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嘘の代償5(封神より:楊/玉、神父兄弟パロ)



(注:封神を題材にした二次創作です。原作のイメージとキャラがかなり違っていたり、神父で兄弟設定な現代パロになっています。許容出来る方のみご覧ください)


 「は・・は・・ハクシュンッ!!」
玉鼎は箒を握ったまま盛大なくしゃみをした。
「大丈夫ですか、兄さん?」
思わず一緒に庭に散った桜の花びらを掃く作業をしていた楊ゼンが尋ねる。
「あぁ・・・。どうも最近くしゃみがひどくてな・・・・」
「もしかして花粉症ですかね。太乙先生に診てもらった方がいいんじゃないですか?」
「別に・・そこまでしてなくても・・・」
医者の話をするや、途端に玉鼎の表情が不機嫌そうなものになる。
「何言ってるんですか!?花粉症だって重症なやつだと大変なんですよ!ちゃんと診てもらって下さい!」
兄の事が心配なのだろう、楊ゼンは強い口調で言う。
「でも・・たかが花粉で・・・」
しかし、医者嫌いなせいか、玉鼎はごねかける。
「兄さん・・あんまりワガママおっしゃると・・」
楊ゼンはそういうと片手にハァ~ッと息を吹きかける真似をする。
それを見るや本能的に玉鼎は両手でお尻を押さえて後ずさる。
「わ・・わかったよ・・。ちゃんと行くから・・。だから・・お尻は・・」
「わかって下さればいいんですよ。さぁ、ちゃんと行ってきて下さいね」
「わかってるよ・・・」
観念した表情で呟くように言うと、玉鼎は肩を落として弟の言う通りにした。


 「どうなんだい、太乙?」
玉鼎は診察を終えた太乙と顔を合わせると、そう尋ねる。
「花粉症じゃないね、これは」
「そうか・・・・」
花粉症ではないと言われ、玉鼎はホッとする。
 「風邪だよ。といっても引きはじめだけどね」
「え・・・?」
玉鼎は怪訝な表情を浮かべる。
風邪の方とは思ってもいなかったからだ。
 「そんな顔しなくても大丈夫だよ。ちゃんと薬飲んで大人しくしてればすぐに治るから」
「そう言ったって・・・薬は出すんだろう?」
「仕方ないだろう、薬飲まなきゃ治るものも治らないよ。君だって子供じゃないだろう?」
「馬鹿にしてるのか!?私は子供じゃない!!」
「だったらちゃんと薬飲めるだろう?」
「わ・・わかったよ・・。言う通りに・・するよ・・」
玉鼎が観念したようにそう言うと、太乙は苦笑を浮かべた。
 (ああは言ったけど・・大丈夫かなぁ?)
玉鼎が診察室を後にすると、太乙はそんなことを考える。
医者が嫌いな人間の例に漏れず、いい年して薬も嫌いだったりするのだ。
だからせっかく薬を出しても素直に飲まないかもしれない。
昔からの付き合いなのでそういうところはよくわかっていた。
 (やっぱり・・・話しておいた方がいいかねぇ・・)
そう考えると、太乙は電話をかけに診察室を後にした。


