嘘の代償2(封神より:楊/玉、パラレル設定あり)



(封神を題材にした二次創作で、『嘘の代償』の続編になります。そのため、玉鼎と楊ゼンが神父で兄弟という設定になっていたり、キャラのイメージがかなり異なっています。許容出来る方のみご覧ください)


 「あれ・・・?おかしいなぁ・・・」
楊ゼンは教会の壁にある窪みを見回しながら訝しげに呟いた。
窪みには天使や聖人の像が置かれている。
だが、右端にある窪みだけ像が無かった。
 「どうしたんだ、楊ゼン?」
壁を見やりながら訝しげな声を上げた楊ゼンに玉鼎は怪訝そうに尋ねる。
「あぁ、兄さん。ここにあった像なんですが・・・」
「どうかしたのか?」
「えぇ。いつの間にか無くなってるんですよ。知りませんか?」
「ああ。あれなら汚れてるみたいだったからな。後で掃除しようと思って片づけておいたんだよ」
「何だ、そうだったんですか。急に無くなってたからちょっとビックリしましたよ。あれ?兄さん、どうしたんですか?」
ふと、楊ゼンは玉鼎の様子がおかしいことに気づく。
 「い・・いや・・。急に気分が悪くなってね・・」
「大丈夫ですか?熱でもあるんじゃ・・」
思わず楊ゼンは心配になり、兄の額に手を伸ばそうとする。
「だ、大丈夫だよ、ちょっと横になれば治ると思うから」
「ならいいんですが・・。後で太乙先生のところに行っておいた方がいいんじゃないですか?」
「そ、そんな必要ない!わ、私だって子供じゃないんだから!」
何だか不自然なまでに玉鼎は必死に言う。
「そこまで言うならいいですけど・・。でも少しでも変だと思ったら無理しないでちゃんと太乙先生に診てもらって下さいね?」
「あ・・あぁ・・わかってるよ」
それだけ言うと玉鼎は逃げるように礼拝堂を後にする。
「何か・・・悪いものでも食べたのかな・・?」
思わず楊ゼンは心配そうな表情を浮かべるが、やらなければいけない仕事があることを思い出すと、同じように礼拝堂を後にした。


 (あ・・危なかった・・・)
部屋に戻ってくるなり、玉鼎はホッと安堵のため息を漏らす。
(しかし・・どうしたらいいんだ・・)
玉鼎は机の下から引っ張り出したものを見やりながら困った表情を浮かべる。
机の下から出てきたのはポリ袋。
その中には像だったものの破片が入っている。
 数日前、汚れているのが気になったので取り出して綺麗に拭こうと思ったのが、そのときにうっかり手を滑らせて落としてしまったのだ。
どうやら壊れやすい材質のもので出来ていたらしく、床に落とすなり粉々に割れてしまったのである。
幸い、楊ゼンが出かけていたため、ばれる前に片づけて自分の部屋へ隠すことが出来たが、いつまでも隠し通せるものでもない。
 (正直に話して・・・謝った方が・・・)
そう思ったが、もし教会の備品を壊したなどと知れたら、しかも嘘をついていたとわかれば、間違い無く叱られるだろう。
無意識のうちに玉鼎はお尻に両手を伸ばす。
(ダメだ!間違いなくお仕置きされる!?でも・・このままだと・・・)
玉鼎はグルグルと室内を歩き廻りながら必死に考える。
(何とかして・・・バレる前に・・直すか・・。いや・・こんなに粉々になったら・・・直しても痕が残る・・。よし・・そっくりな新しいやつを手に入れよう!)
