引っ越し初日の災難(SO2&TOVSより、ルーク&ティア/ルカ、共演パロ)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにした、SO2とTOVSとの共演パロです。許容出来る方のみご覧下さい)


 アシュトンの教会がある通りを走ってゆく馬車があった。
馬車はやがて、通りの一角にあるレンガ造りの家の前で止まる。
ゆっくりとドアが開いたかと思うと、中から客が降りて来た。
客は若い四人連れ。
四人連れは御者に運賃を払い、荷物の入ったバッグを受け取ると、やがて家へと入っていった。
 「あーっ!ったく何でこんなことしなきゃーなんねーんだよっ!!」
もうウンザリと言いたげな表情を浮かべると、ルークはどさりと床に座り込む。
「ちょっと!アンタ何一人で座ってんのよ!アタシ一人に掃除押しつける気!」
その隣で、一緒に部屋の掃除や荷物の整理をしていたイリアが噛みつく。
 「んなわけねーだろ!ちょっとくらい休ませろってーの!」
「アンタが休んでる間にこっちは一人でやんなきゃなんないのよ!このお馬鹿!!」
「馬鹿だぁ!?それが兄貴に向かっていうことかよ!」
「うるさいわね!幾らでも言ってやるわよ!馬鹿兄貴!サボり兄貴!」
「テメーッ!泣かす!!」
「何よ!やる気!?」
カッとなった二人が今にも取っ組み合いを始めそうになったそのときだった。
 「何やってるの!二人とも!」
今にも喧嘩を始めそうな二人に割って入るようにして、ティアが喧嘩を止める。
「な・・何だよ・・。ティアかよ・・・」
「何だよじゃないわよ。全く・・引っ越し早々・・兄妹喧嘩なんてしてどうするの?」
ティアは呆れたような口調で二人に言う。
三人とも兄弟で、元々はここからずっと離れた別の街に住んでいた。
長女のティアが、この街にある大学の魔術系学科に講師として就職したため、兄弟そろってこの街へ引っ越してきたのである。
 「この馬鹿兄貴が悪いのよ。アタシ一人に片付け押しつけようとするから」
「んなこと言ってねーだろ!ちょっと休ませろって言っただけだろーが!!」
「あなた達・・・いい加減にしないと・・お尻叩くわよ?」
ティアの言葉にルークもイリアもギクリとする。
昔から何かしでかすたびに、ティアにお尻を叩かれてお仕置きされていたから、その恐ろしさが身にしみていた。
「わ・・わかったよ・・。片付け・・すりゃあいいんだろ・・」
「わかったわよ・・・」
ティアの言葉にルークもイリアも渋々大人しくなると、掃除を始める。
 「全く・・・本当に手がかかるんだから・・・」
弟達の態度に思わずティアはため息をつく。
「ティア、そーいやルカはどうしたんだよ?」
掃除を再開しながら、おもむろにルークはティアに尋ねる。
末っ子のルカの姿が見えないので、気になっているのだ。
「ルカなら買い物に行ってもらってるわ」
「大丈夫なのかよ?この街、来たばっかりじゃねーのかよ?」
ルークは思わず心配になる。
「大丈夫よ。店がどこにあるかは調べておいて、地図も用意したから」
「そんなら大丈夫か。っていうか相変わらずしっかりしてんな」
「これくらい当たり前よ。ルークじゃないんだから」
「どーせ俺はあまり後先考えねーよ」
「それより・・・後片付けサボるんじゃないわよ。私は大学の方に挨拶に行って来るわ」
「それくらいわかってるつーの!!」
ルークはムッとしつつ答える。
そんな弟を尻目に、ティアは大学へと出かけていった。


