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ダンジョン・ストライキ(SO2&TOVSより:ルシ/アシュ、共演パロ)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&TOVSの共演パロです。許容出来る方のみご覧下さい)


 ビシィィィィ!!!
ビシビシビシッ!ビシビシビシビシビシビシビシッ!ビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシビシィィィィ!!!!
「うわあああんっっ!!ごめんなさいっ!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい~~~~~っっっっ!!!!!」
鞭で容赦なく乱打する音と共に、アシュトンの悲鳴が響き渡る。
 「馬鹿者がぁぁぁぁ!!!!!徹夜は身体に悪いから絶対にいかんと、何度も口を酸っぱくして言っているだろうがぁぁ!!!」
必死に謝るアシュトンに、ルシフェルはそう叫ぶと、容赦なく鞭を叩きつける。
既にアシュトンのお尻はワインレッドどころか、青っぽい色にまで変わってしまっている。
いつものように足を組んでお尻を高く上げた体勢なため、その苦痛は凄まじいなどというレベルでは無かった。
 「ひぃぃぃぃんん!!ど、どうしてもやっておかなきゃいけない仕事だったんだよぉぉぉぉぉ・・・・。だから・・・許してよ~~~!!!!」
「何を言うか~~!!前に徹夜で倒れて叱られたのを忘れたのかぁぁ!!今日という今日は絶対に許さん!!一週間は椅子に座るどころか、歩くのすら辛いくらいお仕置きしてくれるわ~~~~~~~~!!!!!」
「そ・・・そんなぁぁぁ~~~~っっっっ!!!!!」
絶望の声を上げるアシュトンに、容赦なく鞭が襲いかかる。
その後、長い長い間、痛く苦しく辛いお仕置きが続いた。


 「う・・うぅ・・・。痛ぁぁぁ・・・・」
思わず苦痛に顔を歪めると、アシュトンはお尻をさする。
たっぷりとお仕置きをされたおかげで、数日経った今でもまだお尻が赤く、痛くてたまらない。
おかげで、礼拝堂の掃除をすることもままならない。
 (そりゃあ・・・約束破って・・・心配かけちゃった・・僕が悪いけど・・・。でも・・幾らなんでも・・・痛すぎだよぉぉ・・・。特に・・・最近は前より・・・ずっと・・・厳しく・・・なってるし・・・)
アシュトンはここ最近のお仕置きに、そう思わずにはいられない。
 (そりゃ・・・僕の事が大事だから・・お仕置きするのは・・わかってるけど・・。でも・・これじゃあ・・・痛すぎる・・なんてもんじゃないよ!!)
考えれば考えると、だんだんと不満が噴き出してくる。
自分が悪いとはいえ、以前よりもあまりにも厳しいお仕置きに、さすがにアシュトンも不満を抱かずにはいられない。
 (そうだよ!最近のルシフェルは厳しすぎだよ!幾ら僕が悪いからって、鞭で何十回も叩いたり、何日もお尻が痛くてたまらないくらい叩くなんて!決めた!ルシフェルが反省するまで、仕事なんかしないから!!)
