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マフミ神父の日常



 アメリカ、ユタ州の州都ソルトレイクシティ。
冬季オリンピックの開催地、スキーリゾートの中心地として知られる都市だ。
その市内の一角に、ミフネストリートと呼ばれる通りがあった。
 ミフネストリートの名は戦後日本が誇る世界的名優、三船敏郎(みふねとしろう)にちなんで名づけられている。
ソルトレイクシティを抱えるユタ州はアメリカ国内でも日系人の比率が高く、そのためか意外と親日的な土地柄らしい。
実際、太平洋戦争中、日系人の強制収容が行われたが、唯一反対の声をあげたのがユタ州であり、また戦後も多くの日系人を受け入れてきた。
そういった経緯から生まれたのがミフネストリートだった。
 そのミフネストリートの一角に小さな教会がある。
ミフネストリート教会という、非常にシンプルな名前の、その教会の庭を箒で掃除している神父がいた。
 神父は24、5歳くらい、青い目に薄めの緑色の髪を左側で編んで垂らしている。
整った、だが綺麗というよりも愛らしい感じの面立ちで、ほっそりした身体に藍色の神父服と白い肩覆いを着ていた。
この教会を預かっているマフミ神父だ。
名前から想像出来るように、地元ソルトレイク出身の日系人で、神学校を出て地元の教会で神父をしていた。
 「マーフーミー神父~~」
マフミが箒を動かしていると、誰かが声をかけてくる。
声を上げると数人の若い男達がやって来る。
ピアスやシルバーアクセサリー、染めた髪といった、いかにも今どきの若者といった連中だ。
「あれ?皆さんどうしたんですか?」
マフミはニコリと笑みを浮かべて尋ねる。
 「へへへ、ちょっと近く寄ったんで尋ねてみたんでさぁ。ところで・・」
若者達は互いに顔を見合わせると、ニヤニヤ笑みを浮かべる。
何か企んでいるような感じだったが、マフミは気付いていないのか、のほほんとした感じのままだった。
「俺達とイイことして遊ばない?」
「え?イイことって何ですか?」
「ナ・イ・ショ。でも、すんげぇイイことなんだぜ~~。さ、早く早く~~」
そういって若者の一人が全くわかっていないマフミの手を掴んでどこかへ連れて行こうとしたときだった。
 突然、背後から誰かが抱きしめたかと思うと、マフミ神父をかっさらうように引き寄せる。
思わず何だと思った若者達がマフミの背後を見るや、誰かががっしりとマフミを抱えるようにして立っている。
 現れたのはマフミと同じデザインの神父服を着ている青年。
茶色の髪と瞳の持ち主で端整な、だがマフミとは対照的にどこか男らしい風貌の持ち主。
すらりとした身体つきだが、マフミをかっさらった動きからは運動神経がよくてしかも結構鍛えているのが想像できた。
 「ちょ・・・、何するんだアルフィーっ」
思わずマフミは自分をかっさらうように抱きしめたもう一人の神父に抗議するような口調で言う。
青年の名はアルフィー。
マフミの神学校時代の後輩で、一緒にこの教会で神父をやっていた。
「バカかお前はーっ!!こっち来い!!」
「え・・でも・・・」
マフミは誘いに来た若者達の方を振り向くが、アルフィーは問答無用で引っ立てて行ってしまった。


