愛に囲まれて(SO2&テイルズより:ティア/ルカ、共演パロ)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにした、SO2&テイルズ共演パロです。『ルカの魔界訪問』とリンクしています。許容出来る方のみご覧下さい)


 アッシュに会いに、ルカが魔界へ行った一件から数日後・・・。
「あー食った食った、ごちそうさん」
夕食を食べ終えると、ルークはそのまま出て行こうとする。
 「ルーク?何をしてるの?ちゃんとお皿は自分でキッチンまで持っていきなさい」
「別にいいんじゃんかよ。メンドくせーなぁ」
ティアの言葉に、ルークは思わず文句を言う。
「何を言っているの?自分が使ったものは自分で片付ける。常識でしょう?それに皆でやれば楽でしょう?」
「別に大した労力じゃねーんだからいいだろうがよ」
「そういうことじゃないわ。ワガママ、自分勝手も大概にしなさい。それとも・・」
ティアはそう言うと、手に息を吐きかける仕草をする。
「わ、わーったよ!やりゃあいいんだろ!」
お仕置きの危険にルークは慌てて、自分が使った食器を片づけにかかる。
「全く・・どうしてもう少し常識や気配りを弁えられないのかしらね・・・」
「相変わらずよね~、馬鹿兄貴は」
「おいっ!誰が馬鹿だ誰が!?」
イリアの言葉を聞きつけたのか、ルークが思わず叫ぶ。
 「ってアンタしかいないじゃないのよ、馬鹿兄貴」
「って兄貴に馬鹿馬鹿言うヤツがあるかよ!」
「何度も姉貴に同じこと言われて怒られてんじゃないのよ。馬鹿兄貴」
「ちょ、イリア、言いすぎだよ」
「何よ~、幾ら兄貴で彼氏だからって庇わなくてもいいのよ。ルカだってお馬鹿だって思うでしょ?」
「え・・それは・・その・・」
「ってテメー!ルカにまで何吹きこんでんだー!」
「ってちょっと!本気になることないでしょ!?」
イリアのからかいにルークが本気になって剣を取り出すや、さすがに慌てる。
 「ルーク!いい加減にしなさい!イリアもふざけすぎよ!」
ティアに思い切り怒られ、二人とも一瞬シュンとなる。
「とにかく、二人とも後片付けしなさい。いいわね?」
「わぁーったよ」
「わかってるわよ」
そんなことを呟きながら、二人ともキッチンへと向かっていく。
 「そ、それじゃあ僕も・・・」
「って馬鹿っ!何してんだよ!」
さっきとは打って変わって、ルークはルカから食器を奪い取る。
 「え?片付けようとしただけだけど?」
「まだケツ痛えんだから無理すんじゃねえよ!」
「え・・?でももうそんなに・・・痛っ!」
見えないようにイリアにお尻を蹴られ、思わずルカは顔を苦痛に歪める。
 「まだ全然治ってないじゃないのよ!おたんこルカ!無理すんじゃないわよ!」
「え・・?でも・・」
「でもじゃねえだろ!イリア、とっとと連れてけって!!」
「いーからさっさとこっち来なさい!」
ルークの言葉に反応するかのように、イリアはそう言うとルカを強引に引っ張っていってしまう。
 「ちょ・・イリア、何するのさ・・」
「何するのさじゃないわよ!お馬鹿ルカ!!」
部屋に入るなり、イリアに思い切り怒鳴られてしまう。
 「アンタねぇ、お尻が治ってるなんて言ったらどうなるかわかってんの!?姉貴に叩かれるに決まってるでしょ!!」
「え・・?でも、僕が悪かったんだし・・・・」
「お馬鹿ルカ!甘いわよ!あれだけ心配させて、姉貴がちょっとやそっとで許すと思ってんの?アッシュに叩かれたのとは比べ物にならないわよ!下手したら死ぬかもしれないのよ!!アンタだってわかるでしょう!?」
よくティアからきついお仕置きをされているからか、イリアは真顔で力説する。
 「や・・やっぱり・・凄く・・怒ってるかな?」
ティアにお仕置きをされるときのことを思い返し、ルカも不安になってくる。
「怒ってるに決まってんじゃないのよ!今はまだお尻が治ってないと思ってるからやらないだけよ!治ってるなんて言ったら・・間違いなく地獄見るわよ!?」
「こ・・怖いこと言わないでよ・・・」
「脅しじゃないのはルカが一番よく知ってんでしょうが!お馬鹿ルカ!」
「でも・・う・・嘘つくのも・・・」
ルカは困った表情を浮かべる。