そう決意すると、アシュトンは愛用の双剣をはじめ、様々なアイテムを用意する。
双剣やアイテムを詰め込んだバッグを背負うと、そのまま教会を飛び出してしまった。


 (うわ・・。やっぱり凄いことになってるな・・・)
教会にやって来たクロードは、ルシフェルの礼拝堂の長椅子に座っているルシフェルの姿を見るや、思わず哀れな気持ちになる。
 ルシフェルはこの世の終わりといった表情を浮かべ、ドヨーンとしている。
口から今にも魂が抜け出るんじゃないか、そう思えるほど落ち込んでいた。
「アシュトーン・・・アシュトン・・・どこに・・・行ったのだぁぁ・・・」
ルシフェルは虚ろな表情で、呟く。
アシュトンがいなくなり、徹夜で探したが見つからず、心配とショックですっかり腑抜けたような状態になっていた。
 「もしもーし・・・大丈夫かい?」
「ん・・?若造か?どう・・した・・?」
ルシフェルは半ば虚ろな目でクロードを見やる。
「アシュトンは見つかったかい?」
「見つけて・・おれば・・・こうは・・なって・・おらんわ・・・」
(そうだよな・・・)
自分の問いが愚問だったことに、クロードはそう呟く。
 「それより・・・何の・・用だ?」
「実はアシュトンのことでね、情報が手に入ったんだ」
その言葉に、ルシフェルはカッと目を見開くと、クロードに詰め寄る。
 「ほ・・・ほほほ本当か!?」
「ほ、本当だよ!」
「話せ!早く話さんか!!」
ルシフェルは興奮のあまりさらにクロードに詰め寄る。
あまりに興奮しすぎて、クロードの首を絞めかけていることにも気づかない。
おかげで、クロードは話したくても話せない状況になってしまっていた。
 「ええい!?何故言わぬ!言わぬつもりか!?ならば~~~~!!!」
自分が首を絞めているのも気づかず、全然気づかないルシフェルは、隠しだてするつもりだと見て、手に呪紋の光を浮かべ、今にもクロード目がけて発射しようとした。
 「魔神拳!!」
「ぐわっ!!」
突然、地を這う衝撃波が飛んできたかと思うと、ルシフェルに命中する。
衝撃で思わずルシフェルは手を離し、おかげでようやくクロードは解放された。
 「ケホケホ・・・。助かったよルーク。ありがとう・・」
クロードは一緒に来ていたルークに礼を言う。
「ったく・・・どうしようもねー馬鹿だな。この銀髪野郎は」
アシュトンのことになると、完全に馬鹿になってしまうルシフェルに、ルークは呆れたように呟く。
 「貴様っ!人に向かって馬鹿とは何だ!!」
魔神拳をくらわされ、思わずルシフェルはカッとなる。
「馬鹿だから馬鹿っつったんだよ。オメーが首絞めてっからクロードが話せなかったんだろーが!そんなことにも気づかねーから馬鹿だっつってんだよ」
「ぐ・・ぐぬぬ・・」
悔しそうな表情を浮かべるルシフェルを尻目に、クロードが話を始める。
「とにかく・・アシュトンらしい人をルカが見かけたらしいんだ。まずは話を聞きに行こう」
クロードがそう言うと、ようやくルシフェルも落ち着きを取り戻す。
そして、皆してルーク達の家へと向かった。


 「おぃ!本当にここなのか!?」
目の前に口を開けた洞窟に、ルシフェルは思わず叫ぶ。
「あ・・。は・・はい・・。こっちに・・入ってくのを・・見たって・・人が・・」
「ななな・・・何ということだぁぁ~~~!!??」
ルシフェルは愕然とした表情を浮かべる。
 目の前にある洞窟は、以前、ルシフェルがボーマンにうまいこと騙されて薬草を取りに行かされた洞窟だった(『レオンの大作戦』参照)。
この洞窟は貴重な薬草の自生場所としてだけでなく、強いモンスターの巣窟としても知られている。
魔界屈指の実力者であるルシフェルでも、薬草を取るために苦労した洞窟だった。
 「ええいっ!!こうしてはおれんっ!!」
そう叫ぶと、ルシフェルはすぐにも洞窟へ飛び込んでしまう。
「あっ!?馬鹿っ!後先考えずに飛び込みやがって!!仕方ない・・行くぞ!!」
「は・・はいっ!」
「・・ったく・・しょうがねーなー」
後を追うようにして、一緒にやって来たボーマン、クロード、そしてルークとルカが飛び込んだ。
 「ハァ・・ハァ・・。ったく・・・これで・・・何匹目だよ・・・」
ルークは愛用の片手剣を手にしたまま、ハァハァと両肩を上下させる。
先ほど、洞窟内に生息しているモンスターに襲われ、ようやく撃退したところだった。
場所が場所だけに、しょっちゅうモンスターに出会っては戦う羽目になっているのである。
「兄さん、これ」
「あ・・あぁ。悪ぃな」
ルークはルカから回復アイテムのアップルグミを受け取って口に入れると、体力を回復する。
クロード達も同じく回復アイテムのブルーベリィ(テイルズではグミ類、SO2ではベリィ類が回復アイテム)で体力や気力を回復させる。
