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悪酔いの代償(最遊記より:八/三)



(最遊記を題材にした二次創作です。キャラのイメージが原作と異なっている可能性があります。許容出来る方のみご覧下さい)


 「ぶはぁぁ・・・・ういっく・・・・」
三蔵はビールジョッキを置くと同時に、酒臭い息を吐く。
テーブルは大量の空瓶やおつまみ類であふれていた。
 「おぃ・・・足りねえぞ。追加注文して来い」
三蔵は空のビール瓶を振りながら、八戒に言う。
「わかってますよ、ちょっと待ってて下さい」
八戒は苦笑すると、部屋を後にして宿屋の従業員に声をかける。
 「あの、すみません。ビールの追加注文、お願い出来ますか?」
「あのぅ・・・それが・・いいにくいんですけど・・別の・・団体客の方に出さなきゃいけないんで・・・。そちらに回せるビールは・・・」
「それじゃあお酒でしたら何でも構いませんから出してくれませんか?」
「いや・・それが・・。他のも全部団体さん用ので・・。すいません・・」
「そうですか・・。あの・・まだやってる酒屋さんとかありますか?僕が行って買ってきますから」
「わかりました。それじゃあ・・・」
従業員はメモ用紙を取り出すと、街にある酒屋の場所を書いて渡す。
「ありがとうございます。こちらこそお手数おかけしちゃってすいません」
八戒は丁寧にそういうと、一旦部屋の方へ戻る。
 「おぃ?どこに行く気だ?」
三蔵は八戒が出かけようとしていることに気づくと、怪訝な表情を浮かべる。
「さっき宿の人に聞きましたら、もうお酒切らしちゃったそうなんですよ。だから僕が買って来ますから。それまでちょっと待ってて下さい」
「ふん・・。早くしろよ・・・」
やや不平げな表情を浮かべる三蔵を尻目に、八戒は宿屋を後にした。


 「おぃ・・サル・・・八戒はまだか?」
「あん・・?まだだけど・・」
むっつりと不機嫌そうな表情で尋ねる三蔵に、悟空はそう答える。
 「クソ・・・いつまでかかってやがる・・・」
三蔵はタバコを吸いながら呟く。
酒を買いに出たまま、八戒が中々戻ってこないため、イラついているのだ。
苛々しているせいで、タバコはどんどん減ってゆく。
「クソ・・・切れやがった・・・・」
タバコが空になってしまうと、三蔵は舌打ちする。
新しい箱を出そうとするが、これで最後だったことを思い出すと、また不機嫌そうな表情を浮かべつつ、立ち上がった。
 「あれ?どこ行くんだよ?」
「タバコ買ってくんだよ。自販機があったはずだからな」
そう言い置くと、三蔵は部屋を後にした。
 廊下にある自販機でタバコを買っていると、不意に別の部屋から騒がしい音が聞こえて来た。
チラリと見やると、大きな広間から聞こえてくる。
どうやら団体客のようだった。
 (ち・・・いい気なモンだぜ・・・)
酒が飲みたくても飲めないせいか、三蔵は思わずイライラする。
そのとき、広間から出てくる従業員の姿が目に入った。
何気なく見ただけだが、その手に空のビール瓶があることに、三蔵は思わず睨むように凝視する。
 「おぃ・・」
「な、何ですか、お客さん?」
突然、三蔵に呼び止められ、怪訝な表情で従業員は尋ねる。
 「おぃ?俺は宿の酒は全部切らしたって聞いたんだが?何であるんだ?」
「あ・・あのぅ・・。これ・・向こうの・・団体さんの何です・・・」
「あん?それでもこの店で出してるやつだろうが?何でこっちに回さねえんだ?」
かなり酒が入っているし、酒が飲めなくて不機嫌度が相当増してもいるため、三蔵は無茶なことを言う。
 「む、無茶言わないで下さいよ」
「クソ・・。そうか・・。広間の連中のせいか・・・」
三蔵は盛り上がっている広間に据わった視線を向ける。
やがて、ゆっくりと三蔵は歩き出したかと思うと、広間へと入っていく。
直後、激しい物音や怒声らしい声が響きわたった。


