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神父物語14 不思議な人(二次創作要素あり)



 (注:ある有名作品の主人公が登場しております。こういうお遊びが許容出来る方のみご覧下さい)





 「うぅぅ~~っ。寒いぃぃ~~~」

冬の冷たい風が吹きつける中、身体をブルブルと震わせながら今井は箒を動かしていた。

カランコロン・・・カランカラン・・コロン。

「ん・・?」

不意に奇妙な音が聞こえてきた。

今井が顔を上げると誰かが教会の門を潜ってこちらへやって来る。

 それは何とも不思議な人物だった。

その人物は小柄で貧相な見栄えのしない身体つきをしている。

髪はいつ床屋にいったのかわからないくらいにもじゃもじゃで、雪のように真っ白なことから結構な年に思える。

だが、その顔つきは35,6歳くらいに見え、どうにも正確な年齢がつかめなかった。

その人物の着ている服がまた何ともふるっていた。

よれよれでかなり色あせたマントの下に同じようにくたびれた灰色に近い色の着物や袴を着ており、下駄をはいているのだ。

しかも頭には使い古したお釜帽をかぶり、手には年代物の革鞄を下げている。

 (な・・何この人?コスプレマニア?)

無理もないことだが今井は思わず不審げな表情を浮かべる。

箒を動かしながらもだんだん向こうはこちらに近づいてきた。

奇妙な男はキョロキョロしながら建物の方へと近づいてゆく。

「あのぉ・・・すいませ~ん・・・」

奇妙な男は帽子を取ると相好を崩して今井に話しかける。

「どうしました?」

今井は思わず警戒しながら尋ねる。

「あの・・こちらの教会を見物させてもらおうかなと・・思って来たんですけど・・構いませんか・・?」

帽子の男は今井の警戒に気づいていないのか、飄々とした様子で話しかけてくる。

「ええ。構いませんよ。見学は自由ですからね」

「そうですか。すいませんねぇ」

奇妙な男はペコリと頭を下げるとスタスタと教会内へ入って行った。





 「いやぁ・・・何とも見事ですねぇ・・・・」

奇妙な男はステンドグラスや壁画を見ると感動した様子で呟いた。

「ぼ・・ぼ・・僕は・・わ・・わわ若いころにアメリカ行ったり・・・少し前までヨーロッパをブラブラしてたもんで・・多少は教会や修道院も見て来たんですが・・ここここれは本場にも劣らない・・・すす素晴らしいものですね」

見ているうちに感動で興奮してきたのか、男の声がどもり出す。

同時に男はそのもじゃもじゃ頭を思いっきりかき回し始めた。

 (うっわ・・・)

今井は思わず顔を顰める。

男のもじゃもじゃ頭から大量のフケが落ちているのだ。

どうやら長い間洗っていないらしく見ている間にもボロボロ落ちてくる。

「あ・・・すすすいません!こ、興奮するとついくせで!」

男は今井の表情に気づいたのだろう、頭をかく手を止めると慌てて謝った。

「ま・・まぁくせなら仕方無いでしょうけど・・でも気をつけて下さいね」

さすがに床にこぼれおちた大量のフケに微妙に引きつった表情を浮かべて今井が言う。

「すいません本当に・・・」

男が穴が有ったら入りたいといった表情を浮かべて再度謝ったときだった。





 「信幸、掃除は終わったのか?」

不意に佐々木が礼拝堂内に入ってきた。

「あ、佐々木さぁん」

「佐々木さんじゃないだろう。掃除が終わったんなら・・・」

途中まで言いかけて佐々木が言葉を切る。

佐々木は和服の男をジッと見つめたかと思うと目を丸くしている。

「こ・・耕助さん・・?」

「はは・・佐々木さん・・お久しぶりです」

耕助こと和服の男はペコリと頭を下げて挨拶する。

「いついらしてたんですか!」

「さっき来たばっかりなんですよ。いやぁ綺麗な教会があったもんでちょっと見物させてもらおうとフラフラ入り込んだんですが・・いやぁここだったんですね。あなたがお勤めの教会っていうのは」

