無理の代償(TOVSより:ティア/ルカ)



(TOVSを題材にした二次創作です。キャラのイメージが原作と異なっている可能性があります。許容出来る方のみご覧下さい)


 「何でアンタなんかと組まなきゃいけないのよ!」
「そりゃこっちのセリフだっつーの!バカ女」
「言ったわねっっ!!」
「ちょ、イ、イリア・・やめなよ・・・」
「ルークっ!いい加減にしなさい!!」
今にも喧嘩しそうなルークとイリアを、ティアとルカそれぞれが引き離す。
 「イリア、仕方無いよ。そう決まっちゃったんだからさ・・・」
ルカは不平そうなイリアを説得しようとする。
今回、4人はバトルのみのモードに参加していた。
そのため、他の参加者と共にチームの割り振りが行われたのだが、その結果ルークとイリア、ティアとルカでそれぞれ組むことになったのだった。
「だからって何でこんなワガママ男なのよ。しかも・・・よりによってルカを虐待してる奴なんかと・・・」
イリアはあてつけるように言いやる。
彼女にしてみれば、ルークはお仕置きなどといってルカを虐待するいけすかない相手だった。
「おい!虐待って何だよ!人聞きの悪いこと言うんじゃねーよ!」
「アタシが病気の間にまたルカのこと叩いた癖に!幾らでも言ってやるわよ!変態サド!虐待魔!」
「もう勘弁出来ねえ!」
ルークは思わず愛剣を引きぬこうとする。
 「やめなさい!!二人ともこれ以上喧嘩すると、お尻叩くわよ!!」
ティアの言葉に、ルークもイリアも已む無く黙る。
「とにかく・・・こんなところでいつまでも言い争っているわけにもいかないでしょう。決まった以上仕方無いんだから」
「イリア、しばらくの辛抱だよ。僕も我慢するから・・・。あと・・ルークさん、嫌かもしれませんけど・・・イリアの事、よろしくお願いします」
「まーお前がそーいうんなら面倒見てやるけどな。ルカ、ティアの足引っ張るんじゃねーぞ」
「は、はい。わかってます」
「ルークこそイリアと喧嘩するんじゃないわよ。それとイリア、悪いことしちゃダメよ、わかってるわね?」
「あんたたちに言われなくたってわかってるわよ!仕方ないわね・・・。そっちこそ足引っ張るんじゃないわよ、虐待魔!」
「誰が虐待魔だ!俺はどっかの銀髪黒ローブ野郎じゃねーっての!!」
そんな風に言い争いながら、ようやく二人は歩き出す。
 「だ・・・大丈夫・・ですかねぇ・・?」
そんな二人の姿にルカは思わず心配になる。
「心配なのはわかるけど、私達も行かないとだわ。ルカ、用意はいい?」
「あ・・はいっ!」
「それじゃあ行くわよ」
そういうと、ティアとルカも歩き出した。