 それと同じ頃・・・。
(ええと・・ここで・・・いいんだよね?)
買い物袋を抱えたまま、ルカは看板と、ティアから渡されたメモ用紙を確認する。
看板はボーマンの診療所兼薬局のもの。
ティアに頼まれた買い物の中に、薬草類もあったため、立ち寄ったのである。
 「いらっしゃ~い。ん?お前さん、見かけない顔だなぁ?」
ちょうどカウンターにいたボーマンはルカの顔を見るなり、そう問いかける。
「あ・・は、はい・・。きょ、今日引っ越してきたばっかり・・なんですよ」
「そっかそっか。何が欲しいんだ?」
ボーマンが尋ねると、ルカはティアから預かったメモ用紙をボーマンに見せる。
 「なるほど・・・。ちょっと待っててくれな」
ボーマンはメモ用紙を片手に必要な薬草を用意する。
ルカはメモ用紙と照らし合わせて、ちゃんと揃っているのを確かめると、払いを済ませて出て行こうとした。
 「あ~っ、ちょっと待ちな」
「何ですか?」
怪訝に思ってルカは問いかける。
「お前さんに売ったやつの中に、マンドレイクってやつがあるだろ?そいつ、ボヤボヤしてると逃げ出すことがあるからな。気をつけろよ」
「あ、は、はい。ありがとうございます」
ボーマンの忠告に礼を言うと、ルカは薬局を後にする。
 (何か・・どことなく・・アシュトンに似てるよなぁ・・。気が小さいみてぇだし・・。人も良さそうだしな・・・)
買い物にやってきたルカの姿に、ボーマンはそんなことを思う。
(それに・・・何か・・・これから色々と付き合いも出てきそうだよなぁ・・・。何だかわかんねえけど・・そういう気がするよな・・)
何故かボーマンはそんなことを感じていた。
 (ちょっと・・一休みしていこうかな・・・)
買い物を済ませ、家路へと向かう途中で、ルカはふとそんなことを考える。
まだ来たばかりで慣れない街のせいか、買い物をしているだけでも何だか疲れたように感じる。
そう思ってあたりを見回すと、ちょうど近くにカフェらしい店がテーブルや椅子を軒先に出している。
好都合と、思わずルカは一休みすることにして立ち寄った。
 冷たいジュースを飲みながら、ホッと一息ついていたときだった。
不意に買い物袋の中から、何かが勢いよく飛び出した。
(え?)
思わずルカは目をパチクリさせる。
飛び出したのは、ニンジンに似た、二本脚で歩く植物。
マンドレイクだ。
どうやらルカが一服している隙をついて逃げ出すつもりらしい。
 (捕まえなきゃ!!)
思わずルカはマンドレイクを捕まえようと立ち上がる。
マンドレイクも、ルカの意図を察知したのか、全速力で逃げ出す。
「ま、待って!待ってってば!!」
慌ててルカも追いかけるが、マンドレイクはますます足を早めて逃げ出す。
マンドレイクを追いかけるのに必死になっていたからか、ルカは自分の走っている方向から、黒ローブ姿の男が買い物袋を抱えて歩いてくるのに気付かなかった。
向こうも買い物袋で視界を遮られていたせいか、ルカの姿に気づかず、そのままどんどん接近してゆく。
やがて、ものの見事にルカは向こうから来た相手に正面衝突してしまい、ルカは尻もちをついて道路に倒れ、買い物袋は放り出されてしまった。
 「痛たた・・」
思わずルカはお尻をさすりながら立ち上がる。
「貴様っ!どこを見ている!!」
突然、怒声をぶつけられ、思わずルカはギクリとする。
ハッとして正面を見てみると、漆黒のローブ姿で、ルカに負けず劣らず見事な銀髪の男が立っていた。
可愛いという形容詞が似合いそうなルカとは対照的に、絶世の美男子というにふさわしい容貌だったが、怒りに満ちている。
 「ご、ごめんなさい!」
思わずルカは謝る。
「ごめんで済むか!ボヤボヤとどこを見ているのだ!ったく・・・」
怒りをあらわにしながら、ルシフェルはルカに文句を言う。
だが、落としてしまった買い物袋の中身があたりに散乱していることに気づくや、愕然とした表情になる。
 「な・・な・・な・・」
ルシフェルはあたりに散らばっている食材を見やりながら、声を震わせる。
いつものようにアシュトンにとびきりおいしい夕飯を用意するため、わざわざ自分で買ってきたものだった。
だが、食材は全て路上に散らばってしまっており、もう使えない。
 「き~さ~ま~~!!!どうしてくれる!!アシュトンのために買いそろえたものだったというのに~~~!!!!」
ルシフェルはルカの襟首を引っ掴むや、今にも噛みつかんばかりの勢いで迫る。
「ご、ご、ごめんなさい!ちゃ、ちゃんと弁償しますから!!」
「何を言うか~~!!弁償程度で済むと思ったら大間違いだ!!」
必死に謝るルカだったが、完全に怒っているルシフェルには通じない。
それどころか、ルシフェルの手には呪紋の光まで浮かんでいる。
ルカも今や危険を察知すると、慌てて逃げ出した。
 「待てっ!!よくも食材を台無しにしおって!許さんぞ!!」
怒りの形相でルシフェルは追いかける。
それを見ると、ルカも必死になって走りだした。
 「おのれ・・どこへ行きおった・・?」
ルシフェルはルカの姿を求めてあたりを見回す。
だが、どこにもルカの姿は見当たらない。
「逃げられたか・・・」
ルシフェルは悔しそうな表情で舌打ちすると、ようやく諦めて去ってゆく。
 (よ・・よかった・・。逃げ切れたみたい・・・)
ルカは去ってゆくルシフェルの姿にホッとする。
(早く帰らないと・・あれ?)
帰ろうと思ったところで、ルカは見慣れない通りにいることに気づく。
 「ど・・どこだろ・・ここ?」
必死に逃げているうちに、迷ってしまったことに気づくや、ルカは愕然とする。
しかも、悪いことは重なるもの。
(そうだ!?買ったもの・・カフェに置きっぱなしに・・・あれ?)
カフェに買い物の品を置いたままにしたことを思い出すと同時に、何だか懐も軽いことに気づく。
まさかと思って確かめてみると、ティアから預かった財布まで無くしてしまっていた。
 (ど、どうしよう!?買い直しも出来ないし・・・このままじゃ帰れないよ・・・)
ルカは困り果てた表情を浮かべながら、力の無い足取りで彷徨うように歩き出した。


