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ダンジュー修道院25 スキヤキ・ノワール・キンダイチ3


 冷たい懺悔室の石床の上でチサトとラウールはジッと跪いていた。
「うぅ~。身体痛い~~~」
ラウールは不自然な態勢にすっかり根を上げている。
チサトも苦しそうだったが、口を引き結んでジッと耐えていた。
 「ねぇ・・チサちゃ~ん・・・逃げちゃわない・・?」
不意にラウールがそんなことを言ってきた。
「駄目ですよ!僕たちがいけないのはわかってるじゃないですか!?」
ラウールの誘いにチサトはそう答える。
チサトは金田一のおかげで与一から救い出され、現場に駆けつけた警察により保護されて一時間ほど前に戻ってきたのである。
修道院に帰ってくると、予想はしていたがバルバロッサが待っていた。
帰ってくるなり命じられたのが懺悔室行き。
そこで先にいたラウール共々、バルバロッサがやってくるまで跪いた姿で反省しているよう言われたのである。
 「そんなこと言ったって間違いなくお尻ぶたれちゃうよ~。わかってるでしょ、チサちゃんだって~」
「そうですけど・・。でも逃げるわけにはいかないじゃないですか・・・」
「怖くないの、チサちゃん?」
「怖いですよ・・・それは・・・」
チサトは正直に言う。
いつも経験しているからその痛み苦しみはよくわかっていたからだ。
「でしょ~。ねえチサちゃ~ん、逃げようよ~~」
「ええ度胸やなぁ?そんなこと抜かしおって」
不意に野太い声が聞こえた。
ラウールはドキッとして振り返る。
するといつの間にかバルバロッサが立っていた。
 「ひいっっ!!!」
ラウールは情けない声を上げると震えあがる。
とうとう恐れていたものがやってきたからだ。
バルバロッサはそんなラウールの姿を尻目に、椅子を持ってくると腰かける。
 「さぁて・・・お前ら・・・覚悟はいいだろうなぁ?」
バルバロッサはそう言うと二人をジロリと見やる。
その射すくめるような眼光に二人は震えあがる。
「んで・・どっちから来るんや・・?」
不意にバルバロッサが尋ねた。
二人は意味がわからず、キョトンとした表情を浮かべた。
「どっちからここに来るって聞いたんや。さぁ、どないすんのや?」
バルバロッサは膝を軽く叩きながら言う。
それを見てようやく二人は理解した。
 二人は互いに振り向くとジッと相手を見やる。
二人の目は互いに「お先にどうぞ」と語っていた。
視線で互いに二人は順番を譲り合う。
本人たちにしてみれば真剣なのであろうが、はたから見ると何とも滑稽な感じだった。
 「いい加減にせぇ・・いつまでぐだぐだやってんや・・・」
苛立たしげな声でバルバロッサが言うと、ラウールは再び震えあがる。
その声にようやく覚悟が固まったのだろう、チサトがバルバロッサの方へやってきた。
震えながらもチサトはバルバロッサの脇に立つ。
「よう来れたな。ええ子や」
そういうとバルバロッサはチサトの腕を掴んで引っ張った。
チサトは倒れこむようにして膝にうつ伏せになる。
既に覚悟を決めていたからか、声を漏らしたり怯えることは無く、静かに両手でバルバロッサの裾を握り締めた。
 「素直でええ子や・・。じゃが・・優しゅうはしてやれんのや。たっぷり痛い思いしてもらうで。ええな?」
バルバロッサの問いにチサトは黙って頷く。
それを見るとバルバロッサはチサトの頭を左手で押さえ、いつもの通り修道服を捲り上げてズボンを下ろす。
お尻を出すと今度は右手に丹念に息をかけだした。
息をかけ終えるとバルバロッサの右手がゆっくりと上がっていき、やがてチサトのお尻目がけて勢いよく振り下ろされた。


 バアッチィ~ンッ!
「きゃあっ!」
しょっぱなから容赦の無い強烈な音が響き渡る。
その衝撃に思わずチサトは悲鳴を上げ、背をのけ反らせそうになる。
お尻の方も真っ赤な手形がしっかりとハンコで押されたようについている。
バアッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアア~ンッ!ビッバァ~ンッ!
「ひゃ・・ひ・・ひぅ・・・あ・・・・」
チサトは声を漏らすまいと口を閉じる。
だが、普段のお仕置きとは比べ物にならない痛みに、否応なしに声が漏れてしまう。
ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビッジャア~ンッ!バッジィ~ンッ!
