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玉鼎の一番長い日(封神より:乙/玉)



 (注:封神を題材にした二次創作です。キャラのイメージが変わっております。許容出来る方のみご覧下さい)


 これはまだ楊ゼンが小さかった頃のお話・・・。


 「ししょー?ししょー?どこー?」
洞府内に子供の声が響き渡る。
あちこちの部屋を覗いては楊ゼンが呼んでいるのだ。
自分の部屋で遊んでいたのだが、師に遊び相手になってもらいたくなったのだろう、玉鼎の姿を探しにでたのである。
 「どこいったのかなー?」
中々見つからないせいか、廊下を歩きながら思わず楊ゼンはそんな言葉を漏らす。
そのとき、ふと応接間の方から声が聞こえてくる。
(誰か来てるのかな?)
気になった楊ゼンは微かに開いている応接間のドアの隙間から中の様子を伺ってみる。
すると探し求めていた師の姿があった。
 「あ・・ししょ・・・」
呼びかけて不意に楊ゼンは口を閉じる。
玉鼎は誰かと一緒にいたからだ。
相手は黒い服を着ている。
(あれ・・?あの人・・?)
楊ゼンは黒服の人物をジッと見つめる。
以前、師匠を訪ねてきたことがあり、そのときに挨拶したことを覚えていた。
(えーと・・たいいつさまだったっけ。何話してるんだろう・・・?)
楊ゼンはジッと様子を伺う。
玉鼎は何だか元気がない。
太乙より背が高いにも関わらず、縮こまってしまっているように見える。
そんな状態で玉鼎の口からは「悪かった」とか「すまない」とか言う言葉が漏れる。
どうやら怒られてるようだということは、楊ゼンにもわかった。
 「全く・・・またやったのかい?」
呆れたような口調で太乙は玉鼎に言う。
「す・・すまない・・・。本当に・・悪かった・・」
今にも冷汗が出そうな表情で玉鼎は謝った。
「悪かったじゃないよ。これで何度目だと思ってるんだい?」
太乙の問いかけに玉鼎はますます肩身が狭くなる。
実は太乙から宝貝を借りていたのだが、それを壊してしまったのだ。
しかも今回が初めてではなかった。
そのため、太乙の態度が厳しめで、玉鼎の方もタジタジというわけだった。
 「まあそれはともかく・・・。やっちゃった以上はそれ相応の覚悟はあるんだろうね?」
太乙の問いに玉鼎はギクリと全身を強張らせる。
「た・・太乙・・。ま・・まさか・・また・・?」
「決まってるだろう。さぁ、おいで」
太乙はソファに座ると膝を軽く叩いて玉鼎に呼びかける。
それを見るなり、玉鼎の表情がみるみるうちに変わってきた。
「太乙・・本当に反省してるから・・。だから・・それだけは・・・」
震える声で玉鼎は懇願する。
だが、太乙は冷ややかな表情を向けると、容赦のない声で口を開く。
「幾ら口で言っても君が理解しないのが悪いんだろう?さぁ、早く来たらどうだい?」
取りつく島のない太乙の態度に玉鼎は肩を落とす。
ようやく諦めたのか、トボトボと力のない様子で玉鼎は太乙の脇へ寄った。
 ドアの向こうで楊ゼンは目の前の光景に目を見張っていた。
普段の楊ゼンが見ている師の姿とは全く違っていたからだ。
何だか悪いことをして怒られているときの自分を見ているようだった。
師は太乙の傍までやってくると、ジッと太乙の膝を見つめている。
何だかその表情は迷っているようであり、また何かを恐れているようにも見えた。
中々動こうとしない玉鼎にやがて太乙が業を煮やした声で再び呼びかける。
それでやっと覚悟が決まったのか、ようやく玉鼎は太乙の膝にうつ伏せになった。
 (あれって・・・まさか・・?)
楊ゼンは目の前の師の姿にビックリしたような表情を浮かべる。
何か悪さを仕出かしたときに自分が取らされる羽目になるポーズとそっくりだったからだ。
今までの経験から、そのあとどうなるかも楊ゼンはよく知っている。
まさかと思いつつも、ドキドキしながら楊ゼンがジッと見つめていると、太乙は左手で玉鼎の上着をまくりあげたかと思うやズボンを降ろしてしまう。
 まさかとは思っていた想像が当たったことに楊ゼンは息をのむ。
師匠は太乙の膝の上でじっとしているものの、微かに身体が震えている。
頬もほんのりと赤く染まっていた。
太乙は何か言ったかと思うと、右手で玉鼎の肩の間あたりを押さえ、左手をゆっくりと振り上げ、玉鼎のお尻目がけて振り下ろした。


