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マルコ神父12(BL要素あり)



(BL要素ありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 (はぁ~・・・面倒くせえなぁ・・・・)
買い物袋をぶら下げて通りを歩きながら、ネド神父はそんなことを考えていた。
(あと何買えって言われたんだったか・・・?)
ネド神父はメモを見ながらチェックする。
 (しっかし・・・相変わらずキレイな字だよなぁ・・・)
メモ用紙の達筆振りに思わずネド神父は感心する。
字の主はマルコ神父。
思わず感心すると、綺麗な字だった。
(俺のとは比べ物にならんのはわかるけどな・・。でも・・ああまで言わなくたっていいじゃねえか)
メモ用紙を見ながら、ネド神父はマルコ神父の顔を思い浮かべる。
ネド神父の場合、字なんか読めればいいだろう、そういう考えがあるせいか、確かに読めるのだが正直言って汚い字で、いわゆる金釘流(かなくぎりゅう)とでも言われそうな字だった。
 ちなみに金釘流とは下手な字を馬鹿にして言う言葉で、まるで釘でも並べたのかというような汚い字だということに由来する。
そのため、いい加減なことが嫌いなマルコ神父にズケズケと言われてしまったのである。
(まぁでも・・怒った顔も可愛いからなぁ・・・)
今度は、いい加減な自分の生活態度などに怒るマルコ神父の顔を思い出す。
そうしているうちにだんだんと顔がにやけてしまう。
(まあ何だかんだ怒りつつ、結構世話焼きなんだよなぁ。世話女房って感じだよなぁ)
マルコ神父が聞いたらまた憤慨しそうなことを考えつつ、ネド神父はトボトボと通りを歩いていた。
 (ん・・?)
不意にネド神父はジュエリーショップのショーウィンドーに目を止める。
目に留まったのは二つで一組になった指輪。
恋人や婚約者用のペアリングだった。
(中々・・・イイ感じだなぁ・・・・。こいつを・・・二人で・・・)
ついついそんなことを考えていたときだった。
 「こんなところで何してるんですか?」
聞き覚えのある声に、ふと振り返ると、同じように買い物袋を提げたマルコ神父が立っていた。
「ん?マルコか。どうしたんだよ?」
「どうしたじゃありませんよ。何間の抜けた顔してショーウィンドーなんか見てるんですか。買い物は終わったんですか?」
「あ、ああと・・・」
ネド神父の様子に、マルコ神父の表情が険しくなる。
「まだ終わってないんですね。全く・・・買い物くらいちゃんとして下さい・・。あなたって人は・・・」
「悪かった悪かった。さっさと行くって」
「そうして下さい。ったく・・何だってこんなところで油を売ってるんですか・・」
「しょうがねえだろ・・。ちょっといい指輪見つけたんでなぁ・・・」
「それが仕事をサボる理由になるとでも?」
「そういうわけじゃねえって。あれだ、ちょいと見てみろ!」
ネド神父はそういうと例の指輪を指し示す。
 「これですか?まぁ悪くはないですが・・・。でもペアリングのようですけど?」
「だからだよ。俺とお前で一つずつ・・・っていいじゃねえかと思ったんだよ・・・」
「はぁ?馬鹿ですか?男同士でペアリングなんて、気色悪いだけでしょうが!」
「い・・いいじゃねえかよ。俺達・・・」
恋人同士だろと言おうとしたところで、マルコ神父に睨みつけられてしまう。
「くだらないことを言ってないで、さっさと買い物を済ませて下さい。まともに仕事もしない人は・・・知りませんから」
「わかったわかった!今すぐ行くって!」
「さっさとそうして下さい!」
すっかりマルコ神父にやり込められ、半ばシオシオといった感じでネド神父は再び歩き出す。
 「全く・・・何を下らないことを・・・考えてるんですかね・・・」
呆れたようにため息をつきつつも、マルコ神父はチラリと指輪のセットを見やる。
(まあ悪くはないですけどねぇ・・。でも・・・幾ら・・そりゃあ・・今は・・恋人ですけど・・・。二人で一緒のを・・・そんなの・・恥ずかしいだけでしょうが!!)
そう思いつつも、ついつい指輪に視線を向けてしまう。
 (一緒に・・・つければ・・・喜びますかねぇ・・?)
