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眼鏡事件(最遊記より:八/空)



(最遊記を題材にした二次創作です。原作とキャラのイメージが異なっている可能性があります。許容出来る方のみご覧下さい)


 「やっべぇ・・・・・・」
悟空は顔を真っ青にして、ジッとそれを見つめている。
視線の先にあるのはケースの中にある砕けたガラスの破片。
八戒の予備の片眼鏡のなれの果てだった。
 「どど・・どうしよう!?ってか俺のバカー!何してんだよ~!?」
慌てながら、悟空は数分前までの自分を振り返らずにはいられなかった。


 しばらく前・・・・。
「あー・・・腹減ったなー」
部屋でボーっとしたまま、悟空は呟く。
いつもだったら悟浄がからかったり、三蔵がまたか、と言いたげな表情を浮かべるが、あいにく皆外出中。
悟空一人なので、何も反応が無かった。
 (何か・・ねぇかなぁ・・・)
そう思いながら、悟空は宿の部屋に備え付けの冷蔵庫を開けてみる。
だが、あいにく入っているのは酒ばかり。
酒は全然飲まない悟空には、用の無い品だった。
 「どっかに・・あっ!!」
食べ物を探し求め、部屋を見回すうちに、悟空の表情が変わる。
一行の荷物の中に、野宿になった時のための保存食があることを思い出したのだ。
 あっという間に、悟空は荷物の元へ駆けつける。
「って・・どれだよ~?」
一まとめに置かれたバッグや袋に、悟空は困惑した表情を浮かべる。
どれに入っているか、わからないからだ。
 「これじゃ全部出してみるしかねーじゃんかよー」
思わずぼやきたくなるが、食欲には代えられない。
悟空はバッグや袋を開けては中身を取り出す、という作業を続ける。
 だが、幾ら出しても食料らしいものは見つからない。
「何でだよっ!あるはずじゃねーのかよっ!?」
幾ら探しても見つからない食料に、悟空は苛立ちを覚える。
「ああもうっ!面白くねえっ!腹立つっ!!」
空腹と、食べ物が見つからないことから来る苛立ちで、悟空は床に出した荷物に八つ当たりし始める。
そのとき、振りまわした足が、ケースらしきものに命中し、吹っ飛ばした。
蹴飛ばされた衝撃で、ケースは壁に命中し、音を立てて床に落ちる。
 「ん?あ・・!?」
自分がふっ飛ばしたケースに気づき、悟空は慌てて拾う。
恐る恐る、悟空はケースの蓋を開け、中を覗きこむ。
中から現れたのは片眼鏡。
八戒が使っているものだ。
といっても、予備の方だが。
 ケース内の片眼鏡を見るや、悟空の顔から血の気が引く。
蹴っ飛ばされ、壁に当たった衝撃のせいか、割れてしまっていたからだ。
「や・・やっべぇぇ・・・・・」
悟空はこの世の終わりと言わんばかりの表情になる。
バレたら八戒にお仕置きされてしまう。
 (ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイじゃんかよ!?)
悟空は必死に考えを巡らせる。
このままではお仕置きは免れない。
(か、隠さねえと!?)
隠し場所を探して、悟空は必死に部屋の中を見回す。
だが、焦っているからか、なかなか隠し場所が見つからない。
そうこうするうちに、足音が近づいてくるのが聞こえてきた。
 (やべえっ!?戻ってきた!?)
悟空はさらに慌てだし、さらに激しく室内を見回す。
とっさにゴミ箱が目に入ると、ケースごと投げ込んだ。
 「ただいま・・ってどうしたんですか?これは?」
八戒は空になった袋やバッグ、床に置かれた中身に、思わず悟空に尋ねる。
 「あ~・・実は腹減っちまって・・く、食い物無いかなーって・・・」
悟空はドギマギしながら尋ねる。
「それで全部荷物出しちゃったんですか?」
「う・・ゴ、ゴメンって」
悟空はシュンとして謝る。
 「まぁやってしまったのは仕方ありません。片付けますから、悟空も手伝って下さいね」
部屋の状況から片付けるのが先決と、八戒はそう言う。
「わ、わかったよ」
悟空はそういうと、片付けを手伝いはじめる。
だが、片付けながら、悟空は恐る恐る、八戒の様子を伺う。
それが一度や二度ならともかく、何度もやるものだから、八戒も訝しむ。
 「どうしたんですか?何か言いたいことでもあるんですか?」
「い、いや、な、なななな何でもねえよ!?」
悟空は誤魔化そうとするが、あからさまに怪しい素振りに、八戒の疑念はさらに大きくなる。
 「悟空、何か隠してませんか?」
「な、何言ってんだよっ!?な、何もないって!?」
必死に否定するが、その動揺ぶりが何かあることを物語っている。
 「悟空、何かあるなら正直に言って下さい」
「ないっ!ないってばっ!?あっ!?」
必死に否定しながら、悟空は思わず声を上げてしまう。
八戒がゴミ箱のそばまで来たからだ。
声を上げた悟空の視線を八戒はすかさず追う。
それが、そばのゴミ箱に注がれているのを、八戒はすぐに見てとった。
 八戒は無造作に、ゴミ箱を取り上げようとする。
「あ・・!!だ、だめーーーっっ!!!」
思わず悟空はゴミ箱を奪い取ろうとする。
だが、それを見越した八戒が後ろに下がり、空しく手が空ぶる。
直後、予備の片眼鏡のケースを、八戒がゴミ箱から取り出した。
 「悟空・・・何ですか、これは?」
ゴミ箱から取り出したケースを見せながら、八戒は尋ねる。
「め・・眼鏡の・・ケース・・・」
「そうですね。でも、どうしてこれがこんなところにあるんですか?知ってるなら話してもらえます?」
出来るだけ優しい声で、自分から話してくれるように、そう願いながら八戒は尋ねる。
 「し、知らねえよ!か、勝手に中に入ったんじゃねえのかよ?」
だが、悟空はあくまでも誤魔化そうとする。
「そんなはずはないでしょう?ちゃんと僕の荷物袋にしまっておいたんですから」
「は、八戒の勘違いじゃねえの?お、俺は知らねえってば!!」
ここまで来れば誤魔化しは効かないのだが、それでも悟空は否定しようとする。
そんな悟空にため息をつきつつ、八戒はケースを開ける。
隠してあったということは、中身に何か起こったはず。
そう判断したのだ。
中から壊れた片眼鏡が現れ、八戒は確信する。
 「あ・・・!!」
壊れた片眼鏡が現れ、悟空の顔から血の気が引く。
直後、悟空は逃げ出そうとした。
 「悟空、待って下さい」
「やだっ!やだやだっ!離せってばーー!!」
恐怖のあまり、悟空は必死に抵抗する。
 「悟空、あなたがやったんですか?」
怖がらせないように、出来るだけ優しい声で八戒は尋ねる。
「ひぃんっ!わ、わざとじゃねーよっ!!」
「やっと話してくれましたね・・・」
ようやく話した悟空に、八戒は安堵の息をつく。
だが、再び悟空に尋ねた。
 「悟空、どうして最初からちゃんと話してくれなかったんですか?」
「だ、だってよ、ば、バレたらお仕置きするじゃんか!!」
「だからって誤魔化したり嘘をつく方がもっとよくないでしょう?仕方ありませんね・・」
ため息をつくと、八戒はベッドの縁に腰を降ろし、悟空を膝に乗せる。
 「ま、待ってくれよっ!何するんだよっ!?」
「悟空、悪い子はお仕置きですよ。わかってるでしょう?」
悟空のお尻を出しながら、八戒はそう言う。
「や、やだやだっ!壊したのは謝るから~~!!勘弁してくれよ~~!!」
「そういうわけにはいかないんですよ。それに、壊したのを怒ってるんじゃないですよ」
今にも泣きそうな悟空にそう言いつつ、八戒は片手で悟空を押さえる。
そして、もう一方の手をゆっくりと振り上げた。


