チョコ騒動(SO2&テイルズより:ルシ/アシュ、共演パロ・BL)



(ルシアシュ悪魔&神父パロをベースにしたSO2&テイルズ共演パロです。BLありです。許容出来る方のみご覧下さい)


 「ハァァァァ・・疲れたぁぁ・・」
「お・・俺も・・」
「ぼ・・僕も・・・」
アシュトン、ロイド、ジーニアスは力尽きた声で呟くと、椅子に力なく座り込む。
キッチンにはズラリと、大量のチョコレートが並べられていた。
全て三人が先ほどまで造っていたものだ。
 「もうすぐバレンタインだから仕方ねえんだろうけどよぉ、下手なクエストより疲れるぜぇ」
「そうだよねぇ。モンスター相手に戦ってる方が、まだ体力的に楽かも・・」
「僕も疲れたよぉぉぉ・・・・・」
先ほどまで造っていたチョコの山を見やりながら、ぐったりした様子で呟く。
 もうすぐバレンタインの時期。
この世界でも女性が好きな相手にチョコを贈るという習慣があるらしく、お菓子屋などはこの時期は掻き入れ時だけに大忙し。
自分達だけでは手が足りず、ギルドへヘルプ依頼を出す店も多い。
 そして好きな相手へのチョコを用意したいが自分では造る自信が無い女性らからの依頼も多いのである。
アシュトン達は料理上手なため、ギルドに寄せられたそういう依頼に追われているのだった。
 「大丈夫ですか?精も根も尽き果てたという感じのようですね」
ぐったりしている三人に、様子を見に来たナールがそう言う。
「もう・・ヘトヘトだぜ・・」
「お疲れ様です。あなた方はゆっくり休んで下さい。後は我々の方でやりますので」
ナールがそういうと、アシュトン達以外のギルドメンバーがチョコを運び出す。
今度は包装・発送作業。
それは他のメンバー達が担当していた。
 「それじゃあ悪いけど俺達は一休みさせてもらうぜ、ナールさん」
「ええ。構いませんよ、お疲れ様でした」
ナールにそう言い置き、ロイドとジーニアスは自分達の部屋へと引き上げる。
 「アシュトンさんも疲れたでしょう?どうぞ休んで下さい」
「すいません、あの、お願いがあるんですけど・・・」
「何ですか?」
「あの、もう厨房もチョコの材料も使わないですよね?」
「ええ。チョコ制作の依頼はこれで全てですから」
「あの・・。余った原料と厨房使わせてもらってもいいですか?」
「構いませんよ。もしかして・・プレゼントですか?」
「ええ・・。あ、あの・・ルシフェルに・・・」
恥ずかしそうにアシュトンは答える。
 「わかりました。余った材料を捨てるのももったいないですし、どうぞご自由にして下さい」
「ありがとうございます。すいません、何から何まで」
「いいのですよ。では、私はこれで」
ナールはそういうと、厨房から引き上げる。
 「さてと・・せっかくああ言ってもらえたんだから・・頑張らないとね」
気力を奮い起し、アシュトンは立ち上がると、先ほどまで使っていた調理器具を手にした。


