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最強組長と娘の日常2(父/娘、バイオレンスあり)



(バイオレンスありです。許容できる方のみご覧下さい)


 芹沢組組長・芹沢鴨継の邸宅。
一般人は無論、警察でさえ、おいそれは近づかない場所へ、ゆっくりと歩いてくる影があった。
影の正体は2メートルはあろう屈強な大男。
目出し帽で顔を隠し、布で包んだ棒状のものを肩に担ぐように持っている。
 怪しい男は、屋敷を取り囲む壁の前に立つ。
肩から荷を下ろすと、布を取り去る。
布の下から現れたのは、槍に三日月状の刃をつけた、方天戟と呼ばれる中国の長柄武器。
男はその方天戟を構えたかと思うと、壁目がけて突きを繰り出す。
直後、突きの一撃で壁が崩れ、人一人通れる穴が開く。
その穴を潜って、男は屋敷内へと侵入した。


 「何なのよ?こんな時間に!?」
寝ているところを組員達に起こされ、梛鴨は不機嫌極まりない表情を浮かべる。
「すいません、お嬢様。ですが・・早く出て下さい!!カチコミ(殴り込み)です!!」
「は・・?」
梛鴨はポカンと口を開ける。
 「お前、父さんに腕を潰された上、頭飛ばされて、馬鹿になったの?」
自分にカチコミだと告げた組員に、梛鴨は呆れた声で言う。
その組員は右腕に義手をはめている。
以前(最強組長と娘の日常)、梛鴨のワガママに巻き込まれたせいで、組長に竹刀で右腕を吹っ飛ばされ、頭を転がされた、哀れな運転手だった。
さすがに芹沢もやり過ぎたと思ったらしく、凄腕の闇医者のところへ連れて行って、手術を受けさせた。
首まで転がされたのだが、闇医者の人間離れした腕前のおかげで、首を繋げ、蘇生したのである。
残念ながら、腕は再度つなぐことは出来ない状態になってしまっていたため、義手をはめている。
まぁ・・細かいことは目をつぶっていただきたい(汗)。
 それは置いておいて、芹沢組といえば、日本最強と言ってもよい暴力団。
その本丸である組長の屋敷を襲撃するような馬鹿者など、普通は考えられない。
梛鴨が疑うのも無理は無かった。
 「嘘でも間違いでもありません!!本当にカチコ・・!?」
突然、乾いた音が連続して聞こえてきた。
思わず梛鴨は部屋を飛び出す。
「あっ!?待って下さいっっ!!」
義手の組員をはじめとする、組員達も後を追って、外へ飛び出した。
 縁側に出た梛鴨が最初に見たのは、短機関銃を構えた、数名の屈強な組員達。
そして、その組員達と睨み合う、方天戟を手にした、覆面の大男。
組員達は一斉に短機関銃を発砲する。
乾いた連続音と共に、銃弾の嵐が侵入者に襲いかかる。
同時に、男の方天戟が目にもとまらぬ速さで回転する。
金属の弾き合う音と共に、銃弾が悉く弾き落とされる。
組員達がハッとする間もなく、男は突入しながら、方天戟を一閃する。
直後、機関銃を構えた組員全員、吹っ飛ばされて絶命した。
 「何・・!?あの男・・やるじゃな・・きゃあっっ!!」
不意に複数の手で奥へと、梛鴨は引っ張り込まれる。
「お前たち!?何をするの!?」
「お嬢様!!早く逃げましょう!!」
「馬鹿言わないで!?あんなスゴイのを目の前に・・離しなさいってのよぉぉぉ!!??」
飛びかかりかねない梛鴨を、組員達は総出で押さえつける。
ジタバタと暴れる梛鴨を、組員達は必死に押さえつつ、さらに奥の安全な場所へと連れていった。


