スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ホークアイ中尉の最も長い日(鋼より:ロイ/アイ)



 (注:鋼の錬金術師を題材にした二次創作モノです。またロイ/アイというスパではマイナーであろうシチュを扱っていたり、キャラのイメージが原作と異なっていたりするかもしれません。ですので許容出来る方のみご覧下さい)


 「おや?どうしたのかね?ホークアイ中尉」
ロイ・マスタング大佐は書類を届けに来たホークアイ中尉の顔を見るなり、そう尋ねてきた。
「どうかしましたか?私の顔に何か?」
普段通りの冷静な表情でホークアイ中尉は答える。
「いや・・。少し赤っぽいようだが?風邪でも引いたのではないのかね?」
「いいえ。何でもありません」
「ならいいのだが・・・」
ロイはそう言いつつもどこか心配そうに見やる。
ロイにとってホークアイ中尉はただの部下ではないからだ。
しかし、本人が大丈夫だと言っている以上、強く言うことも出来なかった。
 「それよりも大佐。昨日お届けした書類はもう出来てらっしゃるんですか?期限は今日の昼までですが?」
「あ・・あぁ・・書類ね・・・」
冷静な素振りを浮かべつつもロイはやや落ち着きを失った様子になる。
「大佐・・・もし期限までに出来ませんときは・・・・」
ホークアイ中尉は静かに、だがギクリとならずにはいられない調子で含むように言った。
「わ・・わかっているよ・・・」
「わかりました。それではこちらは提出しておきます」
ホークアイ中尉はため息をつくと既に決済が済んでいる書類を抱えて出てゆく。
中尉の怒りを何とか買わずに済んだためか、それを見送りながらロイはホッとしたように息をついた。
 (やっぱり・・・熱いわね・・・)
書類を届けた後、ホークアイ中尉は手洗所の鏡を見やり額に手を当てながら呟いた。
大佐の前では平気な振りをしていたものの、本当は朝から熱があることに気づいていたのだ。
普段ならばそれ相応の処置を取っただろう。
だが、今マスタング大佐は厄介な案件を抱えていた。
そのため、猫の手も借りたいくらい大忙しという状態で、休みを取ると他の者に迷惑をかけかねないため、病気をおして出勤しているのである。
無論、下手をすれば皆の足を引っ張りかねない危険はある。
しかし、自分がいないことで大佐や同僚に迷惑や心配をかけることだけは避けたかった。
 しばらくして手洗所から出てくると誰かが背後から声をかける。
振り返って見てみると、フュリー曹長の姿があった。
「どうしたの?フュリー曹長」
「大佐から伝言です。至急出動するようにと」
「すぐ行くわ」
そう返事をするとホークアイ中尉は更衣室の方へ向かっていった。
 更衣室で特殊部隊用の黒装束に着替えていたとき、一瞬に目の前が真っ暗になった。
(ま・・・まさか・・・・)
中尉は愕然とする。
(駄目・・今は・・・まずいわ・・・)
ホークアイはよろめきかける身体を支えようとするが、身体は言うことを聞いてくれない。
やがて中尉は酒のプールの中を泳いでいるかのような奇妙な感覚に陥る。
タコのようにフニャフニャとした状態になりつつも、ホークアイは必死に自分を叱咤し立ち上がろうとする。
だが、完全に視界が真っ暗になったかと思うとそのまま意識を失った。


 次に目覚めたとき、ホークアイ中尉の目に飛び込んできたのは白い天井だった。
「ここは・・・」
思わず起き上がると自分が医務室のベッドで眠っていたことに気づく。
「どうやら目が覚めたようだね」
不意に声がして思わず中尉は振り向く。
するとロイの姿が飛び込んできた。
 「大佐・・・どうしてここに?」
「フュリー曹長から連絡があってね。中々君が来ないので更衣室の方へ行ったら倒れていると。それで医務室まで運んでね。少し前に仕事が一段落ついたので見にきたところだよ」
「はぁ・・・申し訳ありませんでした・・・」
大佐に色々と世話を焼かせてしまったことに思わずホークアイ中尉は謝る。
その間にロイは軍医と何やら話し込む。
どうやらホークアイ中尉の体調などについて話しているようだった。
やがて話が終わると、大佐は再び中尉の方を振り向いた。
 「ホークアイ中尉・・・」
「は・・はぃ・・・・」
ホークアイ中尉はゴクリと唾を呑む。
大佐の声に何かを感じたからだ。
「あと2,3時間くらいはベッドで休んでいたまえ。だが・・その後は必ず私の執務室に来ること。いいね?」
「わ・・わかりました・・・」
有無を言わせない強い調子で命じられ、思わず腰が引けた様子でホークアイ中尉は答える。
大佐は部下の返事を聞くと帰って行ったが、ホークアイは普段からは想像できない戦々恐々とした様子で見送っていた。


