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板挟みの末に(SO2&テイルズより:ロイド&リッド/キール、共演パロ、BL)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。BLありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「俺と行くんだよ!」
「何言ってんだよ!俺と行くんだよ!」
「お・・おいっ!いい加減にしないかっ!」
ホールに言い争う声が響きわたる。
声の主はロイドにリッド、キール。
キールを挟み、ロイドとリッドが言い争っているのだ。
二人ともクエストにキールを誘おうとして鉢合わせし、それから言い争いに発展したのである。
 「二人ともいい加減にしないか!迷惑だろう!?」
キールが止めようとするが、二人の矛先がキールの方へと向く。
「「キール!?どっちと行くんだよ!?」」
「な・・何?」
「このままじゃ埒が明かねえって!キールに決めてもらおうぜ!!」
「お、おいっ!?何を言っているんだ!?」
厄介なことになりかけたことを察し、キールは思わず叫ぶ。
 「そうだよなぁ。どうせならキールに決めてもらおうぜ」
「おいっ!リッドまで何を言ってるんだ!?」
キールは慌てる。
どっちを選んでも角が立つことになる。
 「キール、俺と行くよな?」
「何言ってんだよ!?俺だよな!」
ロイド、リッド、双方とも必死にキールに迫り、再び引っ張り合いになる。
「ああもうっ!二人ともいい加減にしないかっ!!エアスラストッッ!!」
ついにカッとなったキールは、思わずエアスラストを繰り出してしまう。
二人とももろに術を喰らい、のけ反った。
 「しま・・!!」
直後、キールは後悔する。
またいつもの悪い癖が出てしまった。
こんなことをすればまた怒られる。
 「何だ?一体どうし・・・・」
聞き覚えのある声に思わず振り向くと、クエスト帰りらしいガイの姿が。
ガイは途中まで口を開きかけるも、周りの状況を見てとり、厳しい表情になる。
 「キール・・」
「な、何だ!?」
「ちょっと・・二人で話そうか」
「話すことなんてないさ」
「そういうわけにもいかなくてな」
「おいっ!離せっていってるだろう!」
そう抗議するが、ガイが聞くわけも無く、そのままどこかへ連れていかれてしまった。


 パンッ!パンパンパンッ!パンパンパンパンパンッ!
「馬鹿ッ!やめろっ!やめないかーー!!」
平手がお尻に振り下ろされる中、キールはあくまで抗議する。
 「やめろじゃないだろう?キールこそ何をしてるんだ?またカッとなって術を使うだなんて?」
お尻を叩きながら、いつものようにガイはお説教をする。
「う・・うるさいなあっ!ロイド達が悪いんだっ!人の迷惑も考えないで喧嘩ばかりするからじゃないかっ!!」
「だからってあんなことをする理由にはならないだろう?友達や恋人を傷つけたいのか?」
ガイの言葉にキールは言葉に詰まりそうになるが、すぐに言い返す。
 「う・・うるさいっ!お説教なんかたくさんだっ!さっさと降ろしてくれッ!いい加減にしないと本気で怒るからなッ!!」
自分が悪いことはわかっていても、素直にはなれない性格が災いし、キールは反抗してしまう。
「やれやれ・・。仕方ないな・・」
予想はしていたものの、案の定な態度にガイはため息をつくと、お仕置きの勢いを強める。
 「やめろっ!やめないか馬鹿ーっ!!本気で怒るって言ってるだろうっ!!うわあっ!うわあああっ!痛っ!痛いっ!痛ぁぁぁーーーーっっっ!!」
相変わらず抵抗し続けるキールだったが、厳しさを増すお仕置きに苦痛が強まり、悲鳴が上がる。
やがて悲鳴は泣き声に変わり、さらにしゃくり上げながら許しを乞う声へと変わっていった。


 「くぅ・・・!」
痛みに顔を顰め、思わずキールはお尻をさする。
だが、すぐに視線を古文書に戻し、整理作業を続ける。
アシュトンの頼みと論文執筆のための資料集めを兼ね、教会に保管されている古文書や古書の調査・整理をしているところだった。
 (くそ・・!僕としたことが・・・!)