ようやく考えを纏めると、玉鼎は意を決して今度は部屋を後にした。


 「あれ?兄さん出かけるんですか?」
長椅子を拭いていた楊ゼンは兄がどこかへ出て行こうとするのを見ると、思わず声をかける。
「あ・・あぁ・・ちょっと用を思い出してね・・」
「あまり遅くならないようにして下さいね。夕方になると寒くなって風邪引きやすくなるかもしれないですし」
「わ、わかっているよ。私だって子供じゃないんだぞ・・・」
楊ゼンの言葉に思わず玉鼎は不平そうな表情を浮かべる。
「わかってるんならいいんですが。でも無理をして病気になるのは兄さんでしょう?」
弟の問いかけに玉鼎はグッと詰まってしまう。
楊ゼンが心配して色々と言ってくれているのはありがたいが、どうも自分の方が兄なのにという意識のせいだろう、大丈夫だと意地を張ったりしては風邪を引いたり病気をこじらせてしまったことが何度かあるからだ。
「わかったよ。あまり遅くならないように気をつけるよ。それでいいだろう?」
「わかりました、それじゃあいってらっしゃい、兄さん」
「ああ。留守を頼むよ」
 兄が出て行くのを見送ると、楊ゼンは再び長椅子の手入れに取りかかる。
(そういえば・・・何だか様子がおかしかったけど・・・どうしたのかな?)
楊ゼンは像のことを尋ねたとき、玉鼎の様子が変だったことを思い出す。
(何かあったのかな・・・。相談してくれるといいんだけど・・)
心配事や悩みがあるのだろうか、そう考えると楊ゼンも兄のことなので心配になってきてしまう。
兄の事を考えながら長椅子拭きをしているうちに、楊ゼンは例の像が無くなった窪みの近くまで来た。
 (ん・・・?)
ふと、楊ゼンは何気なく床に目をやったとき、小さな破片のようなものを見つける。
(何だろう?)
気になった楊ゼンはそれを取り上げてジッと見つめる。
(これ・・・!)
楊ゼンは思わず声を漏らしそうになる。
破片には色がついており、窪みに飾ってあった聖人像のものと同じだったからだ。
(まさか・・そういえば何だか怪しかった・・・)
窪みの像を巡る玉鼎の振舞いとこの破片とが楊ゼンの疑惑をかき立てる。
 もしやと思った楊ゼンは急いで兄の部屋に駆けつけた。
しばらく室内を探しているうちに、やがて机の下から破片が入った袋を見つける。
「やっぱり・・・兄さんってば・・・」
楊ゼンは証拠を見つけるや、キリリと唇をかんだ表情を浮かべた。


 「ただいま、楊ゼン」
「ああ、おかえりなさい、兄さん」
兄が帰って来ると、楊ゼンはいつものように声をかける。
「用は済みました?」
「ああ、大丈夫だよ。それより、熱いお茶を淹れてくれないか?風が冷たくてねぇ」
「いいですよ。でも・・その前に・・話があるんですけどいいですか?」
「ああ、構わないよ」
「じゃあ、僕の部屋まで来てくれます?」
玉鼎が了承すると楊ゼンは兄を自分の部屋へ連れてゆく。
 「話って何だい、楊ゼン?」
玉鼎が尋ねると、楊ゼンはおもむろに何かを取り出した。
楊ゼンが出したものを見るや、玉鼎はギクリとする。
現れたのは自分が壊してしまった像が入っていた袋。
 「よ・・楊ゼン・・そ・・それは?」
玉鼎は声が上ずりそうになるのを必死に堪えて尋ねる。
「兄さんが汚れてたから片づけたと言っていた像ですよ。ねえ兄さん・・・どこで見つけたと思います?」
「さ・・さぁ・・どこかな・・?」
玉鼎は冷や汗を流しながら必死に誤魔化そうとする。
 「兄さんの部屋なんですよねぇ・・それが・・。しかも・・・まるで証拠隠滅でもしようとしたかのように、机の下に隠してあったんですよ」