確かにティアのお仕置きは怖い。
しかし、嘘をついてお仕置きから逃げようとするのも何だか気が引ける。
 「お馬鹿!アンタだって死にたくは無いでしょ!それにいつまでもやれってわけじゃないわよ!姉貴がお仕置きしようって気が失せるまででいいのよ!」
イリアは必死に説得する。
普段はルカをからかったりしていても、やっぱりこういうときは家族。
姉の恐怖のお仕置きから、守ってやりたいのである。
 「で・・でも・・」
「でもじゃないわよ!馬鹿兄貴だって姉貴のお仕置きだけは勘弁させてやれとか言ってんのよ!?」
「え・・?に、兄さんが・・?」
ルカは思わず驚く。
今回の件ではルークだって怒っていると思ったのだ。
 「そーだぜ、素直なのも時によりけりだぜ」
そう言いながら、ルークが入って来た。
「え・・?あの、兄さん、怒ってないの?」
「そりゃあ俺だって怒ってたけどよ、あの強姦魔の野郎の叩いた跡見たら失せたって」
ルークは数日前のことを思い返しながら言う。
実際、心配をさせられただけに、ルークも怒ってはいた。
だが、ルカが見つかったと知らせを受け、戻ってきた際に、魔界でアッシュにキツくお仕置きをされた跡を見て、怒る気も失せてしまったのである。
アッシュがお仕置きをしたというのは癪だが、ルカの事だからもう十分に反省しているだろう、そう判断したのである。
それだけに、逆にティアのお仕置きが心配になった。
ティアのことだ、お尻が治ったら厳しいなどという言葉すら生ぬるいお仕置きをするかもしれない。
そう思うと、さすがにルークも姉のお仕置きから何とか庇ってやりたい、守ってやりたい、そう考えたのである。
 「だからよ、ティアが怒る気失せるまで、ケツが痛ぇ振りしとけって。いいな!」
「そーよ、わかったわね!?」
「わ・・わかったよ・・」
二人に押され、ルカは思わずそう答える。
それを聞き、ようやく二人は安心した表情を見せた。


 (ああ言ったけど・・・・)
数日後、ルカはボーマンの診療所で手伝いをしながら、困った顔を浮かべていた。
ルークやイリアの気持ちは嬉しい。
自分の事を家族・恋人として大事に思ってくれているからだ。
だが、悪いことをしたのに怒られるどころか、庇われている。
それが何とも申し訳なくてたまらない。
 「おーい、どうかしたのか~?」
「え・・?な、何?どうかした、ボーマン?」
「どうかしたじゃねえだろ?何ボーッとしてんだ?」
「え、あ、ご、ごめんなさい」
「まぁ謝るのはいいけどよ、ミスなんかされたら困るぞ。ん?・・ってアイツかよ・・」
突然、待合室の方が騒がしくなったかと思うと、嫌と言うほど聞き覚えのある声にボーマンの表情も渋ったくなる。
 「ルカ、悪いけど応対頼むわ。まぁ想像はつくけどよ・・・」
「あ、うん、わ、わかったよ」
ボーマンの頼みにルカはそう答えると、待合室の方へと向かっていった。
 「遅い!?何をグズグズしておるのさ!!」
「うわっ!ご、ごめんなさい!?」
顔を見せるなり頭ごなしにルシフェルに怒鳴られ、思わずルカは縮こまる。
 「ゴメンで済むか~~!!アシュトンがおるのに待たせおって~~!!」
ルシフェルは怒りのあまり、ルカに飛びかかろうとする。
「ルシフェルッ!待ってってば!ルカのせいじゃないよ!」
「し・・しかし・・・」
「騒いだりしたら迷惑になるよ・・ってうぅ・・!!」
「なあっ!大丈夫か!?アシュトン!!」
苦痛に顔を歪め、お尻をさするアシュトンに思わずルシフェルは声をかける。
 「う、うん・・大丈夫・・」
「そ・・そうか・・。よかった・・」
アシュトンの返事にルシフェルはホッとする。
 「あの、それで今日はどうしたの?」
「って見てわからんのか!?さっさとヤブ医者のところへ連れていかんか!!」
「そう言っちゃダメだよ、ルシフェル。あの・・また・・お尻・・ぶたれちゃって・・。悪いんだけど・・お尻、診てもらえる?」
「わかったよ。それじゃあ、少し待ってて」
ルカはそう言うと、カルテに聞いたことを書きこみ、診察室の方へと持ってゆく。
少ししてから、アシュトンの名が呼ばれ、診察室へと二人が入っていった。
 「あらら・・・こりゃあすげぇな・・・」
