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悪魔姫の祝杯・番外編4



 これはまだ、レティッツイアが自らの軍を率いる以前のお話・・・。


 豪奢な装飾や天井画で埋め尽くされた大広間。
その最奥部に設けられた玉座に、一人の女悪魔が腰かけていた。
外見年齢は30歳前後、レティッツイアと同じ燃え盛る炎のような見事な赤髪と褐色の肌の持ち主。
顔立ちも、どことなくレティッツイアを思わせるものがある。
彼女の名はデストピア。
レティッツイアの母親であり、女魔王として、悪魔族を支配している。
 デストピアは片足を組み、頬杖をついた姿勢で、玉座に腰かけている。
その周囲を、頑丈な鎧と槍で武装した、屈強な衛兵たちが固めていた。
衛兵たちは緊張した面持ちで、大広間の扉を見つめている。
 ドンッッ!!
不意に大きな音と共に、扉が開かれる。
衛兵たちがいつでも攻撃できる体勢で槍を構える中、複数の影が、足を踏み入れた。
 「ついに・・来たな」
影の先頭にレティッツイアの姿を認め、デストピアは笑みを浮かべる。
「ええ・・。お母様・・・。魔王の座を頂きに来ましたわ。さぁ・・大人しくその座を渡してくれれば、悪いようにはいたしませんわ」
レティッツイアは笑みを浮かべつつ、母親に言う。
 「言うてくれるわ・・。まだまだ尻の青い小娘の分際で。またも懲りずに、尻を赤く染められたいのか?」
デストピアは娘に嘲りの笑みを浮かべる。
レティッツイアが母親に挑戦したのは、初めてのことではない。
返り討ちにしては、嫌と言うほど尻を叩いてお仕置きしたのである。
それも、一月ほど前に、そうしたばかりだった。
 「まあよいわ。今度も・・・たっぷりと尻を赤く染めて、泣かせてやろう。もちろん、私の膝の上でな」
「ふふ・・・。お母様・・・その台詞・・そっくりお返しいたしますわ」
あまりにも自信たっぷりなレティッツイアの態度に、デストピアは不審を抱く。
直後、デストピアはレティッツイアの腰をジッと見つめる。
 「あら?お母様、コレが気になるのかしら?」
レティッツイアは、笑みを浮かべつつ、腰に下げていたあるモノを手にする。
レティッツイアが手にしたのは、パドル。
かなり使い込まれているらしく、相当傷んでいる。
 「そのパドルを・・・どうして・・お前が持っている!?」
デストピアは、恐怖を滲ませた声で尋ねる。
「あら?こんなボロボロのパドルが怖いのかしら?お母様ともあろうものが?」
母魔王の態度に、レティッツイアは笑みを浮かべる。
このパドルはデストピアの母親が使っていたもの。
デストピア自身、娘時代にはよくこれで母親からお仕置きをされていた。
それだけに、このパドルには恐怖心を強く抱いている。
 「馬鹿を言うな。そんなもの・・怖くは無いわ」
「お母様、嘘はいけませんわ。お仕置きしますわよ」
レティッツイアは笑みを浮かべると、魔力でパドルを剣に替える。
直後、剣化したパドルを構え、打ちかかった。


 一時間後・・・・・。
「おのれ・・・!?まさか・・・私が・・敗れるとは・・・!?」
デストピアは悔しさを滲ませながら、床に膝をつく。
「とうとう・・勝ちましたわ!?お母様・・・!!今日から当主と・・・魔王の座は私のものです!!」
レティッツイアは剣を突きつけ、勝利を宣言する。
 「く・・・!?わかった・・。私の負けじゃ・・・。好きにせい・・」
デストピアは素直に負けを認める。
「よい覚悟ですわ、お母様。まずは・・牢で大人しくしていてもらいましょう」
レティッツイアが合図をすると、数人の兵士達が現れ、デストピアを連行してゆく。
 「さて・・・。まずは一仕事済んだか・・・。ルフトハンザ」
「はい、姫様・・ここにおります」
レティッツイアの呼びかけに、眼鏡をかけた知的な雰囲気を纏った女悪魔が現れる。
彼女の忠実な片腕として、後に様々な活躍を見せるルフトハンザである。
 「ルフトハンザよ、式の準備は進んでおろうな?」
「はい、万端整っております。明日にでも実施出来ます」
「さすがじゃな。まぁ式は予定通りに執り行おうぞ。ギャラリーも必要だからな」
「はっ・・仰せのままに」