 「これで・・いいかな・・・」
アシュトンは造り上げたチョコを見つめながら、そう呟く。
出来あがったものは、教会をイメージした箱の中に、アシュトンとルシフェルの形のチョコが鎮座している。
二人を象ったチョコは無論、入っている箱自体もが、全てチョコレートで造られたものだった。
愛しい相手へのプレゼント、せっかくだから凝りに凝ったものを送りたい。
そう考えたのである。
 「ホッとしたけど・・疲れたなぁ・・。さすがに・・休もうっと」
無事完成して安堵すると同時に、さすがに疲れを覚えたアシュトンは、チョコに布をかけておくと、厨房を後にした。
 それからしばらく経った時刻・・。
「ふぁぁ・・。腹減ったなぁ」
「こら!?何言ってるんだ!?昼ならもう食べただろう!?」
空腹を訴えるリッドに、キールがそう言う。
 「でもよぉ、クエスト帰りで腹減ったんだよぉ。いいじゃん、少しくれえよ」
「何言ってるんだ!リッドの少しは全然少しじゃないだろう!?腹が減ったって言ってはバクバク食べてたら、メタボどころじゃないだろう!!」
リッドの食事管理もしているからか、キールは厳しいことを言う。
 「でもよ・・・」
「でももストもないだろう!夕飯までは水くらいしかダメだからな!ただでさえ普段の三食でさえリッドは食べすぎなんだぞ!?食事と運動のメニューを考える身にもなったらどうなんだ!?」
「わ・・わかったって・・トホホ・・・」
間食などもっての外だとキールに言われてしまい、リッドは落ち込む。
「全く・・本当に食い意地ばっかりだな・・・」
リッドの姿に、キールはため息をつかずにはいられなかった。
 (ああは言ったけどよ・・・・)
リッドはキールの目を盗んで、こっそりギルド会館を徘徊していた。
食べ物を求めてだ。
(キールのいいてえこともわかるけどよ、でも我慢出来ねえんだって)
常人離れした食欲が、リッドを突き動かし、食べ物を求めさせる。
そのうちに厨房の近くを通りかかり、ふとリッドは食べ物の匂いを察知する。
 (ここかよ!?)
リッドは一も二も無く厨房へ飛び込む。
同時に、布に包まれた皿を見つける。
布を取るや、アシュトンが制作した特製チョコレートが現れた。
 (う・・うまそう!?でも・・待てよ?これ・・アシュトンのだよな、多分?)
非常に手の込んだ繊細かつ緻密な造り、箱の中身のチョコレート人形からして、容易に造り手と、何のためのものかが想像できる。
 (ヤバイよな・・さすがに・・)
理性と良心が働き、一旦は厨房を出て行こうとする。
幾ら腹が減っているとはいえ、友人が愛しい相手のために造った品を食べるわけにはいかない。
 だが、チョコの良い香りが、リッドの鼻をつき、否応なしに食欲を刺激する。
(馬鹿!馬鹿ッ!やめろよっ!それだけはヤバイって!!)
必死に理性を働かせようとするリッドだが、身体は言うことを聞かない。
踵を返し、チョコの元へと戻ってきたリッドはチョコを取り上げる。
 (ダメだ!ダメだダメだダメだダメだって!!アシュトンのだぜ!?)
必死に自分にブレーキをかけようとするが、もはや止まらない。
リッドはアシュトンのチョコレート人形を取り上げ、震える手で口に運ぶ。
一口かじるや、言葉では言い表せない旨みが口中に広がる。
その味に、僅かに残っていた理性・良心とも崩壊してしまう。
あっという間にリッドはルシフェル型のチョコ人形も、チョコ人形が入っていた教会型の箱型チョコも全て平らげてしまった。
 「や・・やっちまった・・・!!」
さすがのリッドも顔色が青ざめる。
(どうしたら・・どうしたらいいんだよ!?)
普段は自分の食欲のことなど気にしたことも無いが、今回だけはさすがに違った。
チョコが非常に手の込んだ、手間と労力を惜しまない芸術品といってもいい出来なのは素人目にもわかる。
作った相手への愛情がわかろうというものだ。
それを自分が食欲に負けて食べてしまった。
 大切な人のために一生懸命作ったものを、他人に食べられてしまう。
その悔しさ、悲しさを想像すればどれほどだろう。
(あ、謝んねえと!?で、でも・・ど・・どうやって・・!?)
リッドが必死に頭を振り絞って考え始めたそのときだった。
 「あれ?リッド?こんなところで何してるの?」
「あ、ああアシュトンッ!?い、いやそのあの・・・・」
突然現れたアシュトンにリッドは混乱し、しどろもどろになってしまう。
 「あれ?リッド?口に何かつ・・・!!」
リッドの口元についていたチョコのかす、そして綺麗に空になった皿に、アシュトンは事態を察する。
 「あ、あああアシュトンッ!?わ、わわわざとじゃねえって!?ゴ、ゴメ・・」
「リッド・・・」
アシュトンは静かに呟いたかと思うと、愛用の双剣を取り出す。
身の危険を感じたリッドは、脱兎のごとき勢いで逃げ出す。
それを追ってアシュトンも厨房を飛び出した。


