注射とアクセサリー(SO2&テイルズより:スタン/カイル・セネル、共演パロ)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「あーんあーん、痛いよぉぉ・・お兄ちゃぁあん・・」
「よしよし。もう大丈夫だからね」
アシュトンは泣いているレオンを抱っこしながらそう言う。
 「うぅ・・。ひどいよぉぉ・・。注射なんてぇぇ・・。どうしてそんなことするのさぁぁぁぁ・・・」
泣きながら、レオンは恨めしげな声で言う。
先ほど、インフルエンザの予防注射を終えたところだった。
アシュトンはその付き添いである。
 「ごめんね、痛い思いさせて。でも、レオンのことが心配だからなんだよ。それだけはわかってくれる?」
申し訳ない表情を浮かべつつ、アシュトンはそう言う。
レオンに痛くて怖い思いをさせるのは本意ではない。
だが、病気で苦しむ姿を見るのも辛い。
クロードらとも相談の結果、ボーマンに予防接種してもらったのである。
 「だからってひどいよ!こんな思いさせて!今日はアシュトンお兄ちゃんところにお泊りだからね!もちろん寝るのも一緒だからね!!」
「わ・・わかったよ。そ、それで許してもらえるなら・・・」
「やったっ!お兄ちゃん大好き~!!」
レオンはそう言うとすっかり機嫌を治して抱きつく。
そんなレオンにアシュトンがほっとしたときだった。
 「やだぁぁ~~!!注射なんかいらないよ~~!!」
「そういうわけにもいかないだろう?お願いだからダダこねないでくれるかなぁ・・」
ジタバタ暴れるカイルを押さえながら、スタンが入って来た。
 「あれ・・?スタンじゃない、どうしたの?」
「あれ?アシュトンさんこそどうしたんです?」
お互い顔を見合わせ、スタンとアシュトンは互いに尋ねる。
 「僕はレオンに予防注射受けさせたところだよ。スタンは?」
「俺もです。カイルにインフルエンザの予防注射受けさせに来たんですよ」
「そうだったんだ。奇遇だね」
「そうですね。さぁ、カイル、行こう」
「ヤダヤダッ!何で注射なんかしなきゃいけないのさっ!!健康だからいらないよっ!!」
あくまでもカイルは注射を拒否しようとする。
 「カイル、健康だからって病気にならない保証はないんだよ?もしなっちゃったら凄く苦しい思いをするのはカイルなんだよ。お願いだから受けてくれないかな?」
「や・・やだってば~~!!」
『こら、カイル、いい加減にせんか!お前はスタンを困らせたいのか?』
ダダをこねるカイルに、見かねてディムロスが言い聞かせる。
 「そ・・そういう・・わけじゃ・・・」
『カイル、お前が注射を受けねばスタンが困るのだぞ?それでもよいのか?それに、注射が怖くてスタンの力になれるか!もっとしゃきっとせんか!!』
「わ・・わかったよ・・。そ・・そこまで・・言うなら・・」
大好きな父親を困らせることになる、というディムロスの言葉に、ようやくカイルも折れる。
 「カイルさーん、どうぞー」
『さぁ!行ってくるのだ!ここが踏ん張りどころだぞ!!』
「わ・・わかってるよぉぉ・・。うぅう・・・」
スタッフが呼んでいるのと、ディムロスの言葉にカイルは諦めたように診察室へ入ってゆく。
 「ちょっと・・かわいそうだったかなぁ・・?」
打ちひしがれたようなカイルに、スタンは思わず罪悪感が沸く。
『何を言っているのだ!?スタン、お前のやっていることは正しいぞ?カイルが病気で苦しむことになってもよいのか?』
「そ・・そんなわけないだろう!」
『だったらもっとしゃきっとせんか!!お前はいつもカイルに甘すぎるぞ!!』
「そういうなよぉ・・。トホホ・・また・・怒られちゃったよ・・・・」
ディムロスに叱られ、思わずスタンがシュンとなったそのときだった。
 突然、診察室の方から凄まじい物音が聞こえてきた。
「うわっ!!な、何っ!?」
「何なのっ!?」
思わずスタンもアシュトンも、診察室の方を振り向く。
直後、ドアが木っ端みじんに吹っ飛んだ。
 「やっぱりやだ~~~!!!怖いよ~~~!!!」