 「ったく・・それにしても・・どこに行きやがったんだよ・・・」
あたりを見回しながら、ルークは舌打ちする。
今いるダンジョンは広くて複雑な構造のため、中々アシュトンが見つからないのだ。
 「どこだーっ!!アシュトンッ!!どーこーだーっっっ!!!」
ルシフェルはありったけの声を上げてアシュトンに呼びかける。
洞窟だからか、ルシフェルの声がこだまし、幾度も重ね合って聞こえる。
「あああ~~っ!!どこに行ったのだぁぁ~~~!!アシュトン~~!!」
幾ら呼んでも姿を現さないアシュトンに、ルシフェルはますます心配せずにはいられなかった。
 「呼んだ?」
不意に聞き覚えのある声に、全員ハッとする。
ルシフェルが、声のした方を振り向くや、いつの間にかアシュトンが立っていた。
「アシュトン!?探したぞ!!」
ルシフェルは思わず近づこうとするが、何と、アシュトンは双剣を一本突き出す。
 「近づかないで!!近づくと、攻撃するよ!!」
「な・・何を言っているのだ!?アシュトン!ここがどれほど危ないかわかっているのか!早く帰るのだ!!」
「やだよ。僕は・・しばらくここにいることに決めたから」
「何を馬鹿なことを言っているのだ!?ワガママも大概にせんか!そんなことばっかり言っていると、お仕置きだぞ!!」
「お仕置き・・お仕置き・・・。それしか言えないの、君って?」
「な・・何だと!?」
普段とは違ったアシュトンの態度に、ルシフェルは目を見張る。
 「ルシフェル・・。どうして僕がここにいると思う?君のせいなんだよ?」
「な・・何?どういうことだ!?」
答える代わりに、アシュトンはお尻を向けると、神父服の裾を捲り上げ、ズボンを降ろしてお尻を見せる。
すると、未だに真っ赤で、鞭の跡も残るお尻があらわになった。
 「おぃ!?オメー、あんなになるまで叩いたのかよ!?」
ティアよりもずっと厳しいお仕置きの跡に、さすがにルークもそう聞かずにはいられない。
「ふん。それがどうした?アシュトンが悪い子だったのだから当然だろうが!!」
対してルシフェルは、そんなことを言いやる。
 「もしかして・・・それが・・原因なのかい?」
お尻を仕舞うアシュトンに、クロードはそう尋ねる。
「そう・・。そりゃあ・・お仕置きされるようなことをした僕が・・・悪いよ。でも・・・だからって・・手やパドルならともかく・・・鞭で何十回も叩くなんてひどすぎるよ!!凄く痛くて、何日も大変なんだよ!!」
「何を言うか!悪い子にはお仕置きは当然だろうが!!」
「限度ってものがあるでしょ!!」
あくまでも、鞭のお仕置きは当然と言いやるルシフェルに、アシュトンは声を上げる。
 「今度という今度は・・僕だって怒ってるんだからね!!ハリケーンスラッシュ!!」
アシュトンの身体が高速回転したかと思うと、大きな竜巻が皆に向かって襲いかかってくる。
とっさに全員散らばって避けたが、その隙にアシュトンは洞窟の奥へと駆け込んでしまう。
 「こら!アシュトン!待たんか!!」
「ルシフェルッ!君が反省するまでここから出ないからね!!無理やり連れ帰る気なら・・君の事本当に嫌いになるよ!!」
「な・・・何ぃぃぃ!!!」
一番恐ろしいことを言われてしまい、ルシフェルは愕然とする。
ルシフェルが呆然としているのを尻目に、アシュトンはダンジョンのさらに奥へ入っていってしまった。
 「おぃ、一旦帰るぞ」
しばらくすると、ボーマンがそう言う。
「な、何を言うか!?こんな危険なところへアシュトンを放っておくつもりか!!」
ボーマンの意見に、ルシフェルは当然反対する。
 「馬鹿野郎、お前も聞いただろ?今のアシュトンはどうあってもここから出る気はねえぞ。無理やり連れ帰ったら、本当に嫌われちまうぞ。それでもいいのか?」
「ぐ・・ぐぬぅ・・・」
ボーマンの言葉に、ルシフェルはぐうの音も出ない。
「まあしばらくすればアシュトンも頭が冷えるだろ。そうすれば帰ってくるだろうしな。それまでの辛抱だ」
「ぐ・・・わかった・・・」
ルシフェルは心残りな表情を浮かべるも、ボーマンの言う通りだと思ったのか、そう答える。
 「アシュトーン、聞いてるかー?俺らは一旦帰るからなー。でも、帰ろうって気になったら連絡寄こしてくれー。迎えに来るからな」
大きな声でアシュトンに聞こえるように言うと、一行はダンジョンを後にした。


 (ちょっと・・・言いすぎちゃったかなぁ・・・)
こっそりと物陰から様子を伺っていたアシュトンは、すっかり落ち込んでいるルシフェルに微かに罪悪感を抱く。
(何言ってるの!ルシフェルに反省させるんだって決めたじゃないか!ここで折れたら僕の負けだよ!!)