「いやぁそれにしてもあなたに会うとは・・・世間というのは案外狭いものですねぇ」

「あっはっはっはっは、全くですねぇ」

二人は懐かしさと楽しさの籠った声で思わず世間話をする。

 「む~~~・・・・・・」

その様子を今井は不機嫌極まりない様子でジッと見つめている。

やがて今井はムッとした表情のままおもむろに佐々木の方へ詰め寄った。

「佐々木さん!いつまで話してるんです!?何か用があったんじゃないですか!?」

今井はあからさまな声で佐々木に話しかけると腕を取る。

「話すんなら僕と話しましょうよぉ。別のところでねぇ」

今井は突然猫なで声になったかと思うとくたっと佐々木の肩に寄りかかる。

「こら・・信幸・・」

さすがに佐々木は少し慌てる。

人が見ている前で自分たちのことを気取られてしまうようなことをされては困るからだ。

「な、なな何だかお忙しいようですねぇ。それじゃあ僕は今日は失礼いたします」

男も今井の雰囲気を察したのだろう、立ち去る素振りを見せる。

「あ・・すいません、ろくなお構いも出来なくて」

佐々木は今井に腕を引っ張られながらも男に謝る。

帽子の男はペコリと挨拶すると再び下駄の音を響かせながら教会を後にした。





 「信幸!どういうつもりだ!」

男が去ると佐々木は思わず叱りつける。

「別にいいじゃないですか~。僕と佐々木さんの仲なんですから~」

「だからって人前であんなことするんじゃない。バレたらどうするつもりだったんだ」

「そんなこといいじゃないですかぁ。それより誰なんです?あの変なオジサン?」

今井は佐々木の言葉を無視するとそう問いかける。

「耕助さんっていって・・あの人の仕事の関係で隠れキリシタンについて色々と教えただけだ」

「ふーん・・・何してる人なんです?」

「確か・・著述業だった・・かな・・・」

そう言った佐々木の口調は歯切れが悪い。

どうやらあの男について何か隠していそうだった。

(怪しい・・・)

今井は本能的にそう感じる。

だが今井が攻めても話してくれそうにはない。

いや、それどころか下手をするとさっきのことをとがめられてお尻をぶたれてしまうかもしれない。

あのおかしな格好の男のことは気になるが、さりとてお尻を叩かれるのだけは勘弁してほしかった。

結局、今井はきかずにそのまま仕事に戻ったのだが、おかげで胸の中には釈然としないものを抱え込むことになった。





 それから二三日くらい経った頃・・・。

今井が礼拝堂内の長椅子にワックスをかける仕事をしていると佐々木が姿を現した。

佐々木は神父服ではなく、外出用の格好をしている。

「あれ?出かけるんですか?」

「あぁ、兄貴から電話がかかってきてな・・・。師範の一人が急に出られなくなってそれで俺に代稽古してくれと頼まれたんだよ・・・・」

佐々木はそう言うと溜息をつく。

佐々木の実家は大きな剣道道場で佐々木も師範の資格を持っている。

そのため、ときどき実家からヘルプを頼まれることがあるのだ。

「じゃあ行って来るからな。あぁ、そうだ。もしかしたら耕助さんが来るかもしれないから、来たら待っててもらってくれ」

「ええ~、あの人また来るんですかぁ?」

今井は不満そうな顔をする。

「仕方ないだろう。あの人、どうしても俺に手伝ってほしいことがあるんだから。くれぐれも粗相のないようにな」

「わかりましたよぉ・・・」

しぶしぶ返事をしたが、今井の表情には不満がありありと見えていた。





 「いやぁ・・すいません・・わざわざ・・・」

今井にお茶を出してもらうと耕助はペコリと頭を下げる。

佐々木が出かけてしばらくすると、耕助が佐々木を訪ねてきたのだ。

それで佐々木に言われた通りに応接室へ通して今井が相手をしているのである。

 「いえ・・佐々木さんに頼まれましたから・・」

今井はそう言うが、不平を隠せないのだろう、イライラした表情を浮かべている。

耕助はそんな今井に気づいていないのか、出されたお茶や茶菓子に舌鼓を打っていた。

(本当に・・何なのさこの人・・)

チラチラと耕助の姿を見ているうちに今井の表情はさらに険しくなってくる。

どう見ても胡散臭く怪しい男にしか見えない。

にも関わらず佐々木はこの男と親しそうに話していた。

(許せない・・・佐々木さんは・・僕のものなのに!!)

