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愚痴と激情(SO2&テイルズより:アシュ/キール、共演パロ、BL)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。BL要素もあります。許容出来る方のみご覧下さい)


 「どこにいったんだ・・?」
廊下を歩きながら、怪訝な表情を浮かべ、キールは呟いた。
 「あれ?どうしたの?探し物?」
ちょうどそこへ、クエスト帰りのカイルとリオンがやって来た。
「ああ、ちょっとロイドに用があるんだ。知らないか?」
「知らないな。大方クエストにでも出てるんじゃないのか?」
キールの問いにリオンがそう答えたときだった。
 「あれ?ロイドさんなら確かさっき中庭で・・うっ!!」
セネルが何か言いかけたところへ、チェスターが拳を落とす。
「痛ったぁぁ~~!?痛いよリオンさんっ!ってどこ連れてくのさー!」
涙目になりながら文句を言うカイルを、有無を言わせずリオンは連れていってしまう。
 「何なんだ?失礼なやつだな?」
リオンの行動に思わずキールは顔を顰める。
元々愛想や人づきあいのあまりよくないリオンではあるが、いかにも失礼だ。
 (待て・・・。何か僕に知られるとマズイものでも見かけたのか?)
不意にそんな疑問が浮かんできた。
それなら納得がいく。
考えるよりも早く、キールは中庭に向かって走り出していた。
 「はぁ・・はっ・・・」
大した距離ではないものの、インドア系のキールにとっては全力疾走は辛い。
(どこだ!?どこに・・・!!)
必死の形相で中庭を見回すうちに、キールはロイドの姿を見つける。
その傍には、ジーニアスの姿もあった。
途端に、キールの表情が険しくなる。
 ちょうど昼食中なのだろう、二人は互いに弁当を広げていた。
楽しげに話しながら、二人はお互いにおかずを交換し合って食べている。
何とも仲睦まじく、まるで夫婦か恋人かと思うくらいだった。
 (く・・・!!)
キールは怒りや嫉妬の入り混じった表情を浮かべる。
ふと、ジーニアスがロイドにはわからないようにこっちを見たかと思うと、ニヤリと笑みを浮かべる。
そして、これ見よがしにロイドに甘えかかり、おかずをねだってみせた。
 (ぼ・・僕がいるのを知って・・!!よくも・・!!)
キールは怒りに杖が折れるかと思うほど握りしめる。
ロイドに甘えてみせるジーニアスに、キールは杖を構えようとする。
(馬鹿!何をしてるんだ!?向こうの思う壺だろう!!)
だが、今までの経験からさすがに理性が働き、激情を押さえにかかる。
ジーニアスがさらにキールの目の前で甘えてみせるが、キールは必死に自分を押さえ、その場を立ち去った。


