ある父子の日常(リクエスト)
「あれ?何を見てるんですかー?院長」
何やら携帯の画面を見ながら嬉しそうな表情を浮かべている、院長こと吉井高雄に、スタッフが声をかける。
吉井は接骨院の院長。
腕はもちろん、患者やスタッフに対して優しく接するため、評判がよく、やっている接骨院もそれなりに繁盛していた。
「ああ?これかい?休憩時間だから、息子のとっておき写真をね」
高雄は笑顔で部下に返事をする。
「へぇ、高広(たかひろ)くんのですか~。見せて下さいよ~」
「ダメダメ、これは秘蔵中の秘蔵写真だからね。他人に見せるわけにはいかないよ」
「えー?そうなんですかぁ?でも、珍しいなぁ。いつもは自慢しながら見せてくれるのに~」
拒否する院長に、スタッフは珍しげに言う。
高雄には高広という高校生の息子がいる。
よほど可愛いのだろう、職場にもしばしば連れてきたり、写真をスタッフや患者に見せたりもしているのだ。
「本当にお気に入りの写真は一人占めにしたいからね。それより、どうしたのかな?」
「ああ、すみません。訪問マッサージに行ってきます」
「ああ、そんな時間か。よろしく頼むよ」
時計を見ながら、高雄はそう言う。
「はい、行ってきます」
スタッフはそう言うと、往診鞄を提げ、院を後にする。
「ふふ、さすがにこれは他人には見せられないからねぇ」
高雄は笑みを浮かべながら、携帯画面の写真を見やる。
写真に映っているのは、真っ赤に腫れあがったお尻を出したまま泣いている息子の姿。
(どんな姿でも可愛いけど、やっぱりお仕置きされてる姿が一番可愛いなぁ)
写真を見ながら、高雄は心の底からそう思う。
高雄はムスコンなだけでなく、お仕置きマニアでもあった。
何か悪いことをしたときは、お尻を叩いて叱っている。
(また、一番可愛い姿を見れるようなこと、してくれないかなぁ)
そんなことを考えていたその時、着信音が鳴る。
「はい、もしもし、吉井です。あっ!いつもお世話になっております。え?本当ですか?はい、はい、申し訳ありません。しっかり、言い聞かせますので・・・・」
電話を終えると、どこか楽しそうな声で高雄は呟く。
「全く・・いけない子だなぁ。帰ったらしっかりお仕置きしてあげないとね。あ、もう午後の診察が始まる時間だ。行かないと」
ニヤニヤ笑みを浮かべながら、高雄は院長室を後にした。
(僕と・・したことが・・・・)
女性顔負けの整った顔を、屈辱と悔しさに歪めながら、高広はテストをジッと見つめていた。
点数は59点。
どんなに見つめても変わらない。
(何をやってるんだ!?赤点なんて!恥ずかしいと思わないのか!?)
赤点をとってしまった自身を、高広は叱咤する。
ガリベンというわけではないが、優秀で普段は赤点など取らないだけに、余計に悔しい。
(それに・・こんな点なんかとったら・・あの馬鹿親父を喜ばせるだけじゃないか!また、尻を叩かれるぞ!?)
無意識にお尻に手をやりながら、高広はそう考える。
(クソ・・!こうなったら・・)
高広は見つかりにくいところにテストを隠してしまう。
(お仕置き以外では馬鹿だからな。上手く誤魔化せばどうとでもなるさ。それより、気分転換にゲームでもするか)
そう考えると、高広は愛用の携帯ゲーム機を取り出す。
そして、二大PRGのキャラクターが共演するすごろくゲームをやりだした。
夕方・・・・。
(これでいいか)
用意した夕食を見ながら、高広はそう呟く。
家に帰ってくるのは高広の方が早いため、夕食の用意は高広の仕事だった。
直後、ドアが開く音がした。
「ただいま~~っ!パパのお帰りだよ~~~っっ!!」
だらしない顔で言いながら、高雄は息子に抱きつく。
「やめろっ!馬鹿っ!汚い顔近づけるなっ!バカ親父ッ!!」
高広は抱きつこうとする父親を、両手で押しのける。
「ひどいなぁ。昔はパパ、パパって抱きついてきたのに・・・」
「いつのことを言ってるんだ!高校生にもなってそんなことする馬鹿がいるか!さっさと飯でも食ったらどうなんだ!?」
「あはは、そうだね~。ヒロちゃんの夕飯楽しみだな~」
浮かれた様子で高雄はリビングへと向かう。
「全く・・どうしてあんな馬鹿親なんだ・・・」
父親の姿に、高広は呆れる。
(でもまぁコレなら誤魔化せそうだな・・。親父が馬鹿で良かった・・・)
何気にヒドイことを考えつつ、高広もリビングへと向かっていった。
「ヒロちゃーん、ちょーっといいかな~?」
「何だ?文芸部の季刊誌用の原稿を書いてるんだ。邪魔しないでくれないか?」
部屋で部活のための原稿を書いているところを邪魔されたからか、高広は不機嫌な表情で答える。
「ごめんね~。でも、大事な話があるからさ~。ちょっとパパの部屋に来てね~」
「仕方ないな・・・。本当にちょっとだけだぞ」
渋々、高広は父の部屋へと行く。
「で、何なんだ?手短に済ませたらどうなんだ?」
