花見騒ぎ(封神より:楊/玉&燃/普、現代パロ)



(注:封神を題材にした二次創作で現代パロです。そのためキャラのイメージが異なっていたり、原作と違った設定になったりしています。許容出来る方のみご覧下さい)


 「ふぅぅ・・・疲れましたねぇ・・・」
「そうだなぁ・・・結構重いからな」
玉鼎と楊ゼンは汗を拭いながらそう言葉を交わす。
二人の目の前にはコンロをはじめとするバーベキュー用の調理器具やテーブル、椅子などが並んでいる。
 「でもよかったですね兄さん、桜も綺麗に咲いてますし」
「そうだな」
汗を拭いながら二人は目の前に立っている桜を見やる。
桜の木は見事なまでの満開振りで、今が盛りといった感じだった。
 「これなら今夜のお花見、盛り上がりそうですね」
「そうだな。皆も楽しんでくれるだろうな」
目の前にある立派な桜の木は教会の庭に生えているもの。
毎年、太乙や普賢、燃燈をはじめとする友人達を招いて花見としゃれ込みながら楽しく教会の庭でワイワイ騒ぐのだ。
 「あと他に・・足りないものはあったかな・・?」
調理器具や食材の入った袋などを見やりながら、確認するように玉鼎は呟く。
「お茶とかジュースもあった方がいいんじゃないですかね?木タクくんとかも普賢神父と一緒に来るかもしれませんし」
「そうだな・・。未成年に酒を飲ませたら燃燈がうるさいだろうしな・・・」
玉鼎は謹厳実直を絵に描いた様な友人の姿を思い浮かべて顔を顰める。
「そうですね、去年普賢神父が木タクくんにお酒飲ませようとして叱られてましたものね」
「そんなこともあったなぁ」
「兄さんもお酒に酔って騒ぎ過ぎたりしてましたけどね」
「そ・・それは言わないでくれ・・・」
途端に玉鼎は不機嫌そうな表情に変わる。
去年もここで友人達と共に花見をした際に酒を飲みすぎたためか、酔って騒ぎを起こしてしまい、木タクに酒を飲ませようとした普賢ともども、キッツ~くお仕置きされてしまったのだ。
 「今年は気をつけて下さいね、兄さん?」
「わかってるよ・・・」


 「なはははは~~~。泥酔拳じゃ~~~」
グビグビと酒を飲みながら、太公望は千鳥足でふらつき、某カンフー映画スターさながらに酔拳の真似をしてみせる。
「ちょ、大丈夫っすか?酔ってないっすか?」
「何を言うか木タク、これくらいどうってことないわ~~。普賢に聞いてみるがよいわ~」
太公望は千鳥足な自分に思わず声をかけてきた木タクにそう言う。
 「大丈夫っすかね、太公望さん。何か酔ってそうな気がするんすけど・・・」
ウーロン茶のカップを傾けながら木タクは傍にいる普賢神父に話しかける。
「大丈夫だよ、望ちゃんってお酒強いから。あれくらいどうってことないよ」
「ならいいんすけど・・・」
「普賢神父、木タクくん、楽しんでますか?」
普賢達が話してると楊ゼンが話しかけてくる。
 「ああ、楊ゼンさん。悪いっすね。俺まで呼んでもらったりして」
「いいんですよ、多い方が楽しいですし」
「楊ゼン、玉鼎の方は放っておいて大丈夫なの?」
普賢は太乙達と一緒に飲んでいる玉鼎を見やりながら尋ねる。
 「いつも僕が傍にいるんじゃ兄さんも楽しめないでしょうからね」
「それもそうだよね。いつも君にお尻叩かれてるものね」
「それはあんまり言わないで下さいよ・・・。僕だって好きでしてるんじゃないですから」
「ごめんごめん」
そんな感じでしばらく盛り上がっていたが、ふと普賢が木タクに話しかける。
 「ねぇ、木タク。ジュースついだんだけど飲まない?」
「あ、ありがとうございます。それじゃあ遠慮なく・・」