そこまで見抜かれてしまっていることに、玉鼎は声も出ない。
恐る恐る玉鼎が弟を見やると、ジッと楊ゼンは見つめ返す。
「兄さん・・・・壊しましたね・・?」
静かに、だが嘘を許さない強い調子で楊ゼンは静かに兄に尋ねる。
「す・・すまないっ!お前の・・言うとおりなんだ・・」
もはや言い逃れは出来ないとわかったのだろう、玉鼎は頭を下げて謝った。
 「やっぱり・・そうだったんですね・・全く・・」
楊ゼンは呆れたような溜息をつきながら、兄の方をジッと見やる。
「兄さん・・・」
弟の呼びかけに玉鼎はギクリと身を強張らせ、ジリジリと後ずさる。
「どうして・・・ちゃんと話してくれなかったんですか?」
「だ・・だって・・そんなこと・・したら・・怒るじゃないか・・・」
玉鼎はシオシオとした様子で答える。
「だからって・・・嘘ついたり・・隠しごとしたり・・・。しかも僕が見つけた時の感じだと証拠隠滅までしようとしましたね?神父のくせにそんなことしていいと思ってるんですか?」
「だ・・だって・・・」
「だってじゃないでしょう?さぁ、兄さん、覚悟はいいですね?」
楊ゼンはベッドの縁に腰かけると、ポンポンと軽く膝を叩く。
その仕草を見るなり、玉鼎の表情に恐怖が現れる。
 「よ・・楊ゼン!ほ、本当に悪かった!は、反省してる!だ・・・だから・・・」
「ダメです。悪いのは兄さんでしょう?さぁ、早く来て下さい!」
「い・・嫌だっ!!」
とっさに玉鼎は逃げ出そうとするが、楊ゼンに先回りされて捕まってしまう。
 「ひ・・!よ、楊ゼン!は、離して・・」
「ダメです!全く・・もぅ・・・」
必死に抵抗する兄を押さえつけつつベッドまで引っ張っていくと楊ゼンは再びベッドの縁に腰を下ろし、同時に玉鼎を膝の上に載せてしまう。
「ひ・・い・・・嫌だ・・」
お仕置きの恐怖に玉鼎は両脚をバタつかせる。
「兄さん、暴れないで下さい。まだ始まってもないんですよ?」
楊ゼンは玉鼎の神父服を捲りあげ、ズボンを降ろしてお尻をあらわにしながら、やや呆れた口調で話しかける。
 「だ・・だって・・怖い・・・それに・・痛いこと・・するじゃないか・・・」
「仕方ないでしょう?兄さんが悪い子だから怒られるんでしょう?それとも・・・反省してらっしゃらないんですか?」
「し・・してるよ・・だから・・叩くのは・・・」
やめてくれないかと言おうとした途端、楊ゼンはそれを遮り、宣告するように言う。
「ダメです。反省してるならちゃんと受けられるでしょう?子供じゃないんですから?」
「あ・・当たり前じゃないか!?私は子供じゃあない!!馬鹿にしないでくれ!!」
弟の言葉に思わず玉鼎はカチンとなって言い返す。
 だが、すぐに後悔の念が押し寄せてきた。
こんなことを言ってしまえば素直にお仕置きを受けるしかないのだ。
逃げたら子供同然ということを認めることになる。
「なら・・ちゃんと受けられますよね?」
「で・・出来る・・・さ・・さぁ・・・」
玉鼎は両手でシーツをギュッと握りしめると、ようやく大人しくなる。
だが、お仕置きへの恐怖で、無意識のうちに全身がブルブルと震えている。
楊ゼンは兄の身体を左手で押さえつけると、右手に丹念に息を吐きかける。
 「さぁ・・・行きますよ・・いいですね?」
「いいって・・言ってる・・だろう・・するんなら・・さっさとしてくれないか!?」
半ばヤケになって叫ぶように言うと、玉鼎は目をつぶり、口を一文字に引き結び、お尻にキュッと力を込めて弟からのお仕置きを待ち構える。
楊ゼンはそれを見ると、ゆっくりと右手を振り上げ、思いっきり振り下ろした。


 パアッシィ~~ンッッ!!