 「ティアさん、足りないものあったら買ってきましょうか?」
「そうね。お願いするわ」
宿屋で荷物の整理をしながら、ティアとルカはそんな会話を交わす。
足りないものをチェックすると、ルカは必要なものを書いたメモ用紙を持って出かけようとした。
 「あれ?どうかしました?」
不意にティアの視線を感じ、ルカは思わず尋ねる。
「いえ。ルカは本当にいい子ね」
「そ、そんなことないですよ!一緒に旅してるんですから、これくらい当たり前ですよ」
「その言葉、ルークに聞かせたいわ。ルークの場合、ワガママばかり言うから、お尻叩いてでも言うこと聞かせないといけないことがあるのよ」
「そ・・そうなんですか。ティアさんも大変なんですね・・・」
「だからルカのおかげで本当に助かってるわ」
「い・・いえっ!ぼ、僕こそ・・。あっ!か、買い物してきます!!」
恥ずかしいのか、ルカは逃げ出すようにして宿を後にした。
 (後は・・・)
メモ用紙を見ながら、ルカは買い忘れが無いかチェックする。
(無いみたいだね・・・よかった・・・)
歩きながら、ホッとしていると、不意に視界がぼやけた。
(あれ?)
一瞬、怪訝に思ったが、すぐに戻る。
(勘違いかな?それより・・早く戻らないと。あまり遅くなっちゃうと迷惑かけちゃうし)
そう心の中で呟くと、ルカは足を早めた。
 その翌日・・・。
(ど・・どうしよう・・・)
ルカは困りきっていた。
まるで雪風にでもさらされているかのように、全身が悪寒に襲われている。
その一方で、頭は熱した石炭のように熱かった。
 (何てこと・・病気になっちゃうなんて・・・・僕の馬鹿!)
ルカは思わず自分を責める。
このままだとティアの足を引っ張ってしまいかねない。
(ティアさんに・・・言った方が・・ダメだよ!そんなことしたら、心配させちゃうし、何より・・・僕のせいで色々迷惑かけちゃう!!)
イリアと一緒に悪いことをしたにも関わらず、ティア達には助けてもらった。
そのことが、ティアに迷惑や心配をかけたくないと、ルカの気持ちを束縛してしまう。
 (とにかく・・・ティアさんには・・・絶対にバレないようにしなきゃ!!)
ルカはそう決心すると、鏡を見ながら、平静を装うための努力に取りかかった。


 「ルカ、大丈夫なの?」
「え?な、何がですか?」
ルカはティアが呼びかけていることに気づくと、慌てて返事をする。
「さっきから何度も呼んでるのに返事が無いから、どうかしたのかと思ったのよ」
ティアは野宿の準備をしながらルカに話しかける。
「ご、ごめんなさい!イ、イリアのことが気になってまして・・・」
「ならいいんだけど。ルカ・・・まさかまた何か隠し事をしてるなんてことはないわね?」
「あ、ありませんよ!」
「嘘をつくとは思えないから・・・取りあえずは信じるわ。でも・・・何かあったら絶対に無理はしないで相談すること、いいわね?」
「わ、わかってますよ。あ、す、すみませんっ!焚き木取ってきますね!!」
ルカはそういうと慌ててその場を離れた。
 (あの子・・・また・・・何か隠してるわね・・・)
ルカの様子にティアはそう察する。
(いい子だけど・・それだけに却って心配だわ・・・)
ティアはそう思わずにはいられない。
(でも・・・下手に問い詰めても話してくれるとは思えないわね・・・。向こうから話してくれるのを待つしかないわ・・・)
 一方、ルカはティアの姿が見えなくなると、ホッと一息つく。
(危なかった・・・。ばれちゃうところだったよ・・・)
バレずに済んだことにホッとしつつも、すぐに不安になる。
 (でも・・・絶対怪しいって思われちゃったよね。どうしよう・・。正直に話した方がいいかなぁ・・・。ダメダメ!ティアさんに迷惑かけないって決めたじゃないか!僕の馬鹿!!)
焚き木になりそうな枝を集めながら、ルカは自身を叱咤する。
(そうはいっても・・・何だか・・だるいし・・熱いのと寒いのが・・・もっと・・ひどくなってきたみたいだし・・・)
ルカは喉の渇きを覚え、持っている水筒を傾け、飲み始める。
だが、中身を全て飲んでも、喉の渇きはおさまらない。
 (水・・水・・・)
ルカは水が欲しくてたまらず、水を求めてフラフラと歩き出す。
歩いているうちに、ルカは水音を聞きつけ、音のする方に向かう。
しばらく歩くと、小さな川を見つけた。
 川を見つけるや、ルカは駆け寄って飲もうとする。
だが、病気で弱り切った身体ではまともに走れず、フラついたかと思うと、顔から川に突っ込んでしまった。
(し・・しまっ・・・)
危険に気づいた時にはもう遅かった。
無理をして平気な振りをしていた代償に、すっかり体力は無くなっており、起き上がる気力すらない。
(このままじゃ・・でも・・もう・・・)
冷たい感覚を感じながら、ルカの意識はだんだんと遠くなっていった。


