせやがるからだぜ!!ケツが壊れるまで叩かれやがれっっ!!」
お尻を叩かれるルークの姿に、スパーダは笑みを浮かべながらそう言う。
(ルカ!あんな変態野郎の手から必ず助け出してやるからな!!ちゃんと俺が女の子相手の道に戻してやる!!)
お仕置きされるルークを見やりながら、スパーダは心の中でそう叫ぶ。
下着泥棒の真犯人はスパーダだった。
目的はルークとルカの仲を引き裂くため。
(あんなバカ野郎の癖にルカを変な道に目覚めさせて、しかも付き合いやがって!絶対認めねえ!許さねえからな!!)
こっそりお仕置きされるルークを見やりながら、スパーダは心の中でそう言う。
スパーダは健全な男の子は女の子と付き合うもんだ、と考えている。
そのスパーダにとっては、ルークとルカの関係は認められるものではない。
(待ってろよルカッ!絶対真っ当な道に戻してやるからな!!それに・・・ルカを変な道に引き込みやがった変態野郎にはまだまだ痛い目見せねえとな!)
スパーダは手帳を見やりながら、そんなことを心の中で呟く。
手帳には、今回の下着泥棒事件をはじめ、ルークとルカの間を引き裂くための様々な作戦の概要が書かれていた。
いずれも今回のようにルークを悪者に仕立てあげ、お仕置きをされるような羽目に追い込むようなもの。
これらの作戦で、ルカが愛想尽かしをするように仕向け、ルークを痛い目に遭わせようと言う魂胆だった。
(まぁ今日はこれくらいでいいか・・。次はどうしてやろうか?)
その場を離れつつ、スパーダはそう考える。
二人を引き離す作戦を考えていたせいか、目の前から誰かがやって来るのに気付かなかった。
「うおっ!馬鹿野郎っ!!気をつけろっ!!」
「すまなかった、大丈夫か?」
文句を言うスパーダにガイはそう謝る。
「わ、わかりゃあいいんだよ!」
そういうと、スパーダはその場を立ち去る。
「はは、相変わらずだな。ん?」
ガイはスパーダが何かを落としていったことに気づく。
「手帳か?落としたみた・・・」
届けてやろうと拾うも、偶然開いたページの中身に、表情が変わる。
「これは・・・!!」
ガイは真剣な表情に変わると、すぐさまスパーダを追いかけた。
「ん?アレ?どこやった?」
不意にスパーダは違和感を感じ、上着のポケットを改め始める。
「もしかしてコレか?」
「ありがとよ。これだこ・・・!!」
差し出された手帳に、思わず礼を言って受け取ろうとするスパーダだったが、ガイの姿に表情が強ばる。
「スパーダ・・・」
「な、何だよ?」
「ちょっと話をしようか?」
「お、俺にはねえよっ!!」
身の危険を感じたのか、スパーダはそう言いながら後退する。
「そうはいかないんだ。一緒に来てもらうぞ?」
「やめろッ!離せよっ!誰かっ!女嫌いのホモ野郎に襲われるーーー!!!」
(ひどい言い草だな・・・)
スパーダの言葉に苦笑しつつも、ガイはスパーダを肩へ担ぎあげるや、パンパンッ!と数回軽めにお尻を叩く。
「だぁぁ!何すんだテメエッッ!!」
「スパーダ、あまり聞きわけが無いとここでお尻を叩くぞ?皆にそんなところ見られてもいいのか?」
「!!!!」
ガイの囁くような問いにスパーダは愕然とする。
スパーダが大人しくなると、ガイはスパーダを担いだまま、その場を離れた。
「さてと・・・。これは一体どういうことなんだ?説明してもらおうか?」
ガイはスパーダと正面から向き合うと、手帳を示しながら尋ねる。
「ふん・・。見りゃあわかるだろうがよ?」
言う通りにするのが癪なのだろう、スパーダは不貞腐れた態度で言う。
「スパーダ、ルークを嵌めたのか?」
「ああ、そうだよ。俺がやってやったのさ。俺が盗んで、ヤツにおっかぶせてやったんだよ」
「スパーダ、自分のしたことがわかってるのか?イタズラのレベルで済むことじゃないんだぞ?」
スパーダの言ったことにガイは思わず厳しい表情になる。
「ケッ!あの野郎が悪いんだよ!ルカを変な道に引きずり込みやがって!!だからあの野郎をハメてやったんだよ!!いい気味だぜ!!」
「スパーダ、あの二人が付き合うのが気に入らないという気持ちはお前には無理ないかもしれない。だけどな、これは幾ら何でもダメだろう?」
「る、るせえなっ!ルークが悪いんだよっ!!」
「だからってこんなことしてってことにはならないぞ?」
「おいっ!何しやがるっ!離せよっ!!」
手首を掴まれ、抵抗しようとするスパーダだったが、力負けして、ガイの膝に載せられてしまう。
「どわああああ!!何しやがんだぁぁ!?やっぱりテメェもソッチ系かよっ!!変態っ!?離しやがれーーー!!」
(ひどい言いようだな・・・)
スパーダの暴言に苦笑しつつも、ガイは慣れた手つきでズボンを降ろし、スパーダのお尻をあらわにしてしまう。
「スパーダ、しっかり反省するんだぞ?」
「俺には反省することなんてねーよっ!!離しやがれっ!!」
あくまでも自分は悪くないと主張するスパーダだったが、ガイが聞き入れるわけもない。
ガイは片手でスパーダの身体を押さえると、もう一方の手を振り上げた。
バッシィィィィ~~~~ンッッッッ!!!