くじけかける自身を、アシュトンは必死に叱咤する。
 (それより・・・。しばらくここで粘らなくちゃいけないよね。食材をあまり持ってこなかったから、用意しておかないと)
そう考えると、アシュトンは口笛を吹く。
すると、しばらくしてタカがやって来た。
 タカがやって来ると、アシュトンはお金とメモを渡す。
鳥を呼んで買い物をしてもらうファミリアという特技だ。
「それじゃあ、お願いね」
アシュトンが頼むと、タカは洞窟を出て、買い物へ向かう。
 (さてと・・・買い物は頼めたから・・・一休みするかな)
そう考えると、アシュトンはその場から移動し、別の穴を通って、やや広い場所へと出る。
その片隅にある、人一人通れる穴の中へと入っていった。
ちょうど人が寝転がるには適した広さになっており、アシュトンは、双剣やアイテム入りバッグを近くに置くと、一休みし始めた。
 しばらく休んでいると、鳥の羽音が聞こえてくる。
(戻ってきたみたいだね)
アシュトンは双剣を持って外に出る。
穴の外に出ると、食材入りの袋を提げて、タカがこっちへ飛んでくるところだった。
 突然、どこからともなく衝撃波が飛んで来たかと思うと、タカに襲いかかる。
とっさにタカはくちばしを離し、そのまま逃げてしまった。
(誰!?)
アシュトンは緊張した表情になり、双剣を構える。
 ダンジョンにいるのはモンスターばかりとは限らない。
一般人が怖がって入らず、兵士もあまり入って来ない場所であるため、盗賊などの犯罪者も逃げ込んでいる。
危険な場所ゆえ命を落とす者も多いが、それだけにここを徘徊している盗賊やならず者は腕が立つ。
油断すれば命取りになる相手なのは容易に想像できた。
 双剣を構えたまま、アシュトンはジッと周囲の様子を伺う。
どうやら向こうは、姿を隠したまま、こちらの様子を伺っているらしい。
(どこ・・?どこに・・隠れてるの・・)
全感覚を総動員し、アシュトンは敵を察知しようとする。
 不意に気配を感じ、とっさにアシュトンはガードしようとする。
「ウィンドスラッシュ!!」
甲高い、見知らぬ声が叫んだかと思うと、風の刃がアシュトンの身体を切り刻む。
(しまった・・!!術だ!?)
アシュトンはそのことに気づく。
物理的な攻撃ならガードで防ぐことが出来るが、術はそうはいかない。
もろに食らってしまい、のけ反ってしまう。
 その隙に、術を繰り出した犯人らしい影が飛び出し、タカが落とした食料入りの買い物袋を奪い取る。
「ま・・待って!!」
逃げる影をアシュトンは必死に追う。
ダンジョンという場所では、食材は貴重なもの。
何としても取り戻さなければいけない。
 幾つもの角を曲がり、やがてまた広めの場所へとアシュトンはやって来る。
(どこに・・・隠れたかな?)