 目を覚ましたルカの目に最初に飛び込んで来たのは、ティアの安堵の表情だった。
「よかった。気づいたのね」
「あ・・ティア・さん・・あれ?」
ルカはいつの間にか、自分がベッドに横たわっていることに気づく。
 「あれ・・?ティアさん、ここは?」
「宿屋よ。中々戻って来ないから、変だと思って様子を見に行ってみたら、川に顔を突っ込んで倒れてたのよ」
「す・・すみません・・・」
「応急処置をして、熱があるのがわかったから、近くの村に駆け込んで宿を取ったの。さっき医者を呼んで診てもらったわ」
「ほ・・本当に・・すみません・・・」
自分のせいでティアに迷惑をかけてしまったかと思うと、申し訳なくてたまらなくなってくる。
「とにかく、今はしっかり休むこと。いいわね?」
ティアの言葉に文句があるはずもなく、ルカは黙って頷くと、静かに目を閉じた。


 その数日後・・・。
「もうすっかり元気になったみたいね」
ティアは回復したルカの姿に安堵の表情を浮かべる。
「あ、はい。ティアさんのおかげです」
「ならよかったわ。ところで・・・」
「は・・はい・・」
ティアの雰囲気が変わったことに気づくと、ルカは静かに息を呑む。
 「ルカ・・・本当はわかっていたんじゃない?体調が悪いって?」
「ご・・ごめんなさい・・・・」
ルカは素直に謝るが、ティアは厳しい表情を崩さない。
 「『ごめんなさい』じゃないでしょう。何故、ちゃんと言わなかったの?」
「す・・すみません・・。また・・迷惑かけちゃうって・・思って・・・。それに・・・心配・・させたく・・・なくて・・・」
「だからって無理に我慢して隠したりしたら、もっとひどくなるでしょう?それにそんなことしたら却って心配させるって思わなかったの?」
「ご・・ごめんなさい・・・」
「ちゃんと反省してるかしら?」
「し・・してます・・」
「だったら・・わかってるわね?」
ティアはベッドの縁に腰を軽く膝を叩く。
それを見ると、ルカは思わず怯んだ表情を浮かべ、両手をお尻に回す。
 「ルカ、何をしているの?」
怯みがちなルカにティアは厳しい声で問いかける。
「す、すみません」
「すみませんじゃないでしょう?悪いことをしたのはルカでしょう?」
「わ・・わかってます・・・」
ルカはお尻を押さえたまま、おずおずとティアのもとへゆく。
傍までやって来ると、ジッと立ち尽くして、ティアの膝を見つめていた。
 (の・・・載らないと・・・でも・・・)
ルカは本能的に尻込みしてしまう。
お尻を叩かれる痛さ・辛さは身を以って知っている。
だから、自分が悪いとは認めていても、中々うつ伏せになれなかった。
 「ルカ・・・・いい加減にしないと・・・本当に・・怒るわよ?」
ティアの言葉にルカは慌てる。
今だってティアは怒っているのだ。
これ以上マゴマゴしたら、その怒りがどうなるかわからない。
慌ててルカは飛び込むようにして、ティアの膝の上にうつ伏せになった。
 ルカがうつ伏せになると、ティアはルカのズボンを降ろし、お尻をあらわにする。
(うぅ・・・・お尻・・・見られてるんだ・・・)
ティアの視線をお尻に感じるや、ルカはたまらなく恥ずかしくなってくる。
無意識のうちに顔はタコのように赤くなっていた。
 「ルカ・・・覚悟はいいわね?」
ルカの身体を左手で押さえると、ティアはそう問いかける。
両手でベッドのシーツを握りしめ、お尻にキュッと力を入れてお仕置きを受ける準備をすると、ルカは黙って頷く。
それを見ると、ティアはゆっくりと右手を振り上げた。