 パアシィンッ!
甲高い音と共に肌の表面で痛みが弾け、ジィ~ンと鈍い痛みがお尻全体へと広がってゆく。
玉鼎は口をキュッと引き結ぶように閉じて声を漏らすまいとする。
パシィンッ!ピシャアンッ!パシッ!パアンッ!ピシャッ!
立て続けに数発平手が振り下ろされては白い肌を淡いピンクに染め、弾けるような音を立てる。
(くぅ・・・・尻を・・叩かれてるんだ・・・・)
お尻に感じる痛みと甲高い音が否応なしにその事実を玉鼎に認識させる。
幾ら自分が悪かったとはいっても、これではあまりにも恥ずかしくて情けない。
 「全くもぅ・・本当に君は何やってるんだろうねぇ・・・」
お尻を叩きながら、呆れた口ぶりで太乙はお説教を始めた。
パシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!ピシャンッ!
「前にも同じことして叱られたっていうのにさ・・・・」
ピシャンッ!パアアンッ!パシィンッ!パアチィンッ!
お説教をしながら平手を振り下ろす太乙を尻目に玉鼎はひたすら黙って耐え抜こうとする。
しかし恥ずかしさは隠しきれないのだろう、肩や手がブルブルと震えているのが楊ゼンには見えた。
 パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パアチィンッ!
「・・ぁ・・・ぅ・・・っ・・・ぁ・・・ぅ・・・」
やがて玉鼎の口から微かに苦痛の声が漏れ始める。
実際、その頬には赤みが差しだしていた。
 (師匠も・・・あんな顔・・するんだ・・)
楊ゼンは玉鼎が痛そうな表情をすることに驚きを感じていた。
自分の前ではそんな顔を見せたことは一度もなかったからだ。
だから師匠は痛いのなんか平気なんだろうか、と疑問に感じたこともあった。
それだけにお尻をぶたれて苦しげな表情を浮かべる師の姿が意外だったのだ。
 「約束したよねぇ?もう二度と人の宝貝壊さないって。まさか忘れたのかい?」
パシッ!ピシャンッ!パンッ!パシッ!パンッ!
太乙は厳しく問い詰める口調で話しかけながらスナップを利かせて玉鼎のお尻を打つ。
より強い痛みを感じたのだろう、玉鼎の口からより大きな声が漏れ、身体を強張らせる。
「わ・・忘れてる・・わけ・・ないだろう・・・」
太乙の問い詰めるような口調に思わず玉鼎も言葉を返す。
「ふぅん。覚えてたんだねぇ」
だが、太乙の声にはどこか呆れと小馬鹿にしたような感じが混じっていた。
「だったらもう二度としなさそうなものだけどねぇ」
「い・・言わないで・・くれないか・・。本当に悪かった・・から・・。私・・・だって恥ずか・・しいんだ・・・・」
ブルブルと恥辱に全身を震わせる玉鼎の頬は紅でも差したかのように見事な赤に染まっていた。
楊ゼンは見ているうちに何だか師匠がかわいそうになってくるが、太乙は腹に据えかねているのか、さらに言葉を続ける。
「おや?君にも羞恥心はあったんだねぇ。でも君の羞恥心や反省は長続きしないみたいだねぇ。でなきゃあこう何度もお仕置きされるようなことにはならないしねぇ」
「うぅぅ・・・・」
玉鼎は恥ずかしくて情けなくてたまらず、泣きたくなってくる。
だが、泣こうものならもっと情けなくて惨めな状態に陥ってしまう。
屈辱の涙が出そうになるのを必死に玉鼎は抑えた。
 玉鼎の姿にさすがに幼い楊ゼンもいたたまれなくなってきたのだろう、思わずその場を去ろうとする。
だが、ドアを離れようとしたそのとき、うっかり足を滑らせてしまい、そのままドアが開いた勢いで中へ前のめりに倒れこんでしまった。


