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ダンジュー修道院27 カーニヴァル



 普段は観光客や敬虔な参拝者、巡礼者などがいる修道院の敷地。
だが、今はすっかり様変わりしていた。
院内の敷地には屋台用のテントやテーブルが軒を連ねており、中には演劇用の舞台も造られている。
ある舞台の上では聖書に題材を取った劇が上演されているかと思えば、別の舞台では派手な仮装をした人たちが滑稽なダンスを披露して人々を笑いに誘っている。
 そんな中、片隅の屋台にチサト達の姿があった。
「どうです、アツアツ出来たてのスープですよ~。一杯どうですか~~」
ラウールは目の前を通る人たちにそう声をかける。
その隣ではチサトが大きな鍋の中から器に肉の具がたっぷり入った熱いスープを盛っていた。
 ここ連日、チサト達はこの屋台でスープの無料振る舞いをやっていた。
というのも、カーニヴァルの期間だったからだ。
カーニヴァルとはローマ・カトリック圏の国々でレント(イースターに先立つ40日間。四旬節などとも言う。この期間は肉などを食べることを避ける)の前に行われる祝祭のこと。
四旬節に入ってしまうと肉や酒、結婚式やパーティといった催しものなどが制限されてしまうため、その前に思いっきり羽目を外して好きなだけ楽しもうということで行われたという。
元々はハロウィン同様異教の祭りであったため、公式に教会等で祝うことは無いのだが、地元の人々への配慮や交流などを目的に修道院ではカーニヴァル期間に敷地内を市民に開放しており、屋台の設置や演劇やその他芸能の興行などを認めている。
なお、こういったことは中世の大聖堂や教会においても行われたらしく、中世の大聖堂に関する研究などによればカーニヴァルの際に聖堂内に山車が入ったり、聖堂内で宗教劇や喜劇などが演じられたという。
「おう、どんな調子や?」
チサト達が屋台で奮闘しているとバルバロッサが様子を見にやってきた。
バルバロッサは肉屋用の厳つく大きな包丁を手にしており、修道服の上から肉屋用のエプロンを着ている。
刃もエプロンも肉の脂がべっとりとついており、肉や脂の臭いが微かにしていた。
 「あっ、バルバロッサさん、お肉の用意の方はいいんですか?」
「一応一段落したんでな。それで様子を見にきたんや。どうや?」
「ええ。大丈夫ですよ」
「そうかい。そんならよかった。またしばらくしたら見に来るわ」
そういってバルバロッサが戻ってきてしばらくしたときだった。
 「チサちゃ~ん、鍋空っぽになったみたいよ~」
「あれ?そうですか?」
チサトは思わず鍋を覗いてみる。
すると見事なまでに鍋は空っぽ、おこげすら残っていないという状況だった。
 「チサちゃん、悪いけど新しいの取って来てくれる?」
「わかりました。じゃあ行ってきますね」
「うん、よろしくね~」
ラウールが返事をすると同時にチサトは厨房の方へ向かっていった。


 厨房では鍋や釜、オーブンがフル活動していた。
おかげで室内に様々な料理の匂いが充満している。
料理担当の修道士達が袖をまくってたすき掛け状態で汗を吹き出しながら料理しているかと思えば、出来上がったものをお盆などに載せて慌ただしく出ていく。
料理はスープだけでなく、タルトやアップルパイといったお菓子類もあった。
別の屋台で修道士達が振る舞っているのである。
 「こら!もっとゆっくり優しく回せって!馬鹿!焼きすぎだっ!これ以上やったら焦げるだろうが!!」
厨房ではバルバロッサと同年代らしい修道士が慌ただしく働いている他の修道士達を指揮している。
彼の名はルチアーノ、イタリア系で修道士になる以前はイタリア料理店で働いていたため、厨房を任せられていた。
 「ルチアーノさ~ん」
チサトはルチアーノの名を呼びながら厨房に入ってくる。
「ん?チサトか。どうした?」
ルチアーノは厨房で働いている他の修道士達に対するのとは違った、優しい笑みを浮かべるとチサトに尋ねた。
「スープが足りなくなってしまったんです。新しいの用意してもらえますか?」
「ああ。構わんよ。そこに鍋用意してあっから」
ルチアーノはそういうとアツアツのスープを入れた鍋を指し示す。
 「ありがとうございます、じゃあ持ってきますね」
チサトは手袋をはめて取っ手を掴むと、鍋をゆっくりと降ろし始めた。
「おい、気をつけろよ。熱いからな。それに重いぞ。誰かつけてやろうか?」
ルチアーノは厨房を見回しながら言う。
中身はアツアツのスープ、しかも結構重量もあるから万が一のことを考えてそう言ったのだ。
「いえ、一人で大丈夫ですよ。それに他の方も忙しそうですし」
「そうか。気をつけろよ?」
ルチアーノがそう声をかけるのを尻目に、チサトはスープ入りの鍋を持って出ていった。