 パアッシィィィ~~~ンッッッ!!
「くぅぅ・・!!」
甲高い音と共にお尻の表面で弾けるような音が響く。
同時にルカの口から苦痛の声が漏れた。
 (ルークさんより・・・力は弱い・・けど・・・でも・・・痛い・・よぉ・・)
ルカはティアの平手打ちにそう思わずにはいられない。
男で剣士なルークの方が腕力はあるから、ダメージ自体はルークの方が大きい。
だが、ティアは現役の軍人。
敵に的確にダメージを与える方法はよく知っている。
だから、ルークより非力な腕力でも、痛くないとは限らない。
むしろ、本当の意味で戦いのプロである彼女の方が、旅に出るまでは実戦の経験が無かったルークよりも痛いかもしれない。
だからこそ、体力で勝るはずのルークとて、ティアのお仕置きから逃れられず、泣かされる憂き目に遭っているのである。
 パアシィンッ!ピシャアンッ!パアアンッ!パアチィンッ!パシィンッ!
「・・ぅ・・・く・・あぅ・・・あく・・ぁ・・・」
ルカは声が出るのを堪えようとするが、耐えきれず、意思とは裏腹に声が出てしまう。
 「全く・・・あなたって子は・・・」
ティアはルカのお尻を叩きながら、呆れたような口調でお説教を始める。
パアアンッ!ピシャアンッ!パアチィンッ!パアアンッ!ピシャアンッ!
「・・っ・・あ・・あぅ・・・あくぅ・・あっ・・・」
少しずつお尻は赤く染まってゆき、同時にルカの呻き声も大きくなってゆく。
 「体調が悪いなら、無理に隠したりしないで、ちゃんと言いなさい。そんなことしたら、却って迷惑になるでしょう?」
バシッ!バチンッ!バンッ!バチンッ!ビダァンッ!
「く・・!ぐっく・・!ぐくぅ・・!うっ・・!うわぁ・・」
ティアの平手打ちがより厳しいものになり、ルカは身体を強張らせ、より苦しげな表情を浮かべる。
 「ご・・ごめん・・なさい・・。い・・今まで・・何度も・・助けて・・もらってるから・・・。こ・・今度こそ・・・迷惑・・かけちゃ・・・いけない・・。ティアさんに・・甘えて・・ばっかりじゃ・・い・・いけ・・ない・・って・・・」
「馬鹿!そういうのがいけないの!!」
バアッシィィィ~~~~ンッッッッッ!!!
「い・・痛ったぁぁぁ~~~~っっっ!!!」
思い切りティアに叩かれ、ルカは背筋をのけ反らせて叫ぶ。
ティアは一旦お尻を叩く手を止めると、口を開いた。
 「いい?私もルークもあなた達のことを迷惑だなんて思ってないわ」
「テ・・ティア・・さん・・・・」
「私達にとっては、あなた達は弟や妹のようなものよ。ルークは認めたがらないけど。それに、今はパートナーでしょ?パートナー同士なら助けあう、支え合うのは当然だわ。だから他人行儀に無理をして隠さなくてもいいのよ。何かあれば支え合い助け合う。あなたとイリアだってそうでしょう?」
「は・・はぃ・・・」
「だから我慢はしないこと。何かあればきちんと話すこと。いいわね?」
「は・・はい・・。心配させて・・・ごめん・・なさい・・・」
「わかってくれたならよかったわ。それなら・・・始めましょうか」
「え・・?な、何を・・ですか?」
何だか嫌な予感を覚え、ルカは恐る恐る尋ねる。
 「決まってるでしょう、お仕置きよ」
「え・・?ど、どうして!?」
思わずルカは叫んでしまった。
 「ルカ、今まではどうして怒られたのか、自分がどういうことをしたのかをわかってもらうためのものよ。自分がしたことをきちんと理解してからが本当のお仕置きよ。そうでなければ意味が無いわ」
ティアの言葉にルカは身体が震えてしまう。
お尻はもう十分なくらいに赤く染まっている。
これ以上ぶたれたらお尻がどうかなってしまうかもしれない。
 (でも・・・悪いことをしたのは・・僕・・。ティアさんがこんなに・・怒ってるのは当たり前じゃないか!うんと叱られて痛い思いするのも僕のせい・・・)
恐怖に負けそうになる自身をルカは叱咤する。
 「わ・・・わかり・・ました・・・。ぼ・・僕が・・悪かった・・ですから・・。だ・・だから・・・お仕置きは・・受けます・・。こ・・怖い・・ですけど・・・」
「よく言えたわ。偉いわ」
ティアはそう言って褒めるが、ルカは複雑な気持ちになる。
しかしそれでも、ルカは素直にお尻を差し出す。
 ティアはルカの態度を見ると、足を組む。
(こ・・これ・・・)
ルカは思わず喉をヒクつかせる。
ルークからのお仕置きで、痛いのはよくわかっていたからだ。
 さらに、ゴソゴソと音が聞こえたので、思わずルカは振り返る。
すると道具袋からティアがパドルを取り出していた。
(あ・・あれで・・お尻・・ぶたれるんだ・・・)
この前のお仕置きを思い出し、ルカは再び震えてしまう。
だが、それでもルカは恐怖を堪えてジッとしている。
 「では・・・いくわよ。いいわね?」
ティアの言葉にルカは黙って頷く。
それを見たティアはゆっくりとパドルを振り上げた。
 バアッチィィィ~~~~ンッッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッッ!!!
「うっわああああんんんんっっっっっ!!!!」
ルカは背筋を反らして絶叫する。
 「わぁぁぁんんんん!!!痛ぁぁぁいいいいいい!!!!!」
容赦なくお尻に降り注ぐパドルの嵐に、ルカは両脚をバタつかせて泣き叫ぶ。
「ごめんなさぁぁぁいいいい!!!ごめんなさぁぁぁいいいい!!!」
必死に謝って許しを乞うルカだったが、ティアは黙々とパドルを振り下ろし続けた。