 「いたた・・・・」
床にぶつけたのだろう、鼻をさすりながら楊ゼンは起き上がる。
「あ・・・・」
起き上がるや否や、楊ゼンは二人と目が合ってしまう。
二人とも、突然の闖入者に石にでもなったかのように固まってしまった。
 「よ・・・楊ゼン・・・?」
玉鼎はまさかといった表情で弟子に呼びかける。
楊ゼンは何か言おうとするが、慌てているせいだろう、金魚のようにパクパクと口を動かすだけだった。
(み・・見られてたのか・・・)
その事実に玉鼎は再び羞恥心がこみ上げる。
お尻を叩かれているというだけでも屈辱でたまらないのだ。
それを弟子に見られていただなんて、恥ずかしいなどというものではない。
情けなすぎて泣きたくなってくるが、そんなことをしたらますます惨めになるだけ、必死に玉鼎は涙を堪える。
 「おや?君は玉鼎の弟子だったっけ?」
ショッキングな場面に遭遇してしまい、動揺している楊ゼンに対して太乙は落ち着いた声で呼びかける。
「恐がらなくていいよ、別にとって食うわけじゃないんだから」
太乙の静かな落ち着いた声にようやく楊ゼンは落ち着き、そうだと答える。
「ビックリしただろうねぇ、玉鼎のこんな姿見て」
太乙は同情するような口調で楊ゼンに呼びかける。
 「ふ・・二人で・・何・・してるの・・?」
楊ゼンは落ち着いたところでようやくそう尋ねる。
「あぁ、玉鼎をお仕置きしてるところだよ」
「お・・お仕置き・・?」
「そう。君は経験無いのかい?」
太乙の言葉に楊ゼンは思わず顔を赤らめてしまう。
いたずら盛りな年頃だ、お仕置きの経験などしょっちゅうだったからだ。
 「どうやら君も経験あるみたいだねぇ。それならわかるだろう?」
「な・・何と・・なく・・・」
ぎこちない口調で楊ゼンが答えるなか、玉鼎がようやく口を開く。
「楊ゼン・・・む、向こうに・・行ってなさい・・・」
その言葉に楊ゼンは部屋を出てゆこうとするが、太乙は呼び止める。
「君・・楊ゼンだっけ・・?君もここにいてくれないかい?」
「お・・おぃ・・太乙・・。何を・・・」
これ以上弟子に恥ずかしい姿を見られたくないのに、そうはいかない事態になりそうで玉鼎は思わず焦る。
「決まってるだろう、お仕置きはまだ終わってないんだからさ」
「そ・・そんな・・・」
玉鼎は悪い予感が当たってしまい、愕然とする。
太乙はそれを尻目に手を振り上げたかと思うと、再びお尻目がけて振り下ろした。


 パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パチィンッ!
「く・・あ・・・あぅ・・うぅぅ・・あっ・・・」
平手が振り下ろされるたびに玉鼎は苦しそうな表情を浮かべ、うめき声を漏らす。
(本当に・・・叩かれてるんだ・・・)
目の前で行われていることに、改めて楊ゼンはその事実を今更ながらに認識する。
「全くもー・・・君って子は本当に学習能力がないんだから」
ピシャア~ンッ!パアッシィ~ンッ!パシィ~ンッ!パア~ンッ!
太乙は呆れた口調でお説教をしながらお尻を叩き続ける。
今や玉鼎のお尻は見事なまでに濃厚なワインレッドに染め上がっていた。
 「だ・・だから・・悪かったって・・言ってる・・じゃないか・・。反省してる・・から・・許して・・くれないか・・?」
苦しそうな息を吐きながら玉鼎は太乙に許しを乞う。
「駄目だよ。何度も同じことする君が悪いって言ってるだろう?本当に・・・悪い子っ!悪い子っ!」
バシッ!パア~ンッ!バシィ~ンッ!パアシィ~ンッ!
「くぅ・・!うっ・・!あっ・・!あうっ・・!」
さらに平手打ちの勢いが強まり、玉鼎は苦痛で思わず背をのけ反らせる。
 (わぁ・・・痛そう・・・)
師が味わっている痛みを想像し、思わず楊ゼンは自分までお尻が痛くなってきそうな錯覚を覚える。
自分も普段経験があるだけに想像がしやすいのだ。
(でも・・知らなかった・・大人でも・・悪いことしたらお仕置きされるんだ・・)
楊ゼンはそのことの方が驚きが大きかった。
ピシャア~ンッ!!パアッチィ~ンッ!!パッシィ~ンッ!!ピッシャ~ンッ!!
「ううっ・・!くうっ・・!ひうっ・・!あうっ・・!」
既に相当の痛みが蓄積しているところへさらに新たな苦痛を与えられ、玉鼎は身体を揺り動かす。
楊ゼンはゴクリと息を呑んでそれをジッと見つめている。
そのうち、たまたま玉鼎の視線と楊ゼンの視線が合う。
とっさに楊ゼンはバツが悪くて目をそらしてしまう。
 (み・・見てるのか・・・)
改めてその事実を突きつけられ、玉鼎は羞恥に顔を真っ赤にしてしまう。
(幾ら私が悪いからって・・・ここまですることないじゃないか・・・)
玉鼎はそう思わずにはいられなかった。
弟子に見られながらお仕置きされるだなんてあまりにも恥ずかしい。
いや、それどころか情けない。
あまりにも情けなくて泣きたくなってくる。
実際に苦痛と恥ずかしさのせいで目尻に涙が浮かびだしていた。
 (馬鹿!何してるんだ!?ここで泣いたらもっと情けないだろう!!)
泣きそうになる自身を叱咤し、玉鼎は絶対に涙を流すまいとする。
だが、身体は意思を裏切ってとうとう涙がこぼれてしまった。
 「う・・うぅ・・くうっ・・!ひうっ・・!あぅぅ・・!」
うめき声は今や悲鳴に変わりだし、玉鼎はさらに身体を揺らす。
同時にボロボロと涙がこぼれ始めた。
(師匠・・泣いてる・・)
普段は決して見たことのない師の姿に楊ゼンはさらに驚いた。
楊ゼンは食い入るようにジッと見つめている。
今の楊ゼンには玉鼎の姿が自分の姿と重なって見えていた。
 「た・・太乙・・・太乙・・・」
震える声で玉鼎は太乙に呼びかける。
「何だい?」
「も・・もぅ・・・ゆ・・許して・・くれ・・。ほ・・本当に・・・悪かった・・。は・・反省・・してる・・してるから・・。だ・・だから・・もぅ・・・」
恥ずかしさに全身を震わせながら玉鼎は許しを乞う。
楊ゼンにこんな姿を見られている以上、プライドも何も無い。
一刻も早く許してもらってこんな醜態をこれ以上さらさないで済むようにしたかった。
「本当に反省してるのかい?」
「し・・してる・・・だから・・・」
「なら『ごめんなさい。二度と約束破りません。これからはちゃんと守りますから許して下さい』、そう言えば許してあげるよ」
「なっ・・・!!」
太乙の言葉に玉鼎は愕然とする。
まさかそんな要求を出されるとは思ってもいなかったからだ。
(そんな・・・そんなこと・・楊ゼンの前で・・言えるわけ・・ないだろう!!)
思わずそう叫びたくなる。
だが、口から出かける叫びを飲み込んで堪える。
そんなことをしたら逆効果なのはわかっていたからだ。
 「どうしたんだい?本当に反省してるなら言えるだろう?」
太乙は容赦なく玉鼎に問いかける。
玉鼎は返事も出来ず、唸り声のような声を出したかと思うと押し黙ってしまう。
ムッツリと押し黙ったまま、ときどきこちらを見てくる楊ゼンは恐る恐る様子を伺う。
しばらくの間、部屋の中は張り詰めた空気の中で沈黙が支配する。
 「やれやれ・・。言えないみたいだねぇ、それじゃあ仕方ないなぁ」
太乙はため息をつくとおもむろに携帯を取り出した。
「な・・何を・・する・・つもりだ・・?」
携帯を見るや、恐る恐る玉鼎は尋ねる。
「まだ反省が足りないみたいだからねぇ。道徳にも手伝ってもらうつもりだよ」
「な・・・じょ、冗談だろう・・・!?」
玉鼎は思わず声が上ずる。
今太乙に叩かれているのだって限界で痛くてたまらないのだ。
その上、道徳にまで叩かれたらたまらない。
いや、それよりも道徳にまでこの有様を見られることになるかと思うとそちらの方が嫌だった。
 「さぁ・・どうするかい?」
太乙は静かな声で問いかける。
玉鼎は再び押し黙ってしまうが、その表情には一刻も早く許してもらいたいという気持ちと屈辱的な謝罪をしたくないという気持ちの板挟みになっているのがありありと見てとれた。
 「仕方ないねぇ・・・」
そういうと太乙は携帯のボタンを押し始める。
(ほ・・本気だ!?)
ボタンを押すたびに聞こえる電子音に否応なしに玉鼎はその事実を悟る。
「わ・・わかった!わかったからっ!ちゃんと謝るっ!だから・・許してくれないか!?」
もはやプライドも意地もなく、必死に玉鼎は叫んだ。
「なら言ってごらん?言えるだろう?」
太乙の後押しに震える声で玉鼎は口を開く。
「ご・・ごめん・・ごめん・・なさい・・・」
恥ずかしさに顔を真っ赤にし、身体を震わせ、目尻に涙まで浮かべかけている師の姿を楊ゼンは息をのんでジッと見つめる。
「に・・二度と・・や・・約束・・や・・破り・・ません・・。こ・・これからは・・ちゃ・・ちゃんと・・守ります・・・」
「何だか聞こえないねぇ。最初から言い直してもらおうかな?」
太乙の言葉に思わず玉鼎はカッとしかける。
だが、それを押さえて再び口を開いた。
「これからは・・ちゃ・・ちゃんと・・ちゃんと・・守ります・・から・・ゆ・・許し・・許して・・下さいっ!!」
「やれやれ・・。やっと言えたね・・」
溜息をつきながらそう言うと、ようやく太乙は手を止めた。