そんなことを思うが、次の瞬間、ハッとする。
(何を馬鹿なことを考えているんですか!こんなところでボヤボヤしてる暇なんかないでしょう!!)
そう自分を叱咤すると、慌ててその場を立ち去った。


 「お?何してんだ?」
パソコンの画面とにらめっこしているマルコ神父を見やると、ネド神父はおもむろにそう尋ねてきた。
「別に。ちょっとした調べ物ですよ」
「ふ~ん。何調べてんだ?」
気になったのか、ネド神父は画面を覗こうとする。
だが、すぐにマルコ神父に遮られてしまった。
 「何をしてるんですか?」
「いや、ちょっと気になっただけだが」
「人がしてることを気になったら、覗きをするんですか?あなたって人は?」
「いや、そういうわけじゃないが」
「覗きなんかされたら気分が悪いですし、気が散りますよ。それくらいのこともわからないんですか?」
辛辣なマルコ神父の言葉に、思わずネド神父も苦笑する。
「わかったわかった、悪かったって」
「わかればいいんです。それより、こんなところで油売ってないで下さい」
「へいへい。おー怖怖」
そういうとネド神父は急いで立ち去る。
 (ちょっと・・言いすぎましたかねぇ・・?)
足早に立ち去るネド神父に、ちょっとだけマルコ神父はそう思いかける。
(何を言うんですか!覗きなんてするネド神父の方が失礼でしょうが!それに・・・今回のはバレるわけにはいかないでしょう!!)
自身にそう言い聞かせると、マルコ神父はノートパソコンの画面を見やる。
見ているのはアルバイト関連のサイト。
 (全く・・・私としたことが・・・・。何だってあんな指輪が・・・)
マルコ神父はそう思わずにはいられなくなる。
考えているのは、先日ジュエリーショップのショーウィンドーで見かけた、ペアリングのこと。
あの後気になってたまらず、外出する用があるのを幸い、別の日に見に行って来たのだ。
だが、値段を見るや、今の自分の持ち金では手が出ないことに気づき、すごすごと引き返す羽目になってしまった。
しかし、それでも諦めきれず、こうなったらこっそりバイトして資金を調達、指輪をプレゼントしようと思ったのである。
 (べ、別に一緒につけたいなんて思ってるわけじゃないですからね!ちょっと、ビックリさせてやろうと思っただけですからね!!)
言い訳がましく自身にそう言い聞かせながら、マルコ神父はバイト情報を検索していた。
 それから数日後の夜・・・。
(大丈夫ですね・・・)
誰にも気づかれていないことを確かめながら、マルコ神父は自室の窓から外へ出る。
そして、慎重な足取りで裏口の方へ向かうと、こっそり持ち出しておいた鍵で戸を開け、教会を抜け出した。
 (何してんだあいつ?)
物陰から、今度はネド神父が出てくる。
最近、マルコ神父の様子が妙なので、さりげなく様子を伺っていたのだ。
(あいつらしくもねえ・・・。とにかく・・・連れ戻さねえと)
そう決意すると、ネド神父も後を追って出て行った。


 「ふふ、お待ちしてましたよ」
バーテンらしいその男は、マルコ神父がカウンターに座ると、クスリと笑みを浮かべて言った。
「あ、当たり前じゃないですか。それより・・・何をしろと言うんです?」
バーテンに何か胡散臭いものを感じつつも、マルコ神父は尋ねる。
 「ふふ。二階で、ある方の相手をして下さればいいだけのことです」
「本当ですか?それだけで・・あんなに・・・」
マルコ神父は疑うような口調になってしまう。
ネットで検索していて見つけたのが、接客のバイト。
一回だけで望みの金額を軽く稼げるため、やってみることにしたのだ。
 「おや?疑うのですか?でしたら構いませんよ。まぁ他にも希望の方は多いですからねぇ・・・・」
「や、やります!」
