ヤケ酒の代償(鋼より:ロイ/アイ)



(注:鋼を題材にした二次創作です。キャラのイメージが原作とかなり異なっております。許容出来る方のみご覧下さい)


 「・・・・・・・・・・」
フュリー曹長は恐る恐るといった感じでホークアイ中尉の様子を伺う。
ホークアイ中尉はムスッとした、かなり不機嫌そうな表情を浮かべながら仕事をしていた。
 「どうしたの、フュリー曹長?」
フュリーがこちらを見ていることに気付いたのか、ホークアイはそう尋ねてくる。
「いえ・・何でもありません・・」
「ならいいけど。それより・・・書類の方は出来てるかしら?」
「は・・はぃ・・・」
恐る恐るフュリーが書類を提出すると、ホークアイは素早くチェックを入れる。
「どこも問題なしね。それにいつもちゃんと期限も守ってやってるわね。えらいわ」
「そんな・・当り前のこと・・してるだけですよ・・」
ホークアイ中尉に褒められ、思わずフュリーは言葉に詰まる。
「そうね。でも、そういうことが出来ない人もいるのよ、世の中には・・・」
そこまで言いかけたところで、再びホークアイ中尉の表情が不機嫌なものへと変わりだす。
思わずフュリー曹長がハッとした表情になりかけるのを見ると、すぐに表情を取り繕うが、それでも不機嫌さは隠せない。
皆が提出した書類を抱えて出ていくが、それをフュリー曹長は恐る恐る見送っていた。


 「失礼します」
断りを入れると同時にホークアイ中尉は執務室へと入ってゆく。
「あぁ、ホークアイ中尉かね」
机上にどっさりと積まれた書類の山に囲まれながら、マスタング大佐は顔を上げる。
「新しい書類です」
「そ・・そうかね・・・」
これまたかなりの分量の書類に思わずロイの表情はぎこちないものに変わる。
 「大佐・・終わった書類はどちらですか?担当部署の方へ回さないといけませんので」
「あ・・あぁ・・こっちだ・・・・」
恐る恐る顔色を伺うようにしてロイは決裁が済んだ書類を指し示す。
 「なんですか、これは?」
ロイが指差した書類を見やると、ホークアイの表情がさらに険しくなる。
「決裁が・・済んだ・・書類・・だよ・・」
今にも冷や汗ダラダラといった感じでロイは答える。
「それはわかってます。何ですか、この量は?終わらせて下さいと言っておいた量の三分の一も終わってないようですが?」
「いや・・その・・」
ロイはますます慌てだす。
何とか言い訳しないと中尉の雷が落ちる。
そう思っていると、あにはからんや、ホークアイ中尉は愛用の拳銃をゆっくりと取り出し始めた。
 「待った!待ちたまえ!ちゃんと仕事はする!だから落ち着きたまえ!」
「きちんと仕事をするのは当たり前ですよ。晴れの日も無能になりたいんですか?」
ニコリと、だが恐ろしい笑みを浮かべてホークアイはそう言う。
「わ、悪かった!ちゃんとデートの時間は取る!」
「デート?何をおっしゃっているんですか?」
一瞬、表情が変わりかけるが、すぐに表情を戻して尋ねる。
「だからデート出来なくなって怒っているんだろう?私が悪かった!!」
「何を寝言おっしゃっているんですか?どうやら少し頭を冷やさせて差し上げた方がいいみたいですね」
そういうとホークアイは拳銃を向ける。
直後、銃声と必死に謝り説得するロイの声が響き渡った。


