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レオンの大作戦(SO2より:クロ/レオ、悪魔ルシ&神父アシュパロ、BL要素あり)



(SO2を題材にした二次創作で、ルシアシュ悪魔&神父パロものです。BL要素もありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 グツグツ・・・・グツグツグツ・・・。
実験室の中、フラスコの中身が煮えていた。
「もっと・・!もっと強く・・!!」
そう呟きながらレオンは調合用の乳棒を動かしてすり潰す。
やがてすり潰した材料を混ぜ合わせると、無色透明な薬品が出来た。
「やった!出来た~~~~!!!」
目当ての品が完成したことに、レオンは心の底から大喜びする。
 「これで・・・あの・・・虐待魔を・・・」
レオンは厚かましくもアシュトンと同居している、憎っくき恋敵の顔を思い浮かべる。
(これさえあれば・・もうあいつにお兄ちゃんをいじめさせないぞ!!)
レオンはそう心の中で叫びながら、今日のことを思い返していた。


 「お兄ちゃ~ん?アシュトンお兄ちゃ~ん?本、返しに来たよ~」
レオンは本を抱えたまま、アシュトンの姿を求めて呼びかける。
教会でレオンが読む本は普通は学者が読むような難しいものばかり。
一日では読み切れず、アシュトンに貸してもらうことも当たり前だった。
先日も一冊本を借りたため、返しに来たのである。
 「あれ~?おかしいな~?いつもいる時間のはずなんだけどな~?」
訝しげに思いながらレオンは教会内を探し回る。
今の時間帯は基本、アシュトンは教会内にいるはずなのだ。
呼びかければいつもなら出てくる。
しかし、今日は出てこなかった。
 探しているうちにレオンはどこからともなく、悲鳴と何かを叩くような音が聞こえてくることに気付いた。
(これ・・・!?)
音の正体に気づくや、レオンは急いで音の聞こえる方へ走りだす。
やがてアシュトンの寝室にたどり着くや、乱暴にドアを突き飛ばすようにして中へ飛び込んだ。
 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい~~~~!!!!」
ルシフェルの膝の上で両脚を激しくバタつかせ、必死になってアシュトンは謝る。
散々お仕置きされたのだろう、お尻は既に真っ赤だった。
 「馬鹿者がぁぁぁ!!!あの梯子は傷んでいるから使うなと言っておいただろうが!!それを・・・・」
「だって像が傷んでたから~~~!!直そうと思ったんだよ~~!!」
「それで梯子が折れて落ちるところだったではないか~~~~!!!!」
ルシフェルは怒り全開でアシュトンのお尻を叩く。
物置の整理をしていて傷んだ梯子を見つけ、絶対に使うなと言っておいたにも関わらず、アシュトンがそれを持ちだして堂内の壁の高いところにある聖像を取ろうとして梯子が壊れ、真っ逆さまに落ちそうになり、危うくルシフェルが受け止めたという経緯から、言いつけを破ったお仕置きをしているところだった。
 「こら~~~~!!!何やってんのさ~~~~!!!!!」
アシュトンのお仕置きを目の前にレオンは怒りの声を上げる。
「邪魔をするな小僧!!」
「何言ってるのさ!!またお兄ちゃんいじめたな!!ブラックセイバー!!!」
レオンは呪文を唱えるや、ルシフェルめがけて漆黒の衝撃波を撃ちだす。
 「貴様~~~~!!!」
攻撃をされてルシフェルも今にも呪文を撃ちだそうとする。
「ちょ!ちょっと二人ともやめてってば!!」
慌ててアシュトンは二人を止めに入る。
「邪魔しないでよお兄ちゃん!こんなやつやっつけてやるんだから!!」
「そうだ!!今日こそ決着をつけてやるのだ!!」
「だからやめてってば~~~~~!!!!」
アシュトンは必死になって二人を説得する。
必死なアシュトンに已む無く二人は引いたものの、それでもルシフェルへの怒りは収まらなかった。
 (あの悪魔~~~!!ずうずうしくもお兄ちゃんと同居した上にお兄ちゃんのこといつもいじめて~~~~!!!!絶対に許さないんだから!!)
レオンにしてみれば、ルシフェルの行為はいじめとしか思えない。
アシュトンを『お嫁さん』にすると心に決めているレオンにとっては、アシュトンをいじめる者は絶対に許せない存在だ。
それが、恋敵でもあればなおさらである。
だからレオンはルシフェル撃滅作戦を実行することを決めた。
そのために必要なのが、先ほど作った薬だった。
(待っててねお兄ちゃん!僕が絶対助けだしてあげるからね!!)
薬を手にしたまま、レオンは心の中でそう叫んだ。


