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不注意の代償(最遊記より:八/三)



(最遊記を題材にした二次創作です。キャラのイメージが原作と異なっている可能性があります。許容出来る方のみご覧下さい)


 その日もいつものように三蔵はタバコを吸っていた。
「ただいま帰りました。って三蔵、また吸ってるんですか?」
悟空と一緒に買い出しから戻って来た八戒は、部屋に充満するタバコの匂いに顔を顰める。
 「あん?今さら何言ってやがんだよ?」
自分のヘビースモーカー振りはよく知っているくせに、そんなことを言う八戒に三蔵はそう言い返す。
「別にタバコを吸うのは構いませんよ。どうせ言ったってやめる気なんかないのはわかってますから。ですけどね・・・」
「あん?思わせぶりな言い方しねえで、言いたいことがあんならさっさと言えよ」
回りくどいことは嫌いなせいか、三蔵はそう言う。
 「じゃあ聞きますけど、三蔵、あなたところ構わずタバコ吸ってますよねぇ。それもよく場所を考えないで」
「あん?それがどうした?」
「どうしたじゃないですよ。こういうことですよ」
八戒は部屋に備え付けのチリ取りや箒を手にしたかと思うと、三蔵の足元を箒で素早く掃く。
掃き終えると、八戒はチリ取りを三蔵につきつけた。
 「何のつもりだ?」
「よく見て下さい。これ、吸殻の灰ですよ?」
「それがどうしたんだよ」
「どうしたじゃないですよ。場所を考えないで吸ってばかりいるから、床やテーブルに吸殻とかが落ちるんですよ」
「ふん・・・知らねえなぁ・・・」
「そうですよねぇ。自分は吸ってばかりで、後始末は僕らに押し付けてますからねぇ」
「ああん!あてつけてんのか!?」
八戒の口ぶりに三蔵はカッとなりかける。
 「そんなつもりはありませんよ。でも三蔵、前にタバコの灰で宿のカーペットを焦がしたのを忘れたんですか?それも二回も?」
「ふん・・・そんなの知るかよ」
「やっぱりそうですか。そうじゃないかと思ってましたけど」
「テメェ・・一々癇にさわること言ってんな・・・」
三蔵は不機嫌そうな顔で言い返す。
 「とにかく・・・・タバコはちゃんと場所を考えて吸って下さい。宿だって迷惑ですし、火事にでもなったらどうするつもりですか?」
「うるせえな・・・」
三蔵はそう言うとまた一本タバコを出そうとするが、八戒に取り上げられてしまう。
 「テメェ、何しやがる!」
「わかってもらえないなら全部没収しますけど?」
「何・・・」
並の人間なら震えあがってしまいそうな目つきで三蔵は睨みつける。
だが、八戒は平静そのもの。
 「どうします?僕の言う通りにしますか?それとも・・チェックアウトするまで我慢しますか?」
「テメェ・・・」
再び睨みつけるが、無意味なのはわかっていた。
「ふん・・・・好きにしやがれ・・・」
「わかってくれればいいんですよ。ああ、一つ言っておきますけど、もし汚したりしたらただじゃ済みませんからね」
ニコリとダメ押しをするかのように、八戒はそう言いやった。


 (クッソ・・・あの・・野郎・・・)
三蔵は八戒の顔を思い出すと、苛立ちに顔を顰める。
(一々姑みてぇに細かいこと言いやがって!!)
八戒の言葉を思い出すと、そう叫びたくなる。
 無論、三蔵とて八戒の言うことが正しいのはわかっている。
しかし、それをあんな風に言われるのはたまらない。
子供ではないのだから。
八つ当たり、筋違いな怒りなのはわかっているが、それでもあんな風に言われたりしたのが悔しくてたまらない。
 一方で、その怒りが不当なものであることもわかっていた。
八戒が正しいことはわかっていても、素直にそれを認められない、それどころか筋違いな怒りを抱く自分に対し、三蔵は苛立ちを募らせる。
それがさらに三蔵の感情に油を注ぎ、燃え上がらせていた。
 (クソ・・!クソクソクソクソクソクソクソクソ!!)
