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掃除と罪悪感(SO2&テイルズより:ロイド/キール、BL)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。BL要素もあります。許容出来る方のみご覧下さい)


 「はぁぁ・・終わったぁぁ・・・・」
床に座り込み、雑巾を手放すと、ロイドはホッと安堵の息をつく。
「終わったなぁじゃないだろ。全く・・そもそも後回しにして溜め込んだのが悪いんだろう」
ホッとしているロイドを尻目に、キールが厳しい声で言う。
先ほどまで、ロイドの部屋の掃除を手伝っていたのである。
 「だってよぉ、掃除って面倒くさいじゃんかよ」
「そういうのがいけないんだ!面倒くさがって後回し、そういうことばかりやってるから一人じゃ掃除出来なくて手伝いを頼まなきゃいけない羽目になるんだからな!!」
キールの言葉にロイドはシュンとしてしまう。
面倒くさがって掃除をサボっているうちに、部屋が凄い状況になりかけ、さすがにマズイと思って掃除をしようと思ったものの、一人ではダメだと気づき、慌てて手伝ってくれる人を探したが、あいにく友人・知人らはクエストやそれぞれの本業で出払っていたのである。
ようやくのことで論文執筆中のキールを見つけ、必死に拝み倒して手伝ってもらったのである。
論文執筆を邪魔されたこともあり、キールは少々機嫌が悪かった。
ちなみに二人ともギルド会館に近い同じアパートに住んでいる。
キールは別のアパートで一人暮らししていたのだが、ギルドでのバイトを始めてからこちらの方が色々と都合がよかったらしく、今ではロイドと同じアパートに住んでいた。
 「そもそもロイドがちゃんと掃除してればこういうことにはならなかったんだぞ?」
「だからって掃除の練習とか講義までしなくてもいいだろ。マジで疲れたって・・・」
ロイドは心底から疲れたため息を吐く。
ようやくのことでキールに手伝ってもらったのはよかったが、掃除を面倒くさがってサボっていたために、だいぶ部屋が汚くなってしまっており、それを見たキールがあまりにもだらしないと憤慨してしまったのだ。
おかげで正座させられてたっぷりとお説教された上、一から掃除の講義や練習をたっぷりとさせられ、先ほどようやく掃除が終わったところなのである。
 「何を言ってるんだ!こういうのはまず心構えとかが大事なんだ!いくらテクニックを覚えたって、まずちゃんと毎日、せめて週一回はちゃんと掃除をするとか決めて、それをきちんとやらなければ意味は無いんだ!面倒くさいとか嫌だとかいってサボってるからこうなるんだぞ!それでどうなったと思ってるんだ!?自分一人ではどうにも出来ずに僕に頼むしかなかっただろう!?そして・・掃除の手伝いに駆り出されたおかげで僕は論文の執筆を中断しなきゃいけなかったんだぞ!!」
そこまで言いかけたとき、キールはロイドの表情に気づく。
ロイドは何とも辛そうで申し訳ないといった表情を浮かべていた。
 (しまった!?言いすぎた!)
ロイドの表情にキールは思わず後悔する。
思わず感情に任せて愚痴を言ってしまった。
ロイドのことだ、自分のせいでキールに時間を無駄にさせてしまったと思っているだろう。
 「ま・・まぁとにかく・・・ロイド・・これからは『どんなに忙しくても週一回くらいはちゃんと掃除する』って約束出来るか?」
「た・・・多分・・」
「多分?それじゃあ意味ないだろう!」
思わずキールはカッとなりかける。
 「わ・・わかったって!ぜ、絶対やるって!!」
「ふん・・ならいいだろう」
ロイドの言葉に、キールはようやく表情を和らげる。
どんなことがあっても、一度した約束は絶対に守るとわかっていたからだ。
「ならいいだろう。じゃあ僕は帰るからな」
そう言い残してキールが帰ろうとしたときだった。
「あっ!待ってくれよ!」
「何だ?こう見えても僕は忙しいんだ!手短に済ませてくれ!!」
早く戻って論文執筆を再開したいからか、キールは不機嫌そうに言う。
 「今日、本当にありがとうな!おかげですっかりキレーに片付いたぜ」
ロイドがお礼を言うや、キールは思わず顔が赤くなる。
「あれ?どうしたんだよ?何か顔赤いぜ?」
「な・・何でもないっ!?」
「でも・・・」
病気なのかと思わずロイドはさらに尋ねようとする。
「な・・何でもないって言ってるだろう!!ぼ、僕のいうことが信じられないのか!?」
近づこうとするロイドにキールはカッとなりかけながら言う。
「ご・・ごめん・・・」
「と・・とにかく僕は帰るからな!ちゃ、ちゃんとこれからは掃除するんだぞ!少しでもサボったら許さないからな!!」
そういうと、キールは慌ただしくロイドの部屋を飛び出した。
 (全く・・・何をやってるんだ・・・僕は・・)
自分の部屋に戻ると、キールは思わずため息をつく。
(ロイドは心配しただけだろう?あそこまで邪険にすることないじゃないか・・・)
先ほどの自分の反応を振り返り、キールはそう思わずにはいられない。
 (やっぱり・・どうかしてるな・・僕は・・・。ロイドといると・・おかしいぞ・・)
同時にキールはそう思う。
顔を赤くしたのはロイドにお礼を言われて嬉しかったからだ。
同時に、礼を言うロイドの表情が何故かとても魅力的に思えたからだった。
 (どうして・・・ロイドに礼を言われると嬉しかったり・・・ロイドが困ってると手を貸してやりたくなるんだ・・?)