そう叫びながら、カイルが剣を振りまわし、診療所を飛び出してしまった。
「カイルッ!?どこ行くんだいっ!?」
「痛たたた・・・エライ目に遭った・・・」
スタンが思わず追いかけようとしたところへ、ボーマンが出てくる。
ボーマンの服のあちこちに剣で切られた跡がついていた。
 「うわ・・!?どうしたの!?」
思わずアシュトンは驚いて声をかける。
「いやな、注射しようとしたら、怖がって剣振り回して暴れ出してな。取り押さえようとしたんだが・・痛ててて・・」
「ええ!?そんなことを・・!!ほ、本当にすみませんっっ!!」
息子の仕出かした不始末にスタンは必死に謝る。
 「ん~?まぁ別にいいさ。それより、悪いけど注射は別の日にしてくれるか?色々片付けとかしないとな」
「あ、はい。本当にすいません・・うちの子が・・・。ちゃんと後で言い聞かせるんで・・」
スタンはボーマンに平謝りに謝る。
 「まぁそれより今は片付けないとだな」
「すいません、俺も手伝います」
「いいって。お前さんはカイルを追いかけな」
「え・・でも・・」
ボーマンの言葉にスタンは躊躇う。
カイルの事は気になる。
しかし、息子の不始末の後始末をしないわけにもいかない。
 「スタン、ここは僕達に任せておいてよ。スタンはカイルを追いかけてよ」
「そ、そうですか?じゃ、じゃあすみません、お言葉に甘えて」
「レオン、悪いけど手伝ってくれる?」
「いいよ、アシュトンお兄ちゃんの頼みだからね」
話が決まると、スタンはカイルを追って外へ飛び出す。
アシュトン達はボーマンを手伝って後片付けを始めた。


 (ど・・どうしよう・・・。つい逃げ出しちゃったけど・・・)
通りを歩きながら、カイルは困っていた。
走っているときは無我夢中だったが、落ち着きを取り戻せば、怒られても文句が言えないことをしてしまったことに気づく。
 (俺の馬鹿ッ!?ボーマンさんに斬りつけちゃうし・・・。色々道具は壊しちゃうし・・)
逃げるときにやらかしたことを思い出し、カイルは目の前が暗くなる。
(ちゃんと後で『ごめんなさい』しなきゃ・・。あ・・!?でもそうしたら・・間違いなく・・お尻・・・!!)
無意識のうちにカイルはお尻を押さえる。
スタンを始め、色々と他人に迷惑をかけることをしてしまった。
ここで帰ったら、間違いなくスタンからお尻を叩かれる。
 (そ・・それに・・今度こそ絶対に注射されちゃうよ!?それも・・ヤダよ~~~~~!!)
お尻を叩かれた上に注射までされたら泣くに泣けない。
(で・・でも・・帰らないってワケにもいかないし・・・!!でも・・帰ったら・・!!)
帰ればお尻を叩かれる、でも帰らないでいればスタンが心配する。
二進も三進もいかない状況に、カイルが悩んでいたときだった。
 突然、ドンッとカイルはぶつかり、反動で尻餅をついてしまう。
「痛たたた・・・ってあれ?セネルさん?」
尻餅をついたまま、カイルは目の前のセネルに声をかける。
 「ご、ごめんなさい、大丈夫?」
「いや、俺は平気だ」
カイルはぶつかったことを謝る。
 「あれ?そういえば何してたの?」
「ああ。実は遅ればせながら妹へのクリスマスプレゼントにアクセサリーをな・・ん?」
「ど、どうしたの?そ、そんな怖い顔して?」
不意に怖い顔になったセネルに、カイルは怪訝な表情を浮かべ、セネルの視線を追う。
すると、ラッピングされた包みがお尻の下で見事に潰れていることに気づいた。
 「カイル・・!!」
「うわわっ!!ごめんなさいっ!!わざとじゃないよっ!!」
慌てて謝るカイルだったが、セネルの怒りは収まらない。
 「それでも許せるかっっ!!魔神拳っっ!!」
拳を振るって飛ばしてきた衝撃波をカイルはかわすと、必死に逃げ出す。
「待てっ!?逃がすかっ!!」
怒りに燃えるセネルは、逃げ出したカイルを阿修羅のごとき勢いで追いはじめた。


 「どこに行ったのかなぁ・・?カイルーッ!!」
スタンは通りを進みながら、カイルを探す。
「まだそんな時間経ってないから街にいるだろうけど・・ん?」