古文書の整理をしながら、キールは苛立ちそうになる。
先日、ガイにお仕置きされた痛みがまだ残っているのだ。
おかげで作業に集中できない。
 (くそ・・!それもこれも・・ロイドとリッドが喧嘩なんかするからじゃないか!!)
作業をしながら、キールは原因を作った二人を恨めしげに思わずにはいられなくなる。
(どうして僕がこんな目に遭うんだ!?おかしいじゃないか!!)
そもそも二人が喧嘩するのが悪いのに、と思うとそんな気持ちにもなってくる。
(ああ・・!!思い出したら何だか腹が立ってくる!!)
そんなことを思ったそのとき、ドアをノックする音が聞こえてくる。
 「何だ?まだ作業中なんだが」
少し苛立ちかけていたし、作業を邪魔されたように感じたからか、ついキールは不機嫌そうな声で返事をする。
「お茶でも淹れたから一休みしてよ。ちょうどお昼だしさ」
アシュトンの返事に、キールは時計を見て昼時だと気づく。
同時に空腹を自覚し、恥ずかしさに顔を少し赤らめる。
 「ふ、ふん・・。い、淹れたのを飲まないのも礼儀知らずだからな。な、なら一休みするさ」
空腹を感じた恥ずかしさを取り繕うようにそう言うと、キールは部屋を後にした。


 「どうだった?口に合ったかな?」
お昼を食べ終えたキールに、アシュトンはおずおずと尋ねる。
古文書の整理をしてもらってるから、ということでお昼を振る舞ったのである。
 「ふん・・。ま、まぁロイドほどじゃないが・・旨かったさ・・」
「よかった~。ホッとしたよ~~」
キールの言葉にアシュトンはホッとするが、対してキールは少し厳しい表情を浮かべる。
 「アシュトン、前にも言ったはずだぞ?もっと自分に自信を持て。そういうのは何だか卑屈で見ていてイライラするんだ」
「ゴ・・ゴメン・・・」
キールの言葉にアシュトンはシュンとする。
 「ま・・まぁ・・。いきなり変えろといっても無理だろうな。少しずつ変えていけばいいさ」
ちょっと悪いと思ったのか、キールはフォローするように言う。
「そうだよね。あっ、ちょっといいかな?」
「何だ?話なら手短にしてくれ。調査はまだ終わってないからな」
「うん。あのさ、キール、最近ロイド達と何かあった?」
その問いに一瞬キールは表情がこわばりかける。
 「な・・何を根拠にそんなこと言ってるんだ?」
平静を装うも、声が微かに震える。
「最近、何だか機嫌が悪いみたいだからさ。それに・・あの・・また・・お尻・・叩かれたでしょ?」
その言葉に思わずキールは顔を真っ赤にしてしまう。
 「あ・・!ゴメンッ!」
「そ・・それでどうしてロイド達のことだって思ったんだ?」
キールは平静を装いながら聞く。
 「キールがお尻叩かれるのってさ、ロイド達絡みのことが多いでしょう?それに、ロイドとリッドが喧嘩とかしてるの見かけたからさ。もしかしてそうかなって・・・」
(鋭いな・・)
アシュトンの言葉に、キールはそう思う。
 「だったらどうなんだ?ただの興味本位で聞いたわけでもないだろう?」
そうだったら許さないとでも言いたげにキールは問い返す。
「あ、うん。もしかして・・困ってたりしない?ああやって二人が喧嘩しててさ」
「困ってる?それどころか・・迷惑さ!」
「やっぱり・・・。ああやって喧嘩してたら困っちゃうよねぇ・・」
キールの答えに、アシュトンはそう返す。
自分もルシフェルとディアスが喧嘩して板挟みになり、困ったことがあるから想像がつく。
 「全く・・!二人とも何考えてるんだ!?二人だけならともかく・・僕まで巻き込まないでくれと言いたいさ!おかげでこっちまでガイにお尻叩かれることになるんだっっ!!」
「結構・・大変みたいだねぇ・・・」