 マフミは寝室に連れてこられるや、正座させられ、怒っているアルフィー神父にガミガミとお説教されていた。
「いいか!わかったな!」
ようやくお説教を終えるや、噛みつかんばかりの勢いでアルフィーは言う。
「あ・・あぁ・・わかった・・」
ようやく、マフミがそう言うと、アルフィーはさらに二言三言言った上でようやく部屋を後にした。
 (全く・・・本当に危機感が無いんだからな・・・)
廊下を歩きながらアルフィーはそう呟く。
さっきの連中はマフミに口では言えないことをしようとして来たのだ。
マフミは天然で他人を疑うことを知らない子供のようなところがある。
だから誘われたりするとそのままホイホイとついていってしまうような危険があった。
 (ったく・・神学校の頃から全然変わってねえんだから・・見ていてヒヤヒヤするっての)
そう呟きながらアルフィーは神学校で出合った頃のことを思い出す。
神学校に入りたての頃、よくドジを踏んだり、或いはその可愛らしさが原因で変な誘いを受けそうになっている先輩を見かけるようになった。
それがマフミで、何度か見かけるうちにだんだん放っておけなくなってしまい、世話を焼くようになり、それで今に至っているというわけだった。
 (気迫に圧されてつい「わかった」といってしまったけど・・・何を怒ってたんだろう・・)
一方、マフミは先ほどのアルフィーの行動が不思議でならなかった。
若者達が自分に対して企んでいたことに全く気付いていなかったからだ。
だからアルフィーがあんなに怒ったりしていた理由もわからないのである。
(まあいいか・・・それより・・長椅子の掃除でもしないと・・・)
沸きかけていた疑問を振り払うと、マフミは掃除をしようと礼拝堂の方へ向かった。


 「あれ・・・?」
礼拝堂で長椅子を掃除していたマフミは、脇の壁の窪みに飾っている聖像の位置がどこかおかしいことに気づく。
(直した方がいいよね・・・。でも・・あそこだと脚立が必要だな・・確か・・物置にあったはず・・・)
そう考えると、マフミは物置へ脚立を取りに行く。
 「あったあった・・これだ」
そういうとマフミは脚立を引っ張りだす。
だが、その脚立は汚れていて、しかも何だか傷んでいるようにも見えた。
「ちょっと汚れてるけど・・いいか・・」
だが、そういうとマフミは脚立をそのまま引っ張り出して持って行ってしまった。
 「あれ・・?おかしいな・・」
それからしばらく経った頃、物置に来たアルフィーは妙な顔を浮かべていた。
(おかしい・・あのボロ脚立が無い・・)
備品の帳簿と睨めっこしながらアルフィーはそう呟く。
何か予感でもしたのか、アルフィーは丁寧にあたりを調べる。
すると、引っ張り出したと思しき跡が見つかった。
 (誰か出して使って・・・)
そう思った時、咄嗟にマフミ神父の顔が思い浮かぶ。
(いや、前にかなり傷んでて危ないから使うなって言っておいたし・・・)
そう思うが、同時に別の考えが浮かぶ。
(でもあいつそう言ったのを忘れて使って怪我しかけることもあったよな・・)
それを思い出すといてもたってもいられなくなってしまい、本能的にマフミの姿を探し始めた。
 しばらくして礼拝堂にやって来ると、あろうことかオンボロ脚立の上にマフミが立っているではないか。
「おぃ!何してんだよ!!」
思わずアルフィーは声をかける。
「ん?像の位置がおかしいから直してるだけだけど?」
「じゃねえ!脚立だ脚立!!」
「え?脚立がどうか・・うわあっっ!!」
突然脚立が傾いだかと思うと、中ほどからボキッとへし折れてしまう。
慌てて駆け出すや、アルフィーはすかさず落下地点に先回りした。
 「うわ・・あれ?」
床に落ちるや、マフミは何だか柔らかくて固い、床とは全然違う感触を覚える。
何だと思って下を見てみると、お尻の下にアルフィーが下敷きになっているのが見えた。
 「うわっ!!だだ大丈夫か!?」
慌ててマフミは立ち上がって尋ねる。
クッション代わりになってくれたことに気付いたのだ。
 「な・・何とかな・・・。それより・・・この・・バカがーっっっ!!!」
立ち上がるなり、アルフィーは思い切り怒鳴りつける。
「このバカっ!あの脚立はボロっちくなってて危ないから絶対使うなって言っておいただろーが!!」
「そ・・そうだったか?」
「そうだったかじゃねえ!!お前、俺が下敷きになんなかったらどうなってたかわかってんのか!?」
「ご・・ごめん・・」
「ごめんじゃねえだろ。ったく・・・わかってんな?」
アルフィーは近くの長椅子に座ると、ポンポンと軽く膝を叩く。
それを見ると、マフミの表情が嫌そうなものに変わる。
 「何そんな顔してんだよ?」
「だって・・痛いじゃないか」
「お仕置きなんだから痛いのは当たり前だろうが!悪かったと思ってんならさっさと来い!」
「わ・・わかったよ・・・」
アルフィーに叱られ、マフミはおずおずとやって来ると、アルフィーの膝の上にうつ伏せになる。
マフミがうつ伏せになると、アルフィーは慣れた手つきで上着を捲りあげ、ズボンを降ろしてお尻をあらわにする。
(うぅ・・・何回・・されても・・恥ずかしいなぁ・・)
お尻がさらされるや、恥ずかしさにマフミは顔を赤らめる。
神学校時代以来、何かと面倒見てくれているアルフィーだったが、マフミが危険なことをしたりすると凄く怒り、そのたびにお尻を叩かれてお仕置きされているのだ。
 「じゃあ行くぞ?いいな?」
アルフィーがそう尋ねると、覚悟を決めてマフミはゆっくり頷く。
同時にアルフィーの上着の裾を両手でしっかりと握りしめ、お尻にキュッと力を入れる。
アルフィーは先輩神父の身体を右手で押さえると、ゆっくりと左手を振り上げた。