 バッシィィィ~~~ンッッッ!!
「うわああんっっ!!痛えええっっ!!」
弾けるような音と共に、お尻に走った痛みに悟空は悲鳴を上げる。
 パアンッ!パシンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「ぎゃんっ!ひっ!ひぃんっ!痛っ!」
平手が振り下ろされるたび、悟空は悲鳴を上げる。
 「ダメじゃないですか、眼鏡壊したのはともかく、隠したり嘘をついたりなんかして」
お尻を叩きながら、八戒はお説教をする。
パシッ!ピシャンッ!パアンッ!パシンッ!ピシャンッ!
「ぎゃあっ!痛っ!痛いっ!痛えっ!痛えってばあっ!!」
お尻を叩かれる苦痛に、悟空は悲鳴を上げ、両脚をバタつかせる。
 「お仕置きなんですから、痛いのは仕方ないでしょう?それより、ダメでしょう?誤魔化すだなんて」
「だ、だって・・ば、ばれたら怒られるじゃんかよっ!!」
悟空は泣きながら、弁解する。
 「正直に言ってくれれば僕だって怒ったりしませんよ。まぁお説教くらいはしますけど」
お尻を叩きながら、八戒はそう言う。
「でも、お仕置きが嫌だからって、誤魔化したのはいけませんね。それは悪いことですよ。わかってますよね?」
平手を振り下ろしつつ、八戒は確かめるように言う。
 「ひぃん・・だ・・だって・・だって・・・」
「だってじゃないでしょう?嘘ついたり誤魔化したりするのは悪いことだって、僕や他の皆から教わって来たでしょう?」
言い訳をしようとする悟空に、八戒はわざと怖い顔を浮かべてみせる。
 「ひぃん・・!な、何だよっ!は、八戒がお仕置きとかするからじゃんかよ!?」
厳しい八戒の態度に、思わず悟空はそう言う。
「そうだぜっ!八戒がお仕置きとかするから悪いんじゃんかよ!そうじゃなきゃあ俺だって隠そうなんて思わなかったってのっ!なのに何で俺が怒られなきゃならないんだよっ!!」
自分は悪くないと言わんばかりに、悟空はそう言う。
 「悟空、本気で言ってるんですか?」
一旦お尻を叩く手を止め、八戒は尋ねる。
「だ・・だったら何だよっ!い、いい加減に離せよっ!お、俺だって本気で怒るからなっ!!」
一瞬恐怖を感じるも、悟空はそう言い放つ。
 「そうですか・・。では・・仕方ありませんね・・」
ため息をつくと、八戒は膝を組む。
おかげで、悟空はお尻を突き上げた体勢になる。
 「ちょ、何すんだよっ!?」
さらにお仕置きが痛くなる体勢に、悟空は慌てる。
「ちゃんと反省してくれれば許すつもりだったんですが・・。そうはいかないようですね」
八戒はそう言うと、再び手を振り下ろした。
 ビッダァァァァァァ~~~~~~ンンンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~~ッッッッッ!!!!!
「うっわあああああああああ!!!!!!!」
激しい平手打ちの嵐に、悟空は絶叫する。
 バアッジィィィィィ~~~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッッ!!!
「ひぃぃぃぃぃ!!!!!八戒ぃぃぃぃ!!!言いすぎたのは謝るからぁぁぁ!!勘弁してくれよぉぉぉ!!!!!」
とても耐えきれず、悟空は必死に謝る。
 「ダメですよ。しっかり反省して下さいね」
「そ、そんな~~~っっっ!!!!うわああああんんん!!!!痛ええええ!!!ごめんってばーー!!やめてっ!ごめんなさぁぁぁいいぃぃ!!!」
絶望のあまり、泣き叫びながら必死に謝る悟空の声、激しくお尻を叩く音、それらがない交ぜになって部屋に響きわたった。


