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修道騎士マクシミリアン2



 「ぶぇぇぇぇ・・・きぼちわるぅぅぅ・・・」
「おぃおぃ、大丈夫か?」
ガタガタ揺れる荷台の上で顔色を青くしているマクシミリアンに、ルートヴィヒは背中をさすり、いつ嘔吐してもいいように袋を用意する。
 「クッソ!もっとマシな道はねえのかよ!?」
荷台の上から、あまりにもひどい揺れ具合に、マクシミリアンは思わず叫ぶ。
道といっても微かに地面に残る車輪の跡を頼りに進んでいる有様だった。
「仕方ないだろう?砂漠地帯は未開発なんだ。難民キャンプにつくまで我慢するんだ」
「ち・・ちっくしょう・・・たかが・・・支援物資の護送が・・こんなに・・キツイなんてよ・・・・」
トラックの荷台の上で、マクシミリアンは吐き気を堪えながら呟く。
 彼らは中東の某国に今回来ている。
その地の教会が難民支援を行っているため、その支援物資をキャンプへと護送中だった。
そのため、物資を積んだトラックの前後を守っているガントラック(トラックに装甲や機関銃等の兵器を載せる改造を施したもの。輸送部隊の護送などに利用される)の一台に、乗っているというわけだった。
 「取りあえず・・あと一時間くらいの辛抱だ。必要物資を補給したりするんで村に寄るからな」
「一・・時・・間も・・我慢・・出来っかぁぁ!!うっぷうう・・・!!」
ルートヴィヒは慌てて袋を差し出す。
マクシミリアンはひったくるようにそれを取ると、胃袋の中身を必死に袋に注ぎ込んでいた。


 「はぁ・・・・助かった・・・」
村につき、護衛用トラックの荷台から降りると、マクシミリアンはホッとする。
「大丈夫か?無理はするんじゃないぞ?」
「ケッ!この程度でくたばりゃしねーってーの!?」
心配そうに言うルートヴィヒにマクシミリアンはそう言う。
 「こらこら。荷台の上で真っ青になってたのはどこの誰だ?」
「る、るっせーな!揺れんのに慣れなかっただけだってーの!」
ルートヴィヒの言葉に、マクシミリアンは思わず顔を赤くする。
「まぁとにかく出発まで一時間くらいある。俺は必要なものを買いだしてくるから、適当に時間を潰しててくれ。ただし・・・くれぐれも問題を起こすなよ?」
「わかってるってーの!俺はガキじゃねーよ!!」
そう言うと、マクシミリアンはプイッと顔をそむけて通りを後にした。
 「とは言うものの・・・・・・」
マクシミリアンはつまらなそうな顔で村の通りを歩いていた。
そんなに規模の無い村なので、面白いものなどロクにない。
本当に必要最低限のものを揃えるのに必要な店などしか無かった。
(車酔いからは助かったけどよ・・・一時間もどうやって時間つぶせってんだよ!何もねえつまんねえ村だぜ!)
心の中でそう呟きながら、歩いていたときだった。
 「あん?」
不意にマクシミリアンはあるトラックに気づいた。
そのトラックも装甲が施され、荷台には機関銃が置かれている。
 (ウチのじゃあねえな・・・・。どこのだ?)
思わずマクシミリアンは近寄ってみる。
治安が不安定なこの国ではガントラックはありふれたもの。
警備業を行う企業や国内の武装勢力、政府軍などがそれぞれこのような車両を使用していた。
 「おい!何をしてる!?」
ガントラックを見ていたマクシミリアンは不意に呼び止められ、振り返る。
するといつの間にか見知らぬ人物が立っていた。
 現れたのは15~17歳くらい、マクシミリアンと同年代かもう少し若いくらいの少年。
海を思わせる見事な青色の髪と瞳と、アーモンドを思わせる褐色の肌をしている。
まだ少年らしい感じを残しながらも、男らしさも感じさせる整った面立ちをしている。
すらりとした細身のバランスの取れた身体に半袖のシャツやハーフパンツを着ているところは普通の年頃の少年らしい。
だが、普通の年頃の少年はシャツの上にボディアーマー(いわゆる防弾チョッキ)など着ないし、ましてや腰に脇差など差していない。
 「おい!何をボヤボヤ見てるんだ!?まさか車上荒らしじゃないだろうな!!」
ボディアーマー姿の少年はマクシミリアンの姿を見るや、腰の脇差に手をかけながらそう言いやる。
 「んだとっ!テメェどこに目つけてやがる!テメェこそ○リ○ンじゃねえのか!?」
若者がアラブ系を思わせる肌の色をしているからか、マクシミリアンは売り言葉に買い言葉で、思わずそう言い返す。
「なっ!俺はテロリストなんかじゃないっっ!!謝れっ!」
「んだとっ!先にイチャモンつけてきたのはテメェだろうがっっ!!」
お互い腰の物に手をやり、今にも一触即発の事態になりかけたときだった。
 「こらっ!何をしてるんだっ!?」
「おいっ!離しやがれっっ!!」
騒ぎを聞きつけたルートヴィヒが駆けつけると、マクシミリアンを強引に連れてゆく。
 「離せってんだろっ!」
「マクシミリアン、騒ぎを起こすなって言っただろう?」
「うるせえな!向こうがイチャモンつけてきたんだよ!」
「だからってあんなことをするんじゃない。とにかく・・出発だ」
「んだとっ!?話もつけてねえぞっ!」
「マクシミリアン?あまり聞きわけが無いと・・・」
ルートヴィヒはそう言うと、手に息を吐きかける。
「わーったよ!出発すりゃいいんだろっ!」
お仕置きされてはたまらないと、マクシミリアンはそう言うと、渋々ながら、再びガントラックにに乗り込んだ。


 「ああくそっ・・・。散々な・・目に遭ったぜ・・・」
未だ残る乗り物酔いに顔を顰めながら、マクシミリアンは難民キャンプ内を歩いていた。
(クッソ・・・・帰る時にもアレに乗って・・・揺られてくのかよ・・・)
ガントラック上での強烈な揺れを思い出しながら、マクシミリアンは憂鬱になりかける。
 「あん・・・?」
ふとマクシミリアンは自分たちとは別の輸送隊がやって来ることに気づく。
そのガントラックの一台と、荷台に乗っている一人の姿を認めるや、マクシミリアンは走り出していた。
 「おい!」
青髪に褐色の肌の若者は、声をかけられ、思わず振り向いた。
「お前は・・・!何故ここにいる!?」
途中立ち寄った村で見かけた不審人物の姿に、青髪の少年の表情も険しくなる。
 「テメェ・・・よくも人を盗人扱いしてくれたなぁ!この落とし前どうしてくれんだぁっっ!!」
「それはこっちの台詞だ・・・!!よくもテロリスト扱いしてくれたな!」
互いに怒りの表情で相手を睨みつける。
 「へっ・・!ちょうどいい!こっち来いよ!ケリつけてやるぜ!」
「望むところだ・・・!」
そういうと、二人は難民キャンプの外れの方へと向かう。
やがて開けた場所へ出ると、マクシミリアンは両刃の剣を、褐色の若者は脇差を抜いて構える。
 「おい・・。テメェ・・名前は?」
「人に尋ねるときは自分から名乗るものだろう?そう教わらなかったのか?」
剣を構えたマクシミリアンに若者がそう返す。
 「チッ・・!仕方ねえ。名乗ってやるよ。マクシミリアン・・・。ヴュルテンベルク騎士修道会のな!」
「修道騎士か・・・・。なら相手に不足は無い・・・。俺はカイ・・・。シンセン・セキュリティ・サービスのな・・・・」
互いに名乗りを上げると、剣を構え、睨み合いながら、ジリジリと間合いを詰めはじめた。


 「ふぅ・・・。これで・・取りあえず完了だな・・・」
支援物資の引き渡しを済ませ、必要な書類を受け取ると、ルートヴィヒは安堵の息をつく。
「おや?ルートヴィヒさんじゃないですか。奇遇ですな」
不意に呼びかけられ、思わずルートヴィヒは振り向く。
すると、いつの間にか近くに一人の男の姿があった。
 男は30代半ばから40歳くらい、肌や髪の色から日本人だとわかる。
がっしりとした精悍な面立ちで、虎や狼を思わせる無駄なく鍛え上げられた身体をしている。
動きやすい服装の上からボディアーマーを身につけ、腰に武骨でがっしりとしたつくりの日本刀と刀とほとんど変わらないサイズの大脇差を差している姿は、どことなくカイと共通するものがある。
実際、着ているボディアーマーは青を基調に隅を山型模様で縁取りし、中央と背中に『誠』という文字を入れたもので、サイズを除いてカイのものと共通するものだった。
 「ミスター・コンドウ!?」
ルートヴィヒは思わず声を上げる。
男の名は近藤勇蔵。
日本の東京某所に存在する試衛(しえい)市に拠点を置く武術道場「誠衛館(せいえいかん)」の主で、日本の武術界、特に剣術においての重鎮の一人だった。
 「久しぶりですな、仕事ですか?」
「ええ。それにしても・・ミスター・コンドウ、あなたの方は?」
「私もです。もっとも・・副業の方ですがな」
「なるほど・・道理で・・」
ルートヴィヒは近藤の言葉に納得する。
近藤は武術家・道場主が本業であるが、もう一つの姿がある。
それは保安・警備業のエージェント。
近藤の誠衛館は新撰グループという企業グループに属している。
そのグループが製薬業と共に二大柱としている業務が保安・警備業であった。
その部門の名をシンセン・セキュリティ・サービスという。
そのエージェントの一人として近藤の名もあった。
ちなみに、シンセン・セキュリティ・サービスの名は幕末史に名高い治安維持部隊「新撰組」に由来する。
というのは、近藤をはじめとする新撰グループは、新撰組のメンバーの子孫達が立ち上げた企業だからである。
それで企業グループの名共々、新撰組から取ったというわけであった。
ちなみに、近藤は局長であった近藤勇の末裔である。
 「あなたも大変ですね。道場主としてだけでなく、エージェントとしても各地を飛び回ったりで・・・」
「何の、大変ですが色々とやりがいはありますよ。館と社と我が祖先の名を辱めぬようやるだけですよ」
二人がそんな会話を交わしているときだった。
 不意にシンセン・セキュリティ社の社員と、騎士修道会の隊員の一人が駆け込んで来た。
それぞれ、近藤とルートヴィヒの元へゆくと、何やら耳打ちする。
報告を受けるなり、それぞれの表情が険しくなる。
 「申し訳ない、ルートヴィヒさん、うちの若い者がどうやらおたくのメンバーとトラブルを起こしたようで・・」
「うちもです。すみません」
互いに顔を合わせて二人は謝る。
「とにかく早いところ行きましょう」
「そうですな」
二人は意見を合わせると、共にテントを後にした。


 「ハァ・・ハァ・・ハァ・・」
荒い息を吐きながら、マクシミリアンはジッとソウを睨みつける。
「どうした?もう終わりか?」
こちらも肩を上下させつつも、挑発する。
 「ナメんなっ!テロ野郎ッ!!」
マクシミリアンは叫ぶと同時に踏み込むや、剣を突き出す。
途端に剣が十数本にも増え、鋭い突きがカイの身体に襲いかかる。
脇差を巧みに使い、体捌きを駆使してカイもマクシミリアンの攻撃を受け流す。
互いに受け流しながら、僅かな隙をついて突き、或いは斬りつける。
一旦距離を取って離れたときには、二人とも服やボディアーマーのあちこちが破れ、足や腕にはかすり傷が幾つも出来ていた。
 「テメェ・・・意外とやるじゃねえか・・・」
「お前もな・・・」
マクシミリアンは頬につけられた傷を擦りながら、カイは血混じりの唾を吐きだしながら、呟く。
「だがなっ!コイツで終わりだっ!」
そう叫ぶや、マクシミリアンは渾身の勢いを込めて突きの体勢で走りだす。
カイも脇差を振り上げて走りだしたそのときだった。
 突然、二人とも背後から思い切り引き戻される。
思わず振り向くと、それぞれルートヴィヒと近藤の姿があった。
「何をしている?」
「何やってんだ?」
厳しい声で尋ねられ、マクシミリアンは激しくもがくが、カイは気力が萎えたのか、すっかり大人しくなってしまう。
 「ミスター・コンドウ、うちのマクシミリアンがご迷惑をおかけしました」
「いやいや、こちらこそうちのカイが迷惑をかけました」
互いにそう言って謝ると、ルートヴィヒはマクシミリアンを、近藤はカイを連れてその場を離れる。
「テメェッ!離しやがれっ!おいっ!待てコラッ!まだケリはついてねえぞっっ!!」
ルートヴィヒやカイに文句を言い、抵抗するマクシミリアンだったが、ルートヴィヒがそれを聞き入れるわけも無く、そのままあるテントへと連行されてしまった。


 「テメェッ!離せって言ってんだろうがっっ!!」
テントの中へ連行されても、マクシミリアンは文句を言い続ける。
「離せじゃないだろう?それより・・マクシミリアン・・何をやってるんだ?ああいう喧嘩沙汰は固く禁じてるはずなのは知ってるだろう?」
ルートヴィヒは厳しい表情を浮かべて問いかける。
確かに彼ら修道騎士は戦うのが仕事だ。
だが、それはあくまでも教会や信徒を守るためのもの。
修道会の理念から、また余計なトラブルを起こさないためにも私的な理由での喧嘩は固く禁止されていた。
 「うるせえなっ!あいつが悪いんだよっ!人のことを盗人扱いしやがったんだからよっ!!イチャモンつけたのは向こうだぜ!」
マクシミリアンはキャンプに来る前に立ち寄った村でのことを言う。
「それはジロジロ見たのが悪いだろう?ジロジロ見てれば疑われても仕方が無いだろう?」
「うるせえよっ!とっとと離しやがれっ!」
「やれやれ・・・反省してないようだな・・・」
反抗的なマクシミリアンの態度にため息をつきつつ、ルートヴィヒはマクシミリアンを膝の上に載せ、お尻をあらわにする。
 「おいっ!何してんだっ!やめろっ!こん馬鹿ッ!?」
お仕置きの体勢にマクシミリアンは抗議し続けるが、ルートヴィヒが聞き入れるわけもない。
ルートヴィヒはマクシミリアンの身体を左手で押さえると、ゆっくりと右手を振り上げた。


 パアアンッッ!
「ぐ・・・!」
弾けるような音と共に鈍い痛みがお尻に走る。
思わずマクシミリアンは顔を歪め、声を漏らしてしまった。
 パアアンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「おいっ!テメェっ!何しやがんだよっ!」
お尻を叩くルートヴィヒに、マクシミリアンは文句を言う。
「見ればわかるだろう?お仕置きだ」
そんなマクシミリアンにそう受け流すと、ルートヴィヒは平手を振り下ろし続ける。
 パンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パシィンッ!
「ざけんなあっ!何でお仕置きなんかされなきゃいけねえんだよっ!」
お尻を叩かれながらも、マクシミリアンはそう言いやる。
「それは自分がよくわかってるだろう?」
お尻を叩きながら、ルートヴィヒはそう言う。
 「ぐ・・・!」
ルートヴィヒの言葉にマクシミリアンは痛いところを突かれてしまう。
喧嘩沙汰が固く禁止されているのはよくわかっていたからだ。
だが、だからといって、素直になれるか、というと別問題だった。
 「う・・うるせえっ!だからって!何でケツなんか叩かれなきゃいけねえんだよっ!俺はガキじゃねえ!」
「子供じゃないならこんなことをしないだろう?」
「う・・うるせえっ!とっとと離しやがれっ!」
「やれやれ・・・。仕方ないな・・」
全然謝ろうとしないマクシミリアンの態度に、ルートヴィヒはため息をついたかと思うと、再び手を振り上げ始めた。
 バシッ!バンッ!バチンッ!バアアンッ!
「ぎ・・!ぐっ・・!ぐぬ・・!ひっ・・!」
今までより強くなった平手に、マクシミリアンは思わず身体を強張らせる。
 「おいっ!やめろっ!やめろってんだろーが!」
「やめろじゃないだろう?それより・・・何をやってるんだ?」
文句を言うマクシミリアンを無視しつつ、平手を叩きつけながらルートヴィヒはお説教を始める。
 バシッ!バンッ!ビダンッ!バアアンッ!バシンッ!
「言い争いだけならまだしも・・剣を抜いて斬り合うなんて・・本当に何を考えてるんだ?」
「う・・うるせえっ!向こうが盗人扱いするのが悪いんだよっ!!」
「マクシミリアンの方がジロジロと胡散臭げな行動を取るからだろう?そんなことをすれば誰だって怪しいと思うだろ?」
「う・・うるせえっ!」
痛いところを突かれ、マクシミリアンは思わず言う。
 「下手をすれば死傷者が出る・・いや・・それどころじゃすまなかったかもしれないんだ。修道会全体が責任を問われるようなことにだってなるかもしれなかったんだぞ?」
「う・・うるっせえっ!グダグダ説教なんかしてんじゃねえよっ!いい加減降ろしやがれっ!!!」
マクシミリアンは怒りを堪えかねて叫ぶ。
 「マクシミリアン・・・反省してないのか?」
ルートヴィヒはさすがに厳しい表情で尋ねる。
「う・・うるせえっ!そもそも向こうが盗人扱いすっから悪いんだよっ!そうしなきゃあ俺だってケリつけてやろうなんて思わなかったぜっ!俺は悪くねえっっ!!」
あくまでもマクシミリアンはカイのせいにしようとする。
 「そうか・・。よくわかった・・。なら・・・仕方ないな・・」
反省の見られないマクシミリアンの態度に再度ルートヴィヒはためいきをつくと、今度は足を組む。
 「おいっ!何しやがるっ!?」
さらにお仕置きが辛くなる体勢に、マクシミリアンはさすがに慌てだす。
だが、それを無視してルートヴィヒは手を振り上げた。
 ビッダァァァァ~~~~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~!!!!!
「ぎっ!ぎぃえええええええ!!!!!」
激しい平手の嵐に、マクシミリアンは絶叫する。
 「だぁぁぁ!やめろぉぉ!馬鹿ッ!痛っ!痛ええっ!ひぃぃっっ!!」
バアッジィィィ~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
マクシミリアンが悲鳴を上げるが、ルートヴィヒは容赦なく平手を振り下ろし続ける。
激しい平手の音と悲鳴が入り混じってテントに響きわたった。


 「ひっ・・ひぃぃん・・ひっ・・ひぃん・・」
ボロボロと涙を零してマクシミリアンは泣いていた。
お尻は今や濃厚なワインレッドに染め上がり、触ると火傷するかと思うくらい熱い。
 「も・・もう・・やめろ・・やめて・・やめて・・くれよぉぉ・・・。ケツ・・痛いぃぃぃ・・・」
もう限界なのだろう、プライドをかなぐり捨ててマクシミリアンは泣きながら懇願する。
「反省したか?」
一旦お尻を叩く手を止めてルートヴィヒは尋ねる。
 「ひぃん・・・。し・・したぁ・・。あ・・謝る・・謝るから・・・も・・もぅ・ひぃん・・・」
「二度としないって約束するか?」
ルートヴィヒの言葉にマクシミリアンは必死に頷く。
それを見ると、ルートヴィヒは完全にお仕置きの手を止めた。


 「おいっ!沁みっだろ!!もう少し優しくしやがれっっ!!」
マクシミリアンは振り向きながら、そう文句を言う。
「仕方ないだろう?よく効く代わりに沁みるんだから」
「テメェ、ワザとじゃねえだろうな!だぁぁ!優しくしろってんだろーが!!」
薬を塗ってもらっているのに、エラそうな調子でマクシミリアンは言う。
 「わかったわかった。こんな感じでいいか?」
「ふん・・。わかりゃあいいんだよ。ったく・・散々だぜ・・。ケリは付け損なう・・ケツは叩かれるしよ・・・」
ふくれっ面でマクシミリアンは思わずぼやく。
「これに懲りたら大人しくすることだな。お前がいい子にしてれば大丈夫なだけだろ」
「だぁぁ!だからガキ扱いすんじゃねーっっ!!」
マクシミリアンはすっかり拗ねてしまう。
そんなマクシミリアンに苦笑しつつも、ルートヴィヒは薬を塗り続けた。


 同じ頃・・。
「う・・・!!」
「大丈夫か?沁みたのか?」
近藤は薬を塗りながら、カイに尋ねる。
お仕置きされたのだろう、カイのお尻も見事なまでに真っ赤だった。
 「いや・・・。平気だ・・です・・。それより・・・俺の・・せいで・・迷惑・・かけて・・・すいません・・・」
マクシミリアンと対照的に、カイは素直に謝る。
 「わかればいい。それより・・今は休め」
「でも・・まだ・・仕事中・・うくぅ・・!!」
お尻の痛みに思わずカイは顔を顰める。
 「こんな尻で仕事が出来るか?無理をせずに休め。これは命令だ。わかったな?」
「はい・・・。わかり・・ました・・」
近藤の言葉に、カイはそう言うと目を閉じる。
そのまま寝入ったカイを近藤は静かに見守っていた。


 ―完―

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