 「全く・・・!ひどいと思わないか!?」
「そうだよねぇ、幾ら何でも悔しいよねぇ」
ティーカップを傾けながら、憤慨するキールに、アシュトンは相槌を打つ。
あの後、冷静を失ってジーニアスを術で攻撃しないように、その場を立ち去ったものの、憤懣やるかたなく、怒りを吐き出さずにはいられなかった。
そこで、教会へやって来て、アシュトン相手に愚痴を話しているのである。
 「本当に何のつもりなんだ!?僕とロイドが恋人同士なのは知ってるはずだろう!?幾らロイドの親友だって・・もう少し遠慮があってもいいだろう!!」
「そうだよねぇ、見せつけられたらたまらないよねぇ」
「親友で、子供なのをいいことに、ああもベタベタ甘えて!くぅう・・!思いだしたらまた腹が立ってくるっっ!!僕には出来ないのを見越してわざとやってるだろうっ!あれはっっ!!」
「そうだろうねぇ。本当にたまらないよね。でも、だったらキールも甘えてみたらどうかな?」
「馬鹿ッ!そんなの恥ずかしいだろう!?僕は17だぞ?あんな風にベタベタ甘えるなんて出来るかっ!?」
「ご、ゴメン・・・・」
凄い剣幕のキールに、思わずアシュトンは謝る。
 (やっちゃったなぁ・・・・)
謝りながら、アシュトンは後悔する。
アドバイスのつもりが逆に怒らせては意味が無い。
 「それより・・ジーニアスもそうだが・・ロイドもロイドだっ!僕と恋人同士のはずなんだぞっ!?それなのに・・ジーニアスとあんなにベタベタと・・・!!」
「そうだよねぇ。幾ら親友だって言ったって、他の男とあんなに仲良くしてたら嫌だよねぇ」
「全く・・・鈍感にも程があるっていうんだ・・・!まさかわざとやってるんじゃないだろうな」
「そ、そこまではないんじゃないかなぁ、さすがに?」
「そう思いたくもなるさ。考えてみれば・・・幾ら手を出したのが僕とはいえ・・いつもいつもジーニアス達の言うことばかり聞いてるじゃないか!!」
以前、何度かジーニアス達の策に乗せられ、お仕置きされる羽目に陥ったことを思い出しながら、キールはそう叫ぶ。
 「そうだ・・!いつもいつも・・あいつらのことばかり信じて・・!僕の事はちっとも信じてくれなかったな!恋人だぞ!?普通は僕の方を信じるものだろう!?」
だんだん愚痴がエスカレートしていくが、アシュトンは上手いフォローを見つけられず、困惑する。
 「は・・・!まさか・・!僕の事・・騙して弄んでるんじゃないだろうな!ジーニアスと二人して!?」
苛立ち、不満、嫉妬、それらがない交ぜとなり、キールはそんなことを言いだす。
「キールッ!ちょっと待って!?」
さすがに見逃せないことを言いだしたキールに、アシュトンは止めに入る。
 「キール・・そんなこと言っちゃダメだよ」
「そう言いたくもなるさ・・!そうでもなければ、どうして僕の事を信じようとしないんだ?本当は僕の事なんか好きじゃないのさ!ジーニアスと二人して、裏で騙して弄んで、楽しんでるに違いないんだっ!!」
ジーニアス達に罠にかけられてお仕置きされた際、信じてくれなかったことに、キールはそう言いやる。
 「キール!いい加減にしなよ!言っちゃいけないこと言ってることに気づかないの?」
嫉妬や怒りで目が曇っているキールに、アシュトンはそう言う。
「うるさいなっ!!アシュトンまでロイドの肩を持つのかっ!?エアスラストッッ!!」
「うわあっっ!!」
苛立ちから冷静さをすっかり欠いているキールは、得意のエアスラストを発動させる。
風の刃がアシュトンに襲いかかるが、辛うじてアシュトンはかわした。
 「あ・・危な・・・」
紙一重の差でかわしたものの、アシュトンは冷や汗を流す。
ほんの一瞬でもかわすのが遅れていたら、怪我をしているところだった。
 「キールッ!どういうつもりなのさ!?」
さすがにアシュトンも、思わず声を上げる。
一瞬、後悔するような表情を浮かべたキールだったが、すぐに反抗的な態度に変わる。
 「う・・うるさいなっ!アシュトンが悪いんだろうっ!?ロイドの肩を持つようなことを言うからだっ!!」
自分が悪いことはわかっていたが、それを認めるのは癪でたまらない。
墓穴を掘るのはわかっていても、こう言わずにはいられなかった。
 「何言ってるの!愚痴だけならともかく・・・カッとなって暴力振るうなんて最低でしょ?こんなことしてロイドを悲しませたいの?」
「う、うるさいっ!神父だからってエラそうに説教なんかしないでくれっ!!」
「そう・・。じゃあ、仕方ないね・・・」
あくまで反抗的なキールの態度に、アシュトンは何かを決意した表情を浮かべると、キールを押さえつけにかかる。
 「おいっ!馬鹿ッ!?何するんだっ!やめろーーっっ!!」
抵抗しようとするキールだったが、剣士なアシュトンに力で叶うはずもない。
あっという間にアシュトンの膝の上に載せられてしまった。
アシュトンはキールを片手でしっかりと押さえ、もう片方の手を振り上げた。


