冤罪(SO2&テイルズより/キール・レオ・ジニ、共演パロ、BL)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。BL要素もあります。許容出来る方のみご覧下さい)


 「全く・・・何だってわざわざこんなことをしてるんだろうな・・・」
実験器具や薬品類を手入れしながら、キールは思わず呟いた。
実験器具といっても、普段自分が使っているような、高度な研究用のものではない。
小学校の理科の授業で使う程度のものだ。
 これらの器具はロイドの個人授業のためのもの。
理科の授業のために、わざわざ用意したのである。
「この器具の代金で論文集が買えるっていうのに・・・本当に何をやってるんだ・・・」
そう呟きながらも、ふとロイドの顔が思い浮かぶ。
惚れた弱みだろう、少しでもロイドが理解してくれたり、興味を持ってくれるのなら、幾ら資料や器具にお金を出しても惜しくない、そんな風にも思ってしまう。
 「く・・・!べ、別にロイドのためなら幾ら使ってもいいとかいうわけじゃないからな!ケ、ケチってロイドに理解させられなかったら、い、嫌なだけさ!!」
自分に言い訳するようにそう叫ぶと、気を反らすためか、必死に手入れをし始めた。


 「何さ~、別にあんな言いわけしなくってもいいじゃないか~。ロイドお兄ちゃんのことが好きな癖にさ~」
「全くだよねー。幾らツンデレだからって、ワザとやってんのって思うよねー」
ノートパソコンに似た機械の画面を見つめながら、レオンとジーニアスはそんなことを言う。
画面には実験器具の手入れをしているキールの姿が映っている。
キールの様子を探ろうと、あらかじめ仕掛けておいたレオン特製隠しカメラによるものだった。
 「それにしても許せないよね。人から親友を奪っておいてあんなツンデレ発言なんてさ」
「全くだよ。これだから泥棒猫って嫌だよね」
画面に映るキールの言動に、ジーニアスとレオンはそう言う。
ジーニアスにとって、キールは親友であるロイドを奪った許しがたい泥棒猫。
レオンもアシュトンをルシフェルに取られたという苦い経験から、ジーニアスのそんな気持ちがよくわかる。
 「ねぇ、こんな泥棒猫にはお仕置きが必要じゃない?」
「当たり前だよ。たっぷりお仕置きされるような目に遭わせてやろうよ」
ジーニアスの問いにレオンはそう答える。
 「決まりだね。それじゃあ・・・」
二人はその後、長い間色々と意見を出し合っていた。


 それからしばらく経ったある日・・・・。
「全く・・・いつもながら本当に世話が焼けるな・・・・」
実験器具を片付けながら、キールは思わずそうぼやく。
今日は理科の実験をやったのだが、ロイドに理論を理解させるのに、かなり手間をかけてしまったのである。
 (まぁでもロイドもいつもと違って真面目に見てたようだしな。無駄じゃ無かったか・・)
今日のロイドの授業態度を思い返し、キールはそう考える。
今回は実験だったせいか、ロイドもかなり興味津々で授業を受けていた。
もっとも、説明を聞く段にはいつも通りだったが。
 「しかし・・・少し汚れすぎだな・・・」
使い終わった実験器具を見つめながら、キールはそう呟く。
ロイドに理解させるために何度も同じ実験をしたせいか、汚れが多い。
 (洗剤とか必要だな・・・)
器具の汚れ方からそう判断すると、キールは掃除に必要な品を取りに、部屋を後にした。
 「ジーニアス、キールお兄ちゃんが出ていったみたいだよ」
部屋を後にするキールの姿を見やりながら、ジーニアスはそう言う。
「よぉし・・行くよ、レオン」
「わかってるよ」
そう会話を交わすと、二人はキールのいない間に部屋へと侵入する。
 「さてと・・・・。まずは・・こうしておいて・・・」
ジーニアスは実験器具をうまく崩し、自然に崩れて床に転がったように見せかける。
さらに、実験用の薬品類を器具や周りの床に撒き散らし、薬品同士を反応させる。
 「あとは・・・・」
レオンは袋を取り出すと、幾つかの財布とマジシャンハンドを置いてゆく。
「これでオッケーっと。さぁ、行こう、ジーニアス」
「ふふ、どうなるか楽しみだよね~」
そういうと、二人は急いで部屋を後にした。
 ドーンッッッッ!!
「な、何だっっ!?」
戻ってきたキールは、部屋から聞こえてきた轟音に思わず驚く。
思わず部屋へ駆け込んでみれば、実験器具を置いていたあたりが爆発していた。
 「そんな馬鹿な・・・」
キールは思わず呟く。
器具も薬品もきちんと片づけたはず。
それなのに、爆発するなどおかしい。
 「どういう・・・ん?」
片付けをしながら、キールは見覚えの無いものに気づく。
「何だ・・?財布・・それに・・マジシャンハンド?」
焦げかけの財布やマジシャンハンドに、キールが怪訝な表情を浮かべたときだった。
 「何っ!一体どうしたのさ!?」
爆発音がすると同時に、レオンとジーニアスがやってきた。
「何をしに来たんだ・・・」
二人の姿に、キールは思わず不機嫌そうな表情になる。
 「何さー、人の顔見たくらいでそんな顔しないでよ。失礼じゃない?」
「そうだよ。もう少し愛想よくしたら?そんなのだとロイドお兄ちゃんに愛想尽かされるよー」
「うるさいな。別にそんなの僕の勝手だろう。前に僕にしたことを忘れたのか?」
デートを邪魔した上に自分を悪者に仕立てあげ、ロイドにキツくお仕置きされる羽目になったことを思い出しながら、キールはそう言う。
 「何さー、ちょっとしたヤキモチじゃないかー。それくらいで怒るなんて心が狭いよねー」
「本当、虐待魔といい勝負だよねー」
(い・・・言いたい・・放題・・・!!)
キールは術をぶっ放したくなるが、辛うじて堪える。
そんなことをすれば墓穴を掘るとわかっていたからだ。
 「それより何かあったの?って・・あれ・・?」
「何だ?何を見てるんだ?」
片付けをしながら、キールは怪訝な表情を浮かべる。
 「それ、僕とレオンの財布じゃない!何でキールのところにあるのさ!?」
「な、何?」
「それにクロードお兄ちゃんやボーマンさんの財布までっ!それに・・マジシャンハンドも・・・!!」
「まさか・・キールッ!僕らの財布を盗んだのっ!?」
「ち・・違うっ!僕じゃないっっ!!」
ジーニアスとレオンの言葉に、キールは慌てる。
 「あれ?どうしたのさ?何だか騒がしいみたいだけど?」
騒ぎを聞きつけたのだろう、近くを通りかかったアシュトンが尋ねてくる。
「あっ!アシュトンお兄ちゃんっ!キールお兄ちゃんが僕らの財布盗んだんだよっ!」
アシュトンの姿を見るや、レオンがそう言う。
 「ええっ!キールッ!本当なの!?」
「違うっ!僕じゃないっ!!」
アシュトンにもそう言われ、思わずキールは否定する。
 「嘘っ!だったらどうして皆の財布やマジシャンハンドがキールの部屋から出てくるのさ。おかしいんじゃない?」
「だから違うって言ってるだろう!は・・・・!ジーニアスッ!レオンッ!僕をはめたな!!」
キールはハッと気づき、そう叫ぶ。
 「ひどい・・。言うに事欠いて・・人になすりつけるなんて・・・」
「キール、幾ら何でも言いすぎだよ」
レオン達に対するキールの言葉に、アシュトンは思わずそう言う。
 「何を言ってるんだ!騙されるんじゃない!こいつらはとんでも無い嘘つき、詐欺師なんだぞ!!」
「ひどいよ~!自分がしたくせに僕らのせいにするなんて~~!!」
「それも詐欺師だなんて・・うわぁぁ~~~んっっ!!」
レオンとジーニアスはアシュトンの目の前で思い切り泣いてみせる。
 「キール、子供になんてこと言ってるのさ!謝りなよ!!」
「ふ・・ふざけるなっ!どうして僕が謝らなきゃいけないんだ!!」
アシュトンの言葉にキールはカッとなる。
はめられた上に謝らされるなど、屈辱的この上ない。
 「こんな小さな子供いじめるなんて最低じゃないか!謝るのが当たり前でしょ!」
「うるさいっ!エアスラストッッ!!」
怒りのあまりキールは思わず術を使う。
とっさにアシュトンは後ろに引いて避けたものの、さらに表情が険しくなる。
 「キールッッ!!」
「アシュトンが悪いんだろっ!!」
「もう・・怒ったからね・・!!」
アシュトンはそう言うや、キールに近づき、手首をグッと掴んで引き寄せる。
 「おいっ!何をするんだっ!!」
抗議し、抵抗するキールを無視し、アシュトンはキールを近くの部屋へ連れ込むや、室内のベッドに腰を降ろし、キールを膝の上に載せる。
キールを片手でしっかりと押さえたかと思うと、アシュトンは右手を振り上げた。


 バアッシィィィィ~~~~ンッッッッ!!!
「く・・・・!!」
力強い平手打ちと共に、お尻の痛みにキールは声を漏らす。
 バンッ!バシッ!バンッ!ビダンッ!バアアンッ!
「く・・!おいっ!何をしてるんだっ!!」
お尻を叩くアシュトンに対し、キールは抗議する。
 「お仕置きだよ。泥棒なんかした上に、子供にあんなひどいこと言って!僕も怒ってるからね!」
「ふざけるなっ!僕はやってないって言ってるだろうっっ!!」
「それじゃあどうしてキールの部屋から財布やマジシャンハンドが出てきたのさ?」
「だからそれはあいつらに違いないんだっ!怒る相手が違うだろうっっ!!」
「だとしても子供にあんなひどいこと言うことはないじゃないか?あんなに泣かせて」
「う・・うるさいなっ!あいつらはとんでもない嘘つき、詐欺師だって言ってるだろう!あれくらい当然さ!」
レオンとジーニアスを庇うアシュトンに、キールは苛立ちながら言う。
 「キール・・本気で言ってるの?」
普段の優しい姿からは想像できない厳しい表情でアシュトンは尋ねる。
「だ・・だったらどうだって言うんだっ!!あいつらが悪いのにどうして僕がこんな目に遭わなきゃいけないんだっ!!降ろしてくれっっ!!」
「そう・・。よくわかったよ。全然反省してないってね」
アシュトンはそういうと、キールのローブを捲りあげる。
 「おいっ!何をしてるんだっ!!やめろって言ってるだろう!!」
お尻をむき出しにすると、抗議するキールを尻目に、アシュトンは再び平手を振り上げた。
 バアッジィィィ~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
「う・・うっわぁぁああああああ!!!!!!!」
「あんな小さな子達にひどいこと言って!自分のしたこともなすりつけて!そんな悪い子絶対に許さないからね!!」
「だから僕じゃないって言ってるだろうっっ!!この馬鹿っっ!!うっ!うわぁああ!!やめろっ!やめろって言ってるだろぉぉぉ!!!」
キールが抗議するのを尻目に、アシュトンの容赦ない平手打ちが振り下ろされ続けた。


 「やったね!キールお兄ちゃん、アシュトンお兄ちゃんにこれでもかって叩かれてるよ!」
「当然じゃない。僕らが失敗なんてするワケないんだからさ~」
アシュトンにお仕置きされているキールの姿をこっそりのぞき見しながら、レオンとジーニアスはそんな会話を交わす。
 「へぇ、それじゃあ二人が何かやったのか?」
「そうさ。僕とレオンで皆の財布ピックポケットしてやったんだよ」
「その財布とマジシャンハンドをキールお兄ちゃんの部屋に隠したんだよね~」
「どうしてそんなことしたんだ?」
「決まってるじゃない!僕からロイドを奪った泥棒猫にお仕置きしてやるためだよ!」
「そのためにキールに泥棒の濡れ衣を着せたのか?」
「そうだよ、アシュトンお兄ちゃんなら僕らの事絶対に疑わないからね」
「ほーぅ、つまりキールに自分達の罪を着せた上にアシュトンまで騙したんだなぁ。そんな子はきっつーくお仕置きされるんじゃないのか?たっぷりクロードやリフィルにお尻叩かれてな」
「ちょっと!嫌なこと思い出させないでよ!!」
「そうだよ。想像しただけでお尻が痛く・・え?」
話しているうちに、レオンはあることに気づく。
 「ね、ねぇ・・ジーニアス・・僕ら以外に・・・誰か・・」
「ま・・まさか・・」
恐る恐る後ろを振り返ってみると、そこにはいつの間にかガイの姿が。
 「「う・・うわあああっっっ!!!!」」
二人は思わず声を上げて飛び退いた。
「おぃおぃ、化け物でも見たような顔をしないでくれよ。ショックだぞ?」
「ご、ごめん。ってガイッ!いつからいたのさ!?」
「『やったね!キールお兄ちゃん、アシュトンお兄ちゃんにこれでもかって叩かれてるよ!』ってあたりからだな。キールが泥棒したとか聞いたかまさかと思って来てみたら・・・・」
ガイはそういうと、ジーニアス達の方を見やる。
 「ジーニアス、レオン、ちょっと来てもらうぞ」
「い・・行くわけないじゃないか!!レオンッ!!」
「あっ!置いてかないでよっ!!」
ジーニアスとレオンは全力で逃げだそうとする。
だが、その努力も空しく、すぐにガイに捕まってしまった。
 「ちょっとっ!離してってばあっ!」
「そうはいかないだろう?さぁ、二人とも来てもらうぞ」
「「やぁだ~~~っっ!!!」」
抵抗する二人だったが、しょせん子供の力。
ガイに叶うわけも無く、空しく引っ立てられていってしまった。


 「アシュトン、もうその辺にしといてやれって」
レオンとジーニアスを引き連れたまま、ガイは部屋へ入ると、そう言った。
キールのお尻は既に濃厚なワインレッドに染まっており、肩を上下させながら苦しそうな息を吐いている。
 「ガイ、そうはいかないよ。泥棒なんかして、しかもレオン達に色々ひどいことも言ったんだし」
だが、完全に怒っているアシュトンは許そうとはしない。
 「それなんだがな・・・。さて・・二人とも、正直に話してもらうぞ?」
連れてきたレオンとジーニアスに、ガイはそう言う。
「わ・・わかってるよ・・・」
アシュトンだけならともかく、ガイがいる以上、もう騙せない。
二人は諦めたようなため息をつくと、自分達が本当はやったこと、それをキールの仕業に見せかけたことを話す。
 「そ・・それ・・・本当・・なの?」
二人から聞いてもまだ信じきれず、アシュトンは思わず尋ねる。
「う・・うん・・・」
「何でそんなことしたの!?」
思わずアシュトンは叫ぶように尋ねる。
「だって・・・悔しかったんだよ!ロイドは僕の親友なのに!キールが僕から奪うようなことするから!!」
「人事に思えなかったんだもん・・・・。だから・・・ジーニアスに協力しようって思ってさ・・・・」
「だからってそんなことしちゃダメじゃないか・・・」
「だってぇぇ・・・・」
「だってじゃないでしょう、レオン?」
「おぃ!いい加減に降ろしたらどうなんだ!?」
自分を放っておいてレオン達と話しているアシュトンに、キールは思わず叫ぶ。
 「あっ!ご、ごめんっ!今、降ろすから!」
慌ててアシュトンはキールを膝から降ろす。
「く・・・!!」
ようやく解放されたキールだが、お尻の痛みに思わず顔を顰める。
 「だ、大丈夫?」
思わず手を貸そうとしたアシュトンだが、キールに思い切り睨まれてしまう。
「大丈夫かだって?散々叩いておいて、よくもそんなこと言えるな?」
「う・・ご、ごめん・・・」
「謝ればいいというわけじゃないだろう?とにかく、こんなところにはいたくないから失礼させてもらうぞ」
そういうと、キールは出ていってしまう。
 「あっ!待ってよ!」
慌ててアシュトンは追いかけようとする。
「アシュトン、追いかけたって無駄だぞ。今は何を言っても通じないって」
「でも・・ちゃんと謝らないと・・・」
「その気持ちはわかるけどな、今はキールもかなり頭に血が上ってるから無理だ。キールが落ち着くまで待った方がいい。アシュトンも色々あって落ち着かないだろう?キールの事は俺に任せてくれないか?」
「わかったよ。ガイがそう言うなら」
「わかってくれたみたいだな。アシュトンも少し休んで落ち着いた方がいいぞ?」
「うん。ありがとう、ガイ」
そういうと、アシュトンは部屋を後にする。
 「さてと・・・・・・」
ガイはレオンとジーニアスの方を向くと、厳しい顔を浮かべて二人を抱え上げる。
「ちょっと!何するのさ!!」
「決まってるだろ?今度はお前さん達の番だからな」
「やーだーっ!離してってばーーー!!」
必死に抵抗する二人だが、ガイに叶うわけも無い。
 「助けてーーーっっ!!人攫いーーーっっ!!」
「うわあーーんっっ!!虐待されるーーー!!!」
「こらこら、人聞きの悪いこと言うんじゃない」
必死に暴れる二人を押さえつつ、ガイは二人をクロードとリフィルの元へと連れて行った。


 「全く・・何てことしてるの!!あなた達!!」
リフィルに思い切り怒鳴られ、ジーニアスもレオンも縮こまる。
「だって・・・許せなかったんだもん・・・。僕からロイド奪ってさ・・・」
「だからってあんなことをしてもいいという理由にはならないわよ?」
「そうだよ。レオンも一緒になって何をやってるんだい?」
「人事に思えなかったんだもん・・・。アシュトンお兄ちゃんのこと・・・・思い出すとさ・・・・・」
(無理も無いか・・・・)
レオンの様子に、クロードはそう思う。
アシュトンのことが大好きでたまらず、ルシフェルに取られた時はショックで自殺未遂までしてしまったのだ。
そんなレオンにしてみれば、ジーニアスの気持ちも痛いほどわかるだろう。
協力したくなるのも無理は無いかもしれない。
 「だからってやっていいっていう理由にはならないだろう?皆から財布盗んだ上に、人に濡れ衣着せるなんて。そんなの絶対にやっちゃいけないことだろう?」
「そうよ。これは立派な犯罪なのよ。いえ、それ以前に人として決して許されないことよ」
「だって・・・」
「だってじゃないでしょう?ジーニアス、こんなことをした以上、覚悟はいいわね?」
リフィルの言葉に、ジーニアスは表情が強ばる。
次の瞬間、レオン共々部屋を飛び出そうとした。
 「こら、二人ともどこに行くんだい?」
だが、クロードに先回りされ、二人とも捕まってしまう。
「離してよっ!」
「そういうわけにはいかないだろう?リフィルさん、ジーニアスの方はお願いします」
「ちょ、ちょっとやめてよっ!」
抗議するジーニアスだが、聞き入れられるわけも無く、姉に引き渡されてしまう。
 「やだやだっ!離してってば~~~!!!!」
必死に抵抗するレオンだったが、クロードはそれを無視していつものように膝の上に載せられ、お尻を出されてしまう。
 「ちょ、ちょっと!姉さんっ!お願いだからお尻出さないでってばあっ!恥ずかしいよっ!!」
同じように姉の膝に載せられ、お尻を出されるや、ジーニアスは思わず叫ぶ。
「恥ずかしいのもお仕置きのうちよ。それに、レオンがお尻を出されてるのに、ジーニアスはズボンの上からじゃ不公平でしょう?」
(だからそんな平等いらないってば~~~!!!!)
心の中でジーニアスは叫ぶ。
 「「それより、覚悟はいいかい(わね)?」」
クロードとリフィルの声が重なって聞こえたかと思うと、レオンもジーニアスもしっかり背中を押さえつけられる。
同時にクロード、リフィルそれぞれの右手が振り上げられた。


 ビッダァァァ~~~~~~ンッッッッ!!!!
「わあああんっっ!!痛いぃぃぃぃ!!!!」
最初から容赦のない平手打ちに、レオンは悲鳴を上げる。
バシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バアッアァ~ンッ!ビバッジィ~ンッ!
「ちょ、ちょっとやめてよっ!痛すぎるってばあっっ!!」
強烈な平手打ちに、レオンは思わずそう叫ぶ。
 「ダメだよ、今日は悪い子すぎたからね」
そういうと、クロードは力強い平手打ちを振り下ろし続ける。
ビッダ~ンッ!バアッジィ~ンッ!バッアァ~ンッ!ビバッジィ~ンッ!
「ひっ・・!痛っ!痛ああっ!わあんっ!ひぃんっ!」
「まったく・・何てことしてるんだい?」
幼いお尻にはキツすぎる平手打ちを叩きつけながら、クロードはお説教を始める。
 「皆から財布なんか盗んで・・しかも、それをキールの仕業にした上に、アシュトンを騙してお仕置きさせるだなんて。イタズラで済むレベルじゃないだろう?」
「だ・・だって・・キールお兄ちゃんが悪いんだよっ!ジーニアスからロイドお兄ちゃんを奪ったんだからさ!キールお兄ちゃんこそ泥棒だよっ!それなのにどうして僕やジーニアスがお尻叩かれなきゃいけないのさっ!!」
納得いかない、と言わんばかりにレオンは叫ぶ。
 「レオン・・・本気で言ってるのかい?」
一旦お尻を叩く手を止めてクロードは尋ねる。
「だ・・だったら何さっ!こんなに叩いてっ!児童虐待だよっ!訴えてやるからっっ!!」
「いい加減にしないか!」
ビッダァァァ~~~~~ンッッッッ!!!
「うっわあああああんんっっっっ!!!!」
今までとは比べ物にならない激しい平手打ちに、レオンは絶叫する。
 「絶対にやっちゃいけないことをした上に、全然反省しないで人のせいにするだなんて。今日のレオンは本当に悪い子だね。そういう子はこれで叱ってあげるよ」
そういうと、クロードはヘアブラシを取り出す。
 「そ、それやだっ!やだぁぁあ!!!」
一番恐ろしい道具を取り出され、レオンは泣き叫ぶ。
「ダメだよ。レオン、これでしっかり反省するんだよ」
「やだぁぁあ~~~~!!!やめてぇぇぇ~~~~!!!!」
泣き叫ぶレオンを尻目に、クロードはヘアブラシを振り下ろした。
 バッシィィ~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
「わぁぁぁぁんんんんん!!!!!痛い痛い痛い痛い痛いぃぃ~~~~!!!!!!!!」
ヘアブラシが容赦なく振り下ろされ、レオンは泣き叫びながら絶叫する。
 「やめてぇぇぇ!!お願いだからやべてぇぇ!!ごめんなさぁぁい!!」
必死に謝るレオンだったが、ヘアブラシは非常にも振り下ろされ続けた。


 バンバンバンッ!バンバンバンッッ!!
「わあああんっっ!!姉さん痛いってばぁぁぁ!!!」
同じ頃、ジーニアスも姉の平手に悲鳴を上げる。
小さなお尻は既に全体が満遍なく赤く染め上がっていた。
 「当たり前でしょう?お仕置きなのよ。痛くなければ意味が無いでしょう?」
そう言いながら、リフィルは弟のお尻を叩く。
「だ・・だってキールが悪いんだよっ!僕からロイドを奪ってさ!!」
「だからってあんなことをしてもいいっていうことにはならないでしょう?立派な犯罪よ。それ以前に人として決してしてはいけないことよ。私はそんな子に育てた覚えは無いわよ?それに・・ジーニアスがこんなことをする子になったら、ロイドだって悲しむわよ?」
「う・・・・」
痛いところを突かれ、ジーニアスは一瞬押し黙る。
 「で・・でもこんなことしなくたっていいじゃない!きょ、姉弟なんだしさっ!す、少しは見逃してくれたって・・・」
「ジーニアス・・・。本気でそんなことを言ってるのかしら?」
リフィルの表情がさらに険しく厳しいものに変わり、ジーニアスは思わず怯みそうになる。
「ちょ、ちょっとした冗談だよ。ほ、本気に取らないでよ」
慌てて言い訳するが、怒りを増したリフィルには通じない。
 「ジーニアス・・・悪いことをしたのに反省するどころか、姉弟なんだから見逃せだなんて・・・。そんな性根は文字通り叩き直してあげるわ」
そういうと、リフィルは授業で使う差し棒を取り出す。
「ちょっと!お願いだからそれはやめてよっ!本当に痛いんだってばぁぁ!!」
「ダメよ。今のあなたにはこれが必要だわ」
そういうと、リフィルは差し棒を振り下ろした。
 ビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!
「ひぃぃぃぃ!!!!痛ぁああぃぃぃぃ!!!」
差し棒の鋭い痛みに、ジーニアスは絶叫する。
「わああああんんん!!姉さんごめんなさぁぁいいい!!!二度と言わないからぁぁ!!」
レオン同様必死に謝るジーニアスだったが、容赦なく指し棒が振り下ろされた。


 「うわぁぁん・・ひぃぃん・・痛いぃ・・痛いよぉぉ・・」
「も・・もう・・やだぁぁ・・ごめんな・・さぁぁい・・・」
レオンもジーニアスも全身を震わせて泣きじゃくっていた。
お尻は今や二人とも倍近く腫れ上がっている。
 「レオン、反省したかい?」
「ジーニアス、反省したかしら?」
クロードもリフィルもお尻を叩く手を止めて尋ねる。
「したっ・・したよぉぉ・・。も・・もう・・しないからぁぁ・・」
「僕も・・充分・・したよぉぉ・・・」
「ならもう二度と人に罪を着せたりしないわね?」
「レオンももうしないって約束出来るかい?」
保護者達の問いに二人は必死に頷く。
 「「なら今回は許してあげるよ(わ)。ただし・・・」」
クロードとリフィルは同時にそういうと、それぞれブラシと差し棒を振り上げる。
バアッジィィィ~~~~ンッッッッッ!!!!
「「うっわあああああんんんん!!!!!」」
レオンとジーニアス、二人の悲鳴が重なって響きわたる。
 「もし、またやったら今度は倍は叩くよ?いいね?」
「ジーニアスもよ、わかったかしら?」
「「はいぃぃ!!二度としませぇぇぇんんん!!!」」
二人が同時に叫ぶと、ようやくクロード達はお尻を叩く手を止めた。


 「ロイドぉぉ・・・好きぃぃ・・大好きぃ・・・」
「クロードお兄ちゃあん・・アシュトンお兄ちゃあぁん・・・・」
ベッドにうつ伏せでお尻に氷嚢を載せたまま、ジーニアスとレオンはそんな寝言を呟いた。
 「ジーニアスにも困ったものね。キールに罪を着せるようなことをするだなんて・・・」
眠っている弟を見やりながら、リフィルはそう呟く。
「それだけ、ロイドの事が本当に好きなんでしょうね。子供って好きな人を心底慕ってくれますし」
「でも、これはまずいわよ。どうしたらいいのかしら?」
リフィルは思わず困った表情を浮かべる。
 「ロイド以外に・・ジーニアスに大切な人が出来て、その人と結ばれれば心の傷も癒えるかもしれませんね。難しいかもですけど」
「そうかもしれないわね・・・。それよりクロード、あなたにも手をかけさせてしまったわね」
「いえ。いいんですよ。こちらこそレオンまで一緒になって色々と」
「お互い大変ね」
「ええ。でも、僕にとっては大切な人ですから」
クロードはそういうと、寝ているレオンの頭を撫でてやる。
同じようにリフィルも弟の頭を撫でてやった。


 ―完―

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