隠し事の代償(鋼より:アイ/フュリ)



(鋼を題材にした二次創作です。許容出来る方のみご覧ください)


 「フュリー曹長、どうしたの?」
フュリーはホークアイに呼びかけられるや、我に返り慌てて返事をする。
「ど、どうかしましたか?ほ、ホークアイ中尉」
「何だかボーッとしてるみたいだけど・・。夜勤続きで疲れてるの?」
「い・・いえっ!そんなことありませんっ!大丈夫ですから!」
「そう。ならいいんだけど。無理をしてはダメよ?」
「は・・はいっ。あっ!すいませんっ!これから外回りなんで、行ってきます!!」
半ば誤魔化すような感じで慌ててフュリーは出てゆく。
 (何だか様子が変ね・・・。何かあったのかしら?)
ホークアイ中尉はフュリーの振る舞いに何か違和感を感じ、そんなことを心中で呟く。
「ちわ~っ。ホークアイ中尉~」
そこへエドワードが書類を持ってやって来た。
「あら、エドワードくん、どうしたの?」
「ハボック少尉に頼まれて書類持って来たんだよ。ここ置いてけばいいのか?」
「ええ。ご苦労様、エドワードくん」
「別に構わないって。んじゃ俺はこれで・・・」
そう言うとエドはオフィスを後にしようとするが、ふと振り返るとホークアイに話しかける。
 「そういや何かフュリー曹長の様子がおかしいみたいだよな」
「ええ。エドワードくんも気づいてた?」
「何か最近やたら上の空だったり何かに気を取られてるみたいだよなぁ」
「何か知ってるかしら?」
「いや・・。たださぁ、何かときどきアルとこそこそしてるらしいんだよなぁ」
「アルフォンス君と?」
ホークアイは意外な表情を浮かべる。
フュリーだけだと思っていたからだ。
 「それならちょうどよかったわ。エドワード君、もし何かフュリー曹長のことで気付いたら知らせてくれるかしら?私もアルフォンス君のことで何かわかったら知らせるから」
「わかった。あ、ちょっと俺用事思い出したから行くわ。そんじゃ」
それだけいうとエドワードはオフィスを後にした。


 (アルフォンスくん・・アルフォンスくん・・)
フュリーは司令部内の中庭へやって来ると、気づかれないように小声でアルフォンスに呼びかける。
すると、人目を憚るようにして大きな鎧の人物が出てきた。
アルフォンスだ。
 「フュリー曹長、持ってきてくれました?」
「大丈夫。それより見つかってないよね?」
「ええ。大丈夫ですよ」
「それじゃあ行こうか。そろそろお腹すかせてるだろうし」
そういうと二人はどこかへ行く。
やってきたのは倉庫が立ち並んでいる区域。
その中でもかなり奥まったところにある倉庫へと足を運んで行った。
 二人がやって来たのは廃品を収納しておく倉庫。
用途のおかげか、あまり人が来ないところだ。
何だかコソコソと、怪しい感じで周囲を伺うと、二人は慎重に入ってゆく。
倉庫の奥の奥、滅多に人がやってこないところまでやって来ると、アルフォンスはフュリと共に暗がりに向かって呼びかけた。
 「おいで~、おいで~、ご飯だよ~~」
すると廃棄用品の向こう側からニャ~という声がして、小さなものが出てくる。
現れたのは猫が二匹ほど。
大きさなどからすると子猫のようだった。
フュリーは隠し持っていたペットフードを用意すると、それを器に出す。
食事に夢中な猫達の姿に二人とも愛情のこもった目を向けるものの、すぐにそれが変わる。
 「どうしようかねぇ・・アルフォンス君・・・」
「いつまでもここで隠れて飼うわけにもいきませんよねぇ」
「そうだよねぇ・・。でも・・僕のところは寮だし・・・」
「僕も兄さんと一緒にいつも旅して回ってる身ですからねぇ・・。ああ・・何でまた拾っちゃったんだろ・・・」
アルフォンスはため息をつくと頭を抱える素振りを見せる。
この猫達はアルが拾ってきたものだった。
自分たちでは飼えないとわかっていたにも関わらず、段ボールの中で雨に濡れて震えているのが見ていられなくて、エドには内緒で拾ってしまったのである。
しかし、エドに話すわけにもいかず、どうしようとか悩んでいるところでたまたまフュリー曹長に見つかってしまい、それで訳を話したところ、元々フュリーも人がよく、寮暮らしで飼えないにも関わらずこっそりブラックハヤテ号を拾ってきた経緯の持ち主のおかげか、困っていたアルフォンスに力を貸してくれることになり、そこで見つかりにくいこの倉庫で隠れて飼っていたのである。
 しかし、二人ともいつまでもこんな真似を続けていられるわけがないのはよくわかっていた。
「フュリー曹長、誰か引き取ってくれそうな人見つかりました?」
「ごめん、アルフォンス君。知りあいをさりげなく当たってみたんだけど皆ダメみたい」
「僕の方もダメでした・・・」
「う~ん・・。どうしよう・・・」
フュリーは悩んで表情を歪める。
アルも困惑した素振りを見せるが、ふと床を食い入るように見つめた。
 「あれ?どうかした、アルフォンス君?」
「フュリー曹長・・ね・・猫が・・」
アルの言葉にフュリーは食事中のはずの猫達の方を見やる。
いつの間にかペットフードの器は空になっており、姿が消えている。
外に向かって子猫の足跡がついていた。
事態を把握したフュリーの顔からサーッと血の気が引く。
二人は互いに顔を見合わせると、子猫達を探しに慌てて倉庫を後にした。