「大変?ロイドを選べばリッドがむくれるし、リッドの方にすれば今度はロイドさ!どっちを選んでも角が立つことになるんだ!しかも二人して僕にどっちを選べとか言ってくるんだぞ!僕にどうしろって言うんだっ!いい加減にしろと思って術でも使えばガイに叩かれる!!それをもう何回もしてるんだっ!!」
お尻をさすりながら、キールは叫ぶように言う。
キールを巡るロイド達の喧嘩は一度や二度では無い。
そのたびに二人にどっちを選ぶんだと迫られ、困った挙句にカッとなって術を使ってしまい、ガイの膝の上で・・というパターンをここ最近繰り返していた。
 「何とかしたい?やっぱり?」
「したいに決まってるだろう!もうたくさんだっ!!」
ウンザリしたようにキールは叫ぶ。
 「よくわかったよ。あのさ、あの二人をもう少し仲良くするように作戦を考えてみたらどうかな?僕も協力するよ」
「そのつもりで僕に色々としゃべらせたのか?」
「あ・・う・・うん・・。気悪くさせちゃったかな?」
キールの反応に、思わずアシュトンはオズオズと尋ねる。
 「ふん・・・。相変わらずお人よしでお節介だな・・。ま、まぁ・・おかげで僕も助かってるけどな・・・」
「何か言った?」
聞こえないように話すキールに、思わずアシュトンが尋ねる。
「別に何でもないさ。それより・・そう言った以上・・しっかり協力してもらうからな!」
「わかってるよ。出来る限りのことはやらせてもらうから」
「ふん・・。ならいいさ・・」
そういうと、二人は何やら話しあい始めた。


 それからしばらく経った頃・・・。
凄まじい勢いで走ってゆくロイドとリッドの姿があった。
道行く誰もが思わず道を開けてしまう、そんな様相で二人は走る。
やがてアシュトンの教会へやって来たかと思うと、そのままの勢いで駆け込んだ。
 「「アシュトンッッ!!」」
声が重なるのを尻目に、二人はアシュトンを呼ぶ。
「リッド、ロイド、待ってたよ」
「な、なぁ!?大丈夫なのかよ!?」
リッドは思わずアシュトンに詰め寄る。
 「お、落ち着いてよ。心配なのはわかるけどさ・・・」
「わ、悪い・・」
「とにかく二人とも案内するよ。休んでるところだからさ、静かにお願いね」
アシュトンはそう言うと、二人を客用の部屋へと案内する。
二人が部屋に入ると、目に飛び込んで来たのは、苦しそうにベッドに横たわるキールの姿。
 「「キールッッ!!」」
叫ぶや否や、二人ともキールに駆け寄り、手を握る。
「な・・何しに来たんだ・・?」
「アシュトンからいきなり熱出して倒れたって聞いたんだよ。論文書くのに無茶しすぎたんじゃねえの?」
「う・・うるさ・・いなぁ・・!!ゲホッ!ゲホッ!ゲホッ!」
「キール!無理しちゃダメだぜ!!ちゃんと寝てろって!!」
起き上がって言い返そうとしたキールに、思わずロイドがそう言う。
 「キール、ゆっくり寝てろよ。俺に任せろって!」
「何言ってんだよ!?キールの面倒は俺が見るって」
世話をしようとするロイドに、リッドがそう言いだす。
 「はいはい、二人とも喧嘩なんかしちゃダメじゃないか。そうしたらキールに迷惑なだけだよ?」
喧嘩が始まる前に、アシュトンがそう割って入る。
 「そ・・そうだよな。俺らが喧嘩してたら・・」
「だよな・・」
さすがに病気のキールを目の前に、ロイドもリッドも普段より聞きわけがよい。
 「なぁ、今のところはとりあえず・・・手打ちってことでいいかよ?」
「あ~。しょうがねえよな。キールがこんなんだもんな」
病気のキールを前に、さすがに二人もそう言う。
「よかった~。それじゃあ二人とも、必要なものを用意するの手伝ってくれる?」
「ああ。別にいいぜ」
「俺もいいぜ」