見慣れたとはいえ、相変わらずの見事なまでにワインレッド、いや紅蓮のお尻にボーマンは思わず呟く。
 「うん・・・。また・・思い切り叱られちゃって・・・」
「おぃおぃ、一体何したんだよ?」
「決まっておるわ!そこの小僧の件だ!!」
ルシフェルはビシリとルカを指差して言う。
 「あー、魔界行ったってやつか?」
ルシフェルの言葉に、ボーマンはそう察しをつける。
「そうだ!この大剣小僧にせがまれて私の本を貸しおったからな!絶対にそんなことをしてはいかんと口を酸っぱくして言っておいたのに破りおって~~!!!」
「だからってここまでしなくていいだろうが」
「何を言うかー!?そのせいでアシュトンが訴えられたり逮捕されたらどうするつもりだ!貴様、アシュトンが可愛くないのか!?」
「ちょ、ちょっと落ち着いてよ・・・」
アシュトンは思わず声をかけるが、興奮しかけているルシフェルは止まらない。
 「そうだ!小僧!?貴様よくもアシュトンに黒魔術書を貸し出すような真似をさせおったな!!」
「え?あ、あの、ごめんなさい!」
「ゴメンで済むか!!貴様っ!八つ裂きにしてくれるわーーー!!!」
「わーっ!お、落ち着いてってばー!!」
アシュトンが制止するのも聞かず、怒りを爆発させたルシフェルが思わず飛びかかろうとしたときだった。
 「アイシクルレインッッ!!」
「ぬおっ!何だっ!!」
突然、氷の雨が頭上からルシフェルに降り注ぐ。
 「テメェ!何してやがる!!」
同時にアッシュが窓を破って入ってくる。
「貴様!何のつもりだ!?」
「そりゃあこっちの台詞だぜ。人の弟にイチャモンつけやがって!そこの神父が貸すのが悪いんだろうが!」
「何を言うか!そこの小僧が貴様なんぞに会おうと思わなければこうならなかったのだぞ!?」
「テメェ・・たたっ斬ってやるぜ!」
「返り討ちにしてくれるわ!!」
お互い、怒りに駆られ、今にも喧嘩を始めそうになる。
 「うわああ~~!ルシフェルッ!やめてってば!」
「アッシュ兄さんも落ち着いてよ!!」
アシュトンとルカがそれぞれ必死に止めに入る。
 「ルシフェル・・・僕がちゃんと断らずに貸しちゃったのが悪かったんだし・・。だからルカの事は許してあげてよ・・」
「兄さん・・庇ってくれたりするのは嬉しいけど・・・僕も困っちゃうよ・・」
「く・・!!仕方あるまい・・・・。今日のところは勘弁しておいてやる・・」
「ソイツはこっちの台詞だぜ!」
そう言いつつも、ようやく落ち着いた二人にルカもアシュトンもホッとする。
 「まぁとにかく、騒ぎも収まったみたいだから、治療はじめるか。ルカ、薬用意してくれ」
「わかったよ」
ボーマンはルカが用意した薬を受け取ると、手当てを始める。
 「くぅぅ・・・」
「ん~?沁みるか?悪いけどちょいと我慢してくれな」
「貴様っ!もう少し優しくやらんかっ!?」
「屑が!腫れてんだから痛ェのは当たり前だろう!グダグダ騒ぐんじゃねえよ、みっともねえ」
「貴様っ!」
「うわあっ!アッシュ兄さんっ!喧嘩はやめてよ!」
「ルシフェルも落ち着いてってば!?」
再び喧嘩になりそうな二人に、ルカ達は必死に宥める。
 「よーし、もういいぞ。それじゃあお大事にな」
「ありがとうございます、ボーマンさん」
「ん~、イイってことよ。ああ、塗り薬出しとくからな。ルカ、帰るときに渡しといてくれ」
ボーマンの言葉にルカは薬の用意に取りかかる。
 「はい、これが塗り薬。一日四回、食後と寝る前に塗って」
「ありがとう、それじゃあこれで失礼するよ」
アシュトンは薬を受け取り、会計を済ませると、診療所を後にしようとする。
 「あ、あの・・」
「どうしたの?」
「ごめんなさい、僕のせいでこんなに怒られて・・・」
見事なまでに真紅だったお尻を思い出し、ルカは申し訳なさでいっぽいになる。
 「いいんだよ、僕がちゃんと断らなかったのが悪かったんだから。それよりルカの方は大丈夫?ティア達に怒られたりしてない?」
「う、うん、大丈夫」
「そう、ならよかった」
ホッとしたアシュトンの表情に、ルカは再び罪悪感や申し訳なさを覚える。
 自分のせいでアシュトンはあんなにもお仕置きされてしまった。
だが、自分はアッシュからお仕置きをされたり、ルーク達が庇ってくれているのをいいことに、お仕置きからのうのうと逃げている。
