虫歯と逃亡(封神より:道/玉、現代パロ)



(封神を題材にした二次創作で、現代パロものです。キャラのイメージが原作と異なっています。許容出来る方のみご覧下さい)


 (今の・・・うちに・・・)
玉鼎はキョロキョロと周囲を見回す。
そして楊ゼンの姿が無いことを確認すると、慎重に窓を開ける。
足音を立てないように静かに降り立つと、そのまま教会を脱兎のごとき勢いで飛び出してしまった。
 「兄さん、そろそろ行きますよ」
玉鼎が抜け出すのと入れ替わりに楊ゼンが入ってきた。
だが、既に部屋はもぬけの殻。
開いた窓と、地面についた靴の跡が逃亡を物語っていた。
 「全く・・まさかとは思いましたけど・・・。逃げ出すなんて・・・」
楊ゼンは呆れたような表情を浮かべると、ため息をつく。
同時に携帯を取り出すと、電話をかけだした。
 「ああ・・もしもし・・・××歯科クリニックですか?すいません。実は急に都合が悪くなってしまいまして・・・。本当に申し訳ありません・・・・」
楊ゼンは電話の向こうの歯医者に丁寧に謝る。
今日入れておいた予約を取り消してもらうと、再びため息をついた。
(とにかく・・・兄さんを探さないと・・・。全てはその後ですね・・・・)
窓を閉めながら、楊ゼンはそんなことを思わずにはいられなかった。
 (何とか・・・逃げだせたな・・・)
しばらく経った頃、玉鼎は通りを歩きながらホッと一息ついていた。
(しかし・・・楊ゼンのことだ・・。絶対・・・探し回るだろうしなぁ・・)
頬を押さえながら、玉鼎は考える。
(それにしても・・・何だって・・・虫歯なんかになるんだ・・・私の馬鹿・・・)
口の奥で疼く痛みに、玉鼎は思わず自分を罵る。
二、三日ほど前に虫歯が出来てしまい、それで楊ゼンが太乙の知り合いの歯医者に予約を入れて、今日治療してもらうことになっていたのだ。
しかし、歯医者が嫌で逃げ出したというわけである。
 (とにかく・・・楊ゼンに絶対に捕まらないようにしないと・・。もし・・・捕まったら・・・・)
玉鼎は楊ゼンに捕まってしまったときのことを想像する。
間違いなく、たっぷりとお仕置きをされてしまう。
散々お尻を叩かれて泣き叫んだ後で、歯医者に連れて行かれるだろう。
そこでも泣き叫ぶ羽目になるのは間違いない。
(絶対に・・・絶対に・・・捕まらないようにしないと!!)
玉鼎はそんな決意を固めていた。
 「あれ?玉鼎じゃないか?どうしたんだい?」
不意に呼び止められ、思わず玉鼎は飛び上がりそうになる。
とっさに振り向くと、道徳の姿があった。
 「何だ・・・道徳か・・・。一体何をしてるんだ?」
「今日は非番だから、ジョギングしてるんだよ。玉鼎こそどうしたんだい?」
何気なく尋ねた道徳だが、玉鼎は冷や汗が出そうになる。
歯医者に行くのが嫌で逃げ出しましたなどと言ったら、間違いなく楊ゼンのところに連れていかれてしまう。
それどころか、道徳からもお仕置きを受けるかもしれない。
 フィットネスジムの指導員という仕事柄、道徳も健康上のことには厳しい。
正直に言おうものなら間違いなく怒られるだろう。
何としてもお仕置きだけは避けたい。
玉鼎は必死になって頭を巡らせる。
 「じ、実はちょうど道徳のところに行くところだったんだよ」
「そうなのかい?」
「あ・・あぁ・・。楊ゼンが急に出かけることになってねぇ。それで・・」
「わかったよ。おおかた楊ゼンに一人だと心配だから、俺とか太乙のところにでも行ってくれって言われたのかい?」
「そ、そうなんだ。め・・迷惑かな?」
「別にいいさ。立ち話もなんだから、とにかくうちに来なよ」
「す、すまないな」
そういうと、二人してその場を離れた。