 (私と・・・したことが・・・)
ホークアイは思わず落ち込んでしまう。
カッとなってマスタング大佐に対してありったけ発砲してしまったのだ。
 (本当に・・大人げないわ・・・デート出来なくて・・・それで不機嫌になったりあんなことするだなんて)
自分の行動を振り返ると、ホークアイ中尉は顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなる。
実は前々からロイとのデートの約束をしていたのだ。
ところが、最近やたら処理しなければいけない案件が増えてしまい、それで延び延びになっているのだ。
まぁ、それについては仕方がないと思ってまだ我慢できる。
だが、ロイがいつものように書類を溜めこんでしまうものだから、それでますますデート出来なくなってしまう。
それでロイの怠け癖に苛立ってしまい、先ほど図星を刺されたことに思わずカッとなってしまったのだ。
 (本当に・・情けないわ・・)
自分の大人げない行動や感情にホークアイは情けなくなってしまう。
(でも・・そもそも大佐が悪いんじゃないの。約束しておきながら仕事サボるんだから)
しかし、ロイに対する怒りや不満がそう囁く。
(何を言っているの!だからって不機嫌になったり、あんなことするのはよくないでしょう?)
(取り繕うのはやめたら?大佐がデートしてくれない、構ってくれないのが許せないんでしょう?正直になったら)
(そんな恥ずかしいこと・・)
(何よ、恋人同士なら別にいいじゃない)
理性と本音が互いに激しくホークアイ中尉の心中でぶつかり合い、激論を繰り広げる。
おかげでホークアイ中尉は苛立ちがさらに募ってしまう。
 ホークアイ中尉がイライラを募らせている中、ふと部下達が帰りの支度をしている。
時計を見ると昼間の勤務シフトの者は終わりの時刻だった。
帰ろうとしている部下達の会話に耳を傾けると、行きつけの店で一杯やっていこうとかそんなたわいもない話題が聞こえてくる。
(そうだわ・・・)
不意にホークアイ中尉にある考えが浮かんだ。
同時に他の同僚と同じように帰り支度をしていたフュリー曹長を見つける。
 「フュリー曹長!」
「な、何ですかホークアイ中尉?」
突然呼び止められた上、相当の剣幕にフュリーは思わず慌ててしまう。
「この後予定はあるの?」
「い・・いえ・・。まっすぐ寮に帰るだけですけど・・」
「なら私に付き合いなさい」
「え・・でも・・」
思わず断りそうになるが、ジロリと睨みつけられ、何も言えなくなってしまい、やむなく頷かざるを得なかった。


 「全く・・・晴れの日まで無能で・・本当に困るわよ!!」
ホークアイはビールのジョッキを傾けるとグイグイと飲みほしてしまう。
(うわぁ・・・かなり・・荒れてるよ・・)
普段とは全然違った上司の様子に思わずフュリーはそう呟きそうになる。
「どうしたの?飲んだらどう?」
酒で真っ赤な顔になりながら、ホークアイはフュリーにそう言う。
「え・・でも・・僕あんまりお酒は・・・」
「つべこべ言うんじゃないの。それとも・・私の酒が飲めないわけ?」
ホークアイ中尉は新しく注いだグラスを突き出しながらフュリーにそう言う。
(うわぁぁ~~~。酔っぱらってる上に絡み酒~~~!!誰か助けて・・・)
心底からそう思うが、あいにくフュリー曹長の味方になってくれるものは誰もいない。
やむなく受け取ると、必死で飲み干す。
 「う・・ううっぷ・・・・」
やっとのことで飲み干すが、身体には辛いのだろう、すぐに赤くなってしまう。
「なかなかいい飲みっぷりね」
「そ・・そう・・ですか・・・」
「もう一杯飲みなさい」
「え・・でも・・もぅ・・・」
「断る気?」
酒が入っているせいか、ホークアイは今にも怒りそうな表情になる。
「す・・すみません・・でも・・もぅ・・」
限界ですと言おうとしたところで、いきなりホークアイに片手を掴まれて引き倒される。
気付いた時にはホークアイの膝の上に載せられていた。
 パンッ!パンパンパンッ!
甲高い音と共にホークアイはフュリーのお尻に平手を振り下ろす。
「わっ!痛っ!痛いですってばホークアイ中尉!!」
「飲むまで叩くわよ。さぁ、どうするの?」
(ひぃぃ~~っ!!完全に出来あがっちゃってる・・・・)
フュリーはお尻に痛みを覚えながらそう呟く。
今のホークアイならやりかねないだろう。
「飲みますっ!飲みますからお尻叩かないで下さい~~!!お願いします~~!!」
フュリーは必死に叫ぶ。
「わかればいいのよ。さぁ、飲みなさい」
ようやく許してもらって膝から解放されるなり、フュリーはジョッキを突き出される。
覚悟を決めてフュリーはジョッキを受け取った。