「ひゃ・・きゃあ・・ひゃんっ・・ああんっ!」
強い痛みにチサトのうめき声はあっという間に悲鳴に変わった。
バアッジィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!ビッダァ~ンッ!
「きゃあんっ!ひゃあんっ!きゃあっ!やあっ!」
お尻を襲う苦痛にチサトは両脚をバタつかせる。
始まって間もないというのに、お尻はすっかり赤みを帯びていた。
 「何やっとるんや!お前って子はぁ!?」
腹の底から怒鳴りつけるような強い口調でバルバロッサが口を開いた。
ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビバジィ~ンッ!バジィ~ンッ!
「また勝手に院を抜けやがって!」
バルバロッサは叱りながらチサトのお尻に平手を叩きつける。
一撃ごとにチサトのお尻が震え、さらに激しく足をバタつかせた。
ビバアッジィンッ!ビッダァァンッ!ビッシャア~ンッ!バッジィ~ンッ!
「それでとんでもねえ連中にさらわれたりしやがって!」
ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビッバダァ~ンッ!バッジィ~ンッ!
「きゃああ~んっ!ひゃあ~んっ!痛あ~っ!やぁぁ~っ!」
チサトはますます両脚をバタつかせるが、バルバロッサは構わずにさらにお尻を叩き続ける。
ビッバァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビダッバァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!
「金田一はんがおらなんだらどうなってたかわかっとるんかぁ!?馬鹿モンがあっ!?」
「ひぃん・・ごめん・なさいっ・・ごめんなさいっ・・ごめんなさい~~」
チサトは手足をバタつかせながら必死に謝りだす。
「アホぉ!ごめんなさいは当たり前だろが!今日という今日は本当に怒っとるんや!幾ら謝っても泣いても、ちょっとやそっとじゃ許さんからな!」
バルバロッサはそう言うとさらに思いっきりチサトのお尻を叩きだす。
チサトは平手を打ちつけられるたびに身体を硬直させ、或いは背をのけ反らせる。
涙をこぼしながらチサトは必死に謝るが、バルバロッサは許す気配を見せず、平手を叩きつけた。


 (ひぃぃ~~~。本気で怒ってるぅぅ~~~)
ラウールは目の前で繰り広げられているお仕置きに身体を震わせる。
普段だったらごめんなさいが出た時点で、何が悪かったを問うてお説教したあとで解放してやるはずだ。
だが「幾ら謝っても泣いても、ちょっとやそっとじゃ許さん」とチサトに叫んでいる。
息子同様に思って可愛がっているチサトにこんなことを言うほど、怒り心頭だということがラウールには見ていてわかった。
 (となると・・・・)
ラウールは自分の番を想像する。
チサトでさえこんなに激しいお仕置きを受けているのだ。
今回の件の主犯格で原因ともなった自分ならばもっともっと厳しいお仕置きをされるかもしれない。
(そ・・そんなにされたら・・お尻・・壊れちゃう・・。いや・・死んじゃうかも・・)
自分で想像しているうちにラウールは青ざめてくる。
(に・・逃げちゃおう・・)
不意にそんな考えが浮かんできた。
幸い、バルバロッサはチサトのお仕置きに集中しているようだ。
うまくいけばこっそり逃げ出せるかもしれない。
そう思って腰を浮かせかけたときだった。
 お尻を叩きながら、不意にバルバロッサが視線をラウールの方へ向けた。
「ひ・・・・・」
情けない声を漏らすとラウールはへたり込む。
バルバロッサの視線は昔の稼業に戻ったかのような凄まじいものだったからだ。
(に・・逃げたら・・殺される・・・)
ラウールは本気でそう感じる。
同時にバルバロッサは逃げ出そうなどというラウールの考えをとっくに見抜いていることにも気づいていた。
ラウールはやむなく脱走の考えを捨てる。
バルバロッサもそれを理解したのか、凄まじい視線を向けるのをやめ、チサトのお仕置きに再び集中した。


 「ひっ・・ごめ・・ん・・なさい・・ごめん・・なさい・・ごめん・・なさい・・・」
途切れ途切れの声でチサトは許しを請う。
頬には涙の筋がくっきりとついており、目尻には光るものが滲んでいる。
お尻は倍近くに腫れ上がっており、表面は畑の畝のようで熟しきったトマトかリンゴのような濃厚な赤色に染まりきっている。
身体はぐったりしており、額や手の甲には脂汗がじんわりと噴き出していた。
 「反省したんか?」
