スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

仙桃(封神より:太/吉)



 大きな鋏が動く音と共に枝が切り落とされる。
枝が地面に落ちると武吉はそれを拾って背中にしょっている籠へ放り込んだ。
「これは中々見事に仕上がったのう」
不意に背後から声が聞こえて武吉は振り返る。
すると太公望の姿があった。
 「あっ!お師匠様、どうですか?」
「うむ。申し分無いぞ、武吉よ」
「ありがとうございます!」
武吉は本当に嬉しそうな表情を浮かべる。
心底師を慕っている武吉にとって、太公望から褒められるのが何よりも嬉しかった。
「朝から庭の手入れで疲れたじゃろう。厨房の方に茶と果物を用意しておいたから一休みするといいぞ」
「ありがとうございます!」
武吉は太公望に礼を言うと厨房の方へ向かっていく。
「ちょっと待つのじゃ!どの果物を食べても構わんが普通の桃よりもずっと大きくて瑞々しい桃はダメじゃぞ!それは仙桃じゃぞ!」
太公望はそう言うものの、既に武吉の姿は庭から消えてしまっていた。
「ちゃんと・・聞こえたかのう・・?」
さすがに太公望は不安になり、武吉の後を追おうとする。
 「あっ!やっと見つけましたよ!」
思わず振り返ってみるといつの間にか楊ゼンがこちらへ向かってくる。
(しまった!?)
慌てて太公望は逃げ出した。
「どこ行くんですか!?まだ仕事は終わってませんよ!」
楊ゼンは太公望を捕えようと必死に追う。
太公望の方も捕まってたまるかといわんばかりに必死で逃げだした。
 それからしばらく経った頃・・・。
「ハァ~ッ、いい汗かいたさねぇ」
「兄様~、お腹空いた~」
歩きながら話している天化と天祥の姿があった。
少し前まで稽古していたのだろう、二人とも汗びっしょりだった。
 「だったら厨房の方に行くさ。何かおやつでももらえるかもしれねえさ」
「うん」
そういうと二人は厨房の方へ向かっていった。
厨房に顔を出すと二人は顔見知りの料理人の一人に尋ねる。
料理人は快く、奥に用意してある果物とお茶のことを教えてくれた。
 二人が厨房の奥にやってくると既に先客がいた。
「あれ?武吉ちゃんもいたさ?」
「あっ、天化さ~ん、こんにちは~」
「こんちはさ。ん?武吉ちゃん、風邪さ?」
「そんなことないれすよぉ。どうしたんれすぅ」
武吉はろれつの回らない口調で尋ねる。
 「うわ・・武吉兄ちゃん・・お酒くさぁい・・・」
天祥は父親や太公望の口からときどき漏れる酒の匂いに気づき、顔を顰める。
「ぶ、武吉ちゃん?まさか酒でも飲んださ?」
武吉の息に気づき、天化の表情が変わる。
「やらなぁ、天化さぁん、ボクお酒なんて飲みますぇんよぉ」
明らかに酔っている口調で武吉は答える。
(武吉ちゃんは俺っちとは違うから酒なんて飲むわけねえさ・・。間違えて飲んださ・・?)
天化はあたりを見回してみる。
すると桃の皮らしいものを見つけた。
その桃は普通の桃よりもずっと大きく瑞々しいものだった。
(まさか・・・)
ハッとした天化は皮を拾う。
ジッと観察してみると間違いなく仙桃のものだった。
さらにあたりを見回してみると桃の載せてある皿のすぐ隣に仙桃の皿がある。
仙桃はすでに一つか二つ食べられた跡があった。
(普通の桃と間違えて食べたさ?)
そうあたりをつけたそのとき、ドサリと倒れる音がする。
ハッとして床を見ると、完全に酔いのまわった武吉が目を回して倒れこんでいた。
 「大変さ・・・」
天化は武吉を抱き上げると慌ただしく厨房を後にする。
「ま・・待ってよ兄様~~っっ!!!」
慌てて天祥も後を追って出て行った。