「それじゃあ、郊外のダンジョンまで必要な薬草を協力して取って来てくれない?」
アシュトンはそう言って二人にリストを渡す。
「任せとけって!」
ロイドがそう言うと、急いで教会を後にする。
「おいっ!待てって!!」
それを追ってリッドも教会を出ていった。
 「上手くいったみたいだな・・・・」
二人が出ていくと、キールは身体を起こす。
「ドキドキものだったけどね・・・。バレたらどうしようって・・」
「おい、そもそもアシュトンが考えたんだろう?そんな弱気でどうするんだ?」
気弱な発言をするアシュトンに、思わずキールはそう言う。
 実はキールの病気は仮病だった。
二人で仮病薬を作り、キールがそれを飲んだのである。
キールの看病のために二人で協力するような状況を作り、仲良くさせようとしたのである。
 「ゴ、ゴメン」
「まぁいいさ。だが・・意外だったな。アシュトンがこんな仮病を使うなんてことを考えるなんてな・・・」
アシュトンの性格からすると、仮病で騙すようなことをするなど考えにくい。
それだけに意外だった。
 「あ・・うん・・。実は前に一度だけやったことがあるんだ・・。僕も似たようなことがあったからさ・・・・」
アシュトンはそう言うと、ルシフェルとディアスとの間で、同じように板挟みになったこと、少しでも仲良くさせようと、仮病を使ったことを話す。
「なるほど・・・。それでか・・・」
アシュトンの話にキールは納得した表情を浮かべる。
 「それで、上手くいったのか?」
「う、うん。喧嘩はあまりしなくなったから。ま、まぁ嘘ついてたのがバレて・・後でもの凄くお尻叩かれちゃったんだけど・・・」
「おいっ!大丈夫なんだろうなっ!?」
バレてお尻を叩かれたという話に、思わずキールは声を上げる。
 「だ、大丈夫だよ。た、多分・・・」
「何か・・不安になって来たな・・・」
アシュトンの言葉に、何だかそう言わずにはいられないキールだった。


 「よっし・・!」
ロイドは目当ての薬草を見つけて採取すると、取った量を確認する。
「これで・・大丈夫だよな」
量を確認していると、リッドが近づいてくる。
 「ロイド、薬草集まったかよ?」
「ああ。リッドの方は?」
「あぁ、俺も大丈夫だぜ。ほらよ」
リッドはそう言うと、採取した別の薬草を見せる。
 「これくらいありゃあ十分だろ。帰ろうぜ」
「ああ。キール達が待ってるだろうしな」
二人はそう交わすと、教会へと帰りを急ぐ。
 「なぁ、リッド・・・」
「ん~?何だよ?」
歩きながら話しかけてきたロイドに、リッドは問い返す。
 「お前、イイヤツだよなぁ。キールのためとはいえ、俺と一緒にこんなことしてるんだしさ」
「そんな大したことじゃねえって。俺にとっちゃキールは親友だしよ」
ロイドの問いにリッドはそう答える。
 「まぁロイドと仲良くしてんのは・・正直面白くねえけどさぁ。でも今はそんなこと言ってる場合じゃねえし。キールのためだぜ」
「そうだよな!キールがあんなに苦しい思いしてんのに、俺達が喧嘩なんかしてる場合じゃねえって!!急ごうぜ!!」
「わかってるって」
早く原料を届けようと、二人は足を速める。
そのおかげか、行きより早めに教会へ戻って来れた。
 「ただいま~、薬草取ってきたぜ~~」
ロイドは教会へ入ると、声をかける。
だが、返事は無い。
 「あれ?どうしたんだよ?いないってことないよなぁ?」
「そうだよなぁ」
怪訝に思いながら、二人はキールがいるはずの部屋へと向かう。
部屋に入ろうとしたそのとき、キールとアシュトンの声が聞こえてくるのに気がついた。
 「キール、そろそろ執筆はやめた方がいいんじゃないかな?」
「もう少し待ってくれ!今、いいところなんだ!ここまで今日中に書いておきたいんだ!」