 「ふぅぅ・・さすがに寒いなぁ・・」
「そうだな。気をつけないと風邪を引くかもな」
市内を巡回していたクロードとガイは、寒風に思わずそんなことを言う。
「最近はタチの悪い風邪が流行してるみたいだからな、ルーク達にもよく気をつけるように言っておかないとな」
「そうだね、僕もレオンに・・」
見回りをしながらそんな話をしていると、剣が激しくぶつかり合うような音が聞こえてくる。
すぐさま二人の表情が変わり、音のした方へ駆け出した。
 「だぁぁぁ!!勘弁してくれよっ!!俺が悪かったからーー!!」
「何言ってるのさっ!!ひどいよっ!!必死に・・作ったやつだったのに・・!!ハリケーンスラッシュッッ!!」
「うわあっ!!」
アシュトンが起こした竜巻で、リッドは吹っ飛ばされてしまう。
 「リッドッ!?どうしたんだっ!!」
まさかの事態に、ガイも思わず声を上げる。
「ガイッ!クロードッ!じ、実はよ・・・」
リッドはアシュトンがプレゼント用に作ったチョコを自分が食べてしまったことを話す。
 「何をしてるんだ・・。全く・・」
「しょ、しょうがねえだろ!は、腹減・・うわああ!!」
普段とはガラリと変わった猛攻に、リッドは吹っ飛ばされてしまう。
 「待てっ!アシュトンッ!落ち着くんだっ!!」
このままではマズイと、ガイは止めに入る。
「ガイ・・!!どいてくれない?」
「そういうわけにはいかない。怒る気持ちも無理は無いが・・・」
「だけど・・どうしても許せないんだ・・。リッドを渡してくれないなら・・腕づくでも渡してもらうからね!!」
「仕方ない・・。クロード、リッドを頼む」
「わかった。ごめん、ガイ」
「いいんだ。親友同士で戦わせるわけにはいかないからな」
自分の事を気遣ってくれたガイに謝りつつ、クロードはリッドを連れてその場を離れる。
追おうとするアシュトンの前に、剣を構えたガイが立ちはだかった。


 「ただいまっ!帰ったぞっ!!」
ルシフェルは帰って来るなり、いつものように声を上げる。
だが、アシュトンからの返事は無い。
 「おかしい・・。もしやクエストにでも出かけているのか?」
普段だったらいるはずなのに、とルシフェルは首を傾げる。
「あっ!虐待魔っ!!やっと帰ってきたの!?」
「誰が虐待魔だ!?小僧っ!!」
駆け込むようにやって来るなり、失礼な呼び方をするレオンに、ルシフェルはカッとなる。
 「何の用だ!?またアシュトンにちょっかいを出しに来たのか!?」
アシュトン絡みで色々と因縁があるせいか、ルシフェルは露骨に敵意をむき出しにする。
「違うよっ!?アシュトンお兄ちゃんが大変なんだよっ!?」
「何ぃぃ!?どういうことだ!?」
「とにかく来てよっ!?」
「く・・!仕方ない・・!!」
レオンの言う通りにするのは癪だが、アシュトンが何か大変なことになっていると聞けば、話は別だ。
ルシフェルはレオンと共に教会を後にした。
 「ハァ・・ハァ・・ハァ・・・」
ガイは荒い息を吐く。
アシュトンの猛攻で、身体のあちこちに傷を負っていた。
 「ガイ・・。降参してくれないかな?僕もこれ以上はやりたくないよ・・」
「そうはいかないな・・。アシュトン、リッドを傷つけさせるわけにはいかない。だから、食い止めさせてもらう」
「わかった。じゃあ、僕も手加減しないよ。ハリケーンスラッシュ!!」
あくまでも邪魔をするというガイに、アシュトンも竜巻を起こして攻めたてる。
今にも竜巻がガイを巻き込むかと思ったその時だった。
 突然、竜巻の前に黒い影が割って入り、吹っ飛ばされる。
「ルシフェルッッ!!」
ガイの代わりに吹っ飛ばされたルシフェルの姿に、アシュトンは慌てる。
 「だ、大丈夫?ご、ごめん・・」
「これくらい何ともないわ・・!!それより・・アシュトンこそ何をしておるっ!!」
「ご、ごめん・・!!い、今ボーマンさんのところ連れてくからっ!!」
アシュトンはそう言うと、急いでルシフェルを診療所へと連れていった。
 「やれやれ・・。助かったな・・・」
身体のあちこちに残る痛みに顔を顰めつつも、ガイは安堵のため息をつく。
「俺も・・医者に行かないとな・・」
そう呟くと、ガイも診療所へと向かっていった。