不意にスタンは喧嘩でもしているかのような物音に気づく。
思わずスタンは音のする方へと走り出していた。
 「うわ・・!?何だよこれ・・!!」
スタンは思わず声を上げる。
標識や建物の壁などに破壊の跡が著しかったからだ。
 「一体何が・・うわっ!!」
こちらめがけて飛んできた衝撃波をとっさに飛び退いてスタンはかわす。
「あれ・・?魔神剣だよな?」
『誰かが喧嘩でもしているのかもしれん』
「そりゃ大変だ!止めなくちゃ!!」
『む・・?スタンッ!!見てみろ!!』
「え・・!?嘘っ!?」
ディムロスの呼びかけに振り向いたスタンは驚く。
凄まじい形相のセネルが、カイルを追いまわし攻撃しているからだ。
 「ごめんなさいっっ!!わざとじゃないよっっ!!お願いだから許してよーーーっっっ!!!」
「黙れっっ!!絶対に許せるかっっ!!迫撃掌っっ!!」
セネルはカイルに技を叩き込んでダウンさせる。
そしてお得意の投げ技へと繋ごうとしたときだった。
 「魔神剣っっ!!」
「ぐ・・!!」
カイルを投げ飛ばそうとしたところへ、脇から魔神剣をぶつけられ、セネルはのけ反る。
そこへ駆けつけたスタンが押さえつけた。
 「何をするんだっ!?離せっ!!」
「離せじゃないよ。セネル、周りをよく見てみなよ!!」
「何・・?はっ・・・!!」
スタンの言葉にセネルは周囲を見回す。
ようやく、セネルの目にも自分が壊してしまった標識や建物の壁が見えてくる。
 「す・・すまない・・。つい・・カッとなって・・・」
頭の冷えたセネルはスタンに謝る。
「カッとなってじゃないよ。カイル、大丈夫かい?」
「う・・うん・・。ありがとう、父さん」
「いいんだよ。それより・・・警察に行くよ。いいね?」
こんなことをした以上、そうしないわけにはいかない。
セネルがうな垂れる中、騒ぎを聞きつけた街の守備兵達が駆けつけてきた。


 「セネルさん・・・大丈夫かなぁ?」
「ど・・どうだろうな・・?」
カイルとセネルは、不安げな表情で呟く。
スタン達が色々と後の処理をしているなか、二人はギルド会館の空いている部屋で、スタンを待ちつつ反省タイム中だった。
 「ご・・ごめんなさい・・。俺がプレゼント壊しちゃったばっかりに・・」
「いや、俺こそカッとなってすまなかった。妹のことになると・・・ついな・・・・」
お互いに二人は相手に謝る。
そのとき、不意にドアが軋むような音がした。
 思わず振り向くと、スタンの姿。
「と・・父さん・・」
「ス・・スタン・・・」
スタンの姿に、二人とも緊張した表情になる。
 「ちゃんと待ってたかい、二人とも?」
「う・・うん・・」
「スタン・・ど・・どうなったんだ・・?」
恐る恐る頷くカイルに、セネルは後の事を尋ねる。
 「幸い怪我人もいなかったし、壊したものはギルドの方で立て替えてくれることになったよ。その分セネルの報酬からしばらくは引くけどね」
「そ・・そうか・・・」
ホッとするセネルに、スタンは厳しい表情を浮かべる。
 「そうか・・じゃないよ、セネル?ダメじゃないか。カッとなって人に暴力を振るったり、物を壊したりしたら。どれだけ皆に迷惑や心配をかけたと思ってるんだい?」
「す・・すまない・・・」
「謝ればいいってものじゃないよ?セネル、俺、怒ってるからね」
そういうと、スタンはセネルを掴まえ、引き寄せる。
気づいた時には、セネルはベッドの縁に腰かけたスタンの膝にうつ伏せにされていた。
 「ま、待てっ!?待ってくれスタンッ!!」
お尻を出そうとしているスタンに、セネルは慌てる。
「何だい?」
「ま・・まさかまた尻叩きなのかっ!?そ、それだけはやめてくれっ!!」
「ダメだよ、セネルが悪い子だったからだろう?」
「だからっていつもどうして尻叩きなんだっ!!やめてくれっ!!」
恥ずかしさに抗議するセネルだったが、スタンが聞くはずもない。
スタンは片手でセネルの身体を押さえると、ゆっくりともう一方の手を振り上げる。
そしてむき出しにされたお尻目がけて振り下ろした。


 ビッダァァァ~~~~ンッッッッ!!!