父親に対するものとは思えない、無愛想な態度で高広は尋ねる。
「うん、ヒロちゃん、定期テスト、そろそろ帰ってくる頃だよね~?」
予想はしていたが、テストのことを切りだされると、緊張の面持ちになる。
「あいにくだったな。今日はまだ帰ってきてないさ」
「本当に?」
「本当さ。自分の息子が信じられないのか?」
「うわーっ!キツイこと言うなぁ。そんなワケないじゃないかー。でも、おっかしいな~。担任の先生から、赤点をとったって電話が来てね~」
「!!!!!」
父の言葉に、高広は表情が変わる。
「ヒロちゃん、テスト、返ってきたんだね?」
「ふん・・。だ、だったらどうだっていうんだ?」
「ちゃんと見せてくれるかな?」
「み、見せればいいんだろう?ちょっと待ってろ!」
せめてプライドを保とうと、虚勢を張りながら部屋を出てゆくと、テストと共に戻って来る。
受け取ったテストは59点、わずか一点とはいえ、確かに赤点だった。
「なるほどね~。ヒロちゃん、ちょっと正座してね~」
高広は嫌々ながら正座する。
「さーてと、ヒロちゃん、これって赤点だよね?」
「見ればわかるだろう?イチイチ聞かなくてもいいだろう?」
ムスッとした様子で、高広は反論する。
「ヒロちゃん、少しくらいは遊んだり怠けてもいいけど、赤点はさすがにマズイよねぇ」
「う、うるさいなぁ!す、少し油断しただけさ!?」
「でも、とっちゃったのは事実でしょう?」
「く・・!!だ、だったら何なんだ!?」
「赤点、しかも嘘ついて隠そうとしたよね?それって、悪いことだよね?さぁ、おいで。ヒロちゃん、悪い子はパパのお膝でお尻ペンペンだよ」
「ふ、ふざけるなっ!何で僕がそんな目に遭わなきゃいけないんだ!?」
屈辱感に思わず高広は反抗する。
「あれれ~っ?ヒロちゃん、テストで赤点とっちゃったっていうことは、ちゃんと勉強してなかったってことだよねぇ?それが学生としていいことかなぁ?」
「く・・!ゆ、油断しただけさ!!」
反論するも、理は向こうにあるのはわかっていた。
「それに・・隠したり嘘ついたり、それって悪いことだよねぇ?」
「あ、あんたが尻なんか叩くからだろう!?」
「でも、ヒロちゃんが悪い子だったからお尻叩かれるんでしょう?さぁ、ヒロちゃん、お尻だよ」
「ふ、ふざけるなっ!何で僕がお尻なんか差し出さなきゃいけないんだ!バカ親父!!」
思わずカッとなって高広は拳を振り上げる。
だが、呆気なく受け止められてしまう。
「あらあら、いけないな~。カッとなって殴るなんて。お仕置き決定だね」
ニヤリと笑みを浮かべると、高雄は息子を膝の上に乗せてしまう。
「おいっ!何するんだっ!降ろせっっ!!」
「降ろしてあげるよ。ちゃんと反省したらね」
そういうと、高雄は手を振り上げた。
バシィィィーーンッッッ!!
「くぅ・・・!!」
ズボンの上からとはいえ、思い切り叩かれ、思わず高広は声を漏らす。
(馬鹿!恥ずかしくないのか!?)
そんな自分を高広は叱咤し、口を閉じる。
パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
「もう・・まったく、いけない子だねぇ。ヒロちゃんは」
お尻を叩きながら、子供扱いした口調で、高雄は叱り始める。
パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
「ちゃんと勉強しなきゃダメでしょ?赤点なんかとって、困るのはヒロちゃんでしょ?」
(言われなくても・・・わかってるさ・・・)
高広はそう思うが、口には出さない。
言い訳にしかならないのがわかっているからだ。
パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!パーンッ!
「それに、テスト隠して、嘘ついて誤魔化そうなんてして!それは悪い子のすることでしょう?パパはそんな悪い子に育てた覚えありません!!」
お尻を叩きながら、さらに高雄はお説教を続ける。
お尻を叩かれるたび、高広の顔が苦痛に歪む。
だが、それでも声を出すまいと必死に耐える。
(出すまいかって思ってるな~。カワイイなぁ。でも・・そうはいかないよ~)
年頃の男の子らしいプライドに、高雄は愛おしさを感じる。
同時にS心をそそられ、ズボンに手をかけたかと思うと、お尻をあらわにしてしまう。
「うわっ!?何をするんだっ!?馬鹿親父っ!!」
お尻を丸出しにされ、思わず高広は声を上げる。
「ふふ、お尻ペンペンのときはお尻は出すものって決まってるでしょ?ふふ、お猿さんのお尻だね」
真っ赤なお尻に、ニヤニヤしながら高雄は言う。
「うるさいっ!ふざけるなっ!戻せっ!変態オヤジ!?」
「戻してもいいよ。痛くて耐えられないならね」
その言葉に、高広はムッとする。
「ば、馬鹿にするな!?こんなの、痛くも何ともないさ!!」
(何言ってるんだ!安い挑発に乗るな!?)