 「ゴメンッ!本当にゴメン・・・!!」
教会に帰って来ると、アシュトンは必死に謝る。
「まぁよいわ・・。それより・・何故あんなことになったのだ?」
「実は・・・・」
アシュトンはプレゼント用のチョコをリッドに食べられてしまったこと、それで怒ってリッドを追いまわし、それでリッドを守ろうとしたガイと斬り合いになったことを話した。
 「なるほど・・。だが・・この・・馬鹿者がぁぁぁ!!!」
思い切り怒鳴られ、アシュトンは縮こまる。
「ご・・ごめん・・。せ・・せっかく・・作ったのに・・。ルシフェルに・・あげたかったのに・・・」
「その気持ちは嬉しいぞ。だがな・・だからといって喧嘩などするでない!!立派な傷害罪だろうが!!食い意地の張った若造のことは腹が立つが・・アシュトンが人を傷つける真似をする方が辛いのだぞ?」
「ご・・ごめんなさい・・・」
「わかっているなら覚悟はいいな?」
ルシフェルはベッドの縁に腰を降ろすと同時に、アシュトンを引き倒し、膝の上に載せてしまう。
同時に、膝を組み、お尻を突き上げる体勢を取らせた。
 (お・・怒ってる・・・。と・・当然だけど・・・)
お仕置きが痛く感じる体勢に、想像はしていたものの、ルシフェルの怒りの大きさに、アシュトンは思わず背筋が寒くなる。
上着を捲りあげられ、ズボンを降ろされて、お尻に冬の寒い外気を感じるや、ますます恐怖が増した。
 「行くぞ、ちょっとやそっとでは許さんからな」
またも恐ろしいことを言うや、ルシフェルは手を振り上げた。


 ビッダァァァァ~~~~~~~ンッッッッ!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~ッッッ!!!!!
「うっわぁああああああああ!!!!!!!!」
最初から容赦のない、豪雨のような平手打ちの嵐にアシュトンは絶叫する。
 (覚悟はしてたけど・・。痛いなんてもんじゃ・・ないよぉぉ・・!!)
あまりの痛さに、耐えることなど出来ず、もう最初から足をバタつかせてしまう。
バアッジィィィィィ~~~~~~ンンッッッッッッ!!!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~~~ッッッッ!!!!
「ぎゃひぃぃぃ!!ぎぃぃぃ!!うわぁああっ!!痛っ!!痛ぁぁあああ!!!」
両脚をバタつかせ、シーツを両手で掴みながら、アシュトンは悲鳴を上げる。
 ビバッダァァァァ~~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバン~~~~~~ンッッッッ!!!!
「ひぃぃぃ!!痛ぁああ!!ごめ・・ごめんなさい・・ごめんなさいっ!!」
「馬鹿者がぁぁ!!ごめんなさいは当たり前だろうが!!」
ルシフェルは平手の嵐をお見舞いしながら、お説教を始める。
 バアッジィィィ~~~~~ンッッッッ!!!
バァンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンバンッッッッ!!!!!
「ひぃん・・!ゆ・・許せな・・かったん・・だよぉぉ・・。せっかく・・作ったのに・・き・・君に・・あげた・・かったのにぃぃ・・・」
「だからといって斬りかかってどうする!?そんなことをすれば傷害で捕まるではないかぁぁぁ!!!」
「ひぃん・・!!ご・・ごめんなさぁぁい・・・!!」
謝るアシュトンだが、怒りマックスなルシフェルが許すわけも無い。
 「それだけではないっ!!アシュトンっっ!!あの金髪男も、食い意地の張った赤毛猟師もお前にとっては友人だろう?幾ら許せないからと、平気で友人に斬りかかるような真似をして、私がどう思う?」
「う・・。ご・・ごめん・・なさい・・・。僕がそんなこと・・したら・・悲しいよね」
ルシフェルの言葉に、アシュトンは罪悪感が沸いてくる。
 自分が人を、それも友達のはずの相手を傷つけるようなことをすれば、ルシフェル、胃や他の友人達も皆悲しい思いをするだろう。
今さらながら、あまりにも浅はかなことをしたと思わずにはいられない。
 「そうだ・・。皆・・お前をそんな子に育てた覚えはないはずだぞ!?」
(君に育てられた覚えは無いんだけど・・・・。ボーマンさんやディアスさんはともかく)
心の中で突っ込みたくなるが、口には出さない。
 「ご・・ごめんなさい・・。取り返しの・・つかないこと・・するところ・・だったよね・・」
「わかっているなら厳しく叱られても文句が言えないのはわかるな?」
「う・・うん・・。こ・・怖いけど・・・。ちゃ・・ちゃんと・・お・・お仕置きは・・受けるよ・・・」
「いい子だ。ただし・・まだまだ泣かせるぞ。今日はしっかりと反省するのだ。いいな?」
再び恐怖に身を震わせつつも、アシュトンは静かに頷く。
それを見ると、ルシフェルは今度は鞭を取り出す。
鞭を手にしたかと思うと、思い切り振りかぶった。
 ビシッッッ!!
ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!
「ぎっ・・ぎゃああああああああああ!!!!!!」
鋭い、それこそ刃物で切り裂かれているかの痛みに、アシュトンは再び絶叫する。
 ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!ビシビシビシッ!
「うわあああんっ!!ごめんなさいっ!!ごめんなさぁぁいい!!二度としませぇぇん!!ごめんなさぁぁぁいいい!!」
鋭い痛みと共に、既に真っ赤なお尻に蚯蚓腫れが幾重にも刻み込まれる。
両脚をバタつかせ、ボロボロ涙を零しながら謝るアシュトンの悲鳴と、風を切る鋭い音が長い長い間、響きわたっていた。