 ゴクリ・・・ゴックン・・・。
ホークアイ中尉は上官の執務室のドアの前に立つと息を呑む。
(入らないと・・・)
理性はそう命じるが、本能がそれをためらわせる。
ホークアイ中尉は医務室での会話からマスタング大佐が怒っていることに気づいていた。
それも尋常な怒り方ではないことに。
 無論、ホークアイ自身、自分が悪いことはわかっていた。
事情がどうあれ、自らの判断の甘さで皆に迷惑をかけるようなことをしてしまったのだ。
大佐が怒っているのも無理はない。
自分とて他の者が同様のことをしたらやはり怒るだろう。
それだけに大佐の怒りが理解でき、同時に恐ろしかったのだ。
 「あれ~?何やってんの?ホークアイ中尉?」
不意に誰かが声をかけてきた。
ハッとした中尉が振り返るとエドワードとアルフォンスの姿があった。
「あら、エドワード君にアルフォンス君、どうしたの?」
「大佐に借りた文献返しに来たんだよ。ホークアイ中尉こそどうしたの?」
「ええ・・ちょっと大佐に呼ばれてるの」
「ふーん」
エドワード達の出現にホークアイは一瞬ドキリとしたが、すぐに安堵に変わる。
我ながら情けないとは思うものの、エドワード達も大佐に用があってきたということで、一人で入らなくて済むと思ったからだ。
ホークアイ中尉は二人に怪しまれないように話しつつ、エドワード達と共に執務室へ入って行った。
 執務室に入ると、窓際の方にハボック少尉をはじめとして、大佐の主要な部下全員が揃っていることにホークアイ中尉もエルリック兄弟も気づいた。
また、部屋に心なしか重苦しい雰囲気が漂っている。
雰囲気の源は大佐らしく、全員がロイの方を気にしていた。
 「おや・・鋼の・・。君たちも一緒かね?すまないがちょっと隅の方へ行ってくれないかね?ホークアイ中尉と話があってね」
「そ・・それならまた後で・・・」
何か起こりそうだと感じたのか、エドワード達は出て行こうとする。
だが、大佐はそれを制するとエドワード達も執務室内に留めてしまった。
 「さて・・・リザ・ホークアイ中尉」
ロイは両肘を執務机につけ両手を顔の前に置いた状態で目の前の中尉に呼びかける。
「は・・はぃ・・・」
ホークアイは震える声で答えた。
「どうして呼ばれたのか、わかっているかね?」
大佐は裁判官を思わせる冷やかな厳しい声で尋ねる。
その調子にホークアイは改めて大佐の怒りを感じ取っていた。
「はい・・。今日の出動の件です・・・」
「そうだ。君が倒れて出動できなくなったことで作戦に狂いが生じた。そのため、我々は以前より追っていたテロリストを検挙することに失敗した・・・」
ロイは淡々と事実を語る。
ホークアイ中尉は大佐の言葉にいたたまれなくなってくる。
自分が倒れたばっかりに作戦に穴を開けてしまった。
そのため、マスタング大佐は抱えている案件を解決することが出来なかった。
大佐や同僚達はそのせいで色々と嫌な目に遭うかもしれない。
それを想像すると居たたまれなくなってくる。
 「わ・・・私の・・せいで・・迷惑を・・かけてしまいました・・も・・申し訳・・ありません・・・」
声や拳を震わせながらホークアイ中尉は謝罪する。
だが、それを無視してマスタング大佐は話し続けた。
「ホークアイ中尉、軍医から聞いたがどうも風邪のようだな?それには気づいていたのではないかね?」
「は・・はぃ・・。本当は出勤前から・・様子がおかしいことには気づいて・・いました」
「君は自分が他の者の足を引っ張りかねない状態をわかっていながら出勤した、そういうことかね?」
「は・・はぃ・・・」
「わかっているのならば何故欠勤なり私に告げるなりしなかったのかね?何かあったときに他の者達に迷惑がかかるは考えなかったのかね?」
「それは・・考えはしました・・・」
「なのに出勤してきたと?その結果はこれだ。わかっているのかね?」
大佐は容赦のない言葉を投げつける。
ホークアイ中尉は喉まで言葉が出かかったが、必死に飲み込んだ。
理由はどうあれ自分が病身をおして出勤したために皆の足を引っ張ってしまったのは事実なのだ。
大佐が怒るのは当然だった。
欠勤するなり自身の体調を大佐に伝えるなりするべきだったのだ。
そう思うが時既に遅し、後の祭りだった。
 「本当に・・・申し訳・・ありません・・・」