それが何とも申し訳なくてたまらない。
沈んだような表情を浮かべ、診察室へと戻ると、ボーマンが声をかけた。
 「アシュトン達は帰ったか?」
「あ、うん、帰ったよ」
「そっか・・。ふー・・ルカ、今日はもう終わりにするぞ」
「え?でもまだ営業時間中じゃ・・・」
「あいつらが来たらもう患者は来ねえよ。皆ビビっちまったからな」
「ご、ごめんなさい。アッシュ兄さんも迷惑かけちゃって」
「いいんだよ、慣れてるからな。それよりルカ、溜め込むんじゃねえぞ?」
「え?な、何を?」
意味がわからず、思わずルカはキョトンとした表情を浮かべる。
「何か悩みとかありそうだからな。そういうのは吐き出しちまった方が楽になるぞ?溜め込んじまったら辛いだけだし、周りの連中も心配するぞ?」
図星を刺され、ルカは思わず言葉が出なくなる。
「あ、うん、そ、そうかもね」
「まぁそいつはともかく今日はご苦労さん」
「あ、うん、お疲れ様」
片付けを終え、そう挨拶をするとルカは帰っていった。


 「あら?今日は早かったのね」
いつもよりずっと早い時間に帰ってきたルカに、ティアは思わずそう声をかける。
「うん、今日はもう患者さん来ないからって。その・・アシュトンの関係で・・」
「そうだったのね。ボーマンも災難だわね・・・」
ルカの言葉にティアは察しがついたのだろう、思わず呆れたようなため息をつく。
 「あ、あの、姉さん・・」
「どうしたのかしら?」
「うん・・。ちょっと・・僕の部屋に来てくれる?大事な・・話があるから・・」
「わかったわ」
ティアは弟の部屋へ入ると、ルカと向き合う。
 「それで・・一体何なのかしら?」
「うん・・。あの・・ごめんなさい・・。実は・・嘘ついてたんだ・・・」
「嘘?何のことかしら?」
「お尻・・・。本当はもう治ってるんだけど・・治ってるって言ったら・・姉さんに・・お仕置きされちゃうから・・。そう思うと怖くて・・。ごめんなさい・・・」
泣きそうな表情になりながら、ルカは謝る。
 「そうだったのね。でも・・よく正直に話してくれたわ」
「お・・怒ってない?」
「嘘をつかれたりしたのはショックだわ。でも、ちゃんと正直に話してくれたわ。それで十分よ」
そう言ってくれるティアに、ルカはホッとする。
だが、同時に嘘をついたり、心配かけるようなことをしたのに、許してくれているのが申し訳なくてたまらない。
 「あの・・姉さん、お願いがあるんだけど・・いいかな?」
「何かしら?」
「あの・・。僕のこと・・お仕置き・・して・・・」
羞恥に顔を赤らめながら、ルカは勇気を振り絞って言う。
 「本気で言ってるのかしら?」
ティアは冷静な表情で、確かめるように尋ねる。
「うん、皆に心配かけちゃったし・・それなのに・・怒られるのが嫌で・・嘘ついたり・・。アシュトンは僕のせいで凄くお仕置きされちゃったのに・・僕だけ・・ずるいし不公平だし・・だから・・・」
ちゃんとお仕置きを受けて反省したい、というルカにティアは言う。
「わかったわ。でも、やる以上はいつもと同じ。手加減なんかしないわよ。始まってから後悔しても遅いのよ。それでもいいのかしら?」
「うん・・。ちゃんと・・反省したいし・・皆に謝りたいから・・・」
「なら、わかっているわね?」
ベッドの縁に腰かけたまま、ティアは膝を軽く叩いて合図をする。
ルカはゆっくりと近づくと、いつものように膝にうつ伏せになる。
弟がうつ伏せになると、ティアは慣れた手つきでパンツとズボンを降ろす。
あっという間に女の子と見まがうばかりの白くて綺麗なお尻が姿を現した。
 「うぅ・・・・」
覚悟していたとはいえ、お尻をむき出しにされたことに、羞恥で顔を赤くする。
「どうしたの?まだ叩いてもいないでしょう?」
「だって・・恥ずかしいよ・・・」
「恥ずかしいのもお仕置きのうちよ。ルカが悪い子だったからそういう目に遭うのよ?」
「う・・ごめんなさい・・・」
「まあいいわ。それより・・覚悟はいいわね?」
姉の言葉にルカは黙って頷く。
それを見ると、ティアは右手でルカの身体を押さえる。
同時に左手を振り上げた。


 バアッシィィィ~~~ンッッッッ!!