バルバロッサはようやくそう尋ねる。
「し・・しました・・ごめ・・ごめん・・なさい・・・」
「なら・・何が悪かったんや?言うてみい。ちゃんと反省しとんならわかるやろ?」
バルバロッサはいつものようにそう尋ねる。
チサトは何度か深呼吸して自身を落ち着かせると、苦しい息の下で答え始めた。
 「か・・勝手に・・抜け出した・・こと・・・」
「そや。それから?」
「こ・・怖い・人たちに・・・捕まって・・・皆に・・迷惑・・かけた・・こと・・」
「そうや。じゃがまだ一つあるわな。わかっとるか?」
バルバロッサの問いにチサトは黙って頷く。
 「なら答えてもらおうか。何や?」
「み・・・皆に・・心配・・か・・けた・・こと・・」
「そうや。よく言えたな」
バルバロッサは声の調子を静かなものに変えると、頭を押さえていた手で、優しく頭を撫でてやる。
「お前さんが危なそうな連中に捕まったと聞いて・・俺や他のみんなが・・どんなに・ビックリしたか・・気が気じゃなかったか・・・考えてみたか?お前さんに・・何かあったら・・そう思うと・・・本当・・気が・・狂いそう・・だった・・」
チサトはバルバロッサの膝や頭を撫でる手が震えているのに気づく。
「金田一・・はんが・・お前を・・連れて・・戻って来るのを・・見て・・・やっと・・やっと・・・安心したわ・・心の・・底から・・・」
「ご・・ごめん・・なさい・・・」
チサトは申し訳なくて思わずうつむく。
自分のせいで皆に辛い思いをさせたかと思うと、穴があったら入りたかった。
 「チサト・・・お前に悪気があったんじゃねえこたぁ・・ようわかっとる・・。だがなぁ・・・夜中勝手に外出たりしたら・・・皆が心配するんだぞ。皆に心配かけたりすんのはよくねえ・・わかるな?」
チサトは再び黙って頷いた。
「ええ子や・・・。あと十回だけ・・我慢できるか?」
「で・・できます・・・」
本当はもう限界だった。
だが、皆に心配かけたことを考えると、まだ許してもらうことは出来ないように思えたのである。
「なら・・行くで・・・」
バルバロッサはそう言うと再び手を振り上げ、チサトのお尻目がけて振り下ろした。
 パシィーンッ!パアーンッ!パチィーンッ!
「ごめん・・なさい・・ごめん・・なさい・・ごめ・・んなさい・・・」
ピシャ―ンッ!パアーンッ!パアシィーンッ!
「ごめん・・なさい・・ごめんなさい・・ごめんなさい・・・」
ピシャアーンッ!パチィーンッ!パアーンッ!パシィ―ンッ!
「ごめん・・なさい・・ごめんなさい・・ごめん・・なさい・・ごめんなさい・・」
最後の一発を叩くと同時にバルバロッサの手が止まった。
 バルバロッサは手を止めるとチサトを両手で抱き起し、膝の上に座らせる。
「よしよし。よぅ堪えたなぁ。痛かったやろ」
バルバロッサは赤ん坊をあやすような口調で言う。
「本当に・・ごめんなさい・・心配・・かけて・・・」
「ええんや。ちゃんと反省出来たんやから。チサト、もう危ない真似はあかんで?」
「はい。もう、皆に心配かけるようなことはしません。約束します」
「よし。ええ子や」
バルバロッサはチサトの頭を撫でると床に降ろしてやる。
チサトを降ろすと今度はラウールの方へ振り向いた。
 「さぁて・・・若僧・・・覚悟はええか?」
「い・・いや・・あの・・・」
ラウールはバルバロッサの迫力にタジタジとなる。
「まさか・・逃げようなんて考えてんじゃなかろうな・・?」
「そ・・そんなこと考えてませぇぇん!!」
とっさにラウールは叫ぶ。
「だったら早く来んかい!愚図愚図してるんやない!」
バルバロッサの剣幕にラウールは慌てて飛んでくる。
これ以上愚図愚図していたらただでさえ厳しいであろうお仕置きがさらにきつ~いものになってしまいそうだった。
 「やっと来やがったか・・・まあいい、ここに肘つけや」
バルバロッサは立ち上がると、椅子を指し示して言う。
「こ・・ここに・・ですか?」
ラウールは訝しげな表情で尋ねる。
「ここにだ。早くしろ!」
バルバロッサに怒鳴られ、慌ててラウールは椅子に両肘をついた態勢を取る。
おかげで身体を折り曲げ、お尻を突き上げたような態勢になった。
「もっと尻を突き出せや・・そう・・よおし・・・」
バルバロッサはラウールにお尻を突き出させると、修道服の裾を捲り上げ、クリップで背中に止める。
そしてズボンを膝裏まで降ろした。
 「うぅ・・・・」
冷たい外気を感じてラウールはお尻がむき出しされたことを知る。
寒さとお仕置きの恐怖にラウールは全身を震わせた。
お尻をむき出しにすると、今度はバルバロッサは壁の方へ向かう。
(何・・してるんだろ?)