 軍付属病院の入院棟。
その廊下を慌ただしい様子で進んでゆくマスタング大佐の姿があった。
目当ての病室を見つけるなり、矢玉のような勢いで飛びこむ。
 病室内のベッドでは、フュリー曹長が眠っている。
その傍らでは、ホークアイ中尉が暗い表情をしていた。
「あ・・・大佐・・・」
「ホークアイ中尉、フュリー曹長が急性アルコール中毒で倒れたと聞いたのだが・・・本当かね?」
「は・・はぃ・・・」
「それで病状は?」
フュリーの様子を見ていた医師の方を振り向き、ロイは尋ねる。
「大丈夫です、もう峠は越しましたから。数日入院して安静にしていれば大丈夫ですよ」
「そうですか・・。それはよかった・・・」
ロイはホッとする一方、ホークアイ中尉の方へ厳しい目を向ける。
「しばらくしたら司令部に戻るからついてきたまえ。話がある」
「は・・はぃ・・」


 司令部の執務室に戻って来るなり、ロイは病院で見せたのよりももっと厳しい表情を浮かべる。
「ホークアイ中尉・・・一体どうしてこんなことになったのかね?事情を聞かせてもらおうかね?」
「は・・はい・・。全て・・・私の・・せいです・・」
「どういうことかね?」
「はい・・。最近・・どうにも・・イライラして・・たまらなかったんです・・。それでヤケになって・・。それで・・一人で飲むのもアレだと思いまして、ついフュリー曹長を突き合わせた上に・・酒の勢いで無理やり飲ませてしまったんです・・」
「なるほど・・他人を巻き込んでヤケ酒の挙句に・・フュリー曹長を危うい目に・・。君ともあろう者が本当に何をやっているのかね!」
さすがにロイもとんでもない理由に怒りをあらわにする。
「も、申し訳ありません!!」
今さらながらとんでもないことをしてしまったことにホークアイはひたすら恐縮して謝る。
 「こんなことをした以上・・わかっているね?」
ロイは椅子に座ると、膝を指し示す。
既に覚悟を決めているからか、ホークアイは黙って頷くと大人しく膝にうつ伏せになる。
「いい覚悟だ・・だが、手加減はしないぞ」
ロイはそういうとホークアイ中尉のズボンを降ろす。
女性らしい、丸みを帯びた形のよいお尻があらわになると同時に、ホークアイは顔を赤らめ、ロイのズボンを裾を掴む両手をギュッと握りしめる。
右手に丹念に息を吐きかけた後、ロイはゆっくりと手を振り上げた。


 バッチィンンッッ!!
「く・・・!!」
最初から容赦のない平手打ちに、思わずホークアイは苦痛の声を漏らす。
バッシィンッ!ビッダァンッ!バッアァンッ!バッジィンッ!
「・・ぅ・・く・・・・ぁ・・っ・・・」
堪えようとするも、本気で叩いているせいか、無意識に苦痛の声が漏れてしまう。
 「全く・・!君ともあろう者が何てことをしたのかね!」
さすがに事態が事態だけにロイも呆れと怒りが混じった声でお説教を始める。
バシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!バッジィ~ンッ!
「・・・ぅ・・ぁ・・く・・・ぁ・・・」
ビッダァ~ンッ!バッジィ~ンッ!バッアァ~ンッ!ビバッジィ~ンッ!
「イライラしてるからと・・フュリー曹長を無理やり連れて・・・ヤケ酒・・」
ビッダァ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バッアァ~ンッ!バッジィ~ンッ!
「くぅ・・あっ・・あくぅ・・ひっ・・」
最初からフルスロットル状態で叩いているせいか、あっという間にホークアイ中尉のお尻は赤く染まってゆく。
 「も・・申し訳・・ありません・・くっ・・!ひっ・・!」
平手が叩きつけられるたびにホークアイは身体をこわばらせ、苦しげな表情を浮かべる。
「しかも・・無理やり酒を飲ませて・・・それも・・急性アルコール中毒で倒れるまで飲ませるなど!!」
ビッダァ~~~ンンンッッ!!バッアァァ~~~~ンンンッッッ!!!
「ひっ・・!!も・・申し訳ありませんっ!!ゆ・・許して・・下さいっ!!」
「謝るのは当たり前だろう!今日は本当に怒ってるからな!」
ロイは叫ぶように言うと、容赦なくホークアイ中尉のお尻に平手を降らせ続けた。