 その次の日・・・。
「皆~~~、飲んでるか~~~!!??」
すっかりへべれけになったボーマンがほろ酔い加減でそう言う。
「ボーマンさん、飲み過ぎじゃないですか?」
「何言ってんだ!おい、クロードも飲め飲め!!」
「ちょ、待って下さいよ。僕未成年・・・」
「今日ぐらいどうってことないだろ。ホレホレ」
ボーマンはそう言ってクロードに強引に酒を進める。
 「アシュトンお兄ちゃん~~。とうもろこし取って~~~」
「いいよ、これでいい?」
アシュトンはそういうと、金網の上からよく焼けたとうもろこしを取ってやる。
ブロックで造った囲みに載せた金網の上では、肉や野菜がおいしそうに焼けており、皆で金網を囲んでバーベキューの真っ最中だった。
 「あれ?どうしたの、ルシフェル?すっごい怖い顔して?」
アシュトンは向かいに座っているルシフェルにそう尋ねる。
「どうしたのだと?決まっているだろう。おい、小僧!何様のつもりだ!ずうずうしくもアシュトンの膝に座りおって!!」
ルシフェルは目の前のレオンを指差しながら叫ぶように言う。
レオンはアシュトンの膝にどっかりと座りこみ、食事しながらアシュトンに甘えたりおねだりしていた。
 「別に子供なんだからそれくらいいいじゃない」
アシュトンがそういうと、ルシフェルはキッと睨みつける。
「よくないわ!そもそもこいつらなんぞとバーベキューというだけでも気に食わんというのに・・・・」
ルシフェルは不機嫌極まりない表情で言う。
本当はバーベキュー自体させたくもないのだが、アシュトンの必死のお願いに負けてしまい、とはいえルシフェル曰くケダモノどもの中にアシュトンを放り出したくは無いので、ケダモノににらみを利かせるべくルシフェルもいるというわけである。
「うわあ~んっ!お兄ちゃん~!虐待魔がいじめる~~~!!」
ルシフェルが睨みつけるや、すかさずレオンはアシュトンに抱きついて甘える。
「こらっ!貴様っ!アシュトンに甘えるなッ!!」
「ルシフェル、こんな小さい子いじめなくてもいいじゃないか」
「あ・・アシュトン・・・」
アシュトンにそんなことを言われ、さすがにルシフェルも引っ込まずにはいられなくなる。
 「ねええ~~。お兄ちゃん~~。そろそろお酒もジュースも足りなくなってきてない?」
周りを見回しながら、レオンはそんなことを尋ねる。
「そうだね。ちょっととってこようか」
「じゃあ僕も手伝う~~」
「ありがとう、レオン」
「じゃあ行こうよ。虐待魔は放っておいてさ~~」
レオンはルシフェルの方をこっそり向くとしてやったりという笑みを見せつける。
ルシフェルはレオンの挑発にキレそうになるが、アシュトンが見ていることを思い出し、辛うじて堪える。
(小僧~~~~!!!私の目の前でベタベタ甘えおってからに~~~!!いつか痛い目見せてくれるわ~~~~~!!!!)
ルシフェルは悔しさに身をブルブルと震わせつつ、レオンとアシュトンの後ろ姿を見送っていた。