 「あ、はい。そうですか。ええ、わかりました・・わざわざありがとうございます・・」
楊ゼンは携帯を切るとため息をつく。
(花粉症じゃなかったのはよかったですけど・・・風邪ですか・・・)
想像していた病状では無かったものの、それでも兄が病気なことに変わりはなく、心配せずにはいられない。
 「ただいま~~~」
不意に礼拝堂の扉が開くと、玉鼎が入ってきた。
「ああ、兄さんお帰りなさい、どうでした?」
楊ゼンは帰ってきた兄にそう尋ねる。
「あぁ、何でもないそうだ。だから心配はいらないよ」
正直に話したら薬を飲む羽目になるからか、玉鼎はそんな嘘をつく。
 (太乙先生の考えてた通りに・・やってくれましたね・・・)
そんな兄の姿に楊ゼンは思わず苦笑する。
「おや?おかしいですね。先ほど太乙先生から電話頂いたんですが?」
「え・・?何のことかな?」
いきなり形勢が悪くなってきたことに、玉鼎の表情が微かに変わる。
 「太乙先生が話して下さったんですよ。風邪なんで薬出したけど、楊ゼンに言っておかないと何だかんだで飲まないかもしれないからって」
(余計な・・ことを・・)
玉鼎はそんなことを思わずにはいられなくなる。
これで誤魔化せなくなってしまった。
(いや、誤魔化せないどころじゃないぞ・・・)
楊ゼンは嘘には厳しい。
特に病気など玉鼎自身の身に関わり、楊ゼンを心配させることに関するものには。
 「兄さん・・いつも言ってますよね?嘘ついたらダメだって」
「で・・でも・・・」
「でもじゃありませんよ。また嘘ついて誤魔化そうとしたりして。わかってますよね?」
楊ゼンの口ぶりにすぐにも玉鼎は「お仕置き」という言葉がフラッシュバックする。
 咄嗟に玉鼎の頭に逃げるという選択肢が浮かぶ。
だが、今までの経験からただ逃げただけではすぐに捕まってたっぷりとお尻にツケを払わされるのはわかっている。
一旦逃げる素振りを見せたかと思うや、玉鼎は楊ゼン目がけてバッグを思いっきり投げつけた。
 いつも通り一目散に逃げるとばかり思っていたからか、突然飛んできたバッグに一瞬楊ゼンは怯んでしまう。
受け止めはしたものの、怯んだ際に体勢を崩し、バッグを持ったまま、床に転んでしまった。
その隙に玉鼎は脱兎の如き勢いで外へ逃げ出してしまう。
「あっ!どこへ行くんですか!?」
起き上がりながら楊ゼンは兄を呼び止めようとする。
だが、必死になっている玉鼎は聞く耳を持たず、そのまま教会の外へ逃げ出してしまう。
当然、逃がすまいと楊ゼンも後を追いかけていった。


 「ハッ・・ハッハッハッ・・・」
規則正しい息遣いをしながら、ジャージ姿で走っている男の姿があった。
かなり走り込んでいるのだろう、じっとりと顔が汗ばんでいる。
道徳だ。
 道徳は太乙や燃燈同様、玉鼎たちの古くからの友人だ。
根っからのスポーツマン気質で、体育系の大学に進んだ後、スポーツトレーナーや健康運動指導士(健康づくりのための運動指導をする人に与えられる資格。体育大学もしくは教育学部体育学系、或いは体育系の短大や専修学校の卒業者、看護師や接骨医など、体育系の学校卒業者や医療関連の資格の所有者であることが必要)といった資格を取って地元のスポーツジムで指導員として働いていた。
今日は非番で休みなのを幸い、ランニングに励んでいる。
根っからのスポーツマン気質なせいか、休みの日でもゆっくりしているより、身体を動かしている方が性に合うようだった。
そのまま、道徳はランニングを続けていたが、やがてある十字路へ差しかかった。
 突然、脇から何かが勢いよく飛び出して来たかと思うと、思いっきり道徳に激突する。
「うっっ・・・」
さすがに道徳も全く予想もしていなかった事態に、まともに衝撃を受けて転んでしまう。
 「くぅぅ・・一体何だ・・?」
起き上がりながら道徳はいきなりぶつかってきた相手を見やる。
すると、道徳同様路上に転んでしまった玉鼎の姿が目に飛び込んできた。
 「あれ?玉鼎じゃないか?大丈夫かい?」
道徳は立ち上がると、まだ座り込んでいる玉鼎に手を差し出す。
「ああ、道徳だったのか。すまなかったな・・」
玉鼎は差し出された手を取ると、立ちあがりながら謝る。
「別に構わないさ。それよりどうしたんだい?そんな慌てて?」
「あっ!?そうだ!!道徳、助けてくれないか!?」
「え?一体何がどう・・・」
尋ねかけたところで、いきなり玉鼎は道徳の背後に隠れるように回り込んでしまう。
それと同時に楊ゼンが息せき切って現れた。
 「ハァ・・・ハア・・・兄さん・・・もう・・逃がしませんよ・・・」
「よ、楊ゼンっ!」
「さぁ・・帰りましょう」
「や・・やだっ!道徳っ!助けてくれっ!!」
玉鼎は道徳の後ろに隠れて必死に助けを求める。
 「楊ゼン、一体何があったんだ?」
「兄さんが太乙先生から風邪だって言われたのに、嘘ついて誤魔化そうとしたんですよ」
(やっぱり・・・)
道徳は思わず苦笑を浮かべる。
そんなことではないかと思ったのだ。
長年の付き合いのせいか、そういうことがすぐに想像できてしまうのである。
「それで逃げ出したっていうわけかい?」
「ええ・・そんなところです・・・」
道徳は玉鼎の方を振り返ると、ちょっと怖い顔を浮かべてみせる。
 「ダメじゃないか玉鼎、そんなことしちゃ」
「そ・・そんなこと・・言ったって・・・。薬・・嫌いだからしょうがないだろう・・」
「そう言う問題じゃ・・ん?あれ、どうしたんだい玉鼎?」
「え?どうしたんだ、道徳?え・・あれ?・・・」
不意に目の前が暗くなったかと思うと、そのまま玉鼎はヘナヘナと倒れてしまう。
 「兄さん!?どうしたんですか!?」
「うわ・・すごい熱だな。太乙のところに連れて行こう」
そんな二人のやり取りが微かに聞こえたが、やがて何も聞こえなくなり、玉鼎はそのまま眠りに落ちていった。