 (遅くなっちゃったなぁ・・・)
暗くなった通りを、アシュトンは家路を急ぐ。
街はずれの村の教会へ手伝いに行っていたため、すっかり帰りが遅くなってしまっていたのだ。
(遅くなるとは言っておいたけど、早く帰らないと心配するよね)
アシュトンはルシフェルの顔を思い浮かべながら、そう考える。
 (あれ・・・?)
道を歩いていて、ふとアシュトンは橋に誰かが佇んでいることに気づく。
橋にいるのは銀髪の、ほっそりした身体つきの少年。
ルカだ。
 (見慣れない・・子だけど・・・。何してるのかな?)
ルカの何だか暗い様子に、アシュトンは思わず気になってしまう。
(まさか・・!?)
不意にアシュトンは最悪の可能性を想像する。
とっさに飛び出すように走りだしたかと思うと、背後からルカにとびついていた。
 「ダメ!そんなことしたらダメだよ!!」
「うわ・・ちょ、ちょっと!?」
突然、背後から抱きしめられ、ルカは慌てる。
「何があったのか知らないけど、死んだらダメだよ!生きてればきっといいことあるから!!」
(じ、自殺志願者だと思われちゃったんだ・・・)
ルカはそのことに気づくや、慌てて答える。
「ち、違いますっ!自殺なんか考えてません!!」
「そ・・そうなの・・。よ・・よかったぁぁ・・・」
アシュトンはルカの言葉に、ようやく安堵する。
 「ご、ごめんね。勘違いして変なことしちゃって」
「いえ・・。僕こそ・・・」
「でも、こんなところで何してるの?」
「そ・・その・・」
ルカは思わず言いよどんでしまう。
道に迷ったり、財布を落としてしまい、帰るに帰れなくなってしまったというのが恥ずかしかったからだ。
「こんなところにいるのも何だから、とにかく僕のところに来てよ。僕はアシュトン、この先の教会の神父だよ」
「あ・・ありがとう・・ございます・・。僕は・・ルカです」
「よろしくね、ルカ君。それじゃあ、行こうか」
そういうと、アシュトンはルカを連れて教会へ向かいだした。