「く・・・!!」
力強い平手の一撃に、思わずセネルは声を漏らす。
 パシィ~ンッ!パアアンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パアンッ!
「く・・!お・・おいっ!やめろっ・・!やめてくれっっ!!」
お尻を叩かれながら、セネルは必死に叫ぶ。
 「何言ってるんだい?セネルが悪い子だったから叱られてるんだろう?わからないのかい?」
パシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パアッア~ンッ!パアッシィ~ンッ!ピッシャ~ンッ!パアッアア~ンッ!
お尻を叩きながら、スタンはお説教を始める。
 「そ・・それは・・わかってる・・!!ほ・・本当に・・悪かった・・!!で・・でも・・だからって・・どうしていつも尻叩きなんだっ!!いい加減にしてくれっっ!!」
セネルは思わず不満をぶちまけるように言う。
 確かに自分が悪い。
怒られても仕方のないことをした、それはわかっている。
だが、セネルだって年頃の男の子。
小さい子供のようにお尻をぶたれてお仕置きだなんて、あまりにも恥ずかしいし、情けなくてたまらない。
そう思うと、つい反抗的になってしまう。
 「セネル、いつも言ってるじゃないか。こっちでは悪い子はお仕置きだよって?」
「うるさいっ!!だからってどうしていつも尻叩きなんだっ!!俺は子供じゃないっ!!馬鹿にしてるのかっっ!!」
「セネル、年下の子供にカッとなって暴力振るうのが大人のすることかい?それじゃあ子供と同じじゃないか?」
「く・・・!!し・・仕方ないだろう・・!!シャーリィへの・・クリスマスプレゼントだったんだ・・・!!」
セネルは思わず叫ぶ。
 「セネル、妹が可愛いっていう気持ちはわかるよ。俺だって息子のカイルの事が可愛いよ。だから妹さんへのプレゼントを壊されたセネルの気持ちもわからなくはないよ。でも、だからってあんなことしたらダメじゃないか?皆に迷惑かかるし、心配だってかけるだろう?」
「ぐ・・!!だ・・だからってコレはないだろうっ!!息子が殴られそうになったから私怨入れてるんじゃないのかっっ!!??」
スタンの言うことは分かるものの、やはり恥ずかしさが先立ってついそんな態度になってしまう。
 「セネル・・本気で言ってるのかい?」
強情なセネルの態度に、さすがにスタンも表情が険しくなる。
「だ・・だったら何だっ!?スタンこそいい加減にしてくれッ!!俺だって本気で怒るからなっ!!」
「もう・・仕方ないなぁ・・。俺も怒ったからね」
スタンはそういうと、膝を組む。
そして再び手を振り上げたかと思うと、思い切り振り下ろした。
 ビッダァァァァ~~~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~!!!!!!
「うっ・・うわあああああああ!!!!!」
激しい平手打ちの嵐にセネルは絶叫する。
 バアッジィィィィィ~~~~~ンッッッッ!!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~ッッッッ!!!!