そう言って木タクが普賢神父からカップを受け取ろうとしたときだった。
 突然、脇から手が伸びてきたかと思うと、カップを取り上げてしまう。
何だと思って振り返ってみると、燃燈がカップを握っていた。
「燃燈、いきなり何するのさ~」
突然の行動に普賢は思わず抗議する。
「未成年に酒を飲ませるわけにはいかないからな」
「え!?これジュースじゃなくって酒なんすか?」
燃燈の言葉に思わず木タクはビックリしたような声を出す。
 「ああ。匂いを嗅いでみるといい」
そう言われて顔を近付けると、木タクはジュースと思っていたものの匂いを嗅いでみる。
確かに酒と思しき匂いがしてきた。
「これ・・酒っすね・・・」
「そうだな。さてと・・普賢・・」
「な・・何・・燃燈・・・」
平静を装うも、まずいと言いたげな感じで普賢は尋ねる。
「ちょっと・・話をしようか・・・」
「わ・・わかったよ・・」
ぎこちない笑みを浮かべて普賢は了解する。
燃燈は楊ゼンに何やら言い、木タクにも適当な理由をあげると、どことなく元気のない普賢を連れて礼拝堂に入っていった。
 (燃燈さんも・・大変ですね・・)
礼拝堂へ入ってゆく燃燈と普賢の姿を見やりながら楊ゼンは苦笑する。
長い付き合いだからあのあとどうなるかはよく知っていた。
普賢は外面はいいので一般の信徒などからは天使や聖母のようだと言われたりするが、意外と腹黒だったりイタズラ小僧なところも持っている。
だからオイタをしては燃燈はじめお兄ちゃん的な存在の面々に叱られているのはよく知っていた。
 ガシャーンッ!!
突然、ガラスが割れるような音が聞こえてきた。
ハッとして楊ゼンが音のした方を振り返る。
すると太乙が驚いた表情を浮かべて座り込んでおり、木の下には砕け散った酒瓶の破片が散らばっている。
それと共に玉鼎がしまったという表情を浮かべ、周りで一緒に飲み食いしていた者達もやっちまったと言いたげな表情を浮かべて玉鼎を見つめている。
 (全く・・こちらも・・懲りませんねぇ・・・)
兄がトラブルを起こしたことに気づくや、楊ゼンはハア~ッとため息をつく。
「兄さん・・・」
「よ・・楊ゼン・・・・」
玉鼎は弟の方を見るや、弁解しようとする。
「ちょっと・・話しましょうか?」
有無を言わせない様子でそう宣告すると、玉鼎は観念したのか、シオシオとなってしまう。
楊ゼンは太乙達に断りを入れると、その場を離れて教会へ入っていった。


 礼拝堂の奥にある楊ゼンの私室、その床の上に玉鼎と普賢は並んで正坐させられていた。
落ち着かない様子で二人はベッドの縁に座ってこちらをジッと見ている楊ゼンと燃燈をそれぞれ見やる。
 「全く・・何考えてるんですか・・。お肉取られたくらいで酒瓶投げつけるなんて・・・」
楊ゼンは呆れたような口調で兄に言う。
太乙に対して酒瓶を投げつけるなどということをした理由が、自分が食べようと思っていた串焼き肉を太乙が取ってしまったという、あまりにも大人げない理由だったからだ。
「だって・・食べたかったんだ・・・」
「だからってあんなことしていいと思ってるんですか!?幸い外れたからいいようなものの、当たったら怪我してたんですよ!?わかってるんですか!?」
「うぅ・・・」
楊ゼンにこっぴどく叱られ、玉鼎は縮こまってしまう。
 「普賢・・・全く・・子供に酒を飲ませようだなんて・・一体・・何を考えてるんだ・・?」
一方、燃燈も年下の友人を厳しい表情で見つめる。
「や・・やだなぁ・・。お酒とかタバコとか興味持つような年頃だからちょっと飲ませてあげようと思っただけじゃない~」