「本当に悪いと思っているかね?」
「はい。どんな・・処分でも・・受ける覚悟です・・・」
ホークアイ中尉はロイの顔をジッと見つめて言った。
「よろしい・・・では・・・」
マスタング大佐はそう言うとおもむろに腰を上げる。
机を離れてホークアイ中尉の方へ向かってきたかと思うと、中尉と机の間に置いてあった椅子へ窓際で事態を見守っているハボック達へ背を向けて座った。
 「さぁ、ここへ来給え」
ロイは軽く膝を叩きながら部下にそう言う。
「た・・大佐・・何をするつもり・・ですか・・・?」
上官の意図が読めず、思わずホークアイは尋ねる。
「ああ、言ってなかったな。ホークアイ中尉、君のお尻を叩くんだよ」
 最初、ホークアイは耳を疑った。
信じられなかったからだ。
「た・・大佐・・へ・・変な・・・」
「冗談ではないよ。本気で君のお尻を叩く気だよ」
容赦のない口調でマスタング大佐ははっきりと言う。
その言葉にホークアイ中尉は顔を真っ赤にした。
 (そ・・そんな・・確かに・・私が悪いけど・・でも・・・お尻を叩くだなんて・・。そんな・・・そんな・・子供みたいなこと・・恥ずかしい!!)
恥ずかしさに顔を紅潮させ、ホークアイはロイを見やる。
だが、ロイは氷のように冷ややかに見つめ返すだけだった。
 「た・・大佐・・・そ・・それだけは・・」
震える声でホークアイ中尉は懇願しようとする。
「何を言っているのだね?悪いのは君だろう?それともどんな処分でも受けるという君の言葉は嘘だったのかね?」
大佐にそう言われ、中尉はグッと言葉に詰まってしまう。
大佐の言うとおりだったからだ。
自分が悪い以上、どういう罰を受けることになっても文句は言えない。
恥ずかしさをグッと堪えると、ホークアイ中尉は震える声で答えた。
「わかりました・・・言う通りにします・・・」
「ならば早く来給え」
 大佐に促され、ホークアイ中尉はゆっくりと歩み出す。
やがて大佐の傍らへやってくるとジッと上官の膝を見つめた。
(この上に・・乗らなきゃ・・・・)
理性はそう命じるが、恥ずかしさが先だって中々それが出来ない。
部下の逡巡を感じ取ったのだろう、マスタング大佐は右手を伸ばすと中尉の手を捕まえて引き倒してしまった。
思わず中尉が声を上げると同時に、大佐は左手で背中の中ほどを押さえて右手で捲り上げる。
 「大佐・・何を・・・」
思わずホークアイ中尉が振り返って尋ねると大佐は冷静な声で答えた。
「お尻を出すのだよ。昔からお尻を叩くときは出すものだろう?」
「そ・・それだけは・・お願いです・・」
「駄目だ。恥ずかしいのもお仕置きのうちだよ。あきらめたまえ」
ホークアイ中尉は恥ずかしさに顔をうつむけてしまう。
それを尻目に大佐は部下のズボンを降ろしてしまう。
 あっという間にホークアイ中尉のお尻があらわになった。
女性らしく丸みを帯びた形のよい、そして白磁のような綺麗な白い肌をしたお尻はとても美しかった。
背後で見ている者達のうち、多くの者達がハッとして息を漏らす。
だが、フュリー曹長は顔を真っ赤にしてうつむき、アルも同じように目を逸らした。
 「あ・・あの・・僕・・たまってる仕事が・・・」
曹長はさすがにいたたまれなくなったのだろう、理由を拵えて出て行こうとする。
他の者達もさすがにバツが悪いのだろう、フュリーに続いて口を開こうとした。
 「駄目だ。全員ここにいるんだ」
背後のエドワード達の方を振り返ってそう言う。
フュリー達は上官の気迫を感じたのか、身ぶるいする。
慌てて口をつぐむと石にでもなったかのようにジッと立っていた。
 (ああ・・・見られてる・・・)
ホークアイ中尉は同僚や上官の視線を否応なしに感じると、顔を赤らめて全身を小刻みに震わせる。
恥ずかしさに身を震わせるホークアイの姿をロイはジッと見つめている。
(恥ずかしいのだね?まぁ無理もない・・・)
ホークアイ中尉の姿にロイはちょっとだけ可哀想になる。
(だが、君がいけないのだよ。今日という今日は本当に怒っているのだよ。だから君にはたっぷりと痛くて恥ずかしい思いをしてもらうよ)
ホークアイ中尉と自分自身に言い聞かせるようにマスタング大佐は心の中で呟く。
大佐は左手でしっかりと中尉の背中を押さえるとゆっくりと右手を振り上げた。