ラウールは訝しげにバルバロッサの様子を見守る。
やがてバルバロッサが戻ってくると、普段は壁にかけてあるパドルを手にしていた。
 (あ・・あれで叩くの・・?)
ラウールはそれに気づくとサーッと顔から血の気が引く。
とっさに逃げようと思ったが、それよりも先に腰をしっかりと押さえつけられてしまった。
「さぁて・・仕置きの時間や・・覚悟しいや」
バルバロッサはそういうとゆっくりとパドルを振り上げる。
そしてラウールのお尻目がけて思いっきり振り下ろした。


 バアッシィィぃンンンンン!!!
「ぎゃああああんんんん!!!!」
凄まじい打撃にラウールは絶叫といっていい悲鳴を上げ、身体を揺り動かす。
「こら!動くんじゃねえ!」
バルバロッサはラウールを叱りつけると、左手で腰を押さえつける。
「や・・だってぇ・・痛いですよ~~~」
ラウールは今にも泣き出しそうな表情を浮かべて懇願するような口調で言う。
「ああん?何寝ぼけてんだ?仕置きなんだから痛えに決まってるだろうが」
ラウールの言葉にバルバロッサは非情な声で切り捨てるような答えを返す。
バシィ~ンッ!バァンバンバチンバアアンバシンバアンビタァンバアンッ!
ビッシャア~ンッ!バァンビタンバシンバチンバァンビダぁンバアンッ!
「わぁぁ~んっ!許してぇぇぇぇ~~~~~!ひぃぃ~~~んんっ!」
ラウールは絶叫を上げて許しを請う。
「何言ってんだ!そもそもお前が性懲りも無く夜遊びに出かけるからこんなことになったんだろうが!お前がそんな気起こしやがったからチサトだって後追っかけたんだぞ!わかってんのかぁ!?」
バルバロッサはそう言うとパドルを雨あられとラウールのお尻に降らせる。
ラウールのお尻はあっという間にワインレッドに変色してしまった。
 「ひい~んっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいっ!ごめんなさあ~~いっっっっっ!!!」
余りにも強烈なお仕置きの嵐にラウールは叫ぶようにして許しを請う。
「ごめんなさいは当たり前だろうが!お前の仕出かしたことが原因でチサトが危ない目に会ったんだからな!わかってんのかぁ!?」
バルバロッサはお尻の骨が砕けてしまうかと思うほどラウールのお尻を叩きまくる。
そう、バルバロッサが何よりも怒っているのはこの点だった。
ラウールの軽はずみな行動が原因で二人は凶悪犯と遭遇、チサトが誘拐されるという結果になったのだ。
幸い金田一がいたからいいようなものの、そうでなければチサトがどうなっていたかわからない。
軽はずみなことをして危険な目に会い、しかもそれに他人を巻き込んで危ない目に合わせる。
無論わざとしたことではないが、だからといって軽々しく許せることではなかった。
突然、ラウールが姿勢を崩し、椅子にうつ伏せになる。
「こら!姿勢を崩すんじゃねえ!」
「そ・・そんな・・こと言ったって・・わざとじゃ・・・」
ラウールは必死にお尻を突き上げようとするが、両脚はガクガクと震えて力が入らない。
焦って力を込めようとするが、ラウールの脚は言うことを聞かない。
「ば・・バルバロッサさぁん・・も・・もう・・無理ですぅ・・・。こ・・これ以上は・・脚に・・力が・・入ら・・・」
バルバロッサは嘘かどうかジッと観察するが、どうやらラウールの言っていることに嘘はないと判断する。
「なら仕方ねぇ・・・とりあえず俺が戻ってくるまでそこでうつ伏せになってろ」
バルバロッサはそう命令するとチサトを抱き上げる。
「放っといて悪かったな。医務室に連れてってやるからな」
「あ・・あの・・ラウールさんは・・?」
チサトは心配そうな目でラウールを見やる。
「あいつはまだだ。それより今はお前が先だ」