 「どう?見つかった?」
ティアは一旦帰って来たルークにそう問いかける。
「ダメだ!全然どこにもいやがらねー!」
「そう・・。こっちも全然帰って来る気配が無いわ・・・」
一見冷静ながらも、ティアは心配を隠せない声で言う。
 「ったく・・一体どこにいきやがったんだよ!!」
ルークは怒りと苛立ちをあらわにしながら叫ぶ。
ルカが買い物から全然帰って来ないため、探しているのだ。
ルークとイリアが外を探し回っており、ティアはルカが帰ってきたときに備えて家にいるのである。
 「ルーク、悪いけど一休みしたらまた探しに出てもらえるかしら?」
「ああ。構わねーよ」
ルークがそう言ったとき、不意に呼び鈴が鳴った。
「ん?誰だよ。忙しいときに・・・」
ルークは苛立ちを隠せないまま、玄関に向かうと、ドアを開ける。
 「おいっ!何の用だよ!こっちは今忙しーんだよ!!」
ドアを開けるなり、ルークは目の前の人物に思い切り怒鳴る。
「す、すいません・・」
顔を合わせるなりいきなり怒鳴られ、アシュトンは思わず身を縮こませる。
 「ルーク、そんなことを言うものじゃないわ。すみません、ちょっとたて込んでいまして・・」
ティアはルークの応対を詫びる。
「い・・いえ・・。僕の方こそ・・・忙しいのに・・お邪魔しちゃって・・」
「それで、何かご用ですか、神父さん?」
「あ・・は、はい。あのぅ・・ティアさんに・・ルークさんですか?」
「あー、そうだぜ。それがどーしたんだよ?」
「ルーク、そういう口のきき方はやめなさい。そうですが、どうしてそれを?」
「あ・・はい。実は、ルカ君から聞きまして・・・」
ルカの名を聞くや、ルークはアシュトンの襟首を掴んで迫る。
 「おい!アンタ!ルカがどこにいるのか知ってんか!?」
「こら!ルーク!乱暴な真似はやめなさい!!」
ティアはそういうとルークを後ろから引き離す。
「すみません。ルカがいなくなって気が立ってしまっているものですから・・」
「構いませんよ。それより、うちで預かってるんで、迎えに来てあげて下さい。案内しますから」
「わかりました。わざわざすみません。さぁ、行くわよ、ルーク」
「わかってるっつーの!」
ティアはイリアに書き置きを残すと、ルークと共にアシュトンについて家を後にした。


 「ルカ!無事かよ!!」
いきなり寝室のドアが開いたかと思うや、ベッドの縁に座っていたルカに、思い切りルークが抱きついた。
 「に・・兄さん・・く・・苦し・・・」
「悪ぃ悪ぃ。ったく・・・本当に心配したぜ・・・」
ようやくルカに会えると、ルークはホッと安堵の息をつく。
 「アシュトン神父・・でしたか?ルカの事・・・本当にありがとうございます」
ティアはアシュトンに礼を言う。
「いえ。別にそれくらい何でもないですよ。弟さんが見つかってよかったですね」
「ええ・・。あの・・・すみませんが・・・一つだけお願いがあるんですが、よろしいですか?」
「ええ。構わないですよ」
「このお部屋、貸していただけますか?ルカと大事な話がありますので」
「わかりました。僕は別に構いませんから」
アシュトンはそういうと、ティア達に部屋を明け渡して出てゆく。
 (あの子・・・怒られちゃうかな・・。あの・・感じだと・・・)
ティアの様子から、アシュトンはそう考える。
自分も普段ルシフェルにお仕置きされているから、そういうのはよくわかる。
(救急箱はリビングにあったよね・・。あと・・ボーマンさんも呼んでおいた方がいいかな?)
そんなことを考えながら、アシュトンは足を早めて表の方へと急いでいった。
 アシュトンが立ち去ると、ティアは弟の方を振り向く。
「それで・・・ルカ・・どうしてこんなに遅くまで帰ってこなかったのかしら?」
ティアは表情も声も厳しいものになって問いかける。
「そーだぜ、ルカ、一体どうしたんだよ?」
ルークも明らかに怒っている顔で、ルカに問いかけた。
 「ご・・ごめん・・なさい・・。実は・・・・」
ルカはオドオドしながら、今までのことを話す。
「なるほど・・・。道に迷ったのは仕方ないわ・・・。でも・・・だからってどうして家に帰ってこようとしなかったの?」
「ご・・ごめん・・なさい・・。買い物・・ちゃんと・・出来なかったし・・それに・・預かったお財布・・・無くしちゃったし・・・。怒られるの・・怖くて・・。それに・・ちゃんと・・出来なくて・・迷惑・・かけちゃう・・かと思うと・・・」
「だからって帰ってこなかったらますます心配するだろーが!!この馬鹿っ!!」
ルークに怒鳴られ、ルカはますます身を縮こませる。
 「ご・・ごめん・・なさい・・」
「『ごめんなさい』じゃねーだろ!散々心配させやがって!!わかってんだろーな!?」
ルークはそういうと、ベッドの縁に腰を降ろし、膝を叩いてルカに合図をする。
それを見ると、ルカはさらに怯えたような表情を浮かべつつも、おずおずと兄のもとへと行く。
傍らにルカが立つと、ルークは弟を引き寄せて膝にうつ伏せに載せ、慣れた手つきでお尻をあらわにする。
 「うぅ・・・・」
ルカはお尻を出されると、顔を赤くする。
昔から、心配をかけるようなことをしてしまったときなどには、ティアやルークからお尻を叩かれてお仕置きされていた。
だからお仕置きをされるのは一度や二度ではないが、何度されてもお仕置きに慣れるとなどということは無い。
お仕置きされるたびに、恥ずかしさを感じずにはいられなかった。
 「今日は怒ってっからな。最初からきつーくいくぜ。いいな?」
ルークは最初から膝を組み、ルカのお尻が突き上げられる体勢を取らせると、そう宣告する。
ルカはベッドのシーツを両手でしっかりと掴むと、黙って頷く。
それを見ると、ルークはゆっくりと右手を振り上げた。