 パチィンッ!
「あ・・・・っ」
弾けるような音と共にジィンという痛みをホークアイはお尻に感じる。
パンッ!パシンッ!パチッ!パアンッ!
立て続けに音が響き渡り、弱めながらも痛みを感じる。
(ほ・・本当に・・叩かれてるんだわ・・)
お尻に与えられる痛みがその事実を否応なしに中尉に突きつける。
あまりにも情けなくて泣きたくなってくる。
だが、そんなことしたら本当に子供みたいだと思うと泣きたくない。
ホークアイ中尉は決して泣くまいと決意すると口を引き結び、大佐のズボンの裾を掴んで耐える。
 パシッ!パチンッ!パアンッ!パシンッ!パアンッ!
声を漏らさぬよう口をジッと噤んでホークアイは耐える。
だが恥ずかしさからか拳は微かに震えている。
 (うわぁ・・本当にお尻叩いてるんだ・・・)
背後で同僚達と共に様子を見ていたフュリー曹長は目の前の光景が信じられなかった。
まさか大人の女性のお尻を叩くだなんて思いもしなかったからだ。
あっけに取られている間にも中尉のお尻はほんのりピンクに染まり出している。
さすがにいたたまれなくなって顔をそむけるものの、それでも否応なしに視界にお仕置きの光景が入ってくる。
やがて耐え切れなくなったのだろう、曹長は両手で目を覆い隠してしまった。
 「全く・・・君ともあろう者が何をやっているのかね?」
お尻を叩きながらマスタング大佐はお説教を始める。
パシィンッ!パアンッ!ピシャアンッ!パアアンッ!
「ぅ・・・ぁ・・・っ・・・ぁ・・・・」
少し苦しくなりだしたのか、ホークアイ中尉の口から微かにうめき声が漏れ始めた。
 パシンッ!パアンッ!ピシャンッ!パアンッ!
「自分の体調を承知していながら・・・・」
ピシャアンッ!パアアンッ!パシンッ!パアチィンッ!
「無理に出勤などして・・・」
パシィンッ!パアアンッ!パチンッ!パシィンッ!
「う・・あ・・う・・く・・・・」
ピシャアンッ!パアアンッ!パシィンッ!ピシャアンッ!パアアンッ!
「それで倒れて・・それで皆の足を引っ張ることは・・・」
大佐のお説教が進むにつれ、お尻を叩く音が強いものに変わってくる。
それを確信させるように、ホークアイ中尉のお尻は赤みが濃さを増していき、表情と声もより苦しげなものへと変化していった。
「君ならば十分予想できたはずだろう・・・にも関わらず!」
バシィンッ!バアンッ!バチンッ!バシィンッ!
「くっ・・!あっ・・!うっ・・!あっ・・!」
突然、大佐の平手打ちの勢いが強くなった。
さすがにホークアイ中尉も背を引きつらせ、苦痛の声を上げる。
 「誰にも言わず・・・それで本当に倒れて・・・」
バアシィンッ!バチンッ!バシィッ!バアアンッ!バシィンッ!
「うぅ・・・くうっ・・あっ・・くぅぅ・・・」
ホークアイ中尉は身を僅かだがよじり上官のズボンを掴む手に力を込める。
「それで・・・どれだけ皆に迷惑がかかったと思っているのかね!」
バシィッ!バアアンッ!バチィンッ!バアアンッ!
「くぅっ!あっ!ああっ!うっっ!」
大佐の強烈な平手打ちにホークアイ中尉は悲鳴を上げる。
額にはジワリと汗が浮かんでおり、目尻にもいつの間にか光るものが滲んでいた。
 バチィンッ!バアアンッ!ビダァンッ!バアアンッ!
「ひ・ひゃ・・あう・・くぅぅ・・・」
お尻を叩く勢いはどんどん増していき、それに伴ってホークアイ中尉の苦悶もより苦しげなものへと変化してゆく。
バシィンッ!バアアンッ!バチィンッ!ビダァンッ!ビシャアンッ!
「く・・う・・た・・たい・・大佐・・・」
苦しげに息を吐きながらもホークアイ中尉はマスタング大佐に話しかけようとする。
だが、大佐はそれを無視するかのようにさらに勢いを強める。
「く・・ひっ・・やめ・・やめて・・許・・・許し・・・」
ジワリと目尻に涙を浮かべながらホークアイ中尉は許しを請い始めた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がっている。
当然、お尻が発する熱も相当なもので、大佐の手がお尻の表面に触れるたびに、よく揉んだカイロのような熱さを感じていた。
 「た・・たい・・大佐・・も・・もう・・ゆ・・許して・・下さい・・・。ほ・・本当に・・も・・申し訳・・ありま・・せんでした・・・。い・・幾ら・・謝っても・・許せる・・ものでは・・ないでしょうけれど・・・ゆ・・許して・・下さい・・・」
苦痛と恥ずかしさに声を震わせながらもホークアイ中尉は必死に許しを請う。
「反省したのかね?」
「し・・しています・・・。本当に・・す・・すみま・・せん・・でした・・・」
「では何が悪かったのかね?」
「た・・体調が悪いのを・・・承知していながら・・・無理を押して・・出勤した・・こと・・です・・」
「それから?」
「それで・・誰にも打ち明けずに・・・適切な手も打たずに・・・それで・・倒れて・・皆に・・迷惑を・・かけたこと・・です・・・」
「そうだ。だが・・もう一つあるはずだが?」
「え・・・?」
マスタング大佐の言葉にホークアイ中尉は怪訝そうな表情を浮かべる。
大佐の言っていることが飲み込めなかったのだ。
「わからないのかね?」
「あの・・他に・・何か・・ありましたか・・?」
本当に大佐が言っていることがわからず、恐る恐るながら中尉は尋ねる。
「どうやら・・まだ本当に反省しているとは言えないようだな・・・」
大佐はそう言うと再びしっかりとホークアイ中尉の背中を押さえる。
まさかと思ったホークアイ中尉が後ろを振り返ろうとしたそのとき、再び大佐の手が振り下ろされた。