苛立ちが募りに募り、三蔵は無意識のうちにタバコに手を伸ばす。
溜まった苛立ちを紫煙と共に発散させようというのか、出しては吸う。
あっという間に灰皿は吸殻でこんもりと埋まってしまい、それでも三蔵はさらに吸い続けた。
 (ん・・・?)
不意に三蔵は焦げくさい臭いがすることに気づく。
怪訝に思って足元を見下ろしてみると、幾つか吸殻が床のカーペットに落ちてしまっていた。
しかも、焦げて黒い染みを作ってしまっている。
「クソ・・・!!」
三蔵は思わず舌打ちする。
 (俺としたことが・・・)
あれだけ言われたにも関わらず、またも同じ失敗をしてしまった自身の間抜け振りにそう思わずにはいられない。
 「ただいま戻りました・・・・」
不意にドアが開いたかと思うと、買い物袋を抱えて八戒が入って来た。
「おや?どうしたんですか?」
「ふん・・何でもねえよ・・・」
「そうは思えませんけどね。あれ・・?」
八戒はふと三蔵の足元に吸殻が散らばっており、しかもそれが焦げていることに気づく。
 「三蔵・・・・・」
買い物袋を置くと、八戒はゆっくり近づいて呼びかける。
「何だよ・・」
「何だよじゃありません。何ですか?これは?」
「あん?見りゃわかるだろ」
「これが何かを聞いてるんじゃありませんよ。三蔵、僕が言ったこと、まさか忘れたわけじゃないでしょうねぇ?」
「ああん?床にこぼすな、とかいうやつかよ?」
「覚えてはいるようですねぇ・・・・。なのに・・・どうしてまたやるんですか、あなたって人は?」
八戒の問いに三蔵は反抗心が沸いてくる。
自然に言葉が口をついて出ていた。
 「だったら何だってんだよ。何でテメエの言うことなんか聞かなきゃあいけねえんだよ」
三蔵のそんな態度に、八戒は厳しい表情になる。
「三蔵、前に言ったはずですよね?迷惑だし、火事にだってなりかねないから場所を考えて吸って下さいって」
「ああん?どこで吸おうが俺の勝手じゃねえか。何でとやかく言われなきゃならねえんだよ」
(何言ってやがる・・・俺の馬鹿・・・)
三蔵は自身の愚かさにそう思わずにはいられない。
 自分に非があることはわかっている。
だが、それでも、それを認めたくない、他人に頭を下げることなどしたくない。
無駄な虚栄心だとわかっていても、そう思わずにはいられなかった。
 「三蔵・・・本気で言ってるんですか?」
三蔵の態度に八戒の表情がさらに険しくなる。
「ゴチャゴチャうるせえんだよ。だったらどーだってんだ」
(馬鹿野郎!どうして謝れねえんだよ!!)
三蔵は思わず自身を罵る。
自分が悪いとわかっていながら、素直に謝れない、それどころか反抗的な態度を取ってしまう、そんな自分に苛立ちが募る。
 「わかりました・・・。三蔵が全然反省してないのは・・・。だったら・・・僕にも考えがあります・・・」
八戒はそう言うと、おもむろに三蔵の手首を掴む。
「テメェ!何しやがる!」
三蔵は抵抗しようとするが、八戒は難なく引き倒すと、ベッドの縁に腰を降ろし、いつものように三蔵を膝に載せてしまう。
慣れた手つきで八戒は三蔵のお尻をあらわにすると、左手で押さえつけた。
 「テメェ、何すんだ!」
「決まってるでしょう?お仕置きですよ」
「ざけんな・・・何で俺が・・・」
「それは三蔵がよくわかってるんじゃないですか?」
八戒の言葉に三蔵は不機嫌な表情のまま、プイッと顔をそむける。
 「では行きますよ。覚悟はいいですね?」
「やりたきゃあやりゃあいいだろうが・・」
三蔵がそう言いやると、八戒はゆっくりと右手を振り上げた。


 パアッシィィィ~~~~ンッッッッ!!!