「ひぃぃぃ!!痛っ!!痛ぁぁぁいいいぃぃ!!や・・やめっ・・!!やめてくれっ!!俺が悪かったっっ!!謝るっ!!謝るからっ!!うわぁぁぁぁ!!!!」
さすがに容赦のないお仕置きにセネルも降参する。
 「ダメだよ、俺怒ってるって言ったよね?もうしばらくこのままだよ」
「そ・・そんなっっ!!うわぁああああ!!!!痛いぃぃぃぃ!!!!!やめてくれぇぇぇ!!!!!!」
セネルが必死に謝り、泣き叫ぶ声とともに、激しい平手打ちの音が鳴り響き続けた。


 「ひっ・・!!ひっひぃん・・!!ひぃぃぃん・・・・!!」
ボロボロと涙を零してセネルは泣いていた。
お尻は今や熟れすぎたトマトのようになってしまっている。
 「やめ・・!!やめて・・くれ・・!!お・・俺が・・悪かった・・からぁぁ・・!!」
恥ずかしさもプライドもかなぐり捨て、セネルは必死に許しを乞う。
「セネル・・。反省したかい?」
一旦お尻を叩く手を止めて、スタンは尋ねる。
 「した・・したからっ!!お・・俺が・・悪かった・・!!だ・・だから・・」
「じゃあもうカッとなって人に暴力振るったりしないね?」
「し・・しない・・!!約束する・・!!」
「よかった。わかってくれて」
そういうと、スタンはセネルを抱き起こし、膝に座らせたかと思うと、しっかりと抱きしめた。
 「うわっ!?スタンッ!?何するんだっ!!」
いきなり抱きしめられ、セネルは思わず叫ぶ。
 「よかったよ・・・。お給料から天引きとか・・俺にお尻叩かれるくらいで・・・・済んで・・・・」
抱きしめるスタンの身体が無意識に震えていることにセネルは気づく。
 「スタン・・?」
「よかったよ・・警察沙汰とかにならずに済んで・・・。そうなったら・・牢屋だよ?そんなことになったら・・俺達だって悲しいし・・何より・・故郷の妹さんが辛い思いや悲しい思いをするだろう?」
「!!!!」
スタンの言葉に、セネルはようやくそのことに思い至る。
 「そ・・そうだな・・。俺が・・こんなことをすれば・・シャーリィを泣かせるな・・・」
「そうだよ。セネル、妹さんが可愛い気持ちはわかるよ。でも、だからってカッとなって暴力をふるっちゃダメだよ?」
「ああ・・。すまなかった・・」
「いいんだよ。わかってくれれば」
「もう終わったかよ?」
話が済みそうになったところで、チェスターが現れる。
 「チェスター、ちょうどよかった。セネルを頼めるかい?」
「ああ。最初からそのつもりだって」
「それじゃあ頼むよ。カイルも叱らなきゃだから」
「わかってるって」
そういうと、チェスターはセネルを支えて医務室へ連れてゆく。
 「さてと・・・カイル・・」
「う・・な・・何・・・」
父親にジッと見つめられ、カイルはたじたじとなる。
 「自分が悪い子だったのはわかってるよね?さぁ、おいで」
「や・・やだっっ!!」
カイルはそう叫んで後ずさる。
 「やだじゃないだろう?さぁ、おいで」
「だ、だって絶対にお尻叩くじゃないかっ!!やだよっ!!」
そういうと、カイルは逃げようとする。
 「あっ!!こらっ!どこに行くんだいっ!!」
逃げようとするカイルを、スタンは急いで捕まえる。
「やだやだっ!?離してよ~~~!!!」
「離してよじゃないだろう?まったく・・・」
ため息をつきながら、スタンは息子を膝の上にうつ伏せにし、お尻を出す。
 「やーだーーっっ!!離してってば~~~!!!!」
この期に及んでもカイルは往生際悪く暴れている。
そんなカイルを押さえつつ、スタンは手を振り上げた。


 バッシィィィ~~~~ンッッッッ!!!
「うわぁあああんっっ!!痛ぁぁいいっっ!!」
思い切り叩かれ、カイルは悲鳴を上げる。
 パアアンッ!パシィンッ!ピシャンッ!パッチィンッ!
「ちょ、ちょっとっ!!痛いってばっ!!父さんっ!!」
「当たり前じゃないか、お仕置きなんだから。ちゃんと反省するんだよ」
抗議する息子に、スタンはそう言いながらお尻を叩き続ける。
 ピシャンッ!パアアンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「カイル、ダメじゃないか。暴れて物を壊しちゃったり、ボーマンさんに斬りつけたりなんかして・・・」
お尻を叩きながら、スタンはお説教をする。
 ピシャンッ!パアアアンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!
「だ・・だって・・!!注射嫌だし・怖いんだもんっ!!」
「だからってあんなことしちゃダメだろう?幸いボーマンさん、子供のしたことだからっって許してくれたけど・・・下手したら警察沙汰なんだよ?わかってるのかい?」
ピシャンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!パアシィンッ!ピシャンッ!パアアンッ!