このままだとせっかくの高収入を得られるバイトを逃してしまうと思い、ついマルコ神父はそう言ってしまう。
「それを聞いて安心しました。ふふ・・では、この鍵をどうぞ。鍵に書いてある番号の部屋へ行って下さい」
「わ・・わかり・・ました・・・」
マルコ神父はバーテンから渡された鍵を受け取ると、言う通りにしようとする。
だが、席を立ったとき、ふとある疑問を口にした。
 「あの・・・」
「何です?」
「本当に・・・このままで・・いいんですか?制服に着替えたりとかは?」
マルコ神父は思わず問いかける。
マルコ神父はいつものように神父服のままだったからだ。
「ええ、構いませんよ。先方はあなたのような・・・本物の神父の方が・・ご希望でしてねぇ。それより・・・お客様をお待たせする気ですか?きちんと仕事をして下さいよ」
「わ、わかっています!」
そう答えると、マルコ神父は急いで階段を上がってゆく。
その背後では、バーテンが何だか邪まな笑みを浮かべていた。
 「し・・失礼・・します・・・」
声をかけると、マルコ神父は恐る恐る部屋へと足を踏み入れる。
「ふふふ・・・。待っていたぞ・・・」
そこにいたのは、仮面で顔の上半分を隠した、金持ちらしい男。
ベッドの縁に腰を降ろし、ニヤニヤしながらこちらをジッと見つめていた。
 (気色・・・悪いですねぇ・・)
目の前の男に嫌悪感を抱きつつも、マルコ神父はそれを堪えて尋ねる。
 「あ・・あなた・・ですか?お客と・・いう・・のは?」
「そうだ。さぁ、早くこっちへ」
男はそう言ってマルコ神父を手招きする。
マルコ神父はおずおずと近づくと、男の隣に腰を降ろす。
 「ふふふ・・・やはり・・神父服はソソるなぁ・・・」
男はニヤニヤと嫌らしげな笑みを浮かべると、マルコ神父の腰に手を回して引き寄せようとする。
「な・・何をするんですか!?」
慌ててマルコ神父は引き離そうとする。
「何って決まっているだろう。何も聞いていないのかね?」
「わ・・私は接客をしろと・・言われただけです!」
「だから・・・気持ちいい接客をしてもらうのだよ」
「え・・ええっ!?」
マルコ神父は男の言うことを理解するや、声を上げる。
 (まさか・・そんな・・仕事!?)
「おやおや?ただの接客で高額の料金を払うわけが無いだろう?」
「そ・・そんな・・そんな・・・」
マルコ神父が考えもしなかった事態に動揺している隙に、男は手錠を取り出すや、それで両手を拘束してしまう。
 「な・・は、外して下さい!」
「そういうわけにはいかないよ。ふふふ・・・安心しなさい。たっぷり・・可愛がってあげるから・・・」
そういうと、男はマルコ神父を押し倒して圧し掛かる。
 (ひ・・・!!)
男の生温かい息が顔に吐きかけられ、嫌悪に顔を顰める。
(ど・・どうして・・こんなことに・・・)
必死に跳ね除けようとするが、男はしっかりした体格で体重もあり、マルコ神父の力ではとても跳ね返すことなど出来なかった。
あっという間にボタンが外され、胸や腹をさらけ出すと、男は服の下に手を突っ込んでまさぐりだす。
 (き・・気持ち・・・悪い・・・)
吐き気が催してきそうになるのを必死に押さえる中、ベルトを外す音が聞こえて来た。
恐る恐る目を開けると、男がそそり立った、醜悪な自身を突きつけようとしている。
 「さぁて・・これをしゃぶってもらおうかなぁ・・」
「や・・嫌っ!やめ・・やめて!」
必死に拒否しようとするマルコ神父だったが、男は髪を掴んで無理やり顔を上げさせる。
そしてゆっくりと陽根を近づけようとしたときだった。
 突然、激しい勢いでドアが開いた。
思わず二人はハッとしてドアの方を振り返る。
同時に何か大きなものが転がるように入って来た。
入って来たのはバーテン。
バーテンは滅茶苦茶に殴りつけられ、すっかり顔の形が変わってしまっている。