 気づいたとき、最初に目に飛び込んで来たのは病院の白い天井だった。
「あ!兄さん、気がついたんですね!」
玉鼎が目覚めると同時に、ベッドの傍らにいた楊ゼンがホッとした表情を浮かべながら言う。
 「ああ、楊ゼンか・・。ここは・・?」
「太乙先生の病院ですよ。兄さん、倒れたんですよ」
「そ・・そうか・・」
「やぁ、目が覚めたかい?」
玉鼎と楊ゼンが話していると、太乙が入ってきた。
 「あ、兄さん気づいたみたいです」
「ならよかったよ。それにしても無茶したもんだねぇ。幾ら引きはじめだって言ったって風邪引いてるのに全力で町中逃げれば倒れるのも当たり前だよ」
「仕方ないじゃないか・・。逃げなきゃ楊ゼンが・・・」
玉鼎は太乙や楊ゼンに不満そうな表情を見せる。
「まぁとりあえず今は休みなよ。まずは身体治さないとね」
「そうですよ、兄さん」
「わかったよ・・・」


 それから数日後・・・・。
「よかったですね、兄さん。治って」
「あ・・あぁ・・・」
玉鼎の部屋で安心した表情で話しかける楊ゼンとは対照的に、玉鼎は嬉しくなさそうな表情を浮かべて答える。
先ほど、完治・問題なしと太鼓判を押されて太乙の病院から帰って来たのだ。
 だが、今の玉鼎には風邪が治るのは嬉しいことでは無かった。
数日前、薬を飲むのが嫌さに嘘をついて誤魔化そうとした挙句、お仕置きされるのが嫌さに風邪の引きはじめなのにも関わらず、逃げ出して町中を走り回ったのだ。
おかげで風邪がひどくなってたまたま居合わせた道徳と追いかけてきた楊ゼンに太乙のところへかつぎ込まれ、先ほどまで太乙のところで入院していたのだ。
おかげで、風邪は完治したが、嘘をついて逃げ出したのみならず、入院するような羽目にまでなった以上、楊ゼンが心配していないはずはない。
心配をかけた分、楊ゼンが怒っていないはずはなく、それだけにこの後待っているお仕置きが厳しいものになるのは簡単に想像できた。
 「治ったのはよかったですけど・・・兄さん・・・」
(き・・来た・・・)
弟の口調が変わり、玉鼎はゴクリと息を呑む。
「な・・何だ・・?」
「薬飲みたくなくて、嘘ついたり逃げ出したり、それで風邪をひどくして入院するようなことになって・・・。どれくらい僕が心配したか・・わかりますか?」
「ほ・・本当に・・悪かった・・。反省してる・・・よ・・・」
震える声で玉鼎はそう答える。
「反省してるなら・・わかりますよね?」
楊ゼンはそういうと、二人が座っているベッドの縁をポンポンと軽く叩いた。
 「う・・・」
弟の仕草が意味するところを察するや、玉鼎の表情が途端に嫌そうなものに変わる。
「どうしたんですか、反省してるなら出来るでしょう?」
「わ・・わかってるよ・・・」
玉鼎はそう言うと、ブルブルと全身を震わせながらも立ち上がり、意外にも素直にベッド上に上半身をうつ伏せにし、両膝を床につくと、ベッドから横に突き出されたお尻を上げる体勢を取る。
 「おや?今日は珍しく素直ですね」
いつもなら往生際悪く逃げるせいか、意外にも素直にお仕置きを受ける態度を見せた兄に感心したような素振りを見せる。
「だって・・また・・逃げたら・・もっと・・怒るじゃないか・・。今だって・・怒ってるん・・だろう・・?」
怖々尋ねる兄の姿に楊ゼンは思わず苦笑する。
両手でベッドのシーツをギュッと握りしめ、ブルブルと震えている玉鼎を尻目に、楊ゼンは薄手の枕を腹の下に入れてお尻を支えやすくすると、玉鼎の神父服の裾を捲り上げ、ズボンを降ろす。
さらに髪がお尻にかからないように、左右に分けてベッド上に置かれるようにした。
 既にお仕置きの恐怖に玉鼎のお尻はブルブルと震えている。
そのせいか、ヒタヒタと軽くお尻に手を触れるや、ビクッと今にも飛び上がりそうになった。
「それじゃあ・・行きますよ。覚悟はいいですね?」
「あ・・あぁ・・・」
ヒタヒタと軽く触れながら尋ねてくる弟に対し、玉鼎は声を震わせながらも返事をする。
それを聞くと、楊ゼンは右手で兄の右腕を押さえると、ゆっくりと左手を振り上げ、未だ恐怖に震えている兄のお尻目がけて思いっきり振り下ろした。