 「ん~~?お前さん、どっから入ってきたんだ~?」
いつものように煙草をふかしながら休憩していると、ハボックは子猫二匹がいることに気づく。
人慣れしているのだろう、呼びかけると子猫は恐れる気色も無くハボックの足元に寄って来ると、ゴロゴロと喉を鳴らして甘えるように足に身をすりよせた。
「おいおい、くすぐったいって。お前さん飼い猫だな?」
猫の反応からハボックはそう見当をつける。
 「あっ!!いたっ!いましたよ!曹長っ!」
不意に馴染みの声が聞こえてきたかと思うと、慌ただしい様子でアルフォンスとフュリーがやってくるのが見えた。
 「よかった~。こんなところにいたんだ・・」
フュリーはホッとした表情を浮かべると、猫達を抱き上げる。
「あれ?お前さん達が世話してたのかよ?」
ハボックに話しかけられ、フュリーはまずいといった表情を浮かべる。
だが、もはや隠しておけないと悟ったのだろう、二人は互いの顔を見合わせるとおずおずと口を開いた。
「そ・・そうなんです・・。す・・すいません・・」
「やたら人懐っこいから飼い猫じゃねえかとは思ったんだよな。まあそれはともかく・・二人とも・・まずはホークアイ中尉のところ行くか」
ハボックにそう言われると、すでに観念していた二人はシオシオといった感じで猫を抱えたままハボックの後をついていった。


 床に正座させられたフュリーとアルフォンスは恐る恐るといった感じで様子を伺っている。
「何ですかこれは?」
ホークアイは二匹の子猫を見やると、フュリーとアルに問いかける。
「あ・・あの・・猫です・・・」
「そういうことを聞いてるんじゃないの。何だって猫がいるかと聞いてるのよ?」
「す・・すいません・・。ぼ・・僕が・・拾って来ちゃったんです・・。それで・・曹長と・・・」
恐る恐るアルフォンスが白状するとホークアイはため息をつく。
「やっぱりそういうことだったのね・・・。アルフォンス君・・フュリー曹長・・」
「「は・・はいっっ!!」」
二人はビクッと震えながら重なり合うように返事をする。
「二人とも猫を飼えるような状況にはいないのも・・・司令部で飼うのも禁止なのはわかってるはずよね?」
「ごめんなさい・・」
「すいません・・」
「わかっててやってたのね?」
ホークアイの問いに二人は黙って頷く。
 「なら・・・覚悟はいいわね、二人とも?」
ホークアイの言葉に再び二人は黙って頷く。
元々素直な二人だ。
バレてしまった時点で叱られたりお仕置きされる覚悟は出来ていた。
 「フュリー曹長、こっちへ来なさい」
ホークアイはそういうと軽く膝を叩く。
フュリーはゆっくりと立ち上がると、オズオズとホークアイの元へゆく。
上司の傍らに立つと、フュリーはホークアイの膝を食い入るように見つめる。
見つめるうちにブルブルと全身が震え、息がだんだんと荒くなってくる。
だが、覚悟を決めたような表情を浮かべると、飛び込むようにして膝にうつ伏せになった。
 「さすが曹長ね、えらいわ・・・でも・・・」
ホークアイはそういうと、フュリーのズボンを降ろし、お尻をあらわにする。
「ひぃん・・・」
お尻をむき出しにされる恥ずかしさと、これから与えられるお仕置きの恐怖にフュリーは情けない声を出し、身を震わせる。
「手加減はしないわよ、いいわね?」
覚悟を促すような問いかけにフュリーは黙って頷く。
それを見るとホークアイは今度は正座したままのアルフォンスの方を向く。
 「アルフォンス君・・・」
「は・・はいっっ!!」
アルは飛び上がりそうになってしまうのを押さえて返事をする。
「これから・・・フュリー曹長がどんなことになるのか・・よく・・見るのよ。それが・・アルフォンス君へのお仕置きよ。わかったわね?」
「は・・はい・・・」
アルフォンスは恐る恐る、息を呑んでジッとフュリーを見つめる。
「では行くわよ、覚悟はいいわね?」
「は・・はぃぃぃ・・・」
フュリーが返事をすると、ホークアイは左手でフュリーの身体を押さえる。
同時に右手に丁寧に息を吐きかけたかと思うと、ゆっくりと振り上げ、思い切り振りおろした。