「ぅ・・・・」
弾けるような音と共に手形の跡が三蔵のお尻に浮かび上がる。
平手打ちの衝撃に思わず声を漏らしてしまうが、直後、恥辱に満ちた表情を浮かべた。
 パアシィ~ンッ!ピシャ~ンッ!パアア~ンッ!パッチィ~ンッ!ピシャ~ンッ!
平手が叩きつけられるたび、三蔵のお尻に手形が浮かび上がる。
声など出してたまるものかと、三蔵は固く口を引き結び、ベッドのシーツをしっかりと掴んで耐えようとする。
 ピシャ~ンッ!パアチィンッ!パアア~ンッ!パッシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!
「全く・・・何をしてるんですか・・。あなたって人は・・・・」
呆れたような口調で八戒はお説教を始める。
 パアシィ~ンッ!ピシャ~ンッ!パアア~ンッ!パアッチィ~ンッ!ピシャア~ンッ!
「別にタバコ吸うのは構いませんけどね、他人の迷惑くらいは考えて下さいよ。ここは宿屋なんですよ?」
弾けるような音を立ててお尻を叩きながら、八戒は問いかけるようにお説教する。
平手が叩きつけられるたびに三蔵のお尻は少しずつ赤くなり、またそれが濃くなってゆく。
 ピシャ~ンッ!パアシィ~ンッ!パアア~ンッ!パアッチィ~ンッ!
「宿の備品焦がしたら弁償とかしなくちゃいけないんですよ。それだけじゃありません。タバコの不始末で火事だって十分あり得るんですからね。そうしたら関係無い人まで巻き添え食って大変なことになるんですし、そうしたら弁償なんてレベルで済む話じゃあなくなるんですよ、わかってるんですか?」
(そ・・そんな・・こと・言われなくったって・・・わかってるんだよ・・・)
三蔵はそう言いたくなるが、グッと堪える。
そんなことを言うのは、ただの言い訳に過ぎないし、却って見苦しい姿をさらすだけだった。
下手な言い訳や泣き叫ぶような見苦しい真似などしたくない。
無意味な意地、プライドなのは重々承知な上でそう思わずにはいられなかった。
 バシッ!バアンッ!バシッ!バアアンッ!バチンッ!ビダァンッ!
「・・ぅ・・ぁ・・・ぅ・・・っ・・ぅ・・・ぁ・・・」
三蔵は声を懸命に押し殺そうとするが、身体は耐えきれず、微かに声が漏れてしまう。
 「前だって・・・同じことをしたときに、言いませんでしたっけ?それなのに・・・何だって守れないんですか、全く・・・」
(うるせえなぁ・・・。そんなこと・・・言われなくたって・・・わかってるんだよ)
心の中で三蔵は毒づく。
 (そもそも・・・何だって・・・こんなこと・・・されなきゃあ・・・・いけねえんだよ・・・俺は・・ガキじゃ・・ねぇ・・・)
お仕置きを堪えつつ、三蔵の心中でブスブスと不満がくすぶり始める。
自分が悪いことはわかっている。
三蔵だって反省していないわけではないのだ。
だからといって、こんなお仕置きをされるなんて、あまりにも恥ずかしいし情けない。
まるで子供扱いされているようで、悔しくてたまらない。
 一方で三蔵の中にある良心が、そういった感情を筋違いのものだと否定する。
三蔵自身、そのことはよくわかっていた。
だが、余計なプライドが邪魔をして立ちはだかり、三蔵の心中で良心とせめぎ合う。
様々な感情が三蔵の中でぶつかり合い、それらが形こそ違え、三蔵自身の心の中にある醜さをこれでもかとあばき立て、突きつけてくる。
全ての感情が自身への怒りや苛立ちを燃え上がらせた。
 「うる・・・うるせえよ・・・・」
怒りを堪えかねた表情で、三蔵はそう呟いた。
(馬鹿野郎!何を言うつもりだ!)