「だぁぁぁ!!何しやがんだテメェ!?」
思いきりお尻を叩かれ、スパーダは抗議の声を上げる。
「だからお仕置きだって言ってるだろう?ちゃんと反省してくれ」
そう言いながら、ガイは平手を振り下ろす。
パアンッ!パシッ!パアアンッ!ピシャンッ!パアシィンッ!
「だぁぁぁ!俺はお仕置きされることなんてやってねーよっ!!離しやがれぇぇ!!」
お尻を叩くガイに、スパーダは相変わらず抗議する。
ピシャンッ!パアアンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!
「ダメだろう?幾らルークが気に入らないからって、下着泥棒の罪を被せたり、罠にかけるだなんて・・」
お尻を叩きながら、ガイはお説教を始める。
パアンッ!パシンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「る、るっせーなっ!ルークが悪いんだよっ!ルカを変な道に誘って、目覚めさせやがるからだっ!!お、俺はルカを真っ当な道に戻してやろうとしただけだぜっ!!」
パアアンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パアアンッ!
「だからってあんなことをしていいって理由にはならないだろう?スパーダ、人にやってもいない罪をかぶせて、仲を引き裂こうだなんて、これ以上ないくらい最低なことなんだぞ?」
「る・・るせえよっ!!エラそうなこと言うんじゃねえっ!?テメェまで変態の味方しやがるのかよっ!!」
「だからそういうことじゃないだろう?スパーダ、もしルカがこのことを知ったらどう思う?」
「な・・何だと?」
お尻を叩きながら、ガイは言い聞かせるように言う。
「スパーダ、もしお前が誰かを好きになった時、ルカがそれを認めてくれなかったら、そしてそれでお前と好きな子との仲を裂こうとこんなことをしたら、お前はどう思う?」
「ル、ルカがそんなことするわけねえだろっ!!」
「だから例えばの話だ。でも、もしそうなったら悲しくならないか?」
「く・・・!!」
ガイの言葉にスパーダは苦虫を噛み潰したような表情になる。
「どうだ?もしルカがそんなことしたら悲しいだろう?それなのに、ルカを悲しませるようなことをどうしてするんだ?」
「る・・るせえよっ!!と、とっとと離せって言ってんだよっ!!」
ガイの言いたいことはわかるものの、認めるのが癪で、スパーダはそう言い放つ。
「やれやれ・・。それじゃあ仕方ないな・・」
ガイはため息をつくと、さらに平手の勢いを増す。
ビッダァァァァ~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
「だぁあああ!!何しやがんだぁぁぁぁ!!やめろっ!やめろっつってんだだろーが!!ぎゃああああ!!痛ぇええええ!!!!」
反抗的な態度を崩さないものの、限界なのか、スパーダは悲鳴を上げる。
その後、激しい平手の音と悲鳴が響きわたった。
「ぐぇ・・ええ・・痛ぇぇぇ・・よぉぉぉ・・・」
目尻に涙を浮かべ、スパーダは身体を震わせて泣いていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がっている。
「スパーダ、反省してくれたか?」
「る・・るせぇ・・!み・・未成年虐待だって・・う・・訴えて・・やっからなぁぁ・・!!」
限界なくせに、あくまでもスパーダは意地を張る。
(仕方ないな・・。こうなったら・・・)
あくまでも強情を張るスパーダに、ガイはため息をつくと、今度はスパーダを肩に担ぐ。
「どわっ!何すんだっ!!」
抗議するスパーダを尻目に、ガイは何度かパンパンと軽くお尻を叩く。
「だぁぁ!!やめろっ!痛えだろうが!!」
「スパーダ、あくまで強情を張るなら、これでお尻を叩きながら会館を、いや街中を一回りするぞ?」
「な・・何・・!?」
ガイの言葉にスパーダは愕然とする。
「へ・・!妙な冗談はやめやがれ!?」
「冗談と思ってるなら・・仕方ないな・・」
ガイはそういうと、お尻を出したままのスパーダを担いで部屋を出ようとする。
(ま・・マジかよっ!?)