 それからしばらく経ったある日・・・・・。
「くそっ!?どこ行きやがった!!」
「まだ遠くには行ってねえはずだ!?絶対に探し出せ!!」
苛立ちの声を上げながら、芹沢組の組員達は、四方へ散ってゆく。
先日の組長宅襲撃を受け、組員達は躍起になって犯人を捜していた。
その犯人に通じる男を追っていたが、撒かれてしまったのである。
 「やれやれ・・・。やっと行ったか・・」
組員達が遠くへ去ったのを見届け、追われていた男が姿を現す。
男は中国人。
組長宅を襲撃した方天戟の男と依頼人との間を取り持つ仕事をした。
そのことを突き止められたため、逃亡中だった。
まごまごしていては、今度こそ捕まってしまう。
すぐに立ち去ろうとした、そのときだった。
 男はハッとした表情と共に、懐からロシア製の自動拳銃を抜き放つ。
直後、目の前に現れた影に、手首を強かに叩かれる。
「う・・!?」
苦悶の声と共に、男は拳銃を取り落し、路上に膝をつく。
 「フフ・・。見つけたわよ!?」
梛鴨は男の喉元に、鉄扇を突きつけて、ほくそ笑む。
「お嬢様、さすがですね!さぁ、コイツを事務所に連れ・・・うぐっっ!!」
義手の組員の言葉に、梛鴨は脛を蹴りつける。
 「何を馬鹿なことを言ってるの?そんなことをしたら、あの方天戟の男を私が仕留められないじゃないの!?組の連中に知られない場所へ連れていくのよ!?」
「お、お嬢様!?本気ですか!?そんな・・無茶で・・ごふううう!!」
「つべこべ言わない!?お前は私の言う通りにすればいいのよ!?」
梛鴨は義手の組員の急所をこれでもかと蹴りつける。
「わ、わかりましたぁぁ!!い、言う通りにしますぅぅぅ!!」
「わかればいいのよ!さぁ、さっさと行くわよ!!」
そんなやり取りの後、梛鴨と義手の組員は、捕えた男を引き連れ、その場を立ち去った。


 数日後・・・・。
「お嬢様・・。本当に・・やるんですか?」
目の前の倉庫を見ながら、義手の組員は恐る恐る尋ねる。
 「当然でしょう!?何のために、あの男をさらって、尋問したと思っているの?」
躊躇い、それどころか恐怖をあらわにしている組員に、梛鴨は馬鹿にしきった表情で言う。
あの後、梛鴨達は他の組員らにばれない場所へ男を連れて行った。
そこで、義手の組員や、口の堅い梛鴨に忠実な組員らに男を尋問(という名の拷問)させたのだ。
ヤクザ流の過酷な尋問の果て、男は屋敷を襲撃した男の隠れ家を白状したのである。
その情報を元に、二人は目の前の倉庫へやって来たのである。
 「フフフ・・・。あの男の骨や関節の軋む音・・きっと興奮するでしょうねぇ・・」
梛鴨は屋敷で見かけた男に関節技を極める瞬間、そしてその男の苦悶の表情を思い浮かべ、笑みを浮かべる。
彼女にとって、強い男の苦悶の声や、肉や骨が軋む音は、心地よいものであった。
 「ですが・・あの男・・只者じゃないようでは・・・」
義手の組員は不安な表情を浮かべる。
拷問という名の尋問の結果、わかった男の正体は、組員にとっては、不安を煽るものでしかなかったからだ。
 「何をビビっているの?その義手はただの飾りなの?」
梛鴨は組員が付けている義手を見ながら言う。
今日の組員の義手は、銃がついていた。
組員の義手は特殊な造りになっており、前の方が取り外し可能で、銃や刃物などの武器を取り付け、戦いに使えるようになっているのである。
今日の相手は只者ではないため、銃をつけてきていた。
 「ヤクザだって・・怖いモンは怖・・ごふっ!!」
組員の態度が気に入らないのか、梛鴨は鉄扇をみぞおちに突き入れる。
こちらも、普段の、扇子としても使えるモノではなく、鉄板を閉じた扇子の形にした、完全に武器用のものを持ってきている。
 「情けないことを言うんじゃないの!?さっさと、ついて来なさい!!」
「わ・・わかり・・ましたぁぁ・・!!」
腹の痛みを必死に堪え、銃付きの義手を構えながら、組員は梛鴨の後について、倉庫へ踏み込んだ。