アシュトンは慎重に周囲を見回す。
先ほどの様子から、敵はおそらく魔法剣士。
技・術、両方とも使えるだけに厄介な相手だ。
しかも、今いる場所は人が隠れるのに最適な大きさの岩が幾つもある。
岩に身を隠しながら術を撃てるため、術師系の相手には有利なフィールドといえた。
 不意に頭上が明るくなったと思うや、今度は大きな火の玉が三つ、たて続けに降って来る。
とっさによけると同時に、人影が岩と岩の間を移動し、詠唱時間の短い術で攻撃をしかけてくる。
 (厄介・・だな・・・)
敵の行動パターンに、アシュトンはそう思わずにはいられない。
隠れる場所が多いことを利用し、術を使って一方的に攻め立てるつもりのようだ。
幾らアシュトンが腕の立つ剣士でも、接近戦を挑めなくては話にならない。
 (となると・・・・)
アシュトンはすぐにも作戦を巡らせる。
こういうときは、どうにかして、相手から接近させる必要があった。
 アシュトンは、自身が隠れていた岩陰から姿を現す。
敵の気配を見失った振りをして、キョロキョロしながら、わざと隙をさらす。
再び、風の刃がアシュトンに襲いかかるや、アシュトンはそのまま地面に倒れ伏した。
 倒れたまま、アシュトンはジッと様子を伺う。
「やったっ!!やっつけたぞっ!!」
すると、嬉しそうな声と共に、倒れたアシュトンのもとへ、足音が近づいてくる。
 「あれ・・・?」
声の主はアシュトンの姿が確認できる距離まで近づいてくると、怪訝な声を漏らす。
同時に、アシュトンが飛び起きた。
 「!!!」
とっさに声の主は飛び退こうとする。
「ハリケーンスラッシュ!!」
身体を回転させ、切り込み突撃を繰り出しつつ、アシュトンの身体から竜巻が放たれたかと思うと、声の主にもろに命中し、吹っ飛ばした。
 「うわぁぁぁ~~~~っっっ!!!!」
落ちた相手は地面に叩きつけられ、その衝撃で気を失う。
「やれやれ・・。それにしても・・・盗賊かな?」
今度はアシュトンが近づいて、声の主を確かめにかかる。
 「え・・・?」
倒れている相手を見やると、アシュトンは我が目を疑う。
倒れているのは、ツンツンした金髪が特徴的な、すらりとした身体の少年。
 「嘘・・こんな・・子供が・・何で?」
そう呟くと同時に、アシュトンは目の前の少年を抱き起こす。
(マズイ・・!?頭打ってる!?)
盗賊だと思って思い切り技を繰り出したのが災いし、少年は吹っ飛ばされた衝撃で頭を打ってしまっている。
下手をすれば深刻な事態になりかねない。
 (早く・・医者に見せなきゃ!!)
少年を抱き抱えると、アシュトンは必死になって入口めがけて走りだした。


 目を覚ましたカイルの視界に、最初に飛び込んで来たのは、アシュトンの安堵の表情だった。
「目が覚めた?大丈夫?頭、痛くない?」
「ここ・・どこ?俺・・何で・・・・。あれ?誰?」
「あ、ご、ごめん。僕はアシュトン。この街の神父だよ。ここは僕の知り合いの医者の診療所だよ」
「え?医者?」
「うん。洞窟で・・君を盗賊と間違えて、思い切りふっ飛ばしちゃったから。ごめんね、痛かったでしょう?」
「あ、ううん。俺こそごめんなさい。食料盗むような真似しちゃって。あんまり・・・準備しないでダンジョンに入ったから・・・」
「それより・・君の名前は?僕はアシュトン・アンカースだよ」
「俺、カイルって言います」
「お、目覚ましたみたいだな」
アシュトンとカイルが互いに名乗ると、ボーマンが入ってくる。
 「あれ?誰?」
「誰とはひどいんじゃないのか?診察したのは俺なんだがな」
「ご・・ごめんなさいっ」
「冗談だ。それより・・・住所とか教えてくれるか?保護者に連絡しないとな」
「え・・・・」
ボーマンの言葉に、カイルの表情が変わる。
 「ん?どうしたんだ?」
「え・・あの・・・」
カイルは困ったような表情を浮かべ、口ごもる。
ボーマン達が怪訝に思ったそのときだった。
 「負けられないんだ!!舞え!紅蓮の翼!皇王天翔翼!!」
突然、ドアの向こうから光が差したかと思うと、ルークとイリアが転がり込んでくる。
「ルーク!イリア!どうしたの!?」
いきなり転がり込んで来た二人に、アシュトンは驚く。
 「痛てて・・。怪しい奴がいきなり来たのよ。すっごい剣幕で患者に会わせろとか言ってて、そうはいかないって言ったら・・・いきなり・・・」
そこまで言いかけて、イリアとルークの表情が変わる。
同時に、ゆっくりと、白を基調にした鎧を身にまとった金髪の剣士が入って来た。
 「だ・・誰!?」
とっさにアシュトンとボーマンはカイルを守ろうと、前に立ちはだかる。