「ひぃっ・・・!!」
いきなり最初から容赦のない平手打ちにルカは思わず背をのけ反らす。
バシッ!バンッ!ビシッ!バァンッ!バチンッ!バアンッ!
「ひっ・・!ひぃんっ!痛っ!痛ぁぁっ!痛ぁぁぁいっっ!!」
覚悟はしていたとはいえ、とても痛い平手打ちにルカは両脚をバタつかせる。
 ビシッ!バアシィンッ!ビシャ~ンッ!バアッチィ~ンッ!ビッダァァ~ンッ!
「ひいっ!ひぃぃっ!痛あっ!痛いよぉっ!姉さぁんっ!!」
あまりの痛さにルカは思わず泣きながら訴えかける。
腕力ならルークの方が上だから、力自体はルークの方が強い。
だが、ティアの平手はピンポイントに急所を叩き、ただ力任せに叩かれるのとは比べ物にならない苦痛をお尻に与える。
 「お仕置きなのだから痛いのは当たり前よ?それにルカが望んだことでしょう?」
そういうと、ティアはお尻の急所めがけて、様々な角度から打ってゆく。
「わあんっ!ひぃーんっ!ひぎっ!ひっひぃーんっ!痛ぁぁぁいぃぃ!!」
痛みにルカが泣き叫ぶのを尻目に、ティアは手を振り下ろし続ける。
 「全く・・何を考えているの?黒魔術書を使って魔界に行くだなんて」
バアシィ~ンッ!ビッダァ~ンッ!バアッアア~ンッ!バアッジィ~ンッ!ビバッジィ~ンッ!
「ひいっ!わぁーんっ!ごめん・・なさぁぁいぃ・・・!!どうしても・・アッシュ兄さんに・・会いたかった・・・からぁ・・」
お尻を叩かれながら、ルカは必死に弁解する。
 「理由にならないでしょう?黒魔術というのは本当に危険なのよ?幸いアッシュのいるところに行けたからいいようなものの、下手をすれば命を失うようなこともあり得たのよ?わかっているの?」
バシバシとお尻を叩きながら、ティアはお説教を続ける。
 「ひぃん・・・ゴメン・・なさい・・・」
「それだけじゃないわ。いきなりいなくなったものだから、皆で必死になって探したのよ?どれだけ心配や迷惑をかけたと思っているの?」
探しに行きたくてもいけず、家で悶々と待っていた時間を思い出し、ティアは思わず表情が険しくなる。
 「ご・・ごめん・・なさい・・」
「謝るのは当然よ?私もルークも、そんな悪い子に育てた覚えは無いわ。今日という今日はしっかりと懲らしめてあげるわ」
ティアはそういうと、いつの間にか用意しておいたパドルを取り出す。
 バアッシィィィ~~~~~ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
「わぁぁぁあんんんんんん!!!!!!痛いぃぃぃぃぃ!!!!!」
パドルでのラッシュにルカは絶叫する。
「ごめんなさいっ!ごめんなさーいっ!ごめんなさぁぁーーいっっ!!」
必死に謝るルカだが、パドルは容赦なくお尻に降り注ぐ。
パドルの音と悲鳴が、長い長い間、室内にこだました。


 「ひぃひぃぃん・・うっぇぇぇんん・・・」
ボロボロと涙を零してルカは泣きじゃくっていた。
お尻は今や見事なまでに紅蓮に染め上がっている。
 「ルカ・・反省できたかしら?」
一旦パドルを振るう手を止めて、ティアは尋ねる。
「ひぃん・・も・・もぅ・・十分・・出来たよぉぉ・・・。心配かけて・・ごめんなさぁぁい・・・・」
泣きながらルカは必死に謝る。
「もう二度としないって約束出来るかしら?」
「ひぃん・・。もう・・二度と・・しませぇん・・・。約束・・しますぅ・・・」
「それならいいわ。さぁ、これでお仕置きは終わりよ」
ティアはそういうと、ようやくパドルを手放した。


 「う・・冷たぁい・・・・」
膝にうつ伏せになったまま、お尻に載せられたタオルに、思わずルカはそう呟く。