書きかけの論文を引っ張り出しつつ、キールは自問する。
ロイドが掃除の手伝いを頼んだ時、実は最初は断るつもりだった。
論文が結構いい段階まで書けていて、このまま完成までこぎつけたかったからだ。
だが、心底困っているロイドの表情を見ていて、放っておけなくなった。
手を貸してやりたくなった。
それで手伝ってしまったのである。
 (この前は・・アシュトンにあんなことをしてしまったし・・・。まさか・・・本当にガイの・・・)
キールはガイが以前にいったロイドに自分が恋してるという言葉を思い出す。
(馬鹿!何を言ってるんだ!!僕の事をからかってるに違いないんだ!!男同士なんだから好きになんかなるわけないだろう!!)
あくまでもキールはガイの言葉を否定しようとする。
 (余計なこと考えてるからいけないんだ!!論文だ論文!!)
キールは気持ちを切り替え、論文に取りかかろうとする。
だが、いざ論文に向かうものの、遅々として筆が進まない。
苛立って投げ出したくなるが、それも癪で、意地でもキールは執筆をすすめようとする。
しかし、進まずに苛立ちが募り、それが筆を遅らせるという悪循環に陥る。
「ああもうっ!!」
苛立って書きかけの論文を投げ出すや、キールはそのまま不貞寝してしまった。


 それから半月ほど経った頃・・・。
キールは論文といつものように睨めっこしていた。
「よし・・・。あと少しだな・・」
ペンを置くと、キールはホッとしたような表情を浮かべる。
ロイドの掃除を手伝ったことで調子が狂ったらしく、中々論文を執筆出来なかったのだが、もう少しで完成というところまで無事こぎつけたのである。
(後は・・結論をと・・・・)
キールが執筆を再開しようと、ペンを取ったそのときだった。
 「キール、ちょっといいかよ?」
そう言ってロイドが入って来た。
「何だ?今、執筆中だから邪魔しないでくれないか?」
再開しようとしたところを邪魔されたからか、キールは不機嫌な表情を浮かべる。
 「ご、ごめん。じ・・実は頼みがあるん・・だけどさ・・・」
不機嫌なキールに思わずタジタジになりながら、ロイドは口を開く。
「頼み?見てわからないのか?僕は忙しいんだ」
「ご・・ごめん・・。ど・・どうしても・・キールに・・頼みたいんだよ・・・」
「僕に?なら仕方ないな・・。聞くだけ聞いてやる」
不機嫌そうな表情を浮かべつつ、キールは少しだけ嬉しい気持ちになる。
ロイドがわざわざ自分を頼ってくれたからだ。
 「で、何なんだ?」
「じ・・実はさ・・」
そこまで言いかけて、ロイドは口を閉じる。
そして、オズオズとキールの様子を伺いだした。
 「何なんだ!用があるんならはっきり言ったらどうなんだ!!」
ロイドの態度にキールは思わずカッとなりかける。
「あ・・あのさ・・。実は・・・また・・部屋の掃除・・やって・・欲しいんだよ・・」
「何だって!?僕にした約束を忘れたのか!?」
キールは思わず声を上げる。
 「ち・・違うって!こ・・これからクエスト行かなきゃいけないんだよ!2,3日かかりそうだからさ・・・・」
「そういうことか・・・」
ようやくキールは納得する。
自分がいない間の部屋の掃除をして欲しいということだとわかったからだ。
 「頼むって!埋め合わせは後で絶対するからさ!!」
「ロイド、僕だって忙しいんだぞ?」
「そのことは本当に謝るって!どうしても無理ってんなら、アシュトンかガイにでも頼むからさ!!」
「何でそこでアシュトンやガイが出てくるんだ!!」
思わずキールは叫んでしまう。
だが、すぐに後悔した。
 (僕の馬鹿!これじゃあアシュトンやガイにヤキモチ妬いてるみたいじゃないか!!)