 パシィンッ!
「あ・・・!」
甲高い音と共に痛みがお尻の表面で弾け、思わずマフミの口から声が漏れる。
パンッ!パチィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
立て続けに弾けるような音が響き渡り、マフミの白いお尻に赤い手形が次々と浮かび上がる。
 「ったくっ!バカかお前はっ!」
パンパンとお尻を叩きながらアルフィーはお説教を始める。
パシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パアチィンッ!
「・・ぅ・・・ぁ・・・ぅ・・っ・・・」
マフミはかすかに表情を歪め、呻き声を漏らしながらアルフィーの裾を握る両手に力を込める。
 ピシャアンッ!パッチィンッ!パアアンッ!パアシィンッ!
「あの脚立はボロッちくなってるから使うなって言っておいただろーが!!」
ピシャアンッ!パアアンッ!パシィンッ!パアチィンッ!
「う・・く・・・あ・・く・・・」
叩かれているうちにお尻全体が染まりだし、同時にマフミの表情もより苦しそうなものへと変わってゆく。
「それを何だって引っ張り出すんだよ!このバカっ!!」
パッシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パッアア~ンッ!パッシィ~ンッ!
「くっ・・!あっ!アルフィーっ!ま・・待って・・!痛っっ!!」
叩く勢いが増してより痛くなったせいか、マフミは思わず懇願する。
 「痛いのは当たり前だろーが!お仕置きなんだから!!」
強めに平手を叩きつけながらアルフィーはそういう。
「で・・でも・・痛すぎるってば・・アルフィー・・もう少し・・優しく・・」
「このバカッッ!!」
バッチィィ~~ンンンッッッ!!!
状況をきちんと理解しているようには見えないマフミの態度に思わずアルフィーは思いっきりお尻を引っぱたいた。
 「い・・痛ああいっっ!!何するんだっ!アルフィーっ!!」
思わずマフミは叫んでしまう。
アルフィーは一旦手を止めると、何度か深呼吸をして自分を落ち着かせる。
そして、おもむろに尋ねた。
 「マフミ・・・お前・・自分が何をされてるか・・わかってるのか?」
「ええと・・お・・お仕置き・・」
「そうだ。で・・俺がお前をお仕置きするのはどんなときだ?」
「えと・・私が・・アルフィーの言いつけを守らなかったとき・・・」
「そうだ。そういうときは誰が悪い?」
「わ・・私だ・・」
「そうだ。お前が悪いから尻叩かれてるんだろ?それなのに、もっと優しくしろとか言える立場かよ?」
「そうだったな・・悪かった・・」
「わかったんなら・・・痛くても・・ちゃんと受けられるよな?」
「あ・・あぁ・・」
マフミが頷くと、アルフィーは言う。
「んじゃ、仕切り直しだ。行くぞ」
そういうと、アルフィーは再び左手を振り下ろした。