「と・・父さん・・?」
「何・・?」
背後からのカイルの声に、ボーマンは思わず怪訝な声を出す。
 「カイルっ!!無事か!?」
剣士はベッド上にカイルの姿を見つけると、思わず叫び、同時にアシュトン達をかきのけて、カイルを抱きしめた。
 「よかった・・・。本当に・・・よかった・・・」
「ちょ・・と、父さんっ!!く、苦しいって!力入れ過ぎだよ!!」
「わ、だ、大丈夫か!?ご、ごめんっ!!」
父さんと呼ばれた剣士はようやく腕を離すと、慌ててカイルに謝る。
 「全く・・・心配しすぎだよ!もうっ!!」
「わ、悪かった。ごめんごめん」
剣士はカイルに謝ると、ボーマン達の方を向く。
 「あの・・・ここの・・方ですか?」
「ああ。俺はな。こいつはアシュトン、カイルを連れてきてくれたのさ」
「俺、スタン・エルロンって言います。この子の父親です。カイルがお世話になったみたいで、すいません」
「いいんですよ、別に」
「それより・・どうして医者に?どこで・・見つけてくれたんですか?」
「それなんですけど・・・。この街の郊外の洞窟で・・・。盗賊と間違えて僕が・・。僕の方こそごめんなさい、息子さんに怪我なんかさせちゃって!!」
「いや、それは仕方ないですよ。それより・・この街の郊外の洞窟って・・まさか・・危険なダンジョンとして知られてる・・?」
「あ・・はい。実は・・そこで・・・」
「あ・・あの・・俺・・。ちょっと・・急用を・・・」
バレバレな嘘を言ってベッドから抜け出そうとしたカイルに、スタンが迫る。
 「カイル?どこに行くつもりなんだ?」
「え・・あの・・」
「カイル・・。いきなりいなくなって・・・俺がどれだけ探したと思う?」
「そ・・それは・・」
「しかも・・・そんあ危ないダンジョンに何か行ってだなんて・・・。俺が・・・どんな気持ちになったか、わかるか?」
「ま・・・まさか・・・」
「俺、本気で怒ってるからな・・・。さぁ・・カイル・・。覚悟はいいな?」
「いいわけないじゃないか!!」
そう叫ぶや、何とカイルは窓を破って外へ飛び出してしまった。
 「なっ!!」
慌ててスタンは窓から身を乗り出す。
「こらっ!待てっ!カイルっ!!」
「痛い目見るのに待つわけないじゃないか!!父さんの馬鹿ッ!!」
そう言い放つと、カイルは全速力で逃げ出した。
 「こらっ!!待てっ!!」
同じようにスタンも窓から飛び出すと、息子を追い掛けていった。
 「あららら・・。派手にやってくれたねぇ・・・」
ボーマンは箒とチリ取りを用意すると、片付けにかかる。
「あっ、僕も手伝いますよ」
「いいってことよ。それより・・・もういい加減に帰ってやれよ。あいつも本気で心配してるんじゃねぇのか?」
「そうですね。僕もちょっとやりすぎちゃったかもしれませんし」
アシュトンも、頭が冷えたのか、そう言うと帰ろうとする。
 「あ~、ちょっと待ちな」
「え?どうしたんですか?」
怪訝な表情で振り返ったアシュトンに、ボーマンは塗り薬のチューブを渡す。
 「これ、持ってきな。どうせ、帰ったらあいつに叱られるだろうからな」
「あ・・ありがとうございます・・・」
ボーマンの言葉にアシュトンは思わず表情が強ばる。
すっかり騒ぎに紛れて忘れていたが、今回の事でルシフェルの心配は相当なもののはず。
当然、いつも以上に厳しく叱られてしまうだろう。
 (うぅ・・・僕の馬鹿・・・・)
厳しいお仕置きに抗議するための家出・ストライキだったのに、却ってもっと厳しいお仕置きをされてしまう羽目に陥る。
自分の馬鹿さに落ち込みながら、アシュトンはトボトボと診療所を後にした。


 「た・・・ただいまぁ・・・」
恐る恐る、様子を伺いながら、アシュトンは礼拝堂に足を踏み入れる。
「アシュトン!?帰ってきたのか!!」
鼓膜が破れるんじゃないかというくらい大きな声で、ルシフェルが叫ぶと同時に駆け寄って来る。
 「あ・・うん・・」
「大丈夫か!?どこも怪我していないか!?」
「うん・・・大丈夫だよ」
「そ・・そうか・・・。よかった・・・。無事に・・・帰ってきて・・・」
ルシフェルはホッと安堵のため息をつく。
その様子に、余程心配させてしまったことに気づき、微かに罪悪感が沸いてくる。
しかし、罪悪感を覚える余裕など、すぐに消し飛んでしまった。
 「アシュトォォォォンンンン!!!!この・・・・馬鹿者がぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~っっっっっ!!!!」
(うわっ!!来たぁ!?)