顔を羞恥に赤くしながら、キールは心の中で叫ぶ。
「し、仕方ないな!」
誤魔化すように大きな声でキールは言う。
 「そ・・そんなに言うなら仕方ない!そ、掃除してやってもい、いいからな!!」
「マジかよ!ありがとうな!キール!!」
「か、勘違いするな!別にロイドのためじゃないからな!!それより・・クエストに行くなら準備した方がいいんじゃないのか!!」
「そうだっ!ヤバッッ!!また全部準備してなかった!!」
そう叫ぶと、ロイドは慌てて部屋を後にする。
 (何も・・気づいてないようだな・・。よかった・・)
ロイドに何も気取られずに済んだことに、キールはホッとする。
(・・ったく・・・本当にロイドに甘いな・・僕は・・・)
ロイドに対する自身の態度に、キールはそう思わずにはいられなかった。


 その後・・・。
「・・ったく・・。この前あれほど言っておいたのに・・・・。ちゃんと聞いてたんだろうな・・・」
ロイドの部屋を掃除しながら、キールは思わず呟く。
 (ったく・・・見えるところしかやってないじゃないか!!見えないところもしっかりやれと言っておいたはずなのに!!)
机の裏側などを丁寧に掃除しながら、キールは心の中で叫ぶ。
目につくところ、見えやすいところは掃除されているのだが、机と壁の間の床など、見えにくいところ、目が届きにくいところは放っておかれているため、塵やほこりが溜まってしまっているのだ。
 (それでも・・掃除はやってはいるようだな・・・)
以前に手伝った時とは違い、掃除自体はやっているようだから、それは進歩だといえるかもしれない。
(でも・・やっぱり不十分だな。帰ってきたらまたキッチリ教えてやる!)
掃除をしながら、ロイドが聞いたら『勘弁してくれよ~~』と叫びそうな決意をキールは固めていた。
 「ここも埃だらけじゃないか・・・全く・・・・」
闘技場で獲得したトロフィーやら装備品のカタログ、雑誌等が置かれている本棚を見やると、思わずキールは表情が強ばる。
ここもしっかり掃除をしようと、雑誌類やトロフィーをはじめとする中身を取り出しにかかったときだった。
 「う・・うわあっっっ!!」
大きく重いトロフィーを取り出そうとした際、その重量にバランスを崩してしまい、キールは宙に足を投げ出し、床に大の字に倒れてしまう。
 「痛たたた・・・・。僕と・・したことが・・・」
後頭部や背中をさすりながら身体を起こすが、落としてしまったトロフィーの方を振り返るや、キールの表情が強ばる。
 トロフィーはある箱の上に落ちており、落下の衝撃で箱は壊れてしまっている。
慌ててキールはトロフィーを取りのけると、壊れた蓋を取って中を確かめる。
中に入っていたのは細工物用の工具類。
だが、工具はトロフィー落下の衝撃で壊れてしまっていた。
 (ま・・マズイぞ・・!?)
壊れた蓋を持つ両腕が震え、キールの顔から血の気が引いてゆく。
この工具と箱は、育ての親であるドワーフの細工師からロイドが譲り受けたもの。
ロイドにとっては大切なものだと、この間掃除した際に聞いている。
 (も・・もし・・・壊したなんて知られたら・・・)
キールは自分が壊してしまったことをロイドが知った時のことを想像する。
何よりも大切なものを壊してしまったのだ。
幾ら人のよいロイドでも怒るに違いない。
下手をすれば、嫌われて絶交などという事態になってしまうかもしれない。
 (い・・嫌だ!?そ・・そんなのは・・・)
ロイドに嫌われることへの恐怖が、キールの心の中でどんどん大きくなる。
(か・・隠さないと!?)
とっさにそう思うや、キールは箱や工具、その破片を取り上げる。
トロフィーや雑誌を急いで元に戻し、壊してしまった工具類を箱ごと抱えると、慌ててロイドの部屋を飛び出した。


 数日後・・・・。
「うわっ!?どうしたのさロイド!?」
ジーニアスはロイドと顔を合わせるなり、声を上げる。
ロイドは普段の明るさが消えており、まるでこの世の終わりとでもいいたげな様子だった。
 「あ・・あぁ・・。ジーニアスか・・・」
「何?一体何があったのさ?」
年上の友人のただならぬ様子に、ジーニアスも思わず心配になる。
 「そ・・それがさ・・・。俺がいない間に・・・無くなってたんだよ・・・。工具箱が」
「工具箱?もしかして親から譲ってもらったアレ?」
「ああ・・・。間違ってどこかに置いたのかと思って・・探しに探したんだけどよ・・・全然・・・・見つからなくてさ・・・」
そこまで言うと、再びロイドは沈んでしまう。
 「そ・・そう・・。ぼ・・僕ももし見かけたら知らせるよ」
「わ・・悪いな・・・」
さすがのジーニアスも周りの暗く沈んだ空気に耐えきれず、ロイドに幾つか言葉をかけると、その場を立ち去った。
 (マズイな・・・。まさか・・あそこまで落ち込むなんて・・・)
すっかり変わり果てたロイドの姿にキールは困惑していた。
(このままだと・・・ロイドがどうにかなってしまうぞ・・・。で・・でも・・返せば・・僕が壊したってバレる・・)
ロイドをこのまま放っておけない、しかし、自分がしたことがバレてロイドに嫌われるかもしれない、ということに話すこともできない。
ジレンマを抱えながら、キールが悩んでいたときだった。
 不意に呼び鈴が鳴った。
(誰だ・・?こんなときに?)