 「呂天覇!?いるのはわかっているのよ!?大人しく出てきなさい!!」
緊張した面持ちで倉庫内を見回す組員を尻目に、梛鴨は倉庫中に聞こえる大きな声で、呼びかける。
だが、出てくる気配は無い。
 「く・・!?いないのかしら?」
「ってか、普通出てくるわけが・・がふっ!?」
鉄扇で顔面を殴りつけられ、義手の組員は思わずのけ反る。
 「つべこべ言わずに探しなさい!!」
「は・・はい・・。わか・・!?」
鼻血の出た顔を押さえながら、組員が返事をしかけた、そのときだった。
 組員の目の前に、大きな人影が現れる。
二人がまさに探している、呂天覇であった。
「で・・出ぇたぁぁぁーーーー!!!」
組員は思わず腰を抜かしそうになる。
だが、それでもヤクザとしての根性を発揮し、義手に装着した銃を発砲する。
至近距離からの発砲に、呂天覇の胴にまともに命中したように見えた。
だが、銃弾はめり込んだように見えたかと思うと、ポロッと床へ転がり落ちた。
 「!!??」
思わず組員は再度、数発続けて発砲する。
胸や腹に、銃弾が容赦なく撃ち込まれる。
しかし、呂天覇は微動だにせず、それを受けてみせる。
銃弾を身体で受け止めた呂天覇は、気合と共に、銃弾を弾き飛ばしてしまった。
 「な・・ぐうわあっっ!!」
義手の組員は恐慌のあまり、逃げようとする。
そこへ、方天戟が振り下ろされた。
 三日月状の閃光が迸ったかと思うや、組員の義手が半ばからスパッと切断されていた。
「!!??」
組員が驚く間もなく、呂の拳が叩きつけられる。
鈍い音と共に、義手の組員は倉庫の端まで吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられて、気絶した。
 組員に目を向けている隙を突いて、梛鴨は呂天覇に飛びかかり、右腕を取る。
得意の関節技をかけようとしたが、微動だにしない。
「く・・!?」
梛鴨は必死に腕を捻じろうとするが、逆に呂天覇に力づくで振り払われる。
振り払われた衝撃で、梛鴨は吹っ飛ばされ、床に叩きつけられた。
 「ぐ・・!?何をし・・!?」
起き上がりかけたところへ、方天戟を構えて、呂が突進してくる。
避けるのはとても間に合わない。
梛鴨が死を覚悟したそのときだった。
 突然、横から猛烈な勢いで鉄パイプが飛んできた。
パイプはまともに呂に命中し、呂は横へ吹っ飛ばされる。
梛鴨は思わず鉄パイプの飛んできた方向を振り向く。
 「父さん!?」
梛鴨は思わず声を上げる。
そこに、鴨継の姿があったからだ。
鴨継は動きやすい格好をしており、右手に刀を下げている。
刀は通常の者よりも幅広・肉厚な造りの頑丈なもの。
その頑丈な刀を中段に構え、呂天覇をジッと見据える。
呂天覇も方天戟を構え、芹沢と睨み合う。
 二人とも武器を構えたまま、ゆっくりと、回り込むように、横へと動き始める。
弧を描くように、横へ移動しながら、互いに間合いを詰めてゆく。
間合いを詰めながら、二人は殺気を全身から立ち上らせる。
二人の身体から立ち上る殺気を浴び、梛鴨は脂汗がドッと噴き出す。
そんな梛鴨を尻目に、やがて、二人は再び立ち止まる。
思いきり踏み込めば、相手に己の一撃が届く。
同時に、相手の一撃を食らいかねない。
そんなギリギリの距離で、両者は互いに睨み合う。
 睨み合いながら、両者とも殺気を相手へとぶつけ合う。
脂汗が噴き出し、焼けつくような痛みと渇きが、互いの喉を襲う。
胃腸を万力で搾り上げられるような苦しみに襲われながらも、二人は睨み合う。
少しでも怯めば、死が待っている。
それをよく知っていたからだ。
しばらく両者は睨み合っていたが、やがて限界に達する。
同時に、二人は得物を振り上げ、踏み込んだ。
 刃と刃が激しくぶつかり合い、火花を散らす。
甲高い音が何度も何度も響き、そのたびに刀と方天戟がぶつかり合う。
何度も立ち位置を入れ替えては打ち合うが、中々決着はつかない。