 一か月後・・・。
大広間は、豪奢に飾り付けられ、大勢の人々が集まっていた。
集まったのは、デストピアの領内の都市や村の代表者、そして近隣諸国の外交官らである。
集まった人々の前で、レティッツイアは着飾った姿で、玉座に座っている。
そのレティッツイアの膝の上には、デストピアの姿があった。
デストピアは、お尻の部分だけ穴が開いた服を着せられている。
 「皆の者・・。よく来てくれた!感謝するぞ!!」
デストピアを膝の上に乗せたまま、レティッツイアは集まった者達に、そう言う。
「集まってもらったのは、他でも無い!今日より・・・私が新たな当主である!!よって・・これより・・・我が当主就任の儀を執り行う!!しっかりと・・見届けよ!!」
レティッツイアは広間全体に響く声で言うと、片手をゆっくりと振り上げる。
そして、むき出しのデストピアのお尻目がけ、思いきり振り下ろした。


 バアッシィィンンンン!!!!
「く・・・!?」
レティッツイアの容赦ない平手打ちが炸裂し、デストピアは思わず背を逸らしそうになる。
だが、デストピアは必死に堪える。
バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!
「・・・!・・・!?・・・!!・・・!?」
打撃音が広間に響き渡ると共に、デストピアのお尻に、赤い手形が刻み込まれる。
お尻を襲う痛みを、デストピアは必死に堪える。
 バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!
「全くっ!いつまでも当主の座にしがみついて!!見苦しいでしょっ!!」
レティッツイアは、母親のお尻を叩きながら、お説教を始める。
 「だ・・黙れ!?し、尻の青い・・小娘の・・・分際で・・!?」
娘のお説教に、デストピアは苛立った声で、反発する。
公開でお尻を叩かれるだけでも、屈辱なのだ。
子供のようにお説教など、地獄である。
 バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!
「時代は変わるのよ!!素直に、代替わりしなくちゃダメでしょ!!悪い子ね!!」
母親のお尻に、容赦ない平手を叩きつけながら、レティッツイアはさらにお説教で責めたてる。
 バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!バシィンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バッシィンッ!ビッダァンッ!
「う・・うるさい!だ・・黙れ・・・!?う・・ひっう・・!?」
デストピアは言い返そうとするが、表情に苦痛が浮かびだす。
同時に、目尻に涙がうっすらと滲みだす。
 「あらあら?娘に負けて、お尻叩かれた上で、泣いちゃうの?無様ね!あまりにも無様ね!!」
「だ・・黙れ・・・ひうううううう!!!!!!」
娘に罵倒される屈辱に、デストピアは全身を震わせる。
その後、長い間、お尻を叩く音と、レティッツイアの言葉責め、デストピアの屈辱と怒りに満ちた声が、広間内に響いていた・・・・。


 「く・・・!?」
デストピアは屈辱に身を震わせつつ、ジッと台の上に立ち尽くす。
ようやくお尻叩きから解放されたものの、晒し台の上に立たされ、真っ赤に染め上がったお尻をむき出しにさせられている。
背中には『私はレティッツイア様に当主の座を渡さなかった悪い子なので、皆の前でお尻ペンペンのお仕置きを受けました』という恥ずかしい札を下げさせられている。
そんなデストピアの姿を見ながら、レティッツイアは満足げにワイングラスを傾ける。
「ルフトハンザよ。そなたのおかげで、私は当主となれた。感謝するぞ」
傍らに控えるルフトハンザに、レティッツイアは心からの感謝の声をかける。
 「もったいないお言葉です、姫様・・・いえ、レティッツイア様。しかし・・・これは始まりに過ぎませんわ」
「わかっておる。我が覇道(はどう)はこれからぞ。私はこの魔界を・・全て、我がものにしてみせるわ」
レティッツイアは不敵な笑みを浮かべて、宣言する。
それをルフトハンザも、恍惚と見つめていた。


 ―完―

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