 バアッチィ~ンッ!!
今までとは比べ物にならない衝撃にホークアイ中尉は声が詰まりそうになる。
だが、これはほんのさわりに過ぎなかった。
バアンッ!バンバンバンバンバンバンバンバァンバンバンバンバンバンバンッッ!
バチィンッ!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバアンッ!
続けて襲って来たのは平手打ちの嵐。
ただでさえ叩きのめされたお尻へ容赦なく平手がどしゃ降りとなって降りかかる。
「きゃっ!きゃああっ!やっ!やああっ!ひゃあんっ!きゃあっ!ああんっ!」
ホークアイ中尉は甲高い悲鳴を上げる。
それは軍人のものではなかった。
まるで10代の少女のような悲鳴だった。
 バアッチィ~ンッ!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッ!!
ビッダァ~ンッ!!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!
「きゃあっ!やあっ!痛あ・・痛い・・やめ・・大佐・・やめ・・やめて・・許し・・やめて・・ひゃああ・・きゃああ・・!!」
もはやプライドも何も無く、ホークアイ中尉は叫んで許しを請うていた。
 「何を言っているのだね。君が悪いのだろう?一番大事なことをわかっていないのだからね」
許しを請うホークアイ中尉に対してマスタング大佐は厳しい声で言う。
それは苛立ちや問いかけが入り混じったどこか奇妙な感じがあった。
 「そ・・そんな・・こと・・言っても・・うぅぅ・・も・・もういやぁ!やめてぇ・・許してぇ・・ひっ・・痛・・痛いぃぃ・・いや・・いやぁぁ・・・くぅぅぅ・・・」
ホークアイ中尉は小刻みに身体を震わせだしたかと思うと、ボロボロと涙をこぼす。
苛烈なお仕置きに今やホークアイ中尉は年頃の娘と変わらぬ状態になっていた。
 (しまった・・・。やりすぎてしまったか・・・)
さすがにロイもホークアイ中尉の姿にそう判断する。
(これ以上叩くのは無理だな)
そう考えると大佐は手を止めて声の調子をやや優しいものに変えて話しかけた。
「ホークアイ中尉・・・・私がどんな気持ちだったか・・わかるかね?」
突然の上官の言葉にホークアイは一瞬、怪訝な表情を浮かべる。
「君が倒れて医務室へ運ばれたと報告があったとき・・・どれだけ驚いたことか。すぐに飛んで行って見舞いたかったのだよ、出来ることなら。だがそういうわけにもいかなかった。全ての仕事を終えるまで本当に気が気ではなかった。君が目を覚まして・・軍医からもう何の心配も無いと言われるまでは・・生きた心地もしなかったのだよ。私だけではない、鋼やハボック達も君のことが心配だったのだよ」
ホークアイは涙を浮かべたまま、背後にいるハボックやエド達を見やる。
バツが悪くて目をそらしたりしているものの、全員の表情にはどこかホッとしている様子が伺えた。
 「だから・・・今日はこんなにも怒ったのだよ。私や皆に・・こんなに心配をかけて・・本当に悪い子だったからね。今日の君は」
ようやく大佐の言いたかったことに気づき、ホークアイは顔を赤らめると顔をそむける。
皆にそんなに心配をかけてしまったと思うと、本当に申し訳なくて、また自分が情けなくてたまらなかった。
「ホークアイ中尉、私の言っていることがわかるかね?」
しばらくしてロイはホークアイに話しかける。
「は・・はぃ・・心配をかけて・・本当に・・申し訳・・ありません・・でした・・」
「ようやくわかってくれたようだな。よかった・・・」
ロイはようやく安心した表情を浮かべると、中尉を押さえていた手を緩めた。