アシュトンの言葉にキールはそう返す。
 「でもさ、そろそろロイド達も帰ってくるよ。こんなところ見られたら仮病だってばれちゃうよ?」
「わかってるって言ってるだろう!リッド達が帰って来るまでにはまた病人の振りをしてるから大丈夫さ!!」
ドアの向こうからの声にロイドもリッドも耳を疑う。
思わず二人はいきなりドアを開けて飛びこむように中へと踏み込んだ。
 「!!!!」
アシュトンとキールは突然現れたロイドとリッドに一瞬全身が強ばる。
「お・・おかえり・・二人とも・・」
アシュトンはその場を取り繕おうとするが、表情がぎこちない。
 「頼まれてた薬草取ってきたんだけどよ・・・。何か・・・いらないみてぇだよなぁ?」
教会を後にしたときとは打って変わって、全然元気な、ベッドの傍らに資料を用意して鋭意執筆中なキールの姿に、リッドはそう言う。
「二人ともどういうことなんだよ?ちゃんと話してもらうぜ?」
ロイドも厳しい表情でアシュトン達を見つめる。
「うう・・。わかったよ・・・。話すよ・・二人とも・・」
ここに至ってはもう誤魔化しは効かない。
観念した表情を浮かべると、アシュトンは二人に、キールの病気は仮病なこと、自分がそういう提案をし、そのための手助けをしていたことなども全て話した。
 「ってことは・・俺達を騙したんだな?」
「う・・うん・・。ごめんなさい・・。二人とも・・」
「ゴメンじゃねえぜ!ひでぇじゃんかよ!?俺もリッドも本当に病気だと思って心配したんだぜ!!」
ロイドは心底からの怒りを込めて怒鳴るように言う。
その剣幕に、キールもアシュトンも一瞬ビクッとしてしまう。
 「アシュトン・・。悪いけどキールと俺達だけにしてくれねえ?」
リッドの只ならぬ雰囲気に、アシュトンはギクリとする。
本気で怒っていると感じとったからだ。
 「ちょ、ちょっと待ってよ!き、気持ちはわかるけど!そ、そもそもキールをそそのかしたのは僕だからっ!!キールのことは許してあげてよっ!!」
二人の様子から何をしようとしているか察したアシュトンは、キールを庇おうとする。
 「アシュトン・・・。言う通りにしてくれねぇ?」
「そうはいかないよ!そもそも・・ロイド達が悪いんじゃないか!二人が喧嘩するからキールが板挟みになって困ってたんだよ!?それを考えてあげなよ!!」
アシュトンの言葉に、ロイドもリッドも、一瞬言葉に詰まってしまう。
 「そうは言ってもよ、騙すなんてないだろ?」
「そうだぜ。今日の事は幾ら何でもよ・・・怒るぜ、俺達だって」
今度はリッド達とアシュトンの雰囲気が怪しくなる。
下手をするとこのまま喧嘩になりそうだった。
「アシュトン、もう余計な真似はしなくていいさ」
「で・・でも・・・」
「余計なお世話はいいって言ってるだろう!リッド達とは僕一人で話をつけるさ」
アシュトンはなおもためらう。
リッド達の様子からすれば、二人からお仕置きをされるだろう。
そういう目には遭わせたくない。
それに、自分だけお仕置きから逃げるようなことになるのも、キールに対して申し訳なかった。
 「アシュトン・・。何マゴマゴしてるんだ?僕が自分一人じゃ話もつけられない情けないような奴だとでも思ってるのか?」
「そ・・そういう・・わけじゃ・・」
「だったらさっさと出て行ってくれ!お節介はもういいって言ってるだろうっっ!!」
キールにそう言われては仕方ないと、アシュトンはやむなく部屋を退散した。
 「全く・・どこまでお節介なんだ・・・」
自分を庇おうとしたアシュトンに、キールはそう思わずにはいられない。
(べ・・別に助けたわけじゃないさ!僕のせいで喧嘩やお仕置きにでもなったら後味が悪いだけさ!!)