わかっていたとはいえ、怒りを爆発させるルシフェルに、アシュトンは思わず引きそうになる。
そんなアシュトンの手首を引っ掴んで引き寄せるや、長椅子に腰を降ろし、慣れた手つきでアシュトンを膝に載せる。
 「ううう~~っ。わかってたけど・・・。やっぱり・・・慣れないよぉぉ・・・」
「馬鹿者っ!慣れたらダメだろうが!!」
(そうだよね・・・)
思わず苦笑するも、お尻をむき出しにされ、苦笑も消える。
 「覚悟はいいな!?アシュトンッ!?」
そう叫ぶや、ルシフェルはいつものように左手でアシュトンの身体を押さえると同時に、膝を組み、お尻を突き上げた非常に痛い体勢を取らせると、思い切り手を振り上げた。
 バアッジィィ~~~~~~ンッッッッ!!!
「う・・うわぁぁ~~~っっっ!!」
覚悟はしていたとはいえ、思い切り叩かれ、アシュトンは悲鳴を上げる。
ビッダァァァ~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッッ!!!
「うわっ!痛っ!痛ぁぁぁ~~~っっ!!!痛いっ!痛いよ~~~っっ!!!」
初っ端から、豪雨のような平手打ちの嵐に、アシュトンは悲鳴を上げる。
あまりの痛さに、両脚を思い切りバタつかせずにはいられなかった。
 「痛いのは当たり前だろうがぁぁ!!お仕置きなのだから!!」
ルシフェルはそう言うと、さらにバシバシと容赦なく平手を振り下ろす。
バアッジィィ~~~~ンンンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~~ッッッッ!!!!!
「ひっ!ひぃっ!ひぃぃぃーーーーっっっ!!!!」
両脚をバタつかせ、悲鳴を上げる中、アシュトンのお尻はどんどん赤く染まってゆく。
 「あんな・・・あんな・・危険な・・ダンジョンに・・・行きおって~~~!!!どれだけ・・・どれだけ・・・心配したと思っているのだ~~~~!!!!!」
「ひぃん・・・。だ・・だってぇ・・。君が・・しょっちゅう・・鞭とかで・・叩く・・・からぁぁ・・・」
「だからって心配かけるような真似をしていいと思ってるのか!!」
「そ・・そういう・・わけじゃ・・ないけどぉぉ・・・」
「馬鹿者ぉぉ!!!散々心配させおって!!今日はきつーくお仕置きしてやる!!」
「あああ~~~~っ!!やっぱりぃぃ~~~っっっ!!!!!」
予想していたとはいえ、ルシフェルの厳しいお仕置き宣言に、アシュトンは悲鳴を上げる。
 バアッジィィ~~~~ンッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~~~ッッッッッ!!!!!!