 「な・・ど、どうしたんだ!?」
客の男は思わずバーテンに尋ねようとする。
「こういうことだよ」
そんな声がしたかと思うと、今度はネド神父が入って来た。
 「だ・・誰だお前は!」
「あんたには関係ない」
そういうとネド神父は拳を閃かす。
次の瞬間、鈍い音と共に拳が仮面に叩きつけられ、男はそのままズルズルと崩れ落ちて気を失った。
 呆然としていたマルコ神父は、ネド神父に気づくと、羞恥で全身を震わせる。
「ったく・・何て・・・ザマだ・・」
「み・・見ないで・・・下さい・・・」
ネド神父は手錠を外し、服を整えてやる。
 「とにかく・・・帰るぞ」
「は・・はい・・・」
マルコ神父はネド神父の後に従うように歩き出す。
「あの・・さっきの・・二人は?」
「すぐに警察が来る」
「え?」
「ここはなぁ、スキモノ相手にいかがわしい商売をしてる店なんだよ」
「え・・ええっ!?」
ネド神父の言葉にマルコ神父は驚いてしまう。
 「ったく・・・夜中こっそり教会を抜け出してどこに行くのかと思いきや・・・本当に何考えてんだ・・・」
呆れたようなネド神父の言葉に、マルコ神父は何も言えず、俯いてしまう。
「とにかく帰るぞ。その後は・・・わかってるよな?」
「は・・はい・・・」
「今日はそっとやちょっとじゃ許さんからな。覚悟はしとけよ?」
その言葉に思わず身が強ばるマルコ神父だったが、ネド神父が差し出した手を握ると、共に教会へと帰っていった。


 教会に戻って来るなりネド神父の寝室に向かうと、ベッドの縁に腰を降ろしたネド神父の膝にマルコ神父はいつものようにうつ伏せになる。
「マルコ・・怪我とか・・してねえか?」
ネド神父はマルコ神父の神父服を捲り上げ、ズボンと下着を降ろしてお尻をあらわにしながら尋ねる。
「大・・・丈夫・・です・・。ありま・・せん・・・」
「そうか・・・。そんなら・・・始めるぞ?」
ネド神父がそう言うと、マルコ神父は黙って頷く。
それを見てとると、まずネド神父は足を組んだ。
おかげでマルコ神父はお尻を突き上げた体勢になる。
 (凄い・・・怒って・・ますね・・。覚悟は・・してました・・けど・)
お尻を突き上げた体勢だと、お仕置きが非常に痛く感じる。
だから最初からこの体勢でお仕置きするのは本気でネド神父が怒っているときだと、今までの経験から知っていた。
同時にお仕置きが本当に容赦ないことも。
 マルコ神父は両手でベッドのシーツをしっかりと掴んでお仕置きに備える。
同時にネド神父は左手でマルコ神父の身体をさらにしっかりと押さえると、右手を振り上げた。


 ビッダァァァ~~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~ッッッッッ!!!!
「ぐ・・!ぐぅぅぅぅ・・・!!!」
最初から横殴りの雨が激しく叩きつけるかのような平手打ちの乱打に、マルコ神父は苦痛の声を上げ、表情を歪める。
 「この・・・馬鹿っっっ!!何やってんだぁぁぁ!!!」
普段のからかうような態度を一切かなぐり捨て、本気の怒りを見せながら、ネド神父は叫ぶ。
 バアッジィィィ~~~~ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッッ!!!
「う・・!く・・!あぅ・・!あくぅ・・!」
声を漏らすまいと、マルコ神父は必死になる。
だが、身体は意思を裏切り、否応なしに苦痛の声を漏らしてしまう。
赤い手形が幾重にも重なり、雪のように白いマルコ神父のお尻を赤へと染めていった。
 ビッダァァァ~~~~~~~~~ンッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~!!!!