自分に言い訳するように心の中でキールは言う。
 「ふん・・。これでいいか、二人とも?」
アシュトンを追い出し、一人になると、キールはロイド達と向き合う。
 「何か・・ちょっとひどくねえかよ?」
「出てってくれって言ったのは俺らだけどよ・・・」
「う、うるさいなぁっ!?ああでも言わなきゃ出て行かないだろうっっ!!そもそもリッドがアシュトンに出て行けとかいうからだろうっ!!」
自分のやり方を非難した二人に、思わずキールはそう言う。
 「そいつは悪かったけどよ、でもよ、ひでぇじゃんかよ。仮病使うなんてよ」
「そうだぜ!本当の病気だと思って心配したんだからな!!」
リッドもロイドも厳しい表情を浮かべながら、キールにそう言う。
 「ふん・・。二人が喧嘩なんかするから悪いんだろう?それより・・どうせ叩くつもりなんだろう?もったいつけないで、叩くんならさっさと叩いたらどうなんだ!?」
キールは睨み返しながら、そう言い返す。
 「そうかよ。それじゃあ俺達だって容赦しねえからな」
「リッド、どっちからやる?」
「あ~。どっちでもいいぜ。ロイドだってやるつもりなんだろう?」
「それじゃあジャンケンで決めようぜ」
ロイドはそういうと、リッドとジャンケンをする。
ロイドは勝つと、先にキールの元へとゆく。
 「キール、覚悟しろよな」
「そんな顔して僕が怖がるとでも思ってるのか?もったいなんてつけないでやるならさっさとやればいいだろう!」
いつもの態度なキールを尻目に、ロイドは慣れた手つきでキールを膝の上に乗せると、ローブを捲り上げ、下着を降ろしてお尻をあらわにする。
 「くぅ・・・・!!」
覚悟はしていても、いざお尻を出されると、やはり羞恥で顔を赤くしてしまう。
そんなキールを尻目に、ロイドは片手でしっかりと押さえると、もう一方の手をゆっくりと振り上げた。


 バアッシィィィ~~~~ンッッッッッ!!!
「く・・・!!」
強烈な平手の一撃に、思わずキールは顔を歪める。
(馬鹿ッ!何やってるんだ!恥ずかしい真似をするんじゃない!!)
思わず声を漏らした自分を叱咤し、キールは声を出すまいとする。
バンバンバンッ!バンバンバンッ!バンバンバンッ!
相当怒っているのだろう、ロイドは最初から容赦ない平手打ちを振り下ろす。
あっという間にお尻に赤い手形が幾つも浮かび上がり、重なり合ってゆく。
 バンバンバンッ!バンバンバンバンバンッ!バンバンバンバンバンバンバンバンッッ!!
お尻を叩く音が響く中、キールは口を一文字に引き結び、ベッドのシーツを掴んで耐える。
弾けるような音とともに、キールの表情が苦しげに歪むが、必死に声を押し殺していた。
 バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッ!!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッ!!
「ひでぇじゃんかよ!仮病使って騙すなんてよっっ!!」
本当に怒っているのだろう、感情的な声と共に、ロイドは平手を叩きつける。
 バンバンバンバンッッ!!バンバンバンバンッッ!!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッ!!
「俺もリッドも本当の病気だと思ったんだぜっっ!?ヤバイと思って必死に薬草取ってきたんだからなっっ!!」
怒りを込めてロイドはお尻を叩く。
もう既にキールのお尻は全体が満遍なく赤く染め上がっていた。
 「く・・ぅ・・っ・・くぅ・・・」
最初から怒り全開のお仕置きに、さすがに辛いのだろう、キールは苦痛の声を漏らし始める。
 バンバンバンバンッッ!!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッ!!
「それなのに・・嘘だなんてよ・・・マジでひでぇじゃんかよっっ!!」
ロイドはお尻を叩きながら、叫ぶように言う。
 「ふん・・・!元はといえば・・ロイド達が悪いんだろう!」
苦しげな表情を浮かべつつ、キールは振り返り、睨むような表情で言い返す。
「人を誘いに来るたびに喧嘩してるのは誰なんだ!?そのせいで僕がどれだけ迷惑したと思うんだ!?どっちか選べ!?馬鹿を言うな!!ロイドッ!?ジーニアスかゼロスのどちらかを選んでもう一人は切り捨てるなんて出来るのか!?え!?どうなんだ!?」