 「うっう・・うぇぇ・・・ひぅええん・・・・」
大粒の涙を零しながらルカは泣きじゃくっていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がっている。
 「ルカ、反省したかしら?」
ティアはパドルを振るう手を止めて尋ねる。
「し・・しましたぁぁ・・。心配・・かけて・・ごめんな・・さぁぁい・・・」
「何かあったらこれからはちゃんと話すのよ。約束出来るかしら?」
「は・・はぃぃ・・。し・・しますぅぅ・・・」
「わかってくれたようね。なら・・お仕置きは終わりよ」
そういうと、ティアはパドルを手離した。


 「くぅぅ・・・・」
ベッドにうつ伏せになったまま、ルカは顔を顰める。
「沁みたかしら?大丈夫、ルカ?」
「だ・・大丈夫・・です・・。それより・・・心配させちゃって・・・ごめん・・なさい」
「いいのよ。わかってくれたなら。ルカ、心配かけたくないという気持ちはわかるわ。でも、困ってるときはちゃんと言うのよ。私に出来ることなら力になるから」
「は・・はい・・。ありがとう・・ございます・・・」
薬を塗り終わると、ルカはホッとした表情を浮かべる。
 「ティアさん・・・」
「どうしたの?」
「ルークさん達・・・どうしてるんでしょうかねぇ・・?」
「どうしてるのかしらね。心配?」
「ええ・・ちょ、ちょっと・・・。イリア、迷惑かけてたり・・怒られるようなこと・・やってないかなぁって・・・」
「そう思うのも仕方ないわね。でも、今はゆっくり休みなさい」
「は・・はい・・・。それじゃあ・・お言葉に・・甘えて・・」
ルカがそういうと、ティアはゆっくり休めるようにと、部屋を出ようとする。
 「あ・・あの・・」
「どうしたの?」
「あ・・やっぱり・・いい・・です・・」
ルカはそう言うが、ティアは近づくと、こう言った。
 「ダメよ。言ったはずでしょう?何かあったら遠慮なく言いなさいって」
「で・・でも・・・」
「でもじゃないわ。ルカ、安心しなさい。何を言っても・・怒らないから・・」
「わ・・わかり・・ました・・。あ・・あの・・・そ・・傍に・・居て・・くれますか?」
恐る恐るといった感じで、ルカはティアの様子を伺う。
 「わかったわ。これでいいかしら」
ティアはルカの傍に腰を降ろすと、手を握る。
「す、すみません。こ、子供みたいで・・」
「いいのよ。お仕置きの後は温もりが欲しくなるものよ。安心して寝なさい」
「ありがとうございます。それじゃあ・・お言葉に甘えて・・・」
そういうと、ルカはそのまま静かに眠る。
 「何だか・・・本当に・・・弟が出来たみたいね・・」
ティアはそう呟くと、愛情の籠った目でルカを見つめていた。