 バッチィィンッッ!!
「うわあっっ!!」
本気で怒っていることを示すかのような、最初から容赦のない平手打ちに玉鼎は背をのけぞらせて悲鳴を上げる。
 「や・・やっぱり・・やだあっ!!痛いぃぃ!!」
反省してはいるのだろうが、それでも苦痛の前に理性は呆気なく感情に敗北してしまう。
「よ・・楊ゼンっ!やっぱり・・やだっ!痛いし・・嫌だあぁ・・・」
「何を言ってるんですか?お仕置きなんですから痛くて嫌なものなのは当然でしょう?」
楊ゼンはシーツを掴んでいる兄の右腕をしっかりと押さえこむと、さらに平手を振り下ろす。
 バッジィンッ!ビッダァンッ!バッアァンッ!ビッダァンッ!
「ひんっ!痛っ!痛いっ!楊ゼンっ!何だってこんなに叩くんだっ!痛すぎるじゃないか!!」
最初の神妙な態度はどこへやら、玉鼎は最初から容赦なく平手を振り下ろす弟に抗議する。
かなり強く叩いているせいだろう、平手にも関わらず、パドルで普段叩いているのと同じくらいの速さで玉鼎のお尻は色づいていった。
 ビッダァンッ!バアッジィンッ!ビッバジィンッ!バッアァンッ!
「痛いっ!痛いっていってるじゃないかあっ!こんなに叩かなくたっていいじゃないか!!楊ゼンの鬼っ!悪魔っ!」
罵る兄を尻目に、楊ゼンは兄のお尻へ懲らしめの平手を振り下ろし続ける。
ビッダァンッ!バアッジィンッ!バアッジィンッ!バッアァンッ!
「はぁ・・・兄さん・・・自分が悪いって思ってらっしゃらないんですか?」
素直に反省するどころか、文句を言っている兄の姿に楊ゼンはやや呆れたような口調で尋ねる。
 「そりゃ・・私が・・悪かったかも・・しれないけど・・でも・・・」
「でも・・何です?」
バシバシとお尻を叩きながら、楊ゼンは玉鼎に尋ねる。
「そもそも・・楊ゼンがお尻叩こうなんて・・しなければ・・私だって嘘ついたり逃げたりなんてしなかったんだっ!!楊ゼンがいつもいつもお尻叩くから悪いんだっ!!私は悪くない~~~~!!!」
開き直ったかのようにそんなことを言う玉鼎に、楊ゼンはハァ~ッとため息がでてしまう。
 バッジィィ~~~ンンッッッ!!
「いい加減にしなさい!!」
さすがに兄の態度に腹に据えかねるものがあったのか、普段とは比べ物にならないほど強い口調で叫ぶように言うと同時に思いっきりお尻に平手を叩きつけた。
 「ひぎ・・!!何するんだ!?痛いじゃないか!!」
かなり痛かったのだろう、玉鼎は振り返って抗議する。
だが、楊ゼンの据わった目に圧倒されて引いてしまう。
 「兄さん・・僕が・・どれほど・・心配したか・・わかってらっしゃいます?」
「そ・・そんなの・・知らないっ!!楊ゼンが・・勝手に・・心配したんじゃないか!!それなのに何だってこんなにお尻叩かれなきゃいかないんだ!!」
自分にこんなお仕置きを強いる弟への不平で完全に頭がいっぱいなのだろう、玉鼎はそんな答えを返す。
その態度にさすがに楊ゼンも表情が変わる。
楊ゼンは無言なまま左手を振り上げたかと思うと、思いっきり振り下ろした。
 バアッジィィ~~~~ンンッッッ!!!
バチンバァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!
「うわぁぁぁぁんんん!!!痛いぃぃぃぃぃ!!!!!」
豪雨のような勢いで叩きつける平手の嵐に玉鼎は悲鳴を上げる。
「何するんだぁぁ!!痛いじゃないかぁ!!」
半ば涙目になって玉鼎は抗議する。
 「うるさい・・ですよ・・」
「よ・・楊ゼン?」
だが、弟のただならぬ雰囲気に玉鼎は危険なものを感じ取る。
「よぅく・・わかりましたよ・・。兄さんが全然・・反省してらっしゃらないのは・・・」
そういうや、再び楊ゼンは平手の雨を兄のお尻に叩きつけた。
 「ひぃぃぃぃんんんんっっ!!よ、楊ゼンっ!痛いぃぃ!!やめてくれっ!!」
「何を言うんですか。全然反省してない兄さんにはまだまだ必要ですよ!!」
「うわああ~~~!!!許して~~~~~!!」
玉鼎の悲鳴と許しを乞う声、楊ゼンの怒りと叱りつける声が平手の豪雨の音と重なり合って室内にこだました。