ロイドのことをどうしようかと真剣に悩んでいるところを邪魔されたからか、キールは不機嫌な表情になる。
しかし、呼び鈴が鳴っている以上、居留守を使うわけにもいかない。
やむなく玄関のドアを開けると、ガイとアシュトンの姿があった。
 「や、やあ、キール」
「何しに来たんだ・・・」
挨拶しようとするアシュトンだったが、キールは不機嫌極まりない表情で返す。
「おぃおぃ、そんな顔するなよ。アシュトンがビックリするだろ」
「うるさいなぁ!僕は忙しいんだ!邪魔しないでくれ!!」
「ごめんね、いきなり押しかけて」
「まあそれはこっちも悪かったって。とにかく・・・少しだけでもいいから、時間割いてくれないか?大事な用なんでな」
「ふん・・。10分だけだぞ!!」
むげに追い返すのも大人げないと思ったのか、キールはそういうと、ガイとアシュトンを中へ入れた。
 「で・・一体何の用なんだ!?」
キールは一刻も早く二人を追いだしたい、とでも言いたげな態度で尋ねる。
「実はロイドの事なんだよ」
ガイの言葉に、一瞬キールは表情が強ばる。
 「ろ、ロイドがどうしたっていうんだ!!」
必死に平静を装うとするが、無意識のうちに声が上ずりそうになってしまう。
「ロイドが最近、元気が無いのは知ってる?」
今度はアシュトンが口を開く。
「だ・・だからどうしたっていうんだ!!何でロイドのことを僕に聞くんだ!?僕はロイドの保護者じゃないぞ!!」
「いや、結構ロイドと仲がいいみたいだからさ。何か知ってるんじゃないかってな」
「うるさいな!!僕には関係ないだろ!!」
「そうか?最近キールもどうも様子がおかしいんじゃないか?」
ガイの言葉に、キールはギクリとする。
 「キール・・・もしかしてロイドのことで何か悩んでるの?」
「ど・・どうしてそんな馬鹿なことを考えるんだ!?」
「おぃおぃ。今まで自分がどれだけ怪しいことしてるか気づいてないのか?最近コソコソロイドの跡つけまわしてたりしただろ?俺はちゃんと見てるぞ」
(そ・・そんな・・怪しい素振りをしてたのか・・)
自分が今までしていた行動にキールは思わず愕然とする。
 「キール・・。何かあるんなら・・僕達に話してみてよ。力になるから・・・」
「う・・うるさいなっ!?余計なお世話だっ!!帰ってくれっっ!!」
キールは二人を追いだそうとする。
「おっと。そうはいかないんだよなぁ」
ガイはそう言うと立ち上がってキールに近づく。
キールがハッとしたときには、椅子に腰を降ろしたガイの膝の上に載せられてしまっていた。
 「な・・何をするんだっっ!!」
「キール・・・。素直に話してくれないんなら・・・手荒な真似もしないといけないんだがなぁ」
「ち・・力づくで言わせようっていうのか!?さ、最低だな!!」
「幾らでも言ってくれてもいいさ。こっちも・・このままにしておくわけにもいかないからな。ロイドも・・お前さんも」
ガイはそういうと、お仕置きをするときのようにキールのお尻を出しにかかる。
 「わあっ!馬鹿っ!やめないかっ!!アシュトンがいるじゃないか!?」
アシュトンの前でお尻を叩かれそうな事態に、キールはますます慌てる。
「それじゃあ何があったか素直に話してくれるか?」
「そ・・それは・・・」
キールは言葉を濁す。
このままアシュトンの見ている前でお尻をぶたれるのは嫌だ。
とはいえ、ロイドとのことも話すのも嫌だった。
 「ん~?仕方ないな~。それじゃあ・・・」
そういうとガイは片手を振り上げる。
パシィィ~~~ンッッッ!!
「く・・・!!」
軽くとはいえお尻を叩かれ、キールは思わず顔を歪める。
 (ほ・・本気で・・叩く気なのか!?)
キールは膝の上に載せられたまま、アシュトンの方を見やる。
アシュトンはガイがキールを叩いたことにアワアワと言いたげな表情を浮かべる。
 パンッ!パンパンパンッ!パンパンパンッッ!!
キールが躊躇している間に、ガイはどんどんお尻を叩く。
「う・・う・・・」
キールは全身をブルブルと震わせ、顔を真っ赤にする。
こんな無様な姿を他人の目にさらしているなど、恥ずかしいなどというものでは無かった。
 「わ・・わかった!?言うっ!言うっ!!それでいいだろっっ!!」
これ以上恥ずかしい姿をさらしたくなくて、キールは必死に叫ぶ。
「やれやれ・・・。ようやく話してくれる気になったか・・・・」
ガイはキールの叫びに安堵の息を吐く。
普通に問い詰めてもキールの事だ、話してはくれまい。
しかし、二人のためにもどうしても話してもらわなくてはならない。
それで、敢えてキールには恥ずかしい思いをさせた。
こうでもしなければキールは話すとは言わないだろうからだ。
 「で・・どういうことなんだ?」
服を直しているキールにガイは尋ねる。
「話すって言ってるだろう!少しくらい待てないのか!?」
キールは服を整え直すと、奥の部屋へ行き、例の壊れた工具箱と工具類を取ってくる。
 「これ・・・工具箱と・・工具・・?」
「どうしたんだ?コイツは?」
キールが持ってきた箱と工具に、アシュトンとガイは怪訝な表情を浮かべる。
 「い・・今から話すって言ってるだろう!と・・とにかく・・こういうことなんだ」
そういうと、キールは数日前、ロイドに頼まれてアパートの部屋掃除に行ったこと、その際にうっかりこれを壊してしまったこと、それがバレないように持ち出してしまったことを話した。
 「なるほど・・。そういうわけだったのか・・・。でも・・・返した方がいいんじゃないのか?」
「そ・・そんなこと・・・わかってる!!でも・・・・」
そう言うと、キールは何ともいえない表情を浮かべて顔をそむける。
 「もしかして・・・ロイドに嫌われるのが怖いの?」
アシュトンの言葉に、キールは一瞬虚を突かれたような表情を浮かべ、そのまま黙り込む。
「だからって、このまま隠しておくわけにもいかないだろ?このままじゃロイド死にそうだぞ?」
「わ・・わかってる!?でも・・・・」
ガイの言葉にキールは苦渋に満ちた表情を浮かべる。
ロイドを安心させてやりたい、でも嫌われたくない。
 「ねぇ、キール、だったら・・こうしたらどうかなぁ?」
「何だ?何をしろって言うんだ?」
キールの問いに、アシュトンは自分の考えを言う。
 「ば・・馬鹿言うなっ!?そ・・そんなこと・・・」
アシュトンの提案にキールは思わずそう言う。
「でもキール、このままじゃあロイドが本当にどうにかなっちゃうよ。それでもいいの?」
アシュトンの問いかけにキールは言葉に詰まってしまう。
 「そうすればきっとロイドだって許してくれるよ。それに・・キール、自分がロイドにしたことを、自分自身で許せる?」
「そ・・・そんな・・はず・・ないだろう!?」
キールはそう答える。
自分のとっさの行動のせいで、ロイドをあんなに苦しめているかと思うと、キールはたまらなくなってくる。
罪悪感や自己嫌悪が沸いてきてどうにもならない。
 「キール・・・確かに僕の方法は・・君には・・凄く・・辛いと思うよ。でも・・・・そうした方がいいと思うよ。ロイドと・・・これからも・・一緒にいるためにも・・・」
「ぐ・・・。わ・・わかった・・・」
アシュトンの提案に、キールはようやく返事をする。
「それとキール、自分に素直になった方がいいよ。そうしないと・・・自分が辛いだけだよ」
「う・・うるさいなっ!?それは今はいいだろう!!」
「まぁとにかく話は決まったんだ。キール、俺達も協力するからさ。とにかく・・・作戦を立てよう。やる以上はちゃんと成功させないとな」
「ふ・・ふん・・・。す・・好きにすればいい・・」
キールはガイの言葉にそう返しつつも、二人と共に作戦を立てにかかった。


 翌日・・・。
(どこ・・・いっちまったんだろ・・・・)
幾ら探しても見つからない工具箱に、ロイドはすっかり痩せこけたような表情になってしまっていた。
ギルド会館で依頼が入るのを待っていても、心は工具箱のことばかり。
 「ロイド、ちょっといいかな?」
不意にアシュトンがロイド用のゲストルームに入って来た。
「ああ、アシュトンか。どうしたんだよ?」
いつものように挨拶しようとするが、元気や明るさは完全に無くなってしまっている。
 「うん。キールが呼んでるんだ。凄く・・大事な話があるらしいよ。一緒に来てくれる?」
「あ・・あぁ・・・わかった・・」
力の無い声で返事をすると、ロイドはアシュトンと共に部屋を後にし、キールのゲストルームへと向かった。
 キールの部屋へと入ると、ロイドはガイもいることに気づく。
「あれ?ガイ?どうしたんだよ?」
「俺か?立会人さ」
「立会人?」
「まぁとにかく・・キール、さぁ、話すんだぞ」
「わ・・わかってる!!」
キールはガイにそう返しつつ、おずおずとロイドと顔を合わせる。
 「ろ・・ロイド・・・。こ・・これを・・見てくれ・・・」
キールは勇気を振り絞って風呂敷包みを開ける。
包みの中から現れたのは、例の壊れた工具箱と工具類。
 「!!??」
ロイドは慌てて駆け寄ると、我が目を疑う。
「う・・・嘘だろ・・・。そ・・そんな・・・」
ロイドは両肩を震わせ、目尻に大きな涙を浮かべる。
壊れてしまった工具と箱を拾い上げ、全身を震わせながら抱きしめるように抱える姿は何とも痛々しい。
 (ここまで・・・大事に・・してたんだな・・・)
ロイドの悲しむ姿に罪悪感が沸いてきて、ロイドに申し訳なくてたまらない。
同時に、ロイドを悲しませるようなことをしてしまった自分が許せない。
 (キール・・後は一人でやれるな?)
二人の様子を伺っていたガイが静かに声をかける。
(わかってる・・・)
(よし・・じゃあ成功を祈るぞ)
そう言いおくと、ガイ達は部屋を後にした。
 「ロイド・・・ロイド・・」
「あ・・あぁ、な・・何だよ?」
キールの呼びかけにようやく気づくと、ロイドは顔を上げて尋ねる。
「あ・・あの・・一つ・・頼みがあるんだが・・いいか?」
「え・・?でも・・こんな・・ときに・・」
「い、今じゃなきゃダメなんだ!!」
「わ・・わかったよ。な、何だよ?」
「ぼ・・僕のこと・・お仕置き・・してくれ・・・」
キールがそういうと、一瞬沈黙があたりを支配する。
 「え・・?今・・何て?」
ロイドは聞き間違いかと問い返す。
「だ・・だからお仕置きしてくれって言ったんだ!聞こえなかったのか!?」
恥ずかしいのを堪えてキールは言う。
 「ま・・マジかよ。って・・キール・・もしかして・・お仕置きされるのが・・す・・好きなのかよ?」
「そんなわけないだろう!!お仕置きなんて・・死ぬほど恥ずかしくて嫌に決まってるじゃないか!!わかりきったことを聞かないでくれ!!」
ロイドの問いにキールは思わず声を上げる。
 「わ・・悪い・・。で・・でも・・嫌なら・・どうして?」
「ロイド・・。その工具と箱を壊したのは僕だ」
キールが箱と工具を差し出したときにもしやと思っていたが、実際にその口から事実を聞いて、改めてロイドの表情が強ばる。
 「この間・・頼まれた掃除をしたときに壊したんだ。大切にしてるから・・ショック受けると思って・・・隠してしまったんだ。でも・・・そんなことをしたせいで・・ロイドは今まで・・いや・・今もずっと苦しい思いをさせてる・・・。僕は・・・自分で・・自分が許せないんだ・・。ロイドに・・辛い思いをさせた・・・自分の保身のために・・・。だから・・ロイドにちゃんと謝りたい・・・そのために・・お仕置きを・・してくれないか・・」
「わ・・わかったよ・・。そ・・そこまで言うんなら・・・」
ロイドはそういうと、工具と箱を机に置き、ソファに腰を降ろす。
 「そ・・そんじゃあ・・キール・・わかってるよな?」
ロイドがそういうと、キールは素直にロイドのもとへ来る。
「ロイド・・。もう一つ・・・いいか?」
そういってキールは何かを差し出す。
 「何だよこれ?」
「パドルとかいう・・要するに・・お仕置きの道具だ」
「こ・・こんなのがあるのかよ・・。で・・これがどうしたんだよ?」
パドルを受け取ると、ロイドは怪訝な表情を浮かべる。
 「こ・・これで・・この前みたいに・・厳しく・・お仕置きして・・くれないか?」
「え・・?でもよ・・・」
ロイドは困惑する。
この前はアシュトンを襲撃したりしたから、かなり厳しく、それこそキールが泣き叫んでしまうくらいお仕置きをした(『黒い気持ち』参照)。
しかし、それはキールが強情で中々反省しなかったからだ。
だが、今回のキールは最初から反省している。
ロイドにしてみれば、そんなに厳しいお仕置きをする理由は無い。
 「や・・やっぱり・・怒ってるのか?」
「え・・?」
(な・・何でそんな顔してんだよ?)
ロイドは目の前にじっと立っているキールの表情を見るや、そう思わずにはいられなくなる。
不安、恐怖、悲しみ、それらの感情がない交ぜになってキールの顔に現れていた。
 「あ・・当たり前か・・・。あんなに・・ショック受けるくらい大切なものを壊したんだからな・・・。お仕置きしたって・・許せないくらい・・嫌われても・・当然・・・だな・・・・」
(ヤバイ!?俺に嫌われたとか思い込んじまうかも!?)
ロイドは慌てる。
自分がお仕置きを躊躇うことで、今度は自分がキールに辛い思いをさせてしまうことに気づいたのだ。
(俺が・・覚悟を決めなきゃ!?)
キールの様子に、ロイドは腹をくくる。
 「わ・・わかったよ・・。でも・・本当にいいんだな?この前みたいに・・泣くまでやるからな?途中で嫌だって思っても・・泣いても・・やめるわけにはいかないぜ?」
「いい・・。覚悟は出来てる・・・。だから・・頼む・・」
キールはそういうと、いつもと違って素直にロイドの膝にうつ伏せになった。
今回は最初から覚悟を決めているからか、お尻をあらわにしても文句ひとつ言わない。
 「よし・・。じゃあ・・行くぜ・・」
自分自身にも言い聞かせるようにしてロイドは言う。
キールが黙って頷くと、ロイドはパドルを振り上げた。


 バアッシィィィィ~~~~ンンンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~ッッッッ!!!
「ぐ・・!!ぐく・・!!くぅ・・!!あく・・!!ぐ・・!!」
最初から容赦なく襲いかかるパドルの嵐に、キールは苦痛の声を漏らす。
 (自分で・・望んだ・・こととは・・いえ・・さすがに・・・辛いな・・)
両手でロイドのズボンを握りしめ、必死に声を押さえようとしつつも、そう思わずにはいられなくなる。
(馬鹿!始まったばかりなのに弱音を吐いてどうする!?自分で言ったことも守れない子供なのか!?)
弱気になってしまいそうな自身を、キールは必死に叱咤する。
 バッジィィィ~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~ッッッッッ!!!
「ぐ・・!!あぐ・・!!あく・・!あっ・・!!ぐあぅ・・!!」
激しいパドル打ちがあっという間にキールのお尻を赤く染め上げてゆく。
 (思い・・出すんだ!!僕が・・したことを・・!!それで・・ロイドがどうなったと思ってるんだ!?)
苦痛に心が折れそうになる自分に対し、キールは必死に呼びかける。
キールは自分が話すまでのロイドの姿を思い出す。
大切なものを失い、まるでこの世の終わりとでも言いたげな姿にまで成り果ててしまった、そんな姿を。
 (そうだ・・・!!ロイドの・・苦しみ・・痛み・・・こんな・・こんな・・ものじゃ・・無かったはずだ!!そして・・・そうさせたのは・・誰なんだ!?)
キールが自問するのを察したかのように、ロイドも口を開き始めた。
 バアッジィィ~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッッッ!!!
「ったく・・何してんだよ・・キール・・・」
パドルを叩きつけながら、ロイドはお説教を始める。
 ビッダァァ~~~~ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッ!!!!
「人の物壊して・・・しかも隠すなんてよ・・・」
「く・・あぅ・・あく・・あぅぅ・・・」
ロイドがお尻を叩きながらお説教をする中、キールの表情は苦しさが増してゆき、じっとりと汗ばんでゆく。
 「幾ら探しても・・見つからなくて・・俺・・マジでショックだったんだぜ!!」
ビッダァァァ~~~~~ンッッッ!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッ!!!!
「ぐ・・!!ぐぅぅ・・!!す・・すまない・・。ぼ・・僕が・・・悪かった・・!!」
自分でも悪いと思っていたから、キールは素直に謝る。
「馬鹿っ!謝るのは当たり前だろ!!それより・・・どうして壊したら壊したで素直に話さなかったんだよ!!何日も隠して・・・。そっちの方が辛かったんだぜっっ!!」
「ほ・・本当に・・・すまない・・!!こ・・怖かったんだっっっ!!!」
キールは思わず叫ぶ。
 「怖かった?お仕置きされるのがかよ?」
「ち・・違うっ!!ろ・・ロイドに・・嫌われるのが・・怖かったんだ!!」
「え・・・?」
キールの叫びに、ロイドは思わずパドルを振るう手を止める。
 (し・・しまった!?僕と・・したことが・・)
キールは思わず口を押さえたくなる。
隠していた自分の気持ちを知られてしまった。
 「ど・・どうして・・俺に・・嫌われるのが怖かったんだよ?」
(ど・・どうする?いつもみたいに・・・)
思わず意地を張って否定しようかと思ったそのとき、アシュトンが自分に言った言葉を思い出す。
 (そうだ・・・。覚悟を決めるんだ!?いつまで・・見て見ぬふりをしてるんだ!?その挙句に・・・こんなことになったんだろう!!僕が・・自分に・・見て見ぬふりを・・してたから・・・!!)
キールは自身を叱咤し、覚悟を決める。
 「ろ・・ロイド・・ちょっとだけ・・お仕置きを・・中断してくれるか?」
「や・・やっぱり・・辛いかよ?」
ロイドはお尻を見ながら心配そうな表情を浮かべる。
既にキールのお尻は濃厚なワインレッドに染め上がっている。
表面も火が燃えていると錯覚するくらい熱くなっていた。
 「いや・・・大丈夫だ。終わったら・・またやってくれていい。大事な・・話なんだ。まず・・・目を閉じてくれるか?」
「こ・・こうかよ?」
ロイドは言われた通り目を閉じる。
直後、唇に柔らかい感触を覚えた。
 (何だよ・・?これ・・?)
怪訝に思って目を開くと、何とキールが自分にキスをしているではないか。
「キ、キキキキキールッッ!!??」
ロイドは目を丸くして驚く。
 「すまなかった、驚かせて。ロイド・・・好きなんだ・・・。こういう・・意味で・・」
「へ・・?え・・?つ、つつつまり・・こ・・こ・・告白ってことかよこれっ!?」
「き・・決まってるじゃないか!!じょ・・冗談や悪ふざけで・・こんなことするわけないだろうっ!!ロイド・・好きなんだ・・!!ロイドのことが・・!!ぼ・・僕と・・恋人として・・・つき合って・・欲しいんだ!!」
勇気を振り絞り、必死になってキールは告白する。
ロイドはただ呆然としている。
 「ロイド・・・い・・嫌か?そ・・そうだよな・・。男同士なんて・・気持ち悪い・・からな・・・」
キールは思わず自虐的な口調で言う。
「い・・いや・・。いきなりで・・ビックリ・・したからさ。で・・でも・・何で・・それと・・工具のことと・・・」
「だからっ!あの工具類はロイドが何よりも大切にしてるものだろう!!それを壊したって知られたら・・凄く怒って・・嫌われて・・絶交されるんじゃないか・・。そ・・・・そう・・・思ったんだ・・。そ・・それが・・怖くて・・怖くて・・・。うっうっ・・。ロイド・・・ゆ・・許してくれ・・・!!好き・・好きなんだ・・!!だから・・・嫌われたく・・なぃぃ・・・。ロ・・ロイドが・・許して・・くれるまで・・何百回でも・・う・・受ける・・から・・・。だから・・うぅ・・・嫌わ・・ないで・・くれ・・・うっうぅうう・・・・・」
キールは泣きじゃくりながらロイドに縋りつく。
 「お・・俺・・・全然・・・知らなかった・・・。で・・でも・・・そんなに・・・俺のこと・・・思ってて・・・くれてたんだな・・・・」
ロイドはそういうと、キールを抱きしめる。
 「ロイド・・?」
「なぁ・・本当に俺なんかでいいのかよ?俺・・・キールが呆れるくらい・・自分で言うのも・・何だけど・・馬鹿も大馬鹿なんだぜ?それでも・・いいのかよ?」
「そんなこと関係無い!ロイドだからだ・・・。ロイド・・だから・・・・」
「わかったよ。それじゃあ・・これからもよろしくな!ええと・・恋人として・・だっけか?」
「ロイド・・。許して・・くれるのか・・?」
「許すも何も、もう俺は怒ってないし、キールだって十分反省出来ただろ?だからもういいって!!」
ロイドはそういうと、普段の明るい笑顔を見せる。
 (許された・・・受け入れ・・られたんだ・・・)
ロイドの笑顔にそれを読みとると、ようやくキールにも安堵の表情が戻って来た。


 「ぐ・・・」
「だ、大丈夫かよ?」
苦痛の声を漏らすキールに、思わずロイドは心配そうな表情を浮かべる。
激しく厳しいお仕置きに、キールのお尻は相当凄いことになっていたからだ。
 「これくらい・・何とも・・ぐぅぅ・・!!」
「無理したらダメだって!な、何か持ってくるから!!」
慌ててロイドは薬なり氷嚢なりを取ってこようとするが、ソファに座ったロイドの膝の上で、お尻を出したままうつ伏せになったキールに止められてしまう。
 「ロイド・・どこへ行くんだ?」
「え?だから薬でも・・」
「何を言ってるんだ!ロイド・・こんなに痛い思いをさせたんだから・・もっと傍にいないと承知しないからな!!」
「え・・でも・・薬とか用意した方が・・」
「いいから!!」
「わ・・わかったよ・・」
ロイドはそういうと、やむなく言う通りにする。
 「ロイド・・・起こして・・膝の上に座らせてくれ・・」
「こ・・こうかよ?」
ロイドは言われた通り、キールを起こして自分の膝の上に座らせる。
すると、キールはがっしりとロイドを抱きしめる。
 「僕はこのまま寝るからな。こんなに叩いたんだから・・責任とって起きるまでこうしてないと怒るからな!!」
「わかったって・・・」
ロイドが思わずそういうと、キールはそのまま目を閉じた。


 (って・・素直に抱っこして欲しいとか言えばいいだろうに・・。まぁキールだから仕方が無いか)
こっそりドアの前で様子を伺っていたガイは苦笑する。
 (このまま入っていったらお邪魔虫だからな。とりあえず・・ドアの前にでも置いておくか)
ガイはそう呟くと、ドアの前に薬を置いてゆく。
 (まぁ・・アシュトンにも手伝ってもらったおかげで・・上手く行ったな・・・。よかったよかった・・)
キールが無事告白を成功させたことに、安堵しつつ、ガイは静かに立ち去った。


 ―完―

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