 バアッジィィ~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~!!!
「う・・わぁああああんっっっっ!!!!」
最初から容赦ない平手の嵐に、ルカは絶叫する。
 (覚悟はしてたけど・・・痛いよ~~~っっ!?)
心の中でルカは叫ばずにはいられない。
「こん馬鹿っ!?迷子になったからってな、何だって帰ってこよーって思わなかったんだよっっ!!」
バアッジィィィ~~~ンッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~ッッッッ!!!
「ひぃん・・!やあっ!痛っ!痛ああっ!!」
ルークの激しい平手打ちにルカは両脚をバタつかせて悲鳴を上げる。
 ビッダァァ~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~!!!!!
「ひぃん・・!痛っ!やぁぁ・痛ぁ・・!ルーク兄さぁん・・・痛ぁぁい・・・」
両脚をバタつかせながら、ルカはルークに訴えかける。
「痛いのは当たり前だろーが!お仕置きなんだからな!!」
だが、ルークは容赦なくルカの訴えを切って捨てると、バシバシとお尻を叩く。
激しい平手打ちの嵐に、手形が幾重にも重なってついていくかと思うと、それがルカのお尻を満遍なく赤へと変えてゆく。
「ごめん・・なさぁい・・。買い物・・・ちゃんと・・出来な・・かった・・からぁ・・。お財布も・・落とし・・ちゃってぇぇ・・・。帰るに・・帰れ・・なくてぇぇ・・」
「馬鹿野郎!!俺もティアもそれくれーのことで怒りゃあしねーっての!!」
ルークは怒りの声と共に弟のお尻に手を叩きつける。
 「ご・・ごめんなさぁぁい・・・・」
ルカは泣きながら謝る。
「夜遅くまで帰ってこねー方が心配するだろーが!俺やイリアがどれだけ探し回ったと思ってんだ!こっちは何かあったんじゃねーかって気が気じゃなかったんだからな!!」
「ご・・ごめんなさぁぁい・・・。心配・・かけてぇ・・ごめんな・・さぁぁい・・」
ルカは必死になって謝る。
 「反省してんのか?」
ルークは一旦お尻を叩く手を止めて尋ねる。
「ひぃん・・。して・・ますぅ・・・。心配・・かけてぇ・・ごめんな・さぁぁい・・・」
「まーちゃんと反省はしてるみてーだな。そんなら・・勘弁してやるよ」
ルークはそういうと、ルカを抱きあげ、膝の上に座らせる。
 「うっうっ・・。ルーク兄さぁぁん・・・」
「馬鹿っ!泣くんじゃねーよ!男だろ!」
ルークはそう言いつつも、赤くなった弟のお尻を優しく撫でてやる。
「まぁ痛えには痛えーよな。今、手当てしてやるからな」
「そうはいかないわ」
ルークの言葉に、ティアが口を挟んだ。
 「何でだよ、ティア?」
ルカを抱き抱えたまま、ルークが思わず尋ねる。
「まだお仕置きは終わってないからよ」
「まだって・・ティアからもやる気かよ!?」
「そうよ」
「そうよじゃねーよ!も、もう十分だろうが!」
ルークは既に赤くなっているルカのお尻を指し示しながら言う。
 「ダメよ。今日の事は私も本当に心配したのよ」
「で・・でもよ・・・」
(ど・・どうしよう・・。僕のせいで・・喧嘩になっちゃいそう・・・)
ルカは二人の様子に、心配になってしまう。
 ルークがためらっているのは、これ以上ルカに痛い思いをさせたくないからだ。
一方、ティアがお仕置きをしようとしているのは、ルカのことが大切だからだ。
大事に思っているからこそ、心配もするし、お仕置きもする。
兄弟だから、そのことはよくわかっていた。
 「ルーク兄さん・・・。あ・・あの・・ティア姉さんの・・・ところに・・行かせて」
「おぃ!何言ってんだよ!そんなことしたら一週間は座れねーぞ!!」
ルークは思わず叫ぶ。
身を以ってティアのお仕置きの厳しさは知っているから、そう言わずにはいられなかった。
「わ・・わかって・ます・・。本当は・・怖いし・・嫌だけど・・。でも・・ティア姉さんにも・・心配かけちゃったのは・・事実だし・・。だから・・・ちゃんと・・姉さんにも謝りたい・・から・・」
「わかったよ。オメーがそう言うんならよ」
ルークはため息をつくと、ルカをティアに引き渡した。
 ルークと入れ替わりに今度はティアがベッドの縁に腰を降ろし、ルカを膝に載せる。
「ルカ・・・・。覚悟はいいわね?」
ティアが尋ねると、ルカは黙って頷く。
それを見ると、ティアは持っていたバッグから、パドルを取り出した。
 (やっぱり・・・パドルかよ・・・)
心配そうに様子を見守っていたルークは、心の中でそう呟く。
ティアが本気で怒っているときにはパドルを使うのは、自分の経験でよく知っていた。
 (痛えんだよな・・・あれ・・・)
ルークは思わずルカに同情の視線を向ける。
そんなルークを尻目に、ティアはパドルを手にすると、ゆっくりと振り上げた。