「ひぃん・・!!だ・・だってぇ・・・」
「だってじゃないだろう?ちゃんと反省してるのかい?」
「う・・うるさいなあっ!!そもそも父さんが悪いんじゃないかっ!!」
厳しいことを言う父に思わずカイルはムッとなり、反論する。
 「そうだよっ!!元はといえば父さんが俺に無理やり注射なんかさせようっていうのが悪いんじゃないかっ!!何だってあんな痛くて怖いことさせるのさっ!!ひどいよっ!!父さんが注射になんか連れてかなきゃ俺だってあんなことしなかったよっ!!なのに何で俺が怒られなきゃいけないのさっ!!父さんこそ謝ってよっ!!」
「カイル・・本気で言ってるのかい?」
カイルの抗議に、スタンもさすがに厳しい表情になる。
 「だ・・だったら何さッ!!父さんの意地悪っ!!」
「カイル、いい加減にしないかい?俺もさすがに怒るよ?」
「それはこっちの台詞だよっ!!父さんこそ謝ってよっ!!俺悪くないよっ!!」
「仕方ないなぁ・・・」
ため息をつくと、スタンはセネルにしたように、膝を組む。
 「うわあああっっ!!ちょっと待ってってばっっ!!」
「ダメだよ。悪い子だったのに全然反省してないからね。そんな子は俺、許さないからね」
そういうと、スタンは再び手を振り下ろす。
ビッダァァァァ~~~~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~~~ッッッッッ!!!!!
「うっわぁぁぁぁぁ~~~んっっっっっ!!!!」
凄まじい平手の嵐にカイルは絶叫する。
 バアッジィィィィ~~~~~~ンッッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~~~!!!!!
「うわぁあああんん!!!痛い痛い痛い痛い痛いよ~~~~っっっ!!!父さんっ!!お願いだからやめてぇぇぇ!!ちゃんと『ごめんなさい』するからぁぁぁ!!!」
「ダメだよ、ちょっと今日は悪い子過ぎたからね。セネルみたいに厳しくするよ」
「そ・・そんなぁぁぁ!!うわあああ~~~~んんんっっっ!!!!」
悲鳴を上げるカイルを尻目に、お尻を叩く音が長い長い間、続いていた。


 「うわぁぁぁん・・・痛いよぉぉ・・・。お尻・・熱いよぉぉぉ・・・」
全身を震わせながら、カイルは泣いていた。
お尻は満遍なく真っ赤に染め上がり、表面は火が燃え盛っているように熱い。
 「カイル・・。痛いかい?」
「痛いなんて・・もんじゃないよぉぉ・・・!!お尻・・熱くて・・痛くて・・死んじゃうよぉぉぉ・・・・!!」
「そうだよね、痛いよね。でもカイル、病気になったらこんなもんじゃないんだよ?」
「う・・え?」
スタンはお尻を叩く手を止め、息子を抱き起こして向き合う。
 「カイル、病気になったらもっと痛い思いをするんだよ?それに・・病気で苦しんでるカイルを見てると・・俺もリオンも凄く苦しくてたまらなくなるんだよ。わかるかい?カイル、確かに痛くて怖い思いさせてごめんよ。でも、そんな思いさせてでも、カイルを病気からちゃんと守ってあげたいんだ。俺がどんなに強くても、剣じゃ病気はやっつけられないからさ」
「う・・ご・・ごめん・・なさい・・」
「それにカイル、こんな痛い思いするのは嫌だろう?自分が嫌なことはワザとじゃなくても、人にしちゃいけないよ。ボーマンさんだってきっと痛かったはずだよ?」
「そ・・そうだよね・・。あとで・・ちゃんと『ごめんなさい』しないと・・」
「わかってくれればいいんだよ。カイル、ちゃんと今度は注射できるよね?」
「う・・うん・・。こ・・怖いけど・・・」
それをきくと、ようやくスタンの表情が和らいだ。


 後日・・・。
「よーし、じゃあいくからな」
注射器を手にしたボーマンがそう声をかける。
 「と・・父さぁん・・・」
「大丈夫だよ、俺がついてるから」
今にも泣きそうなカイルを、抱っこしたままスタンは声をかける。
父親にしっかりと抱きしめられながら、カイルは針の苦痛を必死に耐えていた。


 ―完―

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