 バッシィィィ~~~~~ンッッッッ!!!
「く・・・!!」
思い切り叩かれ、キールは思わず苦痛に表情を歪め、身体を強張らせる。
パアンッ!パシンッ!ピシャンッ!パアンッ!
「く・・!おいっ!何してるんだっ!?」
弾けるような音と共に平手が振り下ろされ、そのたびにお尻に痛みが走る。
痛みに顔を顰めつつも、キールはアシュトンに文句を言う。
 「見てわかるでしょ?お仕置きだよ」
アシュトンはお尻を叩きながら、返事をする。
「ふざけるなっ!何で僕がお仕置きなんかされなきゃいけないんだっ!?」
「それはキールがよくわかってるでしょ?悪い子にはお仕置きだよ」
「だからってどうしていつも尻叩きなんだっ!僕は子供じゃないっ!ふざけるなっ!!」
不満に満ちた表情で、キールは叫ぶ。
 自分に非があることはわかっている。
だからといって、お尻叩きだなんて、あまりにも恥ずかしい。
そう思うと、とても素直にはいそうですか、と受けられない。
 パンッ!パンッ!パアンッ!パシィンッ!
「キール?カッとなって、それで人に本気で術ぶつけるだなんて、それが大人のすることなの?」
ローブの上からお尻を叩きながら、アシュトンはそう問いかける。
 「く・・・!!」
アシュトンの問いにキールは悔しげな表情を浮かべる。
大人げない、あまりにも子供じみた行動なのはよくわかっていたからだ。
しかし、それは指摘されるのは癪にさわる。
これもまた、子供っぽいと思わずにはいられないが、そうせずにはいられなかった。
 「う・・うるさいなっっ!!イチイチ人の言うことに揚げ足取って、そんなに楽しいのか!?いい加減に離してくれっ!!」
「いい加減にするのはキールの方でしょう?こういうときはちゃんと『ごめんなさい』しなきゃダメじゃないか?」
あくまでも反抗的な態度に、さすがにアシュトンも顔を顰める。
「うるさいって言ってるだろうっ!神父だからってエラそうに説教なんかしてっ!離せって言ってるじゃないか!いい加減にしないと本気で怒るからなっっ!!」
「もう・・!それじゃあ・・僕も本気で怒ったからね」
全然反省が見られないキールの態度に、さすがにアシュトンも厳しい表情を浮かべる。
アシュトンは再びキールをしっかりと押さえたかと思うと、ローブを捲りあげた。
 「馬鹿ッ!何をするんだっ!やめないかっ!!」
ローブを捲りあげられ、思わずキールは慌てる。
「やめないかっ!セクハラで訴えるぞっ!痴漢っ!変質者っ!」
「もう・・少しは黙っててよ」
「これが言わずにいられるかっ!馬鹿ッ!やめろって言ってるだろうっっ!!」
キールが抗議するのを尻目に、アシュトンはパンツを降ろしてしまい、完全にキールのお尻をむき出しにする。
 「今度は本気で行くよ?覚悟はいい?」
「ふん・・!どうせ叩く気なんだろう!?叩くならさっさと叩けばいいじゃないか!!」
キールはそう言うと、プイッと顔をそむけてしまう。
そんなキールにちょっと困った表情を浮かべるも、アシュトンは手を振り上げた。