「最近様子がおかしいと思ってりゃあ・・・あんないかがわしい店になんか行きやがって!!」
平手が容赦なく降り注ぎ、そのたびにマルコ神父の身体が強ばり、表情は苦痛に歪む。
 「く・・!くぅ・・!も・・申し訳・・ありま・・せん・・あくぅ!」
痛みに身をよじりそうになるのを堪えながら、マルコ神父は謝る。
「謝るのは当たり前だろうが!何だって、こんな真似・・・しやがった!!」
「うくぅ・・あ・・あの・・指・・輪・・・」
「指輪?何の指輪だ?」
怪訝な声で尋ねるネド神父にマルコ神父は思わずカッとなる。
 「この前欲しいとか言ってたペアリングですよ!忘れたんですか!?」
「ん・・?おお!ああ!あのペアリングか!」
ようやくネド神父は思い出し、得心がいった表情を浮かべる。
 「全く・・・自分が何だかんだ言ってたくせに忘れてるんですか・・」
マルコ神父は呆れたような口調で呟く。
「悪かった悪かった。で・・・その指輪がどうしたんだ?」
「あなたが何だか未練がましいから・・・プレゼントしようと思ったんですよ!でも・・お金が足りなかったから・・・バイトを探してたんです!」
「そうだったのか・・・・」
ネド神父は声が優しくなる。
(すっかり忘れてたのに・・・覚えててくれたのかよ)
そのことが、そしてプレゼントをしようとしてくれていたことが本当に嬉しかった。
思わずネド神父はマルコ神父の頭を撫でていた。
 「ちょ・・!な、何をするんですか!」
突然頭を撫でられ、マルコ神父は抗議する。
「いやぁ、嬉しくてついな」
「だ、だからって頭なんて撫でますか!子供じゃないんですから!!」
「悪かった悪かった」
そういうとネド神父は手を離す。
だが、何故かマルコ神父は残念そうな表情を浮かべていた。
(何だよ・・撫でてほしかったのかよ。相変わらず素直じゃねえなぁ)
マルコ神父の態度にネド神父は苦笑するが、直後、真剣な表情を浮かべる。
 (鼻の下伸ばしてる場合じゃねえ。今日は・・本気で勘弁してやるわけにはいかねえからな)
ネド神父はそう考える。
確かにマルコ神父の気持ちは嬉しい。
だが、そのためにいかがわしい店でバイトをするなどという、危ない真似をするのは別だ。
しっかりと反省させなくてはいけない。
嬉しさやそこから来る浮かれた気分を払い去ると、ネド神父は厳しい声で言う。
 「だからって・・・お前さん、あんな店でバイトしようなんて何考えてんだよ?」
「し・・仕方・・ないでしょう・・・。あんな・・・バイト・・だ・・なんて・・知らなかったん・・ですから・・・」
「知らなくても、全然怪しいとか思わなかったのか?」
「そ・・それは・・・・」
マルコ神父は思わず口ごもる。
正直言うと、最初はやたらに報酬がいいので怪しいとは思ったのだ。
でも、お金欲しさにやろうとした。
そんな自身の愚かさや浅ましさが恥ずかしくて、情けなくてたまらない。
それだけにネド神父の言葉が突き刺さって来る。
 「多少は怪しいと思ったら、何だってやめようとか思わなかったんだよ。この馬鹿!」
本気で心配した分、思わず物言いがキツクなる。
「馬鹿馬鹿言わないで下さいよ!!私だってそう思ってるんですから!!傷に塩塗るような真似して楽しいですか!!」
ネド神父の物言いにマルコ神父は思わず噛みついてしまう。
 「その様子だと・・・怪しいと思いながらもやろうとしたのか?」
ネド神父の言葉にマルコ神父はハッとする。
墓穴を掘ってしまったのだ。
危険を予想しながらもやろうとしたとなると、ネド神父の怒りはさらに増すだろう。
となればもっと厳しくお仕置きされる。
今だってもうお尻は限界なのに、さらに厳しいお仕置きをされたら、とても耐えきれないし、恐ろしい。
だが、恐怖を気取られたくなくて、思わずマルコ神父は虚勢を張る。
 「だったら・・何だって・・いうん・・ですか・・」
「開き直る気か?ますます・・・許せん・・・」
「ど・・どうせ・・許すつもりなんかないでしょう!た、叩きたければ、叩けばいいでしょう!!」
(私の馬鹿・・。どうして素直に謝れないんですか・・・)
マルコ神父はそう思わずにはいられない。
 「そーかよ。それじゃあお望み通りにしてやるよ」
そういうと、ネド神父はパドルを取り出した。
(あ・・あれ・・・)
マルコ神父は顔から血の気が引きそうになる。
 「どうした、さすがに怖いか?」
ネド神父の言葉にマルコ神父は思わずカッとなりかける。
「こ、こんなもの怖くも何ともありませんよ!!」
「そうか。なら、安心だな」
ネド神父はそういうとパドルを振り返る。
(だからどうしてこんなことばかり言うんですか!私の馬鹿!)
謝るどころか、墓穴を掘る自身のプライドにマルコ神父は呆れずにはいられない。
だが、そんなマルコ神父をよそに、パドルが振り下ろされた。
 バアッジィィィ~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!
「う・・うわぁああああああっっっっ!!!!」
マルコ神父は絶叫に近い悲鳴を上げる。
 ビッダァァァ~~~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~ッッッッッ!!!!!