 「よし・・・・これで・・・」
レオンはルシフェル用のカップの中に、さっと無色透明で無臭の液体を流し込む。
(これさえあれば・・・文字通りイチコロだよ。ざまーみろだよ、虐待魔め!)
レオンはニヤリと悪人チックな笑みを浮かべる。
入れたのは昨日調合で造った薬。
正体は毒薬、それも相当強力なやつだ。
(お兄ちゃんをいじめるやつは毒にでも当たっちゃえ!!)
そんなことを心の中で呟いていると、アシュトンが入って来た。
 「レオン~、用意できた~?」
「出来たよ~。これでいい?」
レオンはすかさず無邪気な笑みを浮かべると、アシュトンに返事をする。
「じゃあ持って行こうか」
「うん」
そういうとアシュトンはお盆を持ってレオンと一緒に戻っていった。
 (後は・・・虐待魔が・・・)
レオンは再びバーベキュー会場に戻ると、酒・ドリンクが皆に配られるのをジッと見届ける。
(え・・?)
だが、そこであることに気がついた。
ルシフェルのところに置かれたカップ、自分が毒薬を盛ったものと非常に似ているが、デザインが微妙に違うものだったのだ。
(え!?あいつのじゃないの!?じゃあ、誰の・・・)
その疑問がすぐに解決される。
何と、レオンのジュース用カップと一緒に目の前に毒入りカップが置かれたのだ。
 (ちょっと!どうして僕の前!まさか!?)
その懸念はアシュトンの手が毒入りカップを取り上げたことで現実のものとなる。
(嘘~~~~~!!!!似てるから・・・間違えてお兄ちゃんのに盛っちゃったの~~~~~~~~~!!!!!)
最悪の事態にレオンは顔から血の気が引く。
止めなくてはと思ったまさにその瞬間、アシュトンはカップを仰いでしまっていた。
 「あ・・あれ?」
違和感を感じるや否や、アシュトンは全身が緑色になってしまい、そのまま倒れてしまった。
「なああああっ!アシュトン!?」
ルシフェルは声を上げるや、すぐにも駆け寄る。
「何だ!どうしたんだ!!」
「こいつは毒だ!?」
「毒!?誰がそんな・・・」
「そんなことはいい!!おい!調合用の道具と原料だ!!どこにある!!」


 (どどど、どうしよ~~~~~!!!!)
その場から思わず逃げ出してきたレオンはすっかりパニック状態になってしまっていた。
(お兄ちゃんが・・・・死んじゃったら・・・)
最悪の可能性にレオンは背筋が寒くなる。
 「レオン、レオン」
不意に背後から呼びかけられ、ハッとしてレオンは振り向いた。
「クロードお兄ちゃん?どうしたのさ?」
「ちょっといいかい?」
「僕はいいけど・・アシュトンお兄ちゃんは?」
「ボーマン先生達がついてるよ」
「そ・・そう・・・」
「とりあえず・・・こっちにおいで」
そういうと、クロードは誰もいない部屋へレオンを連れて行った。
 「で・・・話って何なの?クロードお兄ちゃん?」
レオンは恐る恐る尋ねる。
「レオン・・・さっきのこと・・・何か知ってるんだろう?」
「な・・何のこと!?」
いきなり図星を刺され、レオンは慌てる。
 「とぼけても無駄だよ。顔真っ青にしながら逃げ出してきてたじゃないか。何も知らないならそんなことするはずがないだろう?さぁ、何をやったんだい?」
「ご・・ごめんなさぁい・・・。あいつが・・・あの悪魔が・・いつも・・お兄ちゃん・・・いじめるから・・・だから・・・毒薬・・・盛ってやろうって・・・・。でも・・そうしたらカップ・・・間違えちゃって・・・」
「何てことしたんだ!!」
想像を超えた内容に思わずクロードは声を絶句する。
 「だ・・だって~~~~~」
「だってじゃないよ。全く・・・そんな悪い子は・・・・」
クロードがそこまで言いかけると、危険を察知したのか、レオンは逃げの体勢に入る。
 「レオン?どこへ行く気だい?」
「ひ・・・!!お、お兄ちゃん・・怖いよ!?」
クロードから鬼気迫るものを感じ、レオンは震える。
「当り前だよ。レオン、今日したことがどれだけ悪いことかわかってるかい?」
「だ・・だって・・あいつが・・・悪いんだよ!あいつがお兄ちゃんいじめなきゃこんなことしなかったもん!!」
「だからって毒なんか盛っていいことにはならないだろ!!」
クロードはそう言うと、レオンを膝の上に載せる。
 「ひ・・!!やだやだっ!やめてよ~~~~!!!!!」
これからされることに気づくや、レオンは手足をバタつかせて叫ぶが、クロードは構わずズボンを降ろしてお尻を出すと、身体を押さえて右手を振り上げた。