「冷たすぎたかしら?」
「だ、大丈夫・・少し冷たいけど・・ちょうどいい・・から・・・。それより・・ごめんなさい・・・。心配かけちゃって・・・」
「いいのよ。無事にちゃんと帰ってきてくれたわ。それだけで十分よ」
ティアはルカの頭を撫でてやりながら、そう言う。
 「あと・・ありがとう、叱ってくれて。僕の自己満足みたいなお願いだったのに・・。痛くて、辛くて、何度も泣いちゃったけど・・でも・・嬉しかった。こんなに本気で叱ってくれるくらい、大事に思ってくれてるんだって・・・」
「姉弟なんだから当然でしょ?ルカがいい子になってくれるなら、何度でも叱ってあげるわ。それより疲れたでしょう?少しは休みなさい」
「うん・・・。それじゃあお言葉に甘えて・・・」
ルカはそのまま目を閉じると、静かに寝入る。
その寝顔はお仕置きされた後とは思えないほど、安らかなものだった。
 「ううん・・姉さぁん・・兄さん・・イリアぁぁ・・・」
「ふふ。楽しい夢でも見てるのかしら?」
ティアは愛情の籠った優しい笑みを浮かべながら、ルカの頭を撫でてやる。
このまま、時間が過ぎてゆくかと思えたそのときだった。
 突然、玄関の呼び鈴が鳴った。
せっかく眠っているのに忍びないが、客が来た以上、応対しないわけにはいかない。
やむなくルカをベッドへ上げて寝かせ直すと、玄関へと出る。
 「誰かしら・・!?」
ドアの向こうにいた人物に、思わずティアは驚いた表情になる。
「アッシュ・・・!?どうして・・!?」
「気安く呼ぶんじゃねえよ!」
アッシュの姿にティアは思わず声を出し、対してアッシュは不機嫌な表情になる。
 「まぁいい、ルカはどうした?」
「ルカなら今は寝ているわ。ルカに用かしら?」
「チ・・寝てんのかよ・・。今の時間に・・まさか!?」
「きゃっ!何をするの!?」
ティアを突き飛ばし、強引に中へ駆け込んだアッシュに思わず抗議するも、アッシュはそれを無視してルカの部屋へと踏み込んだ。
 踏み込むなり、すぐに目に入った真っ赤なお尻に思わずアッシュは剣を抜きかける。
だが、安らかな寝顔に、抜きかけた剣が止まった。
「全く・・何のつもりなの?勝手に人の家に上がり込んで?」
「う・・うるせえ!それより誰が叩きやがった!?」
「私よ。それがどうかしたかしら?」
「見事なまでに叩きやがったな。なのに何なんだよ。この顔はよ?」
とてもお仕置き後とは思えない寝顔に、アッシュは怪訝な表情を浮かべる。
 「多分、信頼してくれているのね。大事に思えばこそお仕置きしているって」
「聞いた風こと抜かしやがって・・。まぁいい、今日は勘弁してやるよ」
そういうと、アッシュは抜きかけの剣を仕舞う。
 「それより何の用かしら?いきなり押しかけたりして」
「今言うところだよ。コイツを届けに来たんだよ」
そういって取り出したのは乾燥ソバ。
「ソバ?何のつもりかしら?」
「引っ越しソバってやつだよ!向かいの家に越してきたからな!起きたらルカに言っとけ!隣にいるから会うんなら隣に来いってな!それだけだ!」
そういうと、アッシュは矢玉のような勢いで向かいの建物へと走っていった。
 「何だったのかしら・・?」
思わずティアは怪訝な表情を浮かべる。
だが、すぐに我に返ると、ルカの元へと戻る。
戻って来ると、ティアは再びベッドの縁に腰かけ、ルカを最初と同じように膝の上に載せてやる。
そして、ぐっすりと眠っているルカの頭を優しく撫でつづけていた。


 ―完―

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