 (何とか・・・誤魔化せたが・・・どうしようか・・・)
道徳のアパートで、玉鼎は必死に考えを巡らせる。
(どうしよう・・・どうしよう・・ん・・?)
考えている間に、玉鼎は歯痛がさらに強くなってきたことに気づく。
 (ま・・まずい・・!?)
玉鼎は焦る。
このままだと耐えきれないくらい痛くなりかねない。
そうなったら終わりだ。
しかも、悪いことに道徳が淹れたての、湯気が立っているお茶を出してきた。
 「とりあえずお茶でも飲みなよ。話はそれからでいいからさ」
「あ・・あぁ・・・」
飲まないと怪しまれるので、やむなく玉鼎は湯呑みを受け取って口をつける。
(い・・・いいい痛いぃぃぃ・・・!??)
虫歯にお茶の熱さが沁み、玉鼎は思わず顔を顰める。
「ま、まずかったかい?」
「い・・いや・・そうじゃ・・あぅぅ・・」
平気な振りをしてお茶を飲もうとする玉鼎だが、身体は正直なもの。
飲むたびに歯が痛くてたまらない。
 (何だ・・・様子がおかしいな・・・?)
道徳も玉鼎の様子に不審を抱く。
同時に、本当に玉鼎の言っていることが正しいのか、疑わしくなってきた。
 「玉鼎・・。何か・・・俺に隠してることはないかい?」
「な、何を言ってるんだ!?そ、そんなことあるわけないだろう!!」
玉鼎は必死になって否定する。
だが、それがますます道徳の疑念を煽りたてる。
 「本当に・・・楊ゼンから言われた来たのかい?」
「当たり前じゃないか!私を疑うのか!?」
「それじゃあ、確かめてみるよ」
「え・・?」
玉鼎が思わずキョトンとするのを尻目に、道徳は携帯を取り出す。
 (ま・・マズイ!?)
玉鼎は道徳が楊ゼンに電話するつもりだと気づいた。
そんなことをされたら道徳のところにいるのがバレてしまう。
 「待て!待ってくれ!楊ゼンのところに電話するのはやめてくれ!!」
必死になって玉鼎は懇願する。
「どうしてだい?楊ゼンに言われて来たんだろう?」
「言うからっ!本当のことを言うからっ!だからそれだけはやめてくれないか!!頼むから・・・・・」
「やれやれ・・。やっぱり・・何か隠してたんだな・・・」
道徳は携帯をしまいながら、ため息をつく。
「それじゃあ・・・話してもらおうか。一体、どういうことなんだい?」
「話すよ・・・実は・・・」
もはや逃れられないと観念したのか、玉鼎はシュンとした表情で口を開いた。


 「何だって!何を考えてるんだいっ!!全く・・・」
思い切り怒られ、玉鼎はシュンとする。
「だ・・だって・・・医者は・・嫌いなんだ・・。それに・・凄く・・痛いじゃないか・・。虫歯の治療って・・・」
「だからって逃げ出していいってことにはならないだろう?」
呆れたような口調で道徳は言う。
 「それより・・・玉鼎・・・。こんなことして・・覚悟は出来てるかい?」
「か・・覚悟?な・・何で・・?」
「お仕置きのに決まってるじゃないか。さぁ、こっちおいで」
「い・・嫌だ!お尻・・叩くんだろう?」
「嫌だじゃないだろう、悪いことをしたのは誰だい?」
「ぜ・・・絶対に嫌だっ!!」
玉鼎はそう叫ぶや、逃げ出そうとする。
だが、道徳はドアに先回りして逃げ道を塞ぐと、玉鼎を捕まえた。
 「全く・・・全然反省してないみたいだねぇ・・」
「は・・離してくれっ!道徳っ!」
ため息をつきながら、道徳はソファへ玉鼎を引っ立ててゆく。
玉鼎は必死に抵抗するが、道徳はそれを押さえつけ、ソファに腰を降ろすと同時に膝の上に玉鼎を引き倒した。
 「やだっ!やめてくれっ!道徳っ!!」
膝の上に引き倒されてもなお騒ぐ玉鼎だったが、道徳はそれを無視して、神父服の裾を捲り上げ、ズボンを降ろしてお尻をあらわにする。
「やめろって言ってるじゃないか!何をするんだっ!痴漢っ!変態っ!」
(はぁ・・・全然反省してないみたいだな・・・予想はしてたけど・・・)
とてもお仕置きを受けるとは思えない友人の態度に道徳は再びため息が出る。
だが、すぐに気を取り直すと、左手でしっかりと玉鼎の身体を押さえ、右手を振り上げた。