 バアッジィィ~~ンッッ!!
バシッ!バアシィンッ!ビシッ!バアアンッ!バチィンッ!ビッダァンッ!
「うわあんっ!痛っ!やああっ!痛っ!痛ぁぁいっっ!やああっ!」
既にお仕置きされたお尻には十分すぎるパドルの痛みに、ルカは悲鳴を上げる。
 「全く・・ダメじゃないの・・・。お財布落としたり・・・迷ったりしたからって・・・こんな夜遅くまで・・・帰らないでいたら・・・」
静かな口調でパドルを叩きつけながら、ティアはお説教を開始する。
ビッダァァ~~ンッッ!!
バシッ!バアアンッ!バアジィンッ!ビダァァンッ!バアッジィンッ!バアシィンッ!
 「ひぃん・・ごめんなさぁい・・・。怒られるの・・怖くて・・・買い物・・ちゃんと出来なかったの・・・恥ずかしくて・・・そのせいで・・迷惑・・かけちゃう・・かと・・思うと・・・」
「だからってこんな時間まで帰って来ないっていう理由にはならないわよ。こんな夜遅くまで帰ってこなかったから、事故にでも遭ったんじゃないかとか、そう思って心配になったのよ。わかってるのかしら?」
「ご・・ごめんな・・さぁぁい・・・・」
ルカは泣きながら謝る。
 「反省してるかしら?」
ティアはパドルを振るう手を一旦止めて尋ねる。
「し・・してますぅ・・。遅くまで・・帰らなくて・・心配かけて・・ごめんなさぁぁぁい・・・・」
「ちゃんと反省してるようね。なら・・・始めるわよ」
(やっぱり・・かよ・・・)
ティアの言葉にルークはそう思わずにはいられない。
自分がどういうことをしたのか、どうして怒られているのか、それをきちんと理解させて本当のお仕置きをするというのが、ティアのやり方だったからだ。
ルカもそれはわかっているから、ティアの言葉に静かに頷く。
それを見ると、ティアは今度は足を組んだ。
おかげで、ルークのとき同様、ルカはお尻を突き上げた体勢になる。
 バッシィ~ンッ!
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッ!!!!
「うわああああんっっっっ!!!!!」
ルカは悲鳴を上げるや、両脚をバタつかせる。
「ごめんなさいっ!ごめんなさーいっ!二度としませーんっ!」
必死になって謝る声と、パドルの音が室内に響きわたった。
 「うっうっ・・。ひっひぃん・・・・」
ボロボロと涙を零してルカは泣いていた。
お尻は今や三倍くらいに腫れ上がってしまっている。
「ごめんなさぁい・・・心配かけて・・・ごめんなさぁい・・」
泣きながらルカは必死に謝る。
 「ルカ・・。買い物がちゃんと出来なかったり、財布を落としたりするのは確かに迷惑をかけることだわ。でも・・事情があれば私達だって怒ったりはしないわ。だから怒られるなんて思って怖がらなくてもいいわ。でもね・・・だからといって・・こんな時間まで帰らなかったら、皆心配するのよ。だからこんなに怒ったのよ。わかるわね?」
ティアの言葉にルカは頷く。
 「これからは暗くなる前にちゃんと帰って来ること、約束出来るかしら?」
「は・・はいぃぃ・・・・」
ルカがそういうと、ティアはようやくパドルを手離した。


 「うぅ・・・痛たた・・・」
「ん?ちょっと沁みたか?」
薬を塗りながら、ボーマンはルカに尋ねる。
 「あ・・だ・・大丈夫・・です・・」
「おぃ!オッサン!もう少し優しく塗ってやれよ!!」
「ルーク、そんなこと言うものじゃないわ」
ルークがボーマンの手当てにそう言うと、ティアがたしなめる。
 「すみません、口の悪い弟で」
ティアがルークの態度について謝ると、ボーマンは気にしていないという素振りで答える。
「ん~。別に構わないさ。よく似たようなこと言われてるもんでね。よっしと、これでオッケーと」
「ありがとうございます」
「別に構わねえって。仕事だからな。礼はアシュトンに言ってやりな」
そういうと、ボーマンは往診鞄を持って部屋を出てゆく。
 「あの・・ルカ君の・・様子はどうです?」
それと入れ替わりに、アシュトンが入って来る。
「診察してもらったおかげで、大丈夫です。わざわざ呼んで下さったそうで・・ありがとうございます」
「いえ。別にいいんですよ。あの・・こういうことは・・実は・・僕も・・よく・・わかりますから・・・」
恥ずかしそうな声でアシュトンは答える。
 「ん?どういうことだよ?」
「ルーク、そういうことを聞くものじゃないわ。すみません、気配りの足らない弟で」
「いえ、いいんですよ」
「何だよ・・。ったく・・・」
馬鹿にされたように感じて、ちょっと不機嫌な表情のルークを尻目に、ティアとアシュトンはそんな会話を交わす。
 「それでは、私達はそろそろ失礼します。色々と本当にお世話になりました」
「いえ。ティアさん達こそ、ルカ君のこと、これからも大切にしてあげて下さい」
「そんじゃあ帰るか、ルカ」
ルークはそういうと、ルカを抱きあげる。
 「わっ!に、兄さんっ!あ、歩けるから!」
「なーに言ってんだよ。ケツが痛くて歩くどころじゃねーだろ。こういうときぐらい素直に甘えとけって」
ルークはそういうと、ルカを抱き抱えたまま出てゆく。
 「あー・・・そういや・・・ビックリさせたりして・・悪かったな・・。ルカのことで・・気が立っちまっててさ・・・」
ルークは出て行こうとする際、アシュトンに謝る。
「ううん、別に気にしてませんから。それだけ、ルカ君のことが大事ってことですよね」
「ま・・まーな」
アシュトンはルカの方に目を向けて言う。
 「ルカ君、お兄さん達はルカ君のことが大事だから怒ったんだよ。それだけはわかってあげてね」
「はい・・。アシュトンさん・・今日は色々とありがとうございました」
「それじゃあね、気をつけてね」
そうして互いに別れのあいさつを交わすと、ルーク達は教会を後にした。


 ―完―

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管理者にだけメッセージを送る

兄弟設定って萌えますねぇ。他作品のキャラ同士の共演も面白いです。
もっと読んでみたくなりました。

レス

 せとみ様>
 こんにちは、楽しんでいただけて何よりです。また、書ければと思っておりますので、その際はよろしくお願いします。
プロフィール

山田主水

Author:山田主水
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