 バッチィ~~ンッッッ!!!
バンッ!バンッ!バンバンッ!バチンッ!バアアンッ!
「く・・うっ・・くぅぅ・・あくぅ・・・」
本気になったアルフィーの平手打ちにマフミの苦痛はさらに増す。
(い・・痛いけど・・でも・・悪いのは・・・私だし・・。我慢・・しなきゃ・・)
基本素直な性格なせいか、マフミはそう考えると必死に耐えようとする。
バッシィ~~ンッッ!!
バシッ!バンバンッ!バッチィンッ!バッアァ~ンッ!
「ったくっ!あの脚立はボロッちくなってるから絶対使うなって言っておいただろうが!」
お仕置きを再開すると再びアルフィーはお説教を始める。
ビッダァ~ンッ!!
バンバンバンッ!バンバンバチンッ!バアアアンッッ!!
「ひっ・・!きゃひぃんっ!ひゃっ!ああっ!」
さすがに耐えきれなくなったのだろう、悲鳴を上げたかと思うと、マフミは両脚をバタつかせ始めた。
 「それを何だって引っ張り出すんだよっ!しかもへし折れたしっ!」
「ひ・・だって・・・忘れてたんだっ・・・」
「一度聞いたら忘れるなっ!俺がいなきゃ床に頭ぶつけてエライことになってたかもしれないんだぞっ!!」
「ごめんっ!アルフィーっ!私が悪かったから~~!!」
「謝るのは当たり前だっ!もうこんなことしないようにキツくお仕置きしてやる!!」
アルフィーはそういうとさらに思い切り叩きだす。
マフミは両脚をバタつかせながら必死に謝る。
激しく平手を叩きつける音と、マフミの悲鳴が入り混じって礼拝堂に響き渡った。


 「くぅ・・ひぃう・・あぅ・・あふくぅぅ・・・」
マフミは両肩を大きく上下させ、荒い息を吐く。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がっていた。
 「反省したかよ?」
アルフィーは一旦お尻を叩く手を止めて尋ねる。
「し・・してる・・・。言いつけ・・忘れて・・すまな・・かった・・。ごめん・・」
「わかったみたいならいいけどな。でも、二度とするなよ?」
「わかっ・・た・・・」
「よし・・なら・・終わりだ・・・」
そういうと、ようやくアルフィーはお尻を叩く手を降ろした。


 「おい、大丈夫か?」
ベッドの上でうつ伏せになっているマフミのお尻に薬を塗ってやりながらアルフィーは尋ねる。
「大丈夫・・だ・・」
「全く・・いつもいつも世話焼かせやがって」
「すまないな。でも心配してくれてありがとう、アルフィー」
「ば、バカ言うな!別にお前のことなんか心配してねーよ!!」
アルフィーはそういうとプイッと顔をそむけてしまう。
 (何か変なことでも言ったかな?)
アルフィーの素振りに思わずマフミはそんなことを考えてしまう。
(そうだ・・)
不意にマフミはあることを思いつく。
直後、身体を突然起こしたかと思うと、アルフィーに抱きつき、額にキスをした。
 「のわわっ!おま・・!いきなり何すんだよ!!」
突然、キスされて思わずアルフィーは慌ててしまう。
「え?手当てしてくれるお礼のつもりだったんだが。何かおかしかったか?」
(おかしいって・・普通お礼にキスなんかしねーだろ!!)
そう突っ込みたかったが、怪訝な表情を浮かべているマフミに何にも言えなくなってしまう。
「イヤ・・・何でもない・・・」
「そうか・・。ならよかった」
マフミは安心したのかニコリと笑みを浮かべる。
(ちょ・・!可愛いじゃねえかよ!って待て!?俺何考えてんだ!!)
マフミの笑顔を見て起こった自身の感情に思わずアルフィーは頭を抱える。
「ど、どうしたんだ?」
「な・・何でもねえ!!」
「え?でも・・」
「何でもねーって!!」
そういうなりアルフィーは部屋を飛び出してしまう。
「何なんだ・・一体・・?」
全くわけがわからず、怪訝な表情を浮かべているマフミが一人、部屋に取り残されていた。


 ―完―
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