 「ひぃん・・痛ってぇ・・痛ぇ・・痛えよぉぉ・・・」
ボロボロ大粒の涙をこぼしながら、悟空は泣いていた。
そのお尻は、今や本物のサル顔負けの濃厚な赤に染め上がっている。
 「悟空・・・反省しましたか?」
一旦お尻を叩く手を止めて、八戒は尋ねる。
「ひぃん・・。したっ・・したってばぁぁ・・。眼鏡・・壊して・・ごめんってばぁ・・・」
許して欲しくて、悟空は必死に謝る。
 「違いますよ、悟空、僕が言いたいことは」
八戒はそういうと、悟空を抱き起こし、膝の上に座らせ、顔を合わせる。
「いいですか、悟空、僕は眼鏡を壊したことを怒ってるんじゃないんですよ」
「え?」
八戒の言うことがわからず、悟空は頭に?マークを浮かべる。
 「壊したのは仕方ありませんよ、事故ですから。それで怒るなんてことはしませんよ。でも、それを隠して誤魔化そうとしたでしょう?それはいけないことですよ。だから怒ったんですよ」
「そ・・そっか・・。ご・・ごめん・・。隠したり・・嘘ついたりして・・・」
ようやく八戒の意図に気づき、悟空は謝る。
「いいんですよ、わかってくれれば。それじゃあ、お仕置きは終わりですよ」


 「ひ・・!痛っ!?」
「沁みましたか?」
顔をしかめた悟空に、八戒は尋ねる。
 「うん・・。ちょ、ちょっと・・うう・・。八戒、叩きすぎじゃねーのかよー?ケツ、痛すぎだってー」
思わず涙目になりながら、悟空はそう言う。
「まぁしっかり反省して欲しかったですからね。悟空、次からは隠したりしないでちゃんと言って下さいね?」
「わかってるよー。こんなにケツ叩かれるの、もう懲り懲りだってー」
「ならいいんですよ。まぁ今日は結構痛い思いさせましたからね、夕飯は肉料理たくさん用意しておきますよ」
「やったっ!!」
夕飯の楽しみに、悟空はすっかり機嫌を治す。
それを見て、八戒も安堵の表情を浮かべた。


 ―完―

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山田主水

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