 バッジィ~ンッ!!
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!
「ひぐっ!!ぎっ!ぎっひっひっぎっひぎひぃぃぃんんんん!!!!」
平手の嵐がお尻に叩きつけられるたび、玉鼎の口からおかしな悲鳴が漏れる。
打撃音が鳴るたびに、シーツを掴んでいる両手が動き、ときには右腕が立ち上がりそうになるが、楊ゼンが右手でしっかりと押さえ込んでしまう。
 突き出されたお尻は全体が真っ赤に染め上がり、軽く触れただけで火傷するのではと思えるくらい熱くなっている。
頬は上気して赤くなっており、涙を流し続けているせいか、グッショリと濡れている。
 「よ・・楊ゼン・・やめ・・やめて・・許してぇ・・・痛い・・痛いぃぃ・・」
お尻が痛くて痛くて、玉鼎ははじめの頃の態度をすっかりかなぐり捨て、必死に謝る。
バッジィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!
「兄さん・・・痛いですか?」
平手の嵐こそ降らさないものの、それでも容赦のない平手打ちを浴びせながら楊ゼンは尋ねる。
「あ・・当たり前・・じゃ・・ない・・かぁぁ・・。ひぎっ!!ぎっひぃんっ!!お・・お尻・・痛いぃぃ・・熱いぃぃ・・も・・もぅ・・いや・・だぁぁ・・・」
ボロボロ泣きながら玉鼎は必死に訴えかける。
ビッダァ~ンッ!バッジィ~ンッ!バッアァ~ンッ!ビッダァ~ンッ!
「そう・・痛いですよね、こんなにお尻叩かれたら・・。でも・・もっともっと・・ずっと辛い・・痛みがあるんですよ・・兄さん・・・」
「な・・何を・・言いたいん・・・だぁぁ・・・」
ボロボロ泣きながら玉鼎は問い返す。
 「兄さん・・・身体の痛みも・・そりゃ・・辛いです・・。でも・・心の痛みは・・・・もっと・・辛いんですよ・・・」
「な・・何・・?」
お尻の痛みに泣きながらも、玉鼎は弟の言葉に何かを感じて耳を傾ける。
「兄さん・・・僕は・・ただ・・嘘をついたから・・・お仕置きから・・逃げようとしたから・・怒ってるんじゃないですよ・・。兄さん・・・風邪だって太乙先生に・・・言われたんでしょう?兄さんには・・・身体・・大事にして・・・早いうちに治して・・元気で・・いてほしいんです・・。兄さんが・・病気になって・・苦しんだり・・するの・・見るのは・・辛いんですよ・・。それなのに・・薬が・・嫌だからって・・・嘘ついたり、風邪だって言われたのに、僕から逃げ出してあんなに走り回ったりして。それで結局どうなりました?入院したでしょう?そんなことになって・・僕がどれほど・・心配したか、考えて・・くれました?」
楊ゼンの言葉に玉鼎はハッとする。
確かに楊ゼンはいつも容赦のないお仕置きをする。
だが、それは誰よりも玉鼎のことを心配しているからだ。
心配しているからこそ、きつーいお仕置きをするのである。
 「し・・・心配・・してくれた・・のか・・?」
「当たり前じゃ・・ないですか・・。兄弟なんですから・・・」
「そうだな・・。お前に・・辛い・・思い・・させて・・しまったな・・・。すまな・・かった・・・」
「わかってくれたんですね・・・よかった・・・」
「ああ・・心配・・かけて・・・すまな・・かったな・・・」
「じゃあ、しっかり反省出来ますよね?」
「え?」
 不意にまた雰囲気が変わったことに玉鼎は怪訝な表情を浮かべる。
「兄さん・・僕がどれだけ心配したか、わかって下さったのなら、もう二度とこんなことしないようにしっかり反省させてあげますからね」
「ちょ・・ちょっと待ってくれ!!も、もう・・これ以上は・・」
まだお仕置きが続くことに気づくや、玉鼎は本能的に逃げ出そうとする。
だが、そこへ容赦なく平手がお尻に叩きつけられた。
 「ひぃぃんんんん!!!楊ゼンっ!痛いぃぃぃぃ!!許してくれっ!!」
「ダメですよ。人をたくさん心配させる悪い子な兄さんにはまだまだ必要ですから」
「そっそんな~~~!!!ひぎゃあああ~~~~んんっっっ!!!」
その後、再び玉鼎のお尻には平手の豪雨が降り注ぎだした。