 うっすらと目を開いた武吉が最初に見たのは太公望の心配そうな表情だった。
「お・・師匠・・様・・?」
「気づいたのだな・・・。よかった・・・」
武吉が目を覚ますと、太公望は心底ホッとした表情を浮かべる。
「あれ・・どうして・・ここに・・?」
武吉は自分が医務室にいることに気づいて訝しげな表情を浮かべる。
「酔って倒れたのじゃよ」
「酔って・・・そんな・・僕、お酒なんか飲んでません!」
「わかっておる。じゃが・・・とてもおいしそうな桃は食べなかったかの?」
「桃・・あっ!」
言われて武吉は思い出した。
普通の桃よりもずっとおいしそうで瑞々しい桃を幾つか食べたことを。
 「あれは仙桃でのう。食べると酒を飲んだのと同じような状態になるのじゃ」
「そ・・そうだったんですか・・」
「ところで・・武吉よ、お主が厨房に行く前に言ったことが聞こえたかの?」
「い・・言ったこと・・ですか・・?」
「そうじゃ。普通の桃よりおいしそうな桃は仙桃だから食べてはいかんぞと言ったはずなんじゃが」
「い・・いえ・・・」
「そうか。では間違えたのは仕方ないのう。じゃが・・・」
太公望は途中で言葉を切るとジッと武吉の顔を見つめる。
その表情は普段とは違って真剣そのものだった。
「知らぬこととは言え、大変なことになりかけて皆に迷惑をかけたりしたのじゃ。それはわかっておるな?」
「は・・はい・・。ごめん・・なさい・・・」
「ならわかっておるな?」
太公望はそう言うとポンポンと軽く膝を叩く。
同時に武吉の表情が恐怖で変わった。
 「お師匠様ぁ・・・・」
思わず武吉は恐怖で哀れっぽい声を出す。
「ダメじゃ。今日はわしもちと怒っておるのでな。尻でしっかりと反省してもらうぞ」
そう、武吉は何か仕出かしてしまったときには太公望からお尻をぶたれてお仕置きされていた。
その宣告を太公望は仕草でしたのである。
 しばらくの間武吉は恐怖に全身を震わせていたが、やがて諦めたのかゆっくりとベッドから降り立つ。
だがそれでも恐怖に駆られているのだろう、ジッと師の目の前で立ち尽くしたまま、太公望の膝を見つめている。
 (確かに・・皆に迷惑や心配をかけたんだから・・・怒られるのは僕のせい・・・・。でも・・やっぱり・・怖い・・・)
頭では膝に載らねばと思うものの、本能がそれを押しとどめる。
武吉は煩悶の表情を浮かべ、足を出しては引っ込めるという行動を繰り返していた。
だが、やがて覚悟を決めたのだろう、震えつつもゆっくりと師の膝にうつ伏せになった。
 武吉がうつ伏せになると、太公望は頭を押さえ、右手で短パンを降ろしにかかる。
「あ・・・・」
お尻がむき出しにされるのを感じるや、羞恥に武吉は耳まで真っ赤になる。
同時に全身を熱病にでもかかったかのようにブルブルと震わせた。
 (恥ずかしいのだのう・・。無理もあるまい)
さすがに太公望もちょっとだけ恥ずかしくなる。
(何を言っておるのだ!ここで優しくしたらいかん!厳しくするのも愛情じゃ!)
太公望は自身をそう叱咤する。
覚悟を決めるかのように深呼吸すると太公望はしずかに言った。
「行くぞ・・よいな?」
ブルブル震えながらも武吉は静かに頷く。
それを見ると、太公望はゆっくりと右手を振り上げた。