 バシィンッッ!!
「く・・」
初めから容赦のない平手打ちに思わずフュリーの口から苦痛の声が漏れる。
バシッ!バアンッ!バチィンッ!ビダァンッ!
フュリーは声を出すまいと口を一文字に引き結び、中尉のズボンを両手でギュッと握りしめる。
 ホークアイの平手が叩きつけられるたびにフュリーのお尻に赤い手形が浮かび上がり、フュリーは苦痛の表情を浮かべる。
その様子を食い入るようにアルがジッと見つめていた。
 アルフォンスは必死に痛みを堪えるフュリーの姿にモジモジと落ち着かない様子を見せる。
視線をそらしてフュリーの姿を見ないようにしようとするが、それを見越したようにホークアイの視線が追ってくる。
有無を言わせない厳しい視線にさらされ、アルフォンスは否応なしにフュリーに目を釘付けにされてしまう。
 バシッ!バアンッ!ビダアンッ!バチィンッ!
「・・ぁ・・っ・・・ぁ・・ぅ・・・」
耐え切れなくなってきたのだろう、微かだがフュリーの口から苦痛の声が漏れ始めた。
 ビダンッ!バアジィンッ!ビッダンッ!バアアンッ!
「全く・・何をしているの?フュリー曹長?」
お尻を叩きながら、ホークアイはお説教を始める。
手形が幾つにも重なりあい、最初は白っぽかったフュリーのお尻はほんのり赤く染まりだしていた。
 「あ・・う・・あん・・ひぃ・・・」
さらに感じる苦痛が大きくなってきたのだろう、うめき声がより大きくなり、表情もさらに苦しげになる。
額や手の甲にもじわりと汗らしきものが浮かびだしていた。
 バチッ!ビッダンッ!バッシィンッ!バッアアンッ!
「自分が飼えないのも・・司令部内でペットを飼うのが禁止なのもわかりきっていたことでしょう?」
問いかけるようにお説教しながらホークアイ中尉はフュリーのお尻を叩き続ける。
「ひ・・ひゃん・・はひぃん・・ひぃん・・」
バシバシとお尻を叩く音と共にフュリーの口からはさらに苦痛の声が漏れる。
「それなのにどうしてまた懲りずに同じことをしたの?」
バシィンッ!ビッダァンッ!バッジィンッ!ビッシャアンッ!
「くひっ・・!そ・・それは・・ひゃあん・・・」
フュリーは口を開こうとするものの、お仕置きの苦痛のためか、つかえてしまう。
それを見てとったのか、ホークアイはある程度お尻を叩く勢いを弱めて話しやすくしてやる。
 パチィンッ!ピシャアンッ!パアアンッ!パシィンッ!
「ひぃん・・・!ア・・・アルフォンス君が・・こ・・困ってて・・それに・・猫が・・かわいそうだったんです・・。そ・・それで・・悪いとは・・わかって・・たんですけどぉ・・ど・・どうしても・・。ご・・ごめんな・・さぁい・・・」
「ごめんなさいじゃないでしょう?確かエドワード君が言わなかった?飼えないのに飼ったりして、また捨てたりする方がもっとひどいしかわいそうだって。ちゃんと最後まで責任取れないなら飼うものじゃないって言ってたの覚えてないの?」
「ひぃん・・!!ごめんなさい・・・ごめんなさぁい・・・」
フュリーは必死に謝る。
だが、ホークアイはちょっとやそっとでは許してやるつもりはないらしい。
「謝ればいいというものじゃないでしょう?全く・・」
バッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアア~ンッ!バアッシィ~ンッ!
「うわぁぁ~んっ!痛いぃ~っ!ごめんなさぁ~いっ!!」
フュリーは背をのけ反らせ、目尻に涙を浮かべて叫ぶ。
その姿にアルフォンスは息をのみ、半ば震え上がった。
 (ほ・・本気で・・怒ってるよ・・)
フュリーのお仕置きを見させられているアルフォンスにはそれがよくわかった。
確かにホークアイ中尉は厳しい人だ。
実際、ロイ相手のやり取りを見ていると、上司だというのに容赦なくやり込めたりしている。
おかげでロイも仕事が遅れている時など、中尉の怒りにさらされるのではと戦々恐々としている有様だ。
だが、同時に優しい人でもあることはよく知っていた。
ブラックハヤテ号を拾ってきてしまい、結局飼い主が見つからなくて困ったフュリーを助け、飼い主になってくれたのもホークアイだ。
フュリーや、アルやエドなど、地位や年が下の者にも確かに厳しいことも言うが、気にかけてくれたり、フォローしてくれたりする、頼りになるお姉さん的な存在でもあった。
 そんなホークアイがフュリーをお仕置きしている。
さらに、フュリーが既に謝っているのにまだ許さないでお仕置きしたり、しかもそれを自分に否応なしに見させている。
本気でホークアイが怒っていることが嫌でもわかり、それだけに戦慄せずにはいられなかった。
 バッシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!バッアァ~ンッ!
「わぁ~んっ!ごめんなさいっ!ごめんなさぁい~っ!ごめんなさい~~!!」
フュリーは両足をバタつかせ、泣きながら必死に謝る。
既にお尻は真っ赤に染め上がっており、顔も涙でグショグショに濡れていた。
 アルフォンスは無意識に目を両手で隠そうとする。
だが、ホークアイはフュリーのお尻を叩きながらも、素早くそれを見てとると、鋭い視線を向ける。
マスタング大佐ですら引いてしまいかねない視線にさらされ、さすがのアルフォンスも手を引っ込めてしまう。
おかげで、否応なしに泣き叫ぶフュリーの姿を見なければならない。
 (うぅ・・・)
正座したまま、アルフォンスはモジモジと両脚を動かす。
(叩かれるより・・・辛いよ・・・)
アルフォンスはまるで熱した鉄板の上にでも正座させられているかのような感覚を味わっていた。
 自分が猫を拾ってしまい、それに手を貸してくれたがためにフュリー曹長がきつくお仕置きされている。
目の前の光景にその事実を否応なしに突きつけられ、自身の愚かさや罪悪感で胸を締めつけられる。
 本来ならばあんなに泣き叫ぶのは自分なのだ。
だが、今のアルフォンスは肉体を持たない魂のみの存在。
肉体を持たないから痛覚をはじめとする感覚が一切ない。
アルフォンスには身体へのお仕置きは出来ないのだ。
だから、ホークアイ中尉はそんなアルへのお仕置きとして、フュリーがお仕置きされる姿を見せているのである。
 (ごめんなさい・・フュリー曹長・・ごめんなさい・・)
心の中でアルフォンスはフュリーの必死で謝る。
その間にもフュリーはさらにお尻を濃厚に染められ、より激しく泣き叫ぶ。
(も・・もう・・ダメ・・我慢できない!!)
お尻を叩かれているフュリーの姿に耐えきれず、アルフォンスは叫んだ。