 バッシィィィ~~~ンッッッッ!!
「くぅ・・・・!!」
再び始まった平手打ちに、キールは思わず表情を歪める。
 (馬鹿ッ!?何をしてるんだっ!?恥ずかしいことするんじゃないっ!!)
思わず声を漏らした自分を、キールは心の中で叱咤する。
バシッ!バンッ!ビダンッ!バァンッ!バシッ!ビダンッ!
さっきよりも力強い平手打ちに声が漏れそうになるが、キールは必死に堪える。
 バシッ!ビダンッ!バァンッ!バンッ!バシッ!バアアンッ!
「キール、ダメじゃないか・・。すぐカッとなって、人に術なんか使ったら・・・」
お尻を叩きながら、アシュトンはお説教を始める。
あくまでも、キールにちゃんと反省してもらうことが目的な以上、必要不可欠だった。
 バンッ!ビダァンッ!バアジィンッ!ビバダァンッ!バジィンッ!
「・・!・・!・・・!・・!・・っ!」
声こそ出さないものの、さすがに辛いのだろう、平手が叩きつけられるたびに、表情が苦痛で歪み、全身が強ばる。
 「カッとなって暴力振るうなんて、人として最低なことだよ?そんなことしたら、警察に捕まっちゃうよ?わかってるの?」
バシッ!ビダンッ!バァンッ!バアアンッ!バアアンッ!バアジィンッ!
「そ・・そんなの・・わ・・わかってるさ・・!い・・言われ・・なくても・・!!」
お尻を叩かれる痛みに顔を顰めながら、キールは反論する。
 「それじゃあどうして、何回も同じことするの?それでロイドやガイに何度も叱られてるでしょう?」
キールのお尻を赤く染めてゆきながら、アシュトンはお説教を続ける。
「く・・!そ・・それは・・ジーニアスが悪いんじゃないかっ!ぼ、僕の目の前で・・!こ・・これ見よがしに・・ロイドに・・甘えてっ!!ぼ・・僕には・・・出来ないのを・・いいことに・・・!!」
悔しさを滲ませながら、キールは言う。
「悔しい気持ちはわかるよ。だけど、だからってやっていいってことにはならないでしょ?」
「う・・うるさいなっ!そ、そもそもジーニアスやロイドが僕の気持ちなんかお構いなしにベタベタしてるから悪いんだっ!!二人がそうしなければ僕だってこんな気持ちにならないし、こういう目に遭うようなことをすることも無いんだっ!!僕が悪いんじゃないっっっ!!」
「キール?それ、本気で言ってるの?」
一旦お尻を叩く手を止めてアシュトンは尋ねる。
 「だ・・だったら何だって言うんだっ!アシュトンまでロイドの肩を持つのかっ!!いい加減にしてくれッ!!」
「もうっ!キールこそいい加減にしなさいっっ!!」
ビッダァァァ~~~~~~ンッッッッ!!!
厳しい表情を浮かべ、アシュトンは再び容赦ない平手を叩きつける。
 「ぐ・・!!何をするんだっ!!」
「もう・・!!本当の本当に怒ったからねっっ!!」
アシュトンはそういうと、普段自分がルシフェルにされているときのように、膝を組む。
同時に思い切り手を振り下ろした。
 ビッダァァァァァァ~~~~~~~~ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~ッッッッッッ!!!!!!
「うっ・・わぁぁあああああああ!!!!!!」
豪雨のような平手打ちの嵐に、キールは絶叫する。
 「何するんだっ!やめろっ!馬鹿――っっ!!痛いだろうっっ!!」
今までとは比べ物にならない痛みに、キールは涙目になりながら抗議する。
しかし、アシュトンはそれを無視して平手を振り下ろした。
 バアッジィィィィィ~~~~~ンッッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッッ!!
「馬鹿ッ!やめろって言ってるだろーっ!本気で怒るからなっ!うわあっ!痛ああっ!やだっ!やめてーーーっっ!!」
抗議し続けるキールだったが、容赦なく叩きつけられる平手の嵐に態度や口調が変わってゆく。
 「うわああーーーっ!やだっ!やめろーっ!やめてぇぇーーっっ!!わああんっ!痛っ!痛いぃぃーーーっっ!!!」
キールの悲鳴や懇願する声、平手打ちの乱打の音、それらがない交ぜとなって長い間響き渡った。


 「えぇえん・・ひっく・・ふぅぇぇ・・・・」
恥も外聞もかなぐり捨てて、キールは泣きじゃくっていた。
お尻は今や、濃厚なワインレッドに染め上がっており、火炎系の最強術を食らったかと思うほどに熱い。
 「ひぃひぃん・・!やだ・・!も・・もぅ・・やめて・・・!!お・・お願い・・だから・・・!!」
目尻に涙を浮かべ、プライドなど捨ててキールは許しを乞う。
 「キール、反省した?」
お尻を叩く手を止めて、アシュトンは尋ねる。
「し・・してる・・!だ・・だから・・!も・・もう・・!!」
キールは必死になって許しを乞う。
これ以上お尻を叩かれたら、もう耐えきれない。
 「じゃあ、何が悪かったの?」
アシュトンはヒタヒタと軽くお尻をはたきながら尋ねる。
何故お仕置きされたのか、その理由をきちんと理解させるためだ。
 「ひぃん・・・!カッとなって・・ぼ・・暴力・・振るった・・!」
「そうだよね。でも、それがどうしてダメなの?」
「うっえ・・!警察に捕まって・・ロ・・ロイドを・・悲しま・・せる・・から・・!!」
「そうだよ。キールのしたことは、ロイドを悲しませることになるんだよ。わかってる?」
「わ・・わかってる・・!だ・・だから・・!!」
はやく膝から降ろしてもらいたくて、キールは必死になる。
「じゃあもうこんなことしないって約束出来る?」
「す・・するさっ!も、もう・・いいだろうっ!?」
「もう一つあるよ。キール、あまり意地を張らないで少しは素直になるって約束出来る?」
「は・・!何でそんな約束しなくちゃいけないんだっ!?」
突然、アシュトンにそんなことを言われ、キールは思わず文句を言う。
 「出来ないの?それじゃあ・・・」
アシュトンはそう言うと、お尻を叩く仕草をする。
「わ・・わかったっ!すればいいんだろうっ!約束するっ!!これでいいだろうっ!!」
目尻に涙を浮かべたまま、キールは叫ぶように言う。
「わかってくれたみたいだね。じゃあ、終わりだよ」
そういうと、ようやくアシュトンはキールを解放した。