 バッシィィィ~~~~ンッッッッ!!
「うわあっっ・・!!」
弾けるような音と共に、玉鼎は背をのけ反らせ、悲鳴を上げる。
雪のように綺麗なお尻の表面に、まるでモミジが降ったかのように、赤い手形が浮かび上がった。
 パアシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パッアア~ンッ!パアッチィ~ンッ!
「う・・あっ・・くっ・・あっ・・・」
お尻を叩く音が響くたびに、玉鼎の口から呻き声が漏れ、顔を顰める。
 ピッシャ~ンッ!パアッチィ~ンッ!パアッアア~ンッ!パアッシィ~ンッ!
「ちょ・・ちょっと!何するんだっ!うあ・・痛ぁ・・・」
玉鼎は文句を言おうとするが、道徳はそれを無視してお尻を叩き続ける。
 パアッチィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パアシィ~ンッ!ピシャア~ンッ!
「全く・・・何をやってるんだい・・君って子は・・・」
友人というよりも、手のかかる弟に言い聞かせるような口調で、道徳はお説教を始める。
 ピッシャ~ンッ!パアッチィ~ンッ!パアシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!
「歯医者が嫌だからって・・・逃げ出すなんて・・。治らなくて困るのは玉鼎だろう?自分の身体は大事にしなきゃダメじゃないか・・・」
平手を振り下ろしながら、道徳はお説教を続ける。
 「くぅ・・!痛・・・痛ぁ・・・道徳・・痛・・・痛い・・・」
だが、お説教が聞こえていないのか、玉鼎はそう言うばかり。
パアッチィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パッアア~ンッ!パアッチィ~ンッ!
「それより・・・そんなことをしたら・・・楊ゼンに迷惑がかかるし・・。何よりも・・・楊ゼンが心配するだろう?そのことをちゃんと考えたのかい?」
平手を振り下ろしながら、道徳は玉鼎にそう言い聞かせる。
 「道徳っ!さっきから何度も痛いって言ってるじゃないか!聞こえてないのか!?」
だが、玉鼎はとても話を聞いているとは思えない態度で、そう叫んだ。
道徳は一旦お尻を叩く手を止めて言う。
「聞こえてるよ、ちゃんと」
「だ・・だったら・・何でやめてくれないんだ!?ひどいじゃないか!!痛いんだぞ!」
玉鼎はお尻をアピールするかのように揺すってみせる。
さっきまでずっと叩かれていたお尻は、全身が満遍なく赤に染まっていた。
 「玉鼎・・・君、自分がどういう立場にいるか、わかってるのかい?お仕置きされてるんだよ?」
「何でそんなことされなきゃいけないんだ!離してくれっ!痛いっていってるじゃないか!!」
「玉鼎・・。まさかとは思うけど・・・反省してないのかい?」
そんな馬鹿なと思ったが、道徳は尋ねてみる。
 「何で私が反省しなきゃいけないんだ!!もう降ろしてくれ!!」
「玉鼎・・・どうして、そう思うんだい?」
「当たり前じゃないか!嫌だって言ってるのに、楊ゼンが無理やり歯医者なんかに連れて行こうとするからだろう!凄く痛いんだぞ!それなのに連れていくなんて!ひどいじゃないか!!」
「楊ゼンだって君の事が心配だからそうしてるんじゃないか。それなのに・・・逃げ出すなんて、それじゃあ楊ゼンが心配するだろう?」
「だから楊ゼンが歯医者なんかに連れて行こうとしなければやらなかったって言ってるじゃないか!!私は悪くない!!」
「玉鼎・・・まさか・・・本気で言ってるのかい?」
「だったら何だって言うんだ!私は子供じゃない!いい加減に降ろしてくれ!」
あくまでもそんなことを言う玉鼎に、道徳はため息をついた。
直後、思い切り右手を叩きつける。
 ビッダァァァァ~~~~~~ンッッッッッ!!!!
「うっわああああああああああああ!!!!!」
今までとは比べ物にならない打撃に、玉鼎は悲鳴を上げる。
「な・・・何をするんだっ!?」
思わず振り返って文句を言う玉鼎だったが、道徳の表情に思わず表情が強ばる。
 「いい加減にしないかい・・・玉鼎・・・」
「ど・・道徳・・?」
道徳のただならぬ雰囲気に、玉鼎は引きそうになる。
「自分勝手な理由で逃げ出したり・・・それで楊ゼンがどれだけ心配してると思ってるんだい?」
「そ・・それは・・・」
「それなのに勝手なことばかり・・・・。絶対に許さないからな!!」
道徳はそう言うや、足を組む。
おかげで、玉鼎は既に赤く染まっているお尻を突き上げるような体勢になった。
 「ひ・・!ど、道徳っ!これやだあっっ!!」
途端に玉鼎はガラリと態度が変わる。
この体勢で叩かれるととても痛いし、そして何よりも、こういう体勢のときは、相手が本気の本気で怒っているときだと知っているからだ。
そんな玉鼎には構わず、道徳は平手を振り上げた。
 ビッダァァァ~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!
「うっわああああああんっっっ!!!!!!!痛ったあああいいいいぃぃぃ!!!」
集中豪雨のような打撃の嵐に、玉鼎は背をのけ反らせて絶叫する。
 「本当に・・・悪い子だなっ!!そんな子は・・・絶対に・・・!!」
バアッジィィィ~~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~!!!!!!
 「ひぃぃぃんっ!やめっ!やめてくれっ!道徳っ!痛いっ!本当に痛いぃぃぃ!!!」
とても耐えきれず、玉鼎は両脚をバタつかせ、泣き叫びながら許しを乞う。
「何言ってるんだい。自分勝手なことばっかりいって、全然反省してない悪い子にはこれぐらいじゃ足りないよ」
余程怒っているのだろう、道徳は容赦の無いことを言う。
「そ・・そんなっ!」
絶望のあまり叫ぶ玉鼎だったが、道徳は容赦なく平手を振り下ろし続ける。
その後、激しい平手打ちの音と悲鳴が響きわたった。