溜まっていたものを吐きだすかのように、キールは叫ぶ。
 「そ・・そいつは悪かったよ・・・。それは謝るって・・。でもだからって嘘ついて心配させるなんて・・それはヒデぇじゃんかよ?」
一旦お尻を叩く手を止めて謝りつつも、ロイドは尋ねる。
「そうだぜ。そりゃあ喧嘩して困らせた俺らだって悪いけどよ、心配させるようなことするのはねえだろう?」
リッドも、ロイドに力を貸すように尋ねる。
 「し、仕方ないだろう!二人が喧嘩するからだろうっ!?」
ロイド達の言葉に一瞬詰まりかけるも、素直にはなれず、ついそう言ってしまう。
「だからそうじゃねえって。心配させたりしたんだから、そのことは謝ってくれよ」
「そうだぜ。こういうときは『ごめんなさい』だろ、キール?」
二人の言葉に、キールは押し黙る。
 (た・・確かに・・嘘をついたのは僕だが・・・・)
やや不機嫌そうな表情で黙ったまま、キールはロイド達を見やる。
確かにキールにも非がある。
だが、元々二人のせいで、と思うとやはり素直に頭を下げるのは癪だった。
 「う・・うるさいっ!!そもそも二人が悪いんじゃないかッッ!!そっちこそ僕に謝れっ!!馬鹿あっっ!!」
謝るのが癪で、キールはそう言ってしまう。
 「そうかよ。じゃあ、俺らもまだ許してやらねえからな」
「なぁロイド、悪いけど続きは俺にさせてくれねえ?」
お仕置きを再開しようとしたロイドに、リッドがそう言う。
 「今日は俺も怒ってっからよ。俺にもやらせてくれね?」
「ああ。わかったぜ」
「おいっ!人を無視して勝手に話を進めるんじゃないっ!!」
抗議するキールだったが、二人がそれを聞くはずも無く、リッドに引き渡されてしまう。
 「今度は俺だぜ。覚悟してもらうからな?」
キールを膝の上に乗せると、リッドはそう宣告する。
「イチイチ言わなくたってわかってるさ!やるならさっさとやれって言ってるだろう!!」
キールはそう言うと、プイッと顔をそむける。
リッドは思わずため息をつくも、いつもとは違った真剣な表情になると、キールを押さえ、既に真っ赤なお尻目がけて手を振り下ろした。
 バッシィィィ~~~~ンッッッッ!!
「ぐぅ・・・!!」
既に嫌というほど叩かれたお尻には厳しすぎる一撃に、キールは思わず息が詰まりそうになる。
 バシッ!バアンッ!バンッ!ビダァンッ!バァンッ!!
「こん馬鹿ッ!?何だってあんな真似したんだよっっ!!」
バシバシとお尻を叩きながら、リッドはお説教を始める。
 「う・・うるさいなっ!?リッド達が悪いんだろうっ!?そっちが喧嘩なんかしなきゃ僕だってこんなことしなかったさっ!!」
バシッ!バンッ!ビダァンッ!バアアンッ!バンバンバンッ!!
真っ赤なお尻に容赦ない打撃が降り注ぐ中、キールはリッドに言い返す。
 「だからってあんなのはねえだろう!?そりゃ俺らだって悪かったよ・・。けどよ・・・!あんな風に嘘ついて・・騙すなんてヒデぇじゃんかよ!?本気で心配したんだぜ・・・!!」
バシッ!バシバシバシッ!バンバンバンッ!バンバンバンッッ!!
叩いているうちに、だんだん平手の勢いが強くなってくる。
 「く・・!し、仕方ないだろう!?ああでもしなきゃ・・喧嘩なんてやめないだろうっ!?二人ともっっ!!そっちこそ僕に迷惑かけたくせにっっ!!」
「だからそれは悪かったって言ってるじゃんかよ!俺達だって謝るから、キールも謝れって!」
「い・・嫌だっ!?二人のせいじゃないかっ!?謝るくらいならお尻が壊れた方がマシさっっ!!」
「キール?お前が素直じゃないのは知ってるけどよ、今日くらいは謝れって」
リッドはお尻を叩く勢いを弱めて言う。
 「嫌だって言ってるだろうっ!?何度言えばわかるんだっ!?リッドの馬鹿っ!!」
だが、キールは相変わらず反抗的な態度を取る。
「・・ったく・・仕方ねえなぁ・・。そんじゃ・・マジで泣かすからな」
長い付き合いで察しはしていたものの、こうも頑固だと、リッドはため息をつきたくなる。
だが、気を取り直すと、再び平手を振り下ろし始めた。
 バンッ!バンバンバンッ!バンバンバンバンッ!バンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッ!