 バッジィィ~~~~ンッッッ!!!!
「い・・・痛ったあああいっっっ!!!」
最初から容赦のない平手打ちに思わずレオンは悲鳴を上げる。
バッジィィ~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッッ!!!!
「うわああ~~~~んっっっ!!!!痛い痛い痛い痛いっ!痛いよ~~~~!!!」
大人のアシュトンでさえ泣き叫ぶのではというくらい強烈な平手打ちの豪雨がレオンの小さなお尻に降り注ぐ。
 バッジィィ~~~ンンン!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!!!
「うわああ~~~んっ!お兄ちゃんっ!やめてよぉぉ~~!!痛いいいい~~~!!!」
「当り前だろっ!お仕置きなんだからっ!何てことしたんだっ!レオンの馬鹿っ!!」
さすがにやったことがやっただけに、クロードは本気で怒る。
 「レオンッ!今日の事はイタズラじゃすまないんだぞ!!犯罪なんだからな!!」
ビッダァァ~~~ンッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッ!!!
「だって・・・だってええ~~~!!あ、あいつが悪いんだよ~~~!!」
レオンはあくまでもルシフェルのせいだと言い張る。
「いい加減にしないか!!例え悪い奴、嫌な奴でも毒盛ったりしていいってことにはならないんだぞ!!」
叱りながらクロードはレオンのお尻に平手の豪雨を降らせてゆく。
あっという間にレオンのお尻は真っ赤に色づいてゆく。
 「しかも・・・・そのせいでアシュトンが死ぬかもしれないことになってるんだぞ!!本当に何考えてるんだ!!」
「まさかあんなことになるなんて思ってなかったんだよ~~~!!!お兄ちゃん許してよ~~~~!!!ごめんなさいごめんなさい~~~!!!」
「何言ってるんだ!レオンがしたことは『ごめんなさい』程度で許されることじゃないんだからな!!!」
バシバシと容赦のない平手打ちをお尻にくれてやりながら、クロードはお説教を続ける。
「今日は本当に怒ってるからな!!幾ら『ごめんなさい』しても許さないからな!!」
「そんな~~~~~!!!!!!」
レオンは絶望の籠った悲鳴を上げる。
その後、少なくとも一時間以上に渡って、レオンの悲鳴・絶叫と激しい平手打ちの音が響き渡った。


 「ふぅえ・・・うぇぇぇん・・・ひっく・・・ふぅええん・・・・」
大きな声でしゃくり上げながらレオンは泣いていた。
お尻は今や倍は腫れ上がり、熟しすぎたリンゴのように真っ赤で、よく揉んだカイロのように熱を発している。
 「レオン・・・少しは反省したかい?」
一旦お尻を叩く手を止めると、クロードは尋ねる。
「してるぅぅ・・。してるよぉぉ・・・。本当に・・・ごめんなさぁぁい・・・」
レオンはボロボロ泣きながら謝る。
 「それじゃあ何が悪かったんだい?言ってごらん?」
「ひっく・・・あ・・あいつに・・毒・・・盛ろうとして・・アシュトン・・・お兄ちゃんに・・・飲ませ・・・ちゃったぁぁ・・・」
「そうだね。でもレオン、もっと大事なことがあるんだよ?」
「え?」
クロードの言葉にレオンは怪訝そうな表情を浮かべる。
「よく考えてごらん」
「え・・えーと・・・」
レオンは必死になって考える。
 「わからないかい?それじゃあもう少しお尻に聞いて・・・」
「ごめんなさいっ!!ごめんなさいごめんなさい~~~!!!ちゃんと反省してるからっ!!もう叩かないで~~~!!!」
まだ叩かれると思ったのだろう、レオンは半ば半狂乱で許しを乞う。
(薬が効きすぎちゃったみたいだな・・・)
レオンの様子にさすがにクロードも反省する。
クロードはレオンを抱き起こして膝に載せると、顔を向かい合わせて口を開いた。
 「いいかい、レオン。レオンがやったことは本当に悪いことだってわかるよね?」
「うん」
「よく考えてごらん。レオンがそんな悪いことして、アシュトンが喜ぶと思うかい?」
「あ・・・・」
クロードの言葉にようやくレオンは気付いたような表情を浮かべる。
 「レオンが人に毒を盛っちゃうような悪いことしたら、アシュトンきっと悲しむよ。いや、アシュトンだけじゃない、レオンのご両親だって悲しむに決まってるよ。それに・・・レオンがやったことはお尻ペンペンぐらいじゃ許してもらえないことだよ、本当なら。そうしたら牢屋に入れられちゃって、もう二度とレオンを大切に思ってくれてる人達にも会えなくなるんだよ」
「や・・やだ!?牢屋なんかやだよ~~!!お兄ちゃん達やママ達にズッと会えなくなるなんて・・・ヤダよ~~~~!!!!」
クロードの言葉にレオンは恐怖で泣きだしてしまう。
 「いいかい?レオン。人を傷つけたりするのはもちろん悪いことだよ。でもね、そんなことをしたら、レオンを大切に思ってくれてる人を悲しませたり傷つけることになるんだよ。だからこんなに怒ったんだよ。わかってくれるかい?」
「ひぃん・・・ごめんなさぁい・・・お兄ちゃん・・ごめんなさぁい・・・」
「よしよし・・。よくわかってくれたね」
クロードは優しい声で言いながら、レオンを抱きしめた。