 パアチィンッ!
「あ・・・」
甲高い音と共にお尻の表面で痛みが弾け、思わず声を漏らす。
(お尻・・・ぶたれてるんだ・・・)
続けて襲う痛みに武吉は否応なしに恥ずかしさがこみ上げてくる。
(この・・年になって・・・お尻・・ぶたれてるだ・・なんて・・・)
音が鳴るたび感じる苦痛が否応なしにその事実を武吉につきつける。
あまりにも情けなくて恥ずかしくてたまらない。
そのうちに「お師匠様!ひどいですっ!」とでも叫びたくなりそうだった。
 (何言ってるの!誰が悪いの?僕が皆に迷惑かけたりしたからじゃないか!恥ずかしいのも痛いのも全部自分のせい!怒られるのも当たり前じゃない!お師匠様に文句言うなんて間違ってる!)
良心が心の中でそう叫ぶ。
その叫びが頭をもたげかけた師への恨みごとを再び奥底へ沈める。
武吉は恥ずかしさや不平を振り払うと、太公望のズボンの裾をしっかりと握りしめて口を一文字に引き結んだ。
 パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パチィンッ!
肌を打つ音が響く中、武吉は声を漏らすまいと口を閉じる。
だが、痛みは堪え切れないのだろう、苦痛に表情が幾度も変わる。
 パチィンッ!パアシィンッ!パアンッ!ピシャンッ!
「全く・・・いつもよく言っておるであろう?人の話はきちんと聞くようにと」
お尻を叩きながら太公望はお説教を開始する。
平手が振り下ろされるたびに赤い手形が健康的な色合いの肌に刻み込まれ、肌を健康そうな小麦色から赤へと変えてゆく。
ピシャアンッ!パアシィンッ!パチィンッ!パアシィンッ!
「人の話を聞かずにさっさと言ってしまうから・・・」
パアシィンッ!ピシャンッ!パチィンッ!パシィンッ!
「・・・ぁ・・・ぅ・・っ・・・ぁ・・」
微かだが苦痛の声が武吉の口から漏れ始める。
お尻もやや濃いめの赤に変わっており、平手を振り下ろすたびに太公望は微かな熱を手のひらに感じていた。
 パアチィンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パアアアンッ!
「桃と仙桃を間違えるなどということになるのじゃぞ・・・」
ピシャアンッ!パアシィンッ!パアチィンッ!ピシャアンッ!パアシィンッ!
「く・・あ・・う・・く・・う・・・」
辛くなってきたのだろう、武吉の声がさらに大きくなる。
額には微かだが汗がにじみ出していた。
 パシィーンッ!パアーンッ!パアアーンッ!ピシャーンッ!
「うっ・・!あっ・・!ああっ・・!くっ・・!」
突然、太公望の平手打ちが強くなった。
武吉のうめき声はより苦痛に満ちたものとなり、ときどき背中や腕が硬直する。
 「幸い天化が見つけたからよかったようなものの・・・」
強めの平手打ちを振り下ろしながらさらに太公望はお説教を続ける。
パシ~ンッ!パア~ンッ!ピシャア~ンッ!パッア~ンッ!
「ひ・・きひ・・あっ・・きゃあっ・・・」
武吉は限界に達したのか、両足をバタつかせ始める。
「そうでなければどうなってたと思うのじゃ!急性アル中で死んでおったのかもしれんのだぞ!」
バアッシィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!バッアア~ンンッ!
太公望はさらに強く武吉のお尻に平手を叩きつける。
「きゃあああ!痛ぁぁいいいい!!」
武吉は泣きながら叫び、背筋をそらす。
 バッチィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!
激しい音と共にさらに容赦なく平手が武吉のお尻に叩きつけられる。
今やお尻は濃厚なワインレッドに染め上がっており、熱した石炭のように熱を発している。
ビダァ~ンッ!バァジィ~ンッ!バァア~ンッ!バッアァ~ンッ!
「やっ・・!きゃあっ・・!痛っ・・!きゃあっ・・!」
両脚をバタつかせながら武吉は声を上げる。
泣き声を上げるたびにボロボロと涙がこぼれおちた。
「ひん・・!痛あっ・・!きゃあっ・・!痛いっ・・!」
バアシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアア~ンッ!ビッダァ~ンッ!
「痛っ・・!ごめん・・なさいっ・・ごめんな・・なさいっ・・」
武吉は涙をこぼし足をバタつかせながら必死に謝る。
だが、太公望は許す気配は見えず、なおもお尻を叩き続ける。
「ごめん・・なさいっ・・!ごめん・・なさいっ!お師匠・・様・・ごめんなさい~~っ!ごめんなさい~~~っっ!!」
絶叫に近い声を上げながら武吉は必死に謝る。
数回打撃音が鳴ったかと思うと、ようやく平手が止まった。
 「反省したかのう?」
両肩を震わせ、しゃくり上げる武吉に対して太公望はそう尋ねる。
「ひっく・・ひぃん・・し・・してますぅ・・ご・・ごめんなさい・・・ごめん・・なさい・・・」
「では何が悪かったかの?言ってみるのじゃ」
「お・・お師匠・・様の・・話・・ちゃんと・・聞いて・・なかった・・こと・・・」
「そうじゃの。それから?」
「み・・皆に・・心配・・かけた・・こと・・・」
「そうじゃ」
太公望はそういうと武吉を起こして自分の膝に座らせる。
そして互いに向き合うと真剣な表情を浮かべて口を開いた。
 「よいか、武吉よ。お主が倒れたと聞いて天化もわしも、他の皆もビックリしたのじゃぞ。わかるか?」
「は・・はぃ・・ひっく・・」
「すぐに楊ゼンに手当てしてもらったものの、目を覚ますまで気が気ではなかったわ・・。皆を心配させることほど悪いことはないのじゃ。だからこんなにも怒ったのじゃ。わかってくれるかの?」
「は・・はぃ・・。心配・・かけて・・本当に・・ごめんなさい~~~」
武吉は泣きだしたかと思うと、師にしっかりと抱きつく。
「これこれ、そんなに泣くでない。もう怒ってはおらんぞ?」
太公望は優しい声で言うと武吉を抱きしめ返す。
そして子供をあやすかのように背中を軽く叩き、頭を撫でてやった。


 その二日後・・・。
パアシィ~ンッ!ピシャア~ンッ!パアア~ンッ!パッア~ンッ!
「痛あっ・・!ごめんなさいっ!武王様っ!ごめんなさぁ~いっ!」
王の執務室から激しく肌を打つ音と武吉の悲鳴が漏れ聞こえてきた。
武吉は執務椅子に座った姫発の膝の上にうつ伏せになっている。
そのお尻は太公望のときよりもずっと濃厚なワインレッドに染め上がっており、顔はさらに涙で濡れていた。
 「ごめんなさいは当たり前だろうがっ!俺だって滅茶苦茶心配したんだからな!今日はホントに怒ってっからな!」
「ごめんなさい~~~~っっ!!」
姫発の激しい平手打ちと共に武吉の悲鳴が上がる。
その後、しばらくの間執務室に激しい物音が響き渡っていた。


 ―完―
スポンサーサイト

theme : 二次創作
genre : 小説・文学

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

山田主水

Author:山田主水
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2投票
無料アクセス解析
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。