心の中で三蔵は慌てる。
今までの経験で、自分が何をしようとしているのかは嫌というほどわかっていた。
理性が止めようとするが、それよりも先に感情が先走っていた。
 「ゴチャゴチャうるっせえんだよ!!何様のつもりだよ!テメェに指図されるいわれなんかねえんだよ!!」
後ろを振り返り、憎々しげな声で三蔵は思い切り叫んでいた。
(やっちまった・・・・)
三蔵は思わず後悔する。
こんなことを言えば、八戒は間違いなく激怒する。
(どうして謝れねえんだよ!俺の馬鹿!)
自分が悪いことはわかっているくせに、謝れない自分を罵らずにはいられない。
だが、そんなことをしても意味は無い。
 「三蔵・・・本気で言ってるんですか?」
一旦手を止めて八戒は尋ねる。
静かだが、有無を言わせない口調に八戒の怒りを感じずにはいられない。
たとえ謝っても、さらにきついお仕置きをされることは間違いないだろう。
もっとも、謝るつもりなど毛頭ないし、出来ないで墓穴を掘るのは、嫌というほどわかっていた。
 (もう・・・どうにでも・・なりやがれ・・)
半ばヤケクソで三蔵は心の中で呟くと、開き直ったかのように言う。
「ああん?だったらどうする気だよ?」
「いい加減に・・・しなさい!!」
バアッジィィィ~~~~~ンッッッッッ!!!
「ぐぅぅ・・・!!」
八戒の本気の一撃に、三蔵は思わず声を漏らす。
 「よくわかりました・・・。三蔵が全然反省してないのは・・・。だったら・・・この程度では許しません!!」
八戒はそういうと、さらなる勢いで叩き始めた。
 ビッダァァァァ~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~!!
「ぐ・・!ぐぅ・・!あぐ・・!あぅ・!あぐぅぅ・・・!!」
今までとは比べ物にならない、嵐のような平手打ちに三蔵の顔は苦痛に歪む。
 「テメェ・・・やめろ・・やめ・・ねぇかぁぁ・・・」
お仕置きされているというのに、三蔵は相変わらずの態度を崩さない。
そんな三蔵を無視して、八戒は黙々とお尻を叩き続けた。


 (やりすぎて・・・しまいましたね・・・)
三蔵の姿を見つめながら、八戒は反省する。
強情な三蔵の態度に腹を据えかね、また三蔵が頑として謝ろうとしなかったため、気を失うまで叩いてしまったのだ。
おかげでお尻は濃厚なワインレッドに染まり、服は汗だくになってしまっている。
 (僕もいけませんね・・。三蔵が強情なのはわかっているんですから・・・)
三蔵の性格は誰よりも飲みこんでいるのだから、それを利用してうまく謝らせる方向に持っていくべきだろうと考える。
そう考えながら、八戒はお尻に冷やしたタオルを載せ、傍らにタバコの箱と灰皿を置くと、静かに部屋を後にした。
 「くぅぅ・・・」
ようやく目を覚ました三蔵が最初に感じたのは、焼けつくようなお尻の痛みだった。
「クソ・・・気絶するまで・・・叩きやがって・・・」
相変わらずの不機嫌そうな表情を浮かべつつ、目の前に灰皿とタバコが用意されていることに気づく。
 「ご機嫌とりの・・つもりかよ・・チッ・・・」
そんなことを呟きつつ、三蔵はタバコを取ると、一本吸い始める。
(馬鹿だぜ・・・。サルみてぇに・・・謝りゃあ・・いいのによ・・・)
自身の振舞いを振り返ると、三蔵はそう思わずにはいられない。
自分が悪いことは、自身が一番よくわかっているのだから。
同時に、素直に謝るどころか暴言を吐き、その結果気絶するまで叩く羽目に追い込んだことに、微かに罪悪感が沸いてくる。
 だが、そんな感情を抱いたことに、またプライドが疼いてきた。
同時に悔しさや屈辱感も沸き上がって来る。
八戒にすまないという気持ちと、こんな目に遭わされたという不満や屈辱感がない交ぜとなり、再び三蔵の心中をかき乱す。
「ああクソッ!何なんだよっっ!!」
そう叫ぶと、三蔵は灰皿に思い切りタバコを押し付けて消す。
そして全てを取り払おうとするかのように、そのまま不貞寝した。


 ―完―
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