今井の中でどす黒い感情が奥の底から噴き出してくる。

叶うことならこんな男、叩きだしてやりたかった。

でも、そんなことをしたら佐々木に怒られる。

それだけにますますこの男が気に入らなくて許せなかった。

 「あのぉ~・・・すいませ~ん・・」

不意に耕助が話しかけてきた。

「何です?」

今井は刺々しい声で尋ねる。

「トイレ・・・お借りできますか?ちょっと・・飲みすぎちゃって・・ハハハ・・」

今井はそれを聞くと耕助にトイレの場所を教えてやる。

耕助は用足しに出て行ったが、今井は耕助のちょっとしたしぐさにすらイライラせずにはいられなかった。

 (何さ何さ何さ!ヘラヘラして・・!人のこと馬鹿にしてるの!?)

今井は耕助の表情を思い浮かべるとさらにムカついて来る。

何とかしてあのヘラヘラ顔にほえ面をかかせてやりたい。

今井はそう思わずにはいられなかった。

(そうだ・・・)

ふと今井はあることを思いつく。

今井は応接室を後にしたかと思うと自分の部屋へ駆けてゆく。

部屋に入ると今井は机の引き出しを開ける。

引き出しには薬の小瓶のようなものがずらりと入っていた。

これらはいずもも媚薬をはじめとする薬品類。

佐々木が中々シテくれないときなどに使うためのものだ。

「えーと・・これだこれ・・・」

今井は二つの小瓶を取り出した。

それぞれの瓶には「利尿剤」「下剤」と書かれている。

「ふふふ・・・これでとっても恥ずかしい目に合せてやるんだから~~~」

今井はニヤリと笑みを浮かべる。

薬をポケットにしまうや、今井は応接室の方へとって返した。

 「耕助さん、新しいお茶淹れたんですけどどうです?」

今井は耕助がトイレから戻ってくる前とは打って変わった愛想のよさを見せながら聞く。

「すいませんねぇ。それじゃあありがたくいただきます」

耕助は礼を言うと今井からお茶を受け取り、口へ持っていこうとする。

耕助が口をつけようとするのを今井はドキドキしながら見守っていた。

今井はほくそ笑みたいのを懸命に堪える。

耕助が飲もうとしているお茶には強力な下剤と利尿剤が盛ってあった。

(そっちが悪いんだからね。僕の佐々木さんと仲良くするんだから!おもらしでもして恥かけばいいんだ!)

今井は心の中でそう叫ぶ。

そう、即効性の強力な下剤と利尿剤を使って今井は耕助に恥をかかせようと企んだのである。

 「あれ・・?」

不意に耕助は何かに気づいたような表情を浮かべる。

「今井さん、窓から見えてるの佐々木さんじゃないんですか?」

「え・・?あれ?帰って来たんだ」

今井は思わず窓の方を向く。

すると佐々木が帰ってきたのが見えた。

耕助の方を振り向くとどうやら耕助は口をつけたらしく、湯飲みの中身が減っていた。

(やった・・・)

今井は快哉を上げたくなるのを堪えると自分用に淹れておいたお茶を手に取ろうとする。

「今井さん、それ飲むんですか?」

突然、耕助が妙なことを聞いてきた。

「何です?これ僕のですよ。まさか欲しいんですか?」

「いや、そうじゃないんですよ。それ、飲む勇気あります?」

「はぁ、たかがお茶飲むのに何で勇気がいるんです?」

今井は思わず呆れた。

あまりの寒さに耕助がバカになったとでも思ったのだ。

「いえねぇ、実はちょっとしたイタズラをやらせてもらったんですよ。あなたが窓の方を向いている隙に湯飲みを取り換えさせてもらったんです。何かあなたの様子がそわそわして落ち着いてないですからねぇ。それに・・気になったんですよ、あなたの表情が。あなたの表情は毒を盛ろうという人間が見せる不安や恐怖によく似たものでしたからねぇ」

今井はみぞおちを殴られでもしたかのような感覚を覚える。

このとぼけた男は気づいているのだ。

毒ではないものの、自分が一服盛ろうとしたことに。

 「今井さん・・・何だってこんなことしたんです?何かわけがあったんでしょうけど・・」

「うるさいよ・・・」

今井はキッと睨みつけながら言う。

「あんたが・・・あんたが・・あんたが悪いんだっ!佐々木さんと仲良く話してるからあっっっ!!」

カッとなった今井は耕助目がけて湯飲みを投げつける。

同時にお盆を掴んで振り上げた。





 ガシャーンッッ!!