 「ひぐっ・・ひっぎぃぃん・・ふぇぇ・・うわぁん・・・」
玉鼎はボロボロと大粒の涙をこぼして泣いていた。
お尻は今や二回りは大きく腫れ上がり、濃厚なワインレッドに染め上がっている。
たっぷりと叩かれて体力も消耗しているのだろう、ベッドの上でぐったりしていた。
 「兄さん・・・反省できました?」
「したぁ・・もう・・十分すぎるくらい・・した・・からぁ・・・。も・・もぅ・・嘘もつかないぃ・・薬・・もらったら・・ちゃんと・・言うし・・逃げたり・・しない・・・からぁぁ・・・も・・もぅ・・許して・・・。本当に・・・悪かった・・からぁ・・・」
「よく言えましたね。えらいですよ、兄さん」
そういうと楊ゼンはようやくお尻を叩く手を止める。
同時にベッドにうつ伏せになっていた兄の身体を起こすと、隣に腰かける。
 「よ・・楊ゼン・・うわぁぁ~~~んっっ」
玉鼎は泣き出したかと思うと、隣に腰かけた弟に抱きつく。
「兄さん・・そんなに・・泣かないで下さいよ・・。もう怒ってませんから」
「だって・・本当に・・怖かったんだ・・。いつもより・・怒るし・・泣いても謝っても許して・・くれない・・からぁぁぁ・・・」
「恐がらせてしまってすみません。でも・・本当に心配したんですよ」
楊ゼンは兄を膝の上に座らせると、抱きしめて、真っ赤に腫れたお尻を優しく撫でながら宥める。
 「兄さん、お尻痛いでしょう?ちゃんと太乙先生のところで診てもらいましょう?」
「ああ・・でも・・」
玉鼎はそう言うと、恥ずかしそうな表情を浮かべる。
「どうしたんですか?」
「し・・しばらく・・こうしてて・・くれないか?子供っぽいって・・思うだろうけど・・楊ゼンに・・ギュッと・・抱き締めてもらって・・お尻・・撫でてもらってると・・・安心するんだ・・・」
玉鼎のお願いに楊ゼンは微笑みを浮かべる。
「いいですよ、兄さんの頼みならいくらでも」
「そうか・・ありがとう・・」
そういうと玉鼎はギュッと弟を抱きしめる。
楊ゼンも抱きしめ返し、真っ赤になったお尻を優しく撫でてやった。


 「おやおや。寝てしまったようですね」
楊ゼンは膝の上で抱きしめられた状態で眠っている玉鼎を見つめると、苦笑する。
安心しきったのか、抱きしめられたまま眠ってしまったのだ。
楊ゼンは起こさないように慎重に兄をベッドに寝かせる。
そして冷やしたタオルをお尻に載せ、布団をかけると、いとおしむような表情を向け、数回頭を撫でると、静かに部屋を後にした。


 ―完―
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genre : 小説・文学

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