 「お兄ちゃん・・・アシュトンお兄ちゃん・・・大丈夫かなぁ?」
「心配かい?」
「うん・・。ちゃんと・・謝りたいし・・・」
「そうだね。ちょっと待っててくれるかい?」
クロードはそう言い置くと、レオンをうつ伏せに寝かせてアシュトンの寝室の方へ向かった。
 「ボーマンさん・・・ボーマンさん・・・」
クロードはこっそりドアの外からボーマンを呼ぶ。
「あん?どうした?」
ボーマンは廊下へ出ると、クロードに尋ねた。
「アシュトンの具合、どうですか?」
「ああ。大丈夫さ。毒は確かに強力なやつだが、解毒剤もあるし、手当ても早かったしな。二三日ゆっくり養生すれば大丈夫さ」
「そうですか、それはよかった。ところで・・実は今回の事でレオンがアシュトンに謝りたいことがあるんですけど・・・」
クロードは言葉を切ると、ドアの向こうで甲斐甲斐しくアシュトンの世話をしているルシフェルを見やる。
「あいつに・・・絶対聞かれたくない内容か?」
だいたいの内容を察したのか、ボーマンはそう尋ねる。
 「はい・・絶対怒るなんてもんじゃないですから・・・・」
「わかった。何とかしてやるからその間に済ませちまいな」
そういうとボーマンはアシュトン達の元へ戻る。
 「おーい、ちょっといいか?」
「何だ!?忙しいのだ!私は!?」
アシュトンの看病中なところに声をかけられたせいか、不機嫌極まりない声でルシフェルは尋ねる。
「ちょっとお使い頼むわ」
「何だと!?何故私がそんなことをせねばならん!!」
「おぃおぃ、アシュトンのためだぞ?」
「何・・・」
アシュトンの名を持ちだされ、ルシフェルの表情が変わる。
 「材料が足りないんでな、俺んちに材料取って来てもらえるか?」
「本当に・・アシュトンのために必要なのだろうな!?」
「ああ。首をかけてもいいぜ?」
「く・・・今回だけは貸しにしてやる!!」
「悪いな。じゃあ、頼むわ」
ルシフェルはボーマンが渡した紙を受け取ると、不満そうな表情を浮かべつつも、急いで教会を後にする。
「これでしばらくは帰ってこないはずだからな。その間に済ませちまいな」
「すいません、ボーマンさん」
「なぁに、いいってことよ」