「うっわぁぁぁぁ~~~~んっっ!!ごめんなさぁぁぁ~~~~いっっっ!!!!」
必死に謝るアシュトンだったが、完全激怒モードのルシフェルは容赦ない。
その後、長い長い平手打ちの嵐が、アシュトンのお尻に吹き荒れ続けた。


 「ひぃひぃぃん・・・。ふっえぇぇんんん・・・・」
ボロボロと涙を零しながら、アシュトンはしゃくり上げていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がっている。
大きさも倍くらいに腫れ上がってしまっていた。
 「アシュトン・・・。反省したか?」
「したぁ・・してるよぉぉ・・・。も・・もう・・・ストライキ・・なんて・・・やらない・・からぁぁぁ・・・。心配させてぇ・・ごめんな・・さぁぁい・・・・」
アシュトンは許して欲しくて必死に謝る。
「約束するか?」
「する・・・するよぉぉ・・・・」
それを聞くと、ようやくルシフェルはお尻を叩く手を止め、アシュトンを抱き起こした。
 「よしよし・・。大丈夫か?」
「うう・・・。な・・・何とか・・・」
「そうか・・。すまん、アシュトン」
「何さ?藪から棒に?」
「お前の・・ことに・・なると・・どうも・・理性が完全に吹っ飛んでしまってな・・・・。これからは・・・私も・・気をつけるからな・・・。だから・・・嫌うのだけは勘弁してくれ!頼む!」
ルシフェルは必死になって、謝る。
 「もぅ・・。ずるいよ・・。そんなこと・・言われたら・・。僕だって・・怒るに・・・怒れないよ・・・」
そう言いつつも、アシュトンの表情は和らぐ。
 「まぁお仕置き自体はいいよ。僕だって・・・悪いわけだし。でも・・・鞭は出来るだけやめてね?お尻が痛すぎるし、何日も痛くてたまんないからね」
「ああ。わかった・・。出来るだけ・・・善処するからな・・」
(その『出来るだけ』とか『善処』っていうのが・・・怪しいような気がするんだけど・・)
そう思ったものの、口には出さない。
 「それより・・・痛い思いをさせた分・・・夕飯はハンバーグにでもするか?」
「うん。お言葉に甘えて・・そうしてくれる」
「よし。ならば任せておけ!腕によりをかけて作るからな!!アシュトンはゆっくり休んでいるがいい!!」
ルシフェルはそういうと、アシュトンをベッドに寝かせて部屋を飛び出す。
 (相変わらず・・凄いなぁ・・・)
ルシフェルの熱の入れようにアシュトンはそう思わずにはいられない。
(それだけ・・僕の事・・大事に思ってくれてるってことなんだよね・・・。やっぱり・・・悪いこと・・しちゃったなぁ・・・)
自分の行為を振り返ると、アシュトンはそう思わずにはいられなくなる。
 (そういえば・・・カイル・・どうしたんだろ?)
不意にアシュトンは窓を破って逃げたカイルのことを思い返す。
(あの様子だと・・やっぱり・・思い切り怒られちゃったのかなぁ・・・)
カイルのことを思い出しながら、アシュトンは心配せずにはいられなかった。


 同じ頃・・・・市内の宿屋。
バアッシィ~ンッ!!
バンバンバンッ!バンバンバンッ!バンバンバンッ!
「うわっ!ちょ、ちょっと!?やめてよ父さんっ!!痛いってば!!」
両脚をバタつかせながら、カイルは必死に抗議する。
スタンの膝に乗せられたカイルのお尻は、アシュトンに負けないくらい真っ赤だった。
 「馬鹿!何言ってるんだ!勝手に家を飛び出した挙句に、一人であんな危ないダンジョンなんか行って!!どれだけ心配したと思ってるんだ!!」
「何だよっ!そもそも父さんが悪いんじゃないか!!いつも子供扱いして!クエストにも連れて行ってくれないくせに!!だから・・俺だって立派に戦えるって証明してやろうと思ったんだ!!」
カイルは不満をぶちまけるように言う。
 カイルの目標は父であるスタンのように立派な剣士になること。
そして、父のパートナーとして、共に戦いたい。
そう思っているが、中々スタンには認めてもらえず、魔物や盗賊退治の仕事にも連れていってもらえないのだ。
だから、危険なダンジョンに一人で挑戦して、実力を認めさせようと思ったのである。
 「そういうのが子供だって言ってるんだ!!人に散々心配かけて!そんな子は許さないからな!!」
スタンは怒りの炎が燃え上がるのでは、というくらい憤慨する。
本当の事を言えば、カイルの気持ちはとても嬉しい。
父親冥利に尽きるというものだ。
 だが、自分の仕事はとても危険なもの。
まだ子供なカイルを危険な目には遭わせたくない。
そういう気持ちが、スタンにカイルを自身の仕事へ加えることにためらいを感じさせていた。
だが、カイルにはあいにくそういう親心は通じていないらしい。
 「何だよっ!父さんの馬鹿ッ!!いじめっ子っ!鬼っ!悪魔っ!尻叩き魔っ!!児童虐待って訴えてやるからっ!!」
お仕置きがよッぽど不満なのだろう、そんなことをカイルは叫ぶ。
「全く・・・全然反省してないなぁ・・・」
息子のそんな姿にため息をつくと、スタンはお仕置きを続ける。
その後、宿の中に、お仕置きの音が響き渡った。


 ―完―

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