佐々木が応接室の近くまでやってきたところで、何かが割れたような音が鳴り響いた。

ハッとして佐々木は駆け出すと応接室のドアを開けて中へ踏み込む。

 中へ踏み込むや、佐々木は一瞬あっけにとられてしまう。

今井は室内にあるものを手当たり次第に掴んでは耕助めがけて投げつけていた。

対して耕助は身体を左右に動かし、或いはおんぼろバッグを盾に今井の攻撃を防いでいる。

「ちょちょちょっと!ら、ららら乱暴は・・・」

「うるさいうるさいうるさーい!」

今井は甲高い声で叫ぶと灰皿を投げつけようとする。

佐々木はそれを見るや後ろから今井を取り押さえにかかった。

 「こら!信幸!何をしてるんだ!」

背後から佐々木に呼びかけられ、今井はハッとして振り返る。

「さ・・・佐々木さん・・・?」

「全く・・・お前は・・それより耕助さん、大丈夫ですか?」

「えぇ・・・何とか・・いやぁ・・・僕としたことが・・・」

「すいません。信幸が迷惑をかけてしまいまして」

「いや、いいんですよこれくらい。悪霊島のときなんかに比べたら屁でもありませんからねぇ・・・」

耕助は全く気にしていない素振りで言う。

 「全く・・信幸・・何てことしたんだ・・・・幸い金田一さんが笑って許してくれてるからいいようなものの・・・」

「え・・?佐々木さん、今なんて言ったんです?」

今井は今聞いたことが信じられなくて思わず聞き返す。

「聞こえなかったのか。この人は金田一・・・金田一耕助さんだ」

「き・・金田一ぃ!?あ・・あの八つ墓村とか犬神家のぉぉぉ!!!??」

「そうだ。その金田一さんだ」

今井は開いた口がふさがらなかった。

目の前にいるこの恍けた男があの名探偵だなんてとても信じられなかったからだ。

しかし、よく考えてみたらいくらコスプレオタクでも昼日中から金田一のコスプレをして街を歩くわけもない。

本人だからこそあんな珍妙な格好をしていたわけだ。

 あっけにとられている今井を尻目に佐々木は金田一に話しかける。

「金田一さん・・すいませんが用件についてはもうしばらく待っていただけますか?信幸の方を片づけておかないといけませんので」

「えぇ、僕は構いませんよ」

「すいません、もう大分待っていただいているのに・・。それはそうと信幸、こっちにこい!」

佐々木に厳しい声で叱られ、今井はハッと我に返る。

「いやぁぁぁ~~~~っ!どこ連れてくんですかぁぁ~~~!離してぇぇぇ~~~!」

今井は必死に抵抗するが、佐々木に担ぎあげられるとそのまま佐々木の部屋へ連れていかれてしまった。





 「さて・・・信幸・・・覚悟はいいな?」

佐々木は今井を自分の部屋へ連れてくると厳しい表情を浮かべて尋ねる。

「ぼ・・僕悪くないですもん・・」

今井はこの期に及んでも往生際悪くあがく。

「あんなことしておいてそんなこと言う気か?」

「だって・・あのオジサンが悪いんじゃないですか~~!名探偵だかなんだか知らないですけど佐々木さんと仲良く話すんですから!佐々木さんは僕のです!」

今井は子供じみた態度で声を上げる。

佐々木はそれを見るや思わずため息をつく。

今井が子供っぽい性格で、そこから来る独占欲や嫉妬心が強いことはよくわかっていた。

恋人としてはそういうのは嬉しいものだが、そうはいっても人前でそれを出されるのは困る。

特に今回のことは下手すれば金田一に怪我をさせるようなことにもなったかもしれないのだ。

絶対に許すわけにはいかなかった。

 「信幸・・・我儘も大概にしろ・・・」

「やあっ!離してぇぇぇ~~~~っっ!!」

今井は再び逃げようとするが、佐々木は難なく今井の腕を掴むといつものように膝に引き倒す。

今井は手足を激しくバタつかせて抵抗しようとするが、佐々木はそれに構わずに今井の背中を押さえると神父服の裾を捲り上げ、ズボンを降ろす。

あっという間に今井の白くて形のよいお尻があらわになった。

 今井のお尻をむき出しにすると、佐々木は念入りに右手に息を吐きかける。

そして、ゆっくりと手を振り上げたかと思うと、思いっきり振り下ろした。





 バアッシィ~ンッ!