 「あれ?どうしたの?レオン?クロードに怒られちゃったの?」
アシュトンはクロードに抱っこされ、お尻を撫でてもらいながら現れたレオンに訝しげな表情で尋ねる。
 「うん・・・。実は・・・お兄ちゃんに謝らなきゃいけないことがあるんだ・・・」
「何だい?」
「実は・・僕のせいなの・・・お兄ちゃんが倒れたの・・・」
「え!?どういうことなの!?」
さすがにアシュトンも声を上げる。
 「ごめんなさい!あいつがお兄ちゃんいつも叩いてるのが許せなくて・・・それで毒盛ってやろうとしたんだ・・・。でも・・間違えてアシュトンお兄ちゃんに・・・」
「嘘・・・・」
予想もしなかった答えにアシュトンも驚いてしまう。
「ごめんなさい!ひどい目に合わせちゃって本当にごめんなさい!謝っても・・・許してなんて・・もらえないかもだけど・・。幾ら怒っても・・・叩いてもいいから・・だからお願い・・・嫌わないでぇぇ・・・」
謝っているうちにレオンは涙ぐんでくる。
アシュトンにしてみれば幾ら怒っても怒り足りないことだ。
嫌われてしまうかもしれない。
 レオンは恐る恐るアシュトンの様子を伺う。
やがて、ゆっくりとアシュトンが手を伸ばしてきた。
(ぶたれる!?)
レオンはそう想像して身構える。
だが、いつまでたっても衝撃は襲ってこない。
代わりにアシュトンはレオンの頭に手を置くと、優しく撫でてやり始めた。
 「アシュトン・・・お兄ちゃん?」
「よく正直に言ってくれたね、いい子だね、レオンは」
「怒って・・ないの?」
「ビックリしたけど・・・でも・・僕のこと思ってやったんだし・・。それにもう十分反省してるみたいだからね。僕からは何も言うことは無いよ」
「うわあ~んっ!アシュトンお兄ちゃん~~~」
レオンはホッとしたのか、大泣きになってアシュトンに抱きつく。
「ほらほら。泣かないで。もう怒ってないから」


 「あれ?泣き疲れて寝ちゃったのかい?」
クロードはアシュトンに抱きついたまま寝ているレオンを見やると、そう尋ねる。
「うん、そうみたい」
「それにしても・・・子供ってスゴイこと平気でやるよな」
「だよね・・。でもそれだけ心から僕の事慕ってくれてるってことなんだろうけど・・。でも・・・どうしよう。ルシフェルがこんな姿見たら絶対また怒っちゃうよ。でも起こすのもかわいそうだし・・・・」
レオンの寝顔を見ながらアシュトンは困ってしまう。
 「ああ。それなら大丈夫だと思うぞ」
そこへボーマンが入って来る。
「どうしてですか、ボーマン先生?」
訝しげにアシュトンが尋ねると、ボーマンはニヤリと笑みを浮かべる。
 「あいつは今頃郊外の洞窟だよ。あそこの奥の奥まで行かないと手に入らない薬草を必死に探してるだろうさ」
「うわ・・・あそこですか・・。あそこのモンスター、強いですものね・・・」
クロードは町の郊外にある洞窟を思い浮かべると、苦虫をかみつぶしたような表情になる。
皆が住む町の郊外には非常に大きく、複雑で深い洞窟がある。
そこは薬草の自生地で、奥には非常に貴重な薬草があるのだが、洞窟内に生息しているモンスターがとても強く、町の司令部でも相当の剣士であるクロードでも相当骨が折れる場所なのだ。
そんなところへ行かされたルシフェルに思わずクロードは同情しかける。
「まぁいつもアシュトン泣かせてんだ。たまにはヒーコラ言わせてもバチは当たんないだろうしな」
ニヤリと悪巧みするような笑みを浮かべてボーマンはそう言いやった。


 「ええい!!うっとうしい奴らだ!!」
ルシフェルは次から次へと出てくるモンスターにイライラしていた。
かなり戦ってきたのだろう、愛用のローブはあちこちが汚れ、擦り切れたり破れたりもしている。
(全く・・・あのドスケベ医者め!きちんと店に用意しておかんか!!)
心の中でルシフェルはボーマンに文句を言う。
アシュトンのためといわれ、やむなく言われたとおりに診療所でもある薬局へ薬草を取りに行ったが、そこで店番をしていた妻らしい女から、目的のものはかなり貴重な薬草で、この洞窟の奥の奥まで行かないと手に入らないと言われたのだ。
危うくキレかけたルシフェルだが、アシュトンの顔を思い出して怒りを堪え、洞窟へ取りに来たというわけである。
(待っていろアシュトン!必ず取って帰るからな!!)
ボーマンにうまくだまされたとは知らず、ひたすらアシュトンのためと洞窟の奥を目指して進んでいった。


 ―完―
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genre : 小説・文学

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