「ひっ・・!!」
甲高い音と共にお尻の表面で痛みが弾け、思わず玉鼎は苦痛と恐怖の混じった声を漏らす。
パアシィンッ!ピシャアンッ!パアアンッ!パアシィンッ!
「く・・!ひ・・!ひぃうん・・!ひっ・・!」
玉鼎は苦痛よりもむしろ恐怖の滲んだ声を上げながらブルブルと身体を震わせている。
ピシャンッ!パアチィンッ!ピッシャアンッ!パアッアンッ!
「全く・・本当に・・何やってるんですか・・・兄さん・・・」
呆れた口調で兄のお尻に平手を振り下ろしながら楊ゼンはお説教を始める。
 パアシィンッ!パチィ~ンッ!ピシャア~ンッ!パアアンッ!
「ひぅ・・!だ・・だって・・ひゃあんっ・・!ああうぅ・・!」
パアシィンッ!パッチィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パッアァ~ンッ!
「教会の備品を壊すなんて・・・まぁ・・それはともかく・・・」
パアシィ~ンッ!ピシャ~ンッ!パアア~ンッ!ピッシャ~ンッ!
弾けるような音と共に雪のように白い玉鼎の肌に赤い手形が刻み込まれる。
手形はやがて幾重にも重なり、玉鼎のお尻をピンクから薄めの赤へと染め上げてゆく。
 パアチィンッ!ピシャアンッ!パアアンッ!ピシャアンッ!
「嘘ついたり・・・隠して証拠隠滅しようとしたり・・何やってるんですか・・」
楊ゼンはお説教を続けながら兄のお尻をさらに叩く。
ピシャアンッ!パアッシィンッ!ピッシャンッ!パアッアンッ!
「ひぃん・・!だ・・だって・・し・・仕方・・ない・・じゃないかぁ・・」
眼尻に涙を浮かべながら玉鼎は弁解するように言う。
「何が仕方ないんです?嘘ついたり隠したりなんかして?」
ピシャアンッ!パアアンッ!パアッシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!
「い・・言えば・・絶対・・怒る・・じゃないか・・・。そうしたら・・また・・お尻・・叩くくせに・・・」
お尻の痛みに身体を震わせながら、玉鼎はやや抗議の籠った声で言う。
 「だからって嘘ついたり、隠してもいいと思ってるんですか?悪いことだって思わないんですか?」
「だ・・だって・・お前が叩くから悪いんじゃないか!?ほ・・本当に・・痛いんだぞ!そ・・それに・・何だって・・・お前なんかに・・この年になって・・お尻叩かれなきゃいけないんだ!?私の方が兄なんだぞ!子供じゃないんだからお尻なんか叩かないでくれ!!」
玉鼎は不満をぶちまけるように言う。
「本当に・・そう思ってるんですか?僕が叩くから悪い、自分がしたことは悪くないって?」
楊ゼンは抑えた声で尋ねる。
その様子に何か不穏なものを感じたのか、玉鼎はギクリと身を強張らせる。
だが、もはや引っ込みがつかなくなってしまったのだろう、半ばヤケになった感じで叫ぶように玉鼎は言った。
「だ・・だったら何だって言うんだ!そうだ!楊ゼンが叩くから悪いんだ!さっさと降ろしてくれ!!」
「そうですか・・・よぅく・・・わかりました・・・・」
楊ゼンは静かな声でそう言ったかと思うと、突然兄をベッドにポンと転がすように投げ出した。
 「くっっ・・!!」
腫れ上がったお尻が布団に触れ、思わず玉鼎は苦痛に顔を顰める。
その僅かな隙に楊ゼンは兄の両手首をタオルで、両腿をベルトで拘束したかと思うや、玉鼎をうつ伏せにしてしまう。