そう言うとバルバロッサはチサトをお姫様だっこで抱きかかえたまま懺悔室を後にした。


 (た・・助かった・・・)
ラウールはバルバロッサが去るや、ホッと息をつく。
(で・・でも・・凄い・・熱い~~~)
ラウールはお尻の感覚に思わず顔を顰める。
今やお尻は三倍くらいに腫れ上がっており、まるでお尻が燃えているのではないかと思えるくらいに熱かった。
ラウールは恐る恐る片手をお尻に伸ばし、ちょっとだけ触れてみる。
指が触れるや、まるで火に焙られたような熱さをラウールは感じた。
 「熱っっ!!」
思わずラウールは手を引っ込める。
同時にお尻に電撃のような鋭い痛みが走った。
「ひぃぃんんっっ!!」
身体を縮こまらせ、ラウールはハァハァと息を吐く。
自分の軽薄な行為を思わず後悔したそのときだった。
 突然、扉が開いたかと思うとバルバロッサが戻ってきた。
(き・・来た・・)
ラウールの表情は恐怖に強張る。
ふと、ラウールはバルバロッサが箱のようなものを抱えていることに気づいた。
 バルバロッサはラウールのところへやってくると片手で首根っこを掴み、床に降ろす。
ラウールを降ろすや、そのまま尻馬に乗るかのようにラウールの背中に腰を降ろした。
「お・・重いぃぃ~~~。バルバロッサさぁ~~ん!お、重いですってばぁぁ~~!」
バルバロッサの体重に思わずラウールは抗議の声を上げる。
「黙らんかい!こうせんと仕置きが出来んのや!」
(い・・一体何するつもりなんだろ・・?)
ラウールが恐る恐る振り返ると、バルバロッサは箱から何かを取り出す。
取り出したのはもぐさ。
小さな山になったもぐさを用意するとバルバロッサはおもむろに話し出す。
 「おい・・お灸って知ってっか?」
「な・・何です・・それ?」
ラウールはゴクリと息を飲みながら尋ねる。
「日本とかでやっとる民間治療でなぁ。火つけたもぐさを乗っけて熱で刺激を与えるんやそうや」
「そ・・それが・・何か・・・?」
「実はこいつは悪ガキの仕置きや躾にも昔はよぉ使ってたらしゅうてな」
バルバロッサはそう言うと真っ赤になっているラウールのお尻に指頭大のお灸を三、四個置く。
同時に次々と火をつけた。
 「ひ・・ひいいいんん~~~~っ!やぁぁぁぁぁ~~~~~っっ!!」
ただでさえ、今までの容赦ないお仕置きで触れられただけでも痛いお尻にお灸の熱が加えられ、お尻を攻め立てる。
ラウールはお灸の熱に両手を床にバンバン叩きつけ、両脚をバタつかせた。
「もぐさが燃え尽きるまでしっかり反省しいや!それまでは許さんからな!」
バルバロッサは漬物石と化したかのようにラウールの背中にズシンと座っている。
その後、全てのもぐさが燃え尽きるまでラウールの悲鳴と許しを請う声がこだました。


 「ラウールさぁん、大丈夫ですか・・?」
「な・・何とか~。うぅ~。でもお尻痛い~~」
医務室に並んだベッドの上で、二人は仲良くお尻を出してうつ伏せになっていた。
お仕置きが終わって既に時間は立つものの、かなりきつく叩かれたせいか、今だお尻は真っ赤で氷袋を載せている。
 「チサちゃん・・ごめんね・・僕のせいで怖いことに巻き込んじゃったみたいで・・」
お尻の痛みに顔をしかめながらラウールはチサトに謝る。
「いいんですよ。勝手に抜け出したり皆に心配かけた僕も悪かったんですし。でも・・これからは夜遊びとかはあんまりしないで下さいね・・?」
「うーん・・・ど・・努力はするよ・・。で・・でも・・約束は・・出来ない・・かも・・」
ラウールの答えにチサトは苦笑する。
だが、そのうち二人とも疲れが出たのだろう、そのまま静かに寝息を立て始めた。


 ―完―
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