「ぎひいいっ!いぎっ!ひぐああっ!ああっ!あぐぅわぁっっ!!」
とても耐えきれぬパドル打ちの嵐に、マルコ神父は背をのけ反らせ、両脚をバタつかせる。
 「ひぎぃぃ・・!!ネ・・ネド・・神父・・や・・やめて・・下さいっ!!わ・・私がわ・・悪かった・・ですからっっ!!」
プライドをかなぐり捨てて許しを乞うマルコ神父だったが、完全に容赦ないモードに入っているネド神父は、むっつりと押し黙ったまま、パドルを振り下ろし続けた。


 「・・ぁ・・ぅ・・・ぁ・・・ぁ・・・」
金魚のように口を動かし、小さなかすれたような声を漏らしながら、マルコ神父は荒い息を吐く。
お尻は今やワインレッドでは不十分な表現の色と化していた。
服はグッショリと汗ばんでおり、手足もだらんとしている。
 「マルコ・・・反省したか?」
ネド神父は手を止めて尋ねる。
答える気力も無いのか、マルコ神父は黙って頷く。
 「こんな馬鹿な真似、二度としないな?」
再びマルコ神父が頷くと、ようやくネド神父は表情を和らげる。
「そんなら・・いいだろう。ただし・・・・」
一旦ネド神父は言葉を切ると、思い切りパドルを叩きつけた。
油断していたところへ思い切り叩きつけられ、マルコ神父は苦痛に表情を歪める。
「懲りずにまた馬鹿な真似しやがったら、こんなもんじゃすまさんからな。いいな?」
マルコ神父は必死になって頷く。
それを確かめると、ネド神父は今度こそパドルを手離した。


 「く・・くぅぅ・・・・」
「大丈夫か?」
薬を塗ってやりながら心配そうに尋ねるネド神父に対し、マルコ神父は目尻にキッと睨みつけながら言う。
 「大丈夫か?そんなわけないでしょう!見てわからないんですか!」
「悪かった悪かった。そんなに怒るなって」
「ったく・・・散々やっておいて・・・」
「って悪いのはお前さんだろう?」
「そ・・それは・・そうですが・・・・」
ネド神父の指摘に、マルコ神父は詰まってしまう。
気まずいのか、マルコ神父はプイッと顔をそむけてしまう。
 「とにかく・・・無事でよかった・・。もう二度と馬鹿な真似・・すんなよな・・」
「わ・・わかって・・いますよ・・・。心配・・かけて・・しまって・・すみません・・」
「わかってくれればいい。あ・・そうだ」
不意に何かを思いついた表情を浮かべるや、突然ネド神父はベッドにうつ伏せになっていたマルコ神父を抱き起こす。
次の瞬間、マルコ神父にキスをしていた。
 (え・・?な、何ですか!?)
突然の事態にマルコ神父は訳が分からず混乱する。
だが、唇の感触にキスをされていることに気づくや、思い切りネド神父にビンタを食らわした。
 「痛ぅ・・・何すんだよ・・しかも・・耳・・・」
耳のあたりを思い切り叩かれ、ネド神父は顔を顰める。
「こっちのセリフですよ!いきなり何をするんですか!あなたって人は!」
「ん?キスだが?」
「キスだがじゃないですよ!何考えてるんですか!」
「いやな。わざわざプレゼントしようと思ってあんな真似したんだろ?嬉しいからその気持ちを表そうとな・・」
「だからってこんなことしなくてもいいでしょ!全く・・本当に馬鹿ですね!あなたって!!」
そういうとマルコ神父は立ち上がろうとするが、直後、お尻の痛みに顔を顰めてそのままベッドに崩れ落ちてしまう。
 「あ~あ~、何やってんだよ」
「あ・・あなたの・・せい・でしょうが・・・」
キッと睨みながら言うマルコ神父に、ネド神父は手を貸して再びうつ伏せに寝かせる。
 「まあとにかく休んどけ。尻叩いた責任取って、看病はしてやっから」
「そ・・それくらい・・当たり前でしょう!偉そうに言わないで下さい!」
そう言って顔をそむけるが、どことなく嬉しそうな表情だった。
そんなマルコ神父に苦笑しつつ、ネド神父はずっと傍について色々と世話を焼いていた。


 ―完―

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