 (最悪だ・・・)
自室のベッドの上でうつ伏せになりながら、玉鼎は自己嫌悪でいっぱいになっていた。
お尻をぶたれている情けない姿を幼い弟子に見られたのだ。
恥ずかしいどころではない。
師の面目も威厳も丸つぶれだ。
これからどう弟子に接すればいいのだろう。
 「ししょー・・・・」
ドアが開く音と共に、弟子の声が聞こえる。
ハッとして振り返ると、いつの間にか楊ゼンが入ってきていた。
 「よ・・楊ゼン・・・」
いつもなら何てことはない弟子の姿に、玉鼎は硬直してしまう。
しばらく沈黙があたりを支配するが、やがて玉鼎が口を開いた。
 「見てた・・・んだろう・・?」
師の問いに楊ゼンは黙って頷く。
「聞くまでもなかったか・・・。どうだった?師匠がお仕置きされてるのは?」
玉鼎は自虐的な感じで口を開く。
「情けないと思っただろう?大人のくせにお尻ぶたれてるだなんて・・。恥ずかしくて・・情けなくて・・・お前に合わせる顔が無いよ・・・・」
自己嫌悪が玉鼎をさらに暗い気持ちにしてしまい、表情がますます暗くなる。
「こんな恥ずかしくて・・情けない・・師匠は・・嫌いだろう・・?」
自虐的な様相でそんなことまで言い出したが、楊ゼンの態度は違った。
 「そんなこと・・ないもん!」
「子供のくせに気を使わなくていいんだよ・・・」
「お尻ぶたれてても・・悪い子でも・・ししょーは・・ししょーだもん!どんな子でも・・ししょーが・・好きだもん!」
楊ゼンは心の底から声を上げる。
「よ・・楊ゼン・・。本当に・・こんな私で・・いいのかい・・?」
「どんな・・ししょーでも・・ししょーが好きっ!!」
玉鼎は身体を起こすと、お尻が痛いのも構わずに楊ゼンの方へ歩み寄る。
そして弟子を抱き上げたかと思うと、楊ゼンをジッと見つめる。
 「ししょー・・・?」
「楊ゼン・・本当に・・ありがとう。お前のおかげで・・・また自信が出てきたよ」
そういうとしっかりと楊ゼンを抱きしめた。


 ―完―
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theme : 二次創作
genre : 小説・文学

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山田主水

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