 ―ティアは『お姉さん的存在』の称号を手に入れた―


 同じ頃・・・どこかの街の宿屋。
バッシィィ~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~!!!!!
「ちょっと!やめろって言ってるでしょーが!!」
「うるっせえ!性懲りもなくまた悪さしやがって!!」
ルークは膝の上に載せたイリアのお尻をバシバシと叩く。
相当お仕置きされているのだろう、イリアのお尻は既に真っ赤だった。
 「何よ!そもそもアンタがちゃんとお金渡さないから悪いんでしょうーが!!」
「だからってチンピラからカツ上げなんてすんじゃねーよ!馬鹿!」
「どうせ悪党なんだからいいじゃない!!」
「そういう問題じゃねえだろ!!」
ルークは激しく平手打ちを繰り出しながらお説教する。
 買い出しに出たのはいいが、イリアに渡した額が少なかったらしく、途中でお金が無くなってしまった。
お金が無くなったイリアが解決策としてやったのが、チンピラを見つけて痛めつけ、いわゆるカツ上げをやろうということだったのである。
ところが、その現場をルークに見つかってしまい、宿屋に連行されてお仕置きの真っ最中というわけだった。
 「ったく・・・ちっとは反省しろってーの!!」
「うるさいわよ!虐待魔の癖に!」
「俺はどこかの心配性な悪魔野郎か!って何だよ虐待魔って!!」
虐待魔などという、あまりにも不名誉なあだ名にルークはカッとなる。
 「アンタにはピッタリよ!ルカの事虐待してるんだから!」
「虐待じゃねー!お仕置きだ!」
ルークなりに二人の事を心配しているからこそお仕置きをしているのに、虐待などと言われては、憤慨したくもなる。
 「立派な虐待じゃないのよ!さっさと降ろしなさいよ!変態サド!虐待魔!弱い者いじめばっかりしてるロクデナシ!!」
イリアはこれでもかと言わんばかりに罵る。
「テメェ・・・全然反省してねぇな・・・」
「何よ。アンタが悪いんでしょ?どうしてアタシが反省しなきゃいけないのよ」
お仕置きされているというのに、イリアは強気な態度を崩さない。
「そーかよ。そんなら俺も勘弁なんかしてやらねー」
ルークはそう言うと、膝を組む。
 「ちょ・・!何するのよ!」
「決まってんだろ!お前みてーな悪ガキはトコトンお仕置きしてやるんだよ!!」
そういうと、ルークはさらに平手の豪雨を繰り出した。
 「痛ぁああああ!!!やめろって言ってるでしょうが!この虐待魔!」
「だから俺は虐待魔じゃねー!!」
お互い言い争う声と平手を叩きつける音が部屋に響きわたっていた。


 ―ルークは『虐待魔』の称号を手に入れた―


 ―完―
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