普賢は笑顔で誤魔化そうとするが、言い訳が通じる訳もなく、キッと睨みつけられてしまう。
「うぅ・・。ごめん・・ちょっとした・・イタズラ心のつもりだったんだってばぁ・・・」
「イタズラ心で済むと思ってるのか?何かあったら遅いんだぞ!!」
燃燈は思わず厳しい声で叱りつける。
未成年の飲酒は法律違反だし、それを抜きにしても急性アル中などといった危険もある。
燃燈にはとても見過ごせることではなかった。
 「燃燈・・反省してるからぁ・・許してよぉ・・お願いぃぃ・・・」
普賢は目を潤ませて泣きそうな表情を浮かべて許しを乞う。
「な・・何を・・言ってるんだ・・・。普賢が悪いんだろう?さぁ、来るんだ」
ほだされそうになるのを堪えながら、燃燈は普賢に言う。
普賢は素直に立ち上がると、燃燈の元へゆき、大人しくうつ伏せになった。
 「兄さん、わかってますよね?さぁ、来て下さい」
一方、玉鼎は弟にそう宣告されるや、すぐに立ち上がって逃げ出そうとする。
だが、すぐに追いかけて取り押さえてしまった。
 「は、離してくれ!!楊ゼン!!」
「ダメです!全く・・・」
楊ゼンは兄を捕まえると机の方へ連れてゆくと、上半身をうつ伏せにしてお尻を突き出す体勢を取らせる。
それぞれ相手を押さえると、楊ゼンも燃燈もお仕置きすべき相手の神父服を捲り上げ、ズボンを降ろしてお尻をむき出しにする。
 「普賢・・・覚悟はいいな?」
ブルブルと身体を震わせながらも普賢は頷く。
下手に抵抗したりすればお仕置きが厳しくなるのは知っていたからだ。
「いい子だな。でも、手加減はしないからな」
燃燈はそういうと普賢の身体を押さえ、ゆっくりと右手を振り上げた。
 「兄さん・・・覚悟はいいですね?」
「い・・嫌だっ!!離してくれっ!!」
押さえつけられてもまだなお、玉鼎はお仕置きから逃れようとする。
だが、それを無視して楊ゼンは兄の身体を机上にしっかりと押さえると、右手を振り上げた。


 パシィ~ンッ!
「う・・・」
楊ゼンの平手打ちがお尻に叩きつけられるや、玉鼎の口からうめき声が漏れた。
 パシィンッ!パアアンッ!ピシャアンッ!パアチィンッ!
「う・・あぅ・・くぅ・・あ・・・」
弟の平手が叩きつけられるたびに玉鼎のお尻に赤い手形が刻み込まれる。
パチィンッ!パアアンッ!パアシィンッ!パアアンッ!
「う・・くぅ・・よ・・楊ゼン・・痛ぃ・・・」
お尻を叩かれる痛みに顔を顰めながら、玉鼎は弟に呼びかける。
 パアシィンッ!ピシャンッ!パアチィンッ!パアアンッ!
「全く・・何をやってるんですか・・・兄さん・・・」
お尻を叩きながら、楊ゼンはいつものようにお説教を始めた。
 ピシャアンッ!パアチィンッ!パアアンッ!ピシャアンッ!パアチィンッ!
「くぅ・・あっ・・痛い・・楊ゼン・・痛い・・・」
パアアンッ!ピシャアンッ!パアチィンッ!ピシャアンッ!パアチィンッ!
「お肉取られたくらいで・・癇癪起こして・・・」
ピシャアンッ!パアチィンッ!パアアンッ!ピシャアンッ!パアチィンッ!
「痛・・・痛い・・楊ゼン・・痛いよ・・くぅぅ・・・」
パアチィンッ!パアアンッ!ピシャアンッ!パアチィンッ!
「それで・・・ビンなんか投げて・・・本当に何考えてらっしゃるんですか?」
あまりにも大人げない行動にさすがの楊ゼンも呆れたような口調で尋ねる。
 「だって・・・仕方・・ないじゃないか・・・。食べたかった・・のに・・太乙が・・取っちゃうんだから・・・それより・・楊ゼン・・痛いって・・言ってる・・のに・・」
ピシャアンッ!パアチィンッ!パアアンッ!ピシャアンッ!パアチィンッ!
「お仕置きなんだから痛いのは当たり前でしょう?反省してるんですか?」
「だから・・・太乙が・・・取ったりしなければ・・あんなこと・・しなかったよ・・。何で・・私が・・お尻・・叩かれなきゃいけないんだ・・・」
玉鼎は不満げな表情を浮かべて言う。
「何を言ってるんですか!たかがお肉取られたくらいでビンなんか投げる方が悪いことじゃないですか!!わかってるんですか!?」
「うるさいな・・・」
お尻を叩きながらお説教をする楊ゼンに対し、玉鼎はイラついたような表情を浮かべる。
 「うるさいったらうるさいんだ!!いつもいつもえらそうに!!何様のつもりなんだ!私の方が兄なんだぞ!!それをえらそうに説教してお尻なんか叩いて!!私は子供じゃない!!離してくれ!!」
「兄さん・・本気でそう言ってるんですか?」
楊ゼンは一旦お尻を叩く手を止めると、そう尋ねる。
今までとはトーンや調子が変わったその口調に玉鼎は一瞬ギクリとする。
怒っているのがわかったからだ。
だが、一旦言ってしまった以上、引っ込みはつかない。
半ばヤケクソで玉鼎はさらに言いやる。
「だったら何だって言うんだ!!太乙があんなことしたから悪いんだ!!私は悪くない!!それをこんなことして!!幾らでも言ってやる!!」
「そうですか・・よぅく・・わかりました・・・」
楊ゼンはそういうと、机の脇にぶら下げているものを取る。
そして、それを握りしめるや、思いっきり振りかぶった。
 バッチィ~~~~~ンンッッッ!!!
「うわぁぁぁっっっ!!!」
今までとは比べ物にならない痛みに玉鼎は悲鳴を上げる。
思わず振り返ってみると、楊ゼンの手には使い込んだパドルが握られていた。
 「そ・・それは・・・」
途端に玉鼎の顔から血の気が引く。
「やっぱり・・こちらじゃないと兄さんはきちんと反省出来ないみたいですね。だから・・・こっちで性根を叩き直してあげます」
そういうと楊ゼンはパドルを振り上げる。
いつも経験しているだけにその痛みをよく知っているせいか、玉鼎はもがいて逃げ出そうとする。
だが、楊ゼンはしっかり押さえこんでしまうと、思いっきりパドルを振り下ろした。
 ビッダァ~~~ンンッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!!
「うわぁぁぁっっっ!!楊ゼンっ!!いつもより痛いぃぃ~~~っっ!!」
玉鼎は叫ぶが、楊ゼンは容赦なくパドルで打撃の雨を降らせる。
 「ひぃぃっ!!楊ゼンっ!!許してくれっ!!口が滑ったんだっ!!」
「今さら遅いですよ。今日はいつもよりずっとずっときつーく躾けてあげます!!」
「そ・・そんなっっ!!!」
激しいパドル打ちの嵐が降り注ぎ、玉鼎の悲鳴がこだました。


 「うぅ・・・うぅぅ・・くぅぅうううぅぅ・・・・」
玉鼎は机の上でぐったりした姿で、ボロボロと泣いていた。
お尻は今や倍近くに腫れ上がっており、色は見事なまでにワインレッドで、触るとよく揉んだカイロのように熱い。
 「ひぃん・・痛・・痛いぃぃ・・・よ・・楊ゼン・・も・・もぅ・・許して・・くれ・・」
ボロボロと涙をこぼしながら玉鼎は必死に謝る。
「兄さん、少しは反省しましたか?」
そろそろ頃合いだと見たのだろう、楊ゼンはパドルを振り下ろす手を止めて尋ねる。
 「した・・してるっ・・・だから・・もうぅ・・・」
「では何が悪かったんですか?言えますよね?」
楊ゼンはそう尋ねる。
お仕置きである以上、叱られる理由はきちんと理解してもらいたいからだ。
 「ひっう・・・ワガママで・・癇癪・・起こして・・太乙に・・ビン・・投げつけた・・」
「そうです。下手したら大変なことになってたんですよ。わかりますよね?」
弟の問いに玉鼎は頷く。
「どうやらわかってくれたみたいですね。それじゃあ・・・終わりにしましょうか」
そういうと、ようやく楊ゼンはパドルを持っていた手を降ろした。


 玉鼎のお仕置きが始まったのと同じ頃・・・。
バシィンッ!バアンッ!バチィンッ!
「っ・・・ぁ・・・っ・・・」
強めの平手打ちがお尻に叩きつけられ、普賢の口から微かにうめき声が漏れる。
ビダァンッ!バアジィンッ!バアシィンッ!バアアンッ!
「ぁ・・ぅ・・っ・・・ぁ・・」
(燃燈ってば・・本当に・・バカ力なんだから・・。少しは手加減してよ・・・)
そんなことを思わずにはいられない普賢だったが、決しておくびにも出さず、神妙にお仕置きを受けるポーズを見せる。
 ビダァンッ!バアジィンッ!バアシィンッ!バアアンッ!
「全く・・本当に何を考えているんだ・・・・」
燃燈は呆れが混じった厳しい口調でお説教を始める。
バッシィンッ!ビッダァンッ!バアッジィンッ!バッアァンッ!
「くぅ・・あ・・あぅ・・あっく・・・」
(だから・・痛いんだってば!少しは加減してよ!燃燈のバカ!!)
より強くなる痛みに、普賢は心の中でそう言う。
だが、見た目には素直にお仕置きを受けていた。
 ビッダァンッ!バアッジィンッ!ビッバァンッ!バアッジィンッ!
「未成年に酒を飲ませるなんて・・重大な法律違反なんだぞ・・。それはともかく・・・もし万が一のことがあったらどうするんだ!木タクのご両親に申し訳が立たないだろ!!」
燃燈は叱りながら容赦なく普賢のお尻を叩く。
元々鍛えていて力が強い上、手加減していても威力のある平手打ちを繰り出してくるものだから、あっという間に普賢のお尻は赤く染まってしまう。
 「ご・・ごめん・・なさい~~。ちょっとした・・イタズラ心のつもりだったんだってばぁ・・・。だから・・許してよぉぉ・・・」
普賢は泣きそうになりながら燃燈に許しを乞う。
「イタズラにしても度が過ぎてるだろう!全く・・悪い子だっ!」
バッジィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バアッシィ~ンッ!バッアァ~ンッ!
燃燈はさらに強烈な勢いでお尻を叩く。
「うわあああんっ!痛あっ!痛いぃぃぃ!!!」
普賢は叫び声を上げ、飛びあがってしまいそうになったかと思うと両脚をバタつかせる。
 ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!バッアァ~ンッ!ビッダァ~ンッ!
「うわぁ~んっ!痛いっ!痛いよ~~!燃燈ってばぁ~~~!!」
普賢は両脚をバタつかせ、派手に泣き叫ぶ。
「痛いのは・・当たり前だろう?お仕置き・・なんだから・・・」
容赦のない勢いで平手を振り下ろしつつも、燃燈の口ぶりはどこか歯切れが悪い。
「ふぇぇん・・それでも・・痛すぎるってばぁ・・」
普賢は目尻に大粒の涙を浮かべると、燃燈の方を振り向く。
燃燈は普賢の哀れげな顔を突きつけられるや、表情が苦しげなものに変わる。
 「ふぇぇん・・・燃燈ぉぉ・・ちゃんと・・反省・・してるからぁ・・・。だから・・もぅ・・許してよぉぉ・・・」
「何を・・言ってるんだ・・。お前が・・悪い子だから・・叱られてるんだろう?」
「燃燈・・僕のこと・・嫌いなの・・?」
さらに目を潤ませて泣きそうな表情を浮かべながら普賢はそう尋ねる。
 「馬鹿な・・こと・・言うんじゃない・・。そんなこと・・あるわけないじゃないか」
「嘘っ!!本当は僕のこと嫌いなんでしょ!?だからお仕置きだとかいってこんなにいじめるんでしょ!!そりゃ・・僕だって・・悪いよ・・。でも・・だからって・・ひどいよ~~~~~!!!」
燃燈の膝の上で普賢は思い切り泣きだしてしまう。
そんな普賢の姿に燃燈は慌ててしまう。
 「普賢・・頼む・・落ち着いてくれ・・。そんなこと・・思ってないから・・・。私が悪かった・・やり過ぎたよ・・。だから・・もう・・泣かないで・・くれないか?」
「本当?嘘じゃないよね?」
「ああ。本当だよ」
「それじゃあ・・・許してくれる・・・?」
恐る恐る、上目遣いで普賢はそう尋ねる。
「ああ。もう、お仕置きは終わりだよ」
(やった!!僕の勝ち!?)
燃燈のお仕置き終了宣言に普賢は心の中でほくそ笑む。
(厳しい振りして・・相変わらず甘いんだから~~。楽勝だよね)
泣き落とし作戦が見事なまでに上手くいったことに普賢がご機嫌になりかけたそのときだった。
 突然、身体を起こされたかと思うと、燃燈と顔を突き合わせる。
「あ・・・」
本音が見事なまでに出ている会心の笑みを見られるやいなや、微かに普賢の口から焦りの声が漏れる。
 「まさかとは思ったが・・・嘘泣きだったんだな・・・」
(ま・・まずいよ!!ど、どうしよう!?)
途端に普賢の顔から血の気が引く。
見事なまでに騙されかけたことに、燃燈の表情がみるみるうちに変わってゆく。
再び膝の上にうつ伏せにされるやいなや、燃燈は足を組む。
おかげでお尻を上に向けて突き上げた体勢になってしまった。
 「ちょ・・ま、待って!!」
慌てて普賢は燃燈に呼びかける。
とってもお仕置きが痛くなる体勢なのを知っているからだ。
だが、問答無用で燃燈は手を振り下ろした。
 ビッダァ~~~ンンンンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!!
「うわぁぁぁぁあんんんんっっっ!!!痛いぃぃぃっっっ!!!!!」
演技のかけらもない、心底からの悲鳴と共に普賢は激しく両脚をバタつかせる。
 「うわああんんっっ!!痛いっ!痛いってば燃燈っっ!!」
あまりの痛さに普賢は演技をかなぐり捨てて訴える。
「何を言うんだ。嘘泣きなんてして人を騙すような。本当に悪い子にはこれぐらいでも足りないだろう?」
(ヤバ・・本気で・・怒っちゃってる・・・)
普賢は背筋が寒くなる。
燃燈が本気で怒っていることに気づいたのだ。
 「楊ゼン・・・」
不意に燃燈は先ほどお仕置きが終わったばかりの楊ゼンに呼びかける。
「何です?」
「すまないが・・そのパドル、貸してもらえないか?」
「ちょ・・!待ってよ!それだけはやめてっ!お願いっ!」
燃燈の発言に普賢は慌てる。
平手でも半端でなく痛いのだ。
パドルなんか使われたらとても耐えられない。
 「燃燈っ!本当に悪かったからっ!お願いだからパドルだけはやめてっ!お尻壊れちゃうってば!!」
「普賢・・静かにしないか・・・」
静かだが有無を言わせない口調に、普賢は思わず黙ってしまう。
楊ゼンは二人の様子にしばし逡巡の様子を見せていたが、燃燈の身体から感じられる怒気に引いたのか、恐る恐るパドルを渡してしまう。
 「いやあっ!助けてぇぇ~~~~っっっ!!!」
恐怖に駆られて普賢は燃燈の膝から逃げ出そうとする。
だが、燃燈はしっかりと押さえこむと思いっきりパドルを振り落とした。
 ビッダァァァァァ~~~~~~~~~~ンンンンンッッッ!!!
バジィンビダンバジンバアンバンビッダンバアジィンビダァンバアアンッ!!
「!!!!!!!!」
余りの苦痛に普賢の口から声にならない叫びが漏れる。
燃燈は冷ややかな表情で見やる中、普賢のお尻にパドルを振り下ろし続けた。


 「うっえ・・・えええん・・うぇぇぇん・・・・」
心底からの痛みに普賢はボロボロと涙を零す。
お尻はワインレッドどころか、青に近い色に染まってしまっていた。
 「痛いぃ・・痛いよぉぉ・・。も・・もぅ・・・許してってばぁぁ・・・」
「普賢・・・まだ懲りないのか?」
素人目にも本物だとわかりそうな泣き顔だったが、それでも燃燈は冷ややかな声でそう問いかける。
 (し・・信じて・・くれなぃぃぃ・・・・)
本当に痛くて泣いているのに、それを信じてもらえないどころかさらに策を弄していると思われてしまっていることに普賢は愕然とする。
「そんな悪い子には・・まだまだきついお仕置きが必要だな・・・・」
燃燈はそう言うと、再びパドルを振り上げようとする。
 (冗談じゃないよ!?これ以上ぶたれたらお尻壊れちゃう!いや、死んじゃうってば!!)