 「も・・もう・・許してあげて下さい!!」
必死の声でアルフォンスが叫ぶと、ホークアイはフュリーのお尻を叩きながらもアルフォンスの方を振り向く。
「アルフォンス君・・・どうして曹長がお仕置きされてるか・・わかる?」
「は・・はい・。ぼ・・僕が・・悪かったです・・。飼えないのに・・拾ったりして・・それに・・フュリー曹長まで巻き込んじゃって・・。本当に・・ごめんなさい・・・。だ・・だから・・もう・・フュリー曹長・・叩かないで・・あげて下さい・・・」
「二人とも反省してるのはよくわかったわ・・。でも・・一番大事なこと・・わかってるかしら?」
「え・・?」
「ど・・どういう・・ことですか・・?」
二人はそれぞれ怪訝な表情を浮かべ、恐る恐るといった様子でアルフォンスは尋ねる。
 「二人とも・・私はこっそり猫を拾ったり隠れて飼ってたりしたってだけで怒ってるわけじゃないの。フュリー曹長、アルフォンス君・・自分達が他から見て怪しい行動を取ってたって・・自覚ある?」
「「そ・・それは・・」」
二人は口ごもってしまう。
冷静に考えればここ数日の自分達の行動は怪しかったかもしれない。
しかし、そんなことを考える余裕など無かった。
 「気づいてないのも無理はないかもしれないわね。でもね、おかげで皆心配したりしたのよ。わかる?」
言い聞かせるように尋ねると、気まずいのか二人は黙ってしまう。
 「ご・・ごめんなさい・・心配・・かけて・・ごめんなさい・・」
「僕も・・・皆に・・心配させちゃって・・ごめんなさい・・」
しばらく沈黙が続いたあと、二人の口からそんな言葉が出る。
「わかってくれたのね。よかったわ・・」
そういうと、ホークアイはフュリーを起こし、膝の上に座らせる。
 「も・・もう・・怒って・・ないですか?」
恐る恐る尋ねるフュリーにホークアイは優しい笑みを浮かべて答える。
「怒ってないわ。それより、痛かったでしょう?」
ホークアイはフュリーを抱きしめると、真っ赤に腫れ上がったお尻を優しく撫でてやる。
「ひぃん・・うわぁ~んっ!!」
許してくれたという安心感からか、フュリーは泣き出してしまう。
「あらあら。困ったわね、また泣いたりして」
苦笑するものの、ホークアイは子供をあやすようにしてフュリーを抱きしめる。
 「アルフォンス君」
「あ・・!は、はいっ!!」
ホークアイに呼ばれ、アルフォンスは慌てて立ち上がる。
「アルフォンス君・・幾らお仕置きだからって、辛い思いさせちゃったわね。許してくれる?」
「い・・いえ!ぼ、僕が悪かったんですから!」
謝るホークアイにアルフォンスは慌てた素振りを見せる。
幾らお仕置きとはいえ、他人が自分のせいでお仕置きされているところを見せるなど、あまりいいものではないのはホークアイもよくわかっていた。
アルフォンスもホークアイのそういう気持ちはわかっているつもりだった。
 「二人とも・・・もう隠し事なんかしちゃダメよ。どんなことでもいいから、何かあったら相談してくれればいいわ。出来るだけ力になるから。皆を心配させるようなことだけはしちゃダメよ?」
「「はい・・ごめんなさい・・・」」
二人は一緒にホークアイに謝った。