 「あ・・・・・」
軟膏が染みたのか、ホークアイ中尉は顔を顰めて声を漏らす。
「い・・痛かったかね?」
ロイは思わず心配そうな顔を浮かべてホークアイの顔を見た。
「い・・いえ・・大丈夫です・・。続けて・・・下さい・・・」
「そ・・そうか・・。なら・・」
そう言うとロイはソファにうつ伏せになったホークアイのお尻に薬を塗るのを再開する。
ようやく許されて膝から解放されたものの、この状況ではまともに仕事も出来るはずも無く、執務室の応接用ソファにうつ伏せに寝かせるとロイはホークアイの手当を始めたのである。
蛇足だが、今は二人きりだった。
お仕置きが終わったことで部下やエド達は全員仕事に戻っている。
また、扉には「仕事中、入るべからず」という札がご丁寧にもかけられていた。
 「すまなかったな・・。ホークアイ中尉・・・」
「何がですか?」
「痛かっただろう?それに恥ずかしかっただろう?実は・・・我ながら大人げないが・・君が何も言ってくれなかったのが・・少し悔しかったんだよ。君が私や皆に心配をかけたりしたくなかったというのはわかっているんだが・・・。それでも君に隠しごとをされたというのが少し悔しくてね。大人げない真似をしてしまった・・・」
ロイの言葉にホークアイは笑みを浮かべて答える。
「いいんです・・そんなことは・・。それだけ大事に思って下さってるってことなんですから。だから・・・嬉しいです」
「そうか・・・。ホークアイ中尉・・・何よりも・・・君のことを・・大事に思っているよ・・。だから・・二度と私をヒヤヒヤさせないでくれ・・。お願いだから・・・」
「はい・・」
ロイはホークアイを抱き上げたかと思うと、しっかりと抱きしめる。
ホークアイもギュッとロイも抱きしめ返した。


 ―完―

スポンサーサイト

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

山田主水

Author:山田主水
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2投票
無料アクセス解析
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。