 「ひっ・・ひっぐ・・ひぃぃん・・・」
全身を震わせながら、アシュトンは泣いていた。
お尻は今や満遍なく紅蓮に染め上がり、畑の畝のように蚯蚓腫れがびっしりとついている。
 「ごめ・・ごめんなさぁぁい・・・。ごめんなさぁぁい・・・」
「反省したのか?」
「ひぃん・・。してる・・よぉぉ・・」
「ならば何が悪かったのだ?言うがいい」
鞭を振るう手を止め、ルシフェルは尋ねる。
 「ひぃん・・。と・・友達の・・リッドやガイに・・暴力・・振るった・・こと・・」
「そうだな。それから?」
「ひぃん・・。そ・・それで・・君に・・心配・・かけた・・こと・・」
「よく言えたな。わかってくれたようだな」
そういうと、ルシフェルはようやく鞭を手放す。
 「痛かっただろう?大丈夫か?」
ルシフェルはアシュトンを抱き起こすと、優しくお尻を撫でてやる。
「ううん。僕こそごめんね。心配かけて・・・」
「いいのだ。わかってくれれば。まぁしかし・・お前の事を叱っておいて何だが・・あのリッドとやらに・・腹が立たんこともないがな・・」
「リッドのことは許してあげてよ。悪気は無かったんだし、今回は僕の方も悪いんだから。でも・・・残念だなぁ・・。せっかく君にお手製のチョコプレゼントしたかったのに」
「その気持ちだけで嬉しいぞ。何なら・・チョコの代わりにアシュトンを頂こうか?」
「もう・・恥ずかしいこと言わないでよ!!」
「嫌か?」
「ううん・・。ルシフェルなら・・いいよ・・」
「ふふ。なら、決まりだな」
ルシフェルはそういうと、アシュトンと唇を重ねる。
そして、互いに抱きしめあったまま、ゆっくりと横になった。


 後日・・。
「なぁ、本当にいいのかよ?」
リッドは自分の膝の上でお尻を出しているアシュトンに尋ねる。
 「うん・・。あのときは・・僕が悪かったから・・。ちゃんとリッド達に謝りたいんだ」
「でもよぉ、元はといえば俺が悪かったんだしよぉ・・」
リッドは困ったような表情を浮かべる。
ガイと共に教会に呼ばれ、この間の事でちゃんと二人に謝りたいからお仕置きをして欲しいと頼んだのだ。
 だが、リッドは元々自分が盗み食いをしてしまったことが原因なため、自分がアシュトンをお仕置きするのはどうかと思ったのである。
「リッド、そう言わずにお仕置きしてやれ。アシュトンだって俺達に許してもらえないんじゃないか、そう思って逆に苦しい思いさせることになるぞ」
リッドのためらいに、ガイがそう言う。
 「わかったって。じゃあ、行くぜ?」
「うん・・お願いね」
アシュトンがそういうと、リッドも覚悟を決めたのか、ゆっくりと手を振り上げた。


 ―完―

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