 「大丈夫ですか?フュリー曹長?」
「う・・うん・・大丈夫だよ、アルフォンス君」
フュリーは医務室のベッドにうつ伏せになり、真っ赤になったお尻に氷袋を載せたまま、様子を見にきたアルフォンスに答えた。
「アルフォンス君の方こそ大丈夫?エドワード君に叱られたんじゃない?」
「ええ・・。兄さんに散々お説教されちゃいましたよ・・・」
「相当絞られちゃったみたいだねぇ・・」
アルフォンスのどよーんとした様子に、フュリーはエドワードのお説教が余程厳しかったのだろうと想像し、思わず同情する。
 「ええ。でも兄さんにも心配かけちゃいましたからね。それより曹長、僕のせいで痛い思いさせちゃってごめんなさい」
「いいんだよ、僕だって悪かったんだし。僕の方こそ力になれなくてごめんね」
そのとき、ドアが開いたかと思うとホークアイが入ってきた。
 「フュリー曹長、少しは楽になったかしら?」
「あ・・はい・・多少は・・」
「ならよかったわ。実は猫のことで話があってきたの」
「ど・・どう・・なるんですか・・?」
二人は思わず緊張した様子で尋ねる。
「知り合いにちょうど猫を飼いたいって人がいるから、その人に引き取ってもらうことになったわ」
「そうですか・・よかったぁ・・・」
二人ともホッと安堵のため息を漏らす。
「それと・・よかったら食べてくれる?この前おいしいお店見つけたから」
そういうとホークアイはお菓子の箱を置いてゆくと、医務室を後にした。


 ―完―
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