「ひゃああんんっ!」

出だしから容赦のない一撃に今井は悲鳴を上げ、背を思いっきり仰け反らせる。

バアッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バジィ~ンッ!バアァ~ンッ!

「やああっ!きゃああんっ!佐々木さん痛いぃぃ~~~!」

容赦のない平手打ちに今井は悲鳴を上げる。

「当たり前だろうが!お仕置きなんだから!本当に何をやってるんだ!信幸!」

ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビダバァ~ンッ!バジィ~~ンッ!

「や・・だってぇ・・ひぃん・・あの・・オジサンがあっ・・!」

バアッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッバアァ~ンッ!ビバァ~ンッ!

「人のせいにするんじゃない!自分の感情で他人にあんな暴力振るっていいと思ってるのか!」

ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビシャア~ンッ!バァアァ~ンッ!

「ひぃ・・ひぃ~んっ・・佐々木さぁ~んっ・・もう・・やめてぇ~っ」

今井はボロボロ涙を零して許しを請う。

お尻は今や熟したトマトのような色に変わっていた。

 「反省したのか?」

「したっ・・・したからぁ~~。ごめんなさい~~」

「ただごめんなさいすればいいってものじゃないだろう。何が悪かったんだ?」

お尻を叩きながら佐々木は今井に尋ねる。

「ひっく・・え・・や・・ヤキモチ・・焼いて・・・」

「それでどうしたんだ?」

「い・・一服・・盛ろうとして・・」

そんなことやろうとしたのか、と言いそうになったが、それを飲み込んで佐々木は促す。

「それで・・うまくいかなかったから・・乱暴・・しようとした・・・」

「そうだな・・・よく言えたな」

佐々木はそう言うと手を止め、今井を抱き起してやる。

 「信幸・・・悪かったな・・嫌な思いさせて・・・」

「ひっひぃん・・佐々木さぁ~ん・・・」

「よしよし・・・実を言うとな・・ちょっとだけ嬉しかった・・。お前がこんなに俺のこと思ってくれてるんだって・・そう思うとな・・。でもな、もうあんなことするんじゃないぞ。お前に何かあったら俺が嫌なんだ」

「うん・・佐々木さん・・迷惑かけて・・ごめんなさい・・・」





 「すいません、遅くなりまして」

今井を慰めた後、応接室に戻ってくると佐々木は金田一に謝った。

「いえ、別に構いませんよ。それにしても佐々木さんも大変でらっしゃるようですねぇ」

「ええ。いい年して子供みたいなやつですからねぇ。手がかかります・・・」

佐々木は思わず苦笑する。

「でもそこが可愛くて、愛おしくてらっしゃるんでしょう」

「さすが金田一さんですね。全てお見通しですか」

「ははは・・。探偵なんて浅ましい商売やってるとどうしても気づいてしまいますからねぇ。それより佐々木さん・・・すいませんがまたお力を借りたいことがあるんですよ」

「構いませんよ、何です」

「ええ・・実は・・・」

耕助は古ぼけた巻物や十字架らしいものを幾つか取り出すと佐々木にそれを見せたあと、長い間話し込んでいた。

 「すいません、色々お世話をかけて」

「いいんですよ、お力になれれば。そうそう。そういえばお孫さんの方も活躍されてらっしゃるようですね」

「おや。一くんの方もご、ご、ご存じなんですか?」

佐々木の言葉に金田一は目を丸くする。

「いえ、ニュースで見た程度ですが」

「ははは・・そうですか。それじゃあ僕も負けてられませんねぇ。それじゃあ色々とありがとうございました」

そういうと金田一は去ってゆく。

それから一月ほどのち、大分県で金田一がキリシタンの末裔の一族に絡む事件を解決したというニュースが報道された。

なお、新聞記者からのインタビューによると、事件解決の糸口となった古ぼけた十字架や巻物などの数個の遺物につき、会津のある神父から色々助言を受けたと語っている。





 ―完―





 あとがき:最近金田一シリーズにはまったのがこうじて、自作に金田一を登場させたり金田一少年の名を出すという無謀かつ恐れ多いことをやってしまいました。笑って許していただければ幸いです。

なお、これはあくまでも二次創作的なお遊びですので、原作者である横溝正史や角川書店をはじめとする出版社等とは一切関係ありません。

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