本気だと覚り、さすがのスパーダも慌てる。
「だぁああ!!待てっ!待てってんだよっっ!!」
「それならちゃんと謝るか?」
「な・・何で俺が・・!!」
「じゃあ仕方ないな」
そういうと、ガイはスパーダを担いで部屋を後にしようとする。
「だぁぁあ!!わかった!俺の負けだよっ!謝るっ!俺が悪かったっ!!」
このままでは本当に会館を一回りされかねないと、スパーダは必死に謝る。
「もうこんなことはしないって約束するな?」
「何でそんなことま・・わ、わーったよ!もうしねえよっ!約束するって!!」
「わかってくれたみたいだな。よかった・・・」
ガイは安堵の息をつくと、ようやくスパーダを肩から降ろした。
「おいっ!もう少し優しくしろよなっ!!」
「悪かった、沁みたか?」
お尻の手当てをしながら、ガイはそう謝る。
「クソ・・!計画はオジャンだわ・・ケツは叩かれるわ・・。散々だぜ・・」
「これに懲りたらもうするんじゃないぞ。だがそれより・・・」
ガイは真剣な表情で口を開く。
「スパーダ、ルカの事が大切か?」
「ああん?分かりきったこと聞くんじゃねーよ!馬鹿っ!」
ガイの問いに、スパーダはそう返す。
「だったら二人の事を認めてやれ。ルカの事を本当に思うなら、ルカの幸せを願ってやることだろう?二人を無理やり引き裂いたら、悲しい思いをさせることになるんだぞ?それでもいいのか?」
「わ・・わーったよ!クソ・・!!」
後日・・。
「兄さん、大丈夫?」
「んなワケねーだろ!クソ・・まだケツ痛ぇぇ・・・」
心配しながら声をかけるルカに、ルークはお尻をさすりながら返す。
「ごめんね、兄さんのこと疑って」
「わかりゃあいいんだよ。でも・・腹立つよな・・。あん?」
向こうからやって来た人物の姿に、ルークの表情が強ばる。
「何しに来やがったんだよ!!」
「に、兄さん、喧嘩はやめてよ」
スパーダの姿にルークは思わず喧嘩腰になる。
「るせえな、変態野郎」
「誰が変態だっ!テメェのせいでコッチはケツ叩かれたんだからな!!」
「兄さん落ち着いてよ、スパーダ、何であんなことしたの?」
ルークを宥めつつ、ルカは尋ねる。
「ゆ、許せなかったんだよ、そこの赤毛野郎がよ!それより・・ルカ、お前、本当にこの変態ショタ野郎が好きなのか?」
「だ・・誰が変態ショタだっ!!勝手なこと言うんじゃねー!!」
「黙れよショタホモ、俺はルカに聞いてんだよ!どうなんだ?無理やりコイツにオンナにされたんじゃねーのか?」
「ち・・違うよっ!ぼ、僕の方から・・好きって言ったんだ・・」
「本当に好きなのか?幸せなのか?」
「うん・・。好きだよ、それに幸せだよ」
ルカは恥ずかしそうな表情で言う。
「チ・・!わかったよ!それじゃあ仕方ねー!諦めてやるよ!でもな・・」
スパーダはルークの方を振り向くと、思い切り睨みつける。
「おい!変態ショタ野郎!もしルカの事泣かしてみやがれ!この世の果てまで追いかけて、去勢してやっからな!!それじゃああばよ!!」
それだけ言うとスパーダは立ち去る。
「だ・・誰が変態ショタ野郎だッッ!!勝手ことばかりいいやがって・・!!」
「でも、僕らの事み、認めてくれたんじゃないかな?」
立ち去るスパーダに二人はそれぞれそう呟いた。
ルークは『変態ショタ』の称号を手に入れた。
「だから俺は変態ショタじゃねーーーー!!!」
―完―
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