好奇心の代償(好きしょより:真一郎/祭)

 (ここがそうなんだ・・・)
本城祭は、室内を見回しながら、思わず感嘆していた。
今、いるのは真一郎と七海の探偵事務所。
正確に言えば奥の真一郎の私室だ。
何度か遊びに来ていたことはあるが、奥の真一郎の部屋まで上がったのは、今日が初めてだった。
 (それにしても変なものばっかりだよね)
室内をぐるりと見回して、祭は苦笑する。
真一郎は変なものを集めたりすることがあり、そのことが原因でよく、相方で恋人の七海に怒られていた。

 (そうだ。もしかしたら何か面白いものがあるかも)
不意に、祭はそんな好奇心に駆られた。
早速、祭は部屋中を探し出す。
祭いわく「面白いもの」を見つけられないか、と考えたのだ。
しばらく机や箪笥などを探していると、不意に何かを祭は見つけた。
(これは何だろう?)
思わず祭は箪笥から取り出そうとする。
まさにつかもうとしたそのときだった。
「まーつーりー」
ハッとした表情を浮かべるや、祭は背後を振り返る。
すると、真一郎が立っていた。
「何やってるんだ?」
「な、何でもないですよ・・・。ははは・・」
祭はごまかそうとする。
だが、真一郎は心の奥底まで見透かすように見つめてくる。
「祭・・・正直に言わないと・・」
真一郎はそういうと、鳥の羽を取り出した。
思わず、祭の表情がこわばる。
以前、この鳥の羽で脇腹のあたりを嫌というほどくすぐられ、とっても苦しい目に会わされたのだ。
あのときの苦しみは今でも忘れられない。
「正直に言わないとこれで尋問することになるぞ?」
真一郎は楽しそうな表情を浮かべながら鳥の羽をちらつかせる。
さすがの祭も恐怖の表情を浮かべた。
「ごめんなさいっ!面白いものがないかって部屋をあさってましたっ!!」
くすぐられてはたまらないとばかりに、祭は大きな声で話した。
 「なるほど・・・。そういうわけか・・」
祭から聞き出すと、真一郎は納得がいったという表情を見せる。
「さあて・・・。どうしようかな」
真一郎は考え込む素振りを見せながら、祭をちらりちらりと見やる。
(何をされるんだ?)
その様子に思わず、祭は不安になる。
真一郎は突拍子もないことを考えるから、さすがの祭も動揺を隠せなかった。
「そうだ。いいこと考えた」
真一郎は何か思いついた表情を浮かべる。
彼は、祭の方を振り向くと、言った。
「さあて、祭。二つのうち好きな方を選ばせてやろう。まず一つは・・・くすぐりの刑三十分!」
「それは絶対嫌!!」
二つ目を聞く前に、祭ははっきり言った。
嫌だから正直に答えたのだ。
「それじゃあもう一つの方だな」
真一郎はそういうと、祭に手招きをする。
祭が側まで寄るや、真一郎は祭がアッという間もなく手首をつかんでしまい、膝の上に祭を引き倒してしまった。
祭が気付いたときには、ズボンを下ろされ、お尻をむき出しにされていた。
「ちょ・・・何するんですか!?」
あまりに予想外の展開に、祭は動揺する。
「ふふふ、もう一つは・・お尻ペンペン!」
真一郎はいたずらっ子のような表情でそう言い放った。
「そっ。そんなあっ!」
そんな子供じみたお仕置きだとは思わなかった祭は、思わず抗議しようとする。
「それじゃあくすぐりにするのか?」
そう言われて、祭の抗議は封じられる。
それよりは、恥ずかしいが、お尻を叩かれる方がまだよかった。
 
 「じゃあ・・行くぞ・・」
真一郎はそういうと、右手を振り上げる。
一呼吸置いて、真一郎が手を振り下ろした。
バアアンッ!
「あっ・・」
お尻に走る衝撃に、思わず祭は声を漏らす。
同時に、真一郎のズボンの裾を両手でギュッと握り締めた。
バンッ! パンッ! パチンッ! パンッ!
「あっ・痛っ・・ひゃあっ・・・」
バンッ! バシッ! パアアンッ!
ピシャアンッ! バチンッ!
「うっ・・・はあっ・・・ひゃあ・・」
一打ごとに、祭の口から、声が漏れ出す。
「全く・・人の部屋を勝手にあさって・・」
バシッ! バアアンッ! バチンッ!
「やっ・・いやあっ・・痛いっ・・」
バシッ! バアンッ! パンッ! バシッ!
「そんなことを教えたことはないぞ!!」
バアアンッ! バシッ! パアンッ!
「ひゃあっ・・いっ・・痛あっ・・」
あまりの痛さに、祭は悲鳴をあげ、思わず手でお尻をかばおうとする。
だが、真一郎は手をねじ伏せると、さらに叩き始めた。
「も、もうやめ・・て・・・」
祭は目に涙を浮かべ、真一郎に許しを乞う。
「それなら言うことがあるんじゃないか?」
真一郎は叩く手を弱めて言った。
「え?」
「こういうときは『ごめんなさい』だろ?祭」
「ご・・ごめんなさいっ!も、もうしませんっ!!ごめんなさいっ!!」
大きな声で祭は叫んだ。
すると、真一郎は手をゆっくりと下し、祭の頭に載せる。
「よく出来ました。さすが祭だな」
そういうと、真一郎は祭の頭を撫でる。
「って子供扱いしないで下さいよ」
「悪い悪い。ついまだ祭が小さかった頃思い出しちゃってな」
真一郎は笑みを浮かべるとそういう。

 「祭ちゃん。いるの?」
不意に、藤守直が入ってきた。
藤守は入ると同時に、真一郎の膝の上でお尻を出している祭と視線が合ってしまう。
「ど、どうしたの祭ちゃん!?」
藤守は思わず声を出してしまう。
「あー。悪い。俺用事思い出したわ」
不意に、真一郎はそういうと、祭を膝から下し、部屋を出る。
後には、気まずそうな二人が残された。

 しばらくの間、気まずい空気があたりを支配していた。
「あ・・あの祭ちゃん・・。もしかし」
「お願い!!空には内緒にして!!」
祭は顔を真っ赤にして直に頼み込む。
「空にばれたら僕恥ずかしくて死んじゃうよ」
「わかってるよ。祭ちゃん。俺だって誰にも言うつもりなんかないよ」
「ありがとう。本当に・・」
祭はそういうと、ほっとしたような表情を浮かべる。
「あっ。そうだ。七海先生が今日の晩御飯の用意手伝って欲しいって言ってるんだ。祭ちゃん、いいかな?」
「いいよ、それくらい」
「よかった。量が多くて困ってたの。空たちがたくさん食べるから」
「確かにねぇ」
祭は苦笑すると、藤守と一緒に部屋を出て行った。
    ―完―
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