ついには、両者とも鍔迫り合いになる。
互いに足腰に渾身の力を込め、相手を押しのけようとする。
だが、力が拮抗しているのか、微動だにしない。
ついに、二人とも、互いに床を蹴って後ろへ飛び退いた。
 二人とも、荒い息を吐き、肩を上下させ、胸が膨らみ、或いは引っ込む。
しかし、目には荒々しい闘志が宿ったまま。
互いに得物を構えたまま、両者はジッと睨み合う。
 「あ・・!?」
梛鴨は父親の様子が、変わったことに気づく。
鴨継の息遣いが、今までとは違っていた。
同時に、足先から、だんだんと上がってゆくように、筋肉が盛り上がり、血管が浮き上がる。
やがて、血管と筋肉の浮き上がりは腕に達する。
それに伴い、鴨継の刀が、青い光に包まれてゆく。
 (え!?嘘・・!?『アレ』と使うつもりなの!?)
梛鴨は目を疑う。
父親の切り札が今まさに出ようとしていることに気づいたからだ。
思わず、梛鴨は呂天覇の方を見やる。
呂の方も、鴨継と同様に、全身の血管や筋肉が腕に向かって浮き上がり、或いは盛り上がっている。
そして、方天戟の穂先が、赤い光に包まれていた。
 鴨継、呂、両者とも、呼吸と共に、闘気を極限まで練り上げ、己の得物へと注入してゆく。
やがて、鴨継は刀を頭上に大きく振り上げる。
呂も、方天戟を一旦、後ろへ大きく引く。
(出る!?出るわ・・・!?)
梛鴨が確信を抱いたそのとき、鴨継が裂ぱくの気合と共に、渾身の一撃を床に叩きつけた。
 ゴオオオッッッッ!!!!
鼓膜が破れそうな轟音と共に、強烈な衝撃波が呂目がけて飛んでゆく。
通った跡には幅一メートルに渡って地面が削られ、まるで道が作られているように見えた。
 (本当に出たわ!?『陸津波(おかつなみ)』・・!!)
梛鴨は思わず舌を巻く。
闘気によって、身体能力と刀の耐久力を極限にまで高め、全力全霊の一撃を打ち下ろす。
それにより、衝撃波が発生し、さながら地上を津波のように疾走し、敵に襲いかかる。
その威力は凄まじく、組長専用リムジン(防弾ガラス・装甲板による完全防備仕様)を跡形もなく吹き飛ばしてしまったのを目撃したことがある。
そんな必殺の奥義を繰り出した以上、梛鴨は呂天覇が原形を留めず吹っ飛ぶのを確信していた。
だが・・・・。
 鴨継が衝撃波を放ったと同時に、呂が渾身の突きを繰り出した。
直後、方天戟の穂先から、真っ赤な巨大な馬の光弾が飛び出した。
光弾と衝撃波が互いにぶつかり合う。
ズンと腹に響きそうな鈍い衝撃と共に、両者は相殺され、消滅した。
(え・・!?ええええーーーーー!!???)
梛鴨は目を疑う。
父親の必殺の奥義が相殺される。
そして、そんな芸当のできる強者がいるなど、思いもしなかったからだ。
(って・・そんなヤツを相手にしようとしていたの!?)
今さらだが、梛鴨は顔から血の気が引く。
悔しいが、父親に叶わないのは認めざるを得ない。
その父親と本当に互角に戦える相手を仕留めようなど、無謀極まりない。
そのことにやっと気づいたのだ。
 さすがに二人とも、奥義を繰り出したためか、本当に息が荒くなってきている。
だが、それでも互いに得物を構える。
もはや技は無意味。
残る力を振り絞り、雌雄を決するように見えた、そのときだった。
 突然、車の走る音が響き渡る。
思わず梛鴨が振り向くと、軽トラックが倉庫内へ突入してきた。
その荷台には、覆面で顔を隠し、短機関銃を構えた男達が乗っている。
男達は梛鴨に狙いをつけると、車上から短機関銃をぶっ放した。
 思わず梛鴨は床に伏せる。
同時に、鴨継は床を蹴って、娘の元へと飛ぶように駆けつける。
目の前に、銃弾の雨が着弾したのが、父親の身体の下から僅かに見えるのを尻目に、車の走る音が遠ざかってゆく。
 「手間を駆けさせおって・・。馬鹿娘が・・!?」
「な、何よ!?馬鹿はないでしょ!?」
父親の言葉に、梛鴨はムッとした表情で言い返す。
その直後、武装した組員達がドッと駆けつけてきた。