 「何てことしたんですか!三蔵!」
八戒は呆れの混じった声で、三蔵に言う。
三蔵は不機嫌そのものといった表情でソッポを向いている。
手の甲や頬には手当てをした跡がある。
 「本当に何考えてるんですか!酒に酔って不機嫌になった挙句、団体客のところに乗り込んで暴れて酒奪ってくるだなんて!少しは恥ずかしいと思わないんですか!!」
八戒は思わず声を上げる。
帰って来たら警察が出張って来ており、警官に呼び止められたと思ったら、上記のことを聞かされたのだ。
当然、宿の方は無論、団体客側にも警察にも八戒が謝りに行った。
必死に謝り通し、弁償もきちんとしたから何とか許してはもらえたものの、頭を抱えたくもなろうというものである。
 「三蔵、聞いてるんですか?」
ムスッと不機嫌な表情のまま、ソッポを向いている三蔵に八戒はそう尋ねる。
しかし、三蔵はソッポを向いたまま、何も言わない。
「無視ですか・・・。まあいいでしょう。三蔵、覚悟はいいでしょうね?」
「あん?何のことだ?」
八戒の言いたいことがわからず、三蔵は怪訝な表情を浮かべる。
 「決まってるじゃないですか。お仕置きですよ?」
「あん?何で俺がそんなことされなきゃあならねえんだ?」
八戒のお仕置き宣言に、三蔵はいつものように不平そのものといった表情で言いやる。
「三蔵・・・まさか自分のやったことがどういうことか、わかってないなんて言うつもりじゃあありませんよねぇ?」
八戒はニコリと、だが目は笑っていない笑みを浮かべる。
(クソ・・・。俺としたことが・・)
三蔵は心の中で舌打ちする。
自分がどうあがいても言い訳のしようもないことをしてしまったことはわかっている。
自分に非があることも。
だが、例え仲間である八戒達が相手であっても、それを認めるのは別だった。
 「うるせぇな・・・。たかが酔ったぐらいでグダグダ言うんじゃねえよ・・・」
不貞腐れた態度で、三蔵はそう言いやる。
「たかが?本当にそう思ってるんですか?」
三蔵の態度にさすがに八戒の表情は厳しいものへと変わる。
 (クソ・・・!クソクソクソ!どうしてこうなんだよ!?)
素直に謝れない己の不器用さを三蔵は罵りたくなる。
本当はわかっていても、素直に謝れない自分自身へも苛立ちを向け、それが三蔵の感情に油を注ぎ込む。
 「だったら・・どうだってんだよ!!この・・・バカ野郎!!」
半ば当たり散らすように三蔵は叫ぶ。
「いい加減に・・しなさい・・・」
八戒は静かな、だが怒りを抑えかねた声で言う。
「よくわかりました・・・。全然反省していないってことは・・・。そんな三蔵には・・きついお仕置きが必要ですね!!」
八戒は三蔵の手首を掴んだかと思うや、グイッと思い切り引っ張る。
気付いた時には、三蔵はベッドの縁に腰かけた八戒の膝に載せられていた。
 「おぃ!何しやがる!!」
察しはついていても、思わず三蔵はそう叫ぶ。
「聞こえなかったんですか?お仕置きだって言ったでしょう?」
慣れた手つきで三蔵のお尻を出しながら、八戒は冷ややかな声で言う。
 「ふざけんなあっ!!とっとと離しやがれ!!」
視線だけで殺してやるとやると言わんばかりに睨みながら、三蔵はそう叫ぶ。
だが、八戒はそれを無視して三蔵を押さえつけると、右手を振り上げた。