理性は留めようとするが、感情から言葉が先走ってしまう。
「無理しなくていいんだよ~。痛くてワンワン泣いちゃうし。服の上からなら痛いのも和らぐしね」
「別にこんなの痛くないさ!蚊が刺したようなものさ!!」
持ち前のプライドから、強がる高広に、高雄はニヤリと笑みを浮かべる。
「ふ~ん、じゃあもっと厳しくペンペンしてもいいよねぇ?」
「ふん、好きにすればいいさ!尻を叩かれるくらいで泣く僕なんかじゃないからな!!」
(僕の・・馬鹿・・!!)
自ら墓穴を掘ってしまう自身に、高広は頭を抱えたくなる。
「それを聞いて安心したよ。じゃあ、行こうか~」
そういうと、高雄は手を振り上げる。
バッシィィィ~~~ンッッッ!!
パンパンパンッ!パンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!
「ぐぅぅ・・!くっう・!うっう・・!!」
絶え間なく振り下ろされる平手に、高広はさすがに声を漏らしてしまう。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!
「あれ?ヒロちゃん、やっぱり辛いんじゃないの?」
「こ・・こんなの・・辛く・・ないぃぃ・・!!」
この期に及んでも、高広はプライドを優先する。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!
「ひぃぃぃ!痛っ!痛いっ!くぅぅ・・!痛ああっ!痛いっ!」
ついに耐えきれず、高広は悲鳴とともに両脚をバタつかせる。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!
「うわああんっ!やめろっ!馬鹿ぁぁぁ!やめろぉぉ!馬鹿親父ぃぃ!うわああんっ!痛ああああいっっ!!」
「やめて欲しければなんて言うのかな~?」
お尻を叩きながら、高雄は尋ねる。
「し、知るかぁ!馬鹿親父ぃぃ!!」
「違うでしょ~?『ごめんなさい、パパ』だよねぇ?」
「馬鹿ッ!そんな恥ずかしいこと言えるかっ!お尻が壊れた方がマシだっ!!」
恥ずかしさのあまり、高広はそう言ってしまう。
「ふ~ん、まだ反省が足りないみたいだね~」
そういうと、さらに高雄は叩く。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!
「うわぁぁぁ!馬鹿っ!やめろっ!うわあああんっ」
パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!
「うわあああああんっ!やめてぇぇ!いうからぁぁ!!ごめんなさいっ!パパッ!ごmrんなさぁいパパぁぁぁ!!」
ついに耐えきれず、プライドを捨てて高広は言う通りにする。
「う~ん、ちょっと遅かったね~。今日はパパに散々悪口言って、悪い子だったから、その分も追加だよ~」
「そ、そんなぁぁぁ!!やだぁぁぁ!!」
既に真っ赤なお尻に、容赦なく高雄は平手を降らせる。
パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!パンパンパンパンパンパンパンパンパンッ!
「うわあああ~~~んっ!やーだーーーっ!ごめんなさぁぁーーいっっ!!」
その後、ようやく高雄が満足するまで、お尻を叩く音と高広の悲鳴が響き続けた。
「ダーメでしょっ!お尻動かしちゃっ!!」
「し、仕方ないだろう!い、痛いんだ!」
お尻を軽く叩いて叱る父親に、涙目で振り返って高広は抗議する。
ようやくお尻叩きからは解放されたものの、反省の時間として、いわゆるコーナータイムをさせられていた。
「くそ・・!散々だ・・!尻は叩かれる・・・!子供扱いされて・・泣かされる・・!!」
「でも、可愛かったよ~。やっぱりお尻ペンペンされてるヒロちゃんが一番可愛いな~」
「この変態っ!馬鹿親父っ!いい加減にしろ!!」
だらしない顔で言う父親を、思わず高広は罵る。
「そうだ、ヒロちゃん、お尻叩かれて痛いでしょう?責任取って、今日はパパがお風呂に入れてあげるよ~」
「馬鹿っ!誰が入るかっ!?自分が入りたいだけだろっ!!」
「あれ~?まだお尻で反省したいのかな~?」
拒否する息子を、さりげなく高雄は脅す。
「く・・は、入ればいいんだろう!?」
これ以上叩かれてはたまらない。
しぶしぶ、高広は同意する。
「ふふ、ヒロちゃん、今日はパパがしっかり隅々まで洗ってあげるからね~」
ニヤニヤ笑顔でそう言いながら、高雄は息子の真っ赤なお尻を眺めていた。
―完―
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