 (ちょっと・・重かったかな・・・)
両腕にずっしりとかかる重みを感じながらチサトはゆっくりとした足取りで歩いていた。
やがて屋台が見えてきた。
「ラウールさ~ん、新しいの持って来ましたよ~」
そう声をかけたときだった。
 歩いているさなか、チサトは何かにけつまずいてしまう。
「う・・うわああ~~~っっっ!!」
チサトは前に鍋を転がすようにして落としてしまい、地面に顔から突っ込むようにして倒れてしまった。
 「痛たたた・・・・・・」
もろに鼻先を地面にぶつけてしまい、チサトは鼻をさすりながら起き上がる。
だが、起きるや否やチサトはハッとする。
鍋は見事なまでに地面に中身がぶちまけられてしまい、完全に駄目になってしまっていた。
だが、それよりももっと悪いことが起こっていた。
ラウールやチサトと一緒にスープの無料配布を行っていた修道士が片足を押さえて苦痛に満ちた表情を浮かべている。
靴やズボンは濡れており、熱いスープがもろにかかったのは明らかだった。


 チサトは懺悔室の冷たい床の上で跪いたまま、ソワソワと不安げにドアの方をチラチラと見ていた。
やがてドアが開いたかと思うと、ゆっくりとバルバロッサが入ってきた。
「あ・・あの・・」
チサトはおずおずとバルバロッサに話しかける。
「救急車で運んでもろうた。ちとひどいようやが命には別状あらへんそうや」
その言葉にチサトはホッとする。
だが、バルバロッサの視線にチサトの表情は堅くなった。
 「チサト・・・自分が何やったか、わかっとるな?」
「は・・・はぃ・・・」
チサトは震える声で答える。
自分のドジのせいで人を怪我させてしまったのだ。
幾ら叱られても文句は言えない。
 「なら・・・わかっとるな?」
バルバロッサはそう言うと椅子に腰かけ、軽く膝を叩く。
それを見るや、チサトはごくりと息をのんだ。
バルバロッサが言いたいことはよくわかっていた。
そして自分にどういう運命が降りかかるのかも。
 チサトはゆっくりと立ち上がるとオズオズとバルバロッサの方へ歩み寄る。
だが、あともう少しでバルバロッサの傍まで来たところで止まってしまった。
チサトはチラリとバルバロッサの膝を見やると足を進めようとする。
直後、チサトの顔に恐怖が浮かび上がり、足を引っ込めてしまった。
理性では前へ進もうとしているのだが、恐怖に支配された身体がそれを拒んでいるのである。
チサトは勇気を振り絞って進もうとするが、そのたびに恐怖が引きもどしてしまう。
 「チサト・・・」
バルバロッサが静かに、だが焦れているのが明らかな声で呼びかけた。
その声にチサトはギクリとする。
これ以上愚図愚図しているとバルバロッサの怒りが増してしまうのは明らかだった。
 慌ててチサトは飛び込むようにしてバルバロッサの膝に乗る。
その現金な姿にちょっと苦笑を浮かべるも、すぐバルバロッサは真顔に戻って修道服を捲り上げ、ズボンを降ろす。
あっという間にチサトの小ぶりで形の整った、雪のように綺麗なお尻があらわになる。
 「うぅ・・・・」
お尻が外気に触れるなり、恥ずかしさにチサトはタコのように顔を真っ赤にする。
同時にバルバロッサの上着の裾をギュッと握りしめ、目をつぶって一文字に口を引き結ぶ。
「行くで・・。ええな?」
バルバロッサの問いにチサトは静かに頷く。
それを見るや、バルバロッサはゆっくりと右手を振り上げた。