同時に丸めた布団や枕を腹の下に押し込むや、あっという間にお尻を高々と持ち上げた体勢になった。
 「ちょ・・・何をするんだ!ほ、解いてくれ!!」
玉鼎は身体を揺り動かし、弟に必死に呼びかけるが、それを無視して楊ゼンは机の引き出しから何かを取り出す。
取りだされたものを見るや、玉鼎はギクリと身を震わせた。
 楊ゼンが持っているのは使い込まれたパドル。
以前にもこれでお仕置きされたことがあるから、どれくらい痛いかはよくわかっていた。
やがて、パドルを手にした楊ゼンがゆっくりとこちらへ近づいてくる。
その表情は冷ややかでいささかギョッとするものがあった。
 「ひ・・よ・・楊ゼン・・ま・・まさか・・・」
全身を恐怖で震わせながら、玉鼎が尋ねると楊ゼンは冷ややかな口調で答える。
「ええ。これで兄さんのお尻をぶってあげます・・たっぷりとね・・」
「ひ・・・!!よ、楊ゼン!!わ、私が悪かった!!こ、言葉の綾だったんだ!!だ、だから・・!!」
「ダメです。兄さんが全然反省してないのはよぅくわかりましたからね」
「ひ・・!!や・・やだぁぁ!!」
恐怖のあまり、玉鼎は本能的に芋虫のように這って逃げようとする。
だが、すかさず楊ゼンが既に赤く染まった兄のお尻目がけてパドルを打ちおろした。
 バアッチィ~~ンッッッ!!
バンバンバンバァンバンバンバンバンバンバンバァンッ!!
「ひっ・・!!ひぃぃぃんんんっっっ!!」
凄まじいパドルの嵐に、玉鼎は恐怖と苦痛の混じった悲鳴を上げる。
「もっと・・もっと・・きっつ~いお仕置きで・・反省させてあげます!!」
「ひぃぃ・・・!!楊ゼンっ!!許してくれっっ!!」
「ダメです!!とことんまで反省しなさい!!」
その後、パドルを降らせる音と玉鼎の恐怖に満ち満ちた悲鳴とが部屋中に響き渡った。


 「ひっ・・ひぐ・・・ひぃぅひぃん・・うっぐす・・・」
玉鼎は全身をブルブルと震わせ、しゃくり上げながら嗚咽していた。
お尻はワインレッドですら不十分というくらい濃厚な赤に染め上がっており、両腿の間はグッショリと濡れ、布団には染みまで出来ている。
苦痛と恐怖のあまりに失禁してしまったのだ。
 「ひぃん・・痛・・痛い・・こ・・怖いぃぃ・・・よ・・楊ゼェ・・ン・・・も・・もぅ・・ひっぐ・・ゆ・・許してぇ・・も・・もぉ・・やだぁぁ・・・」
もはやプライドも外聞もなく、玉鼎は許しを乞う。
これ以上はもう耐え切れなかった。
 「本当に・・反省してますか?」
楊ゼンはヒタヒタと軽く兄のお尻をパドルで触れながら尋ねる。
「し・・した!!ちゃんとしてるぅぅ!!わ・・私が・・悪かったからぁぁ!!」
「なら何が悪かったかちゃんと言えますよね?」
楊ゼンが問いかけると、玉鼎は頷きしゃくり上げながら口を開く。
 「ひっぐ・・・か・・壁に・・置いてあった・・像・・こ・・壊したぁ・・」
「そうです。それから?」
「ちゃ・・ちゃんと・・い・・言わなかった・・・」
「それだけじゃないですよね?」
「うぅ・・お仕置きが・・怖くて・・ひぃん・・う・・嘘ついたり・・証拠・・隠滅・・しようと・・したぁ・・・」
「そうですね。でも・・まだ・・一つ・・残ってますよ?」
「え・・」
弟の言葉に玉鼎はキョトンとした表情を浮かべる。
楊ゼンの言いたいことが理解できなかったからだ。
 「あれ?どうしたんです?一番大事なのが残ってますよ?」