 「ぎっひぃぃぃ!?も、もそっと優しく・・!?」
「これくらい我慢せんかい。一端のヤクザじゃろうが?」
思わず悲鳴を上げる義手の組員を叱咤しながら、組のお抱え闇医者が手当てを続ける。
 「しっかし・・お前も災難だなぁ。梛鴨お嬢様につき合わされて、また死にかけたな」
「兄貴・・。何とかならないんですかぁ?」
義手の組員は思わず兄貴分に愚痴る。
「悪い、無理だ。梛鴨お嬢様に連れ回されないように、こっちが用心するしかねえな」
「トホホ・・。あれ?そういえば、梛鴨お嬢様は?」
「あー・・・取り込み中だ。組長(オヤジ)とな・・・」
義手の組員の問いに、先輩組員は、遠い目をしながら、そんな返事をした。


 バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!
「きゃああああ!!な、何するのよぉぉぉぉ!!??」
骨まで響きそうな打撃音と共に、梛鴨の悲鳴と抗議の声が響き渡る。
鴨継の膝に乗せられた梛鴨のむき出しのお尻に、鴨継の強烈な平手打ちが叩きつけられる。
 バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!
「ひいいっ!やめっ!やめてよっ!?ちょっとっ!?お尻が壊れたら、どうしてくれるのよっっ!!って聞いてるのっ!?」
お尻を叩き続ける父親に、梛鴨は文句を言い続ける。
 バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!
「梛鴨・・。お前こそ、いつもいつも勝手なことばかりしおって!!ヤツが何者か、わかっているのか!?」
鴨継は娘のお尻を容赦なく叩く。
呂天覇は中国系の裏社会では知らない者は無い、腕利きの殺し屋にして闇武術家。
面白半分に手を出してよい相手ではない。
 バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!
「う、うるさいわね!?カチコミかけられたくせに、父さんたちがマゴマゴしてるのが悪いんじゃない!?恥ずかしくないの!?ヤクザの癖に!!」
「まだまともな分別も出来ん子供が、偉そうなコトを言うな!まだまだ・・仕置きが足らんようだな」
「え・・!?ちょ、ちょっと待・・きゃあああ!!」
バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!バッシィィーーンンッッ!!
再び強烈な平手打ちが振り下ろされ、梛鴨は絶叫する。
「いやぁぁぁぁ!!やめてぇぇぇ!!ごめんなさぁぁぁいいいい!!もう、しないからぁぁぁ!!」
「お前の『もうしない』は聞き飽きたわ。今日はいつも以上に仕置きしてやる」
父親の宣告に、梛鴨は絶望で目の前が真っ暗になる。
その後、長い長い間、お尻を叩く音と梛鴨の悲鳴が響いていた・・・。


 「失礼します・・組長(オヤジ)・・・」
静かに障子を開けて、新見が部屋へと入って来た。
「ううん・・・。父さんのバカァ・・!?」
鴨継の膝の上では、うつ伏せの梛鴨がそんな寝言を呟く。
真っ赤に腫れたお尻に冷たいタオルを載せた姿で、梛鴨は父親の膝の上で、うつ伏せに寝ていた。
 「もう、お嬢様の躾はお済みですか?」
「ああ・・。全く・・馬鹿娘が・・!!」
「組長(オヤジ)に甘えたいのでしょう。今回はヤンチャが過ぎましたがな。それはそれとして・・・呂天覇に依頼をしたヤツの正体がわかりました」
「誰だ?」
「はい・・。実は・・・」
新見は芹沢組と表向き友好関係にある組の組長の名を挙げる。
「なるほど・・・。最近おかしな動きをしておったがな・・・」
芹沢は新見が挙げた名に、納得した表情を浮かべる。
芹沢組の傘下団体に対し、裏で引き抜き工作を仕掛けていたのに気づいていたからだ。
 「はい。おおかた、組長(オヤジ)を亡き者にし、自分が操縦しやすい人間を後釜に据ええて、組を乗っ取ろうというところでしょう」
「そうか・・・。後のことはお前に任せる。二度とそんな不埒者が出ぬようにしろ」
「はっ。承知しております」
そう言うと、新見は部屋を後にした。
 その後、芹沢組と友好関係にある某暴力団の組長が、自動車事故で死亡した。
突然の組長の死により、組は動揺をきたし、内部抗争の危機も囁かれた。
そこへ芹沢が友好関係を理由に調停に乗り出し、親芹沢派の幹部らを組の首脳陣に据えることに成功、跡目相続が完了すると同時に、その組を傘下に組み入れた。
一連の事態のスムーズな経緯に、一部には芹沢組が図を描いたのでは、という噂も出たが、何故かその噂もいつの間にか立ち消えとなった・・・。


 ―完―

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Author:山田主水
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