やり過ぎの代償(最遊記より:八/三&空)



(最遊記を題材にした二次創作です。キャラのイメージが原作と異なっている可能性があります。その点をご了承の上でお読み下さい)


 ビッダァァ~~~ンッッ!!
バアンッ!バンバンッ!バッチィンッ!バンバンバンッ!ビッダァンッ!
「ひいいんっ!ごめんってばーっ!サンゾーッ!!」
泣き叫びながら悟空は必死に謝る。
膝の上に載せられた悟空のお尻は既に大きく腫れ上がった上に赤く染め上がっていた。
 「ごめんじゃねえだろ!テメエはニワトリか!?これで何度目だと思ってんだっ!!」
ビッダァァァ~~~~ンッッッッ!!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~ッッッッ!!!
三蔵は本気で怒りながら悟空のお尻に容赦の無い平手打ちを降らせる。
「だ・・だって・・・うまそうだったから・・・つぃ・・ひっぎゃああんっ!!」
思わず弁解すると、また容赦の無い平手打ちを叩きつけられ、悟空は背をのけ反らせる。
「だからってまた宿屋のメシ全部食うんじゃねえよ!しかも・・・野宿用の保存食まで食っちまいやがって!何考えてんだテメェはあああ!!!」
またかと呆れてしまうことに、悟空はまた宿屋の夕食を全部盗み食いしてしまったのである。
さらに、どうもそれでも満足できなかったらしく、八戒が買い出しで用意した野宿用の保存食や携帯食料まで、これまた綺麗に全部平らげてしまったのだ。
おかげでまたもや宿屋に平謝りに謝らなければならなくなり、しかも二度手間でまた野宿用の保存食を買いに行かなければならなくなった。
懲りずに同じことを、しかも今度は新しいことまでやらかした悟空に三蔵が怒っていないはずはなく、こうしてまたもやお尻で食い意地のツケを払わされているのだった。
 「ごめんってば~~~~っっっ!!二度としねえよーーーーっっっ!!!」
悟空は必死に謝る。
「馬鹿野郎!今まで何度もそう言ってるだろうが!」
「今度こそ本当にしねえからーーーーー!!!!」
「信用できるかっ!!」
ビッダァァァ~~~~ンッッッ!!!
「ぎゃっあああ~~~~んっっっ!!!!」
三蔵にさらに強烈な平手打ちを叩きつけられ、悟空は悲鳴を上げる。
 「テメェ・・・・今日という今日は・・・・この程度じゃ勘弁しねえからな・・」
そう呟いたかと思うと、突然三蔵は悟空を肩に担ぎあげた。
「さ、三蔵っ!どこ行くんだよ!?」
突然三蔵が自分を抱え上げたまま部屋を出て行くことに気づくや、悟空は慌てて尋ねる。
三蔵は答えずにやがて一階の方へ降りていったかと思うと、さらに外へ出て行った。
 (な・・何する気だよ・・・・?)
外の通りに出て来たことに悟空は嫌な予感を覚える。
三蔵は悟空を担ぎあげたまま、あたりを見回すと、ちょうどベンチが設置されているのを見つける。
ベンチを見つけるや、それに腰を降ろして悟空を膝に載せた。
 「三蔵っ!待ってくれよっ!こんなところで叩くのかよ!?」
慌てて悟空は叫ぶように尋ねる。
こんなところで叩かれたら、大勢の通行人にお尻をぶたれている姿を見られてしまう。
「だったら何だってんだ?」
「や、やめてくれよ~~!!本当に悪かったからっ!!叩くんならせめて部屋の中にしてくれよ~~!!」
悟空は必死になって懇願する。
幾ら自分が悪いとわかっていても、さらしものにされて叩かれるのはあまりにも辛い。
 「あん?甘えたこと言ってんじゃねえよ。食い意地丸出しで何度も同じことやらかすテメェが悪いんだろうが。今日は徹底的に躾けてやる」
「ひ・・ひぃん・・」
今までとは比べ物にならない容赦の無い三蔵の姿に悟空は涙を浮かべる。
ビッダァァァ~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~ッッ!!!