楊ゼンの言葉に玉鼎は焦りの表情を浮かべる。
何が残っているか、玉鼎は必死に思い出そうとする。
だが、全然理由が思い浮かばない。
 「わからないんですか?それじゃあまだ許してあげるわけにはいきませんねぇ・・・」
溜息と共に楊ゼンが言った言葉に玉鼎はギクリとする。
「ま・・待・・待ってくれ!!も、もう少しだけ・・!!」
「ダメです。お尻にしっかりと思いださせてあげます」
「ひ・・!!わ・・わからないけど・・許してくれ!!」
悲鳴混じりの叫びと共に玉鼎の両腿の間がグッショリと濡れ、生温かい湯気が生じる。
さすがに楊ゼンもやり過ぎたと思ったのだろう、表情をやや和らげ、口調も変えて話しかける。
 「兄さん・・・最初・・僕が像のこと聞いた時のこと・・覚えてますか?」
「な・・何だ・・いきなり・・?」
楊ゼンの様子が今までより優しげなものに変わり、思わず玉鼎は怪訝そうに尋ねる。
「兄さん・・傍から見て・・すごい・・様子が不自然だったんですよ。自分じゃ・・わからなかったかも・・しれませんが・・」
そう言われて玉鼎は最初、楊ゼンに無くなった像のことを尋ねられたときのことを思い出す。
冷静に思い返してみれば、確かにあのときの玉鼎の振る舞いは不自然だった。
何か隠してる、疾しいことがあるんじゃないか、そのように疑れる素振りだった。
 「様子が変だったから・・・何か・・悩みでもあるんじゃないか?困ったことでもあるんじゃないか?本気で・・そう思ったんです・・。そうしたら・・像を壊して・・お仕置きされるの嫌さに嘘ついたりしただなんて・・・僕がどんな気持ちだったか、兄さん考えてくれました?」
「し・・心配・・してくれたのか・・?」
玉鼎は怖々振りかえると、弟の顔をジッと見つめる。
「当たり前じゃないですか、兄弟なんですから」
楊ゼンの言葉に玉鼎は今更ながらハッとする。
同時に顔を伏せると、ブルブルと全身を震わせた。
 「ご・・ごめん・・本当に・・ごめん・・・心配かけて・・」
自分の言いたいことを兄がしっかりと理解したことを見てとると、楊ゼンはパドルを降ろす。
そして、手足の拘束を解きにかかった。


 「ひぃん・・!!た、太乙!!も、もっと優しく・・!!」
玉鼎は振り返ると、お尻に薬を塗っている太乙に思わずそう言う。
「何言ってるんだいこれくらい我慢しなってば」
「太乙先生・・大丈夫ですか?」
楊ゼンは真っ赤に腫れた兄のお尻を見やりながら心配そうに太乙に尋ねる。
お仕置きが終わった後、叩きすぎたんじゃないかと心配した楊ゼンが太乙のところへ兄を連れて来たのだ。
 「これくらい大丈夫だよ、それにしても君も意外と心配性だねぇ」
「当たり前じゃないですか、兄弟なんですから」
「ははは。ブラコン発言かい。相変わらず大切にされてるねぇ、玉鼎」
「どこが!?こんなに叩くんだぞ!?私は子供じゃないって言ってるのに!」
憤慨する玉鼎に太乙は苦笑すると楊ゼンの方を振り向く。
 「君も大変だねぇ、手のかかる兄さんを持って・・・」
「えぇ・・・。でも・・大事な兄さんですからね」
「そうだねぇ。これからもしっかりと面倒見てあげなよ」
「だから私は子供じゃないって言ってるだろう!!」
不満げに言う玉鼎に楊ゼンも太乙も苦笑すると、愛情の籠った目を玉鼎に向けた。


 ―完―
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