 パチィンッ!
「ぅ・・・・」
甲高い音と共に痛みがお尻の表面で弾け、チサトは痛みに思わず顔を顰める。
パシィンッ!ピシャアンッ!パアアンッ!パチンッ!
チサトは目をつぶったまま、口もしっかりと閉ざし、声を漏らすまいとする。
ピシャアンッ!パチィンッ!パアアンッ!パシィンッ!ピシャンッ!
一撃ごとにチサトの身体が痛みで微かに震える。
 「ったく・・いつもいつも・・・・言うとるはずやろうが・・」
バルバロッサはやや呆れたような口調でお説教を始める。
同じような理由で今まで何度もお仕置きしているのだ。
呆れたような口調になるのも無理はなかった。
 パアシィンッ!パアアンッ!ピシャアンッ!パアッチィンッ!
「ぅ・・ぁ・・・っ・・ぁ・・・」
今まで耐えてきたものの、さすがに辛くなってきたのだろう、チサトの口からうめき声が漏れ始めた。
「もっと周りに気をつけろって・・・」
パアシィンッ!ピシャアンッ!パアシィンッ!ピッシャアンッ!
お説教が進むと共に平手の勢いも強くなってきたのか、打撃音の感じが変わってくる。
それを示すかのようにお尻に刻み込まれる平手もより赤みが増していた。
 「う・・あ・・・ひ・・あ・・・・」
より強まった苦痛にチサトのうめき声もより大きく苦しげなものに変わる。
額や手の甲からはジットリと汗が噴き出していた。
「言ってるだろうが・・・。それなのに・・・」
バシィンッ!ビシャアンッ!バアアンッ!バチィンッ!
「くっ・・!ひっ・・!あ・・っ!ひゃあん・・!」
さらに平手打ちの勢いが増し、チサトの苦痛の声がさらに大きなものへ変わる。
バアッチィンッ!ビッダァンッ!バッアァンッ!ビッシャアンッ!
「またやらかしやがって!ったく本当にわかってんのか!?」
ビッダァンッ!バアチィンッ!ビシャアンッ!バアッチィンッ!
「ひぃんっ!きゃあんっ!ひゃあんっ!痛あっ・・!」
強烈な痛みにチサトは悲鳴をあげ、背をのけ反らせる。
 バアッチィンッ!ビッダァンッ!ビシャアンッ!バアッチィンッ!
「ひ・・きゃあん・・ひゃあん・・痛ぁ・・・」
苦痛の声と共にチサトは身体を揺り動かす。
今や、お尻は濃厚な赤に染め上がっており、よく揉んだカイロのように熱を発している。
「きゃあん・・・痛い・・痛ぁ・・ひゃあ・・・」
バルバロッサの激しい平手打ちが叩きつけられるたびにチサトの身体が震え、本能的にチサトは両足をバタつかせる。
 バッチィンッ!ビッダァンッ!バッアアンッ!ビバアッジィンッ!
「ひっ・・きゃ・・ごめん・・なさい・・・ごめん・・なさい・・・」
苦痛に悶えながら、チサトは謝罪の言葉を口にする。
だが、バルバロッサはなおも平手を振り下ろし続ける。
 バアッシンッ!ビッシャアンッ!バッアアンッ!ビッダァンッ!
「ひぃんっ・・!きゃあっ・・!ごめん・・なさい・・ごめんな・・さい・・」
ビッダァンッ!バッアアンッ!バアッチィンッ!ビッバァンッ!
「ひっ・・!ごめ・・なさい・・ごめん・・なさい・・ごめん・・なさい・・」
チサトはボロボロと涙をこぼしながら謝り続ける。
そろそろ頃合いだと見たのか、バルバロッサは一旦手を止めるとおもむろに口を開いた。
 「反省したんか?」
バルバロッサの問いにチサトは黙って頷く。
「ほんなら何があかんかったんや?言うてみぃ?」
バルバロッサはそう尋ねてチサトを促す。
「じ・・自分の・・ドジで・・・ひ・・人に・・怪我させた・・・」
「そうや。それから?」
「何度も・・・注意されてるのに・・・また・・やった・・・」
「そうや。ようわかっとるな」
バルバロッサはそう言うとチサトを抱き上げ、膝の上に座らせる。
 「ええか。チサト、俺はお前がドジったから怒っとるんやない。人なら誰だってヘマの一つや二つはするもんや。だがなぁ、チサトはちぃと多すぎるで。そりゃお前さんがわざとじゃないのはよぉわかっとる。んじゃが、何度も同じこと繰り返しとったら皆に迷惑じゃ。それをしっかりとわかってもらいたかったんで今日はキツめに怒ったんや。わかるか?」
「は・・はぃ・・。迷惑・・かけて・・ごめん・・なさい・・」
「ならええんや。よしよし・・痛かったやろ・・。すぐ医務室連れてってやるさかいな」
バルバロッサは赤ん坊をあやすような感じでチサトを抱きしめると、そのまま抱きしめて医務室へ連れていった。


 「ふぅ・・・・・」
チサトは一息つくとベッドの上でお尻を擦る。
腫れはだいぶ引いており、痛みもほとんど消えていた。
医務室に行って手当てしてもらった後、お尻の痛みで仕事は出来ないだろうということでチサトは自室に引っ込んで休んでいた。
 「チサト、大丈夫か?」
誰かに呼ばれたことに気づいて顔を上げると、いつの間にかルチアーノの姿があった。
「あれ?ルチアーノさん、どうしたんです?」
「バルバロッサの頼みでな。届けものだ」
「届けものですか?」
「ああ。これだ」
そういうとルチアーノはベッドの傍らのテーブルにお盆を置く。
お盆の上には直径10センチ、湯気を立ち上らせたアツアツ出来たての球状コロッケを持った皿が置かれていた。
 「これは・・・?」
「バルバロッサに頼まれてな。差し入れ用に作ったシチリア風ライスコロッケだ。尻ももう大丈夫だろう。冷めないうちに食べな」
そういうとルチアーノは部屋を後にした。


 ―完―
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theme : 自作小説
genre : 小説・文学

comment

管理者にだけメッセージを送る

こんにちはvv

山田さんの書かれる修道院の世界は
本当にあるのでは・・・と思わされてしまいますね(^^ゞ
チサトが何時も可愛いです。
大人のぺんぺんは痛さと恥ずかしさがあって嫌なのに
それでも頑張ってお尻を出す姿が凄く萌えます。
そして最後バルバロッサの優しさにもグッときました。
お仕置きの後のよしよしも良いですね(●^o^●)

レス

 桜夢見様>
 こんにちは、楽しんでいただけまして何よりです。出来るだけ、リアルに感じられるように書きたいと思っているところもありますので、そのように思ってもらえまして何よりです。
プロフィール

山田主水

Author:山田主水
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