 「く・・・!!」
「ご、ごめんっ!し、沁みた?」
痛みに顔を顰めたキールに、謝りながらアシュトンは尋ねる。
 「これだけ叩けば・・沁みるに決まってるだろう?」
「ゴ、ゴメン・・・」
不機嫌な表情を浮かべるキールに、アシュトンはションボリしながら謝る。
「ふん・・!ま、まぁ・・お互い様だからな・・!こ、今回は見逃してやるさ・・!」
言いすぎたと思ったのか、キールはそんなことを言う。
 「ねぇ、キール、僕思ったんだけどさ・・・。ロイドに素直に甘えてみたらどうかな?」
真っ赤なお尻に薬を塗りながら、アシュトンはそう提案する。
「な・・!何を言ってるんだっ!?あんな恥ずかしいことをしろっていうのかっ!?」
アシュトンの提案に、キールは思わず叫ぶ。
ジーニアスみたいにベタベタ甘えるなど、恥ずかしい。
 「でも、本当はロイドに甘えたいんでしょ?だからジーニアスが羨ましくて、それで悔しいんでしょ?」
「そ・・そんなこと・・!!」
否定しようとするも、言葉が出てこない。
事実なのは自分がよく知っているからだ。
 「キール、意地を張っちゃダメだよ。少しは素直になるって約束したじゃないか?」
(これだったのか・・!!)
アシュトンが最後にさせた約束に、キールはようやく納得がいく。
本当のところを話させるつもりだったのだ。
 「ふん・・!だ・・だったらどうだっていうんだっ!?」
素直に認めるのは癪で、ついそんな口調でキールは答える。
「キール、いつも意地張ってたりするじゃない?そうやって無理やり我慢させてるから、すぐカッとなっちゃうんだよ。だから・・素直に甘えてみなよ」
「馬鹿なこと言うなッ!僕は子供じゃないぞっ!そんなこと出来るかっ!ロイドだって呆れるだろうっ!?」
「そうかなぁ?恋人同士なんだから、甘えてくれたら、ロイドだって嬉しいと思うよ?」
「死んでも出来るわけないだろうっ!!気分が悪いから帰るからなっっ!!」
「え・・でもまだ手当てが・・!?」
「自分でするさっ!!」
そういうと、すっかりヘソを曲げたキールは帰ってしまう。
 「とほほ・・。やっちゃった・・。僕の馬鹿・・・」
アドバイスのつもりが、却って機嫌を損ねてしまい、アシュトンは落ち込まずにはいられなかった。


 「全く・・!何言い出すのかと思えば・・・!!」
家路を急ぎながら、キールは愚痴らずにはいられなかった。
(ロイドに甘えてみろ?そんなこと・・出来るわけないだろう!!)
アシュトンの提案に、思い切り怒鳴りたくなってくる。
 (だが・・・。ジーニアスが甘えてくるのが・・嬉しそうだったな・・)
キールはジーニアスと一緒にいるときのロイドの様子を思い出す。
そうやって甘えられるのが、本当に嬉しそうで、満更でもなさそうだった。
あの笑顔を自分に向けて欲しい、自分もああいう風になりたい、ジーニアスが甘えるたびにそう思わずにはいられなかった。
 (く・・!あ、当たって砕けろだっ!!い、いつまでもあんな子供のいいようにされるのも癪だからなっっ!!)
半ばヤケな感じで決心を決めると、キールは足を速めて家路を急いだ。