 バッシィィ~~~ンッッッッ!!
「く・・・・!」
大きな音と共に、お尻の表面で痛みが弾け、三蔵の口から声が漏れる。
 バシィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!バッアァ~ンッ!バッジィ~ンッ!
八戒の平手が叩きつけられるたびに、三蔵のお尻に赤い手形が浮かび上がり、痛みが走る。
三蔵は決して声を出すまいと口を閉じる。
 「本当に・・・何を考えてるんですか・・・」
お尻を叩きながら、呆れたような口調で八戒はお説教を始める。
ビッダァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!バッアァァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!
(クソ・・・!いつもどうしてこうなんだよ!!)
八戒のズボンの裾を握りしめる両手をわななかせながら、三蔵はそう思わずにはいられない。
 自分の仕出かしたことは、誰がどう見ても正当化できるものではない。
それは三蔵自身が一番よくわかっていた。
だから、八戒の言うことは正しいし、八戒がお仕置きしようとするのも、無理はないことだとわかる。
(クソ・・・だからって・・・ケツ・・・叩くこたあねえじゃねえかよ!?何だって・・こんなことされなきゃあならねえんだ!!ケツ叩かれんのはサルの方だろ!?)
八戒にお尻を叩かれながら、同時に三蔵はそう思わずにはいられない。
自分が悪いとは頭ではわかっていても、こんなお仕置きは到底受け入れられない。
 「悪酔いした挙句に・・・他のお客のところに乱入なんかして・・・」
バアッジィ~ンッ!ビッダァァ~~ンッ!バッアァァ~ンッ!バッジィ~~ンッ!
さらにお尻を叩きながら、八戒はお説教を続ける。
「その挙句に・・・暴れてお酒奪い取るだなんて・・。本当に何やってるんですか!それじゃあ中高生以下ですよ!少しは大人げないとか思わないんですか?」
ビッダァァ~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビバッダァ~ンッ!バッアァァ~ンッ!
(そ・・そんあこたぁ・・言われねえでも・・・わかってんだよ!?)
ムッツリと不機嫌な表情で押し黙りながら、三蔵は心の中で叫ぶように言う。
 わかってるからこそ、却って心に突きささってくる、感情を逆なでする。
(クソッ!クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソッッッ!!!)
心の中で、三蔵は罵倒を連発する。
大人げなく悪酔いして他人に迷惑をかけてしまった自身の愚行、己の非をわかっていながら、素直に謝ることの出来ない片意地さ、それをわかっているくせに、お尻叩きなどという、屈辱的なお仕置きを強いる八戒、それら全てに対して三蔵は苛立ちを覚えずにはいられなくなる。
 「三蔵、少しは反省してるんですか?」
一旦、お尻を叩く手を止め、八戒はそう尋ねる。
だが、相変わらず三蔵は不機嫌な表情のまま、ダンマリを決め込んでいる。
「ダンマリですか?少しは何とか言ったらどうなんです?」
いつもより怒っているのか、八戒は手厳しく追及してくる。
 「うる・・せぇよ・・・・」
三蔵は不機嫌な表情のまま、そう言ったかと思うや、振り返る。
その表情は最初の頃よりもさらに苛立ちや怒りで険しいものへと変わっていた。
 「グダグダ抜かすんじゃねえよ!何だってテメェなんかにイチイチ説教されなきゃあならねえんだよ!!」
(畜生・・・俺の・・馬鹿が・・・)
苛立ちをぶちまけるおのれの姿に、三蔵は自身を呪いたくなる。
 「三蔵・・・まさか・・・本心ですか?」
そう問いかける八戒の表情は既に厳しいものへと変わっている。
「だったらどうだってんだ!?ケツなんか叩きやがって!何様のつもりだ!俺はガキじゃねえぞ!!いい加減にしやがれ!!」
感情を爆発させ、三蔵はそう叫ぶ。
(何で・・・こうなるんだよ・・・・)
叫びながら、三蔵はそう思わずにはいられない。
無意味なプライド、意地なのはよくわかっている。
それでも、仲間とはいえ、他人に頭を下げたくない、という気持ちが先立ってしまう。
それをするくらいならば、さらに肉体的苦痛を味わう方が、まだマシに感じられるのだ。
 「いい加減にしなさい!!」
ビッダァァ~~~~ンッッッッッッ!!!
「ぐふ・・・・!!!」
再び、強烈な一撃をお尻に叩きこまれ、三蔵の口から苦痛の声が漏れる。
 「自分勝手なことばっかり言ってるんじゃありません!!」
全然反省の色が見られない三蔵の態度に、さすがに八戒も怒ってしまう。
「うるせえ!さっさと降ろしやがれ!いつまで引っぱたくつもりだ!!」
三蔵の方も売り言葉に買い言葉、苛立ちをぶつけるように返してくる。
 「本当に・・・許しません・・・絶対に・・!!」
八戒はそう呟いたかと思うや、再び右手を振り上げた。
ビッダァァァ~~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~ッッッッ!!!!
 「!!!!!!!!!」
まるで集中豪雨のような平手打ちに、三蔵の口からは声にならない声が漏れる。
「て・・テメェ・・・・何・・しやがる・・・・」
額にジワリと汗を浮かべながら、半ば睨みつけるような感じで三蔵は振り向く。
「自分が悪いのに全然反省しない。それどころか・・・逆ギレするような悪い子にはもっともっと厳しいお仕置きが必要じゃないですか。だから・・・ちゃんと反省するまでもっとぶってあげます」
「テメェ・・・殺す気か・・・」
「三蔵が反省してくれればいいんですよ。どうです?『ごめんなさい』しますか?」
八戒の問いに三蔵はまたムッツリ黙ってしまう。
(そんなこと・・言えるわけねえだろうが!!)
三蔵は心の中で叫ぶ。
 「どうしました?言えないんですか?」
「んなこと言えるかぁ!?そんなこと言うくらいならなぁ・・ケツが壊れた方がズッとマシだぜ!!」
「では・・・仕方ありませんね・・」
八戒はそういうと、右手を振り下ろす。
 ビッダァァ~~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~ッッ!!
「うぐ・・くそっ!やめ・・やめろっ・・つってんだろうが・・この・・くそっ・・」
激しい平手打ちが降り注ぐ中、三蔵はあくまでも反抗的な態度を崩さない。
その後、激しく平手を叩きつける音、三蔵の反抗的な声、それらがない交ぜとなって部屋に響きわたった。


