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スパルタ教師リオン(リオン/カイル、共演パロ)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「何だ、これは?」
リオンはテーブルの上に広げられたものを見ながらスタンに問いかける。
「カイルのテストと成績表だよ。見てもらえばわかるだろう?」
「それはわかる。これが何の関係があるんだ?」
リオンは普段の愛想の無い様子で問いかける。
 「点数・・見てもらえるかな?」
「ふん・・。見るまでもない。大したものだな」
リオンは皮肉をこめて言う。
どのテストも、点数は惨憺たるもの。
ロイドといい勝負、いやもしかしたらそれ以上かもしれない、というレベルだ。
 「そうなんだよ。急にリフィルさんに保護者面談したいって言われて何かと思ったら・・・俺もビックリしちゃってさぁ・・・・」
「今さら驚くようなことか?カイルの成績はお前だってよく知っているだろう?」
「そこまで言うなよ。仮にも甥っ子なんだぞ?」
「ふん、事実を言っているだけだ。それより・・・さっさと用件に入ったらどうなんだ?わざわざ僕を呼びつけて、こんなものを見せるのが用というわけでもないだろう?」
「わかってるよ。あのさ・・・カイルの先生になってやってくれないか?」
カイルのテストと成績表を広げたテーブルを挟み、スタンはリオンに言う。
 「今、何と言ったんだ?」
「聞こえなかったかい?カイルの先生・・・ええと・・家庭教師っていうんだっけ?それを頼みたいんだ」
「何だと!!」
リオンは思わず叫ぶ。
 「そんな嫌そうな顔しないでくれよ」
「ふざけるな!子供のお守りなどゴメンだ!!」
「そう言わないでくれって。本当に頼むよ!お願い!」
「躾と教育は親の役目だろう!人に押しつけるな!!」
「そう言ってもさぁ、俺も勉強はからっきしだし・・。剣は教えてやれるけど・・・」
「ふん・・・。親子そろってバカだからな」
リオンは相変わらずの辛辣な口調で言う。
 「それに・・・俺だとどうしてもカイルには甘くなっちゃうだろうし・・・。特に・・・あんなことがあってからさ・・・」
スタンはおずおずとリオンの方を見やりながら言う。
「散々甘やかした挙句に親子で恋人になるような親馬鹿だからな。お前がカイルにきちんと勉強を教えられるわけがないか」
今までのことを振り返りながら、リオンは納得する。
リオンから見れば、スタンはカイルに甘すぎるとしか思えない。
そもそもこの街に引っ越したのも、カイルのワガママが原因だし、挙句の果てには親子でありながら恋人にまでなってしまったのだから。
そんなスタンが息子に勉強を教えることなどできまい。
カイルには弱いのだから。
 「だから頼むよ!この成績のままじゃカイルのためにもよくないし!本当にお願いだよ!!」
スタンは必死になってリオンに頼み込む。
そんなスタンを尻目に、リオンはテーブル上のテストに視線を向ける。
テストの成績は本当に凄いもので、もう笑うしかないという感じまである。
このままでは本当にカイルはダメになってしまうだろう。
ここで、何とかしなくてはいけない。
点数を見れば、スタンでなくともそうわかる。
 「ふん・・・。仕方ないな・・・」
「リオン・・・。やってくれるのか?」
「勘違いするな。カイルやお前のためじゃない。仮にも僕の甥がこんな馬鹿のままでは、僕のプライドが許さないだけだ」
「ありがとう~~!!これで安心したよ~~!!」
リオンが引き受けてくれたことに、スタンは安堵する。
「勘違いするなと言ってるだろう!それより・・・言っておくことがある」
「な・・何だい?」
リオンの只ならぬ口調に、スタンも真剣な表情で向き合う。
 「これほどの成績だ。並大抵のことでは向上しない。だから・・・厳しくスパルタで行く。絶対に甘やかさないからな」
「それはわかってるよ」
「馬鹿か。僕だけではそういうわけにはいかない。お前の方にもその心構えが必要なんだ。やり方は全て僕に任せてもらう。カイルが幾ら泣きごとを言おうが文句は言わせない。スタン、お前もカイルが泣きついても文句は言わせるな」
「う・・それは・・・」
リオンの言葉にスタンは困ったような表情を浮かべる。
 「何だその顔は。お前がカイルを甘やかしたら結局意味が無いんだぞ。カイルの成績を本当に上げたいならお前も覚悟を決めろ。それが出来ないならこの話は無かったことになるんだな」
そういうとリオンは立ちあがる。
 「ま、待ってくれ!リオンッ!」
去ろうとするリオンを慌ててスタンは追いかける。
「わかったよ!リオンの言う通りにする!リオンのやり方に全部任せるし、カイルが泣きついても甘やかさないでちゃんと勉強させる!だから引き受けてくれ!頼むよ!」
「ふん・・・。ならいい。それなら・・明日から始める。カイルにはしっかりと言い聞かせておくんだぞ」
リオンはそう言い置くと、立ち去った。


 それから数日後・・・。
「だから違うと言ってるだろう!何度言えばわかるんだ!!」
「だってわかんないんだよっ!」
「それはお前が理解しようとしてないだけだ!もう一度やれ!!」
リオンはそういうとプリントをカイルにつきつける。
 「もうヤダってば!リオンさん、休ませてよ~~~」
だが、カイルは疲れ果てた表情でそう言う。
「何を言ってるんだ。まだ30分も経ってないだろう!休憩なんかもってのほかだ!」
リオンは厳しい表情で言うと、勉強を続けさせようとする。
 「だって嫌なものは嫌なんだよ~~!!」
「そんなのが理由になるか。おい!スタンッ!何をコソコソやってるんだ!!」
リオンに怒鳴られ、おずおずとスタンはドアの向こうから部屋へと入って来る。
 「父さん?何やってたの?」
「あ・・あの・・。いや・・ちょっと・・様子をと・・・」
「ふん、大方カイルのことが心配で見に来たのか。呆れたムスコンだな」
「そういうなよぉ・・・・・」
リオンの容赦ない突っ込みにスタンはシオシオとなってしまう。
 「ねぇ、父さん!勉強なんかしたくないよ!リオンさんに言ってやってよ」
「何を言ってるんだ。そもそもお前に勉強させてくれと言ったのはスタンだぞ」
父親に助けを求めるカイルに、リオンはそう言いやる。
 「そ、そうだよ、カイル。勉強も大事なんだよ。俺は勉強を全然しなかったから色々と苦労したし。だからカイルにはちゃんと勉強して欲しいんだよ」
「だからってもうヤダよ!毎日毎日勉強って!たまには父さんと遊んだりしたいよ!ねぇ、父さんってば!!」
カイルにそう言われ、スタンは困った表情を浮かべる。
 確かにここ数日、カイルはずっと朝から晩まで勉強しどおしだ。
父親とも遊べず、机に向かわされてはリオンのスパルタ指導。
カイルにとっては拷問にも等しい日々だろう。
 「な・・なぁ・・リオン・・・」
「スタン。最初に言ったはずだぞ。僕に全て任せる、カイルが幾ら泣きついても甘やかすことはしないとな」
「う・・・・」
リオンの言葉にスタンは言葉に詰まる。
 「そういうわけだ。さぁ、スタン。邪魔だ、さっさと出て行ってもらおうか」
「で・・でも・・・」
「スタン・・・。僕を怒らせたいのか?」
リオンの表情が険しくなり、スタンは息を呑む。
リオンのことだ、言う通りにしなければ剣を抜くのも辞さないだろう。
 「わ・・わかったよ・・リオン・・。カイル・・ごめん・・・」
「わぁ~んっ!父さんっ!見捨てないでよーーー!!!」
机に向かわされるカイルに微かに罪悪感を覚えつつ、スタンは部屋を出て行った。
 「さぁ、カイル。再開するぞ」
「や・・やだぁぁ~~~!!もう勉強なんかしたくない~~~!!!!!」
「嫌だろうが何だろうがするんだ。ワガママを言うんじゃない」
リオンは非情な声で言うと、カイルを机に向かわせる。
その後、長い間厳しく叱咤するリオンの声が響きわたった。


 さらに数日が経ったある日・・・。
いつものように自作のプリントやテキストを入れたカバンを抱えてスタン親子の家へやってきたリオンはすぐに異変に気がついた。
 「あっ!リオンッ!大変なんだ!?」
家の前でオロオロしていたスタンは、リオンに気づくとすぐに声をかける。
 「どうしたんだ、そんな慌てた顔をして。それより何なんだこの騒ぎは」
リオンは街の守備兵が集まっている状況に、思わず尋ねる。
スタンは答える代りにキッチンのあるあたりを指差す。
すると、壁に大穴が開いてキッチンが外から見えていた。
 「何だ・・あれは・・?」
「今朝、カイルが俺に泣きついてきたんだよ。もう勉強なんか嫌だって!!見てて凄くかわいそうになったんだけど・・・リオンとの約束もあるし・・・甘やかすわけにはいかないから・・ダメだ、ちゃんと勉強しろって言ったら・・・。もうヤダーーーッッッ!!!!って叫んで、壁を壊して飛び出しちゃったんだよ」
「それでこんな騒ぎか・・・。それより・・さっさと探しに行ったらどうなんだ!心配じゃないのか!?」
「う・・だ・・だって・・。これ以上勉強させるなら・・俺の事・・嫌いになるって・・。カイルに・・嫌われたら・・俺・・生きていけない・・・・」
「泣きっ面を見せるな!この馬鹿がっ!行くぞっ!!」
「え?行くってどこに?」
「決まってるだろう!カイルを探すんだ」
「え・・でも・・そんなことしたら・・・」
「馬鹿か!このままカイルを放っておいても平気なのか!?」
「そ・・そんなわけ・・・」
「だったら探しに行け!どんなに嫌われようが、探しに行くのがお前の役目だろう!!」
「そ・・そうだな。ありがと、リオン」
「全く・・カイル以上に世話の焼けるバカだな」
「それ以上言うなよ・・。ってこうしちゃいられない!!」
そういうとスタンは息子を探しに飛び出すように走りだす。
 「ふん・・・。親子そろって世話が焼ける・・・」
そういいつつも、リオンもカイルを探すべく、急いでその場を立ち去った。


 「アシュトンさんっ!いますか!?」
スタンは教会に駆け込むや、アシュトンに呼びかける。
「あれ?スタンさん?どうしたんです?」
慌てふためいたスタンの様子に、アシュトンは怪訝そうに尋ねる。
「あ、はい。実はカイルが家出しちゃって・・。こちらに立ち寄ってないかな・・・と」
「いえ。ウチにはいませんよ」
「そうですか。それじゃあもし立ち寄ったら知らせてくれますか?」
「ええ。構わないですよ」
「すいません。それじゃあ俺はこれで。カイルーッ!どこに行ったんだーーー!!!!」
スタンはそう叫びながら、カイルの姿を求めて通りを走っていった。
 やがて視界から完全にスタンの姿が消えると、アシュトンは礼拝堂の方を振り向く。
「カイル、もう大丈夫だよ。スタンさん行ったから」
アシュトンの声と共に、長椅子の影からひょっこりカイルが姿を現した。
 「ごめんなさい、アシュトンさん。匿ってもらって」
「別にいいよそれくらい。でも・・早いうちに帰ってあげた方がいいよ?スタンさん凄く心配してるよ」
スタンの慌てふためいた姿に、アシュトンは思わず言う。
 「ヤダッ!帰ったら絶対に勉強させられるよっ!もう俺勉強なんてヤダーーー!!!!」
地獄のような日々を思い出し、カイルは叫ぶ。
「ご、ごめんね。嫌なこと思い出させちゃって。ぼ、僕が出来るだけ協力するから落ち着いてよ」
アシュトンは必死にカイルを宥める。
家に大穴を開けて逃げ出したカイルは、アシュトンの教会へと逃げ込んだ。
カイルを見つけたアシュトンは、取りあえず中へ入れて事情を聞き、勉強嫌さに飛び出してきたことを知った。
カイルから聞いたリオンによるスパルタ指導の厳しさに、さすがにアシュトンもかわいそうに思い、何とかしてやろうと考えたのである。
それで、今のところは教会でカイルを匿っているのだった。
 「ご、ごめんなさい。ビックリさせちゃって」
「いいんだよ、大変だったみたいだし。ここにいる間は大丈夫だからね。取りあえずリビングで一休みしててよ」
「うん、ありがとう、アシュトンさん」
カイルは普段の少年らしい笑顔を浮かべて礼を言うと、リビングへと向かう。
 「さてと・・・。どうしたらいいのかなぁ・・・」
一方、アシュトンもカイルとスタン達をどうやって取り持とうかと考え込んでいた。


 「カイルぅ・・カイルぅ・・・カイルぅぅ・・・・」
スタンは呆けたような表情を浮かべて呟いていた。
「うわ・・・。凄くねえか、アレ?」
「この世の終わりって顔だな。ここまで来ると何だか哀れだな・・・」
スタンの痛々しい姿にロイドは心配そうに、キールは呆れたようにそんなことを言う。
二人ともスタン達に協力してカイルを探しているところなのだが、一旦ギルド会館へ戻ってきたところである。
そこで今にも魂が抜けてしまいそうなスタンを見かけたのである。
 「おい!いい加減にしろ!いつまでそうやってるつもりだ!!」
すっかり落ち込んでいるスタンを、リオンが叱咤する。
「だ・・だって・・・」
「だってじゃないだろう!お前がそんなことでどうする!そんなのではいつまで経ってもカイルが見つからないだろうが!!」
『そうだぞ、スタン。こんなところで嘆いていて何になる!カイルが心配ならさっさと探しに行かんか!!』
リオンとディムロスに叱咤され、ようやくスタンは立ち上がる。
 「大丈夫かよ、スタン?」
「あ、ああ、ロイドかい?心配させちゃったかな?ごめん」
「大丈夫そうならいいんだよ。ああ、そうだ。カイルの情報を聞きこんできたぜ!」
「ほ、本当かい!ロイド!!早く話してくれないか!!」
「ど・・どわ!ま、待てって・・く・・苦し・・・・」
話そうとしたところへ、スタンに襟元を掴まれて迫られ、ロイドは窒息しかける。
 「ロイド!どうして話してくれないんだよ!?早く言ってくれないか!!」
自分が首を絞めていることに気づかず、スタンはロイドに迫る。
話そうにも首が絞まっているロイドは、どんどん顔から血の気が引いてゆく。
「ファイアボール!!」
「魔神剣!!」
今にもロイドを絞め落としてしまいそうなスタンに、キールとリオンがそれぞれ術技を叩き込んだ。
 「うわっ!何するんだよ二人とも!!」
「何するんだじゃない!そっちこそよく見てみろ!ロイドを殺す気か!?」
「え・・?うわああっ!ロイドーっ!大丈夫かーー!!」
スタンが慌てて声をかけるのを尻目に、キールが奪い返すようにロイドを助け起こす。
 「「全く・・・。親馬鹿も大概にしたらどうなんだ!!」」
「ご・・ごめん・・・」
リオンとキール二人に同時に怒られ、スタンは縮こまる。
 「それでどんな情報を掴んできたんだ?」
スタンを尻目にリオンがキールに尋ねる。
「アシュトンの教会に駆け込んだところを見たって近所の人間が言ってるのを聞きこんだんだ」
「え・・?でもおかしいな?アシュトンさんはいないって・・・」
キールの言葉にスタンは怪訝な表情を浮かべる。
 「ちゃんと聞かなかったんじゃないのか?しっかり確かめてきたんだ!間違いない!」
「そのときはいなかったが、後で駆け込んだのかもしれないな」
「そ・・そうか・・。よし!」
「おいっ!スタンッ!クソ・・相変わらずだな・・」
矢も楯もたまらないとばかりに飛び出したスタンに、舌打ちしつつもリオンも追いかけた。


 「カイルーーーッッッ!!!カイルーーーッッッ!!!」
凄まじい勢いで教会へ飛びこんで来たスタンに、アシュトンはビックリする。
「うわっ、そんな血相変えてどうしたんですか!?」
「アシュトンさん、カイル来てるんでしょう!?」
「え・・。い・・いや・・」
アシュトンは思わず言葉を濁す。
スタン達とカイルのことを取り持とうという気持ちはあるが、今の完全に冷静さを失っているスタンを会わせるわけにはいかない。
 「どうして隠すんですか!!早く会わせて下さい!!」
「ちょ、ちょっと待って・・」
『おいっ!スタンッ!落ち着かんか!!』
ただならぬ様子でアシュトンに迫るスタンに、ディムロスも思わず落ち着かせようと声をかける。
 「何だかうるさいな~、誰が騒い・・・・」
騒ぎが聞こえたのか、思わずカイルが礼拝堂に出てくる。
だが、父親の姿を認めるなり、身体が強ばる。
 「カイル・・・」
「と・・父さん・・・」
二人はそのままジッと立ち尽くす。
しばらくそのままでいたが、不意にカイルが背を向けて逃げ出すように礼拝堂を飛び出した。
 「ああっ!!カイルッッ!!」
慌ててスタンは追いかける。
「ま、待って!!」
アシュトンも二人を放っておけず、追いかけた。
 「待ってくれっ!!カイルッッ!!」
教会内を必死になってスタンは走り、息子を追いかける。
追いつかれてたまるかとカイルも必死になって走る。
そのうちにカイルは階段を上がっていき、鐘のある尖塔から屋根の上へと降り立った。
 「うわっ!カイルッ!どこに出てるんだっっ!!」
屋根の上に上がった息子を見るや、スタンも慌てて自分も屋根へ降りる。
「危ないですってば!スタンさん!!」
慌ててアシュトンが止めようとするが、聞く耳持たず、スタンは屋根へと降りてしまっていた。
 「マズイ・・・!!連れ戻さないと・・・!!」
こうしてはいられないとばかりにアシュトンも屋根へ降り立つ。
教会の規模は決して大きなものではないとはいえ、それなりの高さがある。
一般人に比べたら遥かに優れた身体能力を持っているとはいえ、転がり落ちたら怪我する危険は十分にある。
スタンもアシュトンも、慎重な足取りでカイルの方へと進んでゆく。
 「カイルッ!危ないぞっ!こっちへ戻って来るんだ!!」
「ヤダッッ!!戻ったら絶対に勉強させられるじゃないか!!絶対ここから動かないからね!!」
「何を言ってるんだ!?こんなところにいたら危ないだろう!落ちて怪我でもしたらどうするんだ!!」
必死にバランスを取りながら、スタンは息子を説得しようとする。
 「それでもいいよ!!もう勉強なんかヤダーーーー!!!!勉強なんかさせるリオンさんも父さんも嫌いだよっっ!!あんな勉強なんかさせられるくらいなら死んだ方がマシだよっっ!!」
そういうとカイルは何と剣を自分の首筋に当てようとする。
「うわあああっっ!!!やめろっ!やめるんだーーー!!!!」
思いつめた挙句にとんでもない行動をしようとしている息子にスタンは絶叫する。
 「いい加減にしなさい!!」
いつの間にかカイルに接近していたアシュトンが叫ぶや、カイルから剣を取り上げ、ビンタをする。
 「あ・・アシュトンさん・・?」
「アシュトンさんじゃないよ!カイル!何てことをしてるの!アレを見なさい!!」
怒りに満ちたアシュトンが指差す方をカイルは振り向く。
すると、そこには立ったまま呆けたような表情を浮かべ、今にも魂が抜けかけそうなスタンの姿があった。
 「うわあっ!と、父さんっ!!」
父親の姿にビックリしたカイルは慌ててスタンのもとに駆け寄る。
「父さんっ!父さんっ!目を覚ましてっっ!!」
今にもショック死しそうな父親にカイルは必死に呼びかける。
 「あ・・か・・カイル・・?」
「よ・・よかった・・・。気づいたんだね・・・うぅう・・・・」
意識を取り戻したスタンに、カイルは泣きそうになる。
 「カイル・・。俺こそごめん・・。あんなに追い詰めてたなんて・・気づかなかった・・。本当にごめん・・・」
「ううん・・。俺こそ死ぬほど驚かせちゃって・・ごめんなさい・・」
「カイル・・。帰ろうか・・・」
「うん・・。アシュトンさん、迷惑かけちゃって、ごめんなさい」
「いいんだよ。仲直り出来たみたいで。それより危ないから早く中に入ろう。ね?」
「そ、そうだよね。危ないし」
そういって三人が尖塔へ戻ろうとしたときだった。
 「え・・うわあっっ!!」
「カイルッ!!」
「スタンさんっ!え?うわあっっ!!」
不意にカイルが足を滑らせかけ、慌ててスタンが手を伸ばして捕まえようとする。
同時にアシュトンも動いてスタンを掴んで引き戻そうとするが、自分も足を滑らせてしまった。
 「う・・うわあああああ~~~~~っっっっ!!!!!!」
「わああああああ~~~~~~~~~っっっっ!!!!!!」
「うっわああああ~~~~~~~~~っっっっ!!!!!!」
悲鳴と共にスタン、カイル、アシュトンが教会の屋根から転がり落ちた。


 目を覚ましたスタンは、自分がボーマンの診療所の入院患者用の部屋にいることに気づく。
「父さんっ!気づいたの!?」
「ふん・・。気づいたのか・・・・」
カイルはホッとしたような表情で、リオンは相変わらずの無愛想な、だがどことなくホッとしたような口調で呼びかける。
 「あれ・・?ここは・・痛ててて・・・あれ?」
「動いちゃダメだってば!怪我してるんだから!!」
「え・・?あれ?そういえば体中が痛いな・・・。どうしたんだっけ?」
「ふん。覚えてないのか?教会の屋根から落ちただろうが」
「あ・・!!そ、そうだった!ってカイル!?大丈夫か!?それにアシュトンさんは!?」
一緒に転がり落ちた二人のことを思い出し、思わずスタンは尋ねる。
 「お、俺は大丈夫。父さんが庇ってくれたし。アシュトンさんも教会に仕掛けてあったセキュリ・・何だっけリオンさん?」
「セキュリティシステムだ。それくらいちゃんと言えないのか!」
「ご、ごめんなさい。とにかく同居人がつけておいたセキュリティシステムってやつのおかげで大した怪我じゃないって。まぁ検査のために父さんともども入院してるらしいけど・・・」
「そ・・そうか・・。後でちゃんと謝っておかないとな」
「全くだ。親子そろって本当に世話が焼ける奴らだな」
「そういうなよぉ・・・」
「そう言われたくないなら、これからもっと分別をわきまえろ」
リオンの相変わらずな口調にスタンは何も言えなくなってしまう。
「本当にわかってるんだろうな。それより・・帰るぞ、カイル」
「え!?どうして!俺、父さんの傍にいたいよ!!」
リオンから帰ると言われ、カイルは思わず叫ぶ。
 「もう面会時間は終わりだ。それに・・・スタンだけじゃない、アシュトンもここには入院してるんだ。お前がいたら迷惑をかけるだろう。それでもいる気か?」
「わ・・わかったよ・・・。父さん、朝一番で見舞いに来るからね!!」
「ああ。待ってるよ」
「ふん、さっさと行くぞ」
息子に笑顔で答えるスタンを尻目に、ボーマンの診療所を後にした。


 「リオンさん・・父さん大丈夫かなぁ?」
家に帰って来たカイルは心配なのか、思わずリオンに尋ねる。
「ふん・・。あれくらいで死ぬようなヤワな奴なものか。二三日したらケロリと元気になってるに決まってる」
「そ、そうだよね!父さんがあれくらいで大変なことになるわけないよね!!」
リオンの言葉にカイルはホッとする。
 「それよりカイル・・・。覚悟はいいか?」
「え・・?か、覚悟って?」
不意に厳しい表情になったリオンに、カイルは怪訝な表情を浮かべる。
「決まってるだろう、お仕置きだ」
「え・・!?な、何で!?」
「当たり前だろう、どれだけ他人に迷惑をかけたと思っている?それに・・二人も病院送りにしただろう?」
「うぅ・・。ご、ごめんなさい」
「言葉はいい。反省してるならさっさと来い」
リオンはソファに腰を降ろすと、カイルにお仕置きの合図をする。
 「や・・やだっ!!」
カイルはスタン相手のときのように逃げ出そうとする。
だが、素早くドアに先回りしたリオンに逃げ道を塞がれてしまった。
 「やだやだ!離してよっ!リオンさんっ!」
「全く世話の焼けるバカだな・・・」
必死に抵抗するカイルだったが、慣れっこなのだろう、難なく抵抗を封じてソファまで連行してしまう。
スタンに劣らず慣れた手つきでカイルを膝の上に押さえると、あっという間にお尻をむき出しにした。
 「やだやだ~~~!!!やめてよ~~~!!!!!」
「反省の色無しか・・・。毎度のこととはいえ・・」
呆れたようにため息をつくと、リオンは甥をしっかりと押さえる。
直後、右手を振り上げた。


 バシィィィィィ!!!
「痛ぁぁぁ!!!」
平手が叩きつけられると同時に、カイルは苦痛に背をのけ反らせる。
ビシッ!バシッ!バンッ!ビシッ!バンッ!バシィンッ!
「うわっ!ちょ、ちょっと!痛いってば!リオンさんっ!」
両脚をバタつかながらカイルは叫ぶ。
 力自体は父親であるスタンの方が強い。
だが、小柄で細身な自身の体格を補うためか、リオンの剣は技に長けている。
そのためか、力自体はスタンより弱くとも鋭い痛みがお尻に走る。
 「当たり前だ、お仕置きだからな。そんなこともわからないのか?」
リオンはそんなことを言いやると、容赦なく甥のお尻に平手を落としてゆく。
ビシッ!バシッ!バンッ!バシンッ!バアンッ!ビシッ!
「うわあっ!痛っ!痛ああっ!うわあんっ!痛ああっ!!」
平手の一打ごとに、カイルの身体は強ばり、両脚をバタつかせる。
 「全く・・・お前は何をやってるんだ・・・」
呆れたような口調でリオンはお説教を始める。
ビシッ!バシッ!バンッ!バチンッ!ビダンッ!
「わあんっ!痛っ!痛ああっ!痛いぃぃ!!」
平手が叩きつけられ、お尻に手形が浮かび上がるたびにカイルは悲鳴を上げる。
 「勉強嫌さに逃げ出すどころか・・・・。あんなバカな真似まで・・・。本当に何を考えているんだ!!」
バアッシィィーーーーーーーンッッッッッ!!!!!
「うわああああああ!!!!!」
カイルが絶叫するのを尻目に、リオンは怒りの籠った平手を叩きつける。
 「わああんっ!!だって勉強なんか嫌だったんだってばぁっっ!!」
「だからってあんな真似をする理由になるか!この馬鹿!!お前のせいでどれほど他人に迷惑をかけたと思っている!!下手をすればお前は無論、スタンやアシュトンまで大怪我どころか死ぬかもしれなかったんだぞ!!」
教会の屋根から転がり落ちるところを目撃していたため、リオンの口調や平手には大きな怒りが籠る。
幸い、ルシフェルがあらかじめ仕掛けておいたセキュリティシステムが発動したおかげで落下地点が分厚く柔らかいマットのように変化したために事なきを得たが、そうでなければ間違いなく怪我をしていたところだ。
今、思い出すだけでも恐怖でゾッとする。
 「何だよっ!!そもそもリオンさんや父さんが悪いんじゃないか!!無理やり勉強させて!!何回も俺嫌だって言ったのに!!リオンさん達が勉強させなきゃ俺だってあんなことしなかったよ!!それなのにどうして怒られなきゃいけないのさ!!」
だが、カイルは不当だといわんばかりに叫ぶ。
 「カイル・・・。本気で言ってるのか?」
カイルの言葉にリオンの表情が険しくなる。
「だったらどーだっていうのさ!!俺悪くないっ!!皆ひどいよっっ!!」
「そうか・・・。よくわかった・・。なら・・・僕も容赦はしないからな」
リオンはそういうと、カイルを膝からベッドへと投げ出す。
 「ちょっと!?痛いってば!!」
お尻が布団に触れ、思わず抗議するカイルだったが、リオンはそれを無視してうつ伏せにさせて押さえつける。
同時にヘアブラシを手に取った。
 「ちょ、ちょっと!リオンさんっ!それはやめてよ!!」
道具を手にしたリオンにさすがにカイルは慌てる。
「今さら遅い。これでしっかり反省するんだな」
そういうと、リオンはブラシを叩きつける。
 バアシィィィーーーーンッッッッ!!!!
「うわあああんんんっっっ!!!痛ぁぁぁいいぃぃぃぃ!!!!!!」
ブラシでの打撃にカイルは絶叫する。
「リオンさんっ!俺が悪かったからっ!!ごめんなさいっっ!!」
ブラシの強烈な打撃にカイルの意思はもろくも崩れ落ちる。
 「今さら遅いと言ったはずだ。今日は嫌というほど反省させてやる。百叩きはしてやるから覚悟しておけ」
「そ・・そんなぁぁぁ~~~~っっっっ!!!!!ごめんなさいっ!!ごめんなさぁぁぁーーーーーいっっっっ!!!!!」
ベッドにうつ伏せで押さえつけられたまま必死に謝るカイルだったが、容赦なくリオンはブラシを振り下ろす。
リオンの宣告通り、少なくとも100を数えるまでブラシ打ちの音とカイルの悲鳴が響きわたった。


 「ひぃん・・。ひぃひぃん・・。ごめん・・なさぁぁい・・。ごめんなさぁぁい・・・」
ボロボロと涙をこぼしてカイルは泣きじゃくる。
お尻は今や紅蓮に染め上がり、燃え上がるのではないかと思えるほどだった。
 「反省したのか?」
一旦お尻を叩く手を止めてリオンは尋ねる。
「してるよぉぉ・・・。逃げ出して・・ごめんなさぁぁい・・・」
「バカか?それだけじゃないだろう?」
「う・・え・・ええと・・」
他に何があったか、カイルは必死に思いだそうとする。
 「自分のしたこともまともにわからないのか?カイル、お前が教会の屋根に登ったりまた自殺まがいのことをしてどれほどスタンや、地上で見ていた僕が驚いたかわかってるのか?しかも転がり落ちたんだぞ!下手をすれば大怪我、少なくともスタンやアシュトンは入院しているんだ!わかってるのか?」
「うう・・。ほ・・・本当に・・ごめんなさい・・。心配させて・・迷惑かけて・・うぅうう・・・」
自分のしたことを理解すると、カイルは泣きだしてしまう。
 「全く・・・世話の焼けるバカだな・・・」
呆れたような口調で言うと、リオンはカイルを抱き起こす。
「リオンさん・・?震えてるの?」
「違う、寒いだけだ」
そう言いつつも、リオンはカイルの無事を確かめるかのように、しっかりとカイルを抱きしめた。


 「ちょ、ちょっと!もっと優しくしてよ!!」
「これくらいも我慢出来ないのか?呆れた奴だな」
真っ赤なお尻に薬を塗りながら、リオンとカイルはそんな会話を交わす。
 「だって痛いものは痛いんだってば!ねぇ!抱っこしてお尻撫でながらやってよ!!」
「甘えるな。そもそもそんなことを言えた立場か?」
「うぅ・・・。父さんなら抱っこしてくれるのに・・・」
「スタンはスタン、僕は僕だ。文句があるなら自分でやれ」
「わ、わかったよ・・・・」
カイルはそう言いつつも、不満そうな表情を浮かべる。
 「全く・・呆れた甘ったれだな。世話の焼ける・・」
「どうせ俺は子供だよっ!」
そういうとカイルは拗ねたように顔をそむける。
そんなカイルに呆れたような表情を浮かべつつ、リオンは手当てを続ける。
 「おぃ、終わったぞ。ん?」
手当てが終わって声をかけると、いつの間にかカイルが寝てしまっていることに気がついた。
 「おい!人の膝の上で寝る奴があるか!!」
起こそうとするが、スタンに似て寝坊助なカイルが起きるわけもない。
それどころか抱っこしてもらえなかった分を取り返すかのようにしっかりと抱きついてしまう。
 「こら!甘えるならスタンにしろ!!」
強引に引っぺがそうとも思ったが、手当てが終わったばかりのお尻を目に入ると、それも出来ない。
 「く・・仕方ないな・・。今日は甘えさせてやる・・。次はないからな・・」
それだけいうと、リオンはそのままカイルを膝の上で寝かせていた。


 ―完―

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