 「あれ?どうしたんだよ?急にさ?」
「ちょ、ちょっと帰るついでによ、寄っただけさ!」
まさかロイドに甘えにきたなどとは言えず、幸い同じアパートに住んでいるのをいいことに、そう誤魔化す。
 「そっか。まぁ取りあえず上がってくれよ」
「そ、そこまで言うならし、仕方ないな」
胸の高まりを押さえながら、キールは敷居をまたぐ。
 「お茶用意するから待っててな」
ロイドはそういうと、キッチンへと消えてゆく。
(ど・・どうする・・!!)
リビングで待ちながら、キールは必死に考える。
だが、研究や論文とは違って、全然頭が働かない。
 (く・・くそっ!?何をやってるんだ!?)
自然に甘えられる方法が思い浮かばず、キールは苛立ちそうになる。
そんな間にロイドが戻って来てしまった。
お茶が用意された以上、やむなくキールはお茶を受け取ろうとする。
だが、落ち着かない状況のせいか、受け損ね、ひっくり返してしまった。
「だ、大丈夫かよ?」
「だ・・大丈夫さ・・これく・・うぅ・・!!」
不意にお尻の痛みを感じ、思わずキールは顔を顰める。
 「ど、どうしたんだよ?お尻、痛いのかよ?」
座ったまま思わずお尻をさすったキールに、ロイドは心配そうな表情で尋ねる。
「そうさ・・。痛いさ・・。ロイドのせいでな!」
(馬鹿・・!何を言い出すんだっ!?)
思わず口が滑り、キールは慌てる。
だが、今まで溜め込んでいたせいだろう、止まらずにぶちまけ出してしまった。
 「ジーニアスとベタベタしてて、凄く悔しくて羨ましかったんだっ!!僕だって・・本当はジーニアスみたいに甘えたかったんだっ!!は、恥ずかしいから我慢してたのさ・・!!だけど・・そのせいでストレスが溜まってカッとなるから・・アシュトンに叩かれたんだっ!!責任取らないと承知しないからなっっ!!」
(終わった・・・)
思い切りぶちまけてしまい、キールは後悔する。
こんなことを言えばロイドも呆れるだろう。
 「そっか・・。そうだったのかよ・・ゴメン・・・」
だが、ロイドは呆れた素振りもみせず、謝る。
「呆れてないのか?」
「ビックリしたけどよ・・・。でもキールが甘えたいって思ってくれてたのは嬉しいぜ!」
「ふ・・ふんっ!そ、そんなこと言ったって誤魔化されないからなッ!!」
顔を赤くしつつ、キールはそう言う。
 「と、とにかく・・ロイドのせいで叩かれたんだっ!責任取って甘えさせないと承知しないからなっっ!!」
キールはそう言うと、ロイドに寄りかかる。
「わかってるって?それじゃあ、抱っことかするか?」
「ぜ・・全然ひねりがないな・・。ま・・まぁロイドだから仕方が無いか・・」
「よっし・・。それじゃあ・・」
「ってうわあっ!何するんだっ!?」
いきなりロイドはいわゆるお姫様抱っこの体勢でキールを抱いたまま、立ち上がった。
思わぬ行動に、キールはビックリする。
 「え?抱っこしただけだぜ?」
「馬鹿ッ!?だからって何でこんな格好なんだっ!?」
お姫様抱っこというポーズに、キールは顔を真っ赤にして叫ぶ。
 「え?嫌だったかよ。それじゃあ・・・」
ロイドはキールの態度から、抱っこの姿勢を変えようとする。
「馬鹿・・!このままでいいっ!!」
「え・・?でもよ・・」
「いいっていってるだろう!このままの体勢でいないと承知しないからな・・!!」
キールは顔を真っ赤にしつつ、恥ずかしさと嬉しさが入り混じった表情でそう言った。


 一時間後・・・。
「な・・なぁ・・そろそろ・・」
「ダメだ!僕がいいっていうまでこのままだ!」
両腕が震えそうになるのを堪えながら言うロイドに、キールはそう言う。
 「で・・でもよ・・これ以上は・・」
「ロイド?そもそも誰のせいだと思ってるんだ?」
「そ・・それは・・」
不機嫌そうな表情になりかけたキールに、ロイドは言葉に詰まってしまう。
 「そうだ。ロイドが悪いんだろう?今日は責任取ってもらうって言っただろう!」
「で・・でもよ・・ぐうっ・・!!」
「ロイドッ!何してるんだっ!もし落としたら承知しないからな!!」
「わ・・わかったって・・」
(とほほ・・・。こんなんなるなんて・・)
お姫様抱っこをしたことにロイドは心の中で後悔する。
結局、落としそうになるのを必死に堪え、キールが本当に満足するまで抱っこし続ける羽目になったそうな・・・・。


 ―完―

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