「馬鹿ッ!やめろっ!やめないかーーっっ!!」
本気になったリッドのお仕置きに、キールは叫ぶ。
 「やめろって言ってるだろう!?本気で怒るからなッ!?うわっ!痛っ!痛いぃぃーーっっっ!!」
抗議し続けようとするキールだったが、やがて悲鳴に変わってゆく。
その後、肌を打つ音と悲鳴が長い間響き渡った。


 「ひっ・・ひぃぃん・・」
しゃくり上げるような声とともに、キールは目尻に涙を浮かべる。
お尻は今やワインレッドどころか、紅蓮に染め上がっていた。
 「痛・・痛ぁぁいぃぃ・・。も・・もう・・やだぁ・・・」
ロイドとリッドの二人からのたて続けのお仕置きに、さすがにプライドも限界なのだろう、キールは泣きながらそう言う。
 「キール・・まだ、足りねえかよ?足りないんなら・・もっとしてやろうか?」
だが、リッドは怖い顔になって、そう言う。
幼なじみなだけに、かなり薬を効かせないと、キールが降参しないのはよく知っていたからだ。
 「ひぃん・・!も・・もう・・やだあっ!!あ・・謝る・・!!謝る・・からぁ・・!!」
リッドの発言にさすがにキールも降参する。
「俺だけじゃねえだろう?ロイドにもちゃんと謝れって」
「わ・・わかってるさ・・!ろ、ロイドッ!ぼ、僕が悪かったっっ!!」
リッドの膝に乗せられたまま、キールはロイドにも謝る。
 「キール、もう俺らに嘘ついたりはしねえよな?」
「し・・しないさ!だ、だからもういいだろうっ!!」
キールは許して欲しくて必死に叫ぶ。
 「ロイド、どうだよ?」
「俺は構わないぜ。もう十分だろうし。リッドこそどうだよ?」
「ん~?俺ももういいぜ。っていうか・・これ以上やったら俺の手の方が痛えって・・・」
そんな会話と共に、ようやくお尻を叩く手が止まった。


 「くぅ・・・!!」
「わ、悪い?沁みたかよ?」
思わず顔を顰めたキールに、思わずロイドは声をかける。
 「こんな状態じゃ・・沁みるに決まってるだろう!叩きすぎだっ!二人とも!!」
これでもかと言わんばかりにお仕置きされたお尻を見せながら、キールは二人に文句を言う。
 「わ、悪い・・。でもよ、キールが頑固だからじゃんかよ・・・」
謝りつつも弁解するリッドを、キールはジッと睨みつける。
「元はといえば二人が喧嘩するからだろう?そのせいで僕がどれほど迷惑したと思ってるんだ?」
「そ・・それはマジ悪かったって!!」
「なぁ~。謝るから機嫌直してくれよ。もうロイドと喧嘩なんかしねえからよ!」
「俺ももうリッドと喧嘩なんかしねえって!だから許してくれって!!」
ロイドもリッドも必死になって謝る。
だが、お仕置きされて拗ねているキールは、中々機嫌を治さない。
 「謝ればいいってものじゃないだろう?二人とも今日は責任取ってずっと僕のそばにいないと承知しないからな!それと・・お尻が治るまでは僕の手伝いもしてもらうぞ!もちろんタダでな!」
「「ええ~っ!それはちょっとキツイぜ・・」」
二人して声がハモるが、キールはジロリと睨みつける。
 「ロイド・・リッド、誰のせいでこうなったんだ?」
「「ええと・・俺ら?」」
「そうだろう?だったらちゃんと責任取らないと、二人とも嫌いになるからな!!」
その言葉にロイドもリッドもショックを受けたような表情になる。
 「「わ、わかった!!俺らが悪かったからそれだけは勘弁してくれって!!」」
二人は必死に謝る。
恋人、親友、立場は違えどキールが好きなのは同じ。
それだけに嫌いになられるのは何よりも堪える。
 「ふん・・。今日はこの辺で勘弁してやるさ・・。それじゃあ僕は寝るが・・ちゃんと傍にいなきゃ怒るからな!!」
そういうと、キールはそのまま寝てしまう。
 「トホホ・・・。しばらく財布が辛いぜ・・」
「俺も・・最近はメシあんまり食えねえかも・・・」
タダ働きを約束させられ、ロイドもリッドも泣きたくなりそうだった。


 ―完―

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