 「ひ・・ひっぐ・・ひ・・・」
目尻に涙を浮かべてホークアイ中尉はしゃくり上げそうになる。
お尻は今や痛々しいくらいに濃厚なワインレッドに染め上がっている。
 「ほ・・本当に・・申し訳ありません・・も・・もう・・許して・・下さい・・」
泣きながらホークアイ中尉は謝る。
ロイも本気でお仕置きしたせいか、両肩を上下させて荒い息を吐く。
「反省したかね?」
「し・・して・・います・・・本当に・・申し訳・・ありませんでした・・」
「では・・そもそも・・何だってヤケ酒などしたのかね・・君ともあろうものが・・」
「そ・・それは・・」
思わずホークアイ中尉は言葉に詰まってしまう。
まさかデートしてもらえなくてイライラした挙句にやりましたなどと言えないからだ。
幾ら恋人同士でもそんなこと言ったら絶対に呆れられてしまう。
 「どうしたのかね?まさか言えないような訳なのかね?」
「いえ・・その・・」
「だったら言えるだろう?早くいいたまえ」
ロイはそう促すも、さすがに恥ずかしくて言えない。
「そうか・・では・・仕方ないな・・・」
ロイはそういったかと思うと、いきなりホークアイ中尉を抱え上げる。
あれよあれよという間に机にうつ伏せにしてお尻を突き出させたかと思うと、引き出しから金属製の定規を取りだした。
 (ま・・まさか・・・)
ホークアイ中尉の想像を裏付けるかのようにロイは定規を手にしたかと思うと、思いっきり振り下ろす。
バッジィィ~~~~~~ンンンンッッッッ!!!
「きゃあああっっっっ!!!!」
散々お仕置きされたお尻には過酷すぎる痛みが駆け抜け、思わずホークアイ中尉は悲鳴を上げる。
「どうしても言わないつもりなら・・これでもっとお仕置きするが?さぁ、どうするかね?」
「わ・・わかりました・・。い・・言います・・・言いますから・・・」


 「何だ、そういうわけだったのかね」
「何だじゃありません。本当に・・恥ずかしかったんですからね」
ロイが笑う一方、ホークアイは拗ねたような表情を浮かべる。
 「それにしてもデートしてもらえなくてヤケ酒、そのことが恥ずかしくて言えないだなんて、君も可愛いところがあるのだね」
「もぅ・・からかわないで下さい・・」
「悪かった。それに・・私もすまなかった。君に寂しい思いさせてしまったな」
ロイはそう言うとホークアイを抱きよせながら口づけをかわそうとする。
「あ・・大佐・・」
「こら。二人きりのときはロイと呼べと言っただろう?」
「はい・・ロイ・・・」
二人は見ている者がいたら熱気に当てられてしまうのではというくらい濃厚なキスを交わした。


 それから数日後・・・・。
「フュリー曹長、大丈夫?」
ホークアイ中尉は外回りに行こうとするフュリーに声をかける。
「あ、ホークアイ中尉、もう大丈夫です」
「そう、よかった。ごめんなさいね、私のワガママで大変な目に合わせちゃったりして」
「いいえ。もう大丈夫ですから」
「そう、元気になったみたいでよかったわ。そうそう。これ、お詫びと退院祝いよ」
そういうとホークアイ中尉は立派なメロンの入った袋を渡す。
「わぁ、ありがとうございます」
「エドワード君達と一緒に食べるといいと思うわ。そろそろ帰って来る頃だと思うから」
「そうですね。あ!早くいかないと!ハボック少尉待たせちゃったら悪いですから」
そういうと慌ただしくフュリー曹長は去ってゆく。
その姿を見て本当に大丈夫だと確信すると、ホークアイはその場を後にした。


 ―完―
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