 (僕も・・・大人げありませんでしたね・・・)
八戒はベッドの上でぐったりしている三蔵の姿を見ながら反省する。
三蔵のお尻は赤どころか青に近い色に変わっており、顔や手の甲はじっとりと汗ばんでいた。
 (三蔵が素直に『ごめんなさい』するような柄じゃないのはよくわかっているのに・・・。もう少し僕の方も考えないといけませんねぇ・・・・)
いつものように気絶するまで叩いてしまったことに、八戒はそう思わずにはいられない。
三蔵だって本当は悪いと思っていることは気付いている。
しかし、いつも三蔵を却って意固地にさせるようなやり方をしてしまう。
(とはいえ・・どうしたら・・いいでしょうかねぇ・・)
八戒は気を失っている三蔵の手当てをしながら、思い悩んでしまう。
しばらく考え込んでいたが、やはり思い浮かばないのか、困ったような表情を浮かべながら八戒は部屋を後にした。
 「く・・・ぐく・・」
目を覚ますと同時に、三蔵はお尻に痛みを覚える。
「クソ・・・相変わらず・・・気失うまで叩きやがって・・・。ケツの骨折りやがる気かよ・・・・」
後ろを振り返り、八戒が載せたタオルを取り払って、青みがかっているお尻を見やると、思わず三蔵はそう呟く。
 グルリと室内を見回すと、近くの小さなテーブルにタバコの箱と、軟膏が置いてあるのが見えた。
「フン・・・ご機嫌とりのつもりかよ・・・」
思わずそんなことを呟きながら、三蔵はタバコと軟膏に手を伸ばす。
うつ伏せになったまま、タバコを咥えると、軟膏を塗り始める。
「ぐ・・・」
軟膏が沁みて思わず表情が強ばるが、タバコを強く噛んで堪えながら、三蔵はお尻に薬を塗り続けた。


 ―完―
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theme : 自作小説(二次創作)
genre : 小説・文学

comment

管理者にだけメッセージを送る

良かったです

読ませていただきました。今回もとてもよかったです。最遊記作品毎回楽しみにしています。
三ちゃん素直じゃないですからねー。八戒も手に余りますねー。
もし、三ちゃんが反省するところを書く予定があれば参考にしていただきたいと思い、コメントをさせてもらいます。
一度、アニメで悟空が三蔵を殴ったシーンがありました。
悟浄から殴られたときは殴り返したのに、悟空には殴り返さず、怪我をした皆の代わりに車を運転してあげるという、三蔵にしては素直になったシーンがあります。
それから、最初のほうに一度だけ、自分のせいで八戒が狙われる結果になったとき、悟空が説得したら三蔵謝ったんですよ!ぶっきらぼうに「すまない・・」とだけでしたが。あれが、三ちゃんが謝った唯一のシーンです。だから、三ちゃんにとっては悟空に説得されたほうが謝れるのではないかなーと。長文失礼しました

レス

 まなみ様>
 コメありがとうございます。満足していただけて何よりです。
情報、ありがとうございます。反省する三蔵様、書くか今のところはわからないのですが、もし書く際には参考にさせていただきますね。
 今後も楽しんでいただけるように頑張りたいです。
プロフィール

山田主水

Author:山田主水
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