 「ひぃひぃん・・・。うっ・・・うぇぇ・・・」
ボロボロと涙を零して玉鼎は泣いていた。
お尻は今や濃厚なワンレッドに染め上がっている。
 「ひぃひぃん・・。ど・・道徳・・も・・もぅ・・許して・・・」
身体を震わせて泣きながら、玉鼎は必死に許しを乞う。
「反省してるかい?」
道徳はお尻を叩く手を止めて尋ねる。
「したっ!反省してるっ!だから・・・」
「それじゃあ、ちゃんと楊ゼンのところに帰るね?」
「帰るっ・・!ちゃんと帰るからっ!!」
「歯医者も後でちゃんと行くかい?」
「行くっ!約束するっ!!」
必死になって約束する玉鼎に、道徳もちゃんと反省しているとみたのだろう、表情を今までより優しいものに崩す。
「どうやらちゃんと反省出来たようだね・・・。それじゃあ・・お仕置きは終わりだよ」


 「くぅ・・!ど、道徳っ!もう少し・・優しく・・!!」
「これぐらい我慢しなよ」
「何言ってるんだ!空気が触れるだけでも痛いんだ!!」
薬を塗っている道徳に、玉鼎はそう叫ぶ。
 「それは玉鼎が悪いことをしたからだろう?」
「そ・・それは・・・」
「まあしばらく休みなよ。楊ゼンには俺の方から言っておくから」
道徳は頭を撫でてやりながら言う。
 「むぅ・・・。何だか子供扱いだ・・・」
不機嫌そうな表情の玉鼎に、道徳は苦笑を浮かべると、お尻にタオルを載せてやってその場を後にした。


 数日後のある日・・・。
「ひぃん・・!よ、楊ゼンっ!痛いぃぃぃ!!!」
玉鼎が悲鳴を上げるのを尻目に、容赦なくパドルが叩きつけられる。
 「何言ってるんですか!歯医者が嫌だからって逃げ出したりなんかして!どれだけ心配したと思ってるんですか!」
楊ゼンは怒り心頭といった表情で、兄のお尻にパドルを叩きつける。
道徳に連絡をもらって迎えに行ったときは、既に道徳にお仕置きを受けた後だったので、その時は執行猶予ということでお仕置きは許していた。
だが、後日歯医者に連れて行ってしっかり治療を受けさせ、その後も治ると、今まで猶予していたお仕置きをついに実行したというわけである。
 「だって・・・嫌だったんだ・・・」
「だからって逃げだしたりしていいわけがないでしょう!!」
思い切り強烈なパドル打ちを叩きつけながら、楊ゼンはお説教する。
「ひぃん・・・!!私が悪かったからっ!!許してくれっ!!」
「ダメです!本気で怒ってますからね!一週間は座れないくらいお仕置きしてあげます!」
「そ・・そんな~~~~っっ!!!」
絶望に満ちた玉鼎の悲鳴が響きわたる中、パドルを叩きつける音がこだました。


 ―完―

スポンサーサイト

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

山田主水

Author:山田主水
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2投票
無料アクセス解析
FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード