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ルカの魔界訪問(SO2&テイルズより:アッシュ/ルカ、共演パロ)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにした、SO2&テイルズ共演パロです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「また貴様か・・・!!」
ルシフェルはアッシュの姿を見るや、途端に不機嫌な表情になる。
「こっちだって好きで来たんじゃねえよ。文句はガブリエルの野郎に言えよ」
対して、アッシュも不機嫌な表情で返す。
 「何だと?どういうことだ?」
「急に処理しなきゃならねえ案件が出来たからすぐ戻ってこいだとよ」
「ふん。わざわざそのために来たのか?」
「ウルせえな!文句はガブリエルの野郎に言えってんだよ!下らねえ用件でイチイチ人を使いに出しやがって!!だいたいテメェが人間界に住んでやがるからこんな面倒なことになるんだろうが!!」
「貴様―――っっ!!いい度胸だーー!!」
売り言葉に買い言葉で、たちまち二人は喧嘩になりかける。
 「うわああ~~!!ちょっと!二人とも喧嘩しないでってばーーー!!」
今にも教会内で喧嘩を始めそうな二人に、慌ててアシュトンは止めに入る。
「離せアシュトンッ!この無礼者を成敗してくれるわっっ!!」
「そんなことしたら教会が吹っ飛んじゃうよ!皆が困るんだってば~~!!お願いだから落ち着いてよ・・・・」
アシュトンの必死の説得に、ようやくルシフェルは落ち着く。
 「とにかく・・・大事な要件みたいだし・・行ってあげなよ・・」
「し・・仕方あるまい・・。アシュトンが・・そう言うならな・・・」
そういうと、ルシフェルはアッシュの方を睨みつつも、魔界へと戻っていった。
ルシフェルが魔界へ戻るのを見届けると、アッシュも魔界へと帰ろうとする。
 「あ、ちょ、ちょっと待って」
「何だよ?」
帰ろうとしたところを邪魔され、アッシュは不機嫌な表情になる。
 「ねぇ、たまにはルカ達のところにも顔を出してあげたら?」
「ああん?何言ってんだ!?テメェ馬鹿かよ!?俺が何したのか忘れたのか!?」
アシュトンの提案にアッシュは思わず言う。
アッシュはルークへの愛憎から、弟であるルカを強姦したことがある(『アッシュの愛憎』参照)。
幾ら兄弟とはいえ、そんなアッシュが顔を出せるわけもない。
 「で、でも、家族なんだしさ・・ルカだって会いたがってるんじゃ・・」
「うるせえ!テメェにゃあ関係ねえだろ!いちいちヒトのことに首突っ込むんじゃねえ!!」
そう言い捨てると、アッシュはそのまま教会を後にした。


 (ああ言った癖に・・何してやがんだ・・・俺は・・・)
教会を出ていく際の捨て台詞を思い出しながら、アッシュは自嘲したくなる。
そのまま魔界へ帰ろうとしたものの、ルカ達のことが気になるのだろう、こっそりルーク達の家へ寄ったのである。
とはいえ、顔を見せるのには抵抗があり、こっそり窓から様子を伺っているのである。
 (くそ・・!これじゃあ覗き屋かストーカーじゃねえかよ!?)
そう思うが、まともに尋ねるのに抵抗がある以上、こうするしかなかった。
自嘲しつつも、アッシュは静かに窓から中の様子を伺う。
 「うわあーんっ!ごめんなさぁぁーーいっっ!!」
バンッ!バンバンバンッ!バンバンバンバンッ!
力強い平手の音が響きわたる中、ルカは必死に謝る。
 「馬鹿野郎っ!ごめんなさいじゃねーだろっ!何やってんだっ!賭場なんか行きやがって!!」
「ひぃん・・だって・・イリアが・・行こうって・・。どうしても・・断りきれなくて・・」
ルカは必死に弁解する。
どこから話を聞きつけたのか、イリアがこの街の裏ギルドが開帳している賭場に行こうなどと言いだしたのが、事の始まりである。
無論、ルカは止めようとしたが、それでやめるはずもなく、一人でも行ってしまいそうだったので、それはまずいと思ったルカも一緒に賭場へ行ったのである。
その賭場でイリアがバクチに挑戦した挙句、負けっぱなしにカッとなってヤクザ連中相手に大げんか、そこへ取り締まりに踏み込んで来たクロードやガイ達に見つかり、開帳していた裏ギルドの面々や他の客らと共に御用、そしてルークの膝の上でツケを払っているところだった。
ちなみに、イリアの方はティアからよりキツいお仕置きを受けている真っ最中である。
 「理由になるかっ!散々心配かけやがって!泣いても謝っても百叩きはしてやっからな!!」
「そんなーーっっ!!ごめんなさいっ!ごめんなさーーいっっ!!」
必死に謝るルカだが、怒っているルークが許すはずもない。
ルカのもがきぶりはますますひどくなり、同時にお尻もより濃厚な赤へ染め上がってゆく。
 (く・・・・・!!)
泣き叫ぶルカの姿に、アッシュは胸が苦しくなる。
自分が強姦した時のことを思い出したからだ。
あのときはルークへの憎しみや当てつけから、泣き叫ぶルカの姿に邪悪な喜びすら感じた。
だが、今は違う。
お尻を叩かれ、泣き叫ぶルカの姿に、強姦した時のルカの悲痛な姿がだんだん重なってくる。
同時に、ルークに対してフツフツと怒りが沸いてきた。
無意識のうちにアッシュは呪文の詠唱を始める。
 「アイシクルレイン!!」
剣を振り上げ、術を発動させると同時に、ルークの頭上から氷の雨が降り注ぐ。
「どわあああっ!な、何だよっっ!?」
突然の氷の雨にルークは慌ててお仕置きどころではなくなる。
その一つがもろに頭に命中し、そのままルークは気絶状態になってしまった。
 「うわああっ!?兄さん大丈夫!?」
氷を食らって気絶した兄に、慌ててルカは声をかける。
(ザマぁ見やがれ!この屑が!)
心の中でそう言い捨てると、アッシュは今度こそ魔界へと帰っていった。


 それから数日後・・・。
 「あれ?どうしたの?何か用?」
アシュトンは教会へ尋ねてきたルカにそう尋ねる。
「あ、うん。ちょ、ちょっと・・・相談したいことがあって・・」
「いいよ。ここじゃ何だから、奥にでも入って」
そういうと、アシュトンは教会の奥のリビングへルカを案内する。
 「で、どうしたの?」
「あ・・うん・・。あの・・・アッシュ・・兄さんのことなんだけど・・」
「アッシュ?ルカ達のところには来てないの?」
「あ・・うん・・。その・・来てはいるっていうか・・・ううんと・・・実は・・・」
ルカは数日前、ルークにお仕置きをされていたとき、突然氷の雨が降ってきたこと、そのせいでルークが気絶して大変だったりしたことなどを話した。
 「それは大変だったみたいだね。でも、それがアッシュとどういう関係が?」
「そのとき、窓からアッシュ兄さんらしいのが離れてくのを見かけたんだ。すぐに消えちゃったし、ルーク兄さん放っておくわけにもいかないから・・・」
追いかけたくても追えなかったとルカは言う。
 「うーん・・やっぱり・・色々とあったから、顔を合わせたりしずらいんじゃないかなぁ?」
ルシフェルに用件を伝えにやってきたときのことを思い返し、アシュトンはそう言う。
 「やっぱりそうかな。でも・・家族なんだから・・顔を見せて欲しいと思うんだけど・・」
「そうだよねぇ。でも・・・アッシュの性格だとやっぱり・・難しいんじゃないかなぁ・・」
「やっぱり・・そう思う?どうしよう・・」
アッシュに会いに来てもらえるような方法が見つからず、ルカは落ち込んでしまう。
 (どうしよう・・・ルカ、落ち込んじゃってるなぁ・・・・・)
困った様子のルカに、アシュトンも悩む。
出来ることなら力になりたい。
 (こっちから会いに行ければ・・でも魔界だから・・無理だし・・・)
魔族が人間界へ来るのはともかく、逆はかなり難しい。
よほどの大魔術師でも危険だ。
 (あ・・・でも・・・・)
不意にアシュトンはあることを思い出す。
(で・・でも・・それだけは・・マズいし・・。何かあったら・・・)
アシュトンは再び思い悩む。
自分が思い出したものを利用すれば魔界に行けるかもしれない。
だが、危険が大きい。
 「あの・・何か方法が・・あるの?」
アシュトンの様子に察しをつけたのか、ルカがそう尋ねる。
「う・・うん・・でも・・・危険だし・・やめた方が・・・」
「それでも・・お願い・・・。アッシュ兄さんに・・会えるなら・・」
ルカの態度に、アシュトンは決意の固さを感じとる。
 「わかったよ。ちょっと待っててくれる」
そう断ると、アシュトンはリビングを後にする。
しばらくすると、一冊の本を持って戻ってきた。
 人の皮膚で装丁されているそれは、見るからに怪しくおどろおどろしい。
「あの・・それは・・?」
「あ・・うん・・・。黒魔術の本だよ。ルシフェルが・・書いたのだけど・・」
本の内容を考えれば、アシュトンがためらうのも無理は無い。
 「この中に・・魔界に行く方法が・・あるにはあるんだけど・・・。でも・・・本当に危ないよ。やめた方が・・いいと思うよ?」
「心配してくれて・・ありがとう。でも・・どうしても、アッシュ兄さんに・・・会いたいから・・・・」
「わかったよ。それじゃあ、貸してあげるよ」
ルカの決意に、アシュトンも覚悟が決まったのか、ルカに本を貸す。
本を受け取ると、ルカは礼を言って帰っていった。
(無事に・・・済めばいいけど・・・)
本を抱えて帰るルカを見送りながら、アシュトンはそう思わずにはいられなかった。


 「これで・・・いいのかな?」
ルカは魔術書を見ながら、慎重に確認する。
念入りに確認して、間違いが無いことを確かめると、ルカは最後の仕上げに取りかかる。
床に書いた魔法陣の真ん中に立ち、本を見ながら、慎重に呪文を唱えてゆく。
すると、魔法陣の中からブラックホールが現れ、もの凄い勢いでルカを吸い込んだ。
 「う・・うっわぁぁあ~~~~っっっっ!!!!!!」
悲鳴を上げ、無意識に逃げようとするも、ブラックホールの力に叶うわけも無く、ルカはそのまま吸い込まれてしまった。
 「うっさいわよ!ゴキブリでも出・・・!」
ルカの悲鳴を聞きつけ、部屋にやって来たイリアは、部屋の状況に思わず愕然とする。
「な・・何よ・・コレ・・?」
まるで邪教集団の怪しい儀式の現場のような状態に、ルークは我が目を疑う。
 「・って・・ちょっと!ルカッ!?どこに行ったのよ!?」
先ほど声が聞こえたはずなのに、ルカの姿が見えないことにイリアは思わず部屋を見回す。
「な・・何でよっ!兄貴っ!姉貴っ!」
大変な事態にイリアはルーク達に知らせに部屋を飛び出した。


 同じ頃・・・・。
「痛たたた・・お尻・・打っちゃった・・・」
立ち上がりながら、ルカは思わずお尻をさする。
ブラックホールに吸い込まれたかと思うやいなや、吐き出すように放り出され、着地と同時にもろに床にお尻をぶつけてしまったのだ。
 「ここが・・魔界なのかな・・?う・・苦しい・・・」
空気の質が違うのだろう、息苦しさを感じながら、ルカはあたりを見回す。
どうやら落ちたのは部屋の中、それも机の真上らしい。
 「うわ・・凄い・・豪華な部屋・・・」
床へ降りたルカは、机をはじめとする室内の調度品の見事さに、思わず感嘆する。
(誰か偉い人の執務室かな?)
部屋の雰囲気から、ルカはそんな感じを抱く。
ふと窓に近づいて外を眺めると、練兵場らしい敷地が見えてくる。
 (あ・・・!アッシュ兄さん・・!!)
庭ではアッシュが兵士らしい魔物達の訓練を行っていた。
元々いつも不機嫌そうな感じだが、激しく檄を飛ばしたりしている様子はさながら軍隊モノの鬼軍曹といった感じだった。
そのとき、不意にドアが開く音が聞こえ、慌ててルカは調度品の陰に隠れた。
 「全く・・・・。大した用でも無いのに呼びつけおって・・ガブリエルめ・・!」
(え・・?嘘・・?)
聞き覚えのある声に、思わずルカは耳をそばだてる。
よく見てみれば、入って来たのはルシフェル。
 (ど・・どどどどうしよう!?)
ルカは今にも心臓が爆発するかと思うほど緊迫する。
今ここに自分がいることがバレたら、間違いなくアシュトンがきついお仕置きをされてしまう。
いや、それ以前に自分の命が危ないかもしれない。
そう思ったまさにそのときだった。
 「な・・・!!決裁し終えたばかりの書類がぁぁ!!」
ルシフェルは机上に置いてあった書類が台無しになっていることに気づく。
(しまった・・!!落ちた時に汚しちゃったんだ!?)
机の上の状況から、落ちた時のショックで墨つぼなどがひっくり返ってしまったらしい。
 「おのれ~~!!誰の仕業だ~~!!!早いところ仕上げてアシュトンのところへ帰ろうと思っておったのに~~~!!!!!」
ルシフェルは血の涙を流さんばかりに叫ぶ。
(ほ・・本当にマズイよ!?)
尋常ではないルシフェルの怒り振りに、ルカは背筋が寒くなる。
もし、ここにいることと、自分が書類を台無しにしたことを知ったら、間違いなく殺されるだろう。
 「ん・・・?これは・・・!!」
ルシフェルは台無しになった書類に顔を近づけ、臭いをかぐ。
「な・・!?これは・・あの気弱な大剣小僧の匂いではないか!?どういうことだ!?」
ルシフェルは犬さながらに匂いを嗅いでみる。
魔族の、人間より遥かに優れた感覚が、ルカが確かにこの部屋に現れたこと、そして書類を台無しにしたことを明らかにする。
 「おのれ~~~!!!どこだ・・・って・・そこかーーーっっ!!!」
ルシフェルはルカの居場所を正確に見抜くや、術を繰り出す。
 「うわあっっ!!」
術をむけられ、思わずルカは飛び出してしまう。
「やはり・・貴様か・・!!よい度胸だ・・・!人間風情のくせに魔界へ乗り込んだ挙句・・書類を台無しにしおって・・!!」
「ご、ごめんなさいっ!わざとじゃないんですっ!」
謝るルカだが、ルシフェルが許すわけも無い。
 「黙れ・・・!!余計な仕事を増やしてアシュトンのもとへ帰るのが遅くなるのみならず・・・。私を差し置いていつもアシュトンと仲良くしおって~~!!!尻から口まで串刺しにした上で丸焼きにしてくれるわ~~~!!!」
「うわああ~~っ!助けて~~~~!!!!!」
本気で身の危険を感じるや、ルカは急いで部屋から逃げ出す。
「待たんかっ!大剣小僧っっ!!」
ルカを捕まえようと、ルシフェルも後を追って飛び出した。


 「チッ・・!何なんだよ一体!?」
アッシュは舌打ちしながら、ルシフェルの執務室へ向かって走っていた。
庭で兵士たちの訓練をしていたら、突然小さな爆発が起こって執務室の壁が吹っ飛んだのだ。
異変があったに違いない。
いけすかない相手だが、城の警備を担当する将兵の一員である以上、駆けつけないわけにはいかなかった。
急いで廊下を走っていると、不意に正面から誰かがぶつかる。
 「テメェ!どこ見てんだっ!?」
「ご・・ごめんなさい・・って・・アッシュ兄さん!!」
アッシュの姿に、ルカは思わず抱きつく。
「何でこんなところにいやがる!?それより・・・何があった!?」
「と、とにかく助けて!お願い!かくまって!?」
「何?クソ・・仕方ねえ!」
そう言うと、アッシュは近くの部屋にルカを連れ込んで隠す。
その直後、ルシフェルがやって来た。
 「おい!アッシュ!」
「ああん?気安く呼ぶんじゃねえ!」
「貴様・・!私を誰だと思っている!」
「誰だろうが関係ねえよ!それより・・何なんだよ一体!?」
「そうだった・・。おい!貴様の弟の大剣小僧を見なかったか!?」
「ああん?見てねえよ。って何言ってんだよ?ヤツがこんなところにいるわけねえだろうが?」
「貴様・・庇っているのはないだろうな?」
疑うようなルシフェルに、アッシュは鼻で笑うように言う。
 「テメェはバカかよ?俺はヤツを強姦したんだぜ?何で俺があの泣き虫なガキを庇うんだよ!馬鹿も休み休みいいやがれ!!」
「ならば構わん・・。だが・・嘘いつわりがあったら・・その時は許さんからな!!」
「用が済んだらとっとと行けよ!こっちはテメェの後始末しなきゃあならねえんだよ!」
「貴様・・・!!」
アッシュに怒りのあまり殺意を抱きかけるも、ルシフェルは再びルカを探しに走り去った。
 「おぃ、もういいぞ」
アッシュがそう言うと、恐る恐るルカが姿を現す。
「あ、ありがとう、アッシュ兄さん」
「ありがとうじゃねえ!この馬鹿っ!とにかく・・・こっち来やがれ!!」
「え・・?ど、どこ連れていくの!?うわあっ!」
アッシュはルカを引っ張って強引にどこかへ連れてゆく。
やがて、ルシフェルの執務室からは階や場所も離れた区域についたかと思うと、一室にルカを連れ込んだ。
入ったのは執務室らしい部屋。
とはいえ、ルシフェルの部屋に比べればずっと質素で狭く、雲泥の差だった。
 「ここは・・・?」
「俺の執務室だよ。あのキザ野郎のに比べたら月とスッポンだがな・・」
「ここが・・・兄さんの仕事場なんだ・・」
ルカは部屋を見回しながら呟く。
 「んなことはどうでもいい。それより・・何だってこんなところにいるんだよ!」
「う・・ご、ごめんなさい。ど、どうしても・・・会いたかったから・・」
「ああん?馬鹿かよテメェ!俺に強姦されたのを忘れたのか?」
「う・・それでも・・やっぱり・・・家族だし・・兄さんだし・・。迷惑だった?」
(く・・・!!)
今にも泣きそうなルカに、アッシュは思わず心が揺らぐ。
 「クソ・・!来ちまったもんは仕方ねえ・・!ルカ、俺の仕事が終わるまでここにいろ!終わったら人間界まで送ってってやる!」
「え・・?いいの?」
「いいのも何も、帰り方なんか知ってんのか?」
アッシュの問いにルカは首を横に振る。
「やっぱりな・・・。それなのに会いに来たのかよ!こん馬鹿っ!」
「うう・・。だって・・どうしても・・会いたかったから・・・・。さっきも言ったけど・・・」
「チ・・・!まあいい。とにかく・・俺が戻って来るまでここにいろ!絶対ここから出るんじゃねえ!いいな!」
そういうと、アッシュは仕事に戻ろうとする。
 「あ・・あの・・アッシュ兄さん・・・」
「何だよ?俺はこれでも忙しいんだよ!」
「あ・・あの・・ありがとう、さっきは助けてくれて」
礼を言うルカにアッシュは顔が赤くなる。
 「あれ?どうしたの?熱でも出たの?」
「な、何でもねえよ!それより・・絶対に出るんじゃねえぞ!俺が戻るまでな!いいな!」
それだけ言うと、アッシュは急いで執務室を後にした。
 「クソ・・!何やってんだ・・!あんな泣き虫なんかにほだされやがって・・!」
自嘲しつつ、アッシュは危険を冒してまで会いにきてくれたことが何だか嬉しかった。
「は・・!何馬鹿なこと考えてやがんだ!クソ・・!!」
嬉しいと思った自身の感情に思わず苛立ちつつも、アッシュは仕事へと戻っていった。


 (ど・・どうしよう・・!!)
しばらく経った頃、ルカはアッシュの部屋で下半身をモジモジさせていた。
今までの緊張が解けたせいか、もよおしてきてしまったのだ。
 (ど・・どうしよう・・!このままじゃ・・お漏らししちゃう・・・。でも・・・)
決して出るな、というアッシュの言葉がルカの脳裏をよぎる。
確かに、迂闊に出て他の魔族に見つかったらマズイ。
しかし、このままでは間違いなく漏らしてしまう。
 (トイレだけなら・・大丈夫だよね?)
我慢出来ず、ルカはそう判断すると、急いで部屋を飛び出した。
 「た・・助かったぁ・・」
今にも爆発寸前、というところで用を足せたからか、ルカはホッとする。
「でも・・早く戻らなきゃ・え?あれ?」
トイレを出て、ルカは大変なことに気づく。
 「そ・・そうだ・・・!?どう・・戻ればいいんだろう・・!!」
もれそうなのに無我夢中でどうやってトイレまで来たか覚えていないのだ。
しかも、悪いことは重なるもの。
ルカが困り果てているところへ、巡回の兵士らしい魔族がやって来てしまったのだ。
 「!!!!」
ルカは逃げようとするが、それよりも先に巡回兵達が叫ぶ。
「曲者だーっ!出合え出合えーーーーー!!!」
叫ぶと同時に他の巡回兵達が駆けつけてくる。
あっという間にルカは捕えられてしまった。
 「貴様!人間の分際で魔王様の城に乗り込もうとはいい度胸だ!!」
「ご、ごめんなさい!ゆ、許して・・!!」
許しを乞うルカだが、侵入者を許すような甘い輩ではない。
巡回兵達はルカを拘束したかと思うと、両脚を思い切り開かせる。
 「ひ・・・!な・・何を・・!」
怯えるルカに、巡回兵達は厭らしい笑みを浮かべる。
「お前・・可愛いな。男の癖に・・」
「え・・?」
「どうせ処刑されるんだ。その前に楽しんだってイイよな」
「や・・やだ!やめて・・!!」
涙目で懇願するルカだったが、欲望に駆られた魔物達はルカを容赦なく押さえつけると、ズボンを降ろす。
 「や・・やだーーーっっ!!やめてーーーー!!!」
両脚を大きく開かれ、そそり立ったものをお尻に今にも宛がわれそうになったそのときだった。
 突然、魔物達が吹っ飛ばされた。
「な・・何だ・・!ゲエッッ!!」
立ち上がった巡回兵達は、オーバーリミッツ状態のアッシュの姿に、慌てて頭を下げる。
 「あ、アッシュ様!!」
「テメェら・・何してやがんだぁ?」
怒りを辛うじて抑えかねた表情で、アッシュは問いかける。
「そ、そそその、怪しい奴を取り調べていただけで・・!!」
「馬鹿野郎っ!そいつは俺の弟だっっ!!」
「ひ・・・!あ、アッシュ様の弟君っ!し、知らぬこととはいえ、失礼なことを!お、お許しを!!」
ルカを強姦しようとしたときとは打って変わって、魔物達は平謝りに謝る。
 アッシュは鮮血のアッシュというあだ名がつくほど、魔界でも屈指のつわものの一人。
そんな相手の怒りを買おうものなら、大変なことだ。
「馬鹿野郎!人の弟を強姦しようとした屑を許すような俺だと思うのか!ザコが近寄るんじゃねえ!絞牙鳴衝斬っ!!」
アッシュが地面に剣を突き刺したかと思うと魔法陣が発生し、強烈な衝撃波が生じる。
その衝撃波で兵士たちは全員消滅してしまった。
 「ふん・・話にならんな!」
魔物達を吹っ飛ばすと、アッシュはルカの手を引っ掴む。
「うわっ!ちょっと!痛いよ兄さんっ!」
ルカが思わず叫ぶのも無視して、アッシュはルカを強引に引っ張るようにして自身の執務室へと連れ戻した。
 「馬鹿野郎っっ!!!」
部屋に戻るなり、アッシュは思い切り怒鳴りつける。
「絶対に出るんじゃねえって言っただろう!!」
「ご・・ごめんなさい・・。で・・でも・・トイレ・・」
「馬鹿がっ!漏らすのと強姦されんのとどっちがマシだっ!!」
そう叫ぶや、アッシュはルカを引き寄せたかと思うと、ルークがしているように、膝の上に載せてお尻をむき出しにする。
 「え・・!ちょ、ちょっと待って!?」
お仕置きの体勢に慌てるルカだったが、アッシュはそれを無視して手を振り上げた。


 ビッダァァァ~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
「うわああああんっっ!!痛い痛い痛い~~~~っっっ!!!」
初っ端から容赦のない激しいお仕置きに、ルカは絶叫する。
 バアッジィィィ~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~!!!!
「こん馬鹿がっ!本当に何考えてやがんだぁぁ!!」
ルカのお尻を容赦なく真っ赤に染め上げながら、アッシュはお説教を始める。
 ビッダァァァ~~~~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~!!!!!
 「考えなしにこっちに来やがって!そんなことしてどうなったと思ってやがる!殺されかけるわ、強姦されかけるわ、テメェは死にてぇのか!!」
「ご・・ごめんなさぁぁい・・・。ど・・どうしても・・会いた・・かった・・・からぁぁ・・・・」
涙目になりながら、ルカは謝る。
 「理由になるかぁ!!馬鹿なことしやがって!!あの屑どころじゃねーぐれえ引っぱたいてやる!!」
「そ・・そんなぁぁ~~~っっっ!!ごめんなさぁぁーーいっっ!!」
必死に謝るルカだったが、怒り心頭のアッシュが聞き入れるわけもない。
 バアッジィィィ~~~ンッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~!!!!
 「わあああんっ!痛いっ!痛いよぉぉ!アッシュ兄さぁんっ!」
必死に叫ぶが、アッシュは容赦なくお尻を叩き続ける。
ビッダァァァ~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~!!!!!!!
「ひいいっ!痛っ!痛ぁぁぁ!ごめんなさいっ!ごめんなさーいっ!」
泣き叫び、手足をバタつかせるのを尻目にルカのお尻はワインレッドを超え、紅蓮へと染め上がる。
 「馬鹿野郎っ!馬鹿野郎っ!馬鹿野郎っ!」
怒りの声を上げながら、だが何故か目尻に涙を浮かべてアッシュはルカのお尻を叩き続ける。
幾ら人間より耐久力のある魔族といえど、フルスロットル状態で叩き続ければ、当然手は痛い。
だが、ルカに負けず劣らず右手が紅蓮になるのも構わず、アッシュはお尻を叩き続ける。
 「やめてぇぇ!!お願いだからやめてぇぇ!!ごめんなさぁぁいいい!!!」
「馬鹿野郎!馬鹿野郎ッ!馬鹿野郎っ!」
ルカの悲鳴とアッシュの怒りの声と共に、長い長い間、お尻を叩く音が部屋に響きわたった。


 「ひぃん・・ひっひぃん・・うっえ・・・」
ボロボロと涙を零してルカは泣きじゃくる。
お尻は見事なまでに紅蓮に染め上がり、火炎系上級術でも喰らったかのように熱い。
 「・・ったく・・・テメェは・・本当に・・馬鹿だなっ!」
「ひぃん・・馬鹿馬鹿・・言わないでよぉぉ・・」
「ウルセエッ!馬鹿だから馬鹿ってんだろうが!わざわざ強姦した相手に会いに、魔界くんだりまで来ようってのが馬鹿なんだよ!!本当に・・馬鹿だぜ・・テメェは・・!!」
そう言いつつ、アッシュはルカを抱きしめる。
力強く抱きしめられたルカは、アッシュの身体が震えていることに気づいた。
 「兄さん・・?」
「こん馬鹿っ!無茶なことばかりしやがって!心臓が幾つあっても足りねえだろ!!」
「も・・もしかして・・心配してくれたの?」
「ん・・んなわけねえだろ!人間界に帰してやるって言った以上、何かあったら後味が悪いだけだっ!!」
そう叫びつつ、ルカの無事な姿に安堵しているように見えた。
(心配してくれたんだ・・・)
アッシュの態度からルカはそう気づく。
同時に、アッシュに対して申し訳ない気持ちが沸いてくる。
 「ごめんなさい・・心配かけて・・・」
「だ、だから違うってんだろ!別に心配なんかしてねえよ!妙なこと言うんならとっとと降りろ!」
アッシュは顔を赤くしながら叫ぶ。
 「う・・ごめんなさい・・。でも・・お願い・・このままで・・いさせて・・・」
「チ・・!好きにしやがれ!」
舌打ちしつつも、アッシュはルカを抱っこしたままでいる。
 「これが・・アッシュ兄さんの温もり・・・凄く・・温かい・・」
「馬鹿野郎!体温があんだから当然だろ・・ん?」
アッシュはいつの間にかルカが寝入ってしまったことに気づく。
「んだよ・・!勝手に寝やがって・・!!」
思わずいつもの不機嫌そうな表情に変わるが、心底安心しきっている寝顔を見ていると、起こすのに忍びなくなってくる。
 「クソ・・!甘えな・・俺も・・!」
自らの甘さに舌打ちしつつも、そうせずにはいられなかった。
「・・ったく・・本当に馬鹿な奴だな!魔界くんだりまで・・来やがって・・・」
あまりにも無謀・無茶な行動に呆れずにはいられない。
だが、そこまでして会いに来てくれたのは、嫌というわけでもなかった。
 「・・ったく・・調子が狂うぜ・・・。それより・・・」
アッシュは寝ているルカを抱っこしたまま、部屋を後にした。


 「本当に・・どこに行ったのかしら?」
焦燥感や不安を押さえ込みながら、ティアは呟く。
今頃ルーク達が必死になってルカを探しているはずだ。
ティアは帰って来た時や、一緒に探してくれている者達からの連絡が入るのに備えて自宅待機中だった。
それだけに余計にもどかしくて、心配でたまらない。
 「!!!」
突然、目の前にブラックホールが現れ、さすがのティアも驚く。
同時に中からアッシュが姿を現した。
 「アッシュ・・・!!」
「気安く呼ぶんじゃねえよ!それより・・届けモノだぜ!」
そう言うと、アッシュはルカを引き渡す。
 「ルカッ!どうして・・」
「この馬鹿っ!俺なんぞに会いに魔界まで来やがったんだよ。用はそれだけだ」
そういうと、アッシュは帰ろうとする。
 「待って、アッシュ」
「何だよ?手短にしやがれ」
「礼を・・言うわ・・。連れ帰って来て・・くれて・・」
「ケッ!邪魔だから帰してやっただけだ!勘違いすんな!」
そう言うと、アッシュは再び帰っていった。


 数日後・・・。
「あらあら、泣きつかれたようね」
真っ赤なお尻にタオルを載せたまま、ティアの膝の上で眠っているルカを見やりながら、ティアは思わず呟いた。
先ほどまで、魔界に行って皆に心配をかけたお仕置きをしていたところである。
お仕置きが終わり、手当てをしてもらいながら甘えているうちに、泣き疲れたのだろう、そのままティアの膝の上で眠ってしまった。
 (こんなに叩いたのに・・・。本当に安らかな寝顔だわ)
膝の上のルカの寝顔を見やりながら、ティアはそう思わずにはいられない。
散々お尻を叩かれ、大泣きさせられたにも関わらず、ルカの寝顔は安らかで、心から安心しきったものだった。
心配したり、大事に思っているからこそお仕置きをしている。
そういう信頼感があるからこそ、の表情だろう。
 不意に呼び鈴が鳴った。
(誰かしら?)
ティアはルカを起こさないよう、慎重にベッド上へ移動させる。
せっかく膝の上で寝ているのを動かすのは何だか忍びないが、そういうわけにもいかない。
起こさないように、慎重に出てゆくと、ティアは玄関へと向かう。
 「誰かし・・!?」
玄関に出るなり、ティアは驚きそうになる。
そこにいたのはアッシュだった。
 「アッシュ・・!?どうして・・?」
「気安く呼ぶなってんだろ!まぁいい、ルカはどうした?」
「ルカは今は寝ているわ」
「寝てるだと?こんな時・・!?」
「ちょっと!?何をするの!」
乱暴に押しのけ、中へ入り込んだアッシュにティアは思わず抗議する。
それに構わずアッシュはルカの部屋へと踏み込んだ。
 部屋に踏み込み、最初に目に入ったのはタオルを載せた真っ赤なお尻。
真っ赤なお尻に思わず怒りを覚えかけるも、安らかな寝顔に拍子抜けしてしまう。
「全く・・何のつもりなの?勝手に人のうちに上がり込んで」
「う、うるせえな!それより、誰が叩きやがった!?」
真っ赤なルカのお尻に、アッシュは思わずそう尋ねる。
 「私よ。それがどうかしたかしら?」
「見事なまでに叩きやがったな。なのに何でこんな顔してやがんだよ」
「多分、信頼してくれているのね。大事に思えばこそお仕置きしているんだって」
「ケ・・聞いた風なこと言いやがって。まぁいい・・今回は勘弁してやるよ・・」
抜きかけていた剣をしまいながら、アッシュはそう言う。
 「それより何の用なの?いきなり押しかけたりして」
「今言うところだよ!コイツを渡しに来たんだよ!」
そう言って取り出したのは、保存のきく乾燥ソバ。
 「ソバ?何のつもり?」
「引っ越しソバってやつだよ!道路の向かいに越してきたからな!起きたらルカに言っとけ。向かいにいるから、会いたくなりゃあ来いってな。それだけだ!」
それだけ言うと、アッシュは家を飛び出し、通りの向かいの建物へと入っていった。
 「何だったのかしら・・?」
アッシュの行動に思わずティアは呆気に取られていた。


 「クソ・・!俺も甘えぜ・・!」
向かいの家へ戻りながら、アッシュは思わず自嘲する。
ルカが危険を冒してまで自分に会いに来たため、そんなことはさせるわけにはいかないと、自分が人間界へ引っ越してきたのである。
引っ越してきた以上、礼儀知らずなどと言われるのは癪なので、取りあえず引っ越しソバを渡しに行ったものの、そこでルカがお仕置きをされたことに気づき、思わず感情的になってしまった。
どうにも、ルカが絡むと調子が狂う。
「ったく・・・何なんだよ・・!!」
苛立ちに表情を歪めながら、アッシュはそう呟かずにはいられなかった。


 ―完―

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