心の底から恐怖が湧き上がり、全身が熱病にでもかかったかのように震えだす。
さらに生温かい液体が腿を伝って床に滴り落ちた。
 「ふ・・ふぇーん・・・」
まるで小さい子供のように普賢は泣き出す。
「ふ・・ふえぇーん・・ね・・燃燈・・・ご・・ごめんな・・なさぁいい・・。も・・もぅ・・木タク・・くんに・・お酒・・飲ませよう・・なんて・・しませぇぇん・・。嘘泣きも・・・しないからぁ・・・。本当に・・・反省・・してる・・からぁ・・・お願い・・だからぁ・・許してよぉぉ・・・・」
普賢の態度に嘘はないと見たのだろう、燃燈はパドルを握る手を一旦振り下ろす。
「反省してるか?」
やや声のトーンを和らげて尋ねると、普賢は泣きじゃくりながら答える。
「してる・・してるからぁぁ・・・」
「もうしないって約束出来るな?」
「出来るぅ・・ちゃんと・・するぅぅ・・・」
「わかった。それなら今日は終わりにしよう・・。ただし・・・」
途中で言葉を切ったかと思うと、燃燈は再び手を振り上げ、思いっきりパドルを叩きつけた。
 バアッチィィ~~~~~ンンッッッッ!!!
「うわぁぁぁんんんっっっっ!!!!!」
お仕置きが終わったと油断していたところを思い切り不意打ちされたせいか、悲鳴と共に普賢は膝の上から飛び上がりそうになってしまう。
 「もし・・約束を破ったら・・この程度では許さないからな。いいな?」
普賢は必死になって頷く。
それを見届けると、ようやく燃燈はお仕置きを止めた。


 「くぅぅ・・・太乙・・・もうちょっと・・優しく・・・」
「何言ってるんだい、これくらい我慢しなよ」
太乙はそういうとベッドの上でうつ伏せになっている玉鼎のお尻に薬を塗ってやる。
 「すみません、太乙先生。兄さんがあんな失礼なことした上に、手当てしてもらうなんて虫のいいことお願いして」
楊ゼンは申し訳なさそうな表情を浮かべて言う。
 「別に気にしてないさ。昔っからだからね」
「それも・・そうですねぇ・・・」
太乙と楊ゼンは顔を合わせると苦笑する。
「何か・・・バカにされてるみたいだな・・・」
玉鼎はそんな二人を見ると、不機嫌そうな表情を浮かべる。
それを見ると、再び二人の顔に苦笑が浮かんだ。
 「普賢・・お願いだから機嫌を治してくれないか・・?」
燃燈はすっかりヘソを曲げてしまっている普賢に困っていた。
「何言ってるの!?本当に痛かったんだからね!!」
「それは・・仕方ないだろう・・普賢が悪い子だったんだから・・」
「何!?悪い子ならお尻が壊れるまでぶたれてもいいっていうの!!ひどいよ~~~」
普賢は燃燈の言葉に大泣きしてしまう。
 「普賢・・私が悪かったから・・。何でも・・するから・・」
普賢に泣きやんでもらいたいと燃燈がそういうと、ふと普賢の大泣きが和らぐ。
「本当?何でもする?」
「するよ・・普賢に許してもらえるなら何でも・・・」
「それじゃあ・・今度の非番の日に何か奢ってもらおうかな~」
「わかったよ・・・。普賢がそういうなら・・」
「本当!?燃燈だーい好き!!」
普賢はさっきまで泣いていたとは思えないほど上機嫌な姿で燃燈の腕にとびついた。
 (燃燈様・・・いいように操られてますね・・)
(きっと散々奢らされるよ、あれは)
(さすが普賢神父・・しっかりしてますよね)
(外面はいいけど・・太公望以上に策士だものねぇ)
玉鼎の手当てをしながら、太乙と楊ゼンは燃燈達のやり取りにそんなことを呟く。
 (でも・・そうであっても・・可愛いと思ってる・・燃燈様や・・他の皆さんも・・甘いんでしょうねぇ・・)
(そうだねぇ・・僕も・・君も・・人のことは言えないよね)
燃燈同様、普賢を弟分として可愛がっている太乙や、手のかかる子だからこそなおさら大事な兄だと玉鼎のことを思っている楊ゼンにしてみれば、普賢の策に見事に載せられている燃燈の姿は、自分達のものでもあると、苦笑せずにはいられなかった。


 ―完―
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