「ぎゃあああああ!!!ごめんってば~~~!!!!」
大勢の通行人が行きかうのを尻目に、再びお仕置きが始まる。
時々通行人が何だという表情で足を止め、二人を見やるが、それには構わず、三蔵は悟空のお尻を叩いていた。


 (遅くなっちゃいましたね・・・・)
買い物袋を抱えて八戒は宿屋への帰り道を急いでいた。
(悟空にも困りましたねぇ。お尻を叩かれるのはわかってるでしょうに)
またも懲りずに同じことをした悟空に八戒は苦笑する。
(きっと今頃お仕置きされて泣いてるでしょうね。もう少し三蔵が素直だったらよかったんですけど・・・)
歩きながら八戒は悟空のことが心配になる。
三蔵は非常にひねくれた部分があるから、例え心配していても素直に泣いている悟空を慰めたり出来る人間では無い。
だから八戒が帰るまで、悟空は一人ぼっちで泣いていることだろう。
出来るだけ早く帰って悟空を慰めたい。
そう思いながら八戒が宿屋にたどり着いたときだった。
 (あれ?何ですかね?一体?)
宿屋の前に何故か人だかりが出来ていることに、八戒は怪訝な表情を浮かべる。
「サンゾーッ!サンゾーッ!俺が悪かったからーっ!もう許してくれよーっ!!」
不意に人だかりの向こうから悟空の声が聞こえて来た。
それを聞くなり、慌てて八戒は人だかりをかきわけて進んでゆく。
 「!!!???」
最前列に出るや、八戒は我が目を疑う。
目の前にいるのは悟空。
悟空は宿屋の入り口の前に後ろ向きで、真っ赤に腫れ上がったお尻を出したまま立っていた。
 「悟空!?一体どうしたんですか!?」
慌てて八戒は駆け寄る。
「ひ・・ひぃん・・。は・・八戒ぃぃ・・・」
悟空は八戒の姿を見ると、涙を浮かべ、お尻を出したまま抱きついた。
 「どうしたんです?何でお尻出して立ってるんです?」
「ひぃん・・さ・・・三蔵がぁぁ・・・・」
「三蔵?まさか三蔵がやらせたんですか!?」
「ひぃん・・。何度も同じこと・・やってっから・・・ちょっとや・・そっとじゃ・・わかんねえだろって・・・。だから・・そ・・外で・・ケツ叩いて・・・。そ・・そんあと。ひぃん・・。三蔵が・・いいって・・いうまで・・。ケツ出して・・外で・・立ってろってぇぇ・・・ひぃぃん・・・・」
八戒は愕然とする。
今回の件で三蔵がかなり怒っているであろうことは想像できた。
何度叱っても同じことをやらかしているのだから、いつもよりお仕置きが厳しくなるのは当然だろうし、それ自体は仕方ないとは八戒も思う。
自分だって今回はいつもより厳しくお仕置きするだろうと思っているからだ。
とはいえ、外で叩いた上に、お尻を出したまま立たせるなど、それはやり過ぎだ。
確かに精神的に子供っぽいところはあるだろうが、悟空だって年頃の男の子。
さらしものにされるなど、どんなに痛い道具よりも辛かったに違いない。
ボロボロ大粒の涙を零し、震えている姿に八戒は胸が痛むどころではなかった。
 「悟空、もう大丈夫ですからね。さぁ、お尻をしまって。僕の部屋に行きましょう」
「ひぃん・・。でも・・・」
「大丈夫ですよ。僕からうまく三蔵に言っておきますから。悟空は何も心配しないでいいですからね」
八戒はそういうとズボンを履かせてやり、悟空を抱きあげて宿屋へ入っていった。


 (八戒が入れてやったか・・・・)
窓から様子を見ていた三蔵は、八戒が悟空を中へ入れるのを見届けると、心の中で安堵する。
(クソ・・!俺としたことが・・・)
三蔵は自分自身に対して苛立ちが募って来る。
確かに何度も怒られても同じことを仕出かす悟空も悪いかもしれない。
だが、三蔵の方もあまりにも感情的になり過ぎた。
そのあまり、外に出て大勢の人間が見ている前で叩いた挙句に、一人で立たせてさらしものにまでしてしまった。
 幾ら精神的に子供っぽくても、悟空だって年頃の男の子。
こんなことをされたらプライドも何もかも木端微塵、それどころか一生トラウマになってしまうかもしれない。
 (何で・・こんなこと・・・しちまったんだよ・・・)
ムクムクと罪悪感が沸いていて三蔵を責め立てる。
悟空の辛さや恥ずかしさ、悲しさを想像せずにはいられない。
それなのに怒りに任せてひどいことをしてしまった。
悟空に恨まれたとしても文句が言えることではない。
 (クソ・・・どうすりゃあ・・・いいんだ・・・・)
三蔵は頭を抱えたくなる。
今すぐにでも悟空のところに行ってやりたい。
抱きしめてやれるものならそうしてやりたい。
だが、そんなことはとても恥ずかしくて出来なかった。
何よりも、自分があんなにひどいことをしておきながら、どの面下げて悟空にそんなことをしてやれるだろうか。
無用な意地・プライドだとわかっていても、素直に悟空を慰めてやれないことに対する苛立ち、取り返しがつかないほどひどいことをしてしまったことへの罪悪感、それらが三蔵をこれでもかと責め立てる。
 「クソ・・!!」
苛立ちが募ってたまらず、思わずタバコに火をつけようとしたそのときだった。
 突然、ドアが開いたかと思うと八戒が入って来た。
(来やがったか・・・・)
八戒が外で泣いている悟空と会ったときに予想は出来ていたが、それでも実際に八戒の姿を見ると、つい身構えてしまう。
 「三蔵・・・。あなた・・何てことしたんですか・・・・」
静かな、だが怒りを抑えかねた声で八戒は話しかける。
「あん?何のことだ?」
三蔵は平静を装って問いかける。
「悟空のことですよ・・・。何を考えてるんです・・。あんなに・・ひどいこと・・・」
「あん?あれくらいどうってことねえだろ?バカザルだからな」
(クソ!何でこんなこと言うんだよ!!)
心とは裏腹の発言をしてしまう自身を三蔵は罵りたくなる。
 「本気で言ってるんですか?悟空があんな目に合わされて、どれだけ辛い思いしたと思ってるんです?」
「グダグダ抜かすんじゃねえよ。躾だ、躾」
(だからどうしてこんなこと言うんだよ!!)
自分の過ちを認めるどころか、墓穴を掘るような発言に三蔵は苛立ってしまいそうになる。
 「いい加減にしなさい!!お仕置きされた子の気持ちをあんなにも踏みにじって満足ですか!?」
自分の過ちを認めようとしない三蔵に八戒も怒りを爆発させる。
「ああ!?だったら何だってんだ!?テメェの面なんぞ見たくもねえよ!とっとと出てきな!!」
これ以上話したくなくて、三蔵はそう言いやる。
「わかりました・・・・。全然反省してないっていうのは・・・。だったら・・僕も容赦しませんよ!!」
そう叫んだかと思うや、八戒は三蔵の手を掴む。
 「テメェ!何しやがる!!」
三蔵は抵抗しようとするが、八戒に無理やり立たされたかと思うと、ベッドに思い切り突き飛ばされてしまう。
ベッドに三蔵を突き飛ばすや、八戒はすかさず部屋に備え付けのタオルで後ろ手に拘束する。
さらに枕や布団をお腹の下に入れると、ベッドの上でお尻を突き上げる体勢を取らせ、いつものように三蔵のお尻をむき出しにした。
 「テメェ・・・」
三蔵は振り向いて八戒を睨みつける。
「そんな顔して脅しても無駄ですよ。今日は本当に怒ってるんですからね」
八戒はそういうと、部屋に備え付けのヘアブラシを手にする。
三蔵の傍らに立ったかと思うと、ゆっくりとブラシを握った右手を振り上げた。


 ビッダァァ~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッッッ!!!
「ぐ・・!!ぐぐぐぅぅ!!!!」
最初からブラシで豪雨のような打撃がお尻に降り注ぐ。
さすがに三蔵もこらえられるわけもなく、苦痛に表情を歪める。
 「テ・・・テメェ・・・殺す・・気・・か・・・・」
三蔵は八戒を睨みつけながら言う。
「何を言ってるんですか。こんなのあなたが悟空にしたことに比べれば大したことじゃないでしょう?」
冷ややかな口調で言うと、再び八戒はお仕置きを始める。
 ビッダァァ~~~ンッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッッッ!!!!!
「ぐ・・!!ぐぬ・・!ぐぅく・・ぐっく・・」
三蔵は歯を食いしばり、必死に声を押し殺そうとする。
 「本当に・・・何てことしたんですか・・・あなたって人は・・・」
ヘアブラシをお尻に叩きつけながら、八戒はお説教を始める。
ビッダァァ~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~ッッッッ!!!
「ぐ・・!ぐふ・・!ぐぬ・・!ぐっくぅ・・!」
三蔵は堪えようとするも、耐えきれるものではなく、顔にはジットリと脂汗が浮かび上がり、苦悶の表情を浮かべている。
 「外でお尻叩いた上にお尻出したまま立たせるだなんて!やり過ぎだとは思わなかったんですか!?」
既に真っ赤に染まっているお尻にさらにブラシを叩きつけつつ、八戒はそう問い詰める。
「う・・うるせえよ・・。俺の・・やることに・・文句があるってんのか?」
(クソ!どうしてこうなるんだよ!?)
強気な態度で八戒を睨みつけつつ、心の中で自身に悪態をつく。
自分が悪いことは誰よりもよくわかっている。
それなのに、それを認められない。
どうして悟空のように素直に謝れないのか。
自分に苛立ってしまい、八つ当たりなのを承知で八戒に怒りを向けてしまう。
 「まだそんなことを言うんですか!!どれだけ悟空が傷ついたと思ってるんです!お仕置きされた子の気持ちも考えなさい!!」
バッジィィィ~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッッ!!!!
「ぐ・・!!ぐぐぅ・・・!!」
三蔵は苦痛に顔を歪めるが、それでもなおも八戒を睨みつける。
そんな三蔵に、八戒も容赦無くブラシを振り下ろし続けた。


 「うう・・・あれ・・?」
ベッドの上にうつ伏せになったまま、悟空は目を覚ます。
「あれ・・?八戒・・どこ行ったんだ?」
八戒の姿が無いことに悟空は訝しげな表情を浮かべると、恐る恐るお尻を触ってみる。
赤みが残っているお尻は触れると痛みが走るが、歩けそうだと判断すると、ズボンをはいて部屋を後にした。
 三蔵達の部屋の前までやって来ると、悟空は立ち止り、恐る恐るドアを見つめる。
まだ三蔵には許してもらっていないのに、入ってしまった。
八戒が何とかすると言っていたものの、大人しく説得されるような三蔵では無いのは悟空も知っている。
(喧嘩になってたら・・・どうしよう・・・)
そう思うと、入る度胸が無い。
でも、勇気を出して悟空はドアに耳をつける。
すると、何やらバシバシと激しく叩くような音が聞こえて来た。
(な、何だよ!?)
悟空はハッとするや、本能的に飛び込んでいた。
 部屋に飛び込んだ悟空の前に現れたのは、ベッドの上で拘束されてお尻をむき出しにしている三蔵と、ブラシを持って怖い顔をしている八戒の姿。
三蔵のお尻は悟空よりもずっと赤くなっていた。
 「な、何してんだよ!?二人とも?」
思わず悟空は声をあげてしまう。
「ああ、目が覚めたんですか?ちょっと待ってて下さいね。まだ三蔵のお仕置き中ですから」
「お、お仕置き?な、何でだよ?」
「テメェの・・せいだろうが・・・・」
怪訝な表情を浮かべている悟空に、三蔵が睨みつけながら言う。
 「外でテメェのケツ引っぱたいのが気にいらねえんだとよ。おかげでこっちまでケツ叩かれてんだ・・ぐうっ!!」
悟空に恨みごとを言う三蔵に思わず八戒が思い切り叩く。
「筋違いの恨みごとはやめなさい!それより・・・悟空にちゃんと謝って下さい!」
「ああん?ふざけんなあっ!何で俺がサルなんかに頭下げなきゃあなんねえんだ!!」
「三蔵っ!とっとと八戒に謝れよ!このままじゃあお尻壊れちゃうって!!」
自分よりもずっと腫れ上がってしまっている三蔵のお尻を見るや、悟空は思わず言う。
 「ふざけんなぁ・・!そんな真似・・出来るかっつってんだろうが・・」
「意地なんか張ってる場合じゃねえよ!!」
「うるせえっ!テメエが原因のくせに偉そうに言うんじゃねえ!!」
「人のせいにするんじゃありません!!」
八戒が三蔵の態度に怒ってさらに叩きだす。
見ていられなくなったのか、悟空は思わず八戒の腕にしがみついた。
 「何するんですか!」
「八戒!もうやめてくれよ!このままじゃあ本当に三蔵のお尻壊れるって!!」
「三蔵みたいなわからず屋にはいい薬ですよ。今日は僕も本気で怒ってますからね。まだまだ許す気なんかありませんよ!」
(や・・やべえ・・。八戒まで頭に血が上ってる・・・)
本気で怒っている八戒の姿に悟空は焦りに焦る。
このままだと本気で三蔵を壊してしまいかねない。
何とか二人を取り持たなくてはいけない。
必死に悟空は考えた。
 「だ、だったら俺が代わりになるから!!」
「な、何言ってるんですか!?」
悟空の発言に八戒は驚く。
「サル!余計なことするんじゃねえ!!」
三蔵も思わず口を挟む。
三蔵とて自分が悪いのは百も承知だ。
悪態こそついていても、八戒がお仕置きするのはわかる。
だからこそ、悟空を身代わりになど出来るわけも無い。
 「このままじゃあまた気絶するまで叩いちまうんじゃんか!!そんなの俺やだって!だったらその分俺が受けるから!」
(困りましたね・・・・)
八戒は頭を抱えたくなる。
確かに三蔵のことだ、謝るくらいなら気絶するまで叩かれる方を選ぶだろう。
それは八戒としても不本意だし、何よりも三蔵に反省して欲しいのだ。
(でも・・幾ら叩いても・・謝る三蔵じゃないですし・・。でも・・・)
八戒はチラリと悟空を見やる。
三蔵の頑なさを解せる可能性があるのは悟空だけだ。
自分が今考えていることはかなりひどいことに違いない。
だが、三蔵に本当に反省してもらうにはこれしかない。
 「わかりました・・・。それじゃあ悟空・・・。代わりに受けてもらいますよ。いいですね?」
八戒は真剣な表情で悟空に問いかける。
「う・・うん・・」
「おい!何勝手に話進めてんだ!!」
(何をするつもりだ!?)
三蔵は慌てる。
悟空を身代わりにするつもりなど毛頭ない。
 「三蔵・・。よく見ていて下さい。あなたの・・頑固さが・・招いたことですからね」
八戒はそういうと、三蔵からよく見える場所へ椅子を持ってくる。
椅子に腰かけると同時に悟空を膝の上に載せ、未だ赤みが残っているお尻をあらわにした。
「おい!馬鹿野郎!何してやがる!!」
三蔵は必死に言うが、八戒はそれを無視すると、ブラシを思い切り振り下ろした。


 ビッダァァ~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~ッッッッ!!!!
「ぎゃあああああんっっ!!!いってえええよぉぉ~~~~!!!!!」
既に散々お仕置きされたお尻にはあまりにも過酷なブラシ打ちに、悟空は悲鳴を上げ、両脚をバタつかせる。
 (クソォ・・見て・・られるかよ・・・)
身代わりになってひどい目に遭う悟空を正視できず、三蔵は思わず目をそらそうとする。
「三蔵!ちゃんと見なさい!」
目をそらそうとする三蔵に対し、八戒は容赦なく言う。
とても逆らえる雰囲気で無いからか、三蔵はやむなく悟空を再び見つめだす。
 「ひぃぃんっ!ごめんっ!ごめんってば~~~!!!」
必死になって許しを乞う悟空だが、八戒は容赦なく悟空のお尻を叩き続ける。
(クソ!クソクソクソ!俺のバカ!?)
三蔵は自分に腹が立ってたまらなくなってくる。
悟空は悪くない。
だが、自分がつまらない意地を張ったために、目の前で大泣きしながら叩かれている。
あんなにひどい目に遭わされたのに、恨むどころか自分の事を心配して身代わりになっている。
その気持ちが何ともいたたまれなくなってくる。
 「やめろ・・・やめろ!やめろってんだ!!」
三蔵は悟空をお仕置きする八戒にそう叫ぶ。
「反省してるんですか?三蔵・・・」
「あ・・あぁ・・。お・・俺が・・・や・・やり・・過ぎた・・・」
「他に言ってほしいこともありますが・・。まぁ反省してるようですからね・・それじゃあ許してあげます」
そういうと、ようやく八戒はお尻を叩く手を止めた。
 「だ、大丈夫かよぉ・・?三蔵・・?」
お仕置きから解放されると、悟空は顔を顰めながら、三蔵に尋ねる。
「このバカッ!何だって余計なことしやがんだ!!」
三蔵は思わず叫ぶ。
「だ・・だってぇぇ・・・」
「だってじゃねえ!!おぃ、こっち来い!」
「ひ・・!ケ、ケツ叩くのかよ?」
余計なことをしたと怒られるのかと、思わず悟空は怯える。
 「叩かねえよ。だから来い」
そう言われ、ようやく悟空はおずおずと近づく。
悟空が目の前までやって来ると、三蔵は思い切り引き寄せる。
悟空が気付いたときには、三蔵の懐で抱きしめられていた。
 「さ、三蔵?」
「今回だけだ。次は・・・ねえからな・・・」
三蔵は